雑 俳
にお
け る漢
字
使
用
状
況︱
﹃ 冠 附 四 季 の 花 ﹄ の 場 合 ( 三 )
︱
西譲
二
はじめに
本稿は本学紀要第十一号(平成六年三月)および第十二号(平成七年三月)において報告した「雑俳における漢字使
用状況‑「冠附四季の花」の場合(一)‑」・「雑俳における漢字使用状況‑r冠附四季の花」の場合(二)‑‑」で'掲げ得なかった次のものについて報告するものである。
1全‑振り仮名の与えられていない漢字およびその用例
二振り仮名の与えられている場合の少ない漢字
三漢字字種の使用度数
87
■
全く振り仮名の与えられていない漢字について'以下掲げる。掲出にあたっては'まず該当する漢字を索引での掲出
順に配し'すぐ下に()で用例数を示し'また'用例そのものは索引での掲出法に従って用例数の下に示すこととし
た。これにより'どの漢字がどのような状況で振り仮名が与えられていないかということへの理解が深められるであろ
う。全‑振り仮名の与えられていない漢字は六五字である。
香(‑)ィチー
イツー
引(8)ひく
ひき‑
ひっ‑
‑ぴき
干 董 晦 可 右
1 3 1 1 1
ふ ヱ 117 音
し
マイー枚25オ2チ‑本11ウ2‑軒3オ6
Iィて8ウ5ちんば‑詔ウ541ウ9‑きゃ37オ4‑ぬいて31オ4'コ‑はり蛸30ウ3‑く,り39オ5
のつ‑47オ9
‑22オ6
‑愛らしい39オ9
‑日33ウ3
‑20ウ829オ531オ5
梅‑49ウ3
京 富 九 客 迄 書
5 1 1 1 1 1
苦 手 ク 圭 享 子
五(1)
請(‑)
江(4)
候(2)
≡(9) キヤウー
ーゴー
かた7
えー
そろ
サーIサー・
サシー
みつ
のこも
にる
すな ‑野29ウ1
‑43オ5
掛野‑4‑オー
‑の段43オ8
‑本無三四siオ
ー・.3ウ531ウ11
ノポ‑みやげ5ウ523オ3‑登り41ウー〇
四‑十日程42ウ1
‑やかる43オ2
‑戸18ウ347ウ848ウ6‑戸ッ子43ウ9
‑2オ22ウ10
‑味朗ウ‑
官本無‑四siオ
ナンー里2オ118オ135ウ11‑の糸9オ̲2‑人17オ9‑十何ぼ48ウ6
‑つ10ウ10
‑らず27ウ8‑るーウ12
‑たりやく36オ5
‑10ウ6
89
中 温 商 拾 秋 宗 未
3 1 1 1 2 1 2
ま シ シ ひ あ I I
うヤ ヤ ろ き シ シ ナウ ウ ふ ユ ユ
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夕 姓 寸 氷 債 神
2 1 1 ll 1 1
ゆ l l み ま か
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弐‑23ウ247ウ12
法華‑̲2オ1
‑7ウ1210ウ1t
IテEGオ8
‑責9ウ12
‑・U33オ
ーしたい24オ̲2‑せいでか48ウ8
‑にくひ31オ8
‑さん36ウ11
‑よ29ウ10
‑8ウ89オtt1オ22オ222オ822ウ424オ831ウ1139オ147ウ̲0一‑48ウ2
育‑め49ウ1
‑日38ウ1
‑部27ウ6‑竹47オ11ナメ滑りI8ウ8
‑は急げ26オ9
袋(1)
代(‑)
町(2)
笛(‑)
.田(1)
殿(1)
冬(3) ‑ぷくろ
‑ダイ
まち
‑ぶえ
ふゆ‑
梅 弐 男 同
3 2 1 4
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イ こ じ
く
むめ
むめ‑
せまる
ハチー
ーハチ
ハツー ぬか‑別オ2茶‑41ウ12
‑3ウ510ウ3
鹿‑‑ウ12
‑植23オ12
‑中5ウ6
‑5ウ226オ10
‑がれ21ウ1
‑2オ715オ129ウ349ウ5
‑49オ3
‑宋
23ウ247ウ̲2カン寒
紅‑9ウーーナンく40オ7
‑干49ウ3
‑り36ウー
ー兵衛別オ649オLh
T42オ5
‑百20ウl
91
更 空 襲 農 具 2 1 2 1 1
‑ハツー
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又 法 兵 部 冨
7 1 2 1 1
美 事 与 ll7
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カー‖′
となり 七てん‑とふ37ウ3
‑古30オ2
ゾメキー分14ウ11
‑下‑オ112オ5
‑後25オ̲0
‑姓め49ウ1
A‑20ウ12
‑ン39オ2
‑24ウ8
‑士6ウ2午27ウ6
八‑衛朗オ649オ5
‑華宗̲2オ1
‑11オ8日ウ612オ440オ̲049ウ249ウ6
‑かいな20ウ11
穴I29オ8牡かこー47オl≡‑2オ118オ135ウl
‑リ32オ146ウ6
鹿(1)しかI‑笛7ウl
和(2)=日‑t2オー20ウ5
抹‑抹2この六五字は'山田俊雄氏の「新木賎しの調査での字数である四三字'および拙稿のr青木賊Jの調査での字数である
二七字に比べると'かなり多‑なっている。このr四季の花」とr新木賎しとで'共通して全‑振り仮名の与えられて
いない漢字は'
書京江三姓半百兵又敗
である。またtr四季の花」とr青木賎しとで、共通して全‑振り仮名の与えられていない漢字は'
晦九京侯秋八百兵敗
である。そして'コ新木賊」「青木賊」「四季の花」の三つに共通して'振り仮名の与えられていない漢字は'
京首兵歓
汁p'である。ここでは'やはり'山田俊雄氏が全‑仮名の与えられていない漢字について指摘された五つの性質を考えると
きtr青木賊」のときと同様に'このr四季の花」においても'それをあてはめて考えることができるであろう。
93
なお'この全‑振り仮名の与えられていない漢字がtr四季の花」では六三字と多‑なっている点については'調査
対象としての「四季の花Jという文献のもつ分量がtr新木賊」や「青木賎しに比べて少ないということを理由として
あげることができると考えられる。
二
全‑振り仮名の与えられていない漢字を考える場合に考慮しな‑てはならないものとして'「青木賊」のときと同様
に'振り仮名の与えられている場合が少ない漢字を以下に取りあげる。r青木賊Jでの報告と同様に'用例のうち半数
以上に振り仮名の与えられていない漢字について取り上げることとする。掲出にあたっては'該当する漢字を索引順に
配し'その漢字の全用例中に占める振り仮名の与えられていない場合の用例数を分数で示す。
1(181g3)雲(2J3)衝(2一3)外(315)
見(詔‑2)戸(8一10)古(3一5)山(3ILL,)
十(7す)出(相fg3)春(2J3)如(2J4)
石(37)雪(37)大(57)茶(47)
午(27)寓(27)風(5一8)分(51O) 月(A5)丸(4一5)
此(ほll)糸(315)
升(2一4)桧(2Jm)
中(ヱcqH)店(2一3)
栄(37)本(27) 儀(3一6)供(2一3)
辛(ヱl)七(2I3)
上(ヱl)心(31LL,)
斗(27)度(3一4)
冒(且6)抽(5す) 橋(3)LD)近(21rr,)
日(8Fe)酒(27)
井(21m)世(417)
嶋(2In)二(9一l)
育(8一S)柳(3一5)
また'使用度数が二回で'その一方が振り仮名の与えられていない場合であるという漢字は'次に示す三三字である。
華廻皆菊穴向光士車受重杏皆鐘津最盛扇舷膳段智竹虫垂丁
内比不夫餅弥命
右に掲げた中で'使用度数が二回でその中の一例が振り仮名の与えられていない漢字の場合と使用度数が三回でその中
の二例が振り仮名の与えられていない漢字の場合とを使用度数が少ないものとして除けば'振り仮名の与えられている
場合が一例のみというものは'次の九字である。
月九十升石度二分米
また'振‑仮名の与えられている場合が二例のみというものは'使用度数が四回でその中の二例が振り仮名の与えられ
ていない漢字の場合をやは‑使用度数が少ないとの理由で除‑と'次の九字である。
外戸古山糸心雪大柳
次にこの「月」以下「柳」までの二一字について'その使用状況を略述する。
ジツゲツ「月」は字音の「‑グワッ」「‑ゲツ」と字訓の「つき」のうち'振り仮名が与えられているのは「日月」(19オ)の
みである。
95
「丸」は字音の用例がな‑、字訓の「まるめる」「まるこい」「まる⊥「‑まる」「まるで」のうち'振り仮名が与えリサマJ'られているのは「(利が有て)一座は下の庭が丸め」(13オ10)のみである。
ジ▲ウマン′ウ「十」は字訓の例がな‑'字音の「ジフ⊥「‑ジフー」のうち'振‑仮名が与えられているのは「十寓堂」(10ウほ)
のみである。
ヰマス「升」は字音の例がな‑'字訓の「ます」のうち'振り仮名が与えられているのは「居升ので」(16オ8)のみであ
る。他は「御座‑升」(37オ10)「問イテ升」(48ウ8)「お升のけ」(48オ2)である。ミツナヤ「石」で'振り仮名が与えられているのは塾字訓の「菊石」(43オ6)のみで'他は字訓の「いし」(18ウ1029オ6)
「いLI」(22オ3)の例である。コンド「皮」は'字音「‑ド」'字訓「Iたい」のうち'振り仮名が与えられているのは「今度は」(35オほ)である。もう
一つある字音の例はやはり「今度」(30オ10)であるが'こちらには振り仮名は与えられていない。7「二」は字音の「こ」「ニー」r‑ニIL「‑こ」と字訓の「ふた⊥のうち'振り仮名の与えられているのは「二タ
ケ'り
桁」(36ウ4)のみである。字訓にあと1例「二夕人」(43オ8)があるが'こちらには振‑仮名は与えられていない。フンペツ「分」は字訓の用例がな‑'字音の「フン⊥「‑プン」のうち'振り仮名が与えられているのは「分別」(30ウ6)
のみである。他は「十分」(3オ1112ウ320オ724オ11)と「ゾメキ半分」(14ウ11)である。コメ「米」は字音の用例がな‑'字訓の「こめ」「こめ‑」のうち'頼り仮名が与えられているのは「米」(44ウ)の例で'
他に「こめ」で二例(5ウ447ウl)あるものには振り仮名は与えられていない.「外」は字音の用例がなぐ字訓の「そと」「ほか」のうち'振り仮名が与えられているのは(18ウ739ウS)の「ほか」の二例である。
「戸」は字音の用例がなく字訓の「と」「‑ビー」「Iど」のうち'振り仮名が与えられているのは'「12(33ウl)ヰド
「井戸」(16ウ4)の二例である。「と」には他に(6ウ725オ2)の二例が'また'「ゐど」には他に(39ウ1043オ
3)の二例が'それぞれあるが'振り仮名は与えられていない。
コキン7ルイケ「古」は字音の「コー」「‑ゴ」と字訓の「ふる」「ふる‑」「ふるい」のうち'「古今」(7オ2)と「古池」(22ウ4)
の二例が振り仮名の与えられている例である。
ヤマサハヤマ「山」は字音の用例がなく字訓の「やま」「やま‑」「‑やま」のうち'「山ざ‑ら」(2ウ4)「沢山」(44ウ)の二
例が振り仮名の与えられている例である。
イトクヅ「糸」は字音の用例がな‑'字訓の「いとー」「‑いと」のうち'振り仮名の与えられているのは「糸屑」(16オ2)シ'イト「白糸」(22オ2)である。「心」は字音の「シンー」「‑シンー」「‑ジン」と字訓の「こころ」「ここ」のうち'振り仮名の与えられているのシン7タコ・ナは「心腹」(30オ4)「心地」(23オ‑)である。
七ツインユキ「雪」は字音の「セツー」と字訓の「ゆき」のうち'振り仮名の与えられているのは「雪隠」(‑ウ7)「雪」(42ウ
10)である。「ゆき」は他に三例(17ウ221ウ638オ10)があるが'いずれも振り仮名は与えられていない。',プ'イ「大」は字音の「ダイ」「ダイー」と字訓の「おは‑」のうち'振‑仮名が与えられているのは字訓の方の「大舞董」'ヽヒ一ヲ(9ウ5)「大平」(33オ)の二例である。
ヤナヰ「柳」は字音の用例はな‑'字訓の「やなぎ」「Iやなぎ」のうち'「柳」(16ウ1239ウほ)の二例に振り仮名が与
えられている。「やなぎ」には他に二例(5ウ219ウ10)があるが振り仮名は与えられていない。
以上の1人字のうち「丸」「米」は'山田俊雄氏がr新木賊」について示された全‑凝り仮名の与えられていない漠
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