帯電導体の電荷分布
1
1st. 2011/11/10 Lst. 2021/11/07
導体表面電荷密度と電界の関係
2s h
E
S 0
E d s Q
高さhで導体表面に垂直な面積Δsの円筒を ガウス閉面に選ぶと、ガウスの法則より
upper 0
S
E d s s
upper 0
cos 0
S
Eds s
0
E s s
upper S 0
E ds s
0
[V/m]
E
微小円筒の高さhが小さければ側面から 電界は流出しないので
微小面積Δsと電界Eの方向は同じ方向なので
微小面積Δs上の電界Eは一定の大きさなので
微小円筒上部の面積はΔsなので 従って,導体表面上の電界は (1)
(2)
(3)
(4)
(5) (6)
z
x + + + y
+++
++
+++ +
E h
+ + + +
+
+
++
+
+
s
【例題】 二つの導体球のうち、内導体球にQ [C]の電荷を与えたとき、各部の電界と 電位を求めよ。(教科書 p.27)
a b
c
Q
【解答】 静電誘導により外導体に図のような電荷が誘起される。
半径rの球面にガウスの法則を適用すると、
0 0
0
0 /
/ /
S
r a
Q a r b
E dS Q Q b r c
Q Q Q r c
r
2 0
2 0
0 / 4 0
/ 4
r a
Q r a r b
E b r c
Q r r c
従って
電界は、
帯電導体の電荷分布と電界①
+
+
+
+
+
+
+
+ +
+
+
-
- -
-
-
-
-
- -
-
-
-
+
++++
++
++
++
++
Q
Q
Q
cos 0 4 2
SE dS SEds E Sds E r
ここで左辺は、
(1)
(2)
(3)
3
内導体は強制帯電、
外導体は静電誘導
【続き】 電位は、無限遠を基準として
2
0 0
4 4 [V]
r r Q Q
V E dr dr
r r
0
0 [V]
4
c r
c
V E dr dr Q
c
0 0
0 1 1 [V]
4 4
c b r
c b
Q Q
V E dr dr E dr
c r b
0 0
0 0 1 1 [V]
4 4
c b a r
c b a
Q Q
V E dr dr E d r dr
c a b
帯電導体の電荷分布と電界②
【例題】 二つの導体球のうち、内導体球にQ [C]の電荷を与えたとき、各部の電界と 電位を求めよ。(教科書 p.27)
① c<rのとき
② b<r<cのとき
③ a<r<bのとき
④ r<aのとき
+
+
+
+
+
+
+
+ +
+
+
-
- -
-
-
-
-
- -
-
-
-
+
Q ++++++++++++r
Q
1 C F E
E
4
【例題】 面積S [m2]を有する2枚の平行平板導体を間隔d [m]で配置し、それぞれにQ と-Qの電荷を与えるとき、導体間の電界と電位差を求めよ。(教科書 p.29)
0 0
0 0
d d Q Qd [V]
V E dx dx
S S
帯電導体の電荷分布と電界③
Q S
d
Q
s
+ + + + +
- - - - -
+ + + +
- - - -
0 h
【解答】 高さhで導体表面に垂直な面積Δsの 円筒をガウス閉面に選ぶと、ガウスの法則より
S 0
E d s Q
微小円筒の高さhが小さければ側面 から電界は流出しないので
lower
S 0
E d s s
lower
0
cos 0
S
Eds s
0
E s s
lower
S 0
E ds s
微小面積Δsと電界Eの方向は同じ 方向なので
微小面積Δs上の電界Eは一定の 大きさなので
微小円筒上部の面積はΔsなので
従って,導体表面上の電界は
0 0
[V/m]
E Q
S
電位差は
x
y
cos180
E dx Edx Edx
帯電導体の電荷分布
【例題】 次のケースで、電荷はどのように分布するか?
(3)導体棒 (2)導体円環
(1) 導体球 または導体球殻
++
+
+++
++
+
電荷の 注入
+
+
+
+ +
+
+
+
+
+
++
+
+
+
++
+
+
++
+
++
+
+
Answer : (1) クーロン力によって互いに反発するため、導体球表面に電荷が集中する。(2) 同じ理由で円 環の外周に均一に分布する。(3) 同じ理由で導体棒のエッジに集中する。(均一にはならない。)
[C/m ]2
x
静電誘導(復習)
7+ +
+
+
+
+ +
+
+ +
++
+
+
--
-
-
±0
(静電誘導)
+Q [C]
(帯電)
+
+
+
+
+
+ +
+
+
-
-
-
-
±0
(静電誘導)
+Q [C]
(帯電)
-
- -
+ +
+
+
+
+ +
+
+ +
++
+
+
+
- +
-
-
--
-
-
±0
(静電誘導)
+Q [C]
(帯電)
帯電導体と誘導導体 が近いとき
帯電導体と誘導導体 が離れるとき
誘導導体がアースさ れているとき
-
-
無限の電荷供給源
(アース)
地球は我々よりも非常に大きい ので、多少の電荷を供給しても、
裏側に電荷の不足は起きない。
外部電界
内部電界
Eext
Einn
自由電子の移動
正に 帯電 負に
帯電
外部電界と内部電界の打消しにより、導体内部では電界ゼロ
導体
Eext
Q
自由電子の移動 自由電子
の移動
原子核 自由電子
静電誘導(復習)
8静電誘導の例
紙田,``改訂版 やさしい電気の手ほどき’’ pp. 24-25, 電気書院 より引用
上昇する小さい氷の結晶(粒)は 衝突によって電子が叩き出されて 正に帯電し、落下する雹(塊)は負 に帯電する。(摩擦帯電)
Discovery Channel, 災害警報 稲妻
10 km
Q
Q
2 km
-60 ℃
Q
5 ℃ 30 ℃
上昇気流
地上表面には雲の下層部に蓄積 した負電荷に誘発されて正電荷が 誘導される。(静電誘導)
電荷はお互いにクーロン力で反発 するので、地表に尖ったものがあ ると、電荷が蓄積しやすい。
スプライト
雷 雹
摩擦帯電
静電誘導
E
-10 ℃ 雨
(1) 外部電界と内部電界の打消しによって、導体内部では電界はゼロになる。
(2) 導体内部の電界(電位の勾配)はゼロなので、導体内部ではあらゆる点で 等電位となる。
(3) 導体内部では正電荷と負電荷が釣合って、正味の電荷が存在しない。(ガ ウスの法則から、電荷密度はゼロ)
(4) 導体を外部電界にさらすと、静電誘導により電荷は導体表面のみに分布 しているように見える。
(5) 導体表面では電界Eは表面に直交し、表面電荷密度σ[C/m2]との間に σ=ε0Eの関係を有する。
0, Const.
E V V
0E
導体と静電界の関係(まとめ)
(2)
(5)
ext inn ext inn 0
E E E E
(1)
( ) 0 0
SE ds Q Q
(3)
SE ds Q 0
(4)
点電荷が作る電位の重ね合わせ
114 P
1 0
1 4
i
i i
V Q
r
2 P
1 0
1 4
i
i i
V Q
r
Q1
Q2
r1
r2
P V1
V2
Q1
Q2
Q3
Q4
r1
r2
r3 r4
P V1
V2
V4
V3
P 1 2
V V V
P 1 2 3 4
V V V V V 正電荷
負電荷
正電荷 負電荷
(2)
(3)
1 2
1 2
P P
0 1 0 2
1 1
4 , 4
Q Q
V V
r r
(1)
電位の重ね合わせ
任意点の電位は、点電荷Qが作る電位の 重ね合わせで表現される
点電荷から観測点 Pまでの距離 [m]
比例定数
12
P
0
1 4
i
i i
V Q
r
i 番目の電荷 [C]
電位の総和(一般化)
P
0
1 ( ) ( )
V4
V r r dv
R
任意点の電位は、微小電荷ρdvが作る電位の 積分で表現される
点電荷から観測点 Pまでの距離 [m]
位置r’における 電荷密度 [C/m3]
比例定数 重ね合わせ
領域 位置rにおけ
る電位 [V]
O
VP
R
r r
( )r
dv
電荷分布の計算モデル
【演習2】 長さ1 mの導体棒に1 Vの電圧を加えたとき、導体上の電荷密度分布 σ[C/m2]を求めよ。ただし,導体半径はa=1 mm とせよ。分割幅は各自で決めよ。
x
2a 2d
123 i N (2 ) 2
L N d Nd
V
N. N. Rao, “Elements of Engineering Electromagnetics Sixth ed.,” p. 741, Pearson Prentice Hall J. D. Kraus, D. A. Fleisch, “Electromagnetics with applications Fifth ed.,” pp.558-559, McGraw-Hill 依田,Mathematicaによる電磁界シミュレーション入門,森北出版
問題の定式化1
15x
2a 2d
R
123 i N
2a
x 0
2 ( )2
R a x x
d x
d
電位の観察点Pが 着目している導体 円筒の外にあるとき
VP ++++
dx
x (2 ) 2
L N d Nd
2
P 0
0
1 4
d i
x d
V ad dx
R
x=0とすれば、着目している円筒
導体が自身の中心に作る電位 になる。
(1)
[C/m ]2
面電荷密度
着目している導体円筒上で は電荷密度σは一定とする。
x x
問題の定式化2
16x 2a
(2 ) 2 L N d Nd
2d
123 i N
dx
++++
2a
x
0 d
d VP
R
2 (0 )2
R a x
電位の観察点Pが 着目している導体 円筒の中心にある とき
x
2
P 0
0
1 4
d i
x d
V ad dx
r
x
(2)
着目している導体円筒上で は電荷密度σは一定とする。
観察点Pにおける電位は、常に波 源からズレていることがポイント。
これによって特異点(電位が発散 する点)を避けて計算ができる。
問題の定式化3(解析的な積分)
2
P 0
0 2
2 2
0 0
2 2
0
2 2
0
2 2
2 2
0
1 4
1
4 ( )
2 1
4 ( )
ln ( )
2
( )
2 ln ( )
( )
d i
x d i d
x d i d
x d
d i
x d
i
i
V ad dx
R
d dx
a x x
a dx
a x x
a x a x x x
x d a x d
a
x d a x d
f x
2 2
2 2
0
( )
( ) ln
2 ( )
x d a x d
f x a
x d a x d
2 2
2 2
1 dx ln x a x C
a x
積分公式
ただし、f(x)を右のように置いた。
電位を求める積分は以下のようにして計算できる。
下の式でx=0とすれば、電位の 観察点が着目している導体円筒 の中心にあるときでも使える。
(1)
(3) (2) 未知数は積分記号内 の面電荷密度σ
(積分方程式と呼ぶ)
電磁気学でよく使う積分公式
2 2
2 2
1 dx ln x a x C (1)
a x
2 2
2 2 2 2 2 2
2 2
2 2
2 2 2 2
2 2
1
1 ln
ln
x a x
dx dx
a x a x x a x
x a x
a x dx dx f x dx f x C
x a x a x f x
x a x C
2 2
2 2
2 2
2 2 2 2
2 2 2 2 2 2
( ) , ( ) 1
( ) 1 1
( )
f x x a x f x x
a x
x a x x
f x a x a x
f x x a x x a x a x
と置くと、
もとの式の分子・分母に x a2x2 を掛けると、
を証明せよ。
証明終わり。
問題の定式化4(連立方程式)
19x 2(2 ) 4 L d d
12
x 3(2 ) 6 L d d
123
N=2 の場合
N=3 の場合
1
2
P 1 2
P 1 2
(0) ( 2 )
(2 ) (0)
V f f d
V f d f
P1 P2
P1 P2P3 2d
2d
1
2
3
P 1 2 3
P 1 2 3
P 1 2 3
(0) ( 2 ) ( 4 )
(2 ) (0) ( 2 )
(4 ) (2 ) (0)
V f f d f d
V f d f f d
V f d f d f
x 4(2 ) 8 L d d
123
N=4 の場合
P1 P2P3
2d
1
2
3
4
P 1 2 3 4
P 1 2 3 4
P 1 2 3 4
P 1 2 3 4
(0) ( 2 ) ( 4 ) ( 6 )
(2 ) (0) ( 2 ) ( 4 )
(4 ) (2 ) (0) ( 2 )
(6 ) (4 ) (2 ) (0)
V f f d f d f d
V f d f f d f d
V f d f d f f d
V f d f d f d f
P4
4
観測点P1に作られる電 位は、σ1が自分の中心 に作る電位と、σ2が-2d 離れた位置に作る電位 の和で表される。
(1)
(2)
(3)
問題の定式化5(マトリクス表示)
20x 2(2 ) 4 L d d
12
x 3(2 ) 6 L d d
123
N=2 の場合
N=3 の場合
1
2
1 P
2 P
(0) ( 2 ) (2 ) (0)
f f d V
f d f V
P1 P2
P1 P2P3 2d
2d
1
2
3
1 P
2 P
3 P
(0) ( 2 ) ( 4 )
(2 ) (0) ( 2 )
(4 ) (2 ) (0)
f f d f d V
f d f f d V
f d f d f V
x 4(2 ) 8 L d d
123
N=4 の場合
P1 P2P3 2d
1
2
3
4
1 P 2 P
3 P
4 P
(0) ( 2 ) ( 4 ) ( 6 )
(2 ) (0) ( 2 ) ( 4 )
(4 ) (2 ) (0) ( 2 )
(6 ) (4 ) (2 ) (0)
f f d f d f d V
f d f f d f d V
V
f d f d f f d
f d f d f d f V
P4
4
[ ]は行列、{ }は列 ベクトルを示す。
行列には一定の 規則性があること が分かる。
(1)
(2)
(3)
計算手順の一例(N=4の場合)
行列要素
逆行列 解
電圧
x f(x)
計算条件
f(x)は自作関数で定義する こともできる。詳細は、
https://www.kusamalab.org/lecture/excelmacro/excelmacro.html
(1)
Excelによる連立方程式の解法
Ctrl Shift 押し ながら Enter B7:D9を選択状態
でB7に数式入力
Ctrl Shift 押し ながら Enter
B7:D9に逆行列 が出力される。
E7:E9に解 が出力さ れる。
E7:E9を選択状態でE7に数式入力
① ②
③ ④
計算結果(N=4の場合)
23【解答例】 エクセルを使って数式を入力し、計算結果を描画する。
0 2E-10 4E-10 6E-10 8E-10 1E-09 1.2E-09 1.4E-09 1.6E-09
0 1 2 3 4 5
σ[C/m2]
導体分割番号
N=50 の場合
電荷分布の計算結果
24【解答例】 Mathematica でプログラミングした結果 N=5 の場合
N=100 の場合 N=10 の場合