序 文
われわれは今までに自動抗酸菌培養検出装置 BACTEC MGIT 960 system ( 日本ベクトン・
ディッキンソン)の検出能力について多数の臨床
検体を用いた検討を行い,迅速性,検出率の優位 性について報告してきた
1).MGIT に関する検討 は国内外を問わず実施されているが,多くは臨床 検体や保存菌株を用いた検出能力に関するもの で,性能に関する基礎的検討は少ない.
今回は同装置による臨床検体を用いた培養陽性 時の菌量および陽性試料からのアキュプローブ
(極東) による直接同定について詳細な検討を実施
臨床検体を用いた Mycobacteria Growth Indicator Tube 培養陽性 試料からの抗酸菌直接同定に関する検討
三菱化学ビーシーエル・臨床微生物1),東北大学加齢医学研究所呼吸器腫瘍研究分野2)
長谷川美幸
1)小山 悦子
1)小林 寅 1) 渡辺 彰
2)
(平成 12 年 8 月 7 日受付)
(平成 13 年 1 月 5 日受理)
抗酸菌自動検出装置 BACTEC MGIT960(ベクトン・ディッキンソン)による培養陽性試料に対し迅 速同定を目的としてアキュプローブ結核菌群同定(極東)およびアキュプローブマイコバクテリウムア ビウムコンプレックス(極東)を用い,直接同定に関する検討を行った.
1999 年 2 月から 4 月の間に抗酸菌感染症が疑われた患者より採取した喀痰試料を常法に従い MGIT 960 を用い 37℃,42 日間まで培養した.MGIT 陽性培養液を数日間追加培養後,アキュプローブを用い て直接同定を行った.
今回の検討に用いた喀痰 99 検体からの検出菌は,単一の抗酸菌が認められた例が 93 検体(93.9%),
複数の抗酸菌が同時に検出された例が 6 検体(6.1%)であった.
MGIT960 陽性反応時の培養液中生菌数を Middlebrook 7H10 ager を用いた寒天平板コンラージ法に て測定した.その結果,培養液 1ml あたりの抗酸菌量はMycobacterium tuberculosisで 3.8×102〜2.5×106 cfuml,Mycobacterium avium-intracellularecomplex(MAC)では 1.5×103〜1.9×108cfuml と陽性判定直 後でも試料により大きな差を認めた.
アキュプローブによる直接同定が成功した例はM. tuberculosisあるいは MAC が検出された延べ 101 例中 96 例(95.0%)で,内訳はM. tuberculosis57 例(56.4%),MAC 39 例(38.6%)であった.
以上の成績から MGIT960 陽性試料からのアキュプローブを用いた直接同定は,近年増加傾向のある 抗酸菌感染症に対し,培養同定検査における迅速診断に有用であることが示唆された.
〔感染症誌 75:300〜306,2001〕
要 旨
別刷請求先:(〒174―8555)東京都板橋区志村 3 丁目 30 番 1 号
(株)三菱化学ビーシーエル・臨床微生物
小林 寅
Key words: automated liquid culture system, mycobacteria growth indicator tube, mycobacteria, chemiluminescent DNA probe assay, viable cell count
Table 1 Distribution of mycobacteria detected from 99 sputum samples
No. of samples(%)
Organism
(53.5)
M. tuberculosis 53
(37.4)
37 MAC
Monomycobacterial
detection M. kansasii ( 1.0)1
( 1.0)
M. fortuitum 1
( 1.0)
M. abscessus 1
(93.9)
93 Subtotal
( 5.1)
M. tuberculosis+ MAC 5 Polymycobacterial
detection MAC + Unidentified mycobacterium ( 1.0)1
( 6.1)
6 Subtotal
( 100)
99 Total
MAC : Mycobacterium avium -intracellulare complex
したので報告する.
材料と方法
検体
1999 年 2 月から 4 月の 3 カ月間に東北および 関東地方の複数の医療施設において抗酸菌感染症 が疑われた患者より採取された喀痰約 2,000 検体 を収集した.検体は蛍光染色によって陽性を示し たものを確認のためにチールネルゼン法にて染色 し
2),ガフキー 1 号以上かつ MGIT960 で陽性と なった 99 検体を以降の検討に用いた.
培養
既法
1)に従い検体前処理を行い,BACTEC M- GIT960 system にて 37℃ で 42 日間まで培養し自 動判定を行った.陽性判定後アキュプローブ同定 試験用に培養チューブを 2〜3 日間追加培養した.
菌数定量
MGIT960 陽性時およびアキュプローブによる 同定試験実施時に培養液 1ml 当たりの菌量を測 定した.すなわち,培養液の 10 倍希釈系列を滅菌 生理食塩水にて作製し,Middlebrook 7H10 agar
(BBL),羊血液寒天培地 M58(栄研化学)および CLED medium (OXOID) にコンラージ塗抹した.
Middlebrook 7H10 agar は 35℃,5〜14 日間,他の 培地は 35℃,2 日間好気培養を行い発育したコロ ニーを観察し, 同一形態を示すものをカウントし,
培養液 1ml あたりの菌量を求めた.
同定
培養後,陽性を示したチューブから培養液をサ ンプリングし,3,000g,20 分間遠心集菌後,沈渣 を抗酸菌同定試験に用いた.Hybridization protec- tion assay 法によるアキュ プ ロ ー ブ 結 核 菌 群 同 定 (極東) およびアキュプローブマイコバクテリ ウ ム ア ビ ウ ム コ ン プ レ ッ ク ス (極 東)を 用 い Mycobacterium tuberculosis と Mycobacterium aviu- m-intracellulare complex(MAC)の鑑別を行った.
これらで同定できなかったものは DDH マイコバ クテリア (極東)を用い同定を行った
3).
また,沈渣からの直接同定が不成功であったも の は Middlebrook 7H10 agar 上 に 発 育 し た コ ロ ニーを用いて同様に同定試験を行った.抗酸菌以 外の菌はグラム染色性を確認した後,生物学的お よび生化学的性状試験により同定した
4).
精度管理
培養および同定作業を確認するため M. tuber- culosis H37Rv,M. avium ATCC25291,Mycobac- terium fortuitum ATCC6841 の既知菌株を用い,同 様の手順にて操作を行った.
成 績
今回検討した喀痰 99 検体から検出した抗酸菌 を Table 1 に示した.単一の抗酸菌が認められた 例が 99 検体中 93 検体(93.9%),複数の抗酸菌が 同時に検出された例が 6 検体(6.1%)であった.
単独菌検出例では M. tuberculosis が 53 検体(53.5
%)と最も多く,ついで MAC 37 検体(37.4%)で
Mycobacterium kansasii ,M. fortuitum,Mycobacte- rium abscessus が各 1 検体(1.0%)に認められた.
抗酸菌の複数菌同時検出例では M. tuberculosis と MAC の混合検出例が 5 検体(5.1%)あり,MAC と今回用いたいずれの方法においても同定不能で あった抗酸菌の混合検出例が 1 検体(1.0%)存在 した.
Fig. 1 に培養液中の抗酸菌量を示した.Fig. 1a)
は MGIT960 培養陽性時,b) には追加培養後のア キュプローブ同定試験実施時の培養液中菌量を示 し た.Fig. 1a) の M. tuberculosis 検 出 検 体 で は MGIT960 で陽性と判定された時点の M. tubercu- losis 菌 量 は 3.8×10
2〜2.5×10
6cfu ml で あ っ た.
MAC では 1.5×10
3〜1.9×10
8cfu ml で,MAC は
M. tuberculosis に比較し,培養液中での菌量が多
い傾向にあった.
一方,これら陽性培養液の追加培養後には M.
tuberculosis は 4.4×10
2〜8.0×10
6cfu ml,MAC は 6.4×10
2〜8.0×10
8cfu ml の菌量を認めた.MGIT
960 陽性時から数日間培養したため全体に菌量の 増 加 が み ら れ る.こ こ で も Fig. 1a) の 成 績 同 様 MAC の菌量は M. tuberculosis に比較し約 100 倍 多かった.黒丸で示した例はアキュプローブによ る直接同定失敗例で,いずれも抗酸菌量は低かっ た.今回の検討では M. tuberculosis は約 10
3CFU mL の菌量で同定可能であった.
Table 2 にアキュプローブによる直接同定成績 と抗酸菌量を示した.培養液からの直接同定成功 例は, M. tuberculosis あるいは MAC が検出され た延べ 101 例中 96 例(95.0%)で,内訳は M. tu- berculosis 57 例(56.4%),MAC 39 例(38.6%)で あった.M. tuberculosis と MAC を比較すると M.
tuberculosis は MAC の 約 1 100 の 菌 量 で 同 定 可 能であり, M. tuberculosis が検出された 1 例は約 10
3cfu ml と少ない菌量で直接同定に成功してい る.一方,直接同定不成功例は計 5 例で,内訳は M. tuberculosis 1 例,MAC 4 例であった.これらは Middlebrook 7H10 agar 上に発育したコロニーを
Fig. 1 Comparison of viable cell count of M . tuberculosis and that of M . avium-intracellularecomplex a)Detection in MGIT
〇:viable cell count at detected time in MGIT b)Identification after incubation in AccuProbe
〇:viable cell count(achievement)
●:viable cell count(failure)
Table 2 Comparison of achievement and failure results of the identification of mycobac- teria from MGIT-positive samples with AccuProbe
Viable cell count, cfu/ml No. of samples(%)
Organism Results
2.7 × 103〜 8.0 × 106
(56.4)
M. tuberculosis 57
Achievement MAC 39(38.6) 1.0 × 106〜 8.0 × 108
―
(95.0)
96 Total
4.4 × 102
( 1.0)
M. tuberculosis 1
Failure MAC ( 4.0)4 6.4 × 102〜 2.0 × 105
―
( 5.0)
5 Total
MAC : Mycobacterium avium -intracellulare complex
Table 3 Viable cell counts of contaminated bacteria and mycobacteria from MGIT-positive samples
Mycobacteria Contaminated bacteria
Viable cell count, cfu/ml Organism
Viable cell count, cfu/ml No. of samples(%)
Organism
3.2 × 108 MAC
1.9 × 104 3
(3.0)
Bacillus
species 2.5 × 101 MAC 1.2 × 106
1.0 × 108 MAC
1.0 × 100
6.4 × 102 MAC
4.3 × 107 2
(2.0)
Staphylococcus
aureus 2.5 × 107 M. tuberculosis 4.4 × 102
1.8 × 106 M. tuberculosis
1.0 × 100 1
(1.0)
Vibrio alginolyticus
MAC : Mycobacterium avium -intracellulare complex
用い同定名を決定した.同定不成功例では各菌の 培養液中の菌量は成功例に比べ低い値を示した.
MAC の同定不成功 2 例は 10
3〜10
4cfu ml の低菌 量であったが,10
5cfu ml の菌量を示しながら直接 同定できない例が 1 例認められた.この 1 例は同 定不能の抗酸菌と同時検出例であった.
MGIT960 陽性時に培養液中に認められた一般 細菌を Table 3 に示した. Bacillus species が 3 例 に認められ,菌量は 10
0〜10
4cfu ml,同時に検出さ れた抗酸菌はいずれも MAC であった.また 2 例 には Staphylococcus aureus が混在し,その菌量は 10
7cfu ml レベルと高く,同時に分離された MAC あるいは M. tuberculosis は 10
2cfu ml レベルの少 ない菌量となった.これらの 2 例は Fig. 1b) に示 した直接同定不成功例で,混在した一般菌による 影響がみられた.
考 察
1999 年 7 月に厚生大臣は結核緊急事態宣言を 発表した
5).この背景には多剤耐性結核, 学校や医 療機関等における集団感染,社会経済的弱者や高
齢者, 海外からの流入外国人の結核患者の増加等,
緊急に対応を図らなければならない重要な問題が 挙げられている.また,1997 年にこれまで減少を 続けてきた新規発生結核患者数が 38 年ぶりに, 罹 患率においては 43 年ぶりに増加に転じた
6).これ らの増加は一過性のことではなく今後も引き続き 増加する危険性が指摘されている
6).このような 状況を改善するためにも,原因菌となる抗酸菌に 対する迅速で精度の高い検査の普及が望まれる.
Mycobacteria Growth Indicator Tube ( MG- IT)は臨床検体中の抗酸菌に対して優れた検出能 力を有することが報告されている
1)7)8).今回われ われの検討はこの MGIT に対し,培養同定検査の 迅速化を目的としてアキュプローブによる直接同 定等の基礎的検討を試みたものである.
MGIT で検出し得た抗酸菌は M. tuberculosis が
最多で次いで MAC と,坂谷の報告
9)と同様であっ
た. M. tuberculosis と M. tuberculosis 以外の抗酸
菌(nontuberculous mycobacterium,NTM)の分
離頻度は報告者により異なるが
9)10)対象患者背景
および培養法,同定法の違いが大きく影響するも のと考えられる.すなわちアキュプローブは日本 国内では M. tuberculosis および MAC の 2 種のみ のプローブが市販されているが,海外ではさらに M. kansasii,M. gordonae 等 の プ ロ ー ブ も 使 用 さ れている.同一手技であってもこのような国内外 の状況の違いが存在する.今回の成績では検出さ れた抗酸菌のうち M. tuberculosis は 55%,NTM は 45% の割合であった.抗酸菌感染症における NTM はその分離頻度の高さからも,今後その動 向に注意する必要がある.
一方,寒天平板培地を用いた分離培養によって MGIT 陽性培養液から M. tuberculosis と MAC の 混在,および MAC と同定不能の抗酸菌の混在が 示された.われわれが今までに一般細菌で報告し てきたように
11),同一材料から性状の異なる菌が 同時に検出される例が抗酸菌においても認められ た.このような M. tuberculosis と同時に検出され た NTM が感染症の原因菌であるのか,あるいは colonization しているだけなのかは今回の検討か らは断定することが出来ない.しかし,抗酸菌陽 性 99 検体中 6 検体(6.1%)に複数の抗酸菌が認め られた今回の例は決して低い比率ではない.抗結 核薬に対する感受性は菌種により大きく異なる.
そのため抗結核薬に感受性を示す単一菌のみを検 出し,治療薬を選択した場合,共存する耐性菌が 抗結核薬に抵抗を示し,化学療法が失敗する可能 性がある.同一検体に認められる複数の抗酸菌の 存在は,治療の成功,不成功を左右するかもしれ ない.
一方,各種抗酸菌を選択増菌する本システムで 培養陽性と MGIT960 が自動判定した時点での培 養液中菌量は,菌種により明らかに異なり, M.
tuberculosis と MAC で 約 100 倍 の 菌 量 の 差 を 認 めた.MGIT の測定原理は培養液中で抗酸菌が発 育する際に酸素を消費し,培養試験管底の酸素セ ンサーが UV 照射により蛍光を発するもので,
MGIT960 はこの蛍光を 60 分に 1 回判定する抗酸 菌自動検出装置である.酸素消費量や菌体分裂速 度などの生物活性が M. tuberculosis と MAC で異 なるために陽性時菌量に大きな差が生じる可能性
がある.一つには MAC の液体培地中での良好な 発育性が NTM 検出率が高い要因かもしれない.
また,今回は結果には示さないが M. tuberculosis に比べ MAC の検出所要日数は短く,これは既報
1)と同様の成績であった.培養液中の迅速な発育と 高い菌量により MAC は迅速で高感度に検出され るのであろう.Katila らも同様に MGIT を用いた 場合の MAC の高い検出率を報告している
12).
さらに, MGIT960 陽性試料を追加培養後アキュ プローブを用いた同定では M. tuberculosis あるい は MAC が検出された例の 95% が培養試料から 直接同定可能で,抗酸菌の迅速同定につながるも のと考えられた.今回の検討で検出された全抗酸 菌に占める M. tuberculosis および MAC の割合は 96% 以上で,この 2 菌種が国内の主な抗酸菌感染 症の原因菌と考えられる.アキュプローブ法では この 2 種を同定可能で,操作も比較的容易で検査 所要時間も短い.さらに PCR 等の遺伝子増幅を行 わないため,増幅産物汚染防止用の特殊な施設を 要しない.このことから抗酸菌培養同定検査にお いてはアキュプローブを用いることで抗酸菌感染 症の大多数の起炎菌の同定が可能で,迅速かつ経 済効率の良い成績が得られる.CDC の勧告
13)にお い て も M. tuberculosis の 同 定 は BACTEC NAP Test あるいはアキュプローブ法を用いて行うこ とを推奨している.
既報
1)でわれわれは MGIT960 陽性に要する平 均日数は 12.5 日であること,またガフキー号数と 培養所要日数とは負の相関関係があり,ガフキー 号数の高い検体ほど培養検出に要する時間は短か いことを報告した.先に述べた CDC の勧告
13)では 報告日数に関して M. tuberculosis の同定成績は 2
〜3 週間以内に,薬剤感受性成績は 3〜4 週間以内
に報告する必要があるとしている. MGIT960 陽性
時からさらに数日の追加培養を加えてもアキュプ
ローブ同定そのものは 0.5 日以内で終了すること
から, MGIT960 陽性検体をアキュプローブ用試料
とすることで 2〜3 週間以内に M. tuberculosis を
同定するというこの勧告の条件を満たすことがで
きる.また今回は検討していないが MGIT を用い
た薬剤感受性試験は迅速に結果を得ることができ
る.
一方,アキュプローブによる直接同定不成功例 では一般菌のコンタミネーションにより抗酸菌量 が抑制されたケースが認められた.目的とする抗 酸菌量が少ない,すなわちアキュプローブの反応 系である DNA-RNA hybridization に必要な抗酸 菌 RNA 量が不足していることから同定成績が得 られなかったものと考えられる.また比較的高菌 量存在した MAC の同定不成功検体では DDH を 用いても同定不能の抗酸菌が培養液中に共存し た.混在した同定不能抗酸菌によりアキュプロー ブの反応が阻害された可能性がある.
汚染の原因となった 一 般 菌 は Bacillus species
や S. aureus のような陽性菌が多かった.これらの
菌は検体前処理の NALC-NaOH による雑菌除去 操作によって殺菌されず,さらに培養液の添加物 PANTA に抵抗性を示すものと考えられた.
今回は喀痰検体中抗酸菌量の直接定量は実施し ていないが,一般に喀痰中の抗酸菌量が約 10
4cfu ml 以上で塗抹陽性になるとされている.これは塗 抹検査で抗酸菌を認めるためには多量の菌体を要 することを意味する.また,抗結核薬投与等によ り高いガフキー号数を示しながら培養では抗酸菌 が検出されない例も認められている
1).しかしな がら既報
1)でも報告したようにチールネルゼン染 色によりガフキー号数 0(塗抹陰性)の検体におい ても培養陽性例が多数認められること,また培養 によって得られた検出菌に対する薬剤感受性試験 が実施可能なことから,培養検査は重要であり,
培養法による抗酸菌の迅速検出,迅速同定が求め られる.
以上のことから MGIT960 による培養とアキュ プローブ法による直接同定の組合せは近年増加傾 向にある抗酸菌感染症の迅速診断に有用であり,
国内の抗酸菌感染症対策に大きく寄与するものと 考えられた.
文 献
1)小林寅,戸田陽代,小山悦子,他:Mycobacte- ria Growth Indicator Tube(MGIT)を用いた自動 抗酸菌検出装置の検出能力に関する検討.感染症 学雑誌 1999;73:172―178.
2)厚生省監修:結核菌検査指針.日本公衆衛生協 会,東京,1979.
3)非定型抗酸菌症対策委員会報告:非定型抗酸菌 症の治療に関する見解―1998 年.結核 1998;
73:599―605.
4)Boron EJ, Murray PR:Bacteriology.In:Manual of Clinical Microbiology 7th ed. American Society for Microbiology, Washington D.C., 1999.
5)厚生大臣 宮下創平:結核緊急事態宣言.結核対
策連絡協議会,東京,1999.
6)厚生省保健医療局結核感染症課監修:結核の統 計 1999.結核予防会,東京,2000.
7)Badak FZ, Kiska DL, Setterquist S, Hartley C, O connell MA, Hopfer RL : Comparison of Myco- bacteria Growth Indicator Tube with BACTEC 460 for detection and recovery of mycobacteria from clinical specimens. J Clin Microbiol 1996;
34:2236―2239.
8)Hanna BA, Ebrahimzadeh A, Elliott LBet al.:
Multicenter evaluation of the BACTEC MGIT960 system for recovery of mycobacteria. J Clin Mi- crobiol 1999;37:748―752.
9)坂谷光則:疫学:日本と世界の現状.化学療法の 領域 1999;15:685―688.
10)Tortoli E, Cichero P, Chirillo MGet al.:Multicen- ter comparison of ESP culture system II with BACTEC 460 TB and with Lowenstein-Jensen medium for recovery of mycobacteria from dif- ferent clinical specimens, including blood. J Clin Microbiol 1998;36:1378―1381.
11)小林寅,長谷川美幸,西田 実,五島瑳智子:
各種臨床分離菌のコロニー・レベルにおける生 物学的性状と薬剤感受性,(I)呼吸器感染症分離菌 にて.Cemotherapy 1991;39:129―137.
12)Katila ML, Katila P, Erkinjuntti-Pekkanen R:Ac- celerated detection and identification of mycobac- teria with MGIT 960 and COBAS AMPLICOR systems. J Clin Microbiol 2000;38:960―964.
13) Centers for Disease Control and Prevention : CDC guidlines for tuberculosis control in health care facilities. Morbid Mortal Weekly Rep 1994;
43:1―13.
Direct Identification of Mycobacteria from the Positive Cultures in Mycobacteria Growth Indicator Tube(MGIT)
Miyuki HASEGAWA
1), Etsuko KOYAMA
1), Intetsu KOBAYASHI
1)& Akira WATANABE
2)1)Department of Clinical Microbiology, Mitsubishi Kagaku Bio-Clinical Laboratories, Inc.
2)Department of Respiratory Oncology and Molecular Medicine, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University