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富士山のもぞもぞ : 生きている富士火山

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(1)

富士山のもぞもぞ : 生きている富士火山

著者 鵜川 元雄

雑誌名 静岡地学

79

ページ 1‑8

発行年 1999‑06‑26

出版者 静岡県地学会

URL http://doi.org/10.14945/00025146

(2)

静両地学

7 9

( 1 9 9 9 )

のもぞもぞ

生きている

鵜 } I [ 元 雄 本

.はじめに

では

1 7 0 7

年の宝永噴火以後、

3 0 0

年間近くにわたって噴火を待った火山活動は発生していな い。富士山の活動史の研究(町田

1 9 7 7

、宮地

1 9 8 8

等)によれば、富士山は古富士の活動を含めても、

まだ

8

万年ほどの歴史しかない。島弧の成層火山の平均的な活動期間は、数万年から数十万年と考え られること(守屋、

1 9 8 3 )

や、歴史記録のある

8

世紀以降も、延麿

( 8 0 0

年)、貞観

( 8 6 4

年)、宝永

( 1 7 0 7

年)と

3

度大規模な噴火を繰り返していることから、現在の噴火活動の休止は地下で次の噴火のため

であろうO の活動を知る手がかりはある を行っている

だろうか。

1 9 8 1

年に浜田

( 1 9 8

1)により、

波地震)が観灘されたこと したこともあり、こ

1 9 8 4 ) 0  

活動的な火山では、しばし

浅いところに限られるO これに対し、

る微小地震(低

いることが明らかになった(鵜Jl

I

..大竹、

周辺の

1 0 " ‑ ' 2 0km

という地 していることが分かつてきた(鵜JII

1 9

封入富士山の低間波地震は、い

といえるものであろうO

深部の火

きにより るとともに、

1 9 8 0

と、その技術の適用とし

してい

える

O

2. 

ると、 きさ O 大きし {

こること さは、

C 1

るマグニチュード

2 1 0  

O

O

1 ‑

(3)

( a )   1 9 8 3

9

1 6日 20

25""40

分の抵周波地震

~O 吋仰L戸ι

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L. 

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3'ii岡 山Y

( b )   1 9 8 7

5

1 6

( c )   1 9 8 4

2

5

07

1I

32

分の普通の地震

‑L 

註謹樹輯

' .

 

1

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J

i li

i

10 sec 

と 。

ところ古人

のレベルであるが、

とが分かつてきた。このゆっくりとし

つ」、 きさは微小地震

くらいのゆっくりと しているこ と呼ぶことにするO 1

と比較して

のに対して、包周波 O

ら分かるもう一つ

揺れ続けるものもあるO しく

では、

1 0

このよう

は数分間にわ

つうの微小地震 ミものでは 30分近く

ユているO さら

していることが分かるOたとえば図 1(a)  していることが認められるO

く と も 年 以 前 に は 誰 も 知 ら な か っ も微小地震観測点、が整備されてくると、かなり

していることが分かつてきた。図

2

に富士山頂から

1 0 " ‑ ' 2 0km

の距離の観測点で 観澱された低周波地震の頻度を示す。図

2

では、ひし形の高さが

1

回の低周波地震の活動時間を示し

いるO また、ひし形の幅は、 l自の低周波地震活動の観測記録における最大振幅に比例するよう

(4)

7 9

( 1 9 9 9 )

1 9 8 6  

富士山躍でのみ 有感の地震

1 9 8 5   1 9 8 4  

1 9 8 3   1982 

1 9 8 1  

静 岡 地 学

( )

1 9 9 3  

最大挺i

1 9 9 2  

1 9 9 1   1 9 9 0  

1 9 8 9   1 9 8 8  

1987 

1 9 9 8   1997 

1 9 9 6   1 9 9 5  

1994 

さが怒周波地

l

つの菱形が

1

2

山頂から

1 0 " " ' 2 0

m

の地点、にある観期点の が l

れているO

に約

2 0 0

4

1 9 9 8   1

8 0

O いることに は図2

L

O

(

2 . 6 )

O

しているO 」叫

じよう

3

いるO

QU   レ 〆)

O

P

(5)

静 関i 35.5 N 

35.ιN 

35.3 N 

M 2 . 4   (1989/5/20) 

富 士 山 底 下 TR2U 

U D 

138.9  138.8 E 

138.7 

138.6 

35.2 N  138.5  E 

O .  

1 0 .  

2 0 .  

(g

ぷ ) 杓 誌

低周波地震の

3

成分地震記象例。水平動成 分は、震央の方向に平行な成分 (R)

る成分 (τ) に合成してある。

 

3

関:

1 9 8 3

O .  

1 0 .

j

" ' ‑ ' 1 9 9 1

) 0

国ヰ

V このようして

とることで決めることができるO

よく

中心に や北側

されているO

示した。この図には約

1 0

O

1 5  

km 付近を中 'Lパこ、 10~20

km

の範囲に さは、

して分布しているO

より とり

されるが、

2 ~300

は、ふつうの微小地震であ

に広がる低周波 ためか、現状では判断できない。

は少なくとも 2~3

km

はあり 地 震 の

いる ある

、 伊」つ

15km

位のところ

かしこれら

ことは耀かであるO

まで の山体下は、

ると、

中心

:

1

2 0   k n 1

以深になると

and Ukawa

, 

1 9 9 2 )  

り始める

としては、火山下ではマグマ

ている

hO

20km

以深の地殻下部にマ たまり

きし〉。

(6)

静岡地学

7 9

( 1 9 9 9 )

カニズムはまだ解明されていないが、地下のマグマの動きと密接に関係していることは確かであろうO

1 9 9 0

年代になって、世界の烏弧型火山の深部

2 0 ' " ' ‑ ' 4 0km

で、富士山の低周波地震と同様の低湾波地 しばしば発生することが分かつてきた

(Ukawaand Ohtake  1 9 8 7

、鵜J[/ ..

1 9 9 4

White

1 9 9 7 )  

このような低周波地震には、伊豆大島のように噴火の l年前に発生したものや、フィリピンのピナツ ボ火山のように大噴火の

1 0

日位前に活発化した例など、噴火と時間的に密接に関係している場合があ O 状況証拠ではあるが、火山深部で発生している低周波地震は、地下深部のマグマの動きを反映し ていると考えられるO 富士山の場合も、地下のマグマの何らかの動きによって(マグマの動きにより マグマかマグマの周囲の物性や状態、が変化することによって)低男波地震が発生していると考えるの が妥当であるO

3Vこ見たように、富士山の抵周波地震は普通の地震と同じようにP波と

S

波が現れるO 普通の地 は岩盤が破壊してヲ

i

き起こされる断躍運動であるO では富士山の低男波地震もそのような

で説明できるのだろうか。じつは富士山の低周波地震がどのような仕組みで発生しているかについて は、まだ確立していない。これらの地震波動の振幅の空間分布や地震波のスペクトノレが、

の発生機構解明の鍵になる。今後の課題は、物理的な証拠によって、マグマと低周波地震の関係 ことであるO

3.

マグマの上昇を捉える

火山の噴火は地下のマグマが地中を上昇し、

山噴火を予知するためには、地下でのマ したり、

したとき きを何らかの

る現象であるO このため火 ればよい。火山噴火の ることはよく知られているO

るが、地下のマグマのどのよ きを計測でき

していること

れら うな動き る観測はない に発生し

1 9 8 6  

しているのかについ ろう治、

1 9 8 6

の擦のマ

1 9 8 9  

O

ノレ型傾斜 きるセ

3  1 .  

n1 

らかにした。密

s

)

} /

によ

(7)

に よ り 地 下 の マ グ マ の 動 き を は っ き り と 知 る こ と が で き る こ と ま た 伊 東 沖 の 噴 火 の 例 で は 、 多 数 の 観 澱 を 実 施 す れ ば 、 地 下 の マ グ マ の 形 状 や 動 き モデノレ化できることが分かつた。地震活動と地殻変動が我々にもたらす情報を比較すると、

の例は、

しているO

マグマの動き の活発化はマグマの活動を間接的に我々に知らせるのに対し、 はより

モデルイじすることは にマ

O

えているとい

に 密 な 観 測 が 必 要 とそデノレ化することが可能に

と観測網の整備拡充が進めば(ただし、

に地下のマ

であろうが)、

カ〉つ

ろうO

富士山の観潟体制

の低周波地震から明らかになったように、

4. 

ものの、地下ではマ

L

マ グ マ

らないまでも、

また、

えた方がよい。

ユると グマ

こっているのかもしれない。

(Nl02E, O芯ア9") 

地 震 (7 fOJ 

9

自 ) の 新

関 ﹄

VA

し、間化するよう

N ‑ S

成 分

E ‑v V

成 分

H

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M

円 い

1i

ー も

v

地 表 に

ftJ iこ震入した岩駅

(N125

ε 0

, O85・)

21 

O  G 

Okada and γamamoto (1991)により された伊東沖海底噴火に伴うマ

ヂル。 Okadaand γamamoto (1991)によ る図に加筆。

5月に

6

M

mh w 

H v

a

a a 

vh e z

a ' 

Ti li

N ‑ S

成 分 E ‑¥V成 分

12  15  NOV.21.  1986  19861121

変動記銭(山本ほか(1988)

A

と付した矢印 変動の開始点を示す。

S  O  3  G 

う{頃斜 による図に加 前駆する{頃斜

5

(8)

静両地学

7 9

号(1

9 9 9 )

士山は、歴史的にも地質学的にも明らかなように、まだ生きている火山で、いつか将来、噴火するこ とは間違いない。富士山の噴火災害を最小限にとどめるために、噴火予知の役目は、当然大きい。ま た、完全な予知には届かないまでも、地下で何が発生しているのか知ることは、不安の解消にもつな カぎるO

防災科学技術研究所では、富士山の噴火予知研究のため、まず富士山周辺に地震と傾斜変動を 度で観測する観測網の設置を計器し、

1 9 9 0

年より整備に着手した。

1 9 9 8

年には富士山の山頂から約

1 0 km

、山頂から誌ぽ東西南北の方向にある

4

カ所(静詞県富士宮市に

2

カ所、小山町に

1

カ所、山梨県 鳴沢村に

1

カ所)に観測施設を設置した。各観測施設では、深度

2 0 0

mの観澱井底に傾斜計と短周期

所に伝送しているO

これら

るように

地下のマ であるO

口メトリ

う一つ

5.

まとめ

ると期待されるO

O

により、

った。ま

1 5  km 

しユるG

し、観測データはテレメータで常時防災科学技指研究

の山体内で発生するマグニチュード 1以下の極微小地震も により、

1

1 0 ‑

8ラジアンの精度で、傾斜変動の観測ができ

きるO

ること

にし」、

るように

‑7 

したように噴火に至るような規模のマグマの

4

、 てF

きない。 ータ

というマ しでい えら

勺ア

はまだま るいはインターブェ

O き出してから

@解析の実現がも

きと ると

(9)

以 智 雄

( 1 9 8 3 )

:日本の火山地形、

Okada

, 

Y .  and  Yamalnoto ( 1 9 9 1 )  :  Dyke i n t r u s i o n  model f o r  t h e  1 9 8 9  seismovo 1 c a n i c  a c t i v i t y   o f f  

It

o

, 

c e n t r a l   J  apan

, 

J .   G e o p h y s .  R e s .

, 

9 6

, 

1 0 3 6 1 ‑ 1 0 3 7 6 .  

鵜Jl

I

元雄(1

9 9 4 )

:富士火山の下で何が起こっているか、科学、岩波書!昆

6 4

5 7 0 ‑ 5 8 1 .

鵜川 元 雄 @ 大 竹 政 和

( 1 9 8 4 )

:富士山直下の特異な微小地震活動について型地震予

3 7

1 2 9 ‑ 1 3 3 . Ukawa ,  M. and M. Ohtake 

(1

9 8 7 ) '   monochromatic  e a r t h q u a k e   s u g g e s t i n g   d e e p

… 間

a t e d

magmatic a c t i v i t y  b e n e a t h  I z u ‑ O s h

I1

na vo 1 c ano

, 

J  apan

, 

J .   G e o p h y s .  R e s .

, 

9 2

, 

1 2 6 4 9 ‑ 1 2 6 6 3 .  

鵜Jl

I

元雄。小原 一成

( 1 9 9 3 )

:関東地方の火山フロント下のモホ器付近に発生する低周波地震予火

3 8

1 8 7 ‑ 1 9 7 .

White

, 

R .  A .  ( 1 9 9 7 )  :  P r e c u r s o r y  d e e p  l o n g ‑ p e r i o d  e a r t h q u a k e s  a t  Mount P i n a t u b o : S p a t i o ‑Tempo

r a l  l i n k  t o  b a s a l t  t r i g g e r

, 

F i r e  and Mud ( e d .  C .   N  e w h a l l  and R .  S .  Punongbayan)

, 

U n i v .  o f   Washington P r e s s ,  3 0 7 ‑ 3 2 7 .  

山本 @ 福 山 英 一

( 1 9 8 8 ):  ( 1 9 8 6   1 9 8 7

年)に 伴う傾斜変動一御神火及び波浮における近く 、火山、

3 3

S  1 7 0 ‑ S  1 7 8 .  

参照

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