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一瀬休生 長崎大学熱帯医学研究所病原細菌学部門

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(1)

コレラ菌の生物学的性状特にヒツジ赤血球 溶血性の地理・年代的変異

一瀬休生

長崎大学熱帯医学研究所病原細菌学部門

G

eographical and Chronological Changes of Biological Properties Especially Hemolysis to Sheep Erythrocytes among Vibrio cholerae O-l

Yoshio ICHINOSE (Department of Bacteriology, Institute for Tropical Medicine, Nagasaki University)

Abstract: The seventh cholera pandemic originated from Celebes islands in 1961 is still continuing, resulting in the frequent epidemics of cholera in the tropics such as Southeast Asian and African countries. The changes in biological characters of Vibrio cholerae are occuring (Samadi et al., 1983) and multiple drug-resistant Vibrio cholerae has also emerged in Tanzania (Towner et al., 1980) and Bangladesh (Glass et al., 1980).

A total of 367 strains of Vibrio cholerae which were isolated in Kenya in 1983 and 1984, and in the Philippines in 1982 and 1984 were characterized and analyzed epidemiologically in this study. The majority of strains examined were eltor, Ogawa type. In prophage typing, three strains from the Philippines isolated in 1982 were Ubol type and one from

Kenya isolated in 1983 and six from the Philippines isolated in 1984 were Celebes cured type. The majority was Celebes original type. Drug sensitivity test against chloramph-

enicol, tetracycline, streptomycin, ampicillin and nalidixic acid revealed that chloramph- enicol and nalidixic acid had very high vibriocidal effect, but that 266 strains out of 338

(78.6%) isolated in Kenya were.resistant to tetracycline, streptomycin and ampicillin.

On the other hand, the strains isolated in the Philippines were sensitive to all drugs except one resistant against streptomycin and ampicillin and five resistant to streptomycin.

At the same time, a total of 253 strains out of 317 (79.8%) from Kenya and the Philip- pines were revealed to be resistant to O/129 (Vibriostatic agent) which has been used to differentiate vibrio groups from other gram negative bacilli. Hemolytic activity of Vibrio cholerae were checked by four kinds of methods; 1) the modified method of Feeley and Pittman recommended by Zinnaka using heart infusion broth (pH 7.4), 2) 1% glycerolized heart infusion broth method (Barua and Mukherjee, 1964), 3) 6 hours incubation method, and 4) the method of Barrett and Blake (1981). Vibrio cholerae isolated in Kenya, consequently, showed higher hemolytic activity than those from the Philippines in the four

Received for publication, March 29, 1985.

,研究の一部は日米医学協力研究会コレラ専門部会及び九州微生物研究会からの研究費によって行わ れた・

長崎大学熱帯医学研究所業績第1644号.

(2)

methods, and the difference was statistically significant (x2-test, P<0.01). The hemolytic activity was also compared by year. The results showed that, in the Phillippines, it was significantly higher in 1982 than in 1984.

Key words : Vibrio cholerae, Biotype, Hemolysis, Epidemiology

Tropical Medicine, 27(2), 53-66, June, 1985.

緒    言

セレベス島に端を発したとみられる‑ルトールコ レラ菌による第7次パソデミ‑ほ1961年に始まっ 氏.しかも,流行ほその後1963年から西進し,クラ シックコレラ菌の,拠であったハイソダラデシュ,イ ンド,さらに1970年にはアフリカ諸国にも達し,莱 だなお純良に至らない.特に熱帯地域においては 細菌性下痢症の起因菌として重要な位置を占めるに 至った. 1970年‑ルトールコレラがアフリカ大陸に 侵入して以果 ケニア国においても例外でなく,莱 だに散発的なコレラ流行が発生しており,年間数千 人のコレラ患者の発生が推定されているのが現状で ある・

1983年Samadi et al.がハイン第グシシラデンバユにおけ るコレラの流行株の性状について,その生物型が‑

ルトール型からクラシック型へ変わりつつあるとい う報告をし,その後世界各地のコレラ菌株の生物型 γこ関心が払われている.その生物型の鑑別に用いら れていたヒツジ赤血球溶血性についてほ,その後ア ジア,ヨーロッパ,アフリカ‑伝播するにつれて, 択動こその性状を保持するものが減少し(Roy and

VCukherjee, 1962; De Moorリ1963; Feeley, 1965;

Finkelstein, 1966),もほや生物型鑑別の性状検査と してはその%地位を失ったかの感があった. Iwanaga ぎt al. (1982)は1980, 81年にケニアで分離したコ レラ菌の%溶血性を調ラハエイ. Gallut(1971)による侵入当 折のコレラ菌株の%溶血態Iに回復しつつあることを報 賢した. Barrett and Blake (1981)は希釈法により 各棟の溶血活性を調べるとともに,その結果が疫学 拘マーカーとして応用できることを報告した・

‑方,コレラの%治療Fに.最も繁用されているテトラ サイダリソに対する耐性コレラ菌によるコレラ流行 うミダソザニアにおいて見られ(Towner et al,.

L980),その健 ハイソグラデシュにおいても,多剤 酬生コレラ菌の%出現が報告された(Glass et al., L980).ケニーァ国においても耐性菌出現には十分関 Lンが払われていたが,事本実1982年から耐性コレラ菌

が検出されほじめ,特に医療設備,医薬品等が充分 でないコレラ流行地域においては 公衆衛生上,檀 めて重大な問題となるに至った,治療薬剤とは別で あるが Davis and Park (1962)の%提唱 WHO Scientific Working Group (1980)の%推奨によっ て,コレラ菌の生化学的性状検査の中で他菌種との 鑑別に広く用いられていた 0第129 (Vibriostatic agent)感受性試験についても,感受性を示さない コレラ菌株の出現が報告されるに至った(Kudoh et al.} 1981; Sundaram and Murthy, 1983).

このような状況の中で著者も直接関与したケニア 国分離株を中心に,比較的少数株とほいえフィリピ ラ第訪問時に入手し得たコレラ菌疎も含めて,上記生 物学的諸性状に血清塑とプロファージ型を加え,特 に溶血活性については各方法間の比較を行った.普 た得られた結果についてほ年次的推移及び地理的差 異に考察を加えた・'

材料と方法

供試菌株:諸性状の比較に用いたコレラ菌は蓑1に 示したようFに・ 5群よりなる計367株Iある. WK83 群は1983年4月から11月の8カ月間にケニア国ビ クトリア湖沿岸地域の%基幹病院(Homa Bay Dish rict Hospital, Ombo Hospital, Migori Health Center) ‑入院したコレラ患者,またその地域にお けるコレラ集団発生に際して患者および保菌者から 分離されたコレラ菌2剤5株である. N83群は1983年 11月ケニア国の首都ナイロビで発生したコレラ流行 時にコレラ患者より分離されたコレラ菌70株であ

り Nationa王Public Health Laboratory Services

の Kaviti所長より分与を受けたものIある. WK 84群は1984年3月ビクトリア湖沿岸の Kisumu地 域でのコレラ流行に際してコレラ患者より分離され たコレラ菌23株である. P82群は著者が1982年7月 フィリピソの首都マニラでサソラザロ病院 0R乱nOa 院長%を訪れた際,分与を受けたコレラ菌20株で,

(3)

T

able 1. Vibrio cholerae O-1 strains tested

G

roup

N

o. of strains Place isolated Period isolated

P82 WK83 N83 WK84 P84

20 245 70 23 3

M

anila, Philippines South Nyanza, Kenya

Nairobi, Kenya

Kisumu, Kenya

Manila, Philippines Alabang, Philippines

July 1982 Apr.-Nov. 1983 Nov. 1983 Mar. 1984 July 1984 July 1984

すべてコレラ病棟のコレラ患者より分離されたもの である・ P84群は1984年7月のフィリピソ訪問時に 分与を受けた,同じくサンラザロ病院でコレラ患者 より分離された3株と, Alabangの熱帯医学研究 )所0金子所長%で分離された6株の計9株である,

ヒツジ赤血球溶血性試験法比較の予備的実験に使 用したコレラ菌ほ,ケニア国において1975年と1980 年に分離されたそれぞれ65株と30株,及び1973年か ら1978年の間にフィリピソで分離された30株0越後 貫博士より分与%で,いずれも当部門の保存株であ ち.また後述するカッハパファ‑ジ感受性コレラ菌 H218Smr株,カッパフ了「ジ産生性のA66株 (1981年ケニア国分離の‑ルー‑ルコレラ菌% ,及 び薬剤感受性試験の対照に用いた大腸菌ATCC 25922株も当部門の保存株を用いた.

コレラ菌の分離と同定:ケニア国分離株である WK83, N83, WK日4の場合,下痢患者より採取

した便検体をキャリーブレア一輪送培地に入れたも の,または現地で分離されたコレラ菌を普通寒天 0栄研%高層に保存したものを収集,ナイロビへ運 び,ケニア中央医学研究所所属の研究棟で分離同定 または再確認を行った・フィリピゾ株であるP82, P84についてほ,普通寒天高層に接種されたものを 持ち帰って当部門で確認検査を行った・

輸送培地に入れられた便検体及び分離株はTCI∃S 培地及びBTB培地に直接塗抹する一方, 1%ア ルカリペプトン水(pH 8.0)で増菌培養後の塗抹も 行った. 37‑C一夜培養後,疑わLい集落より釣菌

し.クリグラー確認培地 SIM培地, VP半流動 培地nリジン脱炭酸培地.オルニチソ脱炭酸培地,

シモンズクエソ酸塩培地で確認を行った,またチト グロJムオキシダーゼ試験,アルギニソ加水分解試

験,食塩非添加ペプトン水における発育試験を加 え.コレラ菌診断用血清0デソガ生研%を用いて血 清型別を行った.

生物型の決定:供試菌株すべてについてファージ

ⅠⅤ感受性(Mukerjee. 1963),ポリミキシソB感受 性(Gangarosa et al., 1967),ニワトリ赤血球凝 集能(Finkelstein and Mukerjee, 1963),ヒツジ 赤血球溶血性(Feeley and Pittman, 1963)を試験 Lた.その%結果に前述で得られたVoges‑Proskauer 反応(Taylor et at., 1937)の%結果を加えて生物 型の判定を行い,前2者を重視して生物型を決定し た.

ファーラi>rvと第jパ1)ミキゾエラ第B‑の%感受性試績ま, 被検株の%アルカリペプトソ水(pH 8・0),37‑C一夜 培養o・2mlを3mlの重層用半流動寒天培地0ポリ ペプトン1%,酵母エキス0.2%,塩化ナトリウム 0.5%,寒天0・5#, pH7・2%と混合し.予め作成L た10mlのペプトソ寒天平板0ポリペプトン1%, 塩化ナトリウム0・5%,寒天1.5%, pH 7・2%の上に

重層したもので行った.この重層寒天平源こファー ゾi?IV液(105PFU/ml)を滴下するとともに,ポリ) ミキシソBディスク0トリディスク 50IU,栄研%も 置き, 37‑C一夜培養後,それぞれ溶菌珪,阻止円

の有無によって感受性を判定した・

ニワトリ赤血球凝集試験は,生理的食塩水で3回 洗浄(3,000rpm, 10分% Lたニワトリ赤血球の2・5

%生理的食塩水浮遊液を用い,スライド凝集試験を 行った.

ヒツラグ赤血球溶血性試績ポ申中の%改良法(1981) によって実施した.被検菌を 2mlのハエ‑トインフ

ユーラIyヨン第7シシィヨラ第0栄研%で37‑C18時間培養し, これに5%ヒツジ赤血球生理的食塩水浮遊液を0・2

(4)

ml加え, 37‑C2時間培養索更に40Cに一夜放置 して溶血の有無を判定した.この際,溶血の程度に より,完全シ指血 0±+);明らかな溶血は見られる が,試験管底に非溶血の血球が認められるもの (+);大部分の血球ほ非溶血であるが,わずかに溶 血が認められるもの0±%;非溶血0‑%と記録した・

ブロワァ‑ジ型別:プロファージ塾別はTakeya

l

and Shimodori (1963)の方法で行った. H218Smr 株のハエ‑トイソフユージョソブイヨソ培養o・1mlと 重層用半流動寒天培地3mlを混合し,ペプトン第寒 天平板に重層する.これに被検菌のペプトソ水 (pH 7.5) 37‑C一夜培養液をクロロホルム処理し たものの遠心上清を滴下して溶原性を試験した・カ

ッハパプア‑ラ豊yに対する感受性は被換菌の%ぺプトシンエ水 37‑C一夜培養o・1mlと重層用半流動培地 3mlを 混合,重層したペプトソ寒天平源こ1RTDのカッ パファージ液を滴下する方法によった.溶原性,感 受性試験ともに, 37‑C一夜培養後,溶菌牒の有無で 判定Lた.この溶原性試験法で陰性を示した株につ いてほさらに寒天平板混釈法を用い,カッパファー ゾiyの%有無を確認Lた.ガンe)ハパフアーシグ原績ま‑ルト ールコレラ菌A66株の%3シエプトン第水37‑C一夜培養をク ロロホルム処理したものの遠心上清である.

薬剤感受性試験:被投薬割に対する最小発育阻止 濃績はN 日,化学療法学会の方法(1981)に準拠し て,各薬剤の0・2μg第mlから100μg/mlに至る各 倍数濃度を含むハエ‑トイラエフユーラ豊Y謹シ第寒天0栄 節)宙用いた平板希釈源こよって求めた.被検菌の

ハエ‑トイゾ第フユーエ豊y三ゾハブイヨゾ第0栄研) 37‑C一

夜培養の5 10一之希釈液を各濃度に薬剤を含んだ寒天平 板に接種し,一夜培養後完全に発育が阻止された最 小の濃度を最小発育阻止濃度(MIC)とした,用い た抗生物質及び化学療法剤はクロラムフェニコール

CCP),テトラサイダリン(TC),ストレプトマイシ ソ(SM),アンピッリン(ABPC),ナリディキシソ

酸(NA)の5剤である.この際,対照として大腸菌 ATCC25922株とコレラ菌H218Smr を用いた.

0第129感受性試験: 15mlの普通寒天平板 0栄 研%に被検株のハエ‑トインフュージョンブイヨソ 0栄研) 37‑C一夜培養o.lmlを重層用半流動寒天 培地 3mlと混合して重層する・この平板に, 10

μg/mlの> 2 ,4‑diamino‑6, 7‑diisopropyトpteridine

phosphateを含ませた AA discs (Whatman)を

置き, 37‑C一夜培養後阻止円の有無により感受性 を判定した.

ヒNl n豊]赤血球溶血性試験法の比較:生物型の%決定 の項で記述した神中の方法において,ヒツジ赤血球 浮遊液を加えてからの37‑Cにおける培養時間を原 法の2時間に加えて6, 12, 24時間に延長したも の,またその際被検株の培養に用いるハエ‑トイソフ ュージョンブイヨソの溶解に0.1Mリソ酸緩衝液 (pH 6.5)を使用Lた場合についても検討した・さら にBarua and Mukherjee(1964)提唱の% 1 %グリ)セ リラ第加ハエ‑トインエフ,ユーゾIyヨラ第法は被検菌の%同ブ イヨソ培養2mlに5%ヒツジ赤血球浮遊較0.2mlを 加えて, 37‑C2時間培養し. 40C一夜静置復刊定し た,またBarrett and Blake (1981)の方法につい

ては, 1%グリセリ)シ第加ハエ‑トライゾ第フユーン豊yヨゾハブ

イヨゾ第培養菌液を遠3亡上し0剤,000rpm, 5分%,その%上 清をとり,リソ酸緩衝食塩水(pH7・0%で0.・5ml ずつの2倍階段希釈液列を作り, 0.5mlの1%ヒツ

ジ赤血球浮遊液を加え, 37‑C 2時間培養し, 4‑C 一夜放置擾判定したu溶血活性は完全溶血を示した 培養上清の最高希釈倍数由逆数で示した.

なお,方法間の比較.地理的年代的の比較に際す る統計学的処理ほが検定を用いた.

実験と 結果

血清型:供試コレラ菌367株の血清型ほ各群に分 けて蓑2に示Lた.ケニア分離株のうちWK83群と

「WK84群及びフィリピソ分離株のうちP84辞でそれ ぞれ9, 2 , 1株が稲葉塑であったほかは 355株 が小川型であって,彦島型の検出ほなかった.

生物型:コレラ菌の生物型決定に関与し得る性状 検査として実施した4試験とVP反応の結果は寮3 にまとめた・ファーエ豊y IV感受性試験では全株が耐 性を示した.ポリミキシソB感受性試験の場合ケニ ア分離株のうちWK83群の1株が感受性を示したは かは 残る366株が耐性であった.またニワトリ赤 血球凝集試縮ま,ケニア分離株であるWK83群の上 記と異なる1株のみで凝集を認めず,これを除く 366株が凝集を示した.ヒツジ赤血球溶血試験では,

ケニア分離株の%溶血性陰性率ほWK83, N83,甲K 84群でそれぞれ24.6, 22.9, 21.7%,平均24.0%で あった.これに対してフィリピソ株の場合, P82群 で95%の株 P84群でほ全株が非溶血と,溶血能を

(5)

Table 2. Serotype for 367 strains of V. cholerae O‑1 Number of strains in Serotype

WK83 N83 WK8剤    P82 P8剤

Oga wγa

lnaba Hikojima

236 9 0

70

0

0

21

2

0

20 0 0

8

1

0

Total 245 70 23 20 9

Table 3. Results of five tests related to biotyping for V. cholerae O‑1

Number of strains (%) in

Tests

WK83    N83   WK84   P82 P84

Phage IV sensitivity resistant

sensitive

Polymyxin B sensitivity resistant

sensitive

Chicken RBC aggl山ination positive

negative Hemolysis test

marked hemolysis

hemolysis with RBC sediments weak hemolysis

negative VP reaction

positive ne宮ative

245 0

244 1

244 1

70      23 0       0

70      23 0       0

70 0

19(7.8) 6 (8.6) 7剤(30.2) 18 (25.7) 92 (37・6) 30 (42.9) 60 (24.5) 16 (22.9)

23 0

20 0

20 0

20 0

9 0

9 0

9 0

104・3) 0    "0 3 (13.0) 0

14 (60・9) 1 ( 5・0%  0 5 (21.7) 19 (95.0) 9 (100)

189(77.1) 49(70.0) 23(100) 20(100) 7(77・8%

56(22・9) 21(30.0) 0      2(22.2)

示さない株が大多数を占めていたo.弱溶血を示した 株の率をみると,ケニア株で同一地区由来で分離年 の異なるWK83群とWK84群においてそれぞれ37.6

%と60・9%を占め1984年でやや増加していた, VP 反応の結果はWK84群とP82群で全株が陽性であ ったが,残る3群で綻70.0‑77・8%の陽性率であっ た・以上の結果,ファーi>IV彦に,感受性がなくポ1)ミ キエバゾ第Bに感受性を示したWK83群の% 1株を型別不 能とし 残も366績ま,シフアーシ豊YIVに非感受性でニ

ワトリ赤血球を凝集しなエWK‑83群の1株も含め,

‑ルトール型と判定した(表4%.

プn"7?‑ジ型別:表5に示IJたように,ケニア 分離株でほWK83群の1株がcured型と判定され たほかほ337株がセレべス原型であった.フィリピ ソ株でほP82群に3株のウポール弱 P84群に6枕 の cured塑があり,残るそれぞれ17株と3機はセ

レべス原型であった・

薬剤感受性:ケニア分離株でほ表6‑ 8に示した ように最も高い抗菌活性を示した薬剤はNAで, WK83群全株としてみるとMIC値が1.6μg第ml以 下といえ, N83群とWK84群の場合はともに0.A μg/ml以下のMIC値を示した. CPについても,

(6)

WK83株の全株がMIC一値3.1μg第ml以下, N83群 とWK84群でほ全株o.8μg第ml以下と高い感受性を 示した,残る薬剤であるTC, SM. ABPCに対し ては高度の耐性を示し, WK83群の場合その95.9%

はTCに対するMIC値が50μg/ml以上であり, SM, AI】PCではそれぞれ92・7.日2.9^の株がMIC 値100μg/ml以上を示した. N83群においても TC

に対して92・9%の菌株が MIC値50μg第ml以上, SM, ABPCに対してはそれぞれ 97.1, 98.6%の 菌株がMIC値100μg第ml以上であった WK84 群においても同株 TCに対して82・6%の菌株が MIC値50μgハml以上, SM, ABPCに対してそれ ぞれ87.0, 95・7%の菌株がMIC値100μg第ml以上

であった,

Table 4. Result of biotyping for V, cholerae

Type

Number of strains in

WK83 N83    WK84    P82 P84

Classical EI Tor

Untいγpabl e

0

244

1

0

70

0

0

23

0

0

20

0

0

9

0

Total      剤     70    23     20 9

Untypable: Resistant to phage IV and sensitive to polymyxin B

Table 5. Result of prophage typing for V. cholerae viobar eltor Number of strains in Type

WK83 N83    WK84 P82 P84

Original Celebes Cured

Ubol

244

1

0

70 0 0

23 0 0

17

0

3

3

6

0

Tota1      245     70     23 20 9

Table 6. Distribution of MICs for strains in WK83 (μ果1C

/ml)CPTCSM

0,2 IM O.8 1.6 3,1 6,3 12・5 25 50 100

>100

205 2 38

1 3

6 142 89 4

1 3 14 93 134

ABPC NA

49 190 5 1

31 9

2 35 168

(7)

Table 7. Distribution of MICs for strains in N83 MIC

Oμ苗/I l% CP TC SM ABPC NA

0.2 0.4 0.8 1.6 3.1 6・3 12.5 25 50 100

>1QO

2      55

い      15

68        2

1 1

3

57        1

8        7      1 61      68

Table 8. Distribution of MICs for strains in WK8.4 MIC

0μg第ml% CP TC SM ABPC N A

0.2 0.4 0・8 1・6 3・1 6.3 12.5 25 50 100

>100

1 23       1

1 2

2

18        1 1

20      22

20 3

フィリピソ分離株の場合,表9に示すようにP82 辞の菌株ほ CP TC, ABPC, NAに対して高い 感受性を示し, 20株すべてとしてみるとその MIC 値はそれぞれ1・6, 1.6, 3・1, 0.8μg第ml以下であ

った, SMに対してほ, 5株が100μg/ml以上の耐 性を示Lたが, 15抹(75%)のMIC値ほ6・3μg第ml であった.蓑10に示したP84群の菌株では TC,

NA に対しては高い感受性を示し,その MIC値 はそれぞれ3.1μgハml以下と0・8μg/mlであった.

CPに対してはケニア株でほ見られなかったCPに 感受性のな、 1株(MIC値25μg/ml)の存在ほあ ったが,これを除く株ではMIC値1・6μg第ml以下 と高い感受性を示Lた. SM, ABPCに対してほ両 薬剤に100μg第ml以上のMIC値を示す1株を除く

すべての株ほ高い感受性を示し, 8抹のMIC値は それぞれ6,3, 3・1μg/mlであった.

衰11は各菌群について各棟が示した薬剤耐性パダ

‑シ第としてまとめたものである・ケニア分離株のう ち 3剤耐性(TC, SM, ABPC)を示Lたのは WK 83群, N 83純 WK 84群のそれぞれ75.1, 91.剤 78.3%を占暁 被検5剤に感受性を示したの はぃWK83とWK84のそれぞれ1株のみであった・

これに対してフィリピソ分離株であるP82群, P8剤 群にほ3剤耐性株ほなく,それぞれ1剤耐性(SM) 5株 2声樹性0SMーABPC) 1抹が見出された にすぎず.大多数が5剤に感受性を示した.

qハリ29感受性: ,試績ま上記性状試験より遅れて 実施したので, WK83群とN83群については その

(8)

Table 9. Distribution of MICs for strains in P82 MIC

0μg第ml% cp TC SM ABPC NA

0・2 0,4 0・8 1.6 3・1 6・3 12.5 25 50 100

>100

3 20       17

15

5

6 14

2 18

Table lO・ Distribution of MICs for strains in P84 MIC

0μg第ml% CP TC SM ABPC N A

0.2 0・4 0.8 1・6 3.1 6.3 12・5 25

50 100

>100

4         2 4        6 1

1

8

8

1        1

9

Table ll・ Distribution of resistant patterns to drugs tested Number of strains in

Resistant to

WK83   N83  WK84   P82 P84

Total

3 drugs (TC, SM, ABPC) 2 drugs (TC, SM)

(SM, ABPC) (TC, ABPC) 1 drug (TC)

(SM) (ABPC) none of drugs

184 38 6 10 3 0 3 1

64 0 A 0 1 0 1 0

18 0 0 1 2 0 1 1

0 0 0 0 0 5 0 15

0 0 1 0 0 0 0 8

266 38 ll ll 6 5 5 25

n1

.‑

;I.妻

(9)

間の事故により継代不能となった菌株を除く 196 株と69株を対象とした0表12). WK83群では164株 (83.7%)が耐性を示し N83群とWK84群の場合, それぞれ69株中66株 23株中22昧といずれも95・7%

が耐性であった.一方,フィリピソ分離株ではP84 群の1株のみが耐性を示し,この株ほSM, ABPC に対して耐性を示Lた株と同一の株であった.

ヒツジ赤血球溶血性試験法の比較: 1975年と1980 年にケニアで分離され,当部門に保存されていたそ れぞれ65株と30株及び1973年から1978年の間のフ ィリピソ分離株で保存されていたもの30株を対象に 神中の改良法(1981)でヒツジ赤血球溶血性試験を 行った・その結果それぞれ42 (64.6%), 7 (23.3

%¥ 26 (純7%%株が溶血性陰性であったので, 各群よりそれぞれ5株ずつを無作為に選定した・こ の15株を対象に同法でヒツジ赤血球浮遊液添加後の 37‑Cでの%培養時間を2, 6, 12, 24時間にした場 合を比較した・また, 0.1Mリン顧緩衝液(pH6.5) で溶解調整Lたハエ‑トインフユージまソブイヨソ 37‑C一夜培養についても同様に血球液添加後の果 菜時間を2, 6, 12, 24時間とLて実施した.その 結果ほ図1に示したように通常の%ハエ‑トインエフユー シ豊y所ハブイヨゾ第を用いた場合,時間の経過とともに 培養液のpHは上昇し,溶血陽性率は 6時間培 養で100%に達した.一方,リソ酸緩衝液で溶解し

たハエ‑トイン第フユーンiYヨゾハブイヨゾ第ではpHは一

定であるが,溶血績生率は6, 12, 24時間の培養時 間で,それぞれ剤0, 93, 100%と上昇した.対象と して実施したコレラ菌非接種の両ブイヨソでは陰性 であった,

これらの成績を参考に前記の0第129感受性試験と 同じ菌株を対象に以下の検討を進めた.血球液添加 後の培養時間を6時間とした場合,衰13に示すよう に,供試317株中41株012・9%% が溶血陰性であっ た・ケニア分離株288株とフィリピソ分離株29株で 溶血陽性であったのはそれぞれ264株091・7%), 12 株041・4%%で,衰3に示した結果と同株 ケニア 分離殊において高い陽性率を示し,この間には危険 率o.1%以下で統計学的に有意差があった,ケニア 分離株の3群間では危険率5%以下でも,統計学 的に有意差ほ見られなかった.一方,フィリピソ株 であるP82群とP84群の間でほ危険率0.1%以下で 統計学的に有意差が見られた.

1%ダラリセリン第加ハエ‑トイエエフユーンIYヨエハブイヨ

ソ培養の場合は 表14のように5群317株のうち WK83群の12株とP82群の6株 計18株(5.730 の陰性株を除く299株094・3%%に溶血性が見られ た・ケニア分離株288株とシフィリピソ分離株29株の 溶血陽性株ほそれぞれ276株(95.8%), 23株(79.3

%%でケニア源こおいて高い陽性率を示し,この間

Table 12. Result of Oハ129 sensitivity test

Result Number of strains in

WK83   N83   WK8剤   P82   P84

sen別tive       32       20 resistant      ‑    164     66     22

es 一oo

50

・バー「

pH

̲・̲I‑・‑ ‑‑・ ・‑・‑・3・ 日O Fig・1.

s仁1L

○・一‑一・ロ ー ○ ・  ・

2   6    12 ;弘hr与

70

ao

Effect of prolonged incubation after addition of sheep blood cell to cultures

of V. cholerae in regular heart infusion broth and buffered one on hemolytic reaction ・

‑: positive rate, …: pH, ・: regular

heart infusion broth, ○: heart infusion broth dissolved with o.1M phosphate buffer. CpH 6.5)・

(10)

にほ危険率1 %以下で統計学的に有意差が認められ た・ケニア分離株3群間においては危険率1%以下 では統計学的に有意差は見られなかった・一方,

フィリピソ分離株のP82群とP84群においては 危 険率1 %以下で有意差が見られた.

最程こ実施したBarrett and Blake法(1981)に供 試したの%は WK84群, P82群, P8剤群の%全株とW K日3群とN83群から無作為に選定したそれぞれ30株

と19抹であった.その結果は衷15に示すように,ケ ニア分離株ではWK8剤群の2株が16倍の溶血活性を 示し, 2倍以上の活性を示した株は 72株中54株 (75.0%) ‑Cあった.フィリピソ分離株の場合29株 中17株058・6%%が原液使用の第1管02倍%でも 溶血を認めず,残る12株0剤エ1.4%)も2倍の%溶血活 性を示したのみであった.ケニア分離株 フィリピ

ソ分離抹の間では危険率1 %以下で統計学的に有

Table 13. The results of hemolytic properties using 6 hrs incubation method Hemolytic property

Positive (%) Complete hemolysis Marked hemolysis Weak hemolysis N egative Total

WK83  N83  WK8剤  Total

(89.3) (95・7%

95    29 64    32 16     5 21     3

(100) 16

7 0 0

(91.7) 140 103 21 2剤

P82   P84 Tota

015 ・o) (100)

0     9

1    0

2     0

17     0 (41

1

・4%

9

1

2

7

196     69   23   288       20 29

Table 14. The results of hemolytic properties using glycerolized HIB

Total

(79.3) 17

6 0 6

Hemolytic property WK83 N83 WK84 Total P82  P84 positive (%)     (93.9) (100) (100)

Complete hemolysis Marked hemoly畠is

Weak nemolysis Negative Total

133   ユ 59    20

34 17 12

(95.8) 212

45 19 12

196    69    23   288

(70.0)

8

6

0

6

(100) 9 0 0 0

20 9 29

Table 15・ Results obtained by the method of Barrett and Blake (1981) Titer

0

2

4

8

16

Total

WK83  N83  WK84  Total P82  P84 Tota

17 12 0

0 0 3

19

5

3

0

7

6

4

2

0 8

6

5

2

2

18 31 im 7 2

30 19 23 72

9

ll

0

0

0 8

1

0

0

0

20 9 29

(11)

意差があった・しかLながら,両国分離株の各群の 間においては危険率5 %以下では有意差は見られな かった・

6時間培養法と1%グ1)セリエ第加ハエ‑トイラ第フュ ージョンブイヨソ法を比較すると,ケニア分離株に おいてそれぞれの陽性率は91.7, 95・8%であり,フ ィリピソ分離株においては それぞれ41・4, 79・3%

であった.それぞれ危険率0.1, 1%以下で統計学 的に有意差があった・

考     察

コレラの流行時にその分離機こついてまず決定さ れる血清型は供試株の大多数が小川型であり,棉 葉型が混在していた.流行地での分離株にその主流 をなす血清型を示さない株が混在するのはよく見ら れるものであり,当部門でケニア国分離株を対象に Lた報告をみると, 1975年に内藤ら(1979)が分離 した株が全株稲葉型であったほかはIwanaga and Mori (1981), Iwanaga et al. (1982), S (1983) では小川型主流の中に稲葉塑と彦島型,または稲葉 型が混じっている.また供試縮ま少なエもののフィ

リピソでも年次も含め小ノーl型主流といえる・

第7次コレラパンデイ‑以来必ず検査されるよう になったコレラ菌の生物型の場合,その判定を目的 に利用される個々の性状がまた伝播の状況及び流行 の動向を知る上でも利用可能であるのほいうまでも ない・ 1983年ハイソグラデシュにおいて分離されたコ レラ菌の生物型が従来の‑ルトール型からクラシッ ク型へと変わりつつあると報告さそLたが,今回,研 究に用いた1982, 84年フィリピソ分離コレラ菌と 1983, 84年ケニア分離コレラ菌についてはファーンiy IV抵抗健 ポリミキシソB抵抗性とニワトリ赤血 球凝集能を総合Lて,特に前者に主眼をおいて判定 した場合,依然としてェルトール型であることが確 認できた・この3性状の場合,供試367株のうち不 一致であったの%は ともにケニア分離の%ポリエゾキンエ ソB感受性の1株とニワトリ赤血球凝集能陰性の1 抹のみであったので,これら3性状による生物型の 判縮ま継続されるべきものと考える.

生物型の決定に意義を認めなくなってきたヒツジ 赤血球溶血性とVP反応をみると,前者ではフィリ

ピン分離株が1株を除いて非溶血であるのに対して ケニア株では21.7‑24.65」のみが非溶血と地域差が

明らかであり,後者でほケニア株の31983年株ガンエ22.9

%と30.0%に陰性株を認めたのに対して1984年程は 全株陽健一方フィリピソ株では1982年株が全株陽 性であったものが1984年株で22・2%に陰性株が認め

られると,年次的に逝の傾向があった.

プロファージ塑別も同様にTakeya and Shim。‑

dori (1963)によって報告されて以果 コレラの伝 播経路や集団発生時にその汚染源を知るための疫学 的方法のひとつとして広く応用されている.今回の 供試株でほ,ケニア分離株はcured型の1株を除 きセレべス原型であり,上記で引用した当部門関係 の4報告と同じく,依然として第7次コレラパンデ イ‑到達以来の型が流行菌株の主体を成していると 考えら,れる.ケニア分離株でほウポール塑は検出さ れなかったが, 1982年フィリピソ分離株では3株の ウポール型が検出された・また1982年ほこの3株を 除く17株がセレべス原型であったが, 1984年分離 株は9株中6株066・7%%がcured塾であった.

Ohashi βt al.(1981)は1973年から1978年のフィ リピソ分離コレラ菌株について,非溶原性株が年々 増加してきていると報告したが,その儀向を支持す るものであった・

0第129感受性試鏡はビブリオ属と腸内細菌及びア ユロモナス等との鑑別に用いられてきたが,ケニア 分離株288株中252株(87.5%)が耐性を示Lた.普 たケニア分離株のうちWK83群については245株中 239株(97.6^0がST合動こ対して耐性を示すこ とを著者らほ観察した0未発表%・これを合わせると Matsushita βt al. (1984)の報告のように0第129 耐性とtrimethoprin耐性との問における深い相関 はその化学構造の類似性に起因しているということ を支持するものである・また1984年分離フィリピソ 株でも1株の耐性株が検出され,もはや0第129感受 性試績まビブリオ属と他菌種の鑑別試験とLては有 用で在くなったといわざるを得ず,同試験結果利用 の際には十分な考慮が必要である

コレラ治療の原則が,脱水症の改善にあるとされ ているが,上下水道設健医療設健検査機弱輸 液剤等が完備されていない熱帯諸地動こおいては 抗生剤の投与は下痢時間を短縮し,排菌を止める意 味において不可欠である.ケニア分離株のうち94.4

%が,同国のコレラ治績こ広く使用されていたテト ラサイダリソに抵抗性を示し,しかもその83.4%が

(12)

3剤耐性を示したことほ臨床的にまた予防医学的に も極めて重大な問題である・しかLこれと対照的に フィリピソ分離株では薬剤耐性株が少なく,しかも テトラサイダリソ耐性抹が皆無であった・耐性コレ ラ菌の出現が予防的内服及び広範な抗生剤の使用が 大きく関与しているのはいうまでもなンが,抗生剤 投与法を再検討するとともに今後,抗菌力のあるし かも安価で妊弱 小児に対しても安全な薬剤の選択 及び開果 さらに医療設備,衛生環境の向上,医学 教育の徹底等が必要である.ダソザニアとハエソダラ デシハユで分離された多剤耐性菌は C‑incompati‑

bilitygroupのいプラスエンドに解っていることが 報告されたが(Towner βt al・, 1979; Threlfall, et al・, 1980),ケニア分離機についても現在検討中 である.

ヒツゾ豊y赤血球溶血性についてほ常法に加えて3種 の条件で地域剤年次別の差異の有無について検討

した. 1%グ1)セリゾ第加ハエ‑トイゾエフユーエiYヨラハブ

イヨソが,従来より用いられている神中らの改良 法及び,その培養時間を6時間にした場合よりも高 い溶血陽性率を示したが, 5.7%の株は陰性にとど まった.この3方法においてケニア分離株とフィリ ピソ分離株との間で比較すると,いずれの方法でも 前群が後群に比べ明らかに高頻度に溶血能を示し た・この儀向はまた定量的に溶血活性を調べた場合 も同様であることが判明した・年次差としてみると ケニア分離株間においては明らかな差ほなかった が,フィリピソ分離株問においては統計学的に差が みられた,コレラ菌の溶血性に関しては その分離

される地其暁 及び分離年次によってかなりの差があン ると考えられる・ Gal】ut(1971)ほエルトールコレラ がアフリカ大陸に侵入した1970, 71年にアフリカ, 西アシ豊yア,ヨ‑ロンyハパで分離されたコレラ菌は溶血 能を示さなかったと報告しているが, Iwanaga et al・ (1982)がケニア分離株を神中らの改良法によ

り試験した結果によると 1975年28%, 1980年66 1981年88%と徐第そに溶血能を回復してきてお り,今回は同法で1983年76%, 1984年78%の陽性率 であった. 3方,フィリピソ第においては1960年代 後半より徐々に溶血性を示さなくなってきたとされ ており,今回ヒ,ゾハエiY赤血球溶血性試験の%予備本実験 で判明した11973年‑78年の分離棟では30抹中剤株

o13・3%%のみが陽性であり,表3によると1982年

5%, 1984年0%と溶血性を失ってきている憤向が 示された・このように年次暁地域的に溶血能が変 動する原田は不明であるが,少なくとも常在する地 域におけるその環境とコレラ菌との相互作用の結果 であり,コレラ菌自体の性状が変化してきているの でほなエかと推察される.その方法によって陽性率 の差はあるが,いずれの方法によっても統計学的に 有意差をもって地理的な差が認められ,フィリピソ においては同様に年代的な差があった・そこで,ヒ ツジ赤血球溶血性試績ま,疫学的指標としての意義 を増強させ得るとともに,各地における成績比較を 可能にするものと考える・

結     語

ケニア国の同一地方で1983年と翌年に分離された コレラ菌245株と23株1983年にナイロビで分離さ れた70株及びフィリピソで分与を受けた1982年分 離の20株と1984年分離の9株計367株を対象に,血 清型,生物型とその関連性株 プロファージ果菜 剤感受健 0ハ129感受性を試験し特にヒツジ赤血 球溶血性試験についてほ数種の%方法を本実施して以下 の結果を得た・

1% 供試株の大多数は血清型小川,生物塑エル トールであった.

2% 生物型関連性状のうちファージⅠⅤ抵抗健 ポリミキシソB抵抗健 ニワトリ赤血球凝集陽性は 2株を除き,よく‑敦した・

3) VP反応の陰性率はケニア株で22.8%,フィ リピソ株で6.9%とかなりの差があり,両国で年次 別に陽性率をみると,ケニア株では1983年の2群平 均75.6%であったものは翌年1005」,フィリピソ株 では1982年100%が1984年77・8%と道の慣向がみら れた・

4)寒剤感受性ではNAは全株感受性, CPは フィリピソの1株のみが耐性であったが, TC, sM, ABPC特にTCに対してはケニア株の大多

数が耐性で,しかも3剤耐性が多かったのに対し て,フィリピソ株で79.3%が感受性で,耐性株とL3 てほSM耐性5株 SM ABPC耐性1株と全く 異なったパダーソを示した.

5% 0第129感受性についてもケニア株では87.5%

が耐暁 フィリピソ昧では96.6^が感受性であり, 地域差が著明であった.

(13)

6% ヒツジ赤血球溶血性試験の予備試験では陽  6時間で全株陽性を示した.

性率は1975年のケニア株で35・4%, 1980年で76.7   7)比較した溶血性試験法の問には陽性率の差は 1973‑1978年のフィリピソ抹で13・3%であっ  あるが,いずれの場合も両国の株問とフィリピソ株 た,またこれら陰性株の一部を用いて,現在常用法  の分離年間には統計学的に有意差があった・

の血球液添加後の37‑Cでの培養時間を延長すると

謝      辞

稿を終わるに当たり,御懇切なる御指導と御校閲を賜りました当部門内藤達郎教授と,菌株収 集にあたり御配慮下さったケニア国 National Public Health Labora加y Servicesの所長Dr.

J・ N. Kaviti,マニラ,サンラザロ病院長Dr. C. Ranoa,及び熱帯医学研究所長金子義徳博 士に深甚の謝意を捧げます.また栗源こ際して御協力いただいた教室員各位に心より謝意を表し

ます.

文      献

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28) Towner, K. J., Pearson, N. J. & O'Grady, F. (1979): Resistant Vibγio choleγae EI Tor in

Tanzania, Lancet, 2, 147‑148.

29) TownerリK・J・, Pearson, N.J・, Mhalu, F・S. & O'Grady, F. (1980): Resistance to antimicrobial

agents of Vibrio cholerae EI Tor strains isolated during the fourth cholera epidemic in the United Republic of Tanzania. Bull・ Wld・ Hith. Org., 58. 747‑751.

30) WHO Scientific Working Group (1980): Cholera and other vibrio‑associated diarrhoeas. Bull.

Wld. Hlth・ Org・, 58, 353‑374.

Table 2. Serotype for 367 strains of V. cholerae O‑1 Number of strains in Serotype WK83 N83 WK8剤    P82 P8剤 Oga wγa lnaba Hikojima 23690 7000 2120 2000 8 10 Total 245 70 23 20 9 Table 3. Results of five tests related to biotyping for V. cholerae O‑1 Number
Table 7. Distribution of MICs for strains in N83 MIC Oμ苗/I l% CP TC SM ABPC NA 0.2 0.4 0.8 1.6 3.1 6・3 12.5 25 50 100 &gt;1QO 2                                    55い      1568        211357        18        7      161      68 Table 8. Distribution of MICs
Table 9. Distribution of MICs for strains in P82 MIC 0μg第ml% cp TC SM ABPC NA 0・2 0,4 0・8 1.6 3・1 6・3 12.5 25 50 100 &gt;100 320       17 155 6 14 2 18 Table lO・ Distribution of MICs for strains in P84 MIC 0μg第ml% CP TC SM ABPC N A 0.2 0・4 0.8 1・6 3.1 6.3

参照

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