Cu
配線材の電気化学的ポ リシングの基礎的研究
BasicStudyonElectrO‑themi CalPolishingMethodforCuWiringMaterials 富永 茂1*、代 田 渉1、土肥 俊郎2
shigeru Tb血nagal wataru shirotal Tbshiroh Doi2 1
株式会社 ロキテクノ
ROKITECHN0 COりLTD
2
埼玉大学教育学部
Faculty of Education,Saitama Universlty Abstract
Cu/Low‑k
デュアルダマシン配線形成プロセスにおける
Cu配線膜ポ リシングにおいて、超低圧ポ リシング条 件で高い加工能率 を得ることを目的 とした新 しい電気化学的ポ リシング方法を検討 した。本方法は導電性表層 と絶縁層を有する多層構造の電解セルパ ッ ドをプラテン ・ローター型ポ リシング装置 に適用 した もので、電解 液 に硫酸銅水溶液 を使用 し、定電圧電解 による
Cu配線膜の加工特性 を測定 した
。0.1psi以下の加工圧力で
800mm/min
以上の加工 レー トが得 られ、また、高い面内均一性が得 られる可能性 を報告する。
Keyword s : CMP,electrocbemicalpolishing, electrolyt ic cell pad, slu rry, p ad, Cuwiring damascene
prOCeSS
1.は じめに
2004
年 には
90nm世代のデバイスの量産が計画 さ れ、さらに
2007年に量産 を目指 して
65nm世代デ バイスの開発 ・試作が開始 されている。 これ らの世 代のデバイスには
、Cu/ULKデュアルダマシン配線 形成プロセスが採 られる計画であるが、層間絶縁膜 に使用される 超低誘電率材
(ULK材)は、機械的 強度が弱いことや疎水性 を示すな どの特徴があ り、
Cu
配線材の
CMP平坦化技術 にとって、欠陥 ( スクラ ッチ、膜剥がれ
、CMP後洗浄での残留異物)の低減 が大きな課題のひとつであるO特 に膜剥がれによる 欠陥は
、ULK材の機械的強度が弱いことや下地膜 と の密着性が弱いことに起 因すると言われ、欠陥発生 を防 ぐためには
、CMP平坦化技術 に対 して低 フリク シ ョンポ リシングが求め られている。 [ 1 1
低 フリクションポ リシングの方法 としては、従来 の
CMP平坦化技術の延長で低圧力、高い相対速度で ポ リシングする方法や
、Cu配線膜 を、ケミカル溶解 を利用 してポ リシングす る方法な どか提案 されて いる
。[2],[31また、電気化学的ポ リシング法 ( 砥粒ポ リシング
〒140‑8576
東京都 品川区南大井
6‑20‑12ⅧL:03‑5764‑1142 Fax:03・5763‑0820 Email:S.Tbminaga@rikitechno.co.jp
と電気化学的ポ リシングを複合させた方法 も含 ま れる)も、低フリクションポ リシングが可能であ り、
Cu/ULK
デュアルダマシン配線形成プロセスに対 し て、有望な平坦化加工技術の一つである
。【4],[5]一般に、電気化学的ポ リシング法は、デバイスウ エハ表面の配線
Cu膜 をアノー ドとし、電解液 中で カソー ド電極 と対面させて直流電流を通電 し
、Cuを 電解液 に溶解 させる方法である
。Cu膜の除去膜速度 は、溶解反応電流密度 に依存するため、低いフリク ションで除去膜速度 を制御できる反面、デバイスウ エハ の面内均一の確保やデ ッシングの防止 な ど課 題 も多い。
特 に、電気化学的ポ リシング法によるデバイスウ エハの面内均一性の確保 に関 しては、電解電流密度 が
Cu残膜の
IRドロップに大きく依存するため、通 電方法を工夫する必要があった。
本報告では
、Cu膜への通電方法の改善を目的とし て、貫通孔 を有する絶縁層 と導電性 シー トで構成 し た電解セルパ ッ ドを使用 し、導電性 シー トに
Cu配 線膜 の全面 を接触 させて通電す る電気化学的ポ リ シング方法を検討 し、その加工特性 の測定結果 を報 告する。また、導電性シー トを用いた通電 ( アノー ドバイアス)方法特有の溶解反応過程に関する検討 結果を報告する。
‑7‑
2.実験装置及び実験方法
2.1.1電解セルパ ッ ドの構造 と電気化学的加工方法 Fig.1に実験 に使用 した電解セルパ ッ ドの構造を 示す。電解セルパ ッ ドは、導電性表層 と絶縁層の2 層か ら構成 され、 これ らを貫通する貫通孔が多数設 置された ものである。さらに、 2層構造の下面にス テ ンレスシー トが貫通孔 を塞 ぐ形で設置 されて い る。ステンレスシー トを使用する目的は、Cuメッキ か らプラテンの汚染を防止するためである。導電性 粘着テー プを使用 して電解セルパ ッ ドをプ ラテ ン に貼付すること、直接プラテンに電源のマイナス極 を接続 してステ ンレス シー トをカ ソー ド電極 とす ることができる。
導電性表層 貫通孔
ステ ン レス シー ト 絶縁層 パ ッ ド外径 ¢340mm
導電性表層 0.6mmtカーボンシー ト 絶縁層 2.Omt. 50%発泡ポ リエ
チ レン ステンレスシー ト 30LLt
貫通孔径 ¢8m‑10mmP
(開 口率
Fig.1電解セルパ ッ ドの構造 と仕様
Fig.2に、本電解セルパ ッ ドによる電気化学ポ リ シングの説明図を示す。貫通孔に電解液が充填 され ると Cu配線膜 とステンレスシー ト間で電解セルが 形成される。電解セルパ ッ ドの表層に電源のプラス
層 間絶縁膜
銅 配線 膜
極 を、プラテンにマイナス極 を接続することで、Cu 配線膜がアノー ドに、ステンレスシー トがカソー ド に分極 され、 (1)式の電気化学反応が生 じ、Cu配線 膜が溶解、除去 される。
アノー ド:Cu ‑ Cu2+ +2e
カソー ド :2/nMn+ +2e ‑ 2/nM (1) ここでMn十は電解液の正イオ ンである。
電解セル内では、アノー ド極/電解液界面で Cu がイオン化 され、生成 した電子が導電性表層を通っ てカソー ド電極 に達 し、東解液の正イオ ンを還元す ることで消費される。正イオ ンは、電解液の種類で 異な り、 リン酸のような酸性水溶液の場合は、水素 イオンであ り、硫酸銅の場合は、銅イオ ンである。
プラテ ン、ポ リシングヘ ッ ドが相対運動 をしてい るため、電解セル に接触 している Cu配線膜 は逐次 移動 し、ウエハ全面が均等にポ リシングされる。ま た、 この相対移動 によって、電解セル内の電解液の 撹拝、液の入れ替えが 自動的に生 じ、ポ リシング時 間に対するポ リシング速度の安定化が図れ、Cu配線 膜の全面が導電表層と接触するため、電解電流密度 がCu残膜のIRドロップの影響を受けにくい特徴が ある。
2.1.2実験装置
プラテン ・ローター型ポ リシング装置は、層間絶 縁膜、銅配線膜のCMPプロセスでは最 も一般的な装 置で、ポ リシングパ ッ ドが貼付 されたプラテ ンとそ の駆動機構、ポ リシングヘ ッ ドとその駆動機構、お よびスラリー供給機構などで構成 される。 [6]
特 に、 この型の装置は、ウエハのポ リシング面を ポ リシングパ ッ ドと接触させるため、ダウンフェイ ス型 とも言われている。
ウェ‑‑基板
/
一、、 ‑1 =
ド
2eー
Cu電解枚T cu 2+ 絶\
導電性 表層
縁層
プラテン
Fig.2電解セルパ ッ ドによる電気化学的ポ リシングの説明模式図
‑8‑
Fig.3電気化学的ポ リシング装置の構成模式図 本報告は、 このポ リシング装置の基本構成 を利用 し、通電装置を追加する ことで、電気化学的ポ リシ ングを行 う方法 を検討 した。Fig.3に本報告で検討 した電気化学的ポ リシング装置の構成 を示す。プラ テ ン、ポ リシングヘ ッ ドの機構は従来のプラテン ・
ローター型ポ リシング装置 と同様 とし、スラリーの 代 りに電解質電解液 を供給 し、ポ リシングパ ッ ドに 換えて電解セルパ ッ ドを使用 した。通電装置は、直 流電源 と接触電極で構成 し、接触電極、導電性表層 を介 して、Cu配線膜 をアノー ドバイアス した。
2.2実験方法
リング式加工装置に、直流電源 と接触電極 を設置 してFig.3に示す装置構成 とし、40mx40mmのCu ブランケ ッ トウエハ基板 のポ リシング加工実験 を 行 った。Tablelに適用 した加工条件を示す。
Table l適用 した加工条件
CMP装置 リング式加工褒置 (プラテ ン
径
¢340mm)加工試料 Cu膜 ブランケ ッ ト革板 (40Ⅹ 40mm)
膜厚 :30LLm,1LLm
電解セルパ ッ ド 貫通孔d)8‑lo
p ( 開 口率
50%) 加工圧力 0.06‑1.2psi回転数 プラテ ン:10‑40rpm.
電解液 硫酸銅 1‑80g/L 電解液供給量 35m1/min
加工時間 20‑120 sec
6
4
2人U
86420Llr= L̲rTm ( u!∈\ 212
)エーnrnqncoQ二犯 Q
4)
Qa) Q83 1.( 刀
1.a)1 . L K )i
力Ⅲ:圧拙FEi)
Fig.4加工レー トの加工圧力とプラテン回転数の関係 (1mg/minは70nm/minに相 当、5V定電圧電解)
加工圧力は、ポ リシングヘ ッ ドに重量の異なる重 りを載せかえることで調整 した。ヘ ッ ドの回転数は、
プラテン回転数 と同程度 となるよう、実験の都度調 整 した。加工中の電源電流の波形は、直列接続 した 0.105オームの抵抗のIRドロップをレコーダーで測 定 した。
電解液 には、硫酸銅五水和物 (FW:249.68)を使 用 し、電解液1L中の硫酸銅五水和物の重量を電解 液濃度 とした。CU膜の加工 レー トは、精密天秤 を用 いて、加工前 と加工後の Cu基板の重量差 を測定 し て、 1分 当た りの除去量 (重量法)で示 した。平均 膜厚に換算すると、1mgが70nm(Cu密度 8.9を使 用) に相当する。 4端子薄膜抵抗膜厚計の測定結果 と重量法 による測定結果 を比較 し、基板内 10点の 膜厚計による平均値 と±5%以内で一致す る ことを 確認 した。
3.実験結果 と考察
加工特性 として、加工圧力,プラテンの回転数、
電源電圧、電解妻夜濃度 を変えて、加工 レー トとの関 係 を測定 した。また、加工試料内の各点の除去膜厚 を測定 し、面内均一性 の評価 を行った。
3.1 加工圧力、プラテ ン回転数依存性
Fig.4に電解液濃度20g/L、電源電圧5V一定 とし た ときの、ポ リシングレー トとポ リシング圧力、プ ラテ ン回転数 との関係 を示す。Fig.4か ら加工 レー トは、加工圧力 0.06psi(4.2g/cm2) か ら1.17psi
(82g/cm2)でほぼ一定 の値 を示す ことが分かる.
‑9‑
プラテン回転数に対 しては、20rpmが加工 レー トの 最大値 を示 した。プラテ ン回転数が大 きくなると、
ハイ ドロプレーン現象 によるCtl膜 と導電性表層の
Fig.5加工 レー トと電源電圧の関係 圧力;0.35psi、回転数 ;20rpm
Fig.6加工 レー トの電解液濃度依存性 圧力 ;0.36psi、回転数 ;20rpm
浮き上が りによる接触電気抵抗の低下の影響 と、電 解セル内の電解液量が遠心力よ り減少 し、Cu膜 と電 解液 との接触面積が減少す る影響が考 え られるが、
40rpm程度では、後者の影響が大きいものと判断さ れた。
3.2 電解電波電圧依存性
Fig.5は、加工圧力 0.35psi(24g/cm2)、プラテ ン回転数20rpmとした ときの、加工 レー トと電源電 圧の関係を示 した ものである。加工 レー トは、電源 電圧 に対 して直線 的 に増加 して いる。電解液濃度 20g/Lと40g/Lのときの直線近似式を下記 に示す。
20g/Lのときの近似式
』≧≡
y‑3.47Ⅹ‑3.64‑3.47(Ⅹ‑1.05) 40g/Lのときの近似式
y‑4.75Ⅹ‑5.38‑4.75(Ⅹ‑1.13)
「ト棚
r 一 心
ー 初夏r t 巾 一 〇一解法量 ぎ
′ 、 ≡ ⊂
ヽ ー 血 「 凸 ′t u A J
LmN.
#
r. 肋 一 ■
‑ 2)
110 0 102)
3) i 汲転 馴Fig.7 ポ リシングプロファイル 圧力 ;0.36psi、回転数 ;20rpm
両式 とも、電源電圧が1Vを超えないと電解が生 じ ないことを示 している。
圧 力依存性及び電解電源電圧依 存性 の測定結果 よ り、Cu配線膜のポ リシング機構は、機械的および 化学的ポ リシングの作用は無視でき、電気化学的ポ リシング機構 のみが作用 して いる と結論づ け られ る。
3.3電解液濃度依存性
Fig.6は、加工圧力 0.35psi(24g/cm2)、プラテ ン回転数20rpmとした ときの加工 レー トと電解液濃 度の関係 を、電源電圧別 にプロッ トして示 した もの である。電源電圧 6† のとき、電解液濃度が 40g凡 以上になると電源容量 を越えるため、測定プロッ ト か ら除外 した。
3.4 面内均一性
Fig.7に、加工圧力 0.35psi(24g/cm2)、プラテ ン回転数 20rpm、電解液濃度40g/L、電源電圧4V、 ポ リシング時間20秒間の条件で、40mmx40mmの基 板(Cu膜厚
1〟m)
をポ リシングした ときの膜厚 を、4端子薄膜抵抗膜厚計で測定 した結果を示す。測定 位置は、基板の対角線上5m 間隔 とした.平均除去 膜厚 は347MMであ り、重量法による膜厚350nmとよ
い一致がみ られる。
Fig.7は基板の中心部付近が平坦 に除去 されてお
‑10‑
り、電解セルパ ッ ドの基板 との電気接触が良好で、
残膜の
IRドロップの影響が少ないことを示唆 して いる。
4.
考察
Cu
配線膜 を電気化学的にポ リシングする場合
、Cu配線膜
Fig.8
定電圧ポ リシング中の電源電流の変化 圧力 ;
0.36psi、回転数 ;
20rpm、濃度 ;
40g/Lr
正 20g/L O 40g/ L
・ ‑指数
( 20g/ U
‑ 指数( 40g/ L)
0000000000987654321(%)称覇煤脚
2 4 6 8
∫
電源 電圧(∨)
Fig.9 Cu
ポ リシングの電流
に直接電源電圧 を印加する方法が一般的である。 こ の方法では、ガス発生やアノー ド酸化膜の形成以外 では、
電源電流は
Cuの溶解反応 に消費されることとな る。
しか し、本電気化学的ポ リシング方法では、導電性 表層を介 して
、Cu配線膜 をアノー ドバイアスするた め
、Cu溶解電流を直接測定することは困難である。
ここでは
、Cu溶解量 ( 除去量)か ら
Cu溶解電流を
求め、電源電流 と
Cu溶解電流の比 として電流効率 を検討する。 さ らに
、Cu溶解反応過程を考察する。
Fig.8
に加工時間
1分間の電源電流の変化 を示す。
Fig.8
は、加工圧力
0.35psi(24g/cm2)、プラテン 回転数
20rpm、電解液濃度
40g/Lのときのものであ る。電源電圧 を印加すると電流は急激にたち上がる が、その後一定電流 ( 定常悟)で推移する。急峻な たち上が りは、電気二重層への充電電流によるもの と考え られる。定常値の電流波形には、ノイズ状の 不規則な変動が見 られるが、変動周期はプラテ ン
‑ l晦 ./し‑{ト 2晦 /t+ 40g/1‑‑0‑8Ck/t
肌棚
仰
湖00抑抑ⅧⅧ瓢。(VLu)鵬酔賀田0 1 2 3 4 5 6 7
篭原電圧(Ⅵ
Fig.10Cu
基板を設置しない時の電源電流 回転数が多 いほど短い傾向にある
。Fig.8は、電源 電圧 を
1.5‑6Vに設定 したときの電源電流を測定 し た もので、電源電圧の増加に従 って電源電流が増加
している ことを示す。
Fig.9
に電源電圧 と電流効率の関係を示す。電流 効率は
Fig.8に示 した加工中の平均電源電流 と
Cu溶解電流 との比で示 した
。Cu溶解電流は
、Cuの原 子量 を
63.5とし
、(2)式によ り求めた。
I c ‑ 0. 051XR ‑ (2)
ここで
、Ic:Cu溶解電流
(A)R
:加工 レー ト
(mg/机in)Fig.5
及 び
Fig.9は、電源電圧が増加すると、加工 レー トは増加するが電流効率が低下 し、ガス発生な どの
、Cu溶解反応以外の反応が増加することを示 し ている。
Fig.10
は
、Cu配線基板を設置 しない ( カ ラ運転) 場合の、各硫酸銅水溶液の濃度 に対 して電源電圧 と 電源電流の関係 を測定 したものである。加工条件は、
‑ll‑
電解液供給量35cc/min、プラテン回転数は20rpmで ある。カ ラ運転時の電源電流は
、 ( 3 )
式 に示す反応 式に従 って全て電解液の電解 に消費 される。アノー ド 2H20
‑
0 2+4H++4e カソー ド 2Cu2++4e ‑ 2Cu‑ ( 3 )
カソー ド極 (ステンレスシー ト)上にはメッキされ た Cuは観察 されるが、水素ガスの発生は観測 され なかった。従 って全反応は(4)式 と考え られる。‑ ‑
.cb4‑ 鞄 4‑ ‑ L K k^ ‑ ∝叫
】 i i #l ヨ
=刀
ニ
一 一一一二 = 一
薮 L \ \ .一針 ∵ 一丁‑1
0 1 2 3 4 5 6 Fig.llCu配線基板設置後 と設置前の電流
543
2
10
(0>)TJ脚腰細 n
Oど
‑」i I
0
1 2 3 4 5 6 7 8
電和 MFig.12電源電圧 とCu基板電圧の関係 2CuSO 4+2H20
‑
2H2SO 4+02+2Cu
‑ ( 4)
電解セルの開 口面積 (貫通孔の合計面積)は 334cm2
であるので、電源電流1Aは、電解セルパ ッ ドの
q
単位面積 当た りの電流密度に換算すると3mA/Cm2に 相当する。電源電圧 を4Vとしてプラテ ン径¢600mm
に適用する場合、開口面積は約 1210cm2と見積 もら れるため、7.3Aの電源電流容量が必要である。
Fig.10と同一条件でCU配線基板を設置 した場合、
(3)式のアノー ド反応 に (1)式の Cu溶解反応が加わ るため、電源電流が増加する.
Fig.11にCu配線基板 (除去膜厚の影響を考慮 し て、厚 さ 2mmのCU金属板 とした) を設置 した とき とカ ラ運転時の電源電流の差 (増加量)△ iを示す。
Fig.11は、△iが電解液濃度で異なるが、電源電圧
Fig.13Cu配線膜電位とCu溶解電流密
3‑4Vを超えると低下することを示 している。 これ は、電源電圧 の増加 によって、Cuイオンの物質移動 速度が律則 となるためと考え られる。ただ し、Fig.5
に示すように、加工 レー トは電源電圧の増加 に対 し て直線的に増加 してお り、A iが Cu溶解電流分に 相対するものとは考え られない。
Fig.12は、ポ リシング中のCU配線膜 とカソー ド 間の電圧 (Vc)を電源電圧変えてプロッ トしたもの である。Vcは電波電圧が1.5V以下では、はば0.1V
程度を示 してお り、 これはCu/H2SO4/SUS
系
での起電力と考え られる。Vcは、電漁電圧 1.5V以 上か ら直線的に増加 してお り、電源電圧 とVcの差 は各電解液濃度ではぼ一定で変化 し、電圧差は 2‑ 3Vであった。この電圧差は、電解セルパ ッ ドの導電 性表層のIRドロップによるものではない。これは、( 3 )
式の硫酸銅水溶液 の電解反応が先行 して、その 後 にCUの溶解反応が起るためと考え られる。Fig.13に、VcとCu溶解電流密度icの関係 を示す。
‑12‑
Cu
溶解電流密度
icは
、(2)式か ら求めた値を
Cu基 板面積で割 り算 したものである
。Vcと
icの関係は、
直接
Cu配線膜に電源電圧を印加する従来の電気化 学的ポ リシング方法の電源電圧 と電源電流 の関係 に相当するものである
。Fig.13は
、Cuの溶解が
0.1V付近か ら生じていることを示 しているが、銅金属の 標準電極電位は
0.337V(vs.SHE)であ り、カソー ド 電極反応 を考慮すると、銅の溶解反応が生 じるため には
、0.7V以上の電圧が必要である。従 って、
Ic
は、アノー ド溶解反応以外 にアノー ド極でのケミ カル反応量 も関与 していると考え られる。
ケミカル反応 としては、
2Cu+02 (A
q)
‑ 2CuO ‑(5) Cu+H2SO 4‑
CuSO 4 +H2 ‑ (6)な どの可能性が考え られる
。0 2 (Aq) ち
H2S04も
(3)式の反応で、導電性表層で生成 され る。
本実験で、プラテ ンの回転を停止 して通電状態で
Cu配線基板を静置すると、貫通孔 に接 している部分だ けが黒色化することが観察 される。 このため、ケミ カル反応 は 、 ( 5 ) 式の酸化銅 の形成が優位であると 考え られる。
5.
まとめ
以下に本研究のまとめを示す。
測定結果
( ∋加工 レー トは加工圧力、プラテン回転数 ( 加工相 対速度に相当)には依存 しなかった。特に
、0.06psi(4.2g/cm2
)の超低圧のポ リシングでも
1.2psiの ときと同様の高い加工 レー トが得 られた。
②加工 レー トは、電源電圧 と電解液濃度 に依存する。
特 に、加工 レー トは、電源電圧の増加 に対 して直 線的に増加するため、電源電圧 を制御することによ
って加工量を調節する ことができる。
③面内均一性は、基板セ ンターでよい均一性が得 ら れ
、Cu配線膜 をスケールアップして も、高い均一性 が得 られる可能性を示 した。
検 討結果
Cu
溶解反応過程は電気化学的反応 と電気化学的 反応 に付随す るケ ミカル反応 の
2反応 と考 え られ る。除去膜厚の制御 としては、ケミカル反応を考慮 する必要がある。
アノー ド
Cu → Cu2+ +2e 2H20 ‑ 02+4H÷+4e
カソー ド
3Cu2十 十6e ‑→ 3Cu
ケミカル反応
2Cu + 02 ‑ 2CuO
2CuO+4H十 ‑ 2Cu2 +2Hヮ○
本報告では、電解セルパ ッ ドを使用 して、プラテ ンロー ター型ポ リシ ング装置 に電気化学的ポ リシ ング方法を適用 し、低フ リクションポ リシングで高 い加工能率 と面内均一性が得 られ る可能性 を報告 した。 しか し
、Cu/Low‑kデュアルダマシン配線形 成 プロセスでは、凹凸の
Cu配線膜を除去 してデ ッ シングの少ない配線 を形成する必要がある。今後、
配線形成 に関する特性 を検討する予定である。
6.
謝辞
本研究 を遂行するにあた り、実験 に協力していた だ きま した埼玉大 学土肥研 究室 の久本照正氏 をは
じめ関係者の方々に感謝致 します。
( 参考文献)
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37回プラナ リゼ‑ション
CMP委員会 研究資料
(2004)[2
】宇 田 :第
34回プラナ リゼ‑ション
CMP委員会 研究資料
(2003)[3]
沖 田、土肥 ら :埼玉大学地域共 同研究セ ンター 紀要 第
3号
(2002)[4】S.Sato,Z.Yasuda : iEEE International Electron Device Meeting(2001)
[5
1藤 田、土肥 ら :埼玉大学地域共 同研究セ ンター 紀要 第
3号
2002[5]
特 開
2003‑203879[6]
土肥 : 詳細半導体
CMP技術、工業調査会
(2001 )
p180‑185‑13‑