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炭素繊維強化ポリアミド樹脂の熱酸化に及ぼす繊維長の影響

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Academic year: 2021

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研 究 論 文. 炭素繊維強化ポリアミド樹脂の熱酸化に及ぼす繊維長の影響. 八木 謙一 ,岡本 一夫 ,片桐 好秀 ,福本 圭子 ,井上 雅枝. (2018年 12月 18日受付). InfluenceofFiber Length on ThermalOxidation. ofCarbon Fiber Reinforced Polyamide6. KenichiYAGI, Kazuo OKAMOTO, YoshihideKATAGIRI,. Keiko FUKUMOTO and Masae INOUE. (Received December18,2018). Abstract: Incarbonfiberreinforcedthermoplastics(CFRTP)employing polyamide6(PA6)asthe. matrix resin,wefound that thereduction in CFRTP fiber length dueto mechanical recycling not. onlydecreased theimpact strength but also accelerated thethermaloxidation ofthematrix resin.. In a heating test ofan injectionmolded CFRTP specimen prepared bycrashing and remolding,a. portion ofPA6was insolublein thesolvent and in a stateinwhich carbon fiberswereentrapped.. With the results of a heating test employing model samples with different fiber length,we also. confirmed that thermaloxidationwas accelerated as the fiber length was reduced.Therewas no. significant correlation between thelength ofthecarbon fibersand thenumberofradicals;but the. shorter the fiber length,the greater thenumber ofacidic functional groups on the surface of the. carbon fiber.Therefore,we inferred that the insolubilization was mainlycaused by the reaction. between functionalgroups in thecarbon fiber and PA6.. Keywords:CFRTP,Fiberlength,Polyamide6,Thermaloxidation,Surfaceacidicfunctionalgroup. 1.緒 言. 近年,自動車分野では燃費規制やCO 排出規制の強. 化に対応するため,車体の軽量化が喫緊の課題となって. いる.軽量化に資する材料の一つとして軽量かつ高強度. な炭素繊維強化樹脂(CFRP)が注目されており,自動. 車部材への適用事例も増えつつある.現在広く使用され. ているCFRPはマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂. に代表される熱硬化性樹脂を用いたもので,高強度な製. 品が得られる反面,成形に時間がかかるために生産性が. 低いことやリサイクルが困難であることが課題となって. いる.. 一方,マトリックス樹脂としてポリプロピレンやポリ. アミド(PA)等の熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維強化熱. 可塑性樹脂(CFRTP)は,樹脂価格が安い,射出成形で. きるため生産性が高い,廃材や端材などを粉砕・再成形. することによりリサイクルできる,などの利点から自動. 車のバックドアや外板の補強材などに使用されつつあ. り,需要の拡大が期待される.. 今後,射出成形したCFRTPをより多くの部材に適用. していくためには機械物性の向上が必要である.CFRTP. 中の炭素繊維の長さは機械物性に大きな影響を及ぼすこ. とが知られている .特に衝撃強度においてその傾向が. 顕著に表れ,繊維長が短くなることで衝撃強度は大きく. 低下する .CFRTPは射出成形やリサイクルが可能であ. ることが大きな特徴であるが,それらの工程において炭. 素繊維が折損することは避けられず,結果として射出成. 形したCFRTPやそのリサイクル品の耐衝撃性は低下. する .このことを解決するために繊維の折損を低減す. る成形手法やリサイクル手法の開発が行われてい. る .. また,長寿命かつ信頼性の高いCFRTP製品を設計す. るためには劣化評価も重要である.他の樹脂材料と同. 様,CFRTPのマトリックス樹脂も長期の使用により熱. や光,水分等の作用により分子鎖切断や架橋のような劣. (5 ). 日本複合材料学会誌,46,3(2020),85-91. (株)豊田中央研究所(480-1192 愛知県長久手市横道. 41-1). Toyota CentralR&D Labs.,Inc.. 化反応を引き起こす可能性があるが,中でも補強材とし. て使用する環境下においては熱による酸化劣化が危惧さ. れる.したがって,環境劣化させたCFRTPの機械特性. の変化や樹脂の化学構造変化を把握することは重要であ. り,研究例も多く報告されている .しかし,筆者が知. る限り,射出成形やリサイクルによって起こる繊維長の. 変化がCFRTPの熱酸化に及ぼす影響を調査した例は. ない.. そこで,本研究では繊維長がCFRTPのマトリックス. 樹脂の熱酸化に及ぼす影響を明らかにすることを目的と. し,CFRTPとそのリサイクル品の熱安定性の比較,およ. び繊維長を変えたモデル試料による検証実験を行った.. 2.実 験. 2.1 CFRTPの作製. 2.1.1 試験片の作製. 炭素繊維を30wt%含む東レ(株)製のPA6(トレカ. TLP1060,ペレット長(繊維長)7.0mm)を原料とし,. ファナック(株)製の電動射出成形機α-S50iAを用いて. JIS規格の多目的試験片(以降,初期材)を作製した.. 成形条件は樹脂温度280°C,金型温度80°C,射出速度10. mm/s,スクリュ回転数60rpm,スクリュ背圧5MPaと. した.その後,(株)ホーライ製の粉砕機SR-360を用いた. 試験片の粉砕と射出成形を繰り返して,リサイクル試験. 片(以降,リサイクル材)を作製した.. 2.1.2 繊維長の異なるモデル試料の作製. 東レ(株)製の炭素繊維(T800:引張強度5,880MPa,. 引張弾性率294GPa)とユニチカ(株)製の射出成型用. PA6(A1030BRL)をヘキサフルオロイソプロパノール. (HFIP:セントラル硝子(株)製)中で混合し,モデル試. 料を作製した.炭素繊維はクロロホルム洗浄によりサイ. ジング剤を除去したものを使用し,繊維長は5mm,1. mm,20~30μmの3種類とした.また,いずれのモデル. 試料も炭素繊維の比率は約30wt%とした.. 繊維長が5mm,1mmのモデル試料は,清浄な剃刀. (片刃トリミング用カミソリ,日新EM(株))を用いて所. 定の長さ(5mm,1mm)に細断した炭素繊維10mgを. アルミ製の円柱形カップ(直径5mm×深さ5mm)に充. 塡し,PA6のHFIP溶液(25mg/200μL)を上記カップ. の中に徐々に滴下した後,室温で風乾させて作製した.. 繊維長が20~30μmのモデル試料は,日本分析工業. (株)製冷凍粉砕機JFC-300を用いて20~30μmの長さ. になるまで粉砕した炭素繊維10mgを,あらかじめPA6. のHFIP溶液(25mg/200μL)に分散させ,アルミ製の. 円柱形カップ(直径5mm×深さ5mm)の中に徐々に滴. 下した後,室温で風乾させて作製した.. 2.2 加 熱 試 験. 初期材およびリサイクル材の端部から8mm×4. mm×4mmのサイズに切り出した試料とカップから取. り出したモデル試料をエスペック(株)製恒温槽(SPH-. 102)を用いて加熱試験した.試験条件は,文献 記載の. 条件(120°C×10,000時間)を参考に,劣化の速度がアレ. ニウス式に従うと仮定した加速条件として,空気雰囲気. 下,180°C,60時間とした.. 2.3 分 析. 2.3.1 各試料の分析. 加熱試験前後の各試料にHFIP 1mLを添加して一晩. 放置した後,溶液と残渣に分け,溶媒を除去してそれぞ. れの重量を求めた.その後,ニコレー(株)製フーリエ変. 換赤外分光分析装置(AVATAR360)を用いて,全反射. 吸収法で赤外分光(IR)スペクトル測定を,ブルカーダ. ルトニクス(株)製マトリックス支援レーザー脱離イオン. 化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF-MS)装置(Auto-. flex)を用いて,リフレクトロンモードで質量スペクトル. 測定を行った.. 2.3.2 炭素繊維の分析. モデル試料の作製に用いた3種類の炭素繊維につい. て,Boehm法 により表面の酸性官能基量を,電子スピ. ン共鳴(ESR)測定によりラジカル量を求めた.酸性官. 能基量は,0.05mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に炭素. 繊維を加えて窒素雰囲気下で攪拌した後,京都電子工業. (株)製自動滴定装置(AT-710WIN)を用いてろ液を0.05. mol/L塩酸で逆滴定することで求めた.ESR測定はブル. カー(株)製ESP350Eを用いて,共鳴周波数 9.49 GHz,. 室温で行った.スピン数既知の標準物質の23°Cでの信号. 強度を基準として,試料のピークの積分値から炭素繊維. のラジカル量を求めた.. 3.結 果 と 考 察. 3.1 初期材およびリサイクル材の評価. 初期材およびリサイクル材中の炭素繊維長を評価した. 結果をFig.1に,衝撃試験の結果をFig.2に示す.繊維. 長は,試験片の平行部中心から切り出した切片をPA6で. 希釈し,溶融プレスでシート状に成形した後,解析ソフ. ト ImageJを用いて画像解析することにより求めた.衝. 撃試験は,(株)東洋精機製作所製 IT型衝撃試験機を用. いてJIS規格に準拠して行った.これらの結果から,1回. のリサイクルにより試験片中の炭素繊維は大幅に短繊維. (6 ). 86 日本複合材料学会誌 第46巻 第3号 (2020). 化すること,衝撃強度は初期材の43%まで低下すること. を確認した.. 次に,マトリックス樹脂の熱安定性を評価した.加熱. 試験前後の試料にHFIPを添加して一晩放置した後の. 様子をFig.3に,溶媒分別の結果をFig.4に示す.HFIP. に溶解した部分を可溶分,HFIPに溶解しなかった部分. を残渣,残渣のうち炭素繊維の仕込み量以外の部分を不. 溶分とした.加熱前は,初期材もリサイクル材も炭素繊. 維が溶液中に分散していること,可溶分の重量比がペレ. (7 ). 87八木・岡本・片桐・福本・井上:炭素繊維強化ポリアミド樹脂の熱酸化に及ぼす繊維長の影響. Fig. 1 Fiber lengthdistribution ineachspecimen.. Fig. 2 Influence of recycle number on impact. strength.. Fig. 3 Appearanceoftestspecimens(afteraddi-. tion ofHFIP)beforeand after aging.. Fig. 4 Solvent fractionation of test specimens. beforeand after aging.. ットのPA6の比率(約70wt%)とほぼ一致しているこ. とから,PA6は全てHFIPに溶解したと考えられる.一. 方,加熱後は,初期材のHFIP可溶分の重量比は加熱前. と同じであったが,リサイクル材は,繊維が溶液中に分. 散する様子は認められず,PA6が膨潤するのみであり,. HFIP可溶分の量も46~52wt%と加熱前より減少して. いることから,PA6の一部が繊維を巻き込んで不溶化し. たと考えた.. 加熱試験後の残渣の IRスペクトルをFig.5に示す.. 参考として原料のペレットから採取したPA6のスペク. トルも併せて示す.初期材の残渣の IRスペクトルは炭. 素繊維に由来するベースラインの上昇のみであったのに. 対し,リサイクル材の残渣の IRスペクトルには,炭素繊. 維に由来するベースラインの上昇に加え,不溶化した. PA6に由来する吸収ピーク (N―H伸縮;3,300cm ,. C―H伸縮;2,960,2,850cm ,アミドⅠ;1,640cm ,. アミドⅡ;1,560cm )およびカルボニル基に由来する. 吸収ピーク(C=O;1,700cm 付近)が認められた.PA6. は熱酸化するとケトン,アルデヒド,エステル,カルボ. ン酸に代表されるC=O基が生成する ことから,リサ. イクル材の加熱後に認められた不溶化したPA6は熱に. より酸化していることが分かった.リサイクル材は成形. を複数回行っているため,成形時の熱により熱酸化が促. 進された可能性も考えられるが,リサイクル回数が増加. するに従って樹脂の酸化度合いが大きくなる傾向はみら. れなかったことから,成形時の熱履歴の影響ではないと. 考える.. このように,リサイクル材は初期材に比べ繊維長が短. くなることで,衝撃強度が低下するだけでなく,マトリ. ックス樹脂の熱酸化も進行しやすいことが分かった.こ. れは短繊維化がマトリックス樹脂の熱酸化を促進する可. 能性を示唆するものである.. 3.2 モデル試料の評価. 前項の結果を受けて,繊維長とマトリックス樹脂の熱. 酸化の関係をより明確にするため,繊維長のみを変えた. モデル試料の分析を行った.. 加熱試験前後のモデル試料にHFIPを添加して一晩. 放置した後の様子をFig.6に,溶媒分別の結果をFig.7. に示す.加熱前のモデル試料はいずれも炭素繊維が溶液. 中に分散し,可溶分の重量比がPA6の仕込み比率(約70. wt%)とほぼ一致していることから,PA6は全てHFIP. に溶解したと考えられる.一方,加熱後のモデル試料は. いずれも炭素繊維が分散していないこと,可溶分の重量. 比がPA6の仕込み比率(約70wt%)よりも少ないこと. から,加熱によりPA6の一部が繊維を巻き込んで不溶. 化したと考えた.この傾向は繊維長が短いものほど顕著. であった.. 加熱試験後の残渣の IRスペクトルをFig.8に示す.. 全ての試料の IRスペクトルにおいて炭素繊維に由来す. るベースラインの上昇に加え,不溶化したPA6に由来す. る吸収ピークおよび酸化により生成したC=O基由来の. 吸収ピークが認められた.したがって,不溶化したPA6. (8 ). 88 日本複合材料学会誌 第46巻 第3号 (2020). Fig. 5 IR spectra of(a)PA6and insolublefraction of(b)virgin,(c)1st recycle,(d)2ndrecycle,(e)3rd. recycle.. は熱により酸化していることが分かった.. 可溶分についても熱酸化度合いを評価した.加熱試験. 後の可溶分のMALDI-TOFマススペクトルをFig.9 に. 示す.参考として原料のペレットから採取したPA6のス. ペクトルも併せて示す.各ピークのm/z値から推定し. た化学構造をTable1にまとめた.Fig.9 の PA6のスペ. クトルから分かるように,健全なPA6では一般的に末端. を持たないPA6の環状分子に由来するピークA が検. 出される.一方,-CONHCHO,-CONH ,-(CH )CHO,. -(CH )COOH,-(CH )CH を末端に持つ線状分子に. 由来するピークa ~d は,アミド結合NHのα位炭素. の酸化に伴うハイドロペルオキシドの生成と分解を経由. する熱酸化により生成した熱酸化物である .可溶分. のマススペクトルにはこれらの熱酸化物由来のピークが. (9 ). 89八木・岡本・片桐・福本・井上:炭素繊維強化ポリアミド樹脂の熱酸化に及ぼす繊維長の影響. Fig. 8 IR spectraofinsolublefractionofmodelsamplescontaining a 5mmCF, b 1mmCF, c 20~30μmCF.. Fig. 7 Solvent fractionation of model samples. beforeand after aging.. Table 1 Inferred chemical structure from peaks of. MALDI-TOFmass spectra.. Cyclic. oligomer A. Thermal. oxidative. product. a. b. c. d. H NH CH CO NHCHO. CH CH CO NH CH CO NH. OHC CH CO NH CH CO NH. HOOC CH CO NH CH CO NH. n:numberofPA6repeating units.. NH CH CO. Fig. 6 Appearance ofmodel samples (after ad-. dition ofHFIP)beforeand after aging.. 認められた.そこで,最も強度が高い熱酸化物由来ピー. クb と健全なPA6に相当する環状分子由来ピークA. の強度比(b/A)を熱酸化度合いの指標として試料間を. 比較した結果,Fig.10に示すように,繊維長が5mm,. 1mmのモデル試料に比べ,20~30μmのモデル試料は. 可溶分も熱酸化度合いが大きいことが分かった.. このように,繊維長のみを変えたモデル試料において. も前項のリサイクル材と同様の結果が示されたことか. ら,短繊維化がマトリックス樹脂の熱酸化を促進するこ. とが明らかとなった.なお,本検討では細断方法が異な. る炭素繊維を使用したが,別途炭素繊維の細断方法の影. 響についても検討(破断面のラマン分光分析など)を行. い,上記結果に影響を及ぼさないことを確認している.. 3.3 短繊維化による炭素繊維の変化. マトリックス樹脂の熱酸化および不溶化の要因を明ら. かにするため,短繊維化による酸性官能基量とラジカル. 量の変化について調べた.. モデル試料の作製に用いた炭素繊維の表面の酸性官能. 基(OH基やCOOH基等)量をTable2に示す.繊維長. が5mm,1mmの炭素繊維に比べ,20~30μmの炭素繊. 維は酸性官能基の量が多かった.3種類の炭素繊維が繊. 維としての形を保ち,長さのみが変化していると仮定し. て比表面積を計算した.5mmの炭素繊維の比表面積を1. とした場合の各炭素繊維の比表面積比をTable2に併せ. て示す.20~30μmの炭素繊維は5mmの炭素繊維に比. べ,比表面積は約1.1倍であるにもかかわらず,表面の酸. 性官能基量は約1.7倍になっていた.酸化により炭素繊. 維表面の黒鉛結晶子の端面または非晶質炭素にOH基. やCOOH基が生成することが報告されている ことか. ら,今回,炭素繊維を粉砕したことで,黒鉛結晶子の端. 面の量が多くなり,それらが空気中で酸化されて酸性官. 能基量が増えたと考える.. 炭素繊維のラジカル量をTable3に示す.ESRの定量. 精度は±10%とされており ,5mmの炭素繊維と 20~. 30μmの炭素繊維に明瞭な差はみられなかった.. ポリアミドは酸素存在下でラジカル連鎖反応により熱. 酸化し ,さらに架橋構造を形成して溶媒に不溶化する. との報告 がある.また,炭素繊維表面の酸性官能基と. (10). 90 日本複合材料学会誌 第46巻 第3号 (2020). Fig. 9 MALDI-TOF mass spectra of (a) PA6. and soluble fraction of model samples. containing (b)5mm CF, (c)1mm CF,. (d)20~30μmCF.. Fig. 10 Degree of thermal oxidation of HFIP. solublefraction.. Table 2 Number ofacidic functional group on car-. bon fiber surface.. Fiber length. Numberofacidic. functionalgroups. mmol/g. Specificsurface. area ratio. (Calculate). 5mm 0.110±0.01 1.000. 1mm 0.114±0.01 1.003. 20~30μm 0.190±0.02 1.116. Table 3 Numberofcarbon fiber radical.. Fiber length Numberofradicals ×10 /g. 5mm 7.7±0.6. 20~30μm 8.3±0.1. ポリアミドの末端が反応することも報告されている .. 分析の結果,繊維長の異なる炭素繊維間でラジカル量に. 明瞭な差はみられなかったが,繊維長が短いものは酸性. 官能基量が増加していた.したがって,短繊維化により. PA6の熱酸化が促進されたのは,ラジカル連鎖反応より. も酸性官能基の影響を大きく受けたためであり,不溶化. は架橋反応よりも酸性官能基とPA6の反応が主要因で. あると推定した.. 4.結 言. PA6をマトリックス樹脂とするCFRTPについて,リ. サイクルによる短繊維化がマトリックス樹脂の熱酸化に. 及ぼす影響を明らかにするため,CFRTPとそのリサイ. クル品の熱安定性の比較,および繊維長を変えたモデル. 試料による検証実験を行った.リサイクルにより短繊維. 化したCFRTPを加熱試験したところ,一部のPA6が. 繊維を巻き込んだ状態で溶媒に不溶化した.さらに,モ. デル試料においても繊維長が短いほど熱酸化が促進さ. れ,不溶化の度合いが大きいことが確認されたことから,. リサイクルによる短繊維化がマトリックス樹脂の熱酸化. を促進することが明らかとなった.繊維長が短い炭素繊. 維は表面の酸性官能基の量が増加していたことから,不. 溶化は官能基とPA6の反応が主要因と推定した.短繊維. 化の抑制は,製品の機械物性だけでなく物性値の変化抑. 制の面からも重要であると考える.. 本研究を遂行するうえで,(株)豊田中央研究所の井川. 泰爾氏,河田順平氏,平井隆行氏,米山弘亮氏,大嶋文. 子氏にご協力をいただきました.ここに記して謝意を表. します.. 参 考 文 献. 1)石川隆司:精密工学会誌,81,6(2015),489-493.. 2)藤 和久,小川淳一,松田祐之,小林めぐみ,森脇. 健二,平本健治,金 成彦,山田浩明,王 存 ,. 濱田泰以:科学・技術研究,4,1(2015),21-26.. 3)平野啓之,村松秀隆,井上 隆:日本複合材料学会. 誌,39,3(2013),113-119.. 4)大窪和也,藤井 透,糸川幸輝:材料,67,4(2018),. 424-429.. 5)奥村欽一,浅井俊博:神戸製鋼技報,47, 2 (1997),. 73-76.. 6)L. Sang, C. Wang, Y. Wang &Z. Wei:RSC. Advances,7(2017),43334-43344.. 7)小熊広之,菊池和尚,原田雅典,関根正裕,平山紀. 夫,邉 吾一:日本複合材料学会誌,43, 6 (2017),. 226-233.. 8)高分子物性研究会(編):高分子劣化・崩壊のトラブ. ル対策と最新の改質・安定化技術総合資料集,経営. 開発センター出版部 (1981),p.778.. 9)H.P.Boehm:Adv.Catal.,16(1966),179-274.. 10)日本分析化学会高分子分析研究懇談会(編):高分子. 分析ハンドブック,朝倉書店,東京 (2008),p.474.. 11)D.Chionna,C.Puglisi,F.Samperi,G.Montaudo. & A.Turturro:Macromol.Rapid Commun.,22,7 (2001),524-529.. 12)岡本一夫,井上雅枝:分析化学,67,10(2018),611-. 617.. 13)N.L. Weinberg & T.B. Reddy:J. Appl. Electro-. chem.,3(1973),73-75.. 14)田中誠之,飯田芳男:機器分析(三訂版),裳華房,. 東京 (2008),p.224.. 15)服部 宏:高分子,12,8(1963),614-618.. 16)服部 宏:高分子,11,6(1962),431-437.. 17)P. Ding, S. Su, N. Song, S. Tang, Y. Liu & L.. Shi:Carbon,66(2014),576-584.. (11). 91八木・岡本・片桐・福本・井上:炭素繊維強化ポリアミド樹脂の熱酸化に及ぼす繊維長の影響

Fig. 2 Influence of recycle number on impact strength.
Table 1 Inferred chemical structure from peaks of MALDI-TOF mass spectra.
Fig. 10 Degree of thermal oxidation of HFIP soluble fraction.

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