=環境に配慮した行動を実践する
温暖化といった環境問題が顕在化し、地球規模への影響が懸念されています。 私たち一人ひとりが、環境問題を引き起こしている当事者であるという認識 のもと、環境への負荷が少ない持続可能な社会の実現に向けて行動していくこ とが必要です。
このような状況をふまえ、本市では浦安市環境基本計画において、市民への 環境学習を先導的な役割を果たす施策として位置づけています。具体的には環 境関連の出前講座の開催や郷土博物館での体験学習を実施するほかに、自然環 境を学ぶことのできる新たな場として、(仮称)うらやす三番瀬環境学習施設 の計画などを進めています。
一方、学校での環境教育は、日本で初めて制定された公害規制法である水質 二法のきっかけとなった本州製紙江戸川工場による悪水放流事件を学ぶこと や、高崎市倉渕町にある「浦安市民の森」において森林体験を取り入れること など、それぞれの教科で環境に関する授業を展開しています。
この環境学習基本方針は、市民、学校、事業者、行政との協働のもとで環境 学習に取り組み、環境に配慮した行動の推進を図るための方向性や考え方を示 したものとなっています。市では持続可能な社会を目指し、各施策に取り組ん でまいりますので、皆様の日常生活や事業活動における環境学習の必要性に理 解を深めていただき、より具体的な環境に配慮した行動を実践していただきま すようお願い申し上げます。
最後に、本方針の策定にあたり、貴重なご意見を賜りました多くの皆様に心 からお礼申し上げます。
平成22年3月
浦安市長
はじめに
目 次
第1章 浦安市環境学習基本方針の策定にあたって‥‥‥‥ 1
1 持続可能な社会の実現に向けて‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 2 環境問題と向き合ってきた浦安 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2 3 環境学習の必要性 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3 4 環境学習基本方針の位置づけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4 5 環境学習基本方針策定の目的 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5 6 環境学習基本方針の対象‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5第2章 環境学習の現状‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
1 市の取り組み‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6 2 市民、学校、事業者の取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8 3 課題から見える取り組みの方向性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10第3章 環境学習を推進するために‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
1 環境学習基本方針が目指すもの‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11 2 環境学習を推進するための基本的な視点‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12 3 市民、学校、事業者、行政の役割 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 4 環境学習を推進するための取り組み‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16第4章 推進体制 -協働による取り組みの推進-‥‥‥ 18
1 協働による取り組み体制‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18 2 環境学習施策の公表 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19 3 環境学習基本方針の見直し ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19参考資料‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
● 環境教育・環境学習関連略年表 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21 ● 用語説明 本文中に※がついた用語は、こちらをご参照ください。 ‥‥‥‥‥‥‥ 22● 浦安市の環境‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24 ● 主な環境関連施設・環境学習関連施設 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 27
第1章 浦安市環境学習基本方針の策定にあたって
1 持続可能な社会の実現に向けて
「持続可能な社会」を実現するためには、市民、事業者、行政などが自ら 進んで環境に配慮した行動を取り組むことが大切です。国は、一人ひとりの 環境についての理解を深め、取り組みを進めるため、環境教育を推進し、環 境保全活動を促進する法律『環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関 する法律』(以下「法」という。)を制定しました。
この法では、持続可能な社会を「健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環 境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することが できる社会」と定義しています。
環境省 文部科学省『「つながり」に気づき、あなたから始めよう。』より出典
地球温暖化防止
持続可能な
社会
いのちのつながりの理解
貧困・人口急増の解決
循環型社会
※の形成
平和な社会
化学物質対策
2 環境問題と向き合ってきた浦安
浦安は、三方を海と川に囲まれ、長年にわたり、恵まれた自然の下で漁業 を中心として栄え、独自の生活や地域文化を培ってきました。
旧江戸川河口の一帯は、海水と淡水が入り交じる洲が連なり、アシやカヤ が茂った湿地には、カモやシギなどの水鳥が生息していました。遠浅な海は、 貝類やノリ、多様な魚類の漁場として、東京湾の恵み豊かな自然の恩恵を享 受していました。
しかし、昭和30年代に入ると、工 場排水や生活排水などにより海や川の 汚染が次第に目立つようになり、昭和 33年、本州製紙工場の悪水放流によ り、魚介類が死滅するなど大きな被害 を受ける事件(本州製紙江戸川工場悪 水放流事件※)が発生しました。これ
が産業型公害※の典型です。
この事件を契機として国は、後の水質汚濁防止法の原点となった「公共用 水域の水質の保全に関する法律」及び「工場排水等の規制に関する法律」を 制定し、公害防止を進めましたが、その後も河川や海の汚濁は進み、漁業は 衰退していきました。
このような漁業の転換期の中、浦安は、海面埋立事業における土地利用に ついて様々な検討を行ってきました。その結果、漁業者の救済やまちの発展 という観点に立ち、住宅用地の造成、大型遊園地の誘致、鉄鋼流通基地の形 成の3点を主要目的とし、千葉県の事業として埋立が実施されることとなり ました。
昭和46年、漁業権を全面放棄し、漁業のまちとしての歴史に幕を閉じま したが、現在の浦安市の発展は、新しい生活を求めて海を手放した方々の協 力が大きな基礎になっています。
3 環境学習の必要性
都市化の進展や生活様式の変化に伴い、今日の環境問題は、産業型公害か ら自動車交通の増加による大気汚染や生活排水による水質汚濁などの都市・ 生活型公害※へと移行するとともに、地球温暖化、森林の減少、生態系の変化
など、地球規模の問題も顕在化してきました。なかでも地球温暖化は、異常 気象の頻発や海面上昇など人類の生存基盤を脅かす深刻な環境問題です。 このような状況を踏まえ、安心して暮らせる生活環境を将来の世代に引き 継ぐため、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出を削減することが 求められています。
環境問題の発生は、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済システム による環境への負荷の増大が要因となっていることから、私たちの生活や事 業活動を含めた社会全体の変革が必要です。「持続可能な社会」の実現に向け、 先人の知恵や経験などに学びながら、市民一人ひとりが、それぞれの意識を 改革していくことが大切です。
さらに、子どもから大人まで、家庭や地域、学校、職場など様々な場で環 境問題を理解し、命や自然を大切にする心を育み、自ら考えて環境を守るた めに行動する人づくりを進めることも重要です。
4 環境学習基本方針の位置づけ
平成15年に制定された「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の 推進に関する法律」第8条において、地方自治体は、環境保全の意欲の増進 及び環境教育の推進に関する方針等を作成・公表するように努めることとさ れています。
また、「浦安市環境基本条例※」に基づき策定した「浦安市環境基本計画」
では、計画の目指す環境像を「人と自然とが共生する水と緑で囲まれた快適 環境都市うらやす」とし、この環境像を実現していくための施策の一つに環 境学習を掲げています。その中でも環境学習は、先導的な役割を果たす施策 として位置づけ展開しています。
この基本方針を、国の法律と浦安市環境基本条例に基づいて制定し、併せ て同法に基づき千葉県が策定した「千葉県環境学習基本方針」との整合性を 図るものとします。
千
葉
県
環
境
学
習
基
本
方
5 環境学習基本方針策定の目的
6 環境学習基本方針の対象
基本方針では、持続可能な社会の実現に向け、家庭や地域、市民活動団体、 学校、事業者、行政が連携と協働のもとで、環境学習に対する意識を高め、 環境に配慮した行動の推進を図るための考え方と方向性を示すことを目的と します。
基本方針では、「市民(家庭・地域・市民活動団体)」、「学校」、「事業者」、 「行政(市)」(以下「各主体」という。)を対象とし、それぞれの行動と役割
を示します。
「協働」とは~浦安市協働のガイドラインより~
●「協働」
「共通の目的を達成するために、市と市民が、それぞれの果たすべき役割を自覚して、対等な立 場で協力しあい、相互に補完し合うことをいう。【浦安市市民参加推進条例】第2条第1項第2号「協 働」の定義」としています。
具体的には、「協働」とは、「行政」と「まちづくり活動団体」という、自治の担い手同士が、役 割を分担し、お互いの特性を生かしながら、相互に協力し合い『市民と行政が協働するまちづくり』 の実現に向け、共にまちづくりに取り組むことです。
●「まちづくり活動団体」
第2章 環境学習の現状
1 市の取り組み
今日の環境問題が日常生活や事業活動に起因していることから、持続可能 な社会の実現に向けて、ごみの減量やリサイクルの取り組み、エネルギーの 効率的な利用、環境関連のイベントの参加など、市民や事業者の身近なとこ ろからの行動が重要です。
市では、市民に対してごみ減量・再資源化の意識を浸透させるためのビー ナスニュースの全世帯配布、環境関連部署や消費生活センターなどで省エネ 型ライフスタイルへの普及・啓発活動など、環境を意識した事業を進めてい ます。
環境学習としては、ビーナスプラザや郷土博物館、公民館など市の環境学 習関連施設で環境学習や体験学習を実施しています。また、市民が環境問題 を認識し、理解するため、市職員による本市の環境の現状や地球規模の環境 問題を内容とした環境学習講座を開催しています。
さらに、群馬県高崎市倉渕町に設置した「浦安市民の森」の活用により、 広域的な環境学習の機会を創出しています。高崎市と本市の住民間の交流を 図るとともに、森林の持つ機能や働き、効果などを理解してもらうため、市 民の森を林間学校や森林管理体験の場として活用しています。
一方、市民活動センターでは、清掃、リサイクル、自然環境の保全など様々 な分野の活動をしている団体への活動支援を行っています。
市の環境学習関連施設や学校、 市民活動団体などと連携を深め、 自然環境から地球環境までと幅広 い分野で、環境学習の場の活用や 機会の創出などを推進しています。
<市が行っている主な環境に関する取り組み>
<環境学習に関連する施設>
○各種出前講座の開催
○ビーナスプラザのリサイクル教室の開催
○郷土博物館・公民館が行う環境学習講座の開催
○環境フェアや環境ポスター展など各種イベントの開催 ○太陽光発電システムなど設置費の助成
○森林と親しむ講座の開催 ○イベントごみ減量の推進 ○マイバッグの配布
○共同清掃の支援 ○ビオトープ※の整備
○公園里親制度※の実施 など
浦安駅
新浦安駅
舞浜駅
施設
施設
2 市民、学校、事業者の取り組み
環境学習は、各主体が実施しています。ここでは、市が把握している各主 体の環境学習につながる取り組みの現状を示します。
(1)市民(家庭・地域・市民活動団体)
①家庭
電気や水の使用量を把握することので きる環境家計簿の記入やマイバッグの使 用、廃食油・古着・古布回収の協力、ビー ナスプラザでの生活雑貨のリサイクル、環 境フェアなどイベントへの参加などを通し て、ごみの減量や地球温暖化防止につなが る行動を実践している家庭が増えています。
③市民活動団体
市内には、地球温暖化防止活動の普及と 推進、河川や道路の清掃活動、自然体験学 習、リサイクル活動など、環境を分野とし ている市民活動団体が数多く存在します。 市民へ環境の情報を提供するとともに、環 境フェアや公園里親制度などへの参画や環 境学習の機会の提供など、より多くの市民
の理解と協力を得ることを目的に、積極的に活動を進めています。
出前講座
②地域
自治会活動として環境関連の出前講座を 開催するほか、自治会や子ども会などで、 集団資源回収や共同清掃、ゴミゼロ運動と いった清掃活動、イベントの際のリユース 食器の利用など、環境に配慮した取り組み を行うとともに、周辺の環境の整備に取り
組んでいます。 共同清掃
(2)学校など
小・中学校では、各教科で環境学習を行っ ており、社会科や理科を中心に、ごみや環境 問題、植物の栽培や身近な自然環境などを学 習しています。また、それぞれの学校で、校 外学習と関連した学習や、特別活動や学校行 事と関連した学習を行い、総合的な学習の時 間に、地域の特色を生かした環境学習を実施 しています。
保育園や幼稚園では、野菜の栽培・収穫や、昆虫の飼育を通して、自然に 親しむことを中心に環境学習を行っています。
出前講座を活用して、環境学習を行っている保育園や幼稚園、小・中学校 もあります。
(3)事業者
企業の社会的責任が問われる中、省エネル ギーに配慮した機器の設置や新エネルギーの 導入など、事業活動による環境負荷の低減を はじめ、護岸の清掃活動への参加、駅前で行 われているポイ捨てキャンペーンの啓発活動 への参加など、各事業者の社会貢献活動が進 められています。また、事業者は、自主的に
環境に配慮した行動に取り組むための制度である浦安エコカンパニー※に登
録し、環境に配慮した事業活動を進めています。
中学生による腐葉土作り
3 課題から見える取り組みの方向性
環境問題を解決するためには、人と環境との関わりを理解し、環境に対す る意識を高めることと環境に配慮した行動を実践していくことが重要です。 市民意識調査の結果や環境学習の取り組み状況における課題を整理し、環境 学習の取り組みの方向性を示します。
● 環境学習を総合的・計画的に推進していくため、仕組みづくりを進 めることが必要
● 地域の特性をいかした環境学習を推進していくため、環境学習関連 施設の連携と場の活用を図ることが必要
● 市民や事業者との連携と協働のもとで、環境学習の機会を創出・提 供することが必要
● 環境学習を推進できるリーダーとなる人材と、環境に配慮した行動 を行う人材の育成が必要
●各主体が情報を共有できるように進めることが必要
第3章 環境学習を推進するために
1 環境学習基本方針が目指すもの
海を生活の基盤とした漁業のまちであった浦安は、埋立てや都市構造の変 化などにより大きく様変わりしましたが、私たちは今でも日常生活において 自然の恵みを受けながら生活しており、将来にわたり良好な環境を引き継い でいかなければなりません。
また、本市が持続的に発展していくための計画として策定した「浦安市第 2期基本計画」では、本市唯一の自然資源である水辺を生かし、緑を守り育 てながら快適で潤いのある環境にやさしいまちを目指すことが示されていま す。そして、この第2期基本計画では、環境情報の提供や環境学習の機会と 場の充実など、環境保全行動に自ら率先して取り組む、環境を大切にする人 づくりを進めることが示されています。
このようなことから、基本方針の目指すものを、「接続可能な社会づくり に向けて、人と自然とが共生し、環境に配慮した行動を実践する人づくりを 進めます」と定め、本市の自然や文化を活用しながら、各主体が学びを通じ た行動へ取り組み、持続可能な社会づくりを目指します。
2 環境学習を推進するための基本的な視点
各主体の連携と協働で進める環境学習
地域の特性を踏まえた環境学習
基本方針を具体化するため、次に掲げる視点に基づき、各主体が環境学習 を推進します。
環境問題は、私たちの日常生活や事業活動が もたらす環境への負荷の増大が主な原因となっ ています。環境問題の解決のため、私たち一人 ひとりの意識を改革し、環境問題を自らの問題 として受け止め、行動していけるよう、各主体 が相互に連携・協働し、地域全体で環境学習に 取り組みます。
市民一人ひとりが環境問題を自らの問題とし てとらえるには、河川や海辺、歴史や文化など 身近なところから取り組むことが大切です。市 の環境学習関連施設が実施している環境学習や 市民活動団体などが取り組んでいる環境保全活 動を積極的に活用し、各主体が浦安の特性を踏 まえた環境学習に取り組みます。
舞浜護岸清掃
継続して行う環境学習
子どもから大人までが、環境について自ら考 え、環境への負荷の少ない生活を行えるように していくことが必要です。特に、次世代を担う 子どもたちへの環境学習は重視する必要があり ます。それぞれの年齢に応じた環境学習を進め られるよう、市は環境学習の内容や情報を整備 し、各主体が継続して環境学習に取り組みます。
子どもを対象とした出前講座
自然環境に配慮した環境学習
総合的な視点での環境学習
私たちの便利で豊かな生活が生み出した大量 生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済システ ムは、自然を破壊し、生態系に影響を与えるな ど、地球規模で自然界に大きな負荷を与えてい ます。私たちは様々な生き物との関わり合いが あって生きていることを認識し、自然環境の保
全に関心を持てるよう、各主体が身近な公園や河川、そして三番瀬などの自 然環境に配慮した環境学習に取り組みます。
環境問題は、大気や水、ごみなどの身近な問 題から地球温暖化などの地球環境問題※のみな
らず、社会経済や歴史、文化などの様々な要素 が関連しています。このような環境問題の現状 を踏まえ、持続可能な社会を目指すため、各主 体が諸問題の背景や原因、継続的な行動の実践 などを多面的・総合的な視点で捉えられる環境 学習に取り組みます。
干潟観察会
ヒマラヤ氷河(1978年)
ヒマラヤ氷河(2004年)
ヒマラヤ(東ネパール)のAX010氷河 (名古屋大学環境学研究科・
雪氷圏変動研究室) 全国地球温暖化防止活動推進センター
ウェブサイトより
ヒマラヤ(東ネパール)のAX010氷河 (名古屋大学環境学研究科・
雪氷圏変動研究室) 全国地球温暖化防止活動推進センター
3 市民、学校、事業者、行政の役割
環境学習の推進には、各主体の自発的な参加と協働による取り組みが必要 です。ここでは環境学習を推進するため、各主体に期待される役割を示します。
(1)市民(家庭・地域活動団体・市民活動団体)の役割
市民一人ひとりが、環境に配慮した生活を送ることや積極的に環境学習に取 り組むことで、持続可能な社会を担っていく主体になることが期待されます。
①家庭の役割
家庭は、日常生活において、環境に配慮した取り組みを継続して行える 場です。また、次の世代を担う子どもたちが基本的な生活習慣や社会規範 を身につける場でもあり、環境学習を推進する上で重要な役割を担ってい ます。家庭での暮らしが環境問題の一因であることを理解し、節電や環境 に配慮した商品の購入、地域の清掃活動への参加など環境への負荷の少な い暮らしを送る必要があります。
②地域の役割
地域には、自治会や子ども会、老人クラブなど様々な組織があり、集団 資源回収や共同清掃などを実施しています。地域活動団体は、共通の目標 をもって行動をすることができ、地域主体の環境学習を展開する場として 適していることから、行政との協働のもとで、地域のイベントや清掃活動 などを通して環境学習の必要性に気づき、地域全体で環境へ配慮した行動 を実践する必要があります。
③市民活動団体の役割
(2)学校などの役割
学校は、各教科・領域の学習を通して、環境に関する知識を身に付けさせ たり、子どもたちの興味・関心に応じてテーマを掘り下げ、それをまとめる 力を身に付けさせたりする役割を担っています。
また道徳や集団生活を通して、環境に配慮するために必要な判断力を養う ことやモラルやマナーの習得を図ることなど、環境問題の解決に必要な「人 とかかわる力」を育成する役割を担っています。
保育園や幼稚園では、活動を通して環境に対する興味や関心を持たせ、小・ 中・高等学校においては、学習や様々な活動を通して、環境学習を推進する ことが期待されます。大学においては、さらに環境学習に関する様々な知識 を深め、地域へ還元することが期待されます。
(3)事業者の役割
事業者は、社会貢献として、地域の環境を保全する活動への参加や環境学 習の実施など、地域や学校などとの連携が期待されます。また、環境報告書 による情報の公開や従業員の環境教育なども期待されます。事業活動に伴う 環境への負荷が地域や地球規模の環境問題の一因となっていることを認識 し、環境に配慮した事業活動を進めていく必要があります。
(4)行政(市)の役割
4 環境学習を推進するための取り組み
環境学習の取り組みを地域全体へ広げていくためには、各主体の連携と協 働が必要です。市の第2期基本計画や環境基本計画に示されている方向性や、 環境学習における課題をもとに、今後の環境学習を推進する際に必要となる 市の取り組みを示します。
(1)環境学習拠点相互の連携と場の活用
環境学習を充実させていくためには、ビーナスプラザや郷土博物館、公民 館などの環境学習を推進する施設のほかに、身近な自然環境をいかした環境 学習を推進できる学習の場が必要です。
市は、環境学習の取り組みの広がりを図るため、環境学習拠点相互の連携 と場の活用を図ります。
(2)機会の提供
市民一人ひとりが、日常生活と環境との関わりに気づき、行動につなげて いくためには、環境への関心を持つきっかけが必要です。
市は、毎年6月の環境月間に行われる環境フェアや、身近な自然環境をい かした観察会の参加などを通して、各主体が環境への関心や知識の向上を目 指せるよう、環境学習を身近なところから楽しく取り組める場や機会の充実 を図ります。
(3)情報の共有
環境学習を行うには、環境に関する調査結果やデータなどの様々な情報が 必要となります。
(4)人材育成と活用
環境学習を推進していくためには、市民一人ひとりが問題発生の仕組みを 理解し、学びから行動へと取り組みを進めていかなくてはなりません。その ためには、地域で活躍するリーダーとなる人材を育成し、その人材が環境学 習の場で活用される仕組みづくりが必要です。
市は、うらやす市民大学などを活用し、環境に配慮した行動を実践する人 材の育成や活用のための仕組みづくりを進めます。
(5)環境学習メニューの整備
環境学習を効果的に行うためには、環境学習の教材やプログラムなどが必 要となります。
市は、各主体の実状に応じたメニューや、地球温暖化や自然環境など各分 野のメニュー、環境に配慮した行動を実践できるメニューなどを整備し、市 民一人ひとりの意識改革につながる環境学習メニューの整備を進めます。
第4章 推進体制 -協働による取り組みの推進-
1 協働による取り組み体制
環境学習を推進していくための協働による取り組みや体制について示します。
(1)国や県、他の自治体などとの協働体制
本市の周辺には、行徳野鳥観察舎や谷津干潟自然観察センターといった県 や他市の施設があります。このような施設の活用や国や県、近隣の自治体、 環境関連の団体などとの連携や協働のもと、環境学習の推進を図っていきま す。
(2)浦安市内部の連携強化
市が実施している環境学習については、相互に連携し、情報を共有しなが ら環境学習の推進を図っていきます。また、将来にわたり良好な環境を引き 継いでいくため、環境学習の取り組みのひとつに掲げている学校などとの連 携を強化していきます。
(3)各主体との協働体制
一人ひとりの環境に配慮した行動は、大きな成果につながり、環境学習や 環境保全活動に広がりが見られます。各主体が環境学習を推進していけるよ う、市が各主体と連携を取り、協働のもとで環境学習に取り組みます。
市 民
事業
2 環境学習施策の公表
3 環境学習基本方針の見直し
市で実施している環境学習は、その取り組みの内容や実績などを環境基本 計画年次報告書で毎年公表しています。引き続き、環境学習の取り組みは、 環境基本計画年次報告書と市ホームページで公表していきます。
参考資料
●環境教育・環境学習関連略年表‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21
●用語説明‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22
●浦安市の環境‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24
参考資料
●環境教育・環境学習関連略年表
年 世界 国・千葉県 市
1972 昭和47年(ストックホルム)国連人間環境会議
1975 昭和50年(ベオグラード)環境教育専門家会議
1977 昭和52年(トビリシ)環境教育政府間会議
1982 昭和57年 国連環境計画(UNEP)管理理事会特別会合(ナイロビ)
1992 平成 4 年 国連環境開発会議/地球サミット(リオデジャネイロ) 県:「千葉県環境学習基本方針」策定
1993 平成 5 年 国:「環境基本法」成立
1994 平成 6 年 国:「環境基本計画」閣議決定
1996 平成 8 年 県:「千葉県環境基本計画」策定
1997 平成 9 年(テサロニキ)環境と社会に関する国際会議
1999 平成11年
国:「これからの環境教育・ 環境学習-持続可能な 社会をめざして-」中 央環境審議会答申
2002 平成14年 持続可能な開発に関する世界サミット/環境開発サミット (ヨハネスブルク)
2003 平成15年 国:「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の 推進に関する法律」制定
「浦安市環境基本 条例」制定
2004 平成16年 国:「環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関 する基本的な方針」策定
2005 平成17年 「浦安市環境基本計画」策定
2006 平成18年 国:「持続可能な開発のための教育」活動指針
2007 平成19年 県:「千葉県環境学習基本方針」改訂
●用語説明
(50音順)浦安エコ カンパニー
(9ページ)
本市における地球温暖化対策の一つとして、市内事業者の 事業活動において、主体的に環境保全行動に取り組んでいた だくための仕組みを制度化したもの。
浦安市環境 基本条例
(4ページ)
環境への負荷が少ない持続可能な社会を形成するため、本 市が平成15年10月に制定した条例。環境の保全(良好な自 然環境が回復する条件の創出及び良好な生活環境の創出を含 む。)について、基本理念を定め、市、事業者、市民及び滞在 者等の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施 策の基本となる事項を定めている。
公園里親制度
(7ページ)
地域住民や企業などが「里親」となり、道路、公園、河川 海岸などの公共空間を管理、維持していく制度。
産業型公害
(2ページ)
公害は、「環境保全上の支障のうち、事業活動その他の人の 活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚 濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、 人の健康または生活環境に係る被害が生ずること」であり、 このうち事業活動に伴う被害を産業型公害という。
産業型公害は、工場から排出される排煙中の窒素酸化物、 硫黄酸化物による大気汚染や酸性雨、工場排水中の各種化学 物質による水質汚濁、また、ダイオキシン、PCB、農薬な ど有機塩素化合物による土壌や海水の汚染、さらに、フロン ガスによるオゾン層破壊など多岐にわたる。
循環型社会
(1ページ)
生物多様性
(1ページ)
生物が多様に存在することをいう。「生物多様性条約」にお いて、「すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水界生態系、 これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを 問わない。)の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種 間の多様性及び生態系の多様性を含む」と定義されている。
地球環境問題
(13ページ)
人類の将来にとって大きな脅威となる、地球的規模あるい は地球的視野にたった環境問題。地球環境問題として、(1) 地球温暖化、(2)オゾン層の破壊、(3)森林(特に熱帯林) の減少、(4)開発途上国の公害、(5)酸性雨、(6)砂漠化、 (7)生物多様性の減少、(8)海洋汚染、(9)有害廃棄物の
越境移動の9つの問題が主に認識され、かつ取り組まれてき ている。
都市・ 生活型公害
(3ページ)
従来の産業活動により発生する公害とは異なった形態の日 常生活に起因して発生している公害。生活排水による水質汚 濁、自動車排出ガスによる大気汚染、近隣騒音、電波障害な どがある。
ビオトープ
(7ページ)
本来、その地域に住むさまざまな野生の生物が生きること ができる空間。
本州製紙 江戸川工場 悪水放流事件
(2ページ)
本州製紙江戸川工場の悪水放流により被害を受けた浦安の 漁民が同工場に乱入して起きた大乱闘事件。
昭和33年4月、旧江戸川が本州製紙江戸川工場からの排水 で黒く濁り、海水の変色と魚介類の大量死滅が見られた。漁 民たちは会社側との折衝や関係官庁へ陳情を開始したが、問 題解決のきざしはなく、被害は広がり続けた。漁民代表は6 月に国会と都庁の陳情後に工場へ向かったが、工場は監督官 庁から出されている中止勧告を無視して操業を続行したため、 漁民は工場内に乱入。工場側の要請した機動隊と衝突し、漁 民から重軽傷者等を出す大乱闘事件へと発展した。
●浦安市の環境
本市では、「浦安市環境基本計画」に基づき、 学校や社会教育施設における環境学習を展開し ています。環境学習を推進していくうえで、本 市の環境の特徴を理解することが重要となるた め、市域の大気や水、自然などの地域の資源を 環境学習の素材として積極的に活用しています。
○‥大気
本市には、大気汚染の発生源になるような大規模な工場は少ないものの、 首都高速道路湾岸線や一般国道357号が市の中央を東西に貫いているほか、 やなぎ通りや市川浦安バイパスなどの交通量の多い道路が通っています。近 年は、自動車交通量の増加による自動車排出ガスの影響を受けた大気汚染が 課題となっているため、アイドリングストップの啓発などによりさわやかな 大気環境を確保するための取り組みを促進しています。
○‥水
本市は、三方を水に囲まれ、市内には境川、猫実川、堀江川、見明川の4 つの河川が流れています。市内にある4つの河川のうち、猫実川と堀江川は、 定常的な水源がなく、降雨や生活排水が水源となり、流量が少ない状態です。 また、境川は、水門で流れが管理されているため、汚濁物質が蓄積しやすくなっ ています。生活排水の河川への流入の抑制や河川水の導入などにより清らか な水を確保するための取り組みを促進しています。
○‥緑
緑は、大気の浄化、熱や温室効果ガスの吸収、生物の生息空間となるなど 多様な機能を有し、私たちの生活に欠かせないものです。本市の市域は、4 分の3が海面の埋め立てにより整備され、昔からの緑は少なく、潮風の影響 を受けるなど植物の育成には厳しい環境です。快適な生活環境の創出のため、 既存の緑の保全・育成を図るとともに、公園・緑地の整備を進め、豊かな生活 空間を創出するための取り組みを促進しています。
明海の丘公園ビオトープ 弁天ふれあいの森公園
○‥生物
本市はかつて、広大な浅海域に面していたことにより、陸域と水域が干潟 で連続するなど豊かな干潟環境と生態系が存在していました。しかし、製紙 工場による悪水放流事件や埋め立て事業、都市化の進展、交通機関の整備な どにより生物の生息できる環境は少なくなりました。現在は、身近な公園の 整備や公共施設のビオトープの整備など緑化の推進により生物の生息できる 環境が少しずつ整備されています。
コサギ マメコブシガニ
○‥廃棄物
本市のごみの総排出量及び一人当たりの1日の平均ごみ排出量は、減少傾 向となっています。これは、指定ごみ袋制の導入やイベントから出るごみの 減量化を推進するため、イベントごみの減量ガイドラインを策定したことな どの結果といえます。市民や事業者の参加のもとで、ごみの減量・再資源化 を目的とした計画に基づき、最終処分量のさらなる減少を目指し、循環型社 会の形成を実現するための取り組みを促進しています。
○‥三番瀬
三番瀬は、浦安市、市川市、船橋市、習志野市に囲まれた約1,800haの干 潟と浅い海域で、かつては広い範囲で干潟が広がっていましたが、埋め立て によってその9割が失われたといわれています。三番瀬の再生や保全・活用 については、千葉県の三番瀬再生計画における事業と連携を図りつつ、市民 や関係機関と協議しながら三番瀬で学習や活動できる拠点づくりや周辺の緑 地の整備などの取り組みを促進しています。
○‥資源・省エネルギー
本市では、環境マネジメントシステムや地球温暖化対策実行計画に基づき、 公共施設から排出される温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みや専門 の事業者が施設の省エネルギーを実現するために包括的なサービスを提供す るESCO事業、市民を対象とした住宅用の太陽光発電システム設置費の助 成制度などの取り組みを進めてきました。資源・エネルギーの有効利用に努め、 環境にやさしい暮らしを進めるための取り組みを促進しています。
三番瀬 いきもの観察会
○‥歴史・文化と景観
本市には、郷土博物館や文化財、博物館ボランティアの活動などから、漁 師町時代の自然と共生した浦安の文化を学べる環境があります。また、埋め 立て事業により整備され、外国を含む様々な地域から多様な文化を持つ人々 で構成されている本市は、地域の特性を生かした良好な景観形成を図るため の取り組みを行ってきました。歴史的・文化的資源を守り生かすとともに、 潤いのある景観を創出するための取り組みを促進しています。
●主な環境関連施設・環境学習関連施設
○クリーンセンター 電話381-5300
○ビーナスプラザ 電話382-8787
○郷土博物館 電話305-4300・各公民館
○浦安市民の森(高崎市)
○消費生活センター 電話390-0086 ○市民活動センター 電話305-1721
【施設概要】
クリーンセンターは、ごみを効率的に処理するため、コン ピュータによる自動制御システムを取り入れ、24時間で270ト ンのごみを処理する能力があります。また、ごみ焼却時の余熱 を発電や給湯、冷暖房などに利用しています。施設見学も行っ ており、資源の循環について学ぶことが出来ます。
【施設概要】
ビーナスプラザは、資源の再利用を目的とした体験教室
や講座・セミナーを通してリサイクルを実践できる場所で す。牛乳パックを再利用した工作や古布を利用したランチョ ンマットづくり、吹きガラスなどのさまざまな体験や、再 生した家具・自転車を購入することができます。
【施設概要】
郷土博物館は、昭和27年ごろの活気ある昔のまち並みや 当時の舟の展示などを通じて、浦安の歴史や文化を学ぶこ とができる施設です。
公民館は、学習・文化活動やレクリエーション活動など を行う社会教育施設です。各公民館で、いろいろな講座や 学級を行っています。
【施設概要】
群馬県高崎市倉渕町は、江戸川の上流域に位置し、総面 積の約90パーセントが山林という自然豊かな地域で、江戸 川の水源を担っています。平成18年1月、高崎市倉渕町に 「浦安市民の森」を設置し、住民間の交流を図るとともに、
林間学校などの森林体験活動に活用しています。
【施設概要】