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第1回

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Academic year: 2021

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(1)

国 語

注   意 1 . 試験時間は,8:50 〜 9:40 の 50 分です。 2 . 問題は 一 から まであります。 3 . 解答用紙に,受験番号と氏名を書きなさい。 4 . 解答はすべて解答用紙に書きなさい。 5 . 先生の指示があるまで,問題用紙をあけてはいけません。 6 . 問題についての質問はうけつけません。 7 . 試験が終わったら,解答用紙を裏返しにしておきなさい。

2017

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  次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。   「私」 (センリ)は妹のチエミが寝る前に歌う歌詞の意味がわからず気になっていたが、チエミにはそのことを聞けないでいた。その こ ろ、 小 学 校 で ク ラ ス メ イ ト の カ ツ ラ が 盗 ぬ す み を 働 い た こ と を 目 撃 し た と い う 者 が 現 れ、 カ ツ ラ 自 身 も 自 じ ま ん げ 慢 気 に そ の こ と を 語 っ た た め、 茜 あか ね をはじめとする女子が彼女を無視しようと言い出した。 しかし、 「私」 はそれを断り、 カツラを無視しようとする女子にも、 カツラにも、 無関係を 装 よそお う男子にも「うんざり」した気持ちを 抱 い だ いていた。 「センリ、それ暗号?   あるなしクイズ?」   社 会 科 の 時 間。 気 付 く と あ れ か ら 一 週 間 が 過 ぎ て い た。 茜 ち ゃ ん と 塔 と う こ 子 ち ゃ ん が 教 材 室 ま で 二 枚 目 の モ ゾ ウ シ を 選 び に 行 っ て い て、 私 は ひとりで残されていた。そこに、 一メートル定規を運んできたカツラちゃんが通りかかったのだった。私の手元には、 チエミの歌の詞があっ た。ひまつぶしにノートに書いてみたやつ。       あかいめだまのさそり     ひろげたわしのつばさ     あおいめだまのこいぬ     ひかりのへびのとぐろ     ① 私 は し ば ら く カ ツ ラ ち ゃ ん の 顔 を 見 て ぽ か ん と し て い た 。 き っ と も の す ご い 間 抜 け な 顔 を し て い た と 思 う。 声 を か け ら れ て も 無 視 し な いぞしないぞ、と思っていたのに、いざとなると頭の回転が止まってしまっていた。多分、長いこと口をきいていなかったからだと思う。   でもカツラちゃんは、ノートを指したまま 嬉 う れ しそうに言った。 「あたし、これわかったよ」     そ の ひ と 言 で、 頭 が 動 き 出 し た。 椅 す 子 か ら 立 ち 上 が る く ら い の 勢 い で「 え、 何!」 と 身 を 乗 り 出 す と、 う す 黄 色 い 八 重 歯 を の ぞ か せ た 笑

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いが返ってきた。 「星座」   「えっ?」     私が聞き返すと、カツラちゃんはひとつひとつフレーズを指しながら説明した。 「 さ そ り で し ょ、 わ し で し ょ、 こ い ぬ、 へ び、 全 部 星 座 に あ る や つ。 さ そ り 座 は 赤 い 星 が あ る か ら、 『 あ か い め だ ま の さ そ り 』 な ん で し ょ ー。 他のは、よく知らないけど」   私は思わずノートの 隅 す み をにぎりしめた。 「そっかあ。そうなのかあ。全然思いつかなかった」   そう言うとカツラちゃんは、 「兄ちゃんが星好きでね、 天体望遠鏡持ってるんだ」 と 自 じ ま ん 慢 げに口を 歪 ゆ が めた。 それからこっちに顔を 寄 よ せて、 「すっ げー高いやつ。こればっかりはでかくて 盗 れないけど」と 囁 ささ や いた。 「ひと言余計だよ」     私 が 言 う と、 カ ツ ラ ち ゃ ん は、 今 度 は 歯 を 見 せ な い で 笑 っ た。 ほ っ ぺ た が ふ く っ と 上 が る。 そ の ま ま ド ア の ほ う に 目 を や る と、 何 も 言 わ ないで自分の班のほうに走っていった。茜ちゃんと 塔 と う こ 子 ちゃんが、ピンクのモゾウシを持って入ってきたところだった。 「げえ、ピンクかよ」     イシバタがぼやく。茜ちゃんが 「この色、 すっごい探したんだからね!」 と a ちぐはぐ な答えを返し、 和也くんが 「さ、 字の配置決めよっか」 と仕切り直した。その横で私は、じっとノートに目を落としていた。早く帰ってチエミに言いたい、と思う。 「あんたの歌、あれ、星座でしょ」って言ったら、チエミはびっくりするかな。私がカツラちゃんにびっくりしたみたいに。     ② そ の 夜 は 眠 く な ら な か っ た 。 チ エ ミ の 歌 が 始 ま っ て も。 寝 た ふ り を し て か ら ず ば っ と「 星 座 で し ょ!」 と 言 い 出 す ん だ と 思 っ た ら ず い ぶんどきどきした。茜ちゃんににらまれたまま口を開いた時よりずっと、たくさんの汗が出た。 「星座!」     布 ふ と ん 団 か ら 1 と 身 を 起 こ し て チ エ ミ を 指 さ す。 チ エ ミ は ち ょ っ と 布 団 の 下 の 背 中 を び く つ か せ て、 そ れ か ら ③ う っ と う し そ う に頭を出した 。毛布から顔の上半分だけ出してこちらを見る。 後 こ う かい 悔 しかけた私の目を、チエミはじっとのぞき込んだ。

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「……そりゃそうだけどさー、もしかしてねえちゃん、この歌知らないの?」   「は?」     チ エ ミ の 作 詞 作 曲 だ と 思 っ て い た 私 は、 問 い の 意 味 を 理 解 す る ま で に 時 間 が か か っ た。 誰 か の、 し か も 有 名 な 人 の 歌 だ っ た と い う こ と ら しい。     b あっけにとられた 私に、チエミが「宮沢賢治」と、ひと言放つ。   「そうなの?」 「そうだよ」     もしかして、ずっとなぞなぞ歌だと思って考えてたの、とチエミが言ったのにうなずくと、大声で笑われた。 「何、ずっと考えてたの、こんなの?   えー?」   ば か じ ゃ ん、 と チ エ ミ は 言 っ た。 で も そ の ま ま、 む く り と 起 き 上 が っ て 手 招 き し た。 ち ょ っ と 来 て、 と す ぐ 隣 と な り に あ る ふ す ま を 開 け る。 お 父 さ ん と お 母 さ ん の 寝 室 の 六 ろ く じ ょ う ま 畳 間 。 ふ た り と も ま だ 居 間 に 居 る の か、 姿 は な い。 隅 に 布 団 が 積 ん で あ っ て、 真 ん 中 に は 2 と 闇 や み が集まった空間があるだけだ。私たちふたりは何とはなしに背中を丸めて、こっそりと部屋に入った。   「見て」     チ エ ミ が 囁 く。 指 さ し た 先、 ④ 天 井 の 照 明 の 右 側 に、 小 さ な 点 が 七 つ ひ か っ て い た 。 デ ン キ の あ か り じ ゃ な い、 蛍 光 塗 料 の う っ す ら と し たひかり。そのひかりでできた七つの点がひしゃくのかたちを描いていることは、すぐにわかった。   「 北 ほ く と し ち せ い 斗七星 ?」     私が言うと、チエミが 隣 で小さくうなずいた。   「あたし ぜ (注1) んそくだったじゃん。だから、夜の冷たい空気はよくないとか言って、星、見られなくて」 「うそ」     全然知らなかった。 でも私は、 チエミが小さい 頃 こ ろ 、 お父さんとお母さんに守られるようにこっちの 寝 しんしつ 室 で眠っていたのを 憶 お ぼ えている。 つまり、 この星はチエミのために天井にくっつけられたのだ。お父さんかお母さんの手によって。   「あの歌も、お母さんがうたってくれたんだよ。ねえちゃん、 3 寝てたから知らないんだろうけど」     暗 闇 に 慣 れ て き た の か、 横 を 見 た ら チ エ ミ が ま ぶ し そ う に 偽 に せも の 物 の 星 を あ お ぐ の が 見 え た。 私 は「 そ っ か あ 」 と だ け つ ぶ や い て 膝 ひ ざ を 抱 かか え る。

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布団の中で、お母さんの歌を聞きながら、チエミはきっと今と同じまぶしそうな顔をしていたんだろう。     ⑤ 私 が 知 ら な い 顔 は、 ま だ い っ ぱ い あ る 。 チ エ ミ に も カ ツ ラ ち ゃ ん に も、 ク ラ ス の 他 の み ん な に も、 多 分。 う ん ざ り し た り、 さ み し く な ったりするのはまだ早いんだ。     そう思ったら ⑥ 久しぶりに、なんだか安心してしまって 、早くもまぶたが下りそうになった。     マンガみたいな星形に切り抜かれた 蓄 (注 2 ) 光チップのひかりが七つ、私とチエミを照らしている。        ( 『だって星はめぐるから』 豊 と し ま 島 ミホの文章による)     (注1)   ぜんそく…発作的にせきが出て呼吸困難になる病気。     (注2)   蓄光チップ…電気を消したときに光る素材。 問一   波線部a・bの意味として最も適当なものを次の中からそれぞれ選んで、記号で答えなさい。        ア   あきれたような        イ   ばかにした      a   ちぐはぐ          ウ   とりつくろうような             エ   かみあわない           オ   まちがった             ア   意表をつかれて驚いた           イ   思いもよらずに 困 こ ん わ く 惑 した      b   あっけにとられた      ウ   突然のことでおそろしくなった               エ   初めてのことでとまどった        オ   予想外で残念に思った

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問二   空欄 1 〜 3 に入る適当な語を次の中からそれぞれ選んで、記号で答えなさい。 ア   ぐっすり     イ   はっきり     ウ   のんびり      エ   ぽっかり     オ   がばり 問 三   傍 線 部 ①「 私 は し ば ら く カ ツ ラ ち ゃ ん の 顔 を 見 て ぽ か ん と し て い た 」 と あ り ま す が、 そ の と き の「 私 」 の 気 持 ち を 説 明 し た も の と し て最も適当なものを次の中から選んで、記号で答えなさい。 ア   茜ちゃんから無視をするように言われていて話をしていなかったのに、声をかけられ 迷 めい わ く 惑 に感じている。 イ   バカにしていたカツラちゃんの口からチエミの歌の意味を聞いて、 情けない 気持ちになっている。 ウ   無視しないようにと思いながらもカツラちゃんから急に声をかけられて、うろたえてしまっている。 エ   他の人に知られないようにノートに書いた歌詞を、一番見られたくない人に見られてあせっている。 オ   無視していることを後ろめたく思っていた時にカツラちゃんに声をかけられ、申し 訳 わ け なく思っている。 問四   傍線部②「その夜は眠くならなかった」とありますが、それはなぜですか。四十字以内で説明しなさい。 問 五   傍 線 部 ③ 「 う っ と う し そ う に 頭 を 出 し た 」 と あ り ま す が 、 こ の 時 の 「 チ エ ミ 」 の 気 持 ち の 説 明 と し て 最 も 適 当 な も の を 次 の 中 か ら 選 ん で 、 記 号 で 答 え な さ い 。 ア   姉に 隠 かく れて歌って気づかれていないと思っていたのに、そのことを言われたので驚いている。 イ   姉に気づかれないようにこっそり歌っていたのに、寝たふりをして聞いていたことにあきれている。 ウ   歌をうたって気持ちよく寝ようと思っていたのに、姉が そ の 邪 じ ゃ ま 魔 をしたので腹を立てている。 エ   だれにも教えるつもりはなかった歌なのに、姉がそれを無視して質問してくることに 落 ら くたん 胆 している。 オ   だれでも知っているような歌詞なのに、姉が大げさにその話を持ち出したので 面 めん ど う 倒 に思っている。

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問 六   傍 線 部 ④「 天 井 の 照 明 の 右 側 に、 小 さ な 点 が 七 つ ひ か っ て い た 」 と あ り ま す が、 こ の 天 井 の「 小 さ な 点 」 に 「 セ ン リ 」 は ど の よ う な ものを感じていますか。その説明として最も適当なものを次の中から選んで、記号で答えなさい。 ア   からだが弱く外に出ることを禁じられていたチエミの外に出たいという強い願い。 イ   ぜんそくのチエミがいたためにひとりぼっちで寝ていた「私」の 寂 さ び しさ。 ウ   ぜんそくのために星を見ることができなかったチエミを思いやる父や母の愛情。 エ   からだが弱く一人だけ夜空の星を見ることができなかったチエミの 孤 こ ど く 独 感。 オ   ぜんそくのために「私」よりも両親に大切にされていたチエミの優越感。 問 七   傍 線 部 ⑤「 私 が 知 ら な い 顔 は、 ま だ い っ ぱ い あ る 」 と あ り ま す が、 こ こ で の「 顔 」 の 意 味 と し て ふ さ わ し く な い 0 0 0 0 0 0 0 も の を 次 の 中 か ら 一 つ選んで、記号で答えなさい。 ア   性格       イ   表情     ウ   過去     エ   気持ち     オ   生活 問八   傍線部⑥「久しぶりに、 なんだか安心してしまって」とありますが、 この時の 「 センリ 」 の気持ちの変化をわかりやすく説明しなさい。 問九   この作品の特徴を説明したものとして適当なものにはA、不適当なものにはBと答えなさい。 ア   短い文章を連ねることで、テンポよく読めるようになっている。 イ   体言止めや省略法を用いることで、センリがその時感じたことを強く表している。   ウ   会話文を多く用いることで、作品中の人物の様子を生き生きと表現している。   エ   人の名前や物の名前にカタカナを用いることで、センリの 幼 よ う ち 稚 さを表している。    オ   過去を表す語と現在を表す語を混在させることで、人間関係の複雑さを暗に示している。

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  次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。   料 理 の 味 付 け や 調 味 料 に は た く さ ん の 種 類 が あ る。 塩 や 砂 糖 は も と よ り、 ウ ス タ ー ソ ー ス や カ レ ー 風 味、 オ リ ー ブ 油、 コ ン ソ メ、 コ チ ュ ジ ャ ン、 ケ チ ャ ッ プ や マ ヨ ネ ー ズ な ど な ど、 日 本 で 使 わ れ て い る 調 味 料 は 無 数 に あ る。 ど れ も 重 要 な 味 で あ る。 そ の な か で、 な ぜ、 ① ダ シ のおいしさをわざわざ強調する 必要があるのだろうか。   ダ シ の お い し さ は、 単 に 料 理 の 味 わ い を 引 き 立 て る だ け で な い。 様 々 な 意 味 を 持 っ て い る。 料 理 を は じ め 食 べ る も の に つ い て、 人 は 保 守 的 で あ る。 祖 国 や 故 郷 を 思 い 出 さ せ る の も 料 理 で あ る。 そ れ 故 ゆ え 、 食 べ 物 は そ の 国 の 国 民 の ア (注1) イ デ ン テ ィ テ ィ ー の 一 部 と な っ て い る。 そ の な か で も、 ダ シ の 味 わ い は 料 理 の 味 の 基 本 で あ る。 と こ ろ が、 ダ シ へ の (注 2 ) 嗜 し こ う 好 を は じ め、 味 わ い の 好 き 嫌 き ら い は A 後 天 的 な 学 習 に よ っ て 成 立 し た ものである。教えないと好きにならない。国民のアイデンティティーといえども学習して 獲 かく 得 と く するものなのだ。   ② 料 理 や 味 に 関 し て 言 え ば、 絶 対 的 に お い し い も の な ん て 無 い 。 こ れ は 重 要 で あ る。 甘 か ん み 味 な ど 一 部 の 基 本 味 は 生 ま れ つ き 人 間 と し て 好 む よ う に な っ て い る。 し か し、 料 理 の よ う な B 複 雑 な 味 わ い は 遺 伝 的 に 好 き 嫌 い が 決 ま っ て い る も の で は な い。 お い し さ は 教 え ら れ る も の で あ る。 日 本 人 が 日 本 食 や カ ツ オ・ 昆 こ ん ぶ 布 ダ シ を 好 き な の は 親 た ち に 教 え ら れ た か ら で あ る。 大 人 が 教 え な け れ ば、 ア メ リ カ の 人 と 同 じ く 日 本 のダシのおいしさは 生 しょ うが い 涯 わからない。 ③ 親はダシのおいしさを子供に教えなければならない のだ。   日本の伝統であるダシを好きになることは、 大人になってからの健康にとっても好ましい。 ご飯とダシを中心とした日本の伝統的な食事は、 欧 お う 米 べ い の 標 準 的 な 食 事 に 比 べ る と カ ロ リ ー が 低 く、 脂 し ぼうが んりょ う 肪 含 量 が 低 く、 食 物 繊 せ ん い 維 は 多 い な ど、 生 活 習 慣 病 の リ ス ク と な る 要 因 が 少 な い。 ダ シ の お い し さ を 知 る 人 間 は、 日 本 の 食 事 を 好 む。 だ か ら、 将 来 の 健 康 の た め に も、 ダ シ の お い し さ を 知 る こ と は 大 事 な の で あ る。 長 い 歴 史 の な かで生き残ってきた ④ 日本のダシの味わいを、簡単に捨てるのは危険である 。   脂肪や砂糖の味とダシのおいしさは、 同 (注3) じメカニズムで満足感を与えてくれる。   どれを選んでも満足できるならば、ダシを中心とした食事のほうが健康に良さそうだ。   日本のカツオダシの文化は、 室町時代からの伝統を持つ味覚の文化である。 宗教的な制約や 牧 ぼ く ち く 畜 民族ではなくて農耕民族であったことなど、 多 く の 偶 然 が 重 な っ て、 油 脂 を 多 用 せ ず に ダ シ の お い し さ で 満 足 す る 文 化 が 生 ま れ た。 現 代 人 の 健 康 と い う 面 か ら 見 れ ば、 ダ シ の 文 化 を 持 ったことは、非常な偶然の幸運である。   現 代 人 の 食 生 活 は 常 に 過 食 の 危 険 に 迫 せ ま ら れ て い る。 ⑤ 一 歩 間 ま ち が 違 え ば 、 肥 ひ ま ん 満 、 糖 と う にょ うび ょ う 尿 病 、 高 脂 血 症 しょ う 、 高 血 圧 な ど が 待 っ て い る。 死 の 四 重 奏 と

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か メ (注 ) タボリック・シンドロームとか 脅 お ど かされる。特効薬はない。生活習慣を改めるしかない。   食 べ 物 は い く ら で も 手 に 入 る。 し か も お い し い。 食 べ た い け れ ど、 健 康 が 気 に な る。 そ ん な と き に、 日 本 の 伝 統 的 な 料 理 と 満 足 感 は 光 っ て い る。 a と b と が 両 立 で き る 世 界 に も 希 ま れ な 食 体 系 な の で あ る。 主 役 は も ち ろ ん ダ シ の 満 足 感 と ご 飯。 野 菜 を ダ シ で 煮 る こ とや魚を好むことはどれも健康的な食生活に 繋 つ な がる。   多くの国では満足感を得るために、 油脂を大量に 摂 せ っし ゅ 取 する。 デザートには砂糖などもよく使う。 いずれもやみつきになる食品である。 一方、 日 本 型 の や み つ き 感 は ダ シ の 香 り と う ま 味 で 達 成 で き る。 う ま 味 の 主 成 分 は ア ミ ノ 酸 で あ り、 デ ン プ ン 程 度 の カ ロ リ ー に 過 ぎ な い。 塩 分 は 必要だが、それも生理的な 範 は ん い 囲 と言えよう。無理して減塩するよりもダシのおいしさと塩加減を 極 き わ めて 欲 ほ しい。   ⑥ 油 脂 と 砂 糖 が 乏 と ぼ し か っ た 。 そ の お か げ で ダ シ の 文 化 が 花 開 い た。 今 こ そ 先 人 の 知 恵 を 活 い か す と き で あ る。 ⑦ ダ シ の お い し さ。 日 本 発 の 健康食を世界に発信すべきである 。                   ( 『おいしさを科学する』 伏 ふ し き 木 亨 と おる の文章による)     (注1)   アイデンティティー…自己の位置づけ。自分が自分であるという確信。     (注2)   嗜好…人それぞれに異なる(食物の)好み。     (注3)   同じメカニズム…脳内物質を刺激しておいしいを感じさせ、 「ほしい」という感覚を強くする。     (注4)   メタボリック・シンドローム…内臓脂肪による肥満を原因とする症状。 問一   波線部A「後天的」B「複雑」の反対の意味で使われている言葉を本文中から見つけ、抜き出しなさい。 問二   傍線部①「ダシのおいしさをわざわざ強調する」理由として、 ふさわしくない 0 0 0 0 0 0 0 ものを次の中から一つ選んで、記号で答えなさい。 ア   ダシはおいしいもので、味の基本になるものだから。 イ   ダシは日本国民のアイデンティティーの一部となるものだから。 ウ   ダシは後天的な学習によって成立するものだから。 エ   ダシを中心とした料理は健康にとって好ましいことだから。 オ   ダシを使った食事をしないと生活習慣病になるから。

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問 三   傍 線 部 ②「 料 理 や 味 に 関 し て 言 え ば、 絶 対 的 に お い し い も の な ん て 無 い 」 の は な ぜ で す か。 本 文 中 の 言 葉 を 使 っ て、 三 十 五 字 以 内 で 答えなさい。 問四   傍線部③「親はダシのおいしさを子供に教えなければならない」理由として最も適当なものを次の中から選んで、記号で答えなさい。 ア   日本はたくさんの調味料を使って複雑な料理を作るため。 イ   日本人としてのアイデンティティーを獲得させるため。 ウ   料理のような複雑な味わいの好き嫌いは遺伝的に決まっているため。 エ   ダシと油脂のおいしさを両方ともわかるようにするため。 オ   現代人の食生活は過食の危険に迫られているため。 問五   「欧米の食事」と「日本の食事」の異なる点を、 「日本の食事は、欧米の食事と比べると……」に続くかたちで三点あげなさい。 問 六   傍 線 部 ④「 日 本 の ダ シ の 味 わ い を、 簡 単 に 捨 て る の は 危 険 で あ る 」 と 筆 者 が 考 え て い る の は、 な ぜ で す か。 最 も 適 当 な も の を 次 の 中 から選んで、記号で答えなさい。 ア   ダシの味わいを一度捨てると、二度とダシの良さをわかることができなくなるから。 イ   日本の伝統的な食事がなくなり、欧米のように油脂を調味料にするようになるから。 ウ   過食の危険のある現代人の健康を保つためには、ダシを使った食事が望ましいから。 エ   ダシにはうま味があり、やみつき感が生じる点で、砂糖や油脂より優れているから。 オ   生活習慣病にならないようにするためには、ダシを使った食事をするしかないから。

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問七   傍線部⑤「一歩間違えば」とはどうすることですか 。 最も適当なものを次の中から選んで、記号で答えなさい。 ア   現代人の食生活を続け、高カロリーを放置していくこと。 イ   日本の伝統的な食事がなくなり、日本人のアイデンティティーを失うこと。 ウ   日本人の生活習慣を改め、欧米の食事の良いところを見習うこと。 エ   日本人のようにダシを使った健康的な食事をするように心がけること。 オ   現代人の健康にとって非常な偶然の幸運を生かさないこと。 問八   空欄 a   b に入る言葉を本文中から抜き出して答えなさい。ただし、aは漢字二字、bはひらがな四字とします。 問 九   傍 線 部 ⑥「 油 脂 と 砂 糖 が 乏 し か っ た 」 の う ち、 「 油 脂 」 が 乏 し か っ た の は な ぜ で す か。 そ の 理 由 を 一 つ、 「~ か ら 」 に 続 く か た ち で、 本文中より十字以内で抜き出しなさい。 問十   傍線部⑦「ダシのおいしさ。日本発の健康食を世界に発信すべきである」のは何のためですか 。 五十字以内で答えなさい。   次の①~⑤の傍線部のカタカナを漢字に改めなさい。 ①   チームの ケ ッ ソクリョク を 高め る。 ②   センモンカ の 意見に耳を 傾 かた む ける 。 ③   福 ふ く し 祉 の町づくりを スイシン する 。 ④   長 い時代 を ヘ て洗練された言葉 。 ⑤   ホウドウ 番組を欠かさず 観 る。

(12)

フ リ ガ ナ

〔国

〕   

注 意   字 数 制 限 の 問 題 で は 、 句 読 点 も       一 字 と し て 数 え ま す 。

問九 問 八 問七 問六 問五 問 四 問三 問二 問一 ア 1 a イ 2 b ウ 3 エ オ 問 十 問九 問八 問七 問六 問 五 問四 問 三 問二 問一 a

日 本 の 食 事 は 、欧 米 の 食 事 と 比 べ る と A b B

か ら 。

参照

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回  テーマ  内  容 . 第 1 回 

第1回目 2015年6月~9月 第2回目 2016年5月~9月 第3回目 2017年5月~9月.

協力: 株式会社 ワコールアートセンター/日本映像翻訳アカデミー(R):English Clock/有限会社