Title
球形構造物の波による振動に関する基礎的研究
Author(s)
河野, 二夫
Citation
琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &
Engineering Division, University of the Ryukyus.
Engineering(5): 129-212
Issue Date
1972-03
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12000/24957
129
球形構造物の波による振動に関する基礎的研究
河
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Fundamental S
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V
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by S
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W
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s
.
Tsugio Kono 序 記号説明 第l篇 波動による球の振動………… 133 第l章 緒言…....・H・...・H ・....・H・-…・ 133 第2章 基礎方程式…・・・・H・H・...・H ・...134 第l節運動方程式・-…・....・H ・...・H ・134 第2節 連続の方程式・・H・H ・....・・H・H・.134 第3章 波の進行方向の振動:
x
振動)135 第l節振動の基本式-…....・H ・....…・ 135 第2節振動方程式・……・…....・H ・-… 136 第3節 振動方程式の解・……・・・H ・H・-・139 第4節実験装置と実験方法……-… 141 第5節理論と実験結果の比較……・ 142 第6節句 結語...・…・・一…・…・……・ 148 第 4章 j皮の進行に直角水平方向の 振動 (y振動) .…・・…・……・ 148 第l節序説-………・-…・....・H ・....148 第2節実験装置と実験内容………… 149 第3節波形と変位の関係・…・……・… 150 第4節 X振動とY振動の変位の関係 152 第5節振動初期の変イ立について…… 152 第6節 Y振動の原因についての考察 153 第7節次元解析と実験結果………・ 155 第8節 結 語 ・H ・H ・...…...・H ・...・H-・・1S6 第2篇 波動による球の干渉……・-… 157 第l章 緒言・…....・H・-…....・H ・....・H ・.157 受付:1971年9月30日 *琉球大学理工学部土木工学科 目 次 頁 第2章 波の進行方向の干渉:x
干渉)158 第l節 速 度 ポ テ ン シ ャJレ...・H・..…・・ 158 第2節運動エネルギー...・H ・...・H・-・161 第3節振動方程式...・H ・....・H ・-… 161 第4節振動方程式の解....・H ・....…...162 第3章 波の進行方向に直角水平方向 の子渉(1)(Y干渉〉…...・H・..168 第l節序説・……....・H・...・H・…….168 第2節速度ポテンシャノレ...・H・・H・H・168 第3節球に作用する流体力...・H ・-…・ 169 第4節振動方程式とその解-…-・…・ 171 第4章 波の進行方向に直角水平方 向の干渉(2)(Y干渉〉……… 176 第l節序説....・H・-・...…...・H・...・H・176 第2節球に作用する流体力....・H・-・ 176 第3節振動方程式とその解・…....・H・177 第4節共振曲線主位相曲線....・H・・… 177 第5章 実験装置と実験方法・...・H・-… 178 第1節 実験装置…・・・……H ・H ・...・H・.178 第2節実験方法....・M・....・…...・H・178 第3節実験内容....・H・-……...… 178 第6章 理論と実験結果の比較……・・ 181 第l節 X干渉について...…… 181 第2節 Y干渉について(1)...・H ・...・H ・.186 第3節 Y干渉について包)……… 189 第4節結語・・H ・H ・………...・H・.192 第3篇 重複波の中におかれた球の振動 193 第l主義 緒言・…H ・H ・...・H・.193130 河野:球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 第2章 振動方程式とその解…・...193 第1節運動エネノレギー...・H ・193 第2節振動方程式・...・H ・...・H ・…193 第3節振動方程式の解・…・…・…… 194 第3章 実験装置と実験方法一 ・・…… 198 第l節実験装置…・…H・H ・...・・ 193 第2節 実験方法....・H・..・H. ・-… ・・・・ 193 第 3節 実 験 内 容 … … … … ・ … ……工93 第4章 理論と実験結果の比較…-…193 第l節波形と変位の関係・…… -…・ 193 第2節 理 論 と 実 験結果の比較…・…..200 第3節 結 語 … … … …...・H ・.202 第4筒 球の振動とその防止法… E・E・..・ 203 第ユ章 緒言・…...・H ・...・H・...… 203 第2牽 実験装置と実験方法……・…ニ04 第l節実験装置・………・・……… 204 第 2節実験方法・………..・..H・....… 204 第3. 実験結果と考察……・・・-……204 第l節球のまわりの流れの状況...・..204 第2節 防 振 装 置 に よ る 球 の 変位の減少…・…・…・・…… -…205 第3節球に作用する外カ....・H ・-…… 205 第 4節球の変位・……・・…....・H ・-…… 206 第 5節 結 語 ・ ・ … ・ … … … …...207 総括...…・…・……・...・H ・…・・H・H ・...…...203 参考文献………...・H ・-…H・H ・....・H・...……...210 Summary..・・υ ・...ー...…・・・・…-・… 212
琉球大学理工学部紀要〈工学篇〉 131 序 本論文は海中に設置された構造物が,波によってど のような影響を受けるかについて行なった研究結果を 取纏めたものであり,とくに構造物が球状のもので, しかも規則波による基礎的な研究である。 とのような研究の佼割については,これが単に学問 的に興味があるというだけでなく今後の海洋開発計商 などについての重要な課題であると考えられる。 1962年フランスのコンセルフl号が10nもの海底に2 人で1週間の居住生活に成功したのを発端に,米国に おいても1964年にSeaLab
1
号.1965年にSeaLabE
号,そしてSeaLab :m号の計画などによる海底居 住の試みがなされた。また,ペルシャ湾のDubai沖 の海底には直径270ftの半球型式石油タンクが設置さ 1) れようとしている。 このように海洋開発に対する人類の実際面での活動 は近年めざましいものがある。 本論文は規則波による球状構造物の流体力学的な基 礎的研究ではあるが,将来の実用的目標としては海中 石油タンクの設計といった問題も課題にしている。従 来,流体の中における球状物体の流体力学的問題につ いては勿論のこと,海岸工学或は海洋工学等の面にお いてもめざましい研究がなされていることは云うまで もない。 実際の波についてスベ名トfレ分布は風速により一定 の形になる事をNeumannは見出し,さらに Long -3) uet Higginsが,このスペクトノレ分布と波の不規則 性とは密接な関係のあることを確めたことは,今日の 海洋,海岸工学にとって極めて重要な意義がある。 また,流体中の球の運動についての研究も数多くな されているわけであるが, とくに慣性項を無視した Stokes (1845) の抵抗式や,慣性項を近似的lこ考慮 する解法を試みたOseen(J.910)の研究などは充分知 4) られている。 さて,海岸,海洋工学的な面から実際の海底構造物 のモデルとして,球状物体を水底に固定し,これに表 面波を与えた場合の流体力学的な取扱いについての論 文は著者の知る限りでは極めて少ない。 R.F. Harle. 5.6) manちは球径0.418ft. 0.518ftの 2種 類 の 球 に つ き.moo叫 lineで 水 底 同 定 し た 場 合 と 士 inch のsteelrodで水路上部よりつり下げた場合の波によ る球の振動の問題を比較した (1958-1960)。また, 7可 Allen T. Hjlmfeltらによると,板ばねに球を取り つけたJ
t
l
立振子を水路底面に固定し. (板ばねば水路 面上を移動出来る〉板lまねの時移動による球の振動の history (動粘性係数,球径,箇有振動数で与えら れるStokesNumberにより振巾が影響される状態 を示す〉を研究したなどの報告がなされている, (1967)。
彼らの研究はいずれもこれからの海洋開発計画に関 連する研究として高〈評価されるものと考えるが,ま だ検討すべき問題が多く残されている。例えI'I.構造 物を固定する方法も種々考えられるのであり,その固 定の仕方によっては構造物と流体との相対的な運動 を考えねばならないこともあり,或は複数箇の構造物 を接近して設置するととも予想されるが,このような 場合のおE
の構造物による干渉の問題などがある。さ らに本論文に関する事でもあるが,実際の波iま不規則 であるから規則的な波,或は球の規則的な振動に関す る研究結果のみでは実用的な面から考えた場合,更に 検討する必要がある。たゾ不規則波に対する問題につ いては,最近統計学的な研究がなされているので,こ れを応用することは可能である。つまり,不規則な波 は周期や波高の異なる素成波をその位相がrandomに 重ね合わされたものであると考えると,一つの素成波 の波高に対する球の振動の response'operatorを求 めておけば,不規則な波に対しては,そのスベクト ノレ分布がわかれば,球の振動の累積エネノレギー密度 が求められるので,先にのべた Neumannおよび L.Higginsが見出した不規則波のスペクトルに関す る結果を応用すると球の振動についての最大値や平均 値などが求められることになる。 本論文は4篤から構成される。 第 l篇では,ー箇の球の倒立振子に対する波の進行 方向の振動実験,および理論と波の進行に直角水平方 向の振動実験について検討した。 第2篇では,ニ筒の球の倒立振子の波による干渉に ついて検討した。大別すると次の3通りになる。 ①:波の進行方向に2笛の球を並べた時の同方向の 振動による干渉。 ③:波の進行に対し直角水平方向に2箇の球を並べ た場合の直角水平方向の振動による干渉。 ③:③の並べ方に対し,波の進行方向に同様の振動 をする場合の干渉。 第3篇では. 1箇の球を重複波の中においた場合の 球の振動について,とくに直立壁からの球の位置がど のように影響するかを検討した。 第4篤では,球の振動を防止する方法について検討 した。131 河野:球形構造物の波による振動t乙関する基礎的研究 記 号 説 明 と与に本文中の記号の説明を記しておく,
(
C
.
G
.
S
単位〕。なお部分的な例外や,特に下記の記号と一致 しないものは本文中で説明する。 〔数学に関するもの1
:等号。 宇 :近似的に等しい。 j 積分記号。 1 1 絶対値。 exp 指数関数。 grad:スカラ函数の勾 配。ム :
Laplacian. ーα :比例する。 ミ :大小関係。 ~ :総和 e 自然対数の底。 ∞ :無限遠点。マ:
Nabla. <( 左辺の値は右辺の 値に比較して充分小 さい。 〔振動および流体に関するもの〕v
速度ベクトノレ。.a :質量力。 ω :角振動数。 E 運動エネルギー。 F : dissipation fun. U ポテンシャノレエネ ctlOn. T 波の周期。 H 波高。 ルギー。φ
:波の速度ポテンシ ャノレ。 L 波長。 。 球 の 運 動 に よ る 流 h .;水路の平均水深。 体の速度ポテンシ u 水粒子の水平速度 ャノレ。 成分。 M 球の質量。 u 球の静水中での移 れ 球の仮想、質量。 動速度。 k ばね定数。 J{,Y
,Z 座標軸,またC
減衰係数。 は球の変位。C
:減衰係数比。 qk 一般座標。 ニq :C
/
M+n
じ Pk 一般力。 ν :動粕性係数。 P 球に作用する単位P
:;水の密度。 面積当りの外カ σ :球の密度。 p 球に作用する外力 fJ 重力の加速度。 t 時間。 a,b 球の半径 X, Y, Z : X (t), Y(t) d 球の直径。 Z (t)の導函数。 s 水底から球の中心t
板ばねの長さ。CM
質量係数。CD:
抗力係数。 までの高さ。 r 球の中心よりある 点、までの距離。琉球大学理工学部紀要(工学簿〉 133 第
1
篇波動による球の振動 第.
1
緒 言 本論文は球状物体が波によってどのような影響を受 けるかについて述べたものであることは既述した通り である。 模型として球状のものを考慮したことは,実際的問 題として,海中石油タンクの設計と云った課題を考え ていることもあるが,流体力学的な点から考えれば, 例えば一般に二次元的な運動においては,等角写像な どの理論がつかえるが,三次元的なものは,これがつ かえない。しかしながら,特に球状の物体すなわち軸 対称なものに対する流体の数学的取扱いは可能である と云うことにもよる。 白 〉 George.R.Algerらは irregularな物体の抗力係数 を求めるのに,その物体を球状の物体に仮定して実験 結果を比較的統一的に整理している。すなわち,その 物体と同じ表面積を有する球および同じ体積を有する 球から換算された両方の直径によってSphapefactor なるものを定義し, これをパラメーターとして実験 結果を整理している。つまII,複雑な形状のもので もSphapefactorにより分類してお くと球状のもの として仮定して取扱えるので流体力学的な取扱いも 容易になると云う意味が含まれているように思う。 さて,物体が流体中を運動する場合の研究は古くは Aristoteles(384-3コ
3B. C) 媒質説や Philoponus の動力説までさかのぼることが出来る。物体が流体中 でどのような抵抗を受けるかと云った問題は本論文に 取っても極めて重要なことであるが,慣性の法則を発 見したGalilei.Galileo (1564-1642)以後の研究は めざましいものがある。彼は振子を用いて実験を行 ない抵抗は速度に比例するとした。また HlIyghens (1629-1695)は物体の落下実験によって抵抗は速度 の自乗に比例することを見出した。この両者の関係を 明らかにしたのはNewton(1642-1727)であるが, 彼は抵抗が流体の密度,速度,物体の形状に関係する として,速度の自乗に比例するものは慣性によるもの (Newtonの抵抗員I
D
であり,速度に比例するもの 9) は粘性による抵抗であることを明らかにした。 またこのような研究は理論的にも古くからなされて いることは云うまでもないが,序論にものペたような Stokesや Oseenの研究を初め, Oseenの式を厳密 10) に解いた Goldsteinや Navier.Stokesの式に対す る線形近似によって加速度をもっ球の問題を取扱った 11) Bassetによる所謂Bassethistory integralの研究 (183めなど,多くの研究報告がなされている。 12) 以上の外粘性流体中で振動している球の問題や Bassetの 理 論 と 比較するため Viscollsoil (ν= 9.56x10-3 sqftper sec) の中で径 2.5ir.chの球の 13) 振動実験など行なったOrdar・
F (1964) の研究など もあP
記述しでも限りがない。 14) 日本では友近らの研究など秀れたものがある。例え ば彼らは円柱,楕円柱,平板などの定常運動の場合の Oseenの厳密解ーを求めている。さらに海岸工学,海洋 工学的な立場からは,例えば波動中におかれた円柱に 15) 作用する波力の問題を理論的に取扱ったものや砕波に 16) よる実験結果を次元解析的に整理したものなどある。また Keuleganand Carpenterは Co,CMの値が
波動の場合は Um.T/D (Um : ;最大流速,
T
周 期,D
直径〉によって決められることを示めした 17) (1958)が,同様な事について,A.Paapeらは波動 中ではCo'、CMは一定値でない事を実験と理論 (Co, C[唱を一定値にした計算値)で示した。以上のように, 波動中の円柱や平板に対する研究は多くあるが,序論 でも述べた様に球状の物体で実際のMod,eltankを 考えて研究したものは著者は見出すことが出来なか った。 本論文は波動による球の振動につい・て著者がこれま 例えば, 18),19),20) で行なった研究結果を取題めたものである。 第 l篇においては図1-1に示すように, 1箇の 球をつけた倒立振子を波動の中の水路底に固定した場z
Wave
x
Fig. 1-1 Schematic dlagram of a submerged sphere. 合の問題を取扱ってある。また,円柱を二次元的な流 れの中においた場合は Karman渦によって,円柱に は揚力が作用することが一般に認められているが,波 動の中におかれた球形物体の場合も波の進行方向に対 し,直角水平方向に振動することが本実験において認 められた。以上のように,第 l篤での主な内容は波の1
3
4
河野;球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 進行方向の球の振動と,波の進行に直角水平方向の球 〈第l
篤以下の各篇においても同様にナる。例えI
f
X
の振動の解析が主体になっている。従って説明の便宜 干渉など〉。 上,前者をX振動,後者をY.振動と呼ぶことにする。 第2
*
基 礎 方 程 式 第1
節 運 動 方 程 式 21) Eulerの運動方程式はベグト Jレ式で表わすと(1.1)式になる。oV
一
o
一+
t . (V. ,. V.". ')V=.
~Mo
.
-
P
~
gradρ (1.1) θ o .•a
こ ~lにマ
=1否王+
ja~y +k百
z
である。 (1.1)式は渦度ベクトfレW を用いること(1・2)式に変形される。a
v
.
"'WW7'~~.n., ,-... 1 _~_..J ~ ___..3 1'
a
-
t
+
(WxV)=
.
0
.
-
$
'
gradp
-
grad・
tV2 (1.2) 質量ガを無視し,かっVの大きさをqとすると, (1.2)式は(1.3)式になあ。av.
,
.
.
.
.
,
.
.
.
.
"
0
.
1"' dp す 7 + ( W×V)=-grad(
去
q斗r
-
-
j
f
-
)
(1.3) 運動を非回転とするとW=oであり,かっV=grad併なる速度ポテンシャJレゆが存在するから,J
「
(grad4)=-grad(わ
2+r
キ)
故にす
q
2
+
;
P
J
旦
+
三
十
一
= F(t) 或は三
十
一
+
す
{
gradバ
+;p-JL=F(t) 非圧縮性流体とすると, δo
.
1 ( __n-',f.i 2 , P ++~ gradφ
ト十与=F (t)a
t I :4L 0 - - - ' ) • p た'>し(ω 。 )2=(~~r+(詳y
+(~ ~y である。
(1.7)式は圧力の方程式と云われる。 第2
節 連 続 の 方 程 式 (1.4) (1.5) (1.6) (1.7) 閉曲面の面積素片をdsとし,その中点から外向きの法線の方向余弦をt
,
m,
nとすると,r~\θP; 〔
¥
¥
-
a
t
-
dv十 ¥¥ρ(R
.u, + muy +nu,
)
ds =0 (1.8) たゾしUx,Uy, Uzはdsの中点における実質部分の速度成分であ!), dVは任意の体積素片を示す。(1.8)式 の右辺をgreenの定理によって,体積積分にかえると, (1.9)式が得られる。 dp +ρ・
divV= 0 dt 非圧縮性流体とすると, div V= 0 V=gradrtなる速度Potential併を考えると(1.10)式になる。 (1.9) (1.9)琉球大学理工学部紀要(工学需〉 135
L
1
o
=
0 (1.10) 以上の諸式は一般の流体力学の著書に記されていることは云うまでもないが,本論文の説明の便宜上記述した にすぎない。 第3
章 波 め 進 行 方 向 の 振 動(X
振動〉 第1
節 振 動 め 基 本 式3
.
1
.
1)Lagrangeの運動方程式 振動の基本方程式をたてる場合はカの釣合いを基礎にする D'Alembertの原理による方法と,エネルギー的 22) 考察による Lagrangeの方程式による場合がある。後者の方程式はく1.11)式で示せる。 日 一 川 十 日 一 山 ¥l ノ 日 一 山 / I ¥ (1.11) た立しk=1,2,3,…
…
・
.n(自由度n)。
23) (1.11)式の証明は,例えば機械振動などの著書に書かれである。(1.11)式はエネルギ一保存則により成立 23.24) したものであるが,保存力以外の一般力および減衰カも考慮した場合は(1.12)式になる。 d ( :-la
E '¥a
E .a
u .
a
F _ D,. 一一一一)一一一一十 十 一 ァ ー=rK dt '-a
q
kノa
q ka
q ka
q
k -__3
.
1
.
2
)
運動エネノレギー 図・1.2で半径aの球の中心 (xo,Yo, zo)の速度v (vx=xo, Vy=Yo, Vz =zo)で 運 動 す る 場 合 のP点の速度ポテンシャノレりは境界条件(1.13)式を満 足するように Laplaceの式(1.10)を解けばよい。そ の解は(1.14)式になる。 (1.12) Z P(x
,
y,
z) (jf)r=a=│v│cosoi(
詳
)r=∞ = 0f
v (1.13) yが-_
I
V
l
a
_
3
_
c
2 r2 rやcosθは (1.15)式になる。 (1.4) Fig.1 - 2 : Motion of a soIid sphere in an infinite mass ofIiquid.' r={ (X-Xo) 2 + (グ-Yo)2十 (Z-Zo)2}
J
)
osθ= .Y..~
.
X -Xo + ~!_.グ - Y 0 + ~~. • Z -Zo (V
-
l
V
T
_
-rー'
I
V
I
一一
-r-'TVf--r-)(1.15)式を用いると, (1.14)式は(1.15)式になる。
。
=
一
会
ベ
Vx(X-Xo) +Vy (グ-Yo.)十Vz(μ0) }
故に運動エネルギーは, Vy =Vz = 0の場合を考えると, p
"
θ~
J _ _ 1 E= 一 τí ,併す~ds= す
mV~ く1.15) (1.16) (1.1
7
)
上式でs
:
球の表面積,X:
球面での法線成分,V
x X方向の球の速度,m:
仮想質量を示す。(1.
1
7
)
式は 球の運動によっておこされる流体の運動エネルギーであるが,球自体の運動エネルギーを考え,全体のエネルギ ーを改めてEとすると(1.18)式になる。 E = t〈M +れ)V; (1.18)136 河野:球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 た立しMは球自体の質量である。
3
.
1
.
3
)
Potentialエネルギー (Uうと dissipationfunticon (F)。
23,24) Uおよび Fは(1.19)式で与えられる。 U=th-xz F =ま
c
(土)2 た立しk'ぱね定数,c
減衰係数である。3
.
1
.
4
)
振動の基本式 (1.19) (1.18)式でVxl士球の運動する速度であるが,振動の場合は球の振動速度xlζ書き改め,かつ(1.18), (1.19)式を(1.12)式に代入すると,振動の基本式が得られる。エ+2Qx+
ω2 X =J _
M十 叫 (1.20) た立し, ω01ま振子の水中における固有(角〉振動数であり,かっPk=Pとおいた。1
1
2
節 振 動 方 程 式 (1.20)式のPは球に作用する外力を示すが,本論文 の場合,外カと云う意味を球の娠動を促進させる様なカ, 或は振動を持続させるようなカと云ったように考えると, Pとして次の 2通りの場合が考えられる。まず,波動に よる動水圧である。次に波動の中の振子の猿動は図1-3 に示す様に, (a), (b)の2通りの場合が考えられる。 (a)は x-U<oのとき負抵抗となり,振動は増大する。(た三 しUIま波の水粒子速度のZ成分〉。エ-U>oのときは減 衰の作用を受ける。また(b)の場合はすべての場合において Z Zx
x
ー ~J.,_'_." 1._~=",~,* Fig.1ー3: Schematic diagram ofSubmerged
減衰の作用を受ける。以上の」とを要約すると球の振動速 spheres oscillating in wave. 度と水粒子の速度のお互の関係によっては,球の振動を促 進させるようなカ,つまり外カとして取扱う〈見倣す〉ことが出来る。故lこ(1-20) のPを(1-21) 式のよう に仮定する。 P=P1土 εノ (x-u ~2 (1.21) たゾしε/は比例定数である。 (1.21)式でPlは波の動水圧によるものを示し,右辺第 2項は流体と球の振動の相対速度の自乗に比例する非 線型部分の流体抵抗を示す。±の符号は上述の説明により, x-u>oのとき負,エ-uく0のとき正であ る。
3
.
2
.
1)Plについて 波の速度ポテンシャlレφ
は(1.22)式になる。 sh2互 (h+
Z) φ - Hg.CO
L
ハ一
一
一
-ω-一
cosh一
一
τ
←
仁
一
一
h一
一
一
一
一
.
cosド" -L ;-xーωt) (1.22) たゾし, ω=2πjT, (1. 22)式のφ
を用Uい、,かつ速度項は充分小さいとして無視すると, (1.7)式によりPlIまく1..23)式になる。 f' 1 ~/'a
φ
1 , f'θ
φ
~
=¥
,
P {
F(t)-~7
}
ds =-¥
,
,
0
-
'
a
;
ds (1お〉琉球大学理工学部紀要(工学篇〉 (1.23)式に(1.22)式を代入すると(1.24)式になる。
p =
丘旦
1一一「叫
12i(llfz)sin(半
xーωt) ds 2∞
shぞ
1 1 L L ¥』 さて,座標系を図1-4のようにとると, (図でSは X,
Y平面上における任意の方向を示めす)h+Z=l+
%
(1 + 吋 〉 , x=3sin0・ 山rp,ds=(
%
Y
sin{I.d{I・
d伊であるから, (1.24)式のPlが球面(S) に垂直方向に作用すo
ことを考えると,図1-4によっ てx方向の流体力は方向余弦が sin{Isin rpであることも 137 (1.24) Zx
考えると(1.25)式に変換される。 Fig.1.4 : Pressure acting on the sphere pg日 d2I"ot~."o"
( 2 π d d ,,¥ 1ド
-JK
一万二子五
7 h c州十
一
子
u+τ
十 すcosO)~
x
L " U _ i π d SlIli
一一了
SlIltl・Sltll
P
一
ωt~ 'sln<{I'sin lP.
d
B
・dqヨ (1.25) (1.25)式は更に(1.26)式になる。 =__
f
!
_
坦 竺
.cosh{子(
l+~-)}
∞
sh子
h〔
I1ー12J
1
塑 坐
sinh{
ぞ
(
l
+
%
)
}
ふ 百 「
〔
I3ー14J
(1.26) たヌしIl=
ー
t.~~"~~";OSil
(千∞
so).
s
仇千
Si
n
O
•
si
叩 )sin2
B
・
sinrp• d {I・
drp 12吋 nω t.S
S
cosh(牛
ω s O l c o s ( 4 5 Msin判
sin2B・
sinrp・
dB・
drp t-,. . ~ I πd ^ ' π d 1 J=coswt (
(
"
¥
"
¥
_
s.
i.
.
n.
.
h¥ L
(一一一
cosO~--
-
)
I・
_s.., , in(一一一sL
inO・
sinl
P
)
sin2IJ・
Sl!lψ・
dO・
匂
14吋 n叫
sinh(
千
COS(J)'cos(千
sonBsin伊)
sin2B's川
(1.27)式を数値積分法で解く場合の簡単な説明をすると次の様になる。 1=~:~" .LS~~m 勾 F
(0ψ) .dO .dタ
(1.28) (1.27)河野:球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 138 9'm) 9'0) +F (θ0, 1=
坐 子 主
(F(θ0, 9'm)J
+68:ム
E.5712-1fF(Oo,¢J〉 , :; i=l i=l ' -+F(8n,
ψ
。)+F (θn,
一
一
﹂
い
伊0)+F (θi, 9'm) +F (8i ,、
l f J 、‘ , , ,。 ,
﹁1 i ノ 、, J ・ 3 0 ' +ムθ - M - Z主
l(FCθ1, +F (θn, (1.29) たゾし, n, mは8
,9'を等分したその筒数である。なおF(8
,ψ
〉は(1.27)式の右辺の積分値を示す。 本文においては,球径は波長に比較して充分小さいものとすると,近似的lこは次式が得られる。 cosh(
子
∞
sθ)=1寸
r
(
千
∞
sθ)2 sinh(
ぞ
m θ ) =乎
c叫山(乎
sin8 • sin9')=
千
s川 ・sinタ∞
s(
ぞ
ω・
ω ) =1-/了
(
千
sin8・
仰
の
2 (1.30), (1.30) (1.31) (1.32) 11=∞
s
ω
t
{
さ(弓旦)+守(千
y}
(1.30)式を(1.26)式に代入すると(1.31)式または(1.32)式が得られる。=一竺土竺
∞
c0
ベ
sベ
h(
子
:
に
;
f
→
%
)
汁
l
(
い
1+也
占
叔
(
千
〉
η2
つ
)
.
∞
6 L ∞⑪四Csnニ」一一n -- L P { = t ρ M L∞
sh{号
;
7
4
)
1
(1+占(千
y
)
sin(ωt-f)
smnLn Pl" (1.33)t
を充分小さいとすると, cosh{ぞ
(l+%)}
P1=t p π 3 d 3 7 . t ? rrl
.
.sin(
ω
t
-
f
)
sinh"~' h (1.34)3
.
2
.
3
)
t' (エ-u) 2について uは (1 .34)式で与えられる。 sh羊互 (t
+
と ) 、uzPJLH1
・
∞
L¥
l T"
2
j.sinf2Ez
ーω
t'
)
:
d X J sinh
子
h リ ノ故に,
(1.35)
139 琉球大学理工学部紀要〈工学篇〉
3
.
2
.
3
)
振動方程式 (1.21)式に(1.33)式と(1.35)式を代入し,かっその値を(1.20)式に代入すると, 式が得られる。 (1.36)式と(1.37) (1.36)… 引 -
;
)
土
εI{~一平 τ27し叫…t)f
L±ε{
一
台
-sin
(
そ
x -
叫
}
2
J
ぷ+
2
0
i
+ω
~
x =ー~
M + m
(
..s
...i
..n
、(
ω
t
-
.
.
!
;.:.
¥
I (1.37) たヌし, 上 3..H
COSI
-
r
与
(
.
0
+
会
)
P
o
=
イ
ト
m
d
- 7n
。 f 2
s
i
n
h
千
h
h
Z
E
(
2
斗 )
s
i
呼
h
~ Hπ 一一 勺T
(1.38)cosh
与
(
.
0
+
会)
3.C
o・H
e=
ー守互一一
S
i
n
h
子
h
ε
,
=
i
-
'
C
O
小π
.
d
2 (1.39) 解 の 式 種 (1.37)式の解として. (1.39)式を仮定する。 x=xo+ e Xl + ε2 X2+
・・…・.n Xn た立し, enxnはn次の近似解を示めす。 (1-39)式を(1.37)式に代入すると(1.40) •.
=
0
の場合 方 動 按 第3
節 (1.41)式になる。x
o
+2a x o 十ω
~
x
ローよ
-
O
-sin
(
ωt
一芸
)
可 。M+m
-
-
,
-
'
"
(1.40)Coshiι(2+JL)
円 一 何:
押
=-sin
(
午
L
x
ーω
t
)
r
S
i
n
h
よf
1
1
】ε=ε1
の場合ギ1+2
叫+ω
axl=:
:
t
九
件
。
-
q
p
(1.41) PO 1F
2
=一M一一一・一一ーである。 十押し F“
た;;し, 以下同様にして,ε=εn
の場合(n=
2
,3,…〉の微分方程式が得られる.3
.
3
.
1
)
0
次近似解 (1.40)式の解は (1.42). (1.43)式になる。 Xo=Ao s
i
n
(
ω t+
s) (1.42)(合
l
九一(が
2
}2
+
12A
o
(M+m)
Md3C054
(
2
斗 )
/
S
i
n
h
争
A。
十年計五→
2 (1.44) 川 一 、 川 川 町 一 十,
f L U U Aω
一
r t f、
-Z リ , Mao- - ω
-1・ 一 ff- ω
一
C一 一
n n・
n n a河野:球形構造物の波による指言動に関する基礎的研究 140
l
ノ
{
l
一(合
j
2} 2十(告
L
可 云 }
2 増巾率をMagとおくと, Mag (1.45) 球に作用する外力を無次元表示すると, (1.33)式により Po cosh主
主
(l+
4
-
'
)
po =ー.三、~, 仰 がd3「T
f
sinh子
h π d 3 - P ,3=M+??L M =一一一σ,m πd3,故 l:
o
d3=-~. ,一一 12 -, -~.-_ ~+丘主となり,これらを (1.38) f\: I;:_tt不し,多少変形すると, 6 目 12 ← ー 白 sh三
!
!
_
(
l+-~-
'
i
Po 一 π H_ ---.. L ¥. V'i)
布
石 アg
一 石 市 ロ ア
L cosh"予ー
(1.46) (1.47) 1次近似解 IOは(1.48)式になる。 3.3.2) (1. 42)式により,ェ
。
=Ao・
ω・
cos(ωt+
s) (1.48)式を(1.41)式に代入すると, 、、(1.48) s inωt
}
ωh
ぞ(R+岳
)
Sinh_
g
子
h(
{
(
~
X1 +2q
,
X
t +ω~Xj =士F2・ω2 C川ぞ
(p十す
)
smhzfh
(1.49) では,球径は波長に比較して充分小さいとし, かつ振子の振巾も小さいとしたが, とで, (1.49)式の右辺の±の条件は sinωtによって決まると考える。 そうすると, (1.21)式にのベた条件は(1.5の式で示せる。 sin ωt < 0のとき (π<ωt<2π) : + ¥ sin ωt>
0のとき (0<ωt<π) - j (1.50)式を用いて, (1.49)式の土sin2ωt,:tsin2ωtを Fourier展開すると(1.51)式が得られる。 土sin2ωt=-
-
~
sin ωt+~
sin3ωt+
…
1
15π 1 土sin2ωt=-3-cωωt+τι cos3ωt+…
l
,j7 τ 5 π J (1.51)式と(1.49)式によりe
Xl は次のようになる。 一ρCu'd2(ま)
2・A2s in(ωt-γ-o)
6(M+m)~{i一(合)
2 } 2十 ( な)2(z立 石 )
2 Ao sinβ)l
l
A
+-Ei
・Cos
β との様な仮定のも (1.5の
(1.51) _j_ . sin2ωt
J
主工 円 / 臼 ﹁ D+
ρC
o
.
d
2(
台;
;
-
.
)
z
.Az
・sin(3ωt
十y
'
一δ
I)川
+m)/{
l
一(ザ
)
i
I
(
合 )
2乍話再}
2ω h
子(12+岳)
,~
cOsh子
(p+
g
)
日 一 ド -2HAosins • n _ sinh三
fh
s
川民inh一苛主壬乞 (1.53) ただし141 琉球大学理工学部紀要(工学篤〉 (1.64) (1.63)式のA2の値を代入すると(1.62)式は 一M M a - - 一 n 。 A υ n a tand恒
三竺イw
!
{1-(
立
Y
}
(M+
叫〉 ¥ ω 0ノ (1.62)式で波の振動数の 3倍以上のものを考えないときは, 次式に書きかえられる。+ 一
h出 一 ソ
A tanr
= tanr
I = - 3 tanr
~+会)
...._-} 'sin (ωt-y -o)-Z
L
BL
ー し cosh与
(
R
+4
1
,. slA←
一
一
一
号
τ
一一一}
2 _~子山β
nh ':" h JJ L CvHAo f:X,=一ーー=z一π一α一一一一 (1.66) (1.66) 従って(1.42) , (1.66)式を(1.39)式に代入すると, x=xo+
ε工l=Al・
sin(ωt+α〉 Al = AoC
1 + B~
+ 2 Bl{
C
O
S
c
r
+ d +s
)
}
J
y
z
tanα_sins-Blsin (r +d) 一面ss-+B工
面
5(了干の (1.67) (coshぞ
(
R
+
~)】のい。
βJC叫 2/'
(
R
+
え
"ーー「白』ー一一一一一一
SJn/j ¥川 ぞ
h H sinh子
h ' つぎに,球と流体聞の相対速度の自乗に比例するような,非線型部分の抵抗を考えた場合の球に作用する外カ は(1.33)式であるが, (1.65)式を導いたと同様な手法により計算すると,その結集は(1.68)式になる。 たゾし - pp
.
= - - - ' ム
1一 合 川
3示
ム ボ 白
一
+ 一
(
i
一
π
一
L
主
L
川
cosh2~
(R
+
~
)
)
ノ
フπ/
1
+
(ヲァう
sinh寸了
h ー (1.68) た立し, Plはく1.36)式のPの絶対値であり, P1はP1を無次元の型に示したものである。 法3
.
4
.
1) 実験装置 実験に使用した水路は二次元造波水路で水路巾60cm,
水路長約11m,
高さ1 mのもので,水路の半分は両面ガ ラス張りになっており,実験の現象が観測できるようになっている。 造波板はf!utter.typeのもので,約24-90c.p.mの回転が可能である。実験に使用した球はプラスチック製品 〈セノレロイドおよび塩化ピニーノレ〉であり,板ばねば燐青銅である。また波高計は抵抗線式波高計を使用した。 方 験 実 と 置 装 験 実 第4
飾3
.
4
.
2
)
測定方法 図 1-1に示したような燐青銅の板ばねに球を取りつけ,これを水路底に固定して表面波を与えた場合の振子142 河野;球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 の振動を測定する。振動の測定には板ばねの両側面に straingage (PL・5・type)をはりつけ,防水のためgage面 はアラノレダイトでコーティングした。これをトランスデューサーとして板ぽねの変位を直流増巾器によってピゾ グラフに記録させた。また同様に波高も測定してピジグラフに記録させた。 板ばねば巾が約 9mm,厚さ 0.2mm-0.5mmであるので,一定の方向にしかたわまないようになっている,従って 振動の測定ではX振動とY振動は別々に行なった。
3
.
4
.
3
)
実験内容 直径が3種類の球について質量やばねの長さを色々にかえ,かっ波形勾配をいろいろに変化させて測定を行な った。表 1 -1,表 1-2にこれらの実験内容についての諸元を示した。 表 1-1 板ばね,球および波の諸元 (X振動〉 球 径 球 の 計 台 乗 車d??皇官
7
2
1
2
期 い ん 摘要 示水扇深 Nol d 質 量 量 の 厚 さ 定 H I H/L M l m l I l l b l k h (CIII)I (9) 1 (9) I (mm)1 (pt)I (CIII)I (dyn/cm)I (rad/sec)IC9/sec)1 (sec) 1 (CIII) (CIII) 11 3.75 2.47 13.8 0.2 5.2 0.9 1.54x104 28.2 8.7 0.68-2.2 2.8-1.45 -0.003 0.12 35 213.75 24.4 13.8 0.2 5.2 0.9 7.18x104 16.57 40.8 0.64 , J2.5 n .I0.0~9" I 30 -0.11 315.4 14 41 0.4 7.5 0.951.27X104 20.3 23.5 415.4 14 41 0.4 7.5 0.951.27X104 20.3 23.5一
515.4 83 41 0.4 7.5 0.951.27x104 10.5 80 表 1-2 補足実験 (X振動〉 No. I d I M I乱
!
日
1 I b Iωo Ic
I T H H L 補足 l 5~
I
~
竺 官
:
竺
2 " 2 5 171 136.4 8.13I
130!
v
'
-
:
:
1.2P.2-6.2Iv
:":-o.073 一 一 " 3 5 171 1 36.4 8 . l 3 1 3 0 2 7 . 5 0.0004.08 一 一 " 4 5 171 136.4 0.2 15.5 10.9 0.004 第5
節 理 鈴 と 実 験 結 果 の 比 較3
.
5
.
1)波形と変位の関係CX
振動〉 0.0~2, ^J 30 0.005 40 -0.094,
-0.064 h 25 30 40 50 波形とX振動の変位の関係についての-f?lJを図-51乙示した。 X振動は,表 1 -1,表 1-2および図- 5 に示された全部の実験(つまり,水深 h:;:::24-5Ccm,球 径 d:;:::3.75-5.4cm,固有振動数, ω。=6.93-28.2 前 S叫(1+与)
/
h =0.16-0.34) について次の 2積類に分類される。 1)波の周期と振子の周期が一致するもの。図- 5の(刈,(札 (C)に示したようなもので, Iまねが特に弱く, しかも水深が充分浅い場合以外はほとんどこの型に属する。琉球大学理工学部紀要(工学禁〉 143
t~件 dミ三1.6secユホ
ノン・ 、も<'.・4endulmx-4に
j "①
+s/崎 Pendulum① t 〆て~ぜて仁一一
①
tぞ喜二三盃子、
①
t①
t Fig 1 -5 : Wave-profiles aild def!ections in X-direction. 仏J,に)はω/ω。<1
の場合で位相角 Cs!ω〉が正 の場合の例である。また(B)はω/ω。
>1
の場合で位 相角C
(
s
!
ω〉が負の場合の例を示した。以上の図 から球に作用する外カは波の特定の周期的な要素(例 えば水圧などうに支配される強制振動であることが わかる.2
)
振子の振動数が波の振動数の3倍に近い振動の 型のもの。 このような場合の例を図- 5の⑮,⑤,⑦に示し た。 ⑨はどちらかと云うと,波と同周期と考えられな いこともないが,た,>'3倍振動に近づこうとする状態 が見られる。 X振動が波の 3倍の振動数で振動するこ とは,理論式(1.52)に示したように,流体抵抗の非 線型項を考えた結果であるが,このような振動が優越 する条件比G
・町式によりまとの僚が%に近づく こと,および(1.53)式のA2の値が大きいことくつ まり,t
+(~-)
!
L の傭が大きく,かつ 2πh
!
Lが充
分小さい事,および波高が大きいことなどである〉 である。そこで,実験的にもそのような事がいえる かを調べるため,図--"-5の実験内容を表1-3に示し た。表lー 3によると実験的'にも上述の理論的条件 がいえる。 〈注), X振動では波の振動数の 2倍で振動するも のは全くなかった事を附記する。 表1 -3:図ー5に対する実験条件 記 号%
1
(
此
g
幻心〉イ←(ト叫叫
詑
〆
引
S川
[
ト
い
t川山α
(
…
c州
…
的mイ
m川
川…
ペ中沖〕(ド一川川ωω
山……(ぽ引Cw
肋 山g
釘件山山!川畑ss鈴 悶e伐c川
1::
l
片÷刊
1
(
ι
:
(
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(
汗
与
f
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(
f
J
|
土
1ヒ己と
i
己
ニ
斗止土
l
也己三
~I
_a
l
川O口=川お
つ@
I日
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I
-
~
干
1
I弓
二7
(
ワつ:二
o
口
1工
司1
-
1平;J
一-
1πτ;ζ~I日二
J
ロ7
乙1
a 1川
0O
叩川ω
白5刺8創│ω
叩 叩
釘倒│a 11.391 3.8 1 0.2 40 0.65 102;5 ⑨ ⑧ ② 5 119 36.4 11.4 5.5 122 2.5 1.51 24 b !0.221 0.4081 0.33 5 171 36.4 7.0 5.5 102.5 2.5 1.41 30 a 10.361 0.4561 0.27 一 一 一 一 一 一 一一 一1.5
-
-
;
-
I
-a
Iλ1 0.4081平
1 24 2.5 102.5 5.5 7.03
6
.
4
171 5 注).表lー 3でSは振子の振巾を示すが, 当することを示す。a
は図面上の 1cIIIが3.4111111, b I土図面上のl鳴が2.61111111こ相144 河野:球形構造物の波による振動に関する基礎的研究
3
.
5
.
2)球に作用する外力について, 球に作用するX振 動 の 外 力 は (1-46)式および (1.58)式で与えられるが,これらの式と表1-1の 実験値を比較したものが,図1-6である。たジし実 1.6 IP:; 』。
I~ 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2。
。
e
。
p, =eg. (1.58) P,=eg.(1.46)e
ぷ に し
2 21th L 3 4 Fig. 1-6 : Computed curves and experimental results. (Pressures acting on the sphere) 験値のPoまたはPlの値はピジグラフ上の記録から読 み取った値を (1-45)式によって修正したものであ る。図によると平均的には理論と実験値は一致してい る。3
.
5
.
3
)
球の変位について 球の変{立についてO
次近似解(1-43)式と表 1-lおよび表 1-2,による実験値を比較したものが, 図1ー7である。図によると実験債と理論値は比較 的一致する。 0.5 0.1 0.(15 4司 o b f a 0'。
‘
@ A 0.6 ーーーー.... f'g(l・43) x 1 d ω 九1+m f、
× 51 8.17 2071 0.07 25 4‘・ "1 " " 30 .13.75 16.5738.2 0.06 "1 5.420.3 5510.04 81 " 10.5 1241 0.03 013.75 28.2 16.3 0.06 35! ① 5.' 20.3 55 0.04 .0 .1 5 8.17 2010.071 " ロ " " 50 i = C/2ω,.(九1十m 0.8 1.0 1.2 ω/ω。 Fig.1ー7: Theoretical curves and experimental data. (deflections of the sphere due to the wave)_1.6 r~;_~旬、.!e
~I
""'"ー①①。
0.4 0.8 琉球大学理工学部紀要(工学篤〉 1453
.
5
.
4
)
位相曲線 (1-44)式を書きかえると(1-59)式になる。s=
〓
---n-l[ - 1.___1ー〈ω/ω。〉~:.2,
ω/ω。
J (1.59) ただし、 c=去 , Co= 2ωo伽 め で あ る 。 ( 1-59)式と表1-1および表lー2の測定値のl 部について比較したものが,図1-8である。減衰係 数(0
の値が小さいものしか測定してないが,実験 値と理論値は比較的一致する。Fig.1-8 : Phase angles between pendulum
and wave.
3
.
5
.
5
)
x
振動の l次近似値 (1.56)式により 0次近似解の振巾 (Ao) と1次 近似解まで含めたときの振巾 (Al〉の比率を考えると(1.60)式になる。 る.会
=J1+B:-2BISinT tanr
= 2叫 1~{1-
(
去
)2f+{2C:of fJ -云
7 . ( J L
〉
2/
(すト)
2B
,
=E 0 Jl-8~ , 'sims " • y { 1 - ( τ )2
}
2+
cosh互
_
1
'
:
(t
_~'
)
5-CD?
。-一一つ孟一→・
L V -
"
2
ノ
一
叫山n凶h壬
土
h ~ 1 =.
M+m
.
-
n
:
.
.
.
質量比 C 2ωo (M+可
減衰係数比C
{255
汁
2 (1.60),
(1.61)式および図 1-8のF
の値を用いて理論値を調ペたものが, (1.60) (1.61) 図1-9から図1-11であ146 球形構造物の波による振動に関する基礎的研究
0.4 08 1 2 1 6
ω/ω。
Fig.l-9:(Cl=O.l, C=0.05) Fig.1-10:(';1=0.8, C=0.05) Fig.1-11: (c[=O.l, C=0.5) T 叩h悶 “凶山icωalcurv " A o ω oノ l次近似解に対する方程式は複雑なため,いくつかの仮定をおいてその解{ (1-52)式}求めた。従って不 2 合理な点〈例えば,図工.,.... 9 ,図 1-10で B~
<
0) も出て来た。このことについて考えると,まず(1-41) 式のIOに (1-48)式を代入しかっ (1-43)式のAoの値を代入すると, (1-41)式は (1→
2) 式に書きか えれらる。 ぉ C叫与乙
(
R
+
会)
Xf+
2
q
x
l+
ω
5X:=
土 九 侍 一 一 ¥ 押
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S
i
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X{4 ・.;~
. ω s +(l-2C2・山仰}
xsin2 (ω山 1) (1. 6~) tanr
1 = __ 2_・
C2・
cωF
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2 = "~
:
r
7u ω/ω。
2 = 2C
(M+?吟、
.
/
1
τ
百F予
一
(1.63) 故に (1-50)式に相当する士の条件は sin (ωt+r
つ >0のとき負, sin (ωt+r')
<0
のとき正であ る.r
lは ß=ß( ω/ω0 ・ O~';2 の函数であるから,これらの値で土の条件も変ってくる。例えば正五=0.8 ,
C =0.5の場合につき,っ生-=0.4-1.1の範囲で土の条件を求めると次の様になる。 wo 〈表の計算は, (1.59)式からP
の値を計算し,その値を用いて (1-33)式によりT
ノを求め, sin (ωt十T
つ が正負になる様な ωtの範囲を求めたものである。 0.4 0.6 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 0663 0 6551 l 0M 678 0.3 I 0.482-
-
正 ωt 1,926! 1.769 1.668 I 1.665 I 1.678 1.3 I 1.482 π-0.074 ー0.231 -0.ぉ2 1-0.335 1-0.322-
-
負 0.926 I 0.769 0.668I 0.665I 0.678 故に上表の条件でsin2 (ωt+r
つを展開し, (1.62) 式に代入して振動方程式を解くか或は数値計算するこ とになる。表の見方は例えば, ω/ω。
=0.4の場合は ωt= (0.926-1.926)π の範囲では(1.62) 式右辺の±の 符号は正に取ることを示す。また,図1-9図-1-11によると, ごoの 増 加 (h/Lが減少することなど〉に伴 なって,非線型流体抵抗の影響が,増すことがわかる。147 ばねが充 琉球大学理工学部紀要〈工学篇〉
3
.
5
.
6
)
抗力係数 (Cn) について, 波動の中におかれた球の抗力係数を実験で求める。球に作用する外カは(1.36)式で与えられるが, 分固い場合はxは無視出来るので, (1.36)式は(1.64)式になる。 占 、 , coshZEft+511 P=P=Po o ssin(ωtin(CLlt ー令_) -*
-
)
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e
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ω
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.
.
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-
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ふ
内閣,j " .c." ¥..~山htLh inωtf (1.64) (1.65) 土の条件は(1.50)式と同じである。 さて,流体の粒子速度の水平方向の成分をu,静水面との水位差をザとすれば, る。 ωt=-3とおくと,P=+
一
主主主主坐
一 S (1.64)式で, (1.66)式で示せ 守l土 u,)
(
i
l
j
万
=
一
手
inωt s h 2_1( (t
+
_
g
_
)
L¥. -. 2ノ . 白 ~ _ SlUCLlt s川王ニ
h (1.66) Hπu=-l
亡
ωt=-3のときはザ=手 u=Umax,u= 0の場合に当用する。故に波峯通過時の球に作用する外カから, Cnを(1.65)式によって逆算して求めることになる。 レイノーノレズ数をReとすると(1.66)式を用いて, s h 2_1( (t
+
_
g
_
)
Re 1 =生司ニ竺ームーとーノ
ω t = - i A ν s i n h千
h 実験は相当に固いばねの倒立振子を造波水路底に 固定し表面波を与えた場合の球の変位をストレイ ンゲージで測定し,球の位置での波形も同時に測定 して(1.65), (1.67) 式により, Cn-Reの関係を 求めた。実験に使用した振子はω。 =62.8rad/sec, k =1.36x105 dyn/cm, C =250fj/sec, d =5.4cm, M = 14fj,t
+-~-=
7帆 水 深 (h)は 丸 40, 50cmの3種類につき計算した。実験結果を図1-12(a) に示す。 た三し ν (動粘性係数〉は0.01cm2/secとする。 (1.38)式のεの値は(1.67) 式の関係を用いる と, (1.67) ー 、3.¥¥¥
土/山
0-3 7・、、 ーーーーー・・ー・e
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,_ 、、、、 Tv/d2=5x10・4•
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、
ご
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、
Tv/d2=2x10・4 -・".、、、』ι 1+10ω
1
0
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0.5 0.1 、 、 、•
Re Fig. 1-12 (a) : Relationship between drag coefficients and Reynolds nUmbers 10・
•
、 、•
8X10・
•
6X10' ーーー:Co-
一
一
.
e .=F.lP。 2X10' 4X10' 0.0;+0.副 0.01.10.11。
s-VF:-Fo=三.
_
f
_
l
2
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壬
_l'___];>p PO Po 8 π d 2 _- -(1. 33) / 図1.12のCnとReの実験値に対し平均的と思われる 線〈図1.12の実線〉を引き, この平均値を用いて (1. 38)ノ式により, εとReの関係、を求めたものが 同図の点線で示したものである。148 河野:球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 図によると, ε=FojPoの値は波の周期が大きく かっ球径が充分小さいと lに近づくか,或はl以上に なる事が予想される。従ってこの時は(1.37)式の右 辺第2項はsのベき級数として求める場合,高近似解 まで求めねばならぬが,或は解は発散する事になる。 解が発散する場合は,物理的には流体抵抗の非線型項 が優越する事を示すから,摂動項を(1.37)式の右 辺第一項で考慮する事になろう。た立し図に示され たパラメーター (TUjd2) の 範 囲 は 本 実験のすべて の値 (T=0.63-2.4秒)..(d =3.75-5.4cm)を含む から本実験についてのみ考えれば,大体,基本的に?土 近似解として正しい。 つぎ!に, CDやCMの値は,周期変数 (Um
・
TjD)に
よって整理出来ることを第l章緒言で述べたが,本文 でもこのような整理を行なった。これを図1-12(blに 示した。 10。
に」 0.5 0.1 Fig. 1 -12 (bl。
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ノ / 〆 ノ ノ ノ r、
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示
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v 0.5。
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〆
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ノ ー 。 ノ / 1.1o
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D : diamefer ofsphere T : wave pericd U : eq(1・65) S~D/T.U : Experimental data (relation of CD to S) 第6
節 結 語 以上得られたX振動の結果について要約すると次の ようになる。 a)X
振動の理論では娠子の振動数は波の振動数と同 ーであるか,或はその 3倍 に な る こ と が わ か っ た が,このことは実験的にも得られた。 b)娠子の振動数が波のそれの約3倍になる場合は, 理論的には,球と流体との相対速度に関係する非 線 型 抵 抗 の 項 が 優 越 す る 場 合 で あ る が , そ れ は ω/ω。が%に近い場合であり,かっS/h(S :水 底から球の中心までの高さ〉が大きく,さらにh
/
L
が充分小さい時などはその効果は大きい。この事は 実験結果と一致する。 c)球に作用する外力および,球の変位についての理 論と実験値は比較的一致する。 d)変位に対する球と流体との相対速度の自乗に比例 するような抵抗の項は(blにのべたようにく1.61)式 のと。の値が充分大きい場合を除いては一般に小さ いと考えられる。 e)球の変位についての波形との位相角は短論と実験 値が比較的一致する。 f)波動の中におかれた球の抗力係数を実殺により求 めた。 第.f.j震 波の進行に直角水平方淘の振動(
Y
振動〕 第1
節 序 鋭 第4章においては造波氷路底におかれたl箇の球が 波によって波の進行方向に対し鹿角水平方向(以下Y 振動と略称する〉にどのような作用を受けるかについ て検討した。このような問題に関連して一般によ〈知 られているものは,一様流の中におかれた円柱や平板 などに作用する揚力についてジあろう。 物体(例えば野球のポー/レ〉に回転カを与えて投 げると,進行方向に垂直方向のカが作用することは, Magnus (1852年〉が考えたものとされているが,同 様のことについて,例えば循環を有する円柱を一様流 の中におくと,揚力が作用することなどにつ?で研究 25) したKutta(1902年〉やJoukowski(1906年)の定理は 充分知られている。しかし,上述の如き回転の作用を 物体に与えなくとも揚力が作用する例として翼があ る。翼は回転せずに,そのまわりに循環を生ずる。翼 の問題に関連したものを考えると,平板を流れ方向に 対し僅かばかり傾けると抗力に比較して充分大きな揚 26) カが作用することである;本章での研究の目的は波動 による球状物体のY振動ということであるが,本主主 でいうY振動に関する研究はほとんど行なわれていな いと考える。た三Y振動に関連するような研究とし ては,上述のように多くなされているのであるが, 主として二次元的な問題についてであるe こ〉では 27) Strouhal以後の主要な研究につきG.H. Koopmannが 記述した論文があるので,彼の説明について簡単な記 述を行ない,従来の研究について少しでも把握してお琉球大学理工学部紀要(工学徐〉 149 きたいと思う。 Strouhal (1878年〉はAeoliantones (風の作用によ って生ずる音:著者の訳〉に関する研究を発表した。 これは一様速度の回転軸のまわりに鉛直のwireを取 りつけたものを使用し wlreの運動と空気(風〉 との作用で発生する音の振動数はwirl!の径や速度 に関係するとのべている。との事からストロノVレ 数(= 笠 智 引 の 定 義 内 さ れ た と 思 う 。 ま た, Lord.Rayleigh(1878年〉はviolinの糸が風によ り振動するのを観察して,糸の振動は風向きに鉛直に した場合がより起りやすいことを見出した。これは, violinの糸の風下側の K
.
e
rm釦渦の発生する可能な状 態につき述べたものと予想される。 さて Karm釦渦の研究は1900年代になってから であるが,円柱の背後の渦列について実験的な研究を 行なったのは,初めBenard.(1998年〕とされてい る。彼の研究は後に Karman (1911-19) によって 理論的にも解明されたことはよく知られている。ま た物体が振動する場合のVortexwakeの問題を取 扱ったのは, Wehrmann (1965年〉である。以上が Koopmannの説明した内容であるが,彼自身も振動 体と Vortexwakeの相互作用の関係を調べている。 Strouhal数は物体が振動する場合と振動しないとき 28) では異なる値になることを日里子も述べているが,物体 がある。彼は 6inx 6 inの4角柱の変動圧を風洞 で 実 験し変 動 揚 カ 係 数c
r
.m.S)はsmoothと turbulentstreamの場合について調べると迎え角 の小さい所で大きな値を示している。とくにsmooth の場合がturbulentの 場 合より大きな値を示めして いる。以上種々の文献から流れの中におかれた物体 の受ける流体力の問題について考察したつもりであ るが,結局物体背後の流体の運動,と くに渦と物体 との相対的な関係、についての研究が主体になってい る。以上の様な事から考えても,波動の中の球のY 振動の原因は,やはり球の背後のwakeの問題,とく に渦の問題が主要な点になると著者は考え声。そこで 定常流の中におかれた球の背後の渦の発生をカマンガ ン酸カリを用いて調べてみたそれを写真に示した。写 真によると球の下流側にvortexringが発生している Flow past a sphere in a steady flow (photographed by author) のがわかる。(注:との実験では,水深h=15.Ecm, 球径d=5.3Ecm, Re=6. 7 X 104である。 〕とれと同 33)様の事を R.S.Brodkeyが model化 し て 描いてある 図面を見出したので参考のために図1-13に示して おく。 Fig. 1 -13: Schematic diagram ofvortexring on a sphere. 第
2
節 実車産装置と実験内容 実験装置と実験方法については, 第3章第4節にの べたものと全く同一であるので省略する。た立し,ば ねは波の進行に直角方向にしかたわまないようになっ ている。実験内容を表1-4に示す。150 河野:球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 表 1-4,板ばね,球および波の諸元 (Y振動〉 振 子 の 種 類 波 の 特 性
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T H L h 0.15 6 3.75 24.4 13.8 10 l 0.40.51x 10413.25 47.3 同 4.5-14 135-380 50 1.9 0.67 3.5 7 3.75 2.4713.8 10 l 0.4 1.09x
104 22.8 8.9 四 63-380 50 1.9 12.71 0.67 8 3.75 2.47 13.8 10 1 0.41.08x
104 22.4 8.9 3.7-13 63-380 50 1.9 9 3.75 24.4 13.8 10 1 0.40.65X 10413.352
0.6868-8.81 66-72 1 50 .65 7.5 10 5.84 17.5353 9 0.95 0.40.66X 10415.5二
1 4 0 .7 11 5.4 14 41 7.5 0.95 0.4 1. 27X 104 20.3 1.25 注)Y
振動の実験は,表 1-4以外にも多く行なっているが, これらについてはその都度説明することに する。 第3
節波形と変位の関係 Y振動の原因が何であろうかを調べるためは,その 振動の波形がどのようなものであるか,或はX振動と はどのように異なるかなど明らかにする必要がある。 そこで,波形と変位の関係およびX振動との違いなど について,実験結果を取纏めることにする。 Y振動のときの波形と変{立の関係を調べると,本実 験で得られた範囲内では,大別すると次の6種類に分 けて考えられると思う。 た立し, ωs 振子の角振動数, ω:波の角振動数 である。 a)ωs /ω=1で援巾もほ立一様の場合 (type, No.1) この場合のl例を図1-14に示めした。図に示し た実験は,表 1-4の NO.8によるものであるが, 実験条件は,波高 (H)=8.1C1/1, 波の周期 (T)=
0.67秒,波長 (L)=62c1IIであり,振子の平均振巾は 0.12mmである。 b)ωs/ω=1および 2が 共 存 す る 場 合 (type. No. 2) この場合の 1{fIJ
を,図 1-15に示した。図に示し た実験は表 1-4のNo.10によるものである。ばねの 強さにもよると思うが,本実験で得られたY振動の型 は以上のめ, b)の場合がほとんどであった。 なお,振子の振巾 lま図上で1mmが実際の4mmであ る。 c)ωs
l
ω=3の場合 (type.No. 3) この場合の 1{fIJ を,図 1-16に示した。図に示 した実験は表 1-4のNO.llによるものである。波 の周期は0.95秒,日=9.1c1II. h=4白mの場合であ るが,平均的な振手の振巾は0.4mmである。なお,与孟
3の場合の振動はあまりみられない。 d)ωs /ω=4の場合 (type,No. 4) この場合の 1例を図 1-17に示した。実験条件は表 1-4の No.llによるものであるが, T =1.25秒, H = 7c1II, h =40c1IIであり,振子の平均振巾は0.23mm である。 e)自動振動的なもの (type,No. 5) このような場合の 1例を図 1-18に示した。図で は,H=7.6c1II.T=0.7秒.h =30c1IIであり,ばねや 球は表 1-4のNo.llによる。なお, 10波回附近の振 子の振巾は,約0.68mmである。図の中に記されたNは 造波してから波頂の通過した数である。 f)複雑な振動をするもの (typeNo. 6) この場合の 1{fIJを図 1-19に示した。ばねや球は表 1-4のNo.llによる。 T =0.7秒.H =8.2C1/1, h = 40mmであり, N=10附近の振子の振巾は1.03mmであ る。琉球大学理工学部紀要(工学篤〉 一 一 " し ー トー0.67・"-1 1¥ WI~t fT
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N: 20-60 IN=80-95 _'・、...、 Jヘ,,'、~ :'<=120-135 ・"'-'~、,-、 J・..~.'.‘ IE,~ :'>1=140-155 I吾 、...~.、 I~ N=160-170 “‘・...ー司・-、_' N=180-190 、"、J、.,' IQ. Fig.l一 日 (type,No.2) N : Number of wave peaks passing over the pendulum.) Pendulum.>0
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Fig. 1-16 : Wave profiles and def!ections in Y direction(type,
No. 3) Fig.1-17: (type, No. 4) Fig. 1-18: (type, No, 5) N=10 ノ'九、 r、、、,'-N・
-18 八 、戸 N-3ZI ~ i ¥ 、( 2、 r、
I^U 、!
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・ 同 Fig. 1-].9: Wave profiles an,d deflections in Y direction. (type,
No. 6) 151152 河野:球形構造物の波による振動に関する基礎的研究 第