2014
年度・後期・数理解析・計算機数学31
● レポート問題(暫定版)
以下の各群の問題から1問づつを選択して,5問をレポートとして提出すること.
(同一の群から複数問解答した場合には,得点の低いものを採用するので,注意すること).
★ 問題(
A
群)すべての問題で,適切な例に対するプログラムを書くことと, 適切な図を作成することが必要で ある. また,すべての計算(議論)は倍精度浮動小数点数で計算すること.
A-1 (10
点)多項式の零点を求めるためのニュートン法について議論しなさい.A-2 (10
点)浮動小数点演算の演算誤差(丸め誤差)および相殺について,それらが顕著にあらわ れる例をつかって議論しなさい.A-3 (10
点)円周率の近似値を得るためには4 arctan(1)
の近似値を計算することによって求める ことが可能である. しかし,実際には「マチンの公式」などのより複雑な式を用いて計算され ている. それがなぜかを議論しなさい.A-4 (10
点)数値的不安定性とはどのようなことかを,例をあげて議論しなさい.★ 問題(
B
群)すべての問題で,得られた近似値は相対誤差
10
−12以内であること. 多少余分な計算をしていて もかまわない. また,すべての計算は倍精度浮動小数点数で計算すること.B-1 (6
点) exp(1.0)の近似値を求めるプログラムを書きなさい.B-2 (10
点) sin(1.0)の近似値を求めるプログラムを書きなさい.B-3 (10
点) log(2.0)の近似値を求めるプログラムを書きなさい.B-4 (20
点) 10次までのLegendre
多項式の零点をすべて求めるプログラムを書きなさい.B-1, B-2, B-3
はそれぞれの関数のテイラー級数を使って計算することを前提としている. したがって,どのくらいの項で計算を打ち切るかの計算を示す必要がある.
★ 問題(
C
群)C-1 (10
点)段数s
段の陽的Runge-Kutta
法が4次となるための必要十分条件は,1次・2次・3次の条件式に加えて,
X b
ia
ija
ika
iℓ= 1 4 , X b
ia
ija
jka
iℓ= 1
8 , X b
ia
ija
jka
jℓ= 1 12 , X b
ia
ija
jka
kℓ= 1
24
Dec. 17, 2014, Version: 1.0 [email protected]
2014
年度・後期・数理解析・計算機数学32
であることを示しなさい. さらに,この結果を用いて,古典的
Runge-Kutta
法が,確かに4次 公式であることを示しなさい.C-2 (15
点)オイラー・マクローリンの和公式を証明し,それを用いて,ニュートン・コーツの公式 のうち,台形公式とシンプソンの公式の誤差評価を行いなさい.C-3 (15
点)単振動の微分方程式の初期値問題x
′′(t) = − x(t), x(0) = 1.0, x
′(0) = 0.0
を, Symplectic Euler 法を用いて構成した数値解は, 相空間上でのある曲線上に存在する.
具体的にその曲線を求めなさい. また, 陰的中点法の場合にはどうなるかを考察しなさい.
(Symplectic Euler法についてのみ議論した場合には
6
点満点とする).C-4 (15
点)陰的中点法の絶対安定領域を求めなさい.★ 問題(
D
群)すべての問題で,適切な例に対するプログラムを書くことと, 適切な図を作成することが必要で ある. また,すべての計算(議論)は倍精度浮動小数点数で計算すること.
D-1 (20
点)単振り子の微分方程式の初期値問題x
′′(t) = − sin(x(t)), x(0) = 2.0, x
′(0) = 0.0
を, 以下の方法で解くプログラムを書き, その結果を, それぞれ, 相平面上にプロットしなさ い. さらに, 系の全エネルギー
E(t)
がどのように推移するかを示す図を作成しなさい. た だし,h = 0.01
として,t ∈ [0, 20]
の範囲で解くこととし,その解法は,後退Euler
法, 古典 的Runge-Kutta
法, Symplectic Euler法, 陰的中点法, St¨olmer-Verlet法,2段4次Gauss- Legrandre
法,2次のAdams-Bashforth
法, 2次のAdams-Moulton
法,2次の後退微分公 式の中から,最低3つの方法で解くこと.ただし,いずれか1つの方法の場合には, 6点満点, 2つの方法の場合には
10
点満点とする.なお, Adams-Bashforth法, Adams-Moulton法,後退微分公式は,講義では扱っていない.
★ 問題(
E
群)E-1 (10
点)区間[0, 1]
上で定義された実数値関数u
に対する微分方程式の境界値問題u
′′(x) = sin(πx), u(0) = u(1) = 0
の数値解を求めなさい. なお, 連立一次方程式の解法,区間の刻み幅の値, (反復法の場合に は)収束の判定方法を明記すること.
E-2 (15
点)区間[0, 1]
上で定義された実数値関数u
に対する微分方程式の境界値問題u
′′(x) = cos(πx), u
′(0) = u
′(1) = 0
の数値解を求めなさい. なお, 連立一次方程式の解法,区間の刻み幅の値, (反復法の場合に は)収束の判定方法を明記すること.
Dec. 17, 2014, Version: 1.0 [email protected]
2014
年度・後期・数理解析・計算機数学33
E-3 (10
点)A
を,対角成分が全て− 2,
副対角成分が全て1
であるn × n
三重対角行列とする. こ の時,A
の絶対値最小固有値と絶対値最大固有値,および,それぞれの固有ベクトルを求める プログラムを書きなさい. ただし,プログラム中でn
を一つ指定してよいが,メモリが許す範 囲での任意のn
に対して動作するプログラムを書くこと.E-4 (20
点)A
をE-3
の問題と同じ行列とする. この時,A
のすべての固有値を求めるプログラム を書きなさい. また,可能ならば,すべての固有値に対する固有ベクトルも求めることができ るのが望ましい. この場合,提出する図版には,絶対値が小さい方から2番目の固有値に対す る固有ベクトルを図示すればよい. プログラムに関する注意は, E-3と同じである.なお, E-1, E-2で
LU
分解または消去法を行う際には,枢軸選択を行わなくてもアルゴリズムが終 了することは仮定してよい. また, E-3の行列A
の固有値は相異なると仮定してよい.★ 締め切りと提出方法
締め切りは2015年2月4日(水曜日)17時とする.
•
メールの送付先は[email protected]
し, Subjectには, 文字列「レポート提出」を含むこと. また, Subjectには問題番号を書くこと.
•
電子メールの発信者は, “nagoya-u.ac.jp”のアドレスであること.•
プログラム, PDFファイル,図版の電子データはメールで提出すること.•
図版および数学的な内容を記述したレポートは, PDFファイルにまとめて提出することが望 ましいが, それができない場合には紙に書いて(図版はプリンタで出力して)提出してもか まわない.•
プログラム中には「問題番号,学籍番号,氏名」をコメントとして記入すること. PDF ファ イルまたは紙で提出するレポートには,「問題番号,学籍番号,氏名」を記入すること.A4
とする. (特に理由が ない限り, A4縦おきであること.)紙で提出する場合には,片面であること.•
図版を単独の電子データで送付する際のファイルフォーマットは, PDF, EPS, SVG, JPEG のいずれかとする.★ 採点基準
当初に説明した通り,以下の基準で採点するが,中間的な点をつけることもある. また,非常に良 いレポートにはボーナス点を与える. (A:100%, B:60%, C:0%と考えて良い.)
A
数値計算が正しいプログラムによって行われ,その考察が適切であるもの.B
数値計算は正しいプログラムによって行われているが,その考察に少々問題があるもの.または,数学的背景は正しく記述されているが,プログラムに小さな誤りがあるもの.
C
それ以外.Dec. 17, 2014, Version: 1.0 [email protected]
2014
年度・後期・数理解析・計算機数学34
★ 成績基準
全体を
60
点満点と考え,原則として以下の基準で成績をつける.優
48
点以上(80%
以上)かつ各群の問題で6
点以上 良42
点以上(70%
以上)かつ6
点以上の解答が4
個以上 可36
点以上(60%
以上)★ 注意事項
以下の注意事項に沿わないレポートは採点から除外する.
•
提出方法に従わないレポートは採点の対象とはしない. 特に,電子ファイルのファイルフォー マットに注意すること.•
レポートおよびプログラム作成において,何かの参考書・WEBページなどを参照した場合 には,その旨を記載すること. また, 誰かにアドバイスを受けた場合には, その旨を記載する こと.•
提出するレポートおよびそのプログラムは,自分で作成したものに限る.特に,他人書いても らったプログラムや, 「インターネット」で拾ってきたプログラムをレポートとして提出し てはならない.このような場合には, 採点から除外するだけでなく, 不正行為として直ちに不可と判定する.
つまり,レポートの「コピペ」は「すべてがFになる」ので注意すること.
•
プログラムは, 浮動小数点演算がIEEE
の規定に沿う言語で記述すること. (Cなら問題な い.)また,プログラム中には,何をしているプログラムか,各部分が何を実行しているのかを コメントとして記入すること. コメントが全くないプログラムは採点対象としない. コメン トが不適切であったり, コメントが無いことにより何をしているのかが読み取れないプログ ラムは減点対象とする.★ 一言
レポートは,できたからと言って,「よしできたぁ!」とすぐに出すのはやめましょう. 数日後に もう一度自分の書いたレポート(プログラム)を見直して,自分で何を書いているかがわかるかを 考えてください.
以上