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共形不変性 vs スケール不変性

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Academic year: 2021

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(1)

共形不変性 vs スケール不変性

中山 優 (Kavli IPMU & Caltech

(2)

スケール不変な野菜

(3)

繰り込み群とは?

ウィルソンのアイディア

高エネルギーの自由度を積分し、低エネルギー の自由度だけを残す

理論の低エネルギーでの振舞いは普遍的

赤外固定点の分類場の量子論の分類

(4)

スケール不変 = 共形不変 ?

場の量子論、繰り込み群はスケール不変な点で 分類される (ウィルソンの哲学)

共形不変性は2次元における場の理論の分類

(=臨界現象の分類)を可能にした

スケール不変性は共形不変性を意味しない!

(5)

スケール不変

(6)

共形不変

(7)

スケール不変 = 共形不変 ?

スケール不変性は共形不変性を意味しない!

場の量子論の基本的な大問題

• AdS/CFT

臨界現象において実際に示すのは数学的にと ても難しい (cf スミルノフ)

(8)

繰り込み群の構造について

(9)

ウィルソンの素朴な期待

繰り込み群:大自由度系の赤外での振る舞いを理 解するために導入

臨界現象はその固定点で分類される

スケール変換+粗視化 (path integral で高エネル ギーモードを積分)

情報量(自由度)は減少している?

繰り込み群は不可逆?

赤外固定点は必ず存在する?

スケール不変なら共形不変?

(10)

時空の対称性と保存則

並進対称性

エネルギー・運動量テンソルが保存する

ローレンツ対称性

エネルギー・運動量テンソルが対称

(11)

固定点

=

スケール不変

スケール不変性

EMテンソルのトレースがビリアルカレントの発散

共形不変性

EMテンソルがトレースレスにできる。

(12)

スケール変換と共形変換

(13)

自由なマスレススカラー

ナイーブなエネルギー運動量テンソル

トレースはノンゼロ (d ≠ 2 なら)

しかし、 運動方程式からビリアルカレントの発散に かける

理論はスケール不変

さらに、ビリアルカレントは自明なので理論は共形 不変である

実際、改良したエネルギー運動量テンソルが存在し

(14)

スケール不変だが共形不変でない例

高次元 (d>4) Maxwell 理論

• EMテンソルとビリアルカレント

運動方程式を使った。

ビリアルカレント は何かの微分でか けないので EMテンソルはトレースレスにできない。

スケールカレントはゲージ不変でないがチャージは 不変

(15)

QCD +

マスレスなクォーク

量子論的なエネルギー運動量テンソルのトレース

• Banks-Zaks固定点(2-ループ)

スケール不変のみならず共形不変

原理的にはベータ関数が消えなくても、スケール不 変性を持ってよい。しかし、今の例では、ビリアルカ レントの候補は摂動論では存在しない。

非摂動論的に、スケール不変が共形不変を意味し ているかどうかは、この場合にも難しい問題(格子で 計算?イジングでの証明はフィールズ賞。)

(16)

理論がスケール不変であるには?

4次元の繰り込み可能な理論は古典的には共形不変なので、

EMテンソルのトレースは量子効果からくる

ベータ関数が消える 共形不変

もし、演算子恒等式(e.g 運動方程式)があれば、ベータ関数 が消えなくてもスケール不変

このとき、ベータ関数は任意性を持っている

• Yukawa phi^4 は原理的には可能?

非摂動的な議論はもっと難しい

(17)

繰り込み群のリミットサイクル

たとえば、摂動論的に Yukawa phi^4 のベータ 関数がスケール不変だが共形不変でない「固定点」

を持ったとする。

ベータ関数の任意性をなくすために、B関数を導入 する(繰り込み群上でのゲージ自由度)。

• EMテンソルの全部スカラー演算子に押し付ける ゲージでは、「固定点」上で結合定数が走り続ける

繰り込み群のリミットサイクル(サイクル上で物理は 不変)

(18)

リミットサイクル?

スケール不変性

ベータ関数は消えない

固有値は虚数

(19)

繰り込み群の局所的・大域的構造 を調べることが重要

 特に場の理論の自由度

(20)

知られている事実

• 1+1

次元では証明済み

• d+1

d+1>4

なら反例が存在する

• d+1 = 4

でも示せる?(摂動論では可能)

• C-

定理と密接に関係?

(21)

ザモロドチコフ・ポルチンスキーの

定理 (1988):

次の仮定の下で、スケール不変な

(1+1)次元の場の理論は共形不 変である。

1. 理論がユニタリである 2. ポアンカレ不変

3. スペクトラムが離散

(4). スケール変換のカレントが存在

(22)

場の理論の証明

ザモロドチコフにしたがって C を定義する

繰り込み群の固定点では なので

 C-定理!

(23)

4次元では … ??

厳密な証明はまだ存在しない

繰り込み可能なスケール不変な古典作用は 共形不変

摂動論ではスケール不変共形不変?

Luty-Rattazzi-Polchinski

摂動論で存在するとしたら繰り込み群は cyclic になる

しかし、その場合 a-定理と矛盾する

(24)

リミットサイクル?

スケール不変性

ベータ関数は消えない

固有値は虚数

• a定理と矛盾

(25)

4

次元の

a-

定理と

ε-

予想

4次元の conformal anomaly a は繰り込み群に 沿って単調減少

• Komargodski Schwimmer CFT 間のフロー に対して物理的な「証明」を与えた

彼らの証明は fixed point がスケール不変であるが 共形不変でないときは適用できない

共形不変でないがスケール不変でない場合にも摂 動論で調べることができる。

ポルチンスキーらによると、a が(ほとんどの場合)

減り続けるので不合理

将来の完全な証明が望まれる!

(26)

Part 2. 重力による証明

(27)

重力側からの主張

スケール不変性を持つ場の配位

自動的に共形不変性のアイソメトリを 持つ(

AdS

空間になる)

ヌル・エネルギー条件と運動 方程式から出す

(28)

まずは幾何から始めよ

d+1

次元計量に

d

次元のポアンカレ不 変性+スケール不変性を要請すると、

AdS

d+1 に決まる。

(29)

物質場は共形不変性を破る?

非自明な物質場の配位は

AdS

対称性を 破る。

Example 1:非自明なベクトル場

Example 2: 非自明なd-1フォーム場

(30)

しかし、実はそのような非自明な配位は ヌル・エネルギー条件を破る

Null energy condition:

()

基本的に、ヌル・エネルギー条件は、m2 λが正である

(=安定性)を要求して、その元で、 a = 0 が導ける。

(31)

ホログラフィック

c-

定理との関係

ホログラフィック c-定理 によると:

ヌルエネルギー条件は strong c-theorem を導く

厳密なヌルエネルギー条件は計量の正値性と strongest c-theorem を導く

ベータ関数とビリアルカレントの変換の自由度 シグマ模型はゲージ化される

ユニタリゲージでは、ベータ関数がビリアルカレントで書ける(スケール不変 だが共形不変でない) (バルク)ベクトル場の凝縮

(32)

仮定の検証

ポワンカレ不変性

計量の対称性としてあからさまに仮定

スペクトラムの離散性

バルクの場の数が可算有限個だと 暗に仮定

ユニタリ性

おそらく、ヌル・エネルギー条件と深く関わっ ている。ブラックホールの熱力学法則や解 の安定性と深い関係。

(33)

(strict) null energy condition

ブラックホールホログラフィーでの意味

• Null energy condition はブラックホールのホ ライズンの面積が非減少であるという証明の ために十分条件を与える

ブラックホールエントロピーは単調増加

ヌルエネルギー条件があるとタイムマシンを作 ることができない

周期的繰り込み群 = タイムマシン

(34)

まとめ

スケール不変 = 共形不変?

ホログラフィーは等価を支持(が

5

次元以 上に特殊な反例があるので使った仮定 に問題?)

C定理との関係性?

場の理論の直接証明?

参照

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