TICAD V NGOコンタクト・グループ
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2013年7月16日 外務省アフリカ部
部長 岡村 善文 様
アフリカ第2課長 麻妻 信一 様
TICAD V NGOコンタクト・グループ ファシリテーター 若林 秀樹 同 渡邉 清孝 同 鰐部 行崇 コーディネイター 稲場 雅紀
TICAD V フォローアップおよび TICAD VI に向けた要望書
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
TICAD Vが過去最大の参加の下、成功裡に終わったことをまずは祝福したく存じます。
以下、TICAD V NGO コンタクト・グループがとりまとめた、今後の TICAD V フォローアップ・プロセス及び
TICAD VIに向けた要望となります。何卒ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
1.TICAD Vフォローアップ・プロセスおよびTICAD VIにおける市民社会参加について
(1)TICAD Vにおける市民社会参画についての交渉の総括および要望
a) 基本的な立場
TICAD V「横浜宣言」および「横浜行動計画2013-2017」において、「市民社会とのパートナーシップ」につ いての立場が書き込まれず、少なくとも形式上においてTICAD IVよりも市民社会とのパートナーシップに 関する書きぶりが後退したことについて、市民社会は遺憾の意と懸念を表明します。
b) 要望事項
TICAD Vフォローアップ・プロセスおよびTICAD VIに関して、TICAD IVフォローアップ・プロセスにおける 市民社会の参画を最低ラインとして保障し、より積極的な市民社会の参画を図ってください。
TICAD V フォローアップ閣僚会議およびTICAD VIの成果文書において、市民社会をはじめとする非政 府・非営利セクターとのパートナーシップについて明記してください。
TICAD Vフォローアップ・メカニズムにおいて、共同事務局が市民社会をはじめとする非政府・非営利セク ターとの恒常的・定期的な協議を行うことを表明してください。
(2)TICAD V フォローアップ・プロセスについて
a) TICAD Vフォローアップ・プロセスで開催される閣僚会合等については、TICAD IVフォローアップ・プロセ スにおける市民社会の参画を最低ラインとして、より積極的な市民社会の参画の保障をお願いいたしま す。具体的には、以下の通りです。
共催者によるアフリカ市民社会5名以上の参加支援を、これまでと同様の形態(航空券の購入と DSA の 支払い)でお願いいたします。
共催者の支援によるアフリカ市民社会の参加について、会議開催国のビザ確保に関して多くの問題が生 じ、スケジュール通りの入国に支障が出ました。事前のビザの取得やビザ発給に関する日本政府・当該国 政府による口上書の交付など、最善の方法で取り組んでください。
アフリカ市民社会に加え、日本側市民社会参加者への参加支援(航空券の購入とDSAの支払い)をお願 いいたします。
市民社会関係者が会議や執務をできる場所(会議室もしくはそれに類する場所)を設置してください。ま た、これまで同様、本会議場内に市民社会のスペースを保障してください。
b) TICAD Vフォローアップ・プロセスで開催される閣僚会合等において、共催者以外の国際機関と同じタイミ
ングで市民社会の成果文書案や資料等へのアクセスが出来るようにしてください。また、ドラフティング会 合等において、市民社会の参加や適切な機会での発言を認めてください。
c) TICAD V フォローアップ・プロセスで開催される閣僚会合等において、市民社会からの要望に基づいて、
市民社会の公式の発言の機会を保障してください。
(3)TICAD VIについて
a) 今回、市民社会の登録はアフリカ・日本含め合計 402 人を数えました。また、市民社会の活動は様々な 分野に広がっています。市民社会の関心の高さに鑑み、以下よろしくお願いいたします。
アフリカ市民社会の参加に関するTICAD共催者の招聘枠を、10名から20名以上に拡大してください。
市民社会の本会議入場パスおよび分科会入場パスの発行枚数を拡大してください。
市民社会は社会開発のみならず、経済開発や平和・安全、環境に関しても注目し、また、取り組んでいま す。市民社会の発言枠を、社会開発のセッションに限定せず、経済開発や平和・安全、環境に関するセッ ションにおいても保障してください。
フランス語、ポルトガル語など、英語以外の言語での情報アクセスについて、より積極的な対応をお願い いたします。
2.TICAD Vの内容面について
TICAD Vの内容面について、以下の質問および要望をいたします。
(1)安倍内閣総理大臣の開会式での演説について
安倍内閣総理大臣の開会式での演説で、アフリカ諸国に対する多くの誓約が行われました。これらの誓約は、
TICAD Vにおいて最も重要な要素となりましたが、これらの多くは会議の成果文書である「横浜宣言」「横浜行
動計画 2013-2017」に掲載されていません。市民社会は、会議の成果文書の原案等について積極的に働き
かけをしてきましたが、これでは、TICAD V の最重要事項について市民社会として事前に働きかけることがで きません。この点について、以下よろしくお願いいたします。
総理の演説等で行われる誓約等については、横浜宣言、横浜行動計画など成果文書に基づいたものとし て下さい。
TICAD で行う誓約等については、市民社会に対しても、アフリカ各国政府、国際機関等と同じタイミングで アクセスできるようにしてください。
(2)TICAD Vに関する外務省としての評価および日本とアフリカの関係強化のための施策について
a) TICAD Vの成果文書において、アフリカに対する我が国の外交力の強化について、なんらかの方針や製
薬が示されているかどうかご教示ください。
b) また、TICAD V 以降、フォローアップ・プロセスの過程で、対アフリカ外交力の強化について、以下の点で どのようなことを検討されているかご教示ください。
アフリカ連合(AU)およびAU諸機関(アフリカ連合委員会その他)への体制の強化
アフリカ各国への大使館の新設
c) 日本・アフリカの市民セクター、非営利セクター、知的セクターの連携強化は、日本とアフリカの関係を包 括的に強化する上で大変重要です。これについて、以下の点での連携強化をどのように考えているかご 教示下さい。
首脳レベルおよび議員外交の強化
研究者や政治家、文化人等を含む「知的対話」の実施(特に、今後、政府レベルで日本・アフリカの知的 対話の開催を積極的に検討するかどうか等)
文化交流、芸術に関わる交流
d) アフリカ開発の促進には、政府機関による開発に関わる努力に加え、NGO・市民社会の参画が不可欠で す。これについて、以下のことを実施してください。
アフリカの市民社会・日本の市民社会団体が TICAD の下で行われるアフリカ開発の実施やモニタリン グ・評価にもっと積極的に関われるよう、日本のODAスキームを改善してください。また、この改善のため に、現行の日本のODA スキーム、およびODA による NGO支援のための各種スキームに関する調査 を、NGOが主体となる形で行ってください。
TICAD Vの予算枠を設け、その一部をNGOによる開発への支援に充てられるようにしてください。
(3)TICAD Vでの分野別の取り組み等について
a) 会議に関する外務省の評価について(日本水フォーラム)
会合冒頭での、TICAD V 実施についての評価に関する外務省の説明を踏まえて、質疑を行いたく存じ ます。TICAD は日本がリードするイニシアティブでありつつ、「アフリカ開発の在り方についてマルチ・セ クターで協議する」ことがもともとの役割であったかと思います。今次 TICAD においては、安倍総理の 3.2兆円のコミットメントや、アフリカの成長支援のための官民連携の推進といった、日本とアフリカという 二つの地域間の協力の在り方が焦点となりました。このことが、先に述べたようなTICAD の「もともとの 役割」に何らかの変化を与えたのか、また、何らかの変化があるとすれば、外務省としてその変化をどう とらえ、今後、TICADをどのような性格のものとして推進していこうと考えているかをご教示ください。
b) 保健・栄養分野について(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)
保健分野において、500 億円の拠出、および 12万人の保健医療従事者の訓練、栄養改善等が盛り込 まれていますが、これについて、具体的な支援内容と今後の工程についてご教示ください。
これらの支援について、NGOを通じた実施を検討しているかどうかご教示ください。
c) 開発援助における社会的弱者配慮について(DPI日本会議)
援助・協力の過程における、社会的弱者、特に世界人口の 15%を占め、また途上国における貧困層の 2 割を占めるとされる障害者への配慮の欠如を強く懸念します。こうした社会的弱者は、格差の拡大に より成長から取り残される可能性が高いのです。 ODA大綱の見直しなど新たな援助の枠組みの中に、
アクセシビリティ配慮の規定を設けていくなど障害者のメインストリーミングにつながる取り組みは考えら れていないのでしょうか?
d) ビジネス・投資と人権について(アムネスティ・インターナショナル日本)
投資・貿易によってもたされる負の側面、例えば強制立ち退き、強制労働・児童労働、劣悪な労働条件・
環境、労働組合弾圧、環境破壊、反政府過激団体・テロリストの資金源、汚職等に焦点が当たらず、こ れらの問題が置き去りにされれば、経済活動も人びとの生活向上や社会の持続的な発展にはつながり ません。これらの問題に今後どう対応していくおつもりですか。
e) アフリカにおける搾取・人権侵害とそれに対する取り組みについて
(アムネスティ・インターナショナル日本、ACE)
横浜宣言、行動計画では、投資や経済成長に関する記述が多く書かれているが、貧困や搾取について は十分に触れられていません。アフリカの経済成長は著しいが、他方児童労働や人身売買など、子ども や女性などへの搾取、人権侵害はいまだ深刻な問題であり、まだまだ取り組むべき事ではないでしょう か。
f) 「V. 万人が成長の恩恵を受ける社会の構築」の水・衛生分野(7~9)について
(ウォーターエイド・ジャパン)
TICAD Ⅳでは、水と衛生のアクセス改善について、UN-HABITATの水と衛生信託基金、JICA、ユニセ
フ、NGO 1団体などが実施主体となっていましたが、今回の「SHIAWASE AFRICA イニシアティブ」の 1000 万人を対象とした給水・衛生改善支援の実施主体はどのようなところを想定しているのでしょう か?「持続可能」であるためにも、コミュニティに入って住民主体で活動している多くの NGO との連携を 検討していただけると幸いです。
日本政府は先日、「Sanitation and Water for All Partnership(SWA)」の正式メンバーになりましたが、
水・衛生に関するアクションプランのなかで SWA と連携する可能性があるものがあれば教えてくださ い。例えば、「8・国家及び地域レベルで水と衛生をフォローアップ及びモニタリングするためのシステム を2016年までに強化」とありますが、SWAも国レベルの水・衛生の進捗状況のモニタリング等に取り組 んでおり、これについてSWAとの連携の可能性はあるのでしょうか?
g) 参議院ODA特別委員会の決議に関して(PSI-JC)
5月 22 日の参議院 ODA 特別委員会において採択された決議に「ODA の実施において NGO などの市 民社会が果たしてきた重要な役割に鑑み、今後の TICAD V のフォローアップ・メカニズムなどにおいて、
各国政府や国際機関に加えて、市民社会との連携・協働の取組を更に強化すること。」との文言が入っ ております。この決議を受け、今後、政府としてどのように取り組まれていくおつもりでしょうか。
3.TICAD本会議における市民社会参画の実務面について
(1)TICAD本会議での市民社会事務局の業務について
TICAD V本会議の準備プロセスにおいて、「TICAD V NGOコンタクト・グループ」事務局は、市民社会参加者
の登録作業や、TICAD 共催者による支援を受けて来日した参加者のビザ確保や航空券手配等の支援、交通 アクセスや宿泊のサポート、公式サイド・イベントその他に関する情報の周知活動、その他、各種の事務局業 務を請け負うこととなりました。これに関して、以下要望いたします。
a) TICAD本会議における市民社会の参加に関わる実務について
市民社会参加者の登録業務等については、TICAD が「市民社会を含む各種ステークホルダーの参加に 基づくアフリカ開発のための多国間フォーラム」である以上、これは TICAD 本会議を成り立たせるための 基本的な業務に属するものと考えます。
これについては、NGO のネットワークが無償で請け負うべきものではなく、TICAD を主催している共催者 が業務としてNGOのネットワーク等の適切な団体に委託すべきものです。
つきましては、次回TICAD本会議に関しましては、これらTICAD Vに参加する市民社会にかかわる基本 的な業務については、TICAD 共催者が適切な団体との契約の元に委託業務として行うものとしてくださ い。
b) TICAD本会議でのアフリカ市民社会参加者へのビザ発行について
TICAD 本会議に向けたアフリカ市民社会参加者へのビザ発行については、全体的に支障は少なかったです
が、若干、問題が見られました。以下ご検討のほどよろしくお願いします。
TICAD 共催者の支援によるアフリカ市民社会参加者については、当該国の日本大使館に速やかに通知 し、最低限必要な手続きでスムーズにビザ発行が行われるよう、お願いいたします。
日本大使館がない国の参加者に対するビザ発行については、当該国を兼轄する大使館でビザを発行す る場合、事前に当該国を訪問する必要があり、航空運賃や宿泊料などがかさむ場合があります。また、面 積の広い国において首都から離れた地域に在住する参加者についても同様です。こうした場合、来日時 にビザを発行することを確約する口上書の発行など、別の手段によって確実に来日できる方法を検討して ください。
4.公式サイドイベントおよびブース出展について
TICAD V では、公式サイド・イベントおよびブース出展によって、NGO が積極的に参加する道が開かれまし
た。このことについて、市民社会としてこれを高く評価し、TICAD共催者に心より感謝します。そのうえで、実務 上、以下の点の改善をお願いいたします。
a) 公式サイド・イベントについて
各イベント90分はかなり短い印象があります。一企画2時間にしていただけると助かります。
公募の開始から締め切りまでの期間がかなり短かったので、もう少し長い期間をとっていただけると助かり ます
公式サイド・イベントのプログラムの共有をもう少し早めにしていただけると助かります。
物品の搬入トラブルがありました。こうしたことについて、しっかりした体制をとっていただけると助かりま す。
調整事務局の備品に不具合が多く、問題が生じました。例えば、プロジェクターの色が出ず、映画上映に 多大な支障がありました。こうした点について改善をお願いします。
複数の国家元首や著名な学者等の参加があるイベントに関して、控室の件で支障がありました。これにつ いて、改善をお願いいたします。
b) ブース・会場について
ブース・展示などの場所の説明にわかりにくい点がありました。よりわかりやすく、アクセスしやすくしてい ただけると助かります。
ブース・展示の場所がセキュリティ・エリア内にある場合、パスを持っている限られた人しか訪問できないこ とになります。ブース等募集の段階で、この点について明示していただけると助かります。
無料で印刷・コピー・パソコン等が使える作業室が本会議場4階のセキュリティ・エリアにしかなく不便でし た。こうした作業室について、セキュリティ・エリア外(登録証のみで入れる場所)に設置していただけると助 かります。
以上