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Academic year: 2021

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第 84 巻 第 2 号 (2020) (35) 85

研究室の概要

 同志社大学は約30,000人の学生と,約800人の専任教員 をかかえる私立大学で,京都市内の京都御所北側に位置す る今出川校地と,京都市内から30 kmほど南に位置する京 田辺校地を中心に教育・研究活動がおこなわれている。同 志社大学は1875年に創立した同志社英学校を前身として おり,本学理工学部の歴史も古く,1890年に開校した同 志社ハリス理化学校を礎としている。一方筆者は2016年4 月に本学の京田辺校地に着任したばかりで,ようやく研究 を開始したところである。本研究室では枯渇性資源の高効 率・高度利用を目的に,触媒および触媒反応の開発をおこ なっている。本年度の研究室のメンバーは,教授 竹中  壮,修士課程の学生10名,4回生の学生9名の計20名から 構成される。

研究内容

 本研究室では,化石燃料,貴金属に代表される枯渇性資 源の高効率・高度利用を目的に,エネルギー変換触媒,天 然ガス転換触媒などを開発している。触媒の高機能化には 活性点自体の高活性化に加え,触媒表面への分子,イオン 種,電子などの輸送促進も重要と考え,これらが両立可能 な触媒表面のナノ構造設計をおこなっている。

1)厚さ数原子の金属酸化物層を利用した界面設計

 固体触媒の高機能化を目的に,触媒表面を厚さ数原子の 金属酸化物層で被覆している。触媒開発では,触媒の高活 性化・高耐久化が求められる。例えば固体高分子形燃料電 池用カソード触媒では,強酸性,正電位などの過酷な条件 でも溶出,シンタリングしないPtナノ粒子触媒の開発が 求められる。本研究室では,活性点周りを厚さ数原子の金 属酸化物層により被覆することで,活性点周りに所望の触 媒特性を付与している。例えばPt表面を厚さ数原子のシ リカ層で被覆することでPt粒子のシンタリング,溶出抑 制を達成している。またシリカ層の細孔構造,親・疎水性 を制御することでPt表面への物質輸送促進も可能にした。

同志社大学 理工学部 化学システム創成工学科 材料システム研究室 竹中 壮

研究室紹介

さらに炭素のナノシートであるグラフェンと単原子層の金 属酸化物ナノシート(チタン酸化物,ニオブ酸化物,ジルコニウ ム酸化物など)の複合材料を電極反応,光触媒反応などに展 開している。

2)貴金属ナノシートの触媒への展開

 貴金属は様々な触媒反応に利用されるが,高価であるた め貴金属使用量の低減が求められている。貴金属使用量低 減には,貴金属自体の触媒活性向上と貴金属構造体の表面 露出率向上が効果的である。本研究室では,厚さ数原子層 の貴金属ナノシートの調製法を開発している。具体的に は,炭素のナノシートであるグラフェンや,その酸化体で ある酸化グラフェンの層間をナノシートの調製場として利 用することで,貴金属のナノシート化に成功している。貴 金属ナノシートは,貴金属原子の表面露出率が高いことに 加え,量子サイズ効果により特異な触媒作用を示すことを 見出している。

3)メタンの有効活用

 豊富に存在するメタンの高度利用は,触媒研究において 重要な課題である。本研究室では,メタンの部分酸化によ るメタノール,ホルムアルデヒド生成に有効な触媒系の開 発をおこなっている。この反応に有効な触媒の開発は極め て難しいが,ホルムアルデヒド生成に有効な触媒活性点や 反応条件を検討しているところである。

研究室の特徴

 本研究室は教員1名,学生19名で構成されるため,学生 の自主的な研究活動を奨めている。学生の研究活動とし て,研究室内では毎週,ゼミや検討会をおこなっている。

そのほかにも,学生は国内での学会,講演会,若手会など にも積極的に参加している。最近では,修士課程の学生が 国際会議で発表できるようになった。同志社大学での教育 の特徴の1つに, 自由 と 良心 に立つ人間養成がある。

良心をそなえた研究者・技術者が毎年巣立っていく研究室 の運営を目指している。

公益社団法人 化学工学会 http://www.scej.org/

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参照

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