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フィルター圏

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(1)

フィルター圏

alg-d

http://alg-d.com/math/kan_extension/

2021 年 4 月 29 日

定義. Cがフィルター圏(filtered category)

⇐⇒任意の有限圏J と関手F: J C に対して,ある対象c∈ C と自然変換F ∆c が存在する.

定義.Cが余フィルター圏(cofiltered category) ⇐⇒Cop がフィルター圏となる.

命題 1.C がフィルター圏⇐⇒以下の条件*1を満たす.

(1) Cは空でない.

(2) 任意のa0, a1 ∈Cに対して,あるc∈Cと射f0: a0 →cf1: a1 →cが存在する.

a0

a1 c

f0

f1

(3) 任意のa0, a1 ∈Cf0, f1: a0 a1 に対して,ある c∈ Cg: a1 cが存在 してg◦f0 =g◦f1 となる.

a0 a1 c

f0 g

f1

証明. (=) 明らか.

(=) STEP 1,STEP 2,STEP 3の3段階に分けて示す.

(STEP 1) a0,· · · , an C C の対象とするとき,ある対象 u C と射 fi: ai u が存在する.

*1この条件をフィルター圏の定義にしている文献もある.

(2)

...

) 条件2を繰り返し適用すればよい.

(STEP 2) f0,· · · , fn: a bC の射とするとき,ある対象c ∈C と射p: b→v が 存在してp◦f0 =· · ·=p◦fnとなる.

...

) 条件3を繰り返し適用すればよい.

(STEP 3) J を有限圏,F: J C を関手とする.対象の有限族{F j}jJ にSTEP 1 を適用して,対象u∈C と射fj:F j →uが得られる.次にk:i →jJ の射とすると き,2つの射fifj◦F k: F i→uに条件3を適用してφk: u→ck を得る.

F i

ck

F j

u

F i0 ck0

F j0

fi

fj

fi0

fj0 F k

F k0

φk

φk0

再びSTEP 1を族 {ck}kMor(J) に適用して,対象v ∈C と射gk: ck vが得られる.

{gk◦φk: u v}k∈Mor(J)にSTEP 2を適用して,対象c ∈C と射p: v →cが得ら れる.pの取り方からh:=p◦gk◦φkkの取り方によらず一定である.

F i

ck F j

u v c

F i0 ck0

F j0

fi

fj

fi0

fj0 F k

F k0

φk

φk0

gk

gk0

p h

そこでθj :=h◦fj: F j →cと定めたときθ: F ∆cが自然変換となることを示せばよ い.そのためにk: i→j J の射とする.このとき定義から

(3)

となり次の図式は可換である.

F i c

F j c

θi

idc

F k

θj

よってθ: F ∆cは自然変換である.

2. 有限余完備な圏はフィルター圏である.

証明. 有限圏J と関手F に対して,自然変換F ∆(colimF)が存在する.

3. 終対象を持つ圏は明らかにフィルター圏である.

4. 順序集合X を圏とみなしたとき,これがフィルター圏となるのは,命題1よりX が空でない有向集合となるときである.

定義. 添え字圏がフィルター圏となる余極限をフィルター余極限(filtered colimit) と いう.

Setにおいて,フィルター余極限は有限極限と交換するという重要な性質がある.即ち 命題 5. I がフィルター圏のとき,関手colim : SetI Setは有限極限と交換する.故 に,J が有限な圏でT: I×J Setが関手のとき同型

colim

iI lim

jJT(i, j)= lim

jJcolim

iI T(i, j).

が成り立つ.

証明. colim : SetI Setが終対象とpullbackと交換することを示せばよい.

まず終対象について示す.colim(∆1) = `

i∈I1

/∼である.I がフィルター圏だか らcolim(∆1)= 1となり,colimが終対象と交換することが分かった.

次にpullbackについて示す.次の図式をSetI のpullbackとする.

X P1

P0 Q

π1

π0

(4)

SetI の極限は各点ごとに計算すればよいから,i∈Iに対してXi=∼P0QiP1iである.

故に

colimX =a

i∈I

P0QiP1i

/∼ colimPk =a

i∈I

Pki

/∼

で,colim(πk) はcolim(πk)([hu0, u1i]) = [uk]で与えられる.pullbackの普遍性から点 線の射hが得られる.

colimX

colimP0×colimQcolimP1 colimP1

colimP0 colimQ

p1

p0

colim(π1)

colim(π0) h

このhが全単射であることが容易にわかる.よってcolimはpullbackと交換する.

補題 6. F: C →Dを関手とする.a ∈Cを対象としてE := HomC(a,)とする.この ときFE = HomD(F a,)である.従ってF =yのときyE = evaである.

証明. 米田の補題によりHomSetC(E,HomD(F a, F))= HomD(F a, F a)である.この 同型で右辺のidF aに対応する自然変換をη: E HomD(F a, F)とする.

D

C Set

η =

F

E

HomD(F a,)

このときhHomD(F a,), ηiF に沿ったE の左Kan拡張であることを示す.

そのために任意の関手S: D Setと自然変換θ: E SF を取る.米田の補題から 得られる次の同型でθに対応するτ を取る.

HomSetC(E, SF) SF a HomSetD(HomD(F a,), S)

(5)

米田の補題の証明より,θa(ida) =τF a(idF a)である.このとき等式 D

Cη = τ U

F

E S

=

D

C U

=

F θ

E S

が成り立つ.

...

) 米田の補題より次の図式は可換である.

HomSetC(E,HomD(F a, F)) HomD(F a, F a)

HomSetC(E, SF) SF a

τF a

τF◦−

η idF a

τF ◦η

θ τF a(idF a)

τF a

τF◦−

故にτF ◦η =θとなる.

後はこのτ の一意性を示せばよい.そのためにτ0τF0 ◦η = θを満たしたとすると,

再び米田の補題により次の図式は可換である.

HomSetC(E,HomD(F a, F)) HomD(F a, F a)

HomSetC(E, SF) SF a

τF a0 τF0◦−

η idF a

τF0 ◦η

τF a(idF a) θ θa(ida)

τF a0 τF0◦−

故にτF a0 (idF a) =θa(ida) =τF a(idF a)が分かり,米田の補題からτ0 =τ が分かる.

補題 7. C, Dを圏,d∈Dを対象とする.Cは有限完備で関手F: C →Dは有限極限と 交換するとする.このときコンマ圏d↓F は余フィルター圏である.

C D

d↓F 1

= d F

証明. 定義により,d↓F の対象はDの射d →F cで,射(d→F c0)(d →F c1)は次

(6)

を可換にするCの射c0 →c1 である.

F c0 c0

d

F c1 c1

命題1の3条件の双対を示せばよい.

(i) まずd↓F 6= 0を示す.C が有限完備だから終対象1 C が存在する.F が有限 極限と交換するからF(1) D は終対象になる.よってD の射d F(1)が存在する.

従ってd↓F 6=0である.

(ii) g0: d→F c0g1: d →F c1 とする.C が有限完備だから直積c0×c1が存在する.

F が有限極限と交換するからF(c0×c1)=F c0×F c1 である.直積の普遍性から次の点 線の射が存在して可換となる.

F c0 c0

d F(c0×c1) c0×c1

F c1 c1

g0

g1

よって射(d F(c0×c1)) (d F c0) と(d F(c0 ×c1)) (d F c1)が得ら れた.

(iii) g0: d →F c0g1: d→F c1として,二つの射p, q: (d −→g0 F c0)(d−→g1 F c1)を 取る.即ち次の図式(三角形は可換)を考える.

F c0 c0

d

F c1 c1

g0

g1

F p F q p q

C が有限完備だからequalizer c e c0 p c1

q が存在する.F が有限極限と交換す るからF c F e F c0 F c1

F p F q

もequalizerである.今F p◦g0 =g1 =F q◦g0だから,

(7)

equalizer F eの普遍性により次の点線の射が存在して,三角形が可換となる.

F c c

d F c0 c0

F c1 c1

g0

g1 F p F q p q

F e e

よって

(d →F c) (d→F c0) (d →F c1)

p q e

d↓F の射でp◦e=q◦eである.

以上の(i)(ii)(iii)によりd↓F は余フィルター圏である.

定義. C を小圏とする.関手F: C Setが平坦(flat)とは,yF: Cb Setが有限極 限と交換することをいう.

Cb

C = Set

y

F yF

定理 8. 小圏Cと関手F: C Setについて以下は同値.

(1) F が平坦

(2) 1↓F が余フィルター圏

(3) F が表現可能関手のフィルター余極限で書ける

証明. (1 = 2)F: C Setを関手とする.各点左Kan拡張により,P ∈Cb に対して yF(P)= colim(y↓P →C −→F Set)

= a

hc,ui∈yP

F c

/∼

=a

cC

a

uP c

F c

/∼

=a

cC

P c×F c

/∼

(8)

である.hc, ui,hd, vi ∈ y↓P として f: hc, ui → hd, viを射とする.つまりfC の射 f:c→dP f(v) =uを満たす.このときs∈F cとすると,`

hc,ui∈y↓P F c

/∼にお いて[s] = [F f(s)]である.`

c∈CP c×F c

/∼で考えれば[hP f(v), si] = [hv, F f(s)i] となる.以下簡単のため[h−,□i] = [−,□]と書く.

まずP =y(a) (a ∈C)の場合を考えると,yF(y(a)) =`

cCHom(c, a)×F c

/∼ だから,任意のu yF(y(a))u = [f, s] (f: c as F c) と書ける.このとき [f, s] = [ida◦f, s] = [P f(ida), s] = [ida, F f(s)]である.一方yF ◦y =F だったから yF(y(a))=F aである.この同型はF a 3u7→[ida, u]∈yF(y(a))で与えられる.

P, Q Cb としてθ: P Q を自然変換とする.コンマ圏の普遍性により得られる H: y↓P →y↓Q (下の図式参照)はhc, ui ∈y↓P に対してHhc, ui=hc, θc(u)iで与え られる.

1 Cb

y↓Q C Set

y↓P

=

=

=

y

F Q

H

故にyF(θ) : yF(P)→yF(Q)はu ∈P cs∈F cに対してyF(θ)([u, s]) = [θc(u), s]

で与えられる.

∆1 ∈Cbは終対象で,yF が有限極限と交換するからyF(∆1)も終対象である.従っyF(∆1)= 1となる.よって1= (`

F c)/∼だから,あるc∈CについてF c6= なければならない.故に1↓F 6=0である.

次に hc0, u0i,hc1, u1i ∈1↓F を取る.hc, ui ∈1↓F と射 hc, ui → hc0, u0ihc, ui → hc1, u1iが存在することを示す.今yF が有限極限と交換するから,直積

y(c0)×y(c1) y(c0) p0 p1 y(c1)

(9)

と交換する.即ち普遍性により得られる次の射hが同型(即ち全単射)を与える.

yF(y(c0)×y(c1))

yF(y(c0))×yF(y(c1))

yF(y(c0)) yF(y(c1))

yF(p0) yF(p1)

h

yF ◦y∼=F だから

yF(y(c0)×y(c1)) F c0×F c1

F c0 F c1

yF(p0) yF(p1)

h

としてよい.u:=h1(hu0, u1i)∈yF(y(c0)×y(c1))を取ればyF(pi)(u) =uiである.

yF(y(c0)×y(c1))=a

cC

HomC(c, c0)×HomC(c, c1)×F c

/∼ だから,u= [f0, f1, s]となるc∈Cfi: c→cis∈F cが取れる.このとき

ui =yF(pi)([f0, f1, s]) = [fi, s] = [idci◦fi, s] = [idci, F fi(s)]

だからF fi(s) =ui となることが分かる.故にfi: hc, si → hci, uii1↓F の射である.

最後に対象hc0, u0i,hc1, u1i ∈ 1↓F と射f0, f1: hc0, u0i → hc1, u1iを取る.ある対象 hc, ui ∈1↓F と射g: hc, ui → hc0, u0if0◦g=f1◦gを満たすものが存在することを 示す.Cbでequalizer

X θ y(c0) y(c1)

y(f0) y(f1)

が存在し,yF がこれと交換するから

yF(X) F c0 F c1 yF(θ) F f0

F f1

がequalizer となる.定義よりF f0(u0) = F f1(u0)だから,あるs yF(X)が存在し てyF(θ)(s) =u0 となる.このときs= [v, u] (c∈C, v ∈Xc, u∈F c)と書けば

yF(θ)(s) = [θc(v), u] = [idc0, Fc(v))(u)]

(10)

である.よってg:=θc(v) : c→c0と置けばF g(u) =u0 となり,g: hc, ui → hc0, u0i 射である.またθ がequalizerであるからf0◦g=f1◦gも分かる.

(2 =3) ここでは区別のため,米田埋込Cop SetCzと書く.z↓F = (1↓F)op だから(「コンマ圏」のPDFを参照),1↓F が余フィルター圏であるとするとz ↓F は フィルター圏である.

1 SetC

z↓F = Cz op = SetC

z id F

よってF = colim(z↓F →Cop −→z SetC)は表現可能関手のフィルター余極限である.

(3=1)フィルター圏Jと関手S:J →Copを使ってF = colim(J −→S Cop −→z SetC) と書けたとする.即ち

F = colim

jJ HomCop(−, Sj) = colim

jJ HomC(Sj,) である.yay1だからyは余極限と交換するので,補題6を使うと

yF =y colim

jJ HomC(Sj,)= colim

jJ y HomC(Sj,)= colim

jJ evSj

となる.evSj は極限と交換し,colimjJ は有限極限と交換する(命題5)から,yF も有 限極限と交換する.

9. C を小圏とするとき

colim : SetC Setが有限極限と交換する⇐⇒Cがフィルター圏

証明. 随伴colima∆ : SetC Setが成り立つから,普遍随伴によりF := colim◦yと 置けばcolim=yF である.

SetC

Cy op = Set

F colim

よって定理8から

colim : SetC Setが有限極限と交換する⇐⇒F が平坦

(11)

である.故に1↓F =Copを示せばよい.その為にはc∈ C に対してHomSet(1, F c)= 1,即ちF c∼= 1を示せばよい.c∈Cx∈Setに対して

HomSet(F c, x) = HomSet(colimy(c), x)∼= HomSetC(y(c),∆x)= ∆x(c) =x だからF c∼= 1である.

10. 平坦関手F: C Setは有限極限と交換する.圏C が有限完備ならば逆も成り 立つ.即ち有限極限と交換する関手F: C Setは平坦である.

証明. F: C Setが平坦ならばyyF が有限極限と交換するからF =yF ◦yも有 限極限と交換する.

Cb

C = Set

y

F yF

C が有限完備でF: C Setが有限極限と交換するならば,補題7により1↓F が余 フィルター圏だから,定理8よりF は平坦である.

11. a∈C に対してF := HomC(a,) : C Setは平坦関手である.

証明. 定理8 より1↓F が余フィルター圏であることを示せばよいが,1↓F は始対象 ha,idaiを持つから余フィルター圏である.

定理 12. C, Dを小圏として,C は有限完備とする.このとき

関手F: C →Dが有限極限と交換する⇐⇒F: Cb→Db が有限極限と交換する 証明. (=)F◦y =y◦F である.yFが有限極限と交換するから,y◦F =F◦y も有限極限と交換する.yは忠実充満だからF が有限極限と交換することが分かる.

(=) Cb の有限極限 limPi に対して F(limPi) = limFPi を示す.その為には 各 d D に対して F(limPi)(d) = (limFPi)(d) を示せばよい.(limFPi)(d) = lim(FPi(d))であるから F(limPi)(d) = lim(FPi(d)),即ちF()(d) : Cb Setが 有限極限と交換することを示せばよい.

(12)

P ∈Cbに対して,各点Kan拡張によりFP(d)= colimP ◦P0 である.

1 Dop

Fop↓d = CopFop Set

P FP d

P0

故に F()(d) = (Cb P

1

−−−→0 SetFopd −−−→colim Set) である.P0 a P0−1 だから P0−1 右随伴,よって極限と交換する.故にcolim : SetFopd Setが有限極限と交換する ことを示せばよい.その為には系 9 より,Fop ↓d がフィルター圏であればよいが,

Fop↓d= (d↓F)op だから,補題7より明らか.

13. Setでない場合,有限極限とフィルター余極限が交換できない場合がある.圏I を 順序集合Nを圏とみなしたものとして,J := ( 0 1 )とする.関手T: I ×J Top を定義する.即ち,Topの図式

T(0,1) T(1,1) T(2,1) · · ·

T(0,0) T(1,0) T(2,0) · · ·

k0 k1 k2

h0 h1 h2

f0 g0 f1 g1 f2 g2

を定義する.まずT(i,0) := [0,1/(i+ 1)]としてT(i,1) := (T(i,0)qT(i,0))/と置く.

ここでは同値関係であって,2つの0を同一視し,2つの1/(i+ 1)を同一視するもの である.(よってT(i,1)は位相的には円周になる.) そして標準的に得られる二つの単射 をfi, gi: T(i,0)→T(i,1)とする.次に関数hi: T(i,0)→T(i+ 1,0)を

hi(x) :=







x

0≤x≤ 1 i+ 2

1 i+ 2

1

i+ 2 < x≤ 1 i+ 1

で定義し,hiqhiから得られる射をki: T(i,1)→T(i+ 1,1)とする.

さ て ,X := {a, b} の 位 相 を {∅,{b}, X} に よ り 定 義 す る と colimiT(i,0) = X, colimiT(i,1)=Xであり,よってlimjcolimiT(i, j)=X が分かる.一方,limjT(i, j) は2点からなる離散位相空間なのでcolimilimjT(i, j)2点からなる離散位相空間であ る.故に

(13)

である.

系9の有限極限を有限直積に弱めることで,次の定義を得る.

定義. 小圏C がsifted ⇐⇒colim : SetC Setが有限直積と交換する 小圏C がcosifted ⇐⇒Cop がsifted

定義. 添え字圏がsiftedな余極限をsifted colimitという.

定義. C を小圏とする.関手F: C Setsifted flatとは,yF: Cb Setが有限直 積と交換することをいう.

系9によりフィルター圏はsiftedである.特に有限余完備な圏はsiftedである.

定義.C の図式a ←c →baからbへのspanという.双対的に,図式a →c←baからbへのcospanという.

定義. C を圏,a, b∈C を対象とする.aからbへのspanがなす圏Span(a, b)を以下の ように定める.

• Ob(Span(a, b)) :={hf, gi ∈Mor(C)2 |c∈C, a←−f c−→g b}

hf, gi,hf0, g0i ∈ Span(a, b)とする.c := dom(f),c0 := dom(f0)とする.hf, gi からhf0, g0iへの射は,次の図式を可換とする射h: c→c0 である.

a b

c0

c

f0 g0

f g

h

同様にしてcospanがなす圏Cospan(a, b)が以下のように定まる.

• Ob(Cospan(a, b)) :={hf, gi ∈Mor(C)2 |c∈C, a−→f c←−g b}

hf, gi,hf0, g0i ∈ Cospan(a, b)とする.c:= cod(f),c0 := cod(f0)とする.hf, gi

(14)

からhf0, g0iへの射は,次の図式を可換とする射h: c→c0 で定める.

c0

c

a f g b

f0 h g0

補題 14. 関手F: C Setsifted flatならば,任意のs, t∈1↓F に対して,1↓F おけるspanからなる圏Span(s, t)は連結である.

証明. まず定理8の=の証明により,あるhc, si ∈1↓Ffi: hc, si → hci, uiiが存在 することが分かる.故にSpan(hc0, u0i,hc1, u1i)6=0である.

次に二つの span hc0, u0i ←− hf0 c, ui −→ hf1 c1, u1ihc0, u0i ←− hf00 c0, u0i −→ hf10 c1, u1i を取る.この二つが zigzag で結ばれることを示そう.直積の普遍性から θ: y(c) y(c0)×y(c1),θ0: y(c0)→y(c0)×y(c1)が存在する.

y(c)

y(c0)×y(c1)

y(c0) y(c1)

y(f0) y(f1)

θ

y(c0)

y(c0)×y(c1)

y(c0) y(c1)

y(f00) y(f10)

θ0

定理8の=の証明と同様,次の図式を得る.

F c

yF(y(c0)×y(c1))

F c0×F c1

F c0 F c1

p0 p1

F f0 F f1

yF(θ)

h

F c0

yF(y(c0)×y(c1))

F c0×F c1

F c0 F c1

p0 p1

F f00 F f10

yF0)

h

(15)

故に

ui =F fi(u) = pi◦h◦yF(θ)

(u) =pi(h(yF(θ)(u))) u0i =F fi0(u0) = pi◦h◦yF0)

(u0) =pi(h(yF0)(u)))

を得る.よって集合の直積の定義から,h(yF(θ)(u)) =h(yF0)(u0))である.h が同 型だからyF(θ)(u) =yF0)(u0)を得る.同型F c∼= yF(y(c))はu 7−→[idc, u]で与 えられていたから,

yF(y(c))

yF(y(c0)×y(c1))

yF(y(c0)) yF(y(c1))

yF(y(f0)) yF(y(f1)) yF(θ)

[idc, u]

c(idc), u]

[f0, u] [f1, u]

で考えればθc(idc) = hf0, f1iとなることが分かる.同様にしてθc00(idc0) =hf00, f10iであ る.また[hf0, f1i, u] = yF(θ)(u) = yF0)(u0) = [hf00, f10i, u0]が分かる.これが成り 立つ為には,次の右側の可換図式とv0 ∈F d0,· · · , vn ∈F dnであって

u F c v0 F d0

v1 F d1 ... ... vn F dn

u0 F c0

F k0

F k1

F kn

c

d0

d1

c0 c1

... dn

c0

k0

k1

kn f0

f00

f1

f10

F k0(u) = v0, F k1(v1) = v0, F kn(u0) =vn となるものが存在しなければならない.こ れは圏1↓F における二つのspan hf0, f1ihf00, f10izigzagで結ばれることを意味す る.

(16)

命題 15. 小圏Cに対して以下の条件は同値.

(1) Cがsifted

(2) 任意のa, b∈Cに対してCospan(a, b)が連結 (3) 対角関手∆ : C →C×C がfinal

証明. (1 = 2)F := colim◦y: Cop Setと置く.

SetC

Cy op = Set

F colim

C がsiftedだからF はsifted flatである.一方1↓F = Cop であった.よって補題14 により,任意のa, b∈C に対してCospan(a, b)が連結であることが分かる.

(2 ⇐⇒ 3) ∆ : C C ×C を対角関手とすれば,a, b C に対して ha, bi ↓ ∆ = Cospan(a, b)である.よって「final⇐⇒任意のa, bに対してha, bi ↓が連結」( 伴関手定理のPDFで証明済)より明らか.

(2 = 1) 略

よって有限余直積を持つ圏はsiftedである.

双対を考えれば「小圏 C が cosifted ⇐⇒ 任意の a, b C に対して Span(a, b) が connected」である.

定理 16. 関手F: C Setに対して以下の条件は同値.

(1) F がsifted flat (2) 1↓F cosifted

(3) Fは表現可能関手のsifted colimitである.即ちsiftedな圏J と関手K:J →Cop が存在してF = colim(J −→K Cop −→y SetC)と書ける.

証明. (1 = 2)補題1より明らか.

(2 = 3) yy∼= id だから各点Kan拡張により 1 SetC

=

= y id F

(17)

F = yy(F)= colim(y↓F →Cop −→y SetC)であるが条件2よりy↓F = (1↓F)op は siftedである.

(3 = 1) siftedなJS: J Cop が存在してF = colim(J −→S Cop −→y SetC) = colim

jJ HomC(Sj,)と書けるとする.y ay1 だからyは余極限と交換し yF =y colim

j∈J HomC(Sj,)= colim

j∈J y HomC(Sj,)= colim

j∈J evSj

である.evSj は極限と交換し,colimj∈J は有限直積と交換するから,yF も有限直積と 交換する.

参考文献

[1] J. Adamek and J. Rosicky, On sifted colimits and generalized varieties, Theory and Applications of Categories, Vol. 8 (2001), No. 3, 33–53, http://www.tac.

mta.ca/tac/volumes/8/n3/8-03abs.html

[2] Francis Borceux, Handbook of Categorical Algebra: Volume 1, Cambridge Uni- versity Press (1994)

参照

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