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乳房X線写真における画像特性とコンピュータ支援診断システムに関する研究

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(1)

Title

乳房X線写真における画像特性とコンピュータ支援診断シ

ステムに関する研究( 本文(FULLTEXT) )

Author(s)

篠原, 範充

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第259号

Issue Date

2005-03-25

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1980

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

乳房Ⅹ線写真における

画像特性とコンピュータ支援診断システムに関する研究

StudiesonbasicimaglngPrOPertiesand

COmPuter-aideddiagnosissystemsinmammography

岐阜大学大学院工学研究科電子情報システム工学専攻

ElectronicandInformationSystemsEngineerlngDivision,

GraduateSchoolofEngineerlng,GifuUniversity

た沌‥博士(工学)甲夕草

き′、、′千丁亨`.誉寸_:博

「 L_

平成17年1月

January;2005

篠原

範充

NorimitsuShinohara

(3)

乳房Ⅹ線写真における

画像特性とコンピュータ支援診断システムに関する研究

篠原

範充

岐阜大学大学院

工学研究科

電子情報システム工学専攻

〒501・1193

岐阜県岐阜市柳戸1-1

TEL:058-230-6515,FAX:058-230-6514

E-mai1:[email protected]・u.aC.jp

指導教官:藤田康志

教授

要旨 本研究の目的は,乳房Ⅹ線写真におけるコンピュータ支援診断システムを開発し,そ の有効性を評価することである.本論文は6章で構成されている.第1章では,本研究 の背景と概要を述べる.第2章では,マンモグラムの特性曲線の測定法について提案す る.特別なステップウェッジを用いてブーツストラップ法によりマンモグラムの特性曲 線を作成する方法を述べる.第3章では,マンモグラムCADシステムにおける微小石 灰化像の検出法について述べる.淡い微小石灰化像を検出することを目的とし,高次局 所自己相関特徴を用いたパターン認識法を提案する.第4章では,マンモグラムCADシ ステムにおける微小石灰化像の良悪性鑑別法について述べる.微小石灰化クラスタの良 悪性鑑別にサンプリング間隔が50〟椚の画像を使用することを試み,それらの画像を効 率的かつ精度よく解析を行う手法を提案する.第5章では,医師の読影講習会で用いら れた200枚のマンモグラムに対しての142人の医師の読影結果とCADシステムの検出 結果について述べる.ここでは,腫癌陰影と微′ト石灰化クラスタにおけるCADシステ ムの潜在的な有効性について明らかにする.最後に,第6章では本研究のまとめを述べ る. 紗

(4)

StudiesonbasicimaglngPrOPertiesand

COmputer-aideddiagnosis8yStem8inmammography

NorimitsuSHINOHARA

ElectronicandInformationSystemsEnglneeringDivision,

GraduateSchoolofEngineerlng,GifuUniversity

%nagidol-1,Gifu501-1193,Japan

TEL:058・230-6515,EAX:058-230・6514

E-mail:[email protected]

Thesisadviser:ProfessorHiroshiFUJITA Abstract Thepurposeofthisthesisistodevelopandevaluateacomputer-aideddiagnosis (CAD)systemformammogram$.Thispaperconsistsofsixchapters.Chapterldescribes thebackgroundandoverviewofthisstudy.Chapter2proposesthemeasurementmethod Ofthecharacteristiccurveformammographicscreen・Ⅲmsystem.Wedescribeaboot-StrapmethodbyuseofspecificstepwedgeforcharacteristiccurveinmammographylTb detectverysubtlemicrocalcifications,aneWdetectionmethodbypatternrecognition methodusmgthehigher・Orderautocorrelationfeaturesisproposedinchapter3.Chapter 4proposesatechniqueofclassifyingclusteredmicrocalcificationsusinghigh・reSOlution digitalimagesformammograms.Tbclassifysubtleandsmallmicrocalcifications,thede・ tectionmethodbyhigh・reSOlutiondigitalimagesincludingnoisereductionprocessing basedonsmoothingtechniqueareproposed.Chapter5demonstratesthepotentiale飴c・ tivenessofthesystemindetectingmassesandclusteredmicrocalcificationsbycompar・ ing142doctors'andtheCADsystem'sdetectionresultswith200mammogramsfromlOO patientsemployedindoctors'shorttrainingcourse.Finally;Chapter6summarizesanof thesestudies. (抄

(5)

第1章

1.1 はじめに 1.2 CADシステム 1.3 乳がん検診の現状 1.4 本論文の目的と構成 参考文献

第2章

リン酸カルシウムステップウェッジを用いたブートスト

ラップ法によるマンモグラフィ特性曲線の測定

2.1緒言 2.2 実験 2.3 結果と考察 2.4 結言 参考文献

第3章

乳房Ⅹ線写真における高次局所自己相関特徴を用いた

微小石灰化像の自動検出システムの開発

3.1緒言 3.2 方法 3.3 結果 3.4 考察 3.5 結言 参考文献 血) 1 1 1 2 2 3 6 6 7 10 u 11 2 3 0 2 6 7 1 1 2 2 2 2

(6)

第4章

高解像度乳房Ⅹ線写真を利用した微小石灰化像の

良悪性鑑別に関する研究

4.1緒言 4.2 方法 4.3 結果 4.4 考察 4.5 結言 参考文献

第5章

マンモグラム読影における医師とCADシステムの

検出性能の比較検討

5.1緒言 5.2 方法 5.3 結果 5.4 考察 5.5 結言 参考文献

第6章

謝辞

論文で用いた論文リスト

研究業績

㈲ 9 0 4 5 9 9 2 3 3 3 3 3 l 1 4 0 1 1 4 4 4 5 5 5

(7)

第1章

(8)

g/.声 崩/

第1章

1.1 はじめに レントゲンにより1895年にⅩ線が発見されてから,これらを用いて得られる 画像は現在の画像診断に大きく寄与している.これまで,医用画像は増感糸氏と フイルムを用いたアナログ画像が主流であった.しかし,現在は乳房Ⅹ線写真を 除いて,アナログ画像からディジタル画像に移行しつつある. 近年におけるディジタル技術の進歩は目覚しいものがあり,医学分野において も広く応用されるようになってきた.医療におけるディジタル画像は,コン ビューテッドラジオグラフイ(ComputedRadiography:CR),Ⅹ線平面検出器, コンピュータ断層(ComputedTbmography:CT)装置,核医学診断装置に代表 されるⅩ線を利用した画像に加えて,超音波装置,磁気共鳴画像(Magnetic Resonancelmaging:MRI)装置などその種類は多岐にわたっている.これらの 医用画像は,撮像法により様々な特徴を持っている.CTやMRIは,2次元画像 だけでなく3次元の情報が取得できるようになり,病変の位置や形状が明らかに なった.X線平面検出器,超音波装置では,静止画のみならず動画像が取得でき るようになった.さらに,核医学診断装置やMRIによって病態や病変の広がり に関する情報が得られるようになった.それに伴い,診断における画像への依存 度は高まっており,その量はさらに増大することが予想される. 1.2 CADシステム CADシステムの主な目的は,2つある. 1つ目は,コンピュータにより自動検出した病変部を医師に提示することによ り見落とし症例を減少させることである. 2つ目は,コンピュータにより画像の定量的な特徴量を示し,良悪性鑑別のよ うな医師による主観的な診断のバラツキを少なくすることである.また,現在の 医療現場医においてもコンピュータの高速な処理能力を用いて表示及び作業を効 率化することが行われており,これらも広義のCADといえる. がんを早期発見するための有力な手段として集団検診があり,すでに多くの部 位で画像診断が導入されている.医師は,大量の正常な画像から短時間で効率よ く,ごくわずかの異常画像を発見することが要求される.そのため,疲労による 注意力の低下や経験の浅い医師が診断する場合に病変を見落とす可能性がある.

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ク 茅/青 線穿 よって,コンピュータ解析により画像上にある病変部の位置や定量評価を医師に 提示するコンピュータ支援診断(Computer・aidedDiagnosis:CAD)システムが 要望され,これまで多くの報告が行われてきた[1・13]. CADシステムに関する研究は,1985年ころから始まっており,その研究対象 は乳房Ⅹ線写真(マンモグラム)[14・18],胸部Ⅹ線写真[19・21],胸部CT画 像[22-24],頭部MRI画像[25・27]などが行われている.米国のR2恥cbnolo訂 社が世界で最初にFDA(米国食品医薬品局)の認可を得て1998年に商品化に成功 している[28]. 1.3 乳がん検診の現状 乳がん羅患率の増加は世界的傾向にあり,欧米諸国では乳がん検出のための信 頼性ある画像診断法として乳がん検診にマンモグラムが用いられている.本邦に おいても羅患率は増加傾向にあり,平成11年には女性のがんの第1位になってい る.厚生省(現 厚生労働省)からの通達[29]によって50歳以上の女性に対 しては,視触診とマンモグラムを併用した検診が原則化された.これにより,乳 がん検診にマンモグラムを導入する自治体が急増している. 本邦において精度の高い乳がん検診を目指し,1998年に物理,医学,工学など の6学会より構成されるマンモグラフィ検診精度管理中央委員会が設立された. マンモグラムは,他の部位のⅩ線写真に比べて撮影および診断を行うことが大変 困難である.そのため,マンモグラフィ検診精度管理中央委員会は,読影講習会 を全国各地で開催して読影医の増加を試みている.また,マンモグラムを撮影す る機器管理と撮影線量を含めた品質管理を確立することを目的に技術講習会も 行っている.2004年にはNPO法人となり,その活動はますます広がりを見せて いる.しかし,いまだに読影医は不足しており,乳がんの見落とし率は約30%も あるという報告もある[30].そのため,読影補助を目的とするCADシステムへ の要望が大きくなっている. 1.4 本論文の目的と構成 本研究では,乳房Ⅹ線写真に対して,工学的な画像認識や画像処理を適用した コンピュータ支援診断システムを提案し,その有効性を評価することである. 本論文では,マンモグラムの画像特性で最も重要である特性曲線の作成法につ いて述べる.また,マンモグラムの微小石灰化像の自動検出処理およびその良悪

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夢/卓 樹 ∫ 性鑑別と,すでに開発が進んでいるマンモグラムCADシステムの臨床における 有用性について述べる. まず第1章では,本研究の背景および目的について述べ,CAD分野における本 論文の位置づけを明確にする. 第2章では,マンモグラムの特性曲線の測定法について述べる.マンモグラム は,現在も多くの施設でフイルムを最終出力としている.特性曲線の測定は,画

像解析,画像評価を行う際には,必ず測定する必要がある.しかし,撮影条件と

装置の構造上,測定することが困難である.そのため,新たに開発したリン酸カ ルシウムステップウェッジを用いてマンモグラムの特性曲線を作成する方法を述 べる. 第3章では,マンモグラムCADシステムにおける微小石灰化像の検出法につ いて述べる.これまで微小石灰化像を検出するための3重リングフィルタを考案 し,その基本的なシステムはほぼ完成している.しかし,我々のシステムにおい て淡い微小石灰化を検出することは困難である.ここでは,淡い微小石灰化像を 検出することを目的とし,高次局所自己相関特徴を用いたパターン認識法を提案 する.さらに,この手法をこれまでのシステムに組み込み,その具体的な性能に ついて記述する.

第4章では,マンモグラムCAD㌢ステムにおける微小石灰化像の良悪性鑑別

法について述べる.微小石灰化クラスタの良悪性鑑別にサンプリング間隔が 50〟椚の画像を使用することを試み,それらの画像を効率的かつ精度よく解析を 行う手法を提案する.この画像は従来の画像よりも淡く細かい微小石灰化像を認 識できるが,同時に雑音も増大する.ここでは,前処理として信号対雑音比を効 果的に改善するフィルタについて検討し,その具体的な性能について記述する. 第5章では,これまで我々が開発を行ってきたマンモグラムCADシステムが, 実際の臨床において有用であるかを検討した結果について述べる.ここでは,医 師が,フイルムのみで読影を行った結果とCADシステムを参考にして読影した 場合の検出性能を評価した結果について述べる.これらの実験により,医師が検 出する病変とCADシステムが検出する病変の関係が明らかになる. そして,第6章で本論文の結論を述べる. 参考文献 【1】鳥脇純一郎,舘野之男,飯沼 武編:医用Ⅹ線画像のコンピュータ診断,シュプリ ンガー・フェアラーク東京,1994. 【2】特集:CAD元年(1998inUSA),INNEmSION,14(10),2-82,1999.

(11)

イ 茅/卓 櫛 【3】特集:次世代医用画像技術,電子情報通信学会論文誌,J83・ひⅡ(1),3-429,2000. 【4】CAD技術論文特集号,日本放射線技術学会雑誌,56(3),318-509,2000. 【5]藤田広志:マンモグラフィCADシステムの現状(特集論文/CAD最前線),Med. Imag.Tbch.,21(1),27・33,2003. 【6】藤田広志:マンモグラフィCADの基礎からその現状と将来まで,関西乳房画像研究 会会誌,1,1・8,2003. 【7】藤田広志:コンピュータ支援診断(CAD)の最新情報とその将来,医学物理,23 (1),1-24,2003. 【8】藤田広志:医用画像のためのコンピュータ支援診断システムの開発の現状と将来 (解説),日本写真学会雑誌,66(5),484・490,2003. 【9】藤田広志:コンピュータ支援診断(CAD)研究一過去から未来へ-(宿題報告), 日本放射線技術学会雑誌,59(11),1327・1337,2003. 【10】CAD最前線特集号,医用画像情報学会雑誌,21(1),6・158,2004. 【11】藤田広志:医療の現場で-コンピュータ支援画像診断-,小特集:画像処理の最前 線,映像情報メディア学会誌,58(7),893-897,2004. 【12】藤田広志:乳がん先端画像診断-コンピュータ支援診断(CAD)の現状と将来-, VR医学,3(1),5・12,2004. 【13】特集:CAD最前線(CAD2004)INNERVISION,19(10),1-63,2004. 【14】藤田広志:マンモグラフィにおけるコンピュータ支援診断の現状と将来,日本乳癌 検診学会誌,8(2),93・105,1999. 【15]松原友子,藤田広志:乳癌画像検診のためのCAD,日本放射線技術学会雑誌,56 (3),324・331,2000. 【16】′ト畑秀文:マンモグラフィCADシステム一束京農工大学開発のデジタルマンモグ ラフィCADシステムー,INNERVISION,14(10),26・29,1999. 【17】藤田広志:コンピュータ支援診断一魅力と課題-:マンモグラフィCAD開発の技 術的な立場から,日本放射線技術学会雑誌,59(11),1347・1349,2003. 【18】藤田広志:マンモグラフィのCADシステム(特集:乳がん検診とマンモグラフイ), 新医療,30(12),145・148,2003. 【19】桂川茂彦,土井邦雄:胸部単純Ⅹ線写真のCADシステムー胸部単純Ⅹ線写真にお けるCADの開発-,INNERVISION,14(10),40-43,1999. 【20】加野亜紀子,池添潤平,安原美文,他:胸部集団検診Ⅹ線写真画像を対象とした経 時差分処理における新しい重ね合わせ法,電子情報通信学会論文誌,J83-D-Ⅱ(1), 263-270,2000. 【21]白石順二:胸部単純Ⅹ線写真における結節状陰影の検出および良悪性鑑別のCAD, INNEⅣmSION,19(10),26・30,2004. 【22】江 浩,増藤信明,西村 修,他:肺がん検診用Ⅹ線写真CT像の計算機支援画像 診断システム,電子情報通信学会論文誌,J83-D・Ⅱ(1),333-341,2000.

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芳J卓 慮J 【23】桂川茂彦:胸部Ⅹ線CT像のCAD,医用画像情報学会雑誌,21(1),47・49,2004. 【24】山本眞司:胸部疾患におけるCT画像のCAD,INN官RVほION,19(10),38・39, 2004. 【25】横山龍二郎,李 鉾範,原 武史,他:脳MR画像におけるラクナ梗塞領域の自動 検出,日本放射線技術学会雑誌,58(3),399-405,2002. 【26】林 則夫,真田 茂,鈴木正行,他:モルフォロジー処理を利用した頭部MR画像 における小脳および脳幹部の自動抽出法,医用画像情報学会雑誌,21(1),109-115, 2004. 【27】有村秀孝:頭部MRAにおける脳動脈壇検出のCAI)システム,INNEmSION, 19(10),22・25,2004. 【28】藤田広志:マンモグラフィCADシステムの現状,Med.Imag.Tbch.,21(1),27・ 33,2003. 【29】厚生省老人保健福祉局:がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針とが ん検診実施上の留意事項,2000. 【30】長谷川 玲:世界で始めて商品化されたマンモグラフィ用CAD-ImageChecker -,日本放射線技術学会雑誌,56(3),355ニ356,2000.

(13)

第2章

リン酸カルシウムステップウェッジを用いた

(14)

屠ク卓 ステップウェッジ善用rいた好度盛綬のj欺夢 β

第2章

リン酸カルシウムステップウェッジを用いたブートストラッ

プ法によるマンモグラフィ特性曲線の測定

2.1緒言 乳がん篠患率の増加は世界的傾向にあり,欧米諸国では乳がん検出のための信 頼性ある画像診断法として乳がん検診にマンモグラフィが用いられている.わが 国においても,厚生省(現 厚生労働省)からの通達により,平成12年度から 乳がん検診にマンモグラフィを導入する自治体が急増している.そのため,マン モグラフィの精度管理と撮影線量を含めた品質管理を確立することが必須である. マンモグラフィは,現在,フイルムを最終出力としており,入力であるⅩ線の 強度と出力である写真濃度との関係は非線形である.この入出力特性の関係を表 しているのがフイルムの特性曲線である.特性曲線は,入出力の関係だけでなく, 現像条件なども反映するため,画像解析,画像評価を行う際には,必ず特性曲線 を測定する必要がある. 一般に,フイルムシステムの特性曲線の作成には,距離の逆2乗則を利用した 強度スケール(intensityscale)法が用いられる.しかし,マンモグラフィ装置 では構造上この方法が困難である.丸山[1]らは,距離法による特性曲線の作 成を報告している.この論文では,低エネルギー領域のⅩ線では距離の逆2乗則 が空気の吸収により成立しない.そのため,各露光距離で線量測定を行うことに よって,相対Ⅹ線量(横軸)を算出している.しかし,この場合,空気の吸収に より線質が連続的に変化し,特性曲線の精度への影響が懸念される[2,3].一方, 朝原ら[4,5]は,通常センシトメトリに用いられている線質(80kV)で特性曲 線の作成を提案しているが,臨床における線質で作成した特性曲線とは若干異な る結果となっている.また,マンモグラフィ装置の構造上の理由から,多くの研 究者によって時間スケール(timescale)法による作成法も用いられている[6]. しかし,相反則不軌に起因する特性曲線の形状変化が問題になり,使用に関して は測定精度が問題となる. そこで,マンモグラフィ装置の構造上,倍数露光によるブートストラップ法が 適切であると考える.本研究では,堀田らが画質管理を目的に開発したリン酸カ ルシウムステップウェッジ(以下,ステップウェッジ)[7]を応用して,ブート ストラップ法によるマンモグラフィ増感紙-フイルム系の特性曲線の作成を試み た.本論文では,その初期の結果について報告する.

(15)

7 男Z章 ステップウェッジをJ宥いた繹虔曲#の一常定 (d 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (b) Fig・2・1PhotographofastepwedgemadefromcalciumphosphatewithlO StepSOfdi蝕rentdensitiesin(a)andit畠radiographin(b). 2.2 実 験 ステップウェッジの概観をFig.2.1(a)に示す.このステップウェッジ[7]は, Ⅹ線吸収を変化させるために10段からなっており,各段の材質の密度を変化させ ている・材質は,1段目がウレタン樹脂(1.061g/cm3),2段目以降にはリン酸カ ルシウムを加えて密度が0.0243g/cm3ずつ増加するように作られている.実験に 用いたマンモグラフィ撮影装置はDMR(Mo/Mo)(GE社製),撮影条件は,管 電圧25kV∼32kV間を1kV間隔で変化させ,mAs値は,20mAs∼100nAs 間を20mAs間隔で変化させた.増感紙-フイルムは,Min・R-Min-R(Kodak 社製)である.自動現像機は,Miniloader2000P(Eodak社製)で,現像温度 36.8℃,処理時間は150秒である.管電圧を27kV,mAs値を60mAsで撮影し たステップウェッジ像をFig.2.1(b)に示す. ブートストラップ法にもいくつかの方法があるが,今回,コダック社が発表し たアルミニウムステップウェッジを用いたステップウェッジブートストラップ法

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粛∫卓 ステップウェッジぎ月rいた好免甜の劇好 β [8]に基づいて実験を行った.実験では,同一管電圧,同一mAs値の試料を5枚 ずつ作成し,その平均を各ステップの濃度(以下,平均濃度)とした.倍数露光 比は,20mAsに対して40mAsと80mAs,40mAsに対して80mAsの3パターン を使用した.これらを用いて,20mAsの1段目の平均濃度を相対露光量の対数値 0とする特性曲線と,40mAsの1段目の平均濃度を相対露光量の対数値0とする 特性曲線を2本作成した.続いて,相対露光量(横軸)に沿って各曲線が重なる ように平行にシフトして,2本の曲線の平均を取りこれを最終的な特性曲線とし た.管電圧25kV∼32kVにおいて同様の実験を行い,8本の特性曲線を作成をし た, 2.3 結果と考察 20mAsで一定にしたとき,管電圧の相違による各ステップと平均濃度の関係を Fig.2.2に示す.管電圧が大きくなるにつれ受光量(線量)が増加するため曲線 は左方向にシフトするが,曲線の形状の変化は認められない.他のmAs値につ いても同様の傾向が見られた. 管電圧を27kV一定のとき,mAs値の相違による各ステップと平均濃度の関係 をFig.2.3に示す.mAs値が大きくなるにつれ曲線は左方向にシフトするが,曲 4.0 3.5 3.0 ゝ2・5 ごヒ 22.O q〉 ⊂】 1.5 1.0 0.5 0.0 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 StepNumber Fig.2,2Therelationsbetweendensityandstepn11mberat20mAs払r eightkVsettings.

(17)

ク 屡孝 ステップウェッジぎノ労いた#柳腰 4.0 3.5 3.0 >2・5 土!

芸2・0

⊂】 1.5 1.0 0.5 0.0 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 St8PNumber Fig.2.3Therelationsbetweendensityandstepnumberat27kVforfive血 Settings. 線の形状の変化は認められない.他の管電圧についても同様の傾向が見られた. 続いて,ブートストラップ法によって,各管電圧での特性曲線を作成した. 27kV,29kV,31kVにおける特性曲線をFig.2.4(a)に示す.管電圧が変化する ことによって,特性曲線の形状の変化を検討するために,相対露光量(横軸)に 沿って各曲線が重なるようにシフトさせた特性曲線をFig.2.4(b)に示す.各管 電圧で特性曲線は,多少バラツキがあるものの,管電圧依存性がない(形状が同 一)ものと考えられる. 管電圧,mAs値の条件によっては,10段のステップウェッジで特性曲線全体 をカバーできる十分な濃度の値が得られないものがある.このような場合には, 2本の特性曲線を合成するときに少ない点数で特性曲線を作成する必要がある. そのため,特性曲線を作成するときに誤差発生の要因となり,各管電圧での特性 曲線に多少のバラツキがあったと考えられる.特性曲線の作成は,すべての管電 圧で同様の倍数露光条件を用いて行ったが,管電圧の変化に伴い適切な倍数露光 条件を選択する必要がある.また,管電圧,mAs値が変化しても,広い濃度域で より多くの点数をとることができるステップウェッジを用いる検討が必要である. このステップウェッジでは隣り合う段の密度の差を0.0243g/cm3としているが, 密度の差をより小さくして段数を多くすることにより,さらに正確な特性曲線の 作成が可能になる. 本実験はまだ初期の結果であるが,マンモグラフィの画質管理用に開発された

(18)

屠7卓= ステップウェッジぎノ好いた#晶紳の劇定/♂ 0.0 0.5 1.0 1.5 2.O LogRelativeExposure (a) 4.0 3.5 3.0 >2・5 土ご 竺2.0 」p ⊂】 1.5 1.0 0.5 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.O LogReIativeExposure (b) Fig・2・4Characteristiccurvesforthreedi飽rentkVsettingschangedfrom27kV to31kVOriginalcurveSShownin(a)arerelativelyshiftedtocompare thecuⅣeShapeasshownin(b). ステップウェッジを利用することにより,マンモグラフィ増感紙-フイルム系の 特性曲線の簡便な作成が可能であることを示した.今回の実験では,十分な線量 測定を行い,平均濃度をとることによって,マンモグラフィ装置のⅩ線出力の変 動による影響がないものとしたが,線量や線質をより考慮した実験を行う必要が ある.さらに,マンモグラフィ装置では,ヒール効果の影響を考慮することが求

(19)

//屠之声 ステップウェッジ首席■いた好館曲皮の劇定 められるが,本実験で用いたステップウェッジにおけるこの効果についても,検 討が必要である. 2.4 緒言 リン酸カルシウムの密度を変化させたステップウェッジを応用したブートスト ラップ法によって,マンモグラフィ増感紙-フイルム系の特性曲線を作成する手 法を提案した. 本実験はまだ初期の結果であるが,マンモグラフィ増感紙-フイルム系の特性曲 線の作成に有効な方法であることを確認した.今後,その精度を検討するため, さらなる実験が必要であると考える.このステップウェッジを用いることにより, 施設間でのマンモグラフィの画質管理ができると同時に,簡便な特性曲線の作成 も可能となる.なお,本ステップウェッジは,マンモグラフィCAD(コンピュー タ支援診断)システムの性能向上の手段にも有用である[9]. 参考文献 【1】丸山敏則,後藤佐知子,東 義晴,他:マンモグラフィ用フイルムにおけるextended・ CyCleprocessの応用一括出能向上への効果-,日本放射線技術学会雑誌,56(11), 1339-1347,2000. 【2】天野貴司,荒尾真一,北山 彰,他:乳房撮影システムにおける特性曲線の作成(距 離法)Ⅰ実効エネルギー換算による空気減弱補正の技術的諸問題,日本放射線技術 学会雑誌,53(7),932,1997. 【3】武下正憲,中島 直,蓬莱忠志,他:乳房撮影エネルギー領域におけるセンシトメ トリ(距離逆2乗法)の空気吸収について,日本放射線技術学会雑誌,54(1),164, 1998. 【4】朝原正喜,星川敦司,東田善治,他:乳房撮影用フイルムにおける写真特性と現像 条件に関する実験的研究,日本乳癌検診学会誌,9(2),237-245,2000. 【5】東田善治,朝原正喜,鈴木隆二,他:学術調査研究班報告 乳房診断における画像 検出器の特性,日本放射線技術学会雑誌,56(11),1298・1305,2000. 【6】朝原正喜:マンモ用増感紙フイルムシステムの物理特性,画像通信(日本放射線技 術学会・画像分科会),22(2)10-11,1999. 【7]大橋良夫,堀田勝平,梶原和則,他:試作チャートによる乳腺組織線量の検討,日 本放射線技術学会雑誌,55(9),839,1999. 【8】小寺吉衛 編著:放射線受光系の特性曲線,p.p.164・174,医療科学社,東京,1994. 【9】TIHara,A.%mada,N.Shinohara,etal.:Contrastcorrectionmethodfor detectingmicrocalcificationsonmammogramsbyusingstepwedgeindex,Proc. Ofthe15thInternationalCongressandExhibitionCARS2001,533-537,2001.

(20)

第3章

乳房Ⅹ線写真における高次局所自己相関特徴を用いた

微小石灰化像の自動検出システムの開発

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芽∫書 房次局靡き己脚虞を用rいたβ彪紺システム 〝

第3章

乳房Ⅹ線写真における高次局所自己相関特徴を用いた

微小石灰化像の自動検出システムの開発

3.1緒言 近年,生活様式の欧米化に伴い,我が国における乳がんの篠患率は増加傾向に あり,すでに女性におけるがん篠患率の第1位となっている.この早期発見のた

め,視触診や乳房Ⅹ線専真による診断が行われている.欧米諸国では乳がん検出

のための信頼性ある画像診断法として検診に乳房Ⅹ線写真が用いられている.わ が国においても,厚生省(現 厚生労働省)からの通達[1]により,平成13年 度から乳がん検診に乳房Ⅹ線写真を導入する自治体が急増している.それに伴 い,乳房Ⅹ線写真の読影を行う医師への負担増加が予想され,見落としや主観的 判断による思い違いの増加が懸念される.われわれはこの問題への対策として, 画像診断の補助的な役割を担うコンピュータ支援診断(CAD:Computer・血ded Diagnosis)システムの開発を行ってきた[2,3].乳がんにおける重要な所見は, 腫癌陰影と微小石灰化クラスタの2つに分けられ,どちらも基本的な検出システ ムはほぼ完成させている[4・7]. われわれ以外にも,いくつかのグループによって微小石灰化クラスタを検出する 研究が行われている.奥野らによるモルフォロジー解析に基づく検出法[8], NishikawaらによるMatchedFilterを用いた検出法[9],Stricklandらによる ウェーブレット変換を用いた方法[10]などが提案されている. また,現在乳房Ⅹ線写真専用CADシステムは,研究段階から実用段階に入りは じめている.米国ではR2Tbchnology社が世界で最初にFDA(米国食品医薬品局 )の認可を得て1998年に商品化に成功している[11].その後,さらに二つの企 業がFDAの承認を取得し商用化している[12]. ここで,微小石灰化像の特徴には,周りの濃度値と比べて画素値が高い性質と, その濃度勾配は中心に向かってほぼ一定に画素値が低下する性質とがある.その ため,微小石灰化像は逆円錐構造であると仮定することができる.これまで,わ れわれは,この濃度勾配の方向と強度に着目した3重リングフィルタを提案して きた[6].ここでの処理手順は大まかに3つに分けられる.まず,3重リングフィ ルタによる検出処理と特徴量による偽陽性削除処理,さらに微小石灰化像候補か らそれらが比較的集まった領域である微小石灰化クラスタ領域を決定する処理で ある.システムの検出性能を評価するには,この微小石灰化クラスタ領域単位で 行われる.

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/∫ 磨ほ芦 屋為最屏β己脚好き用■いた耽システム われわれは,これまでにこの微小石灰化クラスタ検出システムについて138症例 267枚を用いて検出性能の評価を行ってきた.しかし,いくつか特有の症例が検 出できないことが分かった.それらは,微小石灰化クラスタを構成する微小石灰 化像のコントラストが淡い,形状が線状であるなどの特徴を持っているため,円 錐構造を仮定して開発した3重リングフィルタの構造に適していなかったためで ある.ここで淡い微小石灰化像とは,直径3ピクセル以下でコントラストが低い 微小石灰化像を示す.コントラストは,信号(微小石灰化像)の最小画素値と信 号周辺における平均画素値との差で定義した.3重リングフィルタで検出できる 微小石灰化像は,コントラストが300以上(光学濃度で約0.3の差)であるのに 対して,淡い微小石灰化像は,コントラストが約200程度(光学濃度で約0.2の 差)である.これらの微小石灰化像は,従来の検出システムの闇値を調整するこ とによって検出できる可能性はあるが,それに伴う偽陽性の増加が懸念される. よって,本研究では,それら淡い微小石灰化像に特化した新たな自動検出法とし て,画像認識の分野では広く用いられている高次局所自己相関特徴を用いた検出 法[13]を提案する.高次局所自己相関特徴を用いた画像認識の適応例には,大 ′ト2種類の粒子の同時計測[14],既知対象による入力画面の計数[14],顔画像 の認識[14・16]などがあるが,医用画像に適用した例は筆者の知る限りほとん どない[17].本論文では,微小石灰化像からこれまでに開発してきた3重リン グフィルタによる手法と高次局所自己相関特徴から算出される特徴量を組み合わ せ,それらの特徴量に対して重回帰分析によって学習を行う手法について説明し, その初期の実験結果について報告する. 3.2 方法 本実験では,医師により微小石灰化像の正確な位置を把握する.それを基に微 小石灰化像と正常画像の特徴量を抽出する.その後,重回帰分析による学習と認 識を行う.学習とは特徴量を重回帰分析に代入し,重回帰式を算出することであ る.認識とは,学習により算出された重回帰式を使って,未知画像が微小石灰化 像であるかを判定することである. 3.2.1画像と検出対象の決定 医師により検出することが必要な微′j、石灰化像をチェックする.この作業を行 うことにより正確に微小石灰化像と正常画像を区別し,従来法で検出することが できていない微小石灰化の位置を把握することができる.

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g∫登 点次序屏β三脚度ぎ月rいたβ劇財システム/イ Fig.3,1HighLuminanceDisplay8for MedicalImaging. 3息1.1対象画像 対象画像は,スクリーン/フイルム系を用いて数施設で撮影されたMLO (MediolateralOblique)方r6],CC(Craniocaudal)方向の乳房Ⅹ線写真38枚 を使用した.19枚は,検診施設で撮影された症例(以下,データベースA)であ る.また,残りの19枚は精査機関において撮影された症例(データベースB)で ある.症例は,マンモグラフィガイドライン[18]に記載されている微′ト石灰化 像の形状および分布ができるだけ多く含まれるように選択した. 選択した乳房Ⅹ線写真は,レーザーディジタイザ(Eonica製,LD・5500)を用い てサンプリング間隔50ノ朗,濃度分解能12bit,濃度レンジ0.0,4.0でディジタ ル化した(以下,ディジタル画像), 3.2.1.2 微小石灰化像の指摘 学習,認識を行うために,微小石灰化像とノイズ成分を区別し,微小石灰化像の 正確な位置を把握する必要がある.そのため,ディジタル画像から,医師が1個 1個の微小石灰化像を抽出した. ディジタル画像を高輝度モニタに表示する(Fig.3.1).医師が,乳房Ⅹ線写真 上で微小石灰化像の位置を指摘し,その位置を高輝度モニタ上でプロットした. この作業を1個1個の微小石灰化像に対して繰り返す. データベースAから584偶の微小石灰化像の位置を得た.また,データベース

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げ 弟蓉 点次局屏β己脚身ぎ眉■いた貞拙システム Fig.3.20verallschemefordetectingclusteredmicrocalci丘cation. Thble3.1Performanceofcurrentmethodintwodatabases. No.ofMicrocalcification No.ofDetection TPR(%) DatabaseA 584 430 73.6 DatabaseB 1495 1298 86.8 Tbta1 2079 1728 83.1 Bから1495個の微小石灰化像の位置を得た. 3.2.1.3 検出対象の選択 Fig.3.2に従来の微小石灰化クラスタ検出システムの流れを示す.われわれの 微小石灰化クラスタ検出システムは,50mm2領域内に3個以上の微小石灰化像が 存在する場合に微小石灰化クラスタ領域であると判断する.仮に10個の微小石 灰化像で構成されている微小石灰化クラスタの場合,少なくともそのうち3個の 微小石灰化像が検出できれば微小石灰化クラスタとして認識が可能である.しか し,検出率と検出後の良悪性鑑別率を向上させるためには,より正確に微小石灰 化像を認識することが重要である. Table3.1に従来の3重リングフィルタ解析を用いた微小石灰化像の検出性能 を示す.データベースAのTPR(TruePositiveRate:真陽性率)は73%であっ た.また,データベースBのTPRは87%であった.全体のTPRは83%となり,

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厨∫卓」爵炭層屏β三脚許否用いた島影細システム/♂ (a) (b) (c) (d) Fig・3・3(a)・(c):Featureextraction丘1tercomposedofthreesub・ring負1ters WithdifEbrentdiameters.(d):Atriple・ringfi1tershownwithbasic VeCtOrpatternS. 2079個のうち351個が従来法では検出できなかった.このように従来法では検 出できなかった微小石灰化像を本実験の検出対象とした. 3.2.2 特徴量 使用する特徴量は,3重リングフィルタより得られる8個,高次局所自己相関 特徴より得られる35個,局所領域の平均画素値と分散の計45個である.特徴量 算出方法は以下に示す. 3.2.2.13重リングフィルタ 3重リングフィルタに関しては,すでに論文[6,7]にて報告しているため,こ こでは3重リングフィルタの特徴量についてのみ説明する.3重リングフィルタ はFig.3.3(a)∼(c)に示すように大きさの異なる3枚のリング状のサブフィル タで構成されており,小さい方からFilterA,FilterB,FilterCと呼ぶ.それ ぞれの直径は,3,5,7画素である.Fig.3.3(d)は,これら3枚のフィルタに, 微小石灰化像の基本となる円錐形のベクトルパターンを重ね合わせたものである. 円錐形のベクトルパターンとフィルタ内のベクトルパターンとを比較し,サブ フィルタごとにべクトルの方向特徴量と強度特徴量を計算する.3重リングフィ ルタの特徴量は,FilterA,FilterA+B,FilterB+C,FilterA+B+Cの それぞれの方向特徴量と強度特徴量の計8個を用いる. 3.2.2.2 局所領域の特徴量 乳がんに随伴する微′ト石灰化像の大きさは,約0.75mm以下の微細なものが多

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/7 磨輝J茅次局屏β己削ぎ用いた励システム

裡了軋14軋21性28裡35

観6耳13醒2曲違背

耳5葡12観19葡26観ココ

醒4裡=亜柑裡25葡32

郵蘭1。親日諌24載31

裡2葡9躁16観23性3。

耳1♯8鞋15甘22簡29

Fig.3.4Agrayscaleimageprocures35localfeature'spatternsfromhigher・ Orderautocorrelationfeaturesexcludingthesamepatternsby translationoperation. く[19],今回使用した乳房Ⅹ線画像上では,8画素以下のきわめて微小な信号 である.そこで,像のボケを考慮して関心領域(regionofinterest:ROI)のサ イズを9×9および13×13として予備実験を行った結果,性能に変化はなかっ た.そのため,ROIの大きさは,背景成分の割合が少ない9×9画素に決めた. これらの領域の平均画素値と分散を算出し特徴量とした. 3.2.2.3 高次局所自己相関関数 画像認識においては隣接の画素間の局所的な関係が重要であるとされている. そこで,本手法では変位を2までとし,変位方向を参照点rを中心とした3×3 画素領域に限定する.そのため,変位方向仇,α2は平行移動による等価なパター ンを除いて,2値画像は25個の局所的な特徴パターンが得られる.濃淡画像に対 しても,同様に平行移動による等価なパターンを除くと35個の局所的なパター ンが得られる(Fig.3.4).各参照点における特徴量は,局所パターンに対応する 画素値の積によって算出され,1つの参照点で35個の特徴量が得られる.

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芳一者。高次局屏β己席爛関城ぜ一層いた拙システム/β 9pkels r■ Fig.3.5Thescanningofthemaskof 3×3pixelsattheROI.The CenterOfthemaskisde丘ned asreferencepointr. 次に,9×9のROI内を3・×3のマスクを1ピクセルずつ走査する(Fig.3.5). つまり,ROI内を参照点が1ピクセルずつ移動するため,参照点ごとに35個の 特徴量が得られることになる. さらに局所パターンごとに特徴量を足し合わせ,それらの値をROI内における 35個の特徴量と定義した.(参考文献[13-17]では,これらの方法を2次の自己 相関関数としており,高次に拡張したものが高次局所自己相関関数と定義してい る.)

〃(恥α2)=J′(r)′(r・飢)′(r・α2匝(3.1)

このように計算された特徴量は,対象の平行移動に強く,画像に複数の対象が あった場合,画像全体に対する特徴量が各対象の特徴量の和になるという利点が ある. また,局所領域では画素値の影響を大きく受けるため,局所領域内の最低画素 値が1になるように濃度シフトを行った. 3.2.3 重回帰分析による学習と認識 重回帰分析とは多変量解析法[20]の一つで,目的変量γ(教師信号)と,それ に影響を与えるいくつかの説明変量ズ1,ズ2,…,和(原因)から式(3.2)のような一 次式を作る.

㌦=αlズ1〃+α2ズ2Ⅳ+…+αクエク〃+α。

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/タ 都芦 点次層屏卓己脚好を用-いたき鍬システム Fig.3.6Flowchartoftrainingusing multi-regreSSionanalysis. Fig.3.7Flowchartofrecognition usingmulti-regreSSionanalysis. この式より,目的変量(教師信号)を推定するためには,予め教師信号として与 えると実測値との誤差2乗和が最小にな■る係数行列を決定すればよい.本手法 では,この係数行列を一意に決定することを学習と定義する. 学習により式(3.2)の係数α0,仇,・・・,αクが一意に決まるため,未知画像から抽 出した特徴量を式(3.2)のズl,ズ2,…,ズクに代入することで,推定値アが得られる. 本手法では,この推定値から未知画像と学習画像群との類似性を評価する.つま り推定値アが学習で用いた教師信号γに近い値であれば,その未知画像は学習画 像に類似する画像として認識される. 3.2.3.1学習 Fig.3.6に学習の手順を示す.まず,3.2.1.3で選択された微小石灰化像を含む 9×9の領域(以下,検出対象領域)と明らかに正常である9×9の領域(以下, 正常領域)を120領域ずつ用いて学習を行った.領域ごとに3重リングフィルタ と高次局所自己相関特徴に基づく45個の特徴量を抽出し,重回帰分析によって 学習する.教師信号は,検出対象領域を1,正常領域を0として学習した.

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屠∫要 一看次局屏き己劇評好一訂を用いたβ拗システム ガ 3.2.乱2 認識 Fig.3.7に認識手順を示す.まず,学習方法と同様の処理を行い45個の特徴 量を抽出する.その後,学習によって得られた重回帰式の説明変量ズ.,エコ,…,みに特 徴量を代入して,推定値を算出する.その推定値が1に近い値であれば,微小石 灰化像候補として検出する.微小石灰化像を検出するため,ROI内を1ピクセル ずつ走査した.しかし,1ピクセルずつ走査することにより検出対象領域内で1 つの微小石灰化像候補が複数回検出されることがある.そこで,複数回検出され た微小石灰化像候補の重心位置をとることで複数の候補を1つの候補に統合する. なお,この処理は,3重リングフィルタによる検出処理においても同様の処理を 行っている. 重回帰分析の精度を算出するため,学習に用いた240領域を再帰的に代入し た・それらの教師信号と推定値の関係をFig.3j=こ示す.横軸は推定値,縦軸は, その推定値の頻度を表す.正常領域は,教師信号0で学習したが,推定値が0,5 より高くなる場合があった.また,検出対象領域は,教師信号1で学習したが, 推定値が0.5より低い場合があった.しかし,検出対象領域は,推定値1付近で 頻度が高く,正常構造では,推定値0付近で頻度が高くなっているので,重回帰 19 ・;-こ〓丁こJ」 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ActualMeasurement Fig.3.8Therelationsbetweentraining8ignalandtheactualmeasurement. Whentheactualmeasurementapproachesl,itise昌timatedthat microcalcificationshavebeenformedinthearea.

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ク/都夢 彦次局屏き己脚静ぎ用いた卓拙システム ∩} 爪U ハV nU (U <U 8 ▲7 ▲6 ■hU ■t nJ

l三ニー≡主■蔓-ご≡←

0 200 400 600 800 1000 1280 1400 1600 Numberof払Isepositivesperimage Fig・3・9Comparisonofdetectionaccuracyobtainedbycurrent,tryingand newmethod8intermsofFROCcurVeSindicatingthedetectionrate ofsubtlemicrocalcifications. 分析による学習および認識は,よく分離できていると考えられる. 3.3 結果 本論文で提案した微小石灰化像の検出手法の性能を評価するために,3.2.1.3で 選択した351個より学習に用いた120個を除いた231個の微小石灰化像を使用し て微小石灰化像検出処理を行った.まず,3重リングフィルタ,高次局所自己相 関特徴 局所領域の平均と分散の45個を学習させた手法(以下,新手法)と従 来法とを比較した・各手法の性能を比較するため,FROC(Free・reSPOnSeOper・ atingcharacteristic)解析に基づく性能評価を行った(Fig.3.9).ここで,縦軸 は,従来法で検出することができない微小石灰化像に対するTPRを表し,横軸 は,1枚の画像あたりのFP(FalsePositive:偽陽性)数である,新手法は従来 法と同様のTPRであるとき,1枚あたりのFP数が少ないことが確認できる.こ れにより,従来法で検出することができない微小石灰化像に対して新手法が明ら かに有効であると考えられる. 局所領域より算出された特徴量の有効性を評価するため,重回帰分析による2

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g∫要 一露沈最屏β己磨偏明媚博一好いたβ拗システム 且7 0 0 8 7 【旦aA讃岩d写さ

60「エ㌣′て■-〕

+ 0 0 0 5 4 3 0 0 2 1 ■::)-Currentmethod やNewmetbod 200 400 600 800 1000 1200 1400 Numberoffa18epOSitivesperimage Fig・3・10Comparisonofdetectionaccuracyobtainedbycllrrent,tryingand newmethodsintermsofFROCcurvesindlCatingthedetection rateofal1microcalci丘cations. 種類の学習を行った.3重リングフィルタより得られた8個の特徴量のみを学習 させた手法(以下,試行法)と新手法を比較した.Fig.3.9から新手法の検出性 能は試行法より良好であった.3重リングフィルタより得られる特徴量と高次局 所自己相関特徴より得られる特徴量を組み合わせることで検出対象領域と正常領 域の分離度が高くなった.つまり,従来法で検出することができない微小石灰化 像に対して,局所的な特徴である高次局所自己相関特徴は有効であると考えられ る. 次に,38枚の乳房Ⅹ線写真に含まれる2079個の微小石灰化像に対して新手法 と従来法をそれぞれ適用して検出性能を比較した(Fig.3.10).縦軸は,微小石 灰化像のTPRを表し,横軸は,1枚あたりのFP数である.新手法は,従来法に 比べ,TPR,FP数ともに低い結果となった.新手法により検出された微小石灰 化像は,従来法では検出できない症例であった.逆に新手法により検出できな かった微小石灰化像の多くを従来法により検出することができた.また新手法は, FP数が従来法に比べ少ないことが確認できた.これらの結果は,新手法と従来 法の検出対象が異なっていることを表している.以上の結果より,新手法と従来

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ガ 辟 易次局屏β己脚詳ぎ月「いた身勅炭鰭システム Fig.3.11Theflowchartoftheproposalsystemcombinedthecurrentmethod andthenewapproach.Doublelinesindicatenewlyaddedprocess. Thble3.2Comparisonofdetectionperformancebetweencurrentsystemand proposalsystem.Currentsystemadjustsaparametersothatthe numberoffalsepositiveperimagemaybethesameasaproposal SyStem.Thissystemiscalledcurrentsystem2. TPR(%)FP(/lmage)TNR(%) Currentsystem 92.0 0.50 71.8 Currentsystem2 92.4 0.61 66.8 Proposalsystem 94.2 0.61 67.5 法を組み合わせることで良好な性能が得られると考える. 3.4 考察 実験により微小石灰化像の検出における従来法と新手法の検出対象の違いが明

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厨∫草J茅次愚屏ββ脚j訂あ好いたβ拗システム 〟 恥) Fig・3・12ExampleofclusteredmicrocalciBcationsdetectedbycurrent SyStem(a)andtheproposa18yStem(b).Eachareasurroundedby thecircleindicatesalocationofamicrocalcificationandthearea SurrOundedbythewhiteboldcurvel・ePre8entSaClustered microcalcification. らかになったが,CADシステムの性能評価という観点では,微小石灰化クラスタ の検出性能について確認する必要がある.そこで,従来の微小石灰化クラスタ検 出システム(以下,従来システム)と従来システムに新手法を組み込んだ微小石 灰化クラスタ検出システム(以下,提案システム)の性能を比較する.従来シス テムは,従来法により検出した微小石灰化像候補を用いて微小石灰化クラスタ候 補を検出するシステムである.一方,提案システムは,従来システムに新手法を 新たに追加して微′ト石灰化クラスタ候補を検出するシステムである.提案システ ムの検出手順をFig,3.11に示す.微小石灰化像候補を検出は,従来法と2重枠 で示した新手法を別処理で行い,それぞれの手法で検出された微小石灰化像候補 の論理和を求めることで最終的な微小石灰化像候補とした.対象画像は,精査機

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j野.茅ヱぎ 点沈思屏占己一晩野好虞を用■いた励システム 関で撮影された学習画像とは別の556枚である.そのうち,微小石灰化クラスタ を含む乳房Ⅹ線画像は276枚であり,習熟した医師によりあらかじめ微小石灰化 クラスタの位置は明らかになっている.各システムの微小石灰化クラスタの検出 率を恥ble3.2に示す.従来システムは,TPR92.0%(25射276),FP数0.50個/ 枚であるのに対し,提案システムは,TPR94.2%(260/276),FP数0.61個/枚 わ) Fig・3・13Exampleofmicrocalci丘cationsdetectiononmammogram.Thearea SurrOundedbythesquarein0riginalinage(a)indicatesthe Clusteredmicrocalcificationsnotdetecedbythecurrentsystem.In magnifiedimage(b)of8quaredareaof(a),themicrocalcificatlOnS POintedbyarrows・Theareasurroundedbythetriangleindicates themicrocalcificationdetectedbycurrentmethodandtheareasur roundedbythecircleindicatesmicrocalcification8detectednewly

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屠J書 跡β己脚許多一層いた古拙システム ガ であった.提案システムは,従来システムで検出することができなかった6個の 微小石灰化クラスタを新たに検出することができた.従来システムでの検出結果 をFig.3.12(a)に示す.この症例は,高濃度の腫癌に随伴する悪性の微小石灰化 像であり,淡い微′ト石灰化像が集簾している.円で囲まれた領域が,微小石灰化 像候禰,雲状に囲まれた領域が,微小石灰化クラスタ候補である.複数の微小石 灰化像候補が存在するが,微小石灰化クラスタ候補として検出することはできな かった.Fig.3.12(b)に提案システムの検出結果を示す.従来システムと同様に 複数の候補が存在する.さらに,従来システムでは検出できなかった微小石灰化 クラスタ候補を検出することができた. この微小石灰化クラスタ候補における微小石灰化像の検出結果をFig.3.13に 示す.Fig.3.13(a)中の四角で囲った領域に微小石灰化クラスタが存在する.そ の拡大画像をFig.3.13(b)に示す.Fig.3.13(b)中の夫印で示した位置が微小石 灰化像である.三角で囲まれた領域は,従来法が検出した微小石灰化像,円で囲 まれた領域が新手法により新たに検出することができるようになった微小石灰化 像である.夫印のみの微小石灰化像は,従来法,新手法の双方で検出できなかっ た微′ト石灰化像である.提案システムは,新手法により淡い微小石灰化像の検出 が可能になり,50mm2領域内における微小石灰化像の数が増加した.そのため, 提案システムは,従来システムで検出することができなかった微小石灰化クラス タ候補の検出が可能になった. 本実験において,このような症例は,数症例であったが,淡い微小石灰化像を 検出することで,非常に初期の病態を表す淡い微′ト石灰化クラスタの検出性能が 向上する可能性を示すことができた.しかし,提案システムは,従来システムに 比べFP数が0.11個増加した.そのため,提案システムの明確な有効性を示すに はいたらなかった.また,本実験で使用した偽陽性削除処理は,従来法で検出さ れた微小石灰化像候補に対する偽陽性候補であるため,新手法に特化した偽陽性 削除処理を開発することで検出性能の向上が期待できる. なお,従来システムの闇値を提案システムのFP数と同程度になるようにパラ メータを設定した場合(以下,従来システム2)と提案システムの検出性能を比 較した.その結果,TPR,TNR(TrueNegativeRate:真陰性率)ともに提案シ ステムの方が優れている結果となった.これは,TPRを向上させる目的におい て,提案システムは,従来システムに比べ有効であると考えられる.また,個々 の微小石灰化像を正確に把握することで,微小石灰化良悪性鑑別システム[21] の性能向上も期待できる.今後,さらに大量のデータベースを用いて新手法およ び提案システムの有用性について検討する必要がある.

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ク7 雇は芦 舶最屏き己脚数ぎ劇lた勅システム 3.5 緒言 乳房Ⅹ線画像上の微小石灰化像の新たな自動検出法として,画像認識の分野で は広く用いられている高次局所自己相関特徴を用いた微小石灰化像の検出手法を 提案した.本手法は,従来法で検出が困難な淡い微小石灰化像を検出することが 可能になった.また,淡い微小石灰化像に特化した本手法と従来法を組み合わせ た提案システムは,TPRが94.2%,そのときの1枚あたりのFP数は0.61個と なった.従来システムの検出性能は,TPRが92.4%,そのときの1枚あたりのFP 数0.61個となり,提案システムは従来システムに比べ微小石灰化クラスタの検出 性能が向上する可能性を示すことができた.また,個々の微小石灰化像を正確に 把握することで,微小石灰化良悪性鑑別システム[21]の性能向上も期待できる. 参考文献 【1】厚生省老人保健福祉局:がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針とが ん検診実施上の留意事項,2000. 【2】福岡大輔,原 武史,遠藤登喜子,他:乳房Ⅹ線写真における医師の読影とCAD システムの検討結果との比較,日本放射線技術学会雑誌,56(礼436・442,2000. 【3】畑中裕司,松原友子,原 武史,他:医師のマンモグラム読影自習における乳がん とCADシステムの検出結果との関係,日本放射線技術学会雑誌,58(3),375・382, 2000. 【4】T.Matsubara,H.Fujita,S.Kasai,etal.:Developmentofanewalgorithm fordetectionofmammographicmasses,Proc.ofthe4thInternationalWbrk・ ShoponDigitalMammography'98,139・142,1998. 【5】S.Kasai,D.Kaji,A.Kano,etal.:Massdetectionalgorithmfordigital mammogramsbasedonanadaptivethresholdtechniqueutilizingmulti-reSOlu・ tionprocessing,Proc.ofComputerAssistedRadiologyandSurgery(CARS2002), 659・664,2002. 【6】平子賢一,藤田広志,原 武史,他:乳房Ⅹ線写真における微小石灰化検出フィル タの開発 一浪度勾配と3重リングフィルタ解析に基づく方法-,電子情報通信学 会論文誌,J78・D一Ⅱ(9),1334・1345,1995. 【7】平子賢一,藤田広志,原 武史,他:コントラスト補正処理と可変リングフィルタ 解析を導入した微小石灰化検出法,Med.Imag.Tbch.,14(6),665,679,1996. は】奥野健一,小畑秀文,縄野 繁:適応的しきい値を用いた微小石灰化像検出システ ムの開発,Med.Im喝.恥cb.,14(6),699・706,1996. 【9】R.M.Nishikawa,K.DoiandM.L.Giger:Computerizeddetectionofclustered microcalcifications:Evaluationofperformanceonmammogramsfrommultiple

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鼻∫青 首次局靡き己脚身を用いた卓劇鹿鰭システム」押

CenterS,Radiographics,15,443・452,1995.

【10]R.N.Strickland and H.Ⅰ.Hahn:Wavelet transforms for detecting microcalcificationsinmammograms,IEEETrans.Med.Imag.,15,218・229, 1996. 【11】長谷川玲:世界で初めて商品化されたマンモグラフィ用CAD・ImageChecker,日 本放射線技術学会雑誌,56(3),355・358,2000. 【12】藤田広志:マンモグラムCADシステムの現状,Med.Imag.Tbch.,21・1,27・33, 2003. 【13】大津展之,栗田多善夫,関田 巌:パターン認識一理論と応用-,朝倉書店,東京, 1986. 【14】J.A.Mclaughlin&J.Raviv:Nth-Orderautocorrelationsinpatternrecogmition, InformationandControl,12,121・142,1968. 【15]T.Kurita,N.Otsu&T.Sato:Afacerecognitionmethodusinghigherorder localautocorrelationandmultivariateanalysis,Proc.ofllthInternational ConferenceofPatternRecogmition(ICPR'92),2,213-216,1992. 【16]F.Goudail,E.Lange&T.Iwamoto:Facerecognitionsystemusinglocal autocorrelationsandmultiscaleintegration,IEEETrans.PatternAnal.Ma・ chineIntel.,18(10),1024-1028,1996. 【17】李 鋒範,中川俊明,原 武史,他:高次局所自己相関特徴を用いた胸部Ⅹ線CT 画像上の腫癌陰影の自動検出,医用画像情報学会雑誌,18(3),135-143,2001. 【18】マンモグラフィガイドライン委員会:マンモグラフィガイドライン,医学書院,東 京,1999. 【19】L.0.Sherry,WFBahaa&FWPeter:Breastcalcifications:Analysisofimag-ingproperties,Radiology,169(2),329・332,1988. 【20】有馬 哲,岩村貞夫:多変量解析のはなし,東京図書株式会社,東京,1987. 【21】篠原範充,原 武史,藤田広志,他:高解像度乳房Ⅹ線写真を利用した微小石灰化 像の良悪性鑑別に関する研究,医用画像情報学会雑誌,20(2),104・111,2003.

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第4章

高解像度乳房Ⅹ線写真を利用した

微小石灰化像の良悪性鑑別に関する研究

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茅イ.声 点榔房ズ脚杏樹Lた虐棚 j汐

第4章

高解像度乳房Ⅹ線写真を利用した微小石灰化像の

良悪性鑑別に関する研究

4.1緒言 乳房Ⅹ線写真(マンモグラム)における乳がんの2大所見として,腫癌陰影と 微小石灰化がある.われわれは,これらの検出や良悪性鑑別を自動で行うことに よって,診断医の補助を目的とする総合的なコンピュータ支援診断(Computer・ 血dedDiagnosis:CAD)システムの構築を行い,腫癌陰影と微小石灰化に関す るいくつかの報告を行っている.微小石灰化像の自動検出に関しては,3重リン グフィルタと可変リングフィルタを用いた検出法を提案し[1,2],良悪性鑑別に 関しては,医師の画像レポートの記載基準(BreastImagingReportingandData System,AmericanCo11egeofRadiology:BI・RADS)に基づいた特徴量を抽出 し,ANN(A此ificialNeuralNetwork)に入力して分類する完全に自動化され た方法を提案している[3].微小石灰化の自動検出法では約9割の微小石灰化ク ラスタ(いくつかの微小石灰化像が集簾している部分)を検出し,偽陽性候補も 画像1枚あたり約0.5個という高い性能であるが,良悪性鑑別については約70% の正解率であり[3],その精度向上が課題になっている. われわれが開発した従来法は,サンプリング間隔50〃椚でディジタル化した画 像(以下,"50/劇画像'')を平滑化(縮小)処理によってサンプリング間隔100/朋 に縮小した画像(以下,"100/仰画像")を作成し,これを用いて微小石灰化クラ スタ領域を検出している[1,2].そして,検出された領域ごとに求めた特徴量か ら良悪性鑑別を行っている[3】.これらの処理のすべてを50〟椚画像で行うこと は,画像のサイズが大きくなるため,処理に多大な時間が必要となる.また,検 出処理において雑音の影響が大きくなり,この雑音成分を微小石灰化像と誤検出 するために偽陽性候補が非常に多くなるという問題がある. これまでのわれわれの研究では,微小石灰化像の自動検出に50/仰画像を使用 することによって,100〟椚画像では検出できない淡く微細な微小石灰化像を検出 できることが示している[4].また,その良悪性鑑別についても,従来法では微 小石灰化像の2値画像からいくつかの特徴量を求めているが,50/劇画像を用い ることによって,さらに詳細な形状の抽出や解析を行うことが期待できる. 他の研究グループにおいても,微小石灰化クラスタの良悪性鑑別に関する研究 が行われている.Chanらはテクスチャ解析とANNを用いた手法について報告

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」形 動声 朋疲虎男房ズ脚を柳Lた長房舷鰍 している[5].W止らはコンボリューション型ANNを用いた手法について報告 している[6].また,BakerらはBI・MSに基づいて画像の特徴をコード化し, 読影した医師が主観的に抽出した画像特徴をANNへ入力して良悪性鑑別を行う 手法を提案している[7].しかし,これらは単一の解像度の画像を使用した手法 であり,筆者らの知る限り,50/劇画像のような高解像度画像を効果的に組み合 わせた手法についての論文は報告されていない. そこで,本論文では微小石灰化の検出や良悪性鑑別システムに100〟椚画像と 50〃椚画像を組み合わせて使用し,良悪性鑑別において効果的に50/仰画像を用 いた解析を行う手法を提案する. 4.2 方 法 本研究で用いた処理の流れをFig.4.1に示す.各手順について以下に説明する. ImageDigitization(50FLm) ReductionofImage(50FLm→100JLm) DetectionofClusteredMicrocalc丘cations bylOO・FLmImage

]

+■■■∵丁う1

Re・detection Processlng by50・LLmImage Classi丘cationofClusteredMicrocalci丘cations byANN Fig.4.1Flowchartfortheclassificationusing50-FDn samplingimage

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屠イ宰 搬兇房ズ虔写富家朋Lた点者鯉鑑′財J/ 4.2.1使用画像 本研究で使用する画像は,ある施設においてスクリーン/フイルム系を用いて 撮影されたMLO(Mediolatera10blique)方向,CC(Craniocaudal)方向のマ ンモグラムを,レーザーディジタイザ(Eonica製,LD-5500)を用いてディジタ ル化したものである.サンプリング間隔は50〟研,濃度分解能は12bit,濃度レ ンジは0.0-4.0である.なお,50〃研画像とはこの画像をそのまま処理を加えずに 使用するものである・そして,100/劇画像とは,2×2画素を1画素とする平滑 化(縮小)処理によって,サンプリング間隔100〝乃に縮小した画像である. 4.2.2 50J▲m画像を用いた再検出処理 これまでの研究において,微小石灰化像の検出処理に50/〝画像を用いた場合 と100〟椚画像を用いた場合を比較すると,大きさが120〃椚程度の微小石灰化像 の検出において検出性能に差を確認した[4].通常,対象となる微小石灰化像の 多くは300/戯前後の大きさであることから,微小石灰化クラスタの検出に 100〟椚画像を用いた場合と50J動画像を用いた場合とでは,真陽性率はほとんど 変わらないと考えられる.このことから,まず100/劇画像を用いて微小石灰化 クラスタ検出を行い,そこで検出した領域についてのみ,50/踊画像で再検出を (a) (b) Fig.4.2Exampleofclusteredmicrocalci丘cationsdetectionintw。 di鮎rentsamplingconditionsoforiginal50-Jmsamplmgimage(a) andsmoothed50-FLmsampllngimageprocessedbymedian丘1ter (b).Eachareasurroundedbythecircleindicatesalocati。n。fa microcalcificationandtheareasurroundedbythewhiteboldcurve representsaclusterofmicrocalcifications.

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.好 男揮 臓兇房ズ綬貫首変相んた魚雷舷一監好 行うこととした.つまり,50/劇画像は微小石灰化クラスタの検出に使用するの ではなく,既に微小石灰化クラスタである可能性が高い額域を良悪性鑑別のため に詳細に解析する目的で使用する.これにより,100〃椚画像全体から微小石灰化 を検出したときと検出率が大きく変わることなく,偽陽性候補の発生も抑制され る. 4.2.3 平滑化による雑音の軽減 50/劇画像では,100/㈹画像に比べて粒状性が悪化するため,画像全体に白く 細かい点のようなものが散在するようになる.検出処理における偽陽性候補の多 くは,これを微小石灰化像と誤検出することが原因である.そこで,50/劇画像 を用いた検出の前処理として,これらの雑音を削除するために,平滑化処理を従 来の処理過程に加える.平滑化処理としては,3×3のメディアンフィルタによ る方法を用いた・Fig.4.2に,同じ微小石灰化クラスタ領域を50〟椚原画像から 検出した場合【Fig.4.2(a)】と,メディアンフィルタをかけた画像から検出した 場合【Fig.4.2(b)】の例を示す.これらの画像では,円に囲まれた部分が微小石 灰化像の候補位置であり,雲状の線に囲まれた部分が微′ト石灰化クラスタ額域を 表している・微小石灰化像は右側中央部にいくつか見られる.Fig.4.2(a)では 左側の部分を誤って検出しているが,Fig.4.2(b)では微小石灰化像のある部分 だけを正確に検出しているのがわかる. Fig・4・3に微′ト石灰化像の形状を2値画像として抽出した例を示す.Fig.4.3(a) の中央にある白い部分が微小石灰化像である.この微′小石灰化像の形状を100/朋

ラニ〔_i_

Fig・4・3Exampleofamicrocalcificationarea(a)inanoriginal50・FLmimage Ofamicrocalcification・Two-graylevelimagesrepresenting microcalcification'sshapeextractedfromlOO-Pnimage(b), extractedfrom50-〟椚image(c),andextractedfrom50-FLmimage PrOCe8Sedbymedian丘1ter(d)areshown.

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gイ要 点好疲虎男屠ズ脚ぎ朋Lた点者庄鑑二財 jロ Fig.4・4I)etectionexampleofclusteredmicrocalcification8fororiginal 100・FLm8amPlingimage(a)andsmoothed50-JDnsampling i皿age(b). 画像から抽出した場合は,微小石灰化像の輪郭の細かい部分が描画されないが 【Fig.4.3(b)],50/劇画像から抽出すると輪郭が詳細に抽出されていることがわ かる【Fig.4.3(c)1.さらに,50〟椚画像にメディアンフィルタをかけた画像から 抽出した場合は,もっともよい結果になることがわかる【Fig.4.3(d)】. Fig.4.4にFig,4.2と同じ微′ト石灰化クラスタ領域を100/仰画像から検出した 場合【Fig.4.4(a)】と,50〟椚画像にメディアンフィルタをかけた画像から検出し た場合【Fig.4.4(b)】の例を示す.Fig.4.4(a)では微小石灰化像のない左側部分 を検出しているが,Fig.4.4(b)では微小石灰化像のある部分だけを検出してお り,100/劇画像を使用した従来法よりも偽陽性候補数が軽減していることがわか る. 4.2.4 良悪性鑑別処理 微小石灰化クラスタ領域を良悪性鑑別するために,クラスタ領域に含まれる微 小石灰化像について,BI・RA刀偏に基づいた数,形,分布などの6つの特徴量を 求める[3].形に関する特徴量は,微′ト石灰化像の2値画像として抽出した形状 から求める.これらの特徴量を0∼1に正規化し,ANNへ入力し,鑑別処理を 行う.ANNの構造は,入力層1層(セル数:6),中間層1層(セル数:6),出

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〟 削ぎ 朋像度究屠ズ脚き朋Lた長居舷鑑財 恥ble4・1Comparisonofclassificationperformancebetweenourprevious methodandproposedone. Previousmethod Proposedmethod usmglOO・FLmimage using50・pmimage Be血印

60%(30/50)

72%(36/50)

Mah印ant

60%(52/87)

69%(60侶7)

恥ta1

60%(82/137)

70%(96/137)

力層1層(セル数:1)の3層feedforward型で構成される.ANNの出力は悪性 度として0∼1.0の実数値をとるので,出力値0.3以上を悪性,それ以下を良性 とする.学習則には逐次修正法であるバックプロパゲーション(Back Propagation)則を用いる. 4.3 結 果 50/劇画像を用いた再検出処理とメディアンフィルタによる雑音軽減処理を従 来法に加えた手法を用いて,臨床データ85症例126枚について良悪性鑑別を行っ た.このうち,良性20領域,悪性20領域のデータを用いて学習を行い,その他 の137領域に対して認識を行った.なお,126枚の画像より微小石灰化クラスタ 領域として177領域を検出している.学習データとしては,典型的な症例だけで なく,視覚的に良性,悪性の区別が難しいような症例も用いた.良悪性鑑別の結 果をTable4.1に示す.本手法の正解率は70%(良性72%,悪性69%)であり, 同じデータに従来法を適用した結果に比べ,正解率で約10%の向上があった.ま た,本手法の有効性を客観的に評価するため,ROC(receiver operating Characteristic)解析を行った.Fig.4.5に従来法と本手法のROC曲線を示す. ROC解析では,診断性能が良くなるにしたがって曲線は左上に近づく.Fig.4.5 から明らかなように,本手法のほうが従来法に比べて検出性能が良いといえる. また,Az値(ROC曲線下の面積)を比較すると,100/朗画像による従来法では 0.598であったのに対し,50〟椚画像による本手法では0.744となった.この結果 からも,微小石灰化クラスタの良悪性鑑別について,本手法が従来法より有効で あるといえる.

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芳一卓 点榔房ズ脚杏樹Lた長房脚 こ好 5 α 喜…lU已』ぎ票SOd・聖己← 0.5 False-POSitiveFraction Fig.4.5ResultofROCanalysis.TheareaundertheROCcurve仏zvalue) WaSincreasedfromO.598toO.744byusingthenewmethod. 4.4 考 察 今回,50〃椚画像における雑音の軽減のためにメディアンフィルタによる方法 を用いたが,これを決定するために,(1)3×3のメディアンフィルタを用いた 処理,(2)3×3の平滑化フィルタを用いた処理,(3)スムージングと差分処理 を組み合わせた処理の3つの方法を比較した.(3)は,削除したいノイズの部分 では,濃度値が周辺に比べ局所的に小さくなっていることに着目し,原画像と原 画像に平滑化フィルタを用いてスムージング処理を行った画像の差分をとり,そ の差が大きいところのみを平滑化する手法である.これらを評価するために比較 した物理量は,RMS(RootMeanSquare)粒状度,微小石灰化像の検出性能, およびその形状取得の正確さである. RMS粒状度については,同じ密度の物質が撮影された部分について濃度値の 標準偏差を求めて比較した.恥ble4.2にそれぞれの手法における10症例(画像 10枚)のRMS粒状度の平均値を示す.このとき,粒状度を求めた領域の平均濃

参照

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