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東アジアの伝統的木造船建造および操船技術の比較研究

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Academic year: 2021

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図 1 舢舨(サンパン)実測図 泉州海外交通史博物館蔵 作図:廣瀬直樹

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サンパン(舢板) S=1/40 福建省厦門市 泉州海外交通史博物館所蔵

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中国福建省泉州市・福州市および浙江省舟山市の 伝統的木造船に関する調査概要

研究代表者 昆 政明

東アジアの伝統的木造船建造および操船技術の比較研究

国際常民文化研究機構/プロジェクト型共同研究(一般)

 この研究は各地域において伝統的木造船に関する調査研究を進めてきた研究者が共同し、日本と 中国を中心とする東アジアの伝統的木造船の建造および操船技術の比較研究を行うものである。今 年度は調査地を、中国福建省泉州市・福州市および浙江省舟山市に設定し、現地の博物館、大学研 究機関、研究者の協力を得て実施した。

 泉州市では泉州海外交通史博物館において、展示されている実物船と模型船の写真撮影を行うと 共に、厦門近海で私用されていた木造漁船舢舨(サンパン)の実測図作成を行った。同博物館には 船大工類も展示されており、今回実測できなかった他の木造船と合わせて、次年度に再度調査する ことにしたい。また、船大工張国輝氏工房においては、沖縄と関係の深いマーラン船に関連して造 船方法や装飾、儀礼に関する聞き取りを行った。

 福州市では近郊漁村で操業している福青沃造船所を調査した。この地域は牡蠣、アワビ、昆布、

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写真 1 制作中の模型を前に説明する張国輝氏(左)

写真 3 舟山市普陀岑氏作坊原図場での型取り作業 写真 2 福青沃造船所における木造船の修理作業

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東アジアの伝統的木造船建造および操船技術の比較研究

日本常民文化研究所年報 2015

ワカメなどの養殖が盛んで、それらに使用する木造船が現在でも多数稼働している地域である。福 青沃造船所はそれらの修理を盛んに行っていた。ここで修理されているのは、養殖作業に使用する 一番小型の舢舨(サンパン)とこれより大型の養殖品の運搬用、これより大型の網漁船の

3

種類の 修理が行われていた。修理の中心は水漏れを防ぐ充塡材の更新と舷側板への

FRP

の塗布で、作業 方法、用具等について調査すると共に小型の舢舨を実測した。また、造船所の社長陳楊坤氏より、

造船技術について概略の説明があったが、時間の関係で詳細な調査は次回改めて行うこととした。

 浙江省舟山市では中国の歴史的木造船の復元建造も行っている舟山市普陀岑氏木船作坊において 建造中の木造船の部材を型どりする原図場の作業状況を調査した。また、完成した木造漁船や復元 船模型等の調査を行い、木造漁船の中央断面図の作成も行った。また、工場内に保管されていた艪 と櫂、および船大工道具の実測図作成を行った。

 今回の調査では、日本と中国の船体構造の違い、建造方法、特に防水技術の違いとそれに関連し て船大工道具の種類と使用方法の相違など、様々な問題点が把握できた。来年度調査では、今年度 調査で明確になった課題の解明に努めたいと考える。

参照

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