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2019年度コーチング海外実習(欧州)報告書

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2019年度コーチング海外実習(欧州)報告書

著者 井上 尊寛, 川田 尚弘, 久保田 弓友

出版者 法政大学スポーツ健康学部 

雑誌名 法政大学スポーツ健康学研究

巻 11

ページ 49‑57

発行年 2020‑03‑30

URL http://hdl.handle.net/10114/00023159

(2)

2019 年度 コーチング海外実習(欧州)報告書  

2019 Overseas training session for coaching in Europe

井上尊寛1)、川田尚弘1)、久保田弓友1)

Takahiro Inoue, Takahiro Kawada, Yunto Kubota

[要旨]

 2019年9月12日から9月18日の7日間、ドイツとスペインにてスポーツコーチング海外実習を実施した。

本稿においては、具体的な内容と、両国の比較などを報告として取りまとめたものである。

Keywords:coaching, international comparison, Spain, Germany キーワード:コーチング、国際比較、スペイン、ドイツ

1. はじめに

 この講義の目的は、欧州のトップスポーツクラ ブ(サッカーを中心に)を実際に現地視察し、コー チングの観点を持ちながら多角的に学んでいく。

具体的には、ドイツ・ブンデスリーガに所属する チームを対象とし、履修者は(1)欧州サッカーの レベルを直に感じ、選手の強化・育成(トップチー ムや下部組織)・普及について、コーチングや指導 方法だけでなく、トレーニング環境やスタジアム などの周辺的な環境についても理解を深める。(2)

欧州のスポーツに対する考え方、文化、国として の制度・政策についても理解を深める。(3)プロ スポーツという事業が指導現場といかにかかわっ

ているのかについての理解も深めていくことも目 的とする。また、具体的な到達目標は、(1)海外 のトップレベルのコーチング方法やモデルを理解 する、(2)強化・育成・普及といったクラブ構造 やクラブ哲学に関して理解する、(3)ヨーロッパ の総合型スポーツクラブ・スポーツシューレをは じめとした、スポーツ環境などについて多角的な 視点から学ぶことである。

2. 実習内容

 本実習では、複数のクラブや施設を視察すると ともに、多くの指導者や運営サイドのスタッフか らの講義を受けることができた。以下は簡単なク ラブの概要と、講義部分を記述したものである。

9月12日

〇TSV1860ミュンヘン(ドイツ3部)

 講師: Jürgen Jung氏(TSV1860ミ ュ ン ヘ ン・

スカウト部長)

    現役所属選手2名

<クラブ概要>

 TSV1860ミュンヘンは、ドイツ・バイエルン州 [ 事例報告 ]

1)法政大学スポーツ健康学部

(3)

ミュンヘンに本拠地を置く総合スポーツクラブで ある。トップチームは2004年までドイツ1部リー グに所属していたが、現在はドイツ3部リーグに 所属している。ドイツ・ブンデスリーガでの優勝 経験もあり(1965-66シーズン)、過去には、2014 年の1月から6月まで日本代表の大迫勇也選手が 所属していた。約2万人の会員を有する国内最大 のスポーツクラブであり、サッカー以外にもバス ケットボール、ロッククライミング、ボクシング、

ボウリング、陸上競技、レスリング、サイクリング、

スキー、テニス、体操、ウォータースポーツなど のスポーツ部門も有している。

<ホームタウンの歴史や情報>

 ミュンヘンは、ベルリン、ハンブルクに次いで ドイツで3番目に大きな都市で、市域人口は140 万人近くに達する。1972年にはオリンピックが開 催された。

 今日のミュンヘンは金融、出版の中心都市でた びたび、移住者が住むのに適した場所として上位 に位置づけられている。

<指導者や育成の視点>

 TSV1860ミュンヘンは、U−9年代から育成組織 が設けられている。そして、育成システムは日本 のサッカークラブとは大きく異なっている。日本 のJクラブや町クラブは、ほとんどが中学生(ジュ ニアユース)、高校生(ユース)のカテゴリーに上 がる時に1回だけセレクションを受ける。そこで 合格すると、3年間そのチームの1員としてプレー することができる。しかし、TSVミュンヘンでは、

各カテゴリーで1年ごとにセレクションを行う。

そのため、1番最初の入団テストに合格したとし ても、1年後にはこのチームに残っていられるか 分からない状況である。

 このような環境でアカデミーから育ってきた選 手の中には1部で活躍するような優秀な選手もい る。しかし、資金的な関係でそういった優秀な選 手たちは強いチームに引き抜かれてしまうことが ほとんどだという。このクラブは選手の将来を第 一優先に考えているため、強いチームに移籍して、

挑戦しようとする選手たちを引き留めようとはし

ない。そういう時はしっかり選手を後押しするこ とがほとんだという。反対に、優秀な選手で強い チームからスカウトがきたとしても、TSV1860ミュ ンヘンのクラブのコミュニティを愛し、チームに 残る選手もいる。

 アカデミーでは半年に1回ほど、選手と監督で 面談をする機会がある。選手の将来について、普 段の私生活について、今後もこのクラブでサッカー を続けていけるかなど、幅広く話し合い、選手一 人ひとりと真剣に向かい合う。こういた機会を作 ることによって、選手一人ひとりと向き合い、一 人のサッカー選手としてのみならず、一人の人間 としてもしっかり成長できているかを確認してい る。

 育成年代の選手たちはサッカーのみならず、ク ラブへ貢献するような仕事も行っている。講義に きてくれた現役選手のうち一名は、講義のあとに 行われるトップチームの練習を撮影するためにカ メラをもってトップチームの選手たちと練習場へ 向かっていった。

 Jürgen Jung氏によると、U-9~U-13のカテゴ リーまでは、できるだけミュンヘンやその近い地 域から子供たちをターゲットにして選手を集めて いるという。U-14以降は選手たちが暮らす施設が 整えられていて、食事のサポートもあり、もっと 遠くの地域からも良い選手を引き抜き、親元を離 れてサッカーに打ち込められるような環境が用意 されている。

(4)

〇スポーツシューレ・オーバーハッキング

講師: Laura Eisenberger氏(スポーツシューレ・

オーバーハッキング事務局長助手)

 この施設は競技スポーツから生涯スポーツまで 幅広く利用されていて、この施設内で50種目以上 のスポーツをすることができる。サッカーライセ ンスの講座や指導実践が行われており、サッカー のみならずテニスのライセンスの講座や指導実践 など様々なスポーツの指導も行われている。ゲス

トなどが来ることは例外として、2020年までは予 定がすでに詰まっているという。

 サッカーコートは天然芝が4面、人工芝が1面 の計5面があり、さらには館内やイマジネーショ ンを育むストリートサッカー用のコートもある。

 施設の運営としては、各スポーツ団体やバイエ ルン州の資産で行っている。

9月13日

〇Spvggウンターハッキング(ドイツ3部)

講師:Florian Rensch氏 (育成部門経営部長)

<クラブ概要>

 1925年に創設。1998-1999シーズンでブンデス リーガ2部の準優勝を果たし、ブンデスリーガ1 部へと昇格した。しかし、2000-2001シーズンでブ ンデスリーガ1部から降格し、2001-2002シーズン では現在のブンデスリーガ3部へと降格し、現在 も所属している。

<ホームタウンの歴史や情報>

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 ウンターハッキングはドイツのバイエルン州 ミュンヘン地区で2番目に大きな自治体である。

<指導者や育成の視点>

 重要視しているのは以下3つの概念であった。

・パフォーマンス 

 サッカーのパフォーマンスはもちろん、私生活 でも規律正しい生活を送るようにする。また、目 標としていることまで現在は何が足りないかを考 えさせ、その達成のために起こす行動のこと。

・チーム

 1つのチームとして、個人ではなく、まとまっ て共同すること。

・立ち振る舞い

 3つの中でも最も重要視している。友好的であ り、オープンマインドで、互いにリスペクトし合 うこと。どんなことがあっても鼻高くなってはな らないということ。

 これら3つの概念をドキュメント化したものを、

チームに所属しているすべての構成メンバー(選 手から指導者、監督、経営陣、スカウト部まで)

間で共有している。また、サッカーの指導者だけ ではなく、教育の専門家や社会的な取り組みに携 わっている人なども雇い、育成年代の選手たちの 一人の人間として成長するための指導もしている。

さらに、育成年代からゲーム分析を活用した取り 組みも行われている。U-12のカテゴリーからクラ ブの専用のソフトを使い、試合の分析をしている。

この分析をすることで、選手との面談の際に個人 へのフィードバックが行われる。実際に自分のプ レーをみて、自分には何が足りないのか、どう改 善すればよいかなど主に個人の分析のために使用 されている。

 育成年代の選手を集める際に心がけていること として、まずは地域を大事にしているため、近く から子供たちを集め、優秀な選手へと育成をする ようにしている。育成組織には、ドイツの世代別 代表に選ばれるような選手や、ブンデスリーガ1 部で活躍するような選手も生まれる。また、強豪 クラブからスカウトが来ても、クラブのコミュニ

ティ環境を好み、居心地が良いためチームに残っ てプレーする選手もいるそうである。指導者の教 育では、トップチームの指導者が育成組織の指導 者と指導実践を行い、フィードバックを行う機会 を作って、プロの指導者とアマチュアの指導者の 間に壁を作らないようにしている。壁を作らない という考えは指導者のみならず、クラブ全体で持っ ている考え。施設の造りも、育成世代、トップチー ム、指導者、マーケティング担当などすべての人 が同じ施設を使っており、すぐにコミュニケーショ ンがとれて友好的な関係を築いている。

〇バイエルン・ミュンヘン(1部)

講師: Sebastian Dremmler氏(FCバイエルンミュ ンヘン 育成部門コーディネーター部門長)

    Dirk Hauser 氏 (FCバイエルンミュンヘ ン 育成部門スタッフ・メディア広報部門 長)

    Yuechuan SHI氏(国際戦略・マーケティン グビジネスチーム・アジア部門長)

<クラブ概要>

 ドイツ・バイエルン州・ミュンヘンを本拠地と する総合スポーツクラブ。サッカー部門はブンデ スリーガ1部に所属している。1900年にフランツ・

ヨーンに率いられた11名のサッカー選手によって 創設された。2017年度の収入規模は世界第4位で あり、会員数は世界で第1位の29万1,000人である。

<ホームタウンの歴史>

 伝統的なローカルライバルはTSV1860ミュンヘ ンとFCニュルンベルク。近年のライバルはボル シア・ドルトムントであり、両者の対戦はDer  Klassiker(The Classic)といわれている。

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<指導者や育成の視点>カンプス(育成組織)にて  現在、アカデミーキャンパスには、サッカーコー トが8面あり、そのうち2面が人工芝、6面が天 然芝となっていて、下にヒーターがついており、

雪が降っても溶かすことができる仕組みとなって、

芝の管理は専用のグランドキーパーが行っている。

また、20,000人収容可能なスタジアムがあり、そ こでUEFAのユース大会などの公式戦が行われて いる。その中にはVIPルームも用意されている。

 育成専用の施設の拡充に関して、大きな契機と なったのは2000年に行われたEUROでの予選敗 退であるとのこと。ドイツ代表がわずか1ゴール しかあげずに敗退したため、サッカー協会は育成 強化の義務化を国内のサッカークラブに命じた。

それから14年が経ったワールドカップ・ブラジル 大会では決勝でアルゼンチンを下し、優勝を果た した。その後、バイエルン・ミュンヘンでは2017 年にアカデミーキャンパスを創り、更なる育成組 織の強化をはかっている。

 この施設では、すべての選手がスカウトで連れ てこられた優秀な選手たちで、地域の代表ではな く、国の代表レベルの選手たちが集まる。U-16以 上になるとユーロ圏なら国外からも選手を引き抜 くことが可能となる。さらには、U-18以上になる とユーロ圏外の選手とも契約が可能となり、現在 はアメリカ人選手2名がアカデミーに所属してい る。

 練習は午前と午後に分かれており、基本的に学 校が14時頃まであるため、移動時間などを考慮し て17時から午後の練習が始まる。16歳以上にな ると学校に行かなくなる選手も出てくるため、そ ういった選手は午前の練習にも参加する。その場 合、午前の練習はその選手のポジションに合わせ た個人的なトレーニングやフィジカルトレーニン グが中心となる。施設からはあえてアリアンツ・

アレーナが見えるようになっていて、選手たちが、

将来目指すべきステージを常に意識できるように なっている。

9月14日

〇FCアウクスブルク

講師: Janosch Landsberger氏 (育成部門コーディ ネーター部門長)

    Sebastian Gunkel氏 (U19監督・ドイツプ ロライセンス・UEFAプロライセンス所持)

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<クラブ概要>

 FCアウクスブルクは、ドイツ・バイエルン州の アウグスブルクを本拠地とするサッカークラブ。

1907年にFCアレマニア・アウクスブルクとして 創設された。ブンデスリーガでは4部から2部ま でを行き来していたが、2010-2011シーズンでは2 部で2位となりクラブ史上初の1部への昇格を果 たした。

<ホームタウンの歴史や情報>

 1909年に大都市となり、26万人強の人口を有し バイエルン州第3の都市である。大学都市として も知られる。

<指導者や育成の視点>

 アウクスブルクの会長は「将来は、ホームゲー ムでスターティングメンバーの4人以上が育成組 織から育った選手であること」を目標としている。

そのため、クラブは資金、情熱、時間を本気で費 やしている。

 特に力を入れている2つの課題

① 優秀な選手を見つけてスカウトすること    ただプレーが優秀かどうかではなく、しっか

りとチームの意図したプレースタイルに合って いるか、メンタル面は強いかなど。それら、選 手のタレントや成長を見抜くのは非常に難しい が、それが育成の仕事であるという考え。

② 現在チームに所属している選手の強化

   カテゴリーは育成年代だと基本的にU-9〜 U-19まで1歳区切りとなっており、その上に

U-23、トップチームの計12カテゴリーがある。

また、そのカテゴリーによってトレーニングメ ニューが異なる。U-9〜U-11は身体の発育・発 達に合わせたトレーニング、U-12〜U-16にな るとポジショニングや戦術面のトレーニングが 中心となる。U-17以降になるとトップチームに 参加する選手も出てくるため、トップチームを 意識したトレーニングとなる。

 U-10まではコーチが一人ずつであるが、U-11以 上のカテゴリーになると、コーチが2人ずつであっ たり、2つのカテゴリーを掛け持ちする指導者も

いる。それは、育成年代の縦の関係を重視し、コー チ陣の成長を意識したものである。常にオープン マインドで、毎週月曜日にはミーティングがあり、

指導者がお互い情報を共有する。こうして、選手 だけでなく、彼らを指導する指導者の能力向上も 忘れずに心がけている。

 戦術の面に関して、基本的なクラブのフォーメー

ションは4-2-3-1であり、ビルドアップ、切り替え、

プレス、カウンターの4つを重要視して指導して いる。そして、受け身にならず、自分で状況判断 をして行動するように指導している。

〇試合観戦:アウクスブルクvsフランクフルト(ド イツ・ブンデスリーガ1部)

 会場内では専用のカード(写真下段)を10€程 度で購入し、飲食店は基本的にこのカードにチャー ジして支払うことになっている。会場を出る際に カードを返却すると、カードを借りるときに支払っ た料金(10€程度)は戻ってくる。記念に持ち帰 ることもできる。試合観戦ではサポーターだけで はなく、ほぼすべての人が途中で立ち上がったり、

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大声を出したりして熱く観戦していた。相手選手 がミスをしたら、試合中でもスクリーンにビール のコマーシャルを流して煽っているのが日本には ない面白い点であった。スタジアムも声が響くよ うな造りになっていて、観客が日本に比べてアク ティブであると感じた。

9月16日

〇バルセロナ育成施設にて

講師:西畑氏(アルビレックス新潟バルセロナ)

 「La Masia」(日本語で農家の意味)というバル セロナの育成施設があったが、周りが頑丈な柵で 覆われていて、中を視察することはできなかった。

少 し 進 む と、「ESTADI JOHAN CRUYFF」( ヨ ハン・クライフスタジアム)があり、ここは主に FCバルセロナBやユース年代の試合の際に使用 されている。スタジアム名はかつてFCバルセロ ナを率いたレジェンドであるヨハン・クライフの 名前がそのまま付けられている。

 トップチームの練習も行われている育成施設に 今回は特別に入らせてもらった。サッカーコート が9面(1面は大きさが半分)、バスケットコート が2面とかなり広くなっていた。バスケットコー トはあったが、バイエルン・ミュンヘンのカンプ スと比べてサッカー専用に近い印象であった。ま た、芝生は市が管理している。ただでさえ柵で厳 重に囲われた施設であるのに、トップチームが練 習に使用するグランドその中でもさらに厳重に囲 われていたため、視察はできなかった。

 U-6から育成組織があり、そのリーグ戦も行わ れる。カテゴリーの分け方は日本ともドイツとも ことなり、バルセロナでは2年ごとに分けられて いる。練習場には、上からの練習の映像を撮影し、

分析できるようにカメラが設置されていた。同行 していた西畑さんによると、視察時に行われてい たスクールではスペイン語とカタルーニャ語の2 つの言語で指導されていたという。女子のチーム やユース年代のキーパー練習、中学生年代の練習

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など様々なカテゴリーの練習が行われていた。

9月17日

〇 ジムナスティック・タラゴナ(ラ・リーガ3部 所属)

講師: Jose Maria Andreu Sole氏(マーケティング ダイレクター)

   Jordi Gornals氏(育成部長)

<クラブ概要>

 ジムナスティック・タラゴナはスペイン・カタ ルーニャ州のタラゴナに本拠地を置くサッカーク ラブチームである。2005-2006シーズンはラ・リー ガ2部で準優勝を成し遂げ、3度目の1部昇格を 果たしたが、2006-2007シーズンでは1部で20位 と低迷し、再び2部に降格した。現在は3部リー グに所属していて、かつては日本人の鈴木大輔選 手が所属していた。

<ホームタウンの歴史や情報>

 古代ローマ時代に築かれた歴史の長い街で、現 在も水道橋や円形競技場などの遺跡が残っており、

観光客も多く、世界遺産にも登録されている。

<指導や育成の視点>

 良い選手を育てることよりも、人間的な成長を 促す育成をしている。そのため、親御さんを集め てミーティングする機会をつくっている。育成年 代のカテゴリーは12歳以下は7人制、それ以上に なると11人制の試合をするようになる。まず、12 歳 以 下 の7人 制 は 下 か らBabses、Prebenjami、

Benjami、Aleviと区分されており、それぞれの中

でもさらにA~Hまで分けられている。これらのカ

テゴリーは全部で73名のスタッフが支えている。

11人制も同様、下からInfantil、Cadet、Juvenilと いうふうに区分されていて、それぞれ更にA〜F に分けられる。そのうち、Juvenilのチームはすべ て各カテゴリーのスペイン国内トップリーグに所 属しており、FCバルセロナなどと同じリーグであ る。そんなエリートが集まる下部組織ではあるが、

トップチームに上がれる選手はなかなかいない。

それほどトップチームでプレーするのは難しい現 状があるという。

9月18日

〇 カンプノウ(FCバルセロナのホームスタジアム)

視察

 カンプノウはスペインのラ・リーガに所属して いるFCバルセロナのホームスタジアムであり、

収容人数は99,354人でヨーロッパ最大のスタジア ムである。UEFAによって最高級の称号である「カ

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テゴリー4」が与えられている。スタジアム内に は様々な設備があり、クラブミュージアムでは過 去にバルセロナが獲得した数々のタイトルや、リ オネル・メッシ選手が獲得したバロンドールなど が展示されていた。ミュージアムを出るといよい よ観客席にでる。ゴール裏には片方にRakuten、

もう片方にナイキのマーク、正面は「MÈS QUE 

UN CLUB」(クラブ以上の存在)と大きく記され

ていた。

 スタジアムの外にはバルセロナの公式ショップ があり、ナイキショップのなかでも世界で1番の 売り上げを誇っているそうである。試合がないと はいえ、スタジアムにある様々な設備や公式ショッ プ、そしてカンプノウの圧巻の雰囲気を楽しむこ とができ、多くの人でにぎわっていた。

最後に

 本実習は、ドイツやスペインのクラブチームの 視察およびスタッフからの講義、スタジアム視察

などの視察部分と講義部分に分かれ、多くの情報 を得ることができた。さらに、二か国にて実習を 開講したことにより、両国において、育成という 観点から何を重視し、どのように選手を育ててい くのか、国として育成の指針をどのように設け、

それをクラブ単位でいかに実践していくかと移転 に関して多くの情報を得ることができたと考える。

さらに、それぞれサッカーがそこに住む人々の生 活や文化といかに関連し、どのように受け入れら れているかという視点でもサッカーを見ることが できたと考える。本実習は今年度よりスタートし、

担当者がサッカー専門であるということでサッ カーの比重が高くなったが、今後の課題としては 欧州の様々なスポーツに関する指導の観点や考え 方、施設などを講義内に盛り込むことによって、

履修者においてはさらなる理解が促進することと 考える。

参照

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