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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ミエ ノ シュカン ヒョウカ ニ モトヅク オ リモノ ノ コンピューター グラフィックス ノ  ケンキュウ

卓, 炫住

九州大学芸術工学府

https://doi.org/10.15017/19758

出版情報:Kyushu University, 2010, 博士(芸術工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第 2 章 これまでの先行論文の問題点と例

2. 1 Westin(1992) ら 2. 2 Ashikhmin(2000) ら 2. 3 Yang(2003)ら

2. 4 武田(2006)ら

(3)

- 34 - 2.先行論文

現在、多く研究では、織物のフォトリアリスティックCGの描画方法が提案されてい る。織布の材質や見え方をCGで表現するために、糸の光の反射特徴や織布の立体構造 による織布表面からの反射の異方性に対応する双方向反射分布関数(BRDF)を計測した り導出して、織布の反射光を忠実にCGとして再現する方法が研究されているが、これ らの方法は、実際に織物を織る前に、前もって出来上がりを画像で確認する際、非常に 時間や費用がかかる問題点を抱いている。

2.

1 先行論文 (Westinら)

Westin らは、粗い表面の幾何学から拡散反射を物理的に基づいて簡潔なBRDFを求

める方法を提案した1)。物体表面の粗い幾何学からの複雑な拡散を新しい係数として算 出できるモンテカルロ(Monte Carlo)技術と Micro scaleの BRDFから Milliscale の BRDFの生成方法を導出し、その有力性を確認した。

算出する方法において、まず、micro scale の中にある微視的幾何 (micro facet geometry)をモンテカルロ(Monte Carlo)方法に、視点からレイを追跡して算出された値 をMicro scaleとし、それらの平均値をMilliscaleのBRDFとした。ここで、Milliscale はMicro scaleを含めている (図18)。

小規模のMicro scale (1mm)は、粗い表面の正確なBRDF算出のため重要なスケール である。Micro scaleのBRDFにおける光の強さの変化(masking/shadowing)をより物 理的に正確に算出した。分布係数としては、ガウス分布を用いた。ここで、ガウス分布

は Micro scale の微小面のパーセントを表している。さらに、モンテカルロ(Monte

Carlo)方法を用いて、視点からレイが光源に到達するまで追跡することによって、グロ ーバルイルミネイーション(global illumination)という間接的な拡散反射まで含めて、

(4)

- 35 -

間接光が及ぼす影響をシミュレートした方法である。こういった方法は、多様な表面を モデル化することができ、その有力性を確認した (図19~図21)。

図18 スケールの応用

図19 ベルベット

(5)

- 36 -

図20 織物のマイクロ幾何と実際織物

図21アツミニウム湯沸かし

(6)

- 37 - 2. 2 先行論文 (Ashikhminら)

Ashikhmin らは、織布の微視的幾何構造(micro facet geometry)を基にした布の異方 性反射を表すBRDFを生成した2)。微視的幾何構造(micro facet geometry)については、

鏡面反射と拡散反射の二つ成分に分けて BRDF を算出した。式は、以下のように表さ れる。

ρ

(

, ) =

ρ

( , ) +

ρ

( , )

ここで、 ( , )は、BRDFの拡散光の成分で、ρ ( , )は、鏡面反射光の成分 である。 は光源のベクトル、 は視線への方向ベクトルである。鏡面反射成分には、

基本としてphongのモデルが使われた。

ρ (

, ) = c

F(k .h)

nは、面の粗さを表すパラメータ、 は、正規化された と の間のハーフベクトルで ある。nを従法線ベクトル方向uと接法線ベクトルvに応じて反射率が違うものと設定 し、異方性モデルまで拡張した (図22)。エネルギーを保存するために、Frensel項を 追加し、係数cを求め簡潔な公式を導き出した。拡散反射においても、鏡面反射と同じ ように総エネルギー保存を考慮し拡散光のBRDFを算出した。

(e , l) = c

(1 - R (

)) (1 - R (

))

このように鏡面反射と拡散反射を分けることによって、布表面の微視的幾何構造から

(7)

- 38 -

反射特性を反映して、正確性と実用性がより高まる。彼らは、このモデルをサテンやベ ルベットをモデル化しその有力性を確認した (図23~24)。

h

v φ

u

22 AshikhminのBRDFモデル座標

(8)

- 39 -

図23 合成サテン(左), ベルベット(右)

図24 色が違うベルベットのデーブルカーバ

(9)

- 40 - 2. 3 先行論文 (Yangら)

Yangらは、糸表面の微小領域における反射率の計測データからBRDFを求め、表面 の粗い織布に対し、繊維の材質の違いや糸の撚り方によって作られる幾何学構造による 影・遮蔽の3つパラメータでモデル化した3)。影・遮蔽は、入射角度と見る角度によっ て、我々の目で見られる反射率は違ってくる。ここで、重要なパラメータは孤の半径と 横の長さおよび の法線である。

入射角度(s)と見る角度(v)がπ/ 2- より小さければVが法線nに近いほど陰になら ないので、物体表面は明るく見える (図25)。BRDF 式は以下のように表される。

( , , , , , ) =

A =

, ( ) v, d B =

, ( ) , ( ) L

ここで、rは孤の半径、Lは孤の接線、Sは入射、Vは視点、nは、SとVがなす法線 である。また、入射角度(s)と見る角度(v)がπ/2- よりおおきいほど影・遮蔽ができ物 体表面は暗く見える。このように、 によって、表面の明るさは決まってくる。パラメ

ータP( )は、ガウス分布に仮定される。

P( ) = c exp

cos

ただし、 と は、繊維の材質の違いや糸の撚り方による変わるため、標準偏差で表せ

(10)

- 41 -

る。彼らは、繊維から糸をシミュレーションした幾何モデルの手法の理論をシルク、ベ ルベット、ポリエステルの実物体による実験結果を示し、その有力性を確認した。

z

r

y

x

25 糸の表面モデル

(11)

- 42 - 2. 4 先行論文 (武田ら)

武田らは、シルクライクな無彩色(黒色)のポリエステルサテンを対象織布とした

(図 26)。撚りがかかっていないフィラメント糸からなる織布において、BRDF を測定

するのではなく、粗い面を構成する微小面(マイクロファセット)の表面幾何学構造を鏡 面反射で考慮したCook-TorranceモデルによってBRDFを算出する方法を提案した4)。 Yangらは、織布の表面形状モデルから遮蔽をモデル化したが、表面形状モデルは平織 りだけを考慮しており、一般的な織布の構造を表現するものではない。一方、武田らは、

Yangらのモデルで考慮しなかった長さmを変えることにより、平織り、綾織り、サテ ンの縦糸方向断面における多様な表面形状が表現できるモデルを示した (図27)。

凸表面における遮蔽は、視線の傾きによる以下の三つの場合を考えた。

縦糸方向の表面形状モデルにおける遮蔽 (図27(a)) (ⅰ) 遮蔽が起こらない場合

視線の傾き が0 ≤ < - の場合、遮蔽は起こらない。

(ⅱ) 斜面の直線上で遮蔽が起こる場合

が - < の場合、長さlの直線上で遮蔽が起こる。

(ⅲ) 円孤上で遮蔽が起こる場合

が の場合、半径rの円孤上で遮蔽が起こる。

ここで、橫糸方向の表面形状モデルにおいては、 の代わりに 、 は として、示せ る(図27(b))。Cook-Torranceモデルを適用したBRDFは以下である。

bd (

) =

+ dG

(12)

- 43 -

ただし、入射方向( )、視線方向( )である。Gは、陰・遮蔽(Showing/masking) を表すパラメータで、Dは、微小面分布、F はフルネル項を示す。このBRDF式に適 用し、実測の反射光データからパラメータを決定し、推定された幾何学構造から生成し たBRDFと実測したBRDFの比較実験を行い、本手法の有力性を確かめた (図28)。

さらに、武田らは、ここで推定された幾何学構造から得られた織りの表面形状から全 織り方向に対する陰・遮蔽の抽出を行なった5)。入射方向を鉛直方向に固定し、織構造 の直交二軸性に基づいて選択された1/8球上の視点範囲内で尐点の観察画像を獲得した

(図29)。獲得した画像を基に、基準異方性反射分布と呼ぶ基準表面反射モデルを生成し

た。入射方向を変化させて多視点から観測し、獲得した多視点画像からフルネル効果を 考慮した反射光解析による直交二軸性の異方性を抽出した。得られた特性に基づき、基 準異方性反射分布から高精度の BRDF を生成して同素材の任意に彩色されたドレスに 着装するというシミュレーション実験から、彼らが提案した手法の有力性を確認した (図30)。

図26 実際の織物(左)と シミュレーションした表面(右)

(13)

- 44 -

r

縦糸方向 (a)

横糸方向 (b)

図27 橫、縦糸の表面幾何モデル

(14)

- 45 - Reflectance

[ degress]

縦糸方向(a)

[ degress]

橫糸方向(b)

図28 縦、橫糸方向における表面幾何モデルから反射生成

(15)

- 46 - N=Z

Y= warp

Incident Ray R Reflected Ray

L

Incient Angle V

Viewing Direction

X Plane of Incident

29 織物のBRDF幾何

図30 任意に彩色された柄つき着装スシミュレーション

図 24  色が違うベルベットのデーブルカーバ

参照

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