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石炭灰造粒物の実機製造と力学性能に関する検討 富山県立大学 ○高畠

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Academic year: 2022

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(1)

石炭灰造粒物の実機製造と力学性能に関する検討

富山県立大学 ○高畠 依里(学生会員)

富山県立大学 伊藤 始 (正会員)

北陸電力(株) 橋本 徹 北電技術コンサルタント(株) 水上 隆司

1.はじめに

石炭火力発電所などからの産業副産物である石炭 灰の発生量は,全国的にみて増加傾向にある.石炭を 燃焼すると約 1 割の石炭灰が発生し,多くの石炭灰 を有効利用していくことが求められている.

本研究では,石炭灰を造粒固化し,道路路盤材へ の適用を検討する.道路路盤材には,コンクリート 塊などを用いた再生路盤材などが用いられており,

高いすりへり抵抗性や強度が求められる.加えて,

環境面で微粒分が少ないことや運搬面で軽量である ことのニーズもある.

前回までの検討では,試験用のパン型造粒機(試 験機)における石炭灰造粒物の強度特性を把握した

12.本検討では,実際の製造で使用するφ3.5mの パン型造粒機(実機)を用いて造粒したものと試験 機で造粒したものとの強度の違いを把握することを 目的とした.前回までの結果および経済性を踏まえ て,実機では石炭灰1000㎏当たりセメント量220kg に固定し,混和材料を混入しない条件で検討を行う こととした.

2.実験方法

(1)使用材料と実験ケース

本研究では,富山新港火力発電所の石炭灰(フラ イアッシュ)を使用した.

水粉体比W/(C+F)を25%一定とし,セメント量を

変化させた表-1 に示すケースについて検討を行った.

試験機で造粒したものをAシリーズとし,実機で造 粒したものをBシリーズとした.養生方法は,自然

養生とし,水は練混ぜ水として15%,調湿水として 10%を混入した.

(2)造粒物の製造

実機による造粒物の製造は,生コンプラント用パ ン型ミキサーにセメントとフライアッシュ,練混ぜ 水を投入して練り混ぜ,混練物を製造した.次に混 練物を実機に投入し,調湿水を加えながら造粒した.

(3)養生方法

養生方法として自然養生は,造粒物を実験室内に 静置することで行った.

(4)圧潰試験

圧潰試験は,造粒物の直径が約13mmのものを選 び,直径を計測した後,万能試験機を用いて鉛直荷 重を増加させることで圧潰した.試験は 1ケースに つき10個を実施した.

(5)すりへり試験

JIS A 1121に従い,ロサンゼルス試験機によるす

りへり試験を行った.毎分30~33回転で500回転さ せ,回転終了後,1.7mmの網ふるいに残った試料を 乾燥し,質量を計測した.

3.実験結果

(1)圧潰強度

圧潰強度と強度発現の関係を図-1 に示す.圧潰強 度は,試験時の荷重を直径から計算した断面積で除 して求めた.また, AシリーズとBシリーズは養生 中の温度条件が異なるため,材齢を積算温度に換算 して整理することとした.

B シリーズの圧潰強度は,A シリーズと同様に,

表-1 実験ケース シリーズ 造粒機 ベントナイト

混入量 養生方法 フライアッシュ1000㎏当たりの セメント量(㎏)

圧潰強度 実施材齢

すりへり試験 実施材齢 0,100,120,140,160,180,200,220 28日,91日

220,250,280 7日,28日,56日,91日

B 実機

φ3.5m 220 7日,28日,56日,91日

28日

A 試験機

φ1.0m

自然 0%

V‑005 土木学会中部支部研究発表会 (2012.3)

‑391‑

(2)

積算温度が大きくなることに伴い大きくなった.B シリーズの圧潰強度がAシリーズの値に比べ大きく なった要因は,造粒機の直径が大きく造粒物の転動 圧密の圧力が大きくなったことで造粒物が密実にな ったと考えられる.

図-2 に材齢 28 日の圧潰強度と湿潤密度の関係を 示す.湿潤密度は,間隙に水分や空気を含む密度で あり,造粒物の質量を造粒物の平均直径から算出し た体積で除すことで算定した.圧潰強度は,湿潤密 度が増加するのに伴い増加する傾向が見られ,両者 には相関性が見られた.この結果から,実機を用い ることで,造粒物の密実性が高まり,圧潰強度が大 きくなったと判断できた.B シリーズの圧潰強度は 2.59N/mm²で,A シリーズの値 1.35N/mm²及び 1.44N/mm²の約1.8倍となった.

(2)すりへり減量

すりへり減量と圧潰強度の関係を図-3 に示す.す りへり減量の目標値が35%であり,図-3の近似直線 をすりへり減量 35%まで外挿すると,圧潰強度は 2.56N/mm²となった.

(3)季節ごとの養生管理

圧潰強度と積算温度の関係を図-4に示す.B シリ ーズの圧潰強度と積算温度の関係を対数近似し,そ れぞれの標準偏差σを差し引いた曲線を見ると,圧 潰 強 度 が 2.56N/mm² と な る の は 積 算 温 度 が 約 1000℃・日の場合である.この結果を用い,富山県

(伏木)の平均気温を用いると,必要な日数は,夏 期35日間,春期・秋期50 日間,冬期80日間とな った.この日数を養生することで,間接的に造粒物 のすりへり減量が目標値を満たすと考えて管理する こととした.

4.まとめ

本研究で得られた知見を以下に示す.

①造粒機に実機を用いたとき造粒物の密実性が高ま り,試験機より圧潰強度が大きくなった.

②安全側の積算温度1000℃・日を用いると,すりへ

り減量が35%を満たすのに必要な養生日数は,夏

期35日間,春期・秋期50 日間,冬期80日間と なることが分かった.

今後,石炭灰の種類や性状によるすりへり減量や 圧潰強度の違いを検討する予定である.

参考文献

1) 高畠依里,伊藤始,橋本徹,長山明:セメント混入量が石炭灰造 粒物のすりへり特性と強度特性に与える影響,土木学会中部支部 発表会講演概要集,V-24,pp.515-516,2010.3.

2)伊藤始,高畠依里,橋本徹,長山明:石炭灰造粒物の強度特性に 与える養生方法と混和材料の影響,土木学会中部支部発表会講演 概要集,V-21,pp.493-494,2011.3.

図-1 圧潰強度の強度発現

図-2 圧潰強度と湿潤密度の関係

図-3 すりへり減量と圧潰強度の関係

図-4 圧潰強度と積算温度の関係

0.0  0.5  1.0  1.5  2.0  2.5  3.0  3.5  4.0 

0 1000 2000 3000

圧潰強度N/mm²

積算温度(℃・日)

A B

セメント量 220㎏

91日

91日 56日

56日 28日 28日

7日 7日

0.0  0.5  1.0  1.5  2.0  2.5  3.0 

1.0  1.2  1.4  1.6  1.8  2.0 

圧潰強度N/mm²

湿潤密度(g/cm³)

A B

材齢28日

10  20  30  40  50  60  70  80  90  100 

0.0  0.5  1.0  1.5  2.0  2.5  3.0 

すり%

圧潰強度(N/mm²)

A B

材齢28日 自然養生

y=‐25.848x+101.29

y = 0.7471ln(x) ‐2.5723

0.0  0.5  1.0  1.5  2.0  2.5  3.0  3.5  4.0  4.5 

500  1000  1500  2000  2500 

圧潰強度N/mm²

積算温度(℃・日)

圧潰強度 圧潰強度‐σ

対数(圧潰強度)

対数(圧潰強度‐σ) B‐N‐220

V‑005 土木学会中部支部研究発表会 (2012.3)

‑392‑

参照

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