イメージ調査に基づく奈良県南部地域の観光振興に関する考察
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(2) 研究ノート. 近い記憶の形式(身体的記憶)から生まれるイメージ 3)とシンボル化能力が 生み出す心象の表象を伴う記憶の形式(言語的記憶)から生まれるイメージ 4) がある(安島 2004) 。 観光のような無形のサービスにおいては、購買前に製品を手に取ったり、 実際に試したりすることができないため、購買に至る過程でイメージの重要 性が高まると考えられる。観光とイメージに関する先行研究においても、消 費者の観光動機に働きかけ、観光地選択の重要な要素となって観光動機を引 き起こすこと(中谷 2007)や、肯定的なイメージが強い観光地ほど、観光先 選択における意思決定の過程において、行き先として選択される確率が高ま ること(Alhemoud & Armstrong 1996、Echtner & Ritchie 1991、Johnson & Thomas 1992、Tilisman-Kosuta 1994)が指摘されている。 また観光地のイメージは、観光地を訪れる前だけでなく訪れた後において も満足(大和 2011)や、再来訪意向に影響する(Court & Lupton 1997、大 和 2011)。無形財であるサービスでは、購買の失敗リスクを低減するため、 信頼できる他者からのクチコミが購買決定に大きな影響を持つが、満足度が 高い訪問客には、肯定的なクチコミを期待できる。また観光地として多くの 観光客に訪れてもらうためには、新たな観光客を誘致するだけでなく、1 度 訪れたことがある観光客の満足や再来訪意向を高めてリピーターに繋げるこ とが必要である。 以上のように、観光地にとって肯定的で魅力あるイメージを構築すること は、観光での成功を左右する重要なファクターである。. 3.南部地域のイメージに関するアンケート調査 (1)調査の方法と内容 南部地域の消費者のイメージを知るため、アンケート調査を実施した。調 査はJR奈良駅周辺で通行する人を対象として面接によって行った。実査に 当たる学生と回答者の負担を軽減するため、質問項目はA4の用紙 1 枚に収 まる数に絞り、選択肢も自由回答を極力減らした。なお、調査項目・選択肢 の検討、実査及び回収データの入力は、筆者が担当する基礎ゼミに所属する 58.
(3) イメージ調査に基づく奈良県南部地域の観光振興に関する考察. 1 回生 10 名の授業の一環として行った 5)。 【調査概要】 ◦調査方法:面接によるアンケート調査 ◦ 調査時期:2015 年 11 月 14 日(土) ・15 日(日) ◦調査場所:JR奈良駅改札前及び1階バスターミナル周辺 ◦ 実施方法:調査場所周辺の通行者を対象に南部地域の地図を示して質問 ◦ 回収数:205(内 有効票 205) ◦有効回答率:100% 【アンケート調査項目と選択肢】 Q 1. 南部地域訪問経験の有無、訪問目的、 (観光目的の場合)観光場所、 (観光経験がない場合)観光に行かない理由. Q 2. 南部地域の主な観光地 / 観光スポット(以下、観光地)の認知. 1. 吉野山 2. 洞川温泉 3. 天河大弁財天社 4. みたらい渓谷. 5. 谷瀬の吊り橋 6. 大台ケ原 7. 五條新町通り 8. 不動窟鍾乳洞. 9. 面不動鍾乳洞 10. 大峯奥駆動 11. 広橋梅林 12. 蜻蛉の滝. 13. 高見の郷 14. 赤岩渓谷 15. どこも聞いたことはない. Q 2-1 他に知っている南部地域の観光地がある場合はその名称 Q 3. 南部地域のシンボルイメージ. Q 4. 南部地域の一般イメージ(どの程度当てはまるか 5 段階で回答). 1. 自然が豊か 2. 人が温かい 3. 静か 4. 遠い 5. 秘境. 6. 修験道の聖地 7. 隠れ里 8. 観光地がない 9. 山しかない. Q 5. 南部地域に観光客を増やすために必要なこと. 1. 公共交通機関を増やす 2. 道路の整備 3. 魅力的な観光スポット. 4. お洒落なレストランやカフェ 5. 宿泊施設の整備. 6. イベントの開催 7. 観光情報の発信 . 8. 公共交通や宿泊に関するお得なプラン 9. その他. 地域創造学研究. 59.
(4) 研究ノート. (2)調査の結果 1)回答者の属性 表 1 は、回答者の属性についてまとめたものである。性別では女性が約 6割 割と男性に比べ少し多かった。年齢は 20.5%と最も多く、70 代 と 男 性 に 比 べ 少 し 多 か っ た 。 年 齢 は 60 代60 が 代が 20.5% と 最 も 多 く 、 70 代 (19.5%) 、50 代以上が過半数を占めた。10 ( 19.5% )、 代(14.1%)と続き、50 50 代 ( 1 4.1% ) と 続 き 、 50 代 以 上 が 過 半 数 を 占 め た 。 10代から 代 か ら40 代はそれぞれ 10%から 40 代 は そ れ ぞ れ 10 % か13%とほぼ同じくらいの割合となった。 ら 13 % と ほ ぼ 同 じ く ら い の 割 合 と な っ た 。 表 11 回答者の属性 表 回答者の属性 属性 男性 性別 女性 無回答 20歳未満 20代 30代 年齢 40代 50代 60代 70歳以上 奈良県 京都府 大阪府 居住地 兵庫県 東京都 その他. 回答者数(人) 78 125 2 27 23 21 23 29 42 40 104 35 33 6 5 22. 割合 38.0% 61.0% 1.0% 13.2% 11.2% 10.2% 11.2% 14.1% 20.5% 19.5% 50.7% 17.1% 16.1% 2.9% 2.4% 10.7%. 2) 訪問経験の有無、訪問目的 (S 2) 訪問経験の有無、訪問目的 ( SA) A) 南部地域への訪問経験については、回答者のうち 64.9%が、訪問したこと 南 部 地 域 へ の 訪 問 経 験 に つ い て は 、回 答 者 の う ち 64.9% が 、訪 問 し た こ と があると答えた。訪問の主な目的は、 観光」 が あ る と 答 え た 。 訪 問 の 主 な 目 的 は「 、「 観 光が 」 79.3%と最も多く、 が 79 . 3 % と 最 も 多「 く仕事」 、「 仕5.7%、 事」 「親族訪問」 「知人 ・友人訪問」 「学校」 1.4%、 5.7%であっ 5.7% 、「 親4.3%、 族訪問 」 4.3% 、「 知 人 ・2.9%、 友人訪 問 」 2.9% 、「「その他」 学 校 」 1.4% 、「 そ の た。今回の調査では、約 割が観光で南部地域を訪れた経験をもっていた。 他 」5.7% で あ っ た 。今 回8の 調 査 で は 、約 8 割 が 観 光 で 南 部 地 域 を 訪 れ た 経 験 をもっていた。. 3)観光場所、観光に行かない理由 観光を目的とした訪問経験がある回答者には、観光で訪れた場所を、南部 3 )観光場所、観光に行かない理由 地域を訪問したことがない回答者と訪問目的が観光以外であった回答者に 観光を目的とした訪問経験がある回答者には、観光で訪れた場所を、南部 は、観光に行かない理由を、複数回答で尋ねた。 地域を訪問したことがない回答者と訪問目的が観光以外であった回答者には、 観光で訪れた場所で最も多かったのは「吉野山」で、75 人が観光に行った 観 光に行かない理由を、複数回答で尋ねた。 観 光 で 訪 れ た 場 所 で 最 も 多 か っ た の は「 吉 野 山 」で 、75 人 が 観 光 に 行 っ た. 60経 験 が あ っ た 。 一 方 で 大 峯 奥 駆 動 や 広 橋 梅 林 な ど 調 査 票 に 挙 げ た 観 光 地 の う ち 5 つ に つ い て は 観 光 で 訪 れ た 人 は い な か っ た( 表 2)。他 に 訪 れ た 観 光 地 と.
(5) イメージ調査に基づく奈良県南部地域の観光振興に関する考察. 経験があった。一方で大峯奥駆動や広橋梅林など調査票に挙げた観光地のう しては、8 人が「十津川・十津川温泉」を挙げた。観光に行く場合、対象と ちし 5 つについては観光で訪れた人はいなかった(表 2) 。他に訪れた観光地と て 光 に な るは 観、 光 8地人 がが ど「 の十 行津 政川 区・ に十 位津 置川 す温 る泉 か」 をを 意挙 識げ すた る。 こ観 と が な行 いく た場 め合 か、 、対 南象 部と 地 しては、8 なで るは 観な 光 人が「十津川・十津川温泉」を挙げた。観光に行く場合、対象とな 地「 が当 ど麻 の寺 行」 政(区北に葛位城置郡す当る麻か町を)、 意「識今す井る町こ」( と橿 が原 な市 い) たな めど かの 、回 南答 部地 域 い も る観光地がどの行政区に位置するかを意識することがないためか、南部地域 域っ でた は。 な い 「 当 麻 寺 」( 北 葛 城 郡 当 麻 町 )、「 今 井 町 」( 橿 原 市 ) な ど の 回 答 も あ ではない (北葛城郡当麻町) 「 、今井町」 (橿原市)などの回答もあった。 あ っ た「当麻寺」 。 表 2. 訪 問 し た こ と が あ る 観 光 地 ( MA). 表22 訪問したことがある観光地 観光地/観光スポット 表 訪 問 し た こ と が あ る 観 光回答者数(人) 地(MA) ( MA) 吉野山 観光地/観光スポット 谷瀬の吊り橋 吉野山 大台ケ原 谷瀬の吊り橋 洞川温泉 大台ケ原 みたらい渓谷 洞川温泉 面不動鍾乳洞(天川村) みたらい渓谷 天河大弁財天社 面不動鍾乳洞(天川村) 五條新町通り 天河大弁財天社 不動窟鍾乳洞(川上村) 五條新町通り 大峯奥駆道、広橋梅林、蜻蛉の滝、高見の郷、赤岩渓谷 不動窟鍾乳洞(川上村) 大峯奥駆道、広橋梅林、蜻蛉の滝、高見の郷、赤岩渓谷. 75 回答者数(人) 54 75 52 54 27 52 24 27 17 24 15 17 11 15 10 11 0 10 0. 割合 24.6% 割合17.7% 24.6% 17.0% 17.7% 8.9% 17.0% 7.9% 8.9% 5.6% 7.9% 4.9% 5.6% 3.6% 4.9% 3.3% 3.6% 0.0% 3.3% 0.0%. 南部地域に観光に行かない理由では、 「 行 く 機 会 が な か っ た 」が 37 人 、 「不. 南部地域に観光に行かない理由では、 「行く機会がなかった」が 人、 「不 南 に何 行が かあ なる いか 理よ 由く でわ はか 、 「 なと か続 っい たた 」が 3737 人。 、 「そ 不 便 だ部 か地 ら域 」に 18 観 人光 、「 ら行 なく い機 」会 16が人 (表 3) 「 便だから」 人、 「 何があるかよくわからない」 16 人と続いた 3) 「その他」 便他 だ 」と か ら 18 」て 18 人、 、 」」、 16 た 表。 3) 。「 の し は 「「交何通が費あがる高かいよ」く 、 「わ時か間らがなかいる 「人 身と 近続 すい ぎ(表 て( 」と い う 回そ 答 としては、 「し 交通費が高い」 「 「 のあ 他っ 」と ては、 「 交 通 費、 が 時間がかる」 高 い 」、 「 時 間、 が 身近すぎて」 か る 」、 「 身 近という回答があった。 す ぎ て 」と い う 回 答 が た 。 があった。 表表33 南部地域に観光に行かない理由 南 部 地 域 に 観 光 に 行 か な い 理 由(MA) ( MA) 表 観光に行かない理由 3 南 部 地 域 に 観 光 に 行 か な い回答者数(人) 理 由 ( MA) 行く機会がなかった 37 観光に行かない理由 回答者数(人) 不便だから 18 行く機会がなかった 37 何があるかよくわからない 16 不便だから 18 わからない 8 何があるかよくわからない 16 魅力的な観光スポットがない 6 わからない 87 その他 魅力的な観光スポットがない 6 その他 7. 割合 37.8% 割合18.4% 37.8% 16.3% 18.4% 8.2% 16.3% 6.1% 8.2% 7.1% 6.1% 7.1%. 4) 4 主な観光地の認知度 )主な観光地の認知度 主な観光地を示し、 「聞いたことがある・知っている」ところをすべて挙 4 )な 主観 な光 観地 光を 地示 のし 認、 知 主 「度 聞 い た こ と が あ る・知 っ て い る 」と こ ろ を す べ て 挙 げ げてもらった。最も認知度が高かったのは「吉野山」で、181 主ら なっ 観た 光。 地最 をも 示認 し知 、 「度 聞が い高 たか こっ とた がの あは る・知 っ山 て」 いで る、 」と こ人 ろが を人が「聞いた す聞 べい てた 挙こ げ ても 「吉野 181 「 ことがある・知っている」と答えた。 「どこも聞いたことはない」と回答した てが もあ らる っ・ た知 。っ 最て もい 認る 知 」と 度 が答 高え かた っ。 た が「 と 「の どは こ「 も吉 聞野 い山 た」 こで と、 は 181 な い人 」と 回聞 答い した たこ 人 人も 12あ人 人いた (表 。他に知っている観光地としては、 「 十津川温泉」 「 、 瀞峡」 とが るい・た( 知 っ表て4) い。他 る 」と 答っ えて たい 。 「 回」 答 も 12 4) に知 るど 観こ 光も 地聞 とい した てこ はと 、 「は 十な 津い川」と 温泉 、 「し 瀞た 峡人」 も 12 人 い た( 表 4)。他 に 知 っ て い る 観 光 地 と し て は 、 「 十 津 川 温 泉 」、 「瀞峡」. 地域創造学研究. 61.
(6) 研究ノート. (十津川村) 「金峯山寺」 、 「栄山寺」 (五條市) 、 「玉置神社」 ( 十 津 川 村、 )、 「 金 峯 山 寺(吉野町) 」( 吉 野 町 ) 、 「 栄 山 寺 」( 五 條 市 )、 「 玉置神社」 ((十津 十津 川村) 「天川村温泉」 (天川村) 、 (五條市・東吉野村)という 川 村、 ) 、「 天 川 村 温 泉 」 (天川村) 、「天誅組史跡」 「 天 誅 組 史 跡 」( 五條市・東吉野村)という 回答があった。訪問したことがある観光地と同様に、 「石上神宮」 回 答 が あ っ た 。 訪 問 し た こ と が あ る 観 光 地 と 同 様 に 、「 石 上 神 宮 」((天理市) 天 理 市 )、 、 「今井町」 、 「葛城山麓」 、 「長谷寺(桜井市) 「今井町 」、「 葛 城 山 麓(葛城山麓公園は葛城市) 」( 葛 城 山 麓 公 園 は 葛 城 市 ) 、 「 長 谷 寺 ( 桜 井 市 )」など南 」など 部地域ではない観光地名も挙がった。 南部地域ではない観光地名も挙がった。 表 主 な 観 光 地 の 認 知 度(MA) ( M A) 表44 主な観光地の認知度 観光地/観光スポット 吉野山(吉野町) 大台ケ原(上北山村) 谷瀬の吊り橋(十津川村) みたらい渓谷(天川村) 洞川温泉(天川村) 天河大弁財天社(天川村) 大峯奥駆道(十津川村) 五條新町通り(五條市) 面不動鍾乳洞(天川村) 不動窟鍾乳洞(川上村) 広橋梅林(下市町) 蜻蛉の滝(川上村) 高見の郷(東吉野村) 赤岩渓谷(黒滝村) どこも聞いたことはない. 回答者数(人) 181 122 105 83 76 50 41 40 39 33 27 23 20 20 12. 割合 20.8% 14.0% 12.0% 9.5% 8.7% 5.7% 4.7% 4.6% 4.5% 3.8% 3.1% 2.6% 2.3% 2.3% 1.4%. 5) 南部地域のイメージ 5) 南部地域のイメージ 南部地域を象徴するシンボルイメージについて、自由回答で尋ねた結果を 南部地域を象徴するシンボルイメージについて、自由回答で尋ねた結果を 大 き く 分 類 し た の が 表55である。最も多かった「自然」については、 で あ る 。最 も 多 か っ た「 自 然 」に つ い て は 、 「「自然が 自然が 大きく分類したのが表 豊 か、 」 、「 自 然 が 美 し い 」 な ど 総 じ て ポ ジ テ ィ ブ な イ メ ー ジ で あ っ た 。「「自然」 自然」 豊か」 「自然が美しい」など総じてポジティブなイメージであった。 に 次 い で 回 答 が 多 か っ た「山」 「 山 」については、 に つ い て は 「山奥」 、「 山 奥 」 、「 山 里 」 、「 山 ば か り 」 、 に次いで回答が多かった 、 「山里」 、 「山ばかり」 、 「山 「山深い」などポジティブなイメージとネガティブなイメージが混在し、回 深い」などポジティブなイメージとネガティブなイメージが混在し、回答だ 答だけではどちらか判断できないものもあった。また「交通・利便性」につ けではどちらか判断できないものもあった。また「交通・利便性」について い「交通アクセスが良くなった」 ては、 「 交 通 ア ク セ ス が 良 く な っ、 た 」、 「 不 便 を 楽 し む 」と い う 答 え も あ っ た は、 「不便を楽しむ」という答えもあったが、 が 、 そ れ 以 外 は ネ ガ テ ィ ブ な 回 答 だ っ た 人が「水害・その他災害」に関連す 。5 人が「水害・その他災害」に関 それ以外はネガティブな回答だった。5 連 す る イ メ ー ジ を 持 っ て お り 、平23 成 年の紀伊半島水害の影響が未だに消えて 23 年 の 紀 伊 半 島 水 害 の 影 響 が 未 だ に 消 え るイメージを持っており、平成 て い な い こ と が わ か る 。な お 、 「 わ か ら な い、 」 、 「イメージなし」 、 「 無 回 答 」を いないことがわかる。なお、 「わからない」 「イメージなし」 、 「無回答」を合 合 わ せ19 た人は、明確なイメージを持っていないと思われる。 19 人 は 、 明 確 な イ メ ー ジ を 持 っ て い な い と 思 わ れ る 。 わせた. 62.
(7) イメージ調査に基づく奈良県南部地域の観光振興に関する考察 表 5. 南部地域のシンボルイメージ. 表 南 部 地 域 の シ ン ボ ル回答者数(人) イメージ 表55 南部地域のシンボルイメージ シンボル・イメージ 自然・自然環境 58 シンボル・イメージ 回答者数(人) 山 40 自然・自然環境 58 田舎・秘境 30 山 40 森林・木 12 田舎・秘境 30 桜・花見 10 森林・木 12 川・水 4 桜・花見 10 柿川・水 43 風景・景色 柿 33 神社・仏閣 風景・景色 33 その他自然 神社・仏閣 39 水害・その他災害 その他自然 95 交通・利便性 42 水害・その他災害 5 過疎・高齢化 17 交通・利便性 42 吉野 過疎・高齢化 175 人吉野 26 5 その他ポジティブなイメージ 26 人 26 その他ポジティブなイメージ 26 その他ネガティブなイメージ 15 その他ネガティブなイメージ 15 その他のイメージ 12 その他のイメージ 127 わからない わからない 72 イメージなし イメージなし 2 無回答 10 無回答 10. 割合 18.4% 割合 12.7% 18.4% 9.5% 12.7% 3.8% 9.5% 3.2% 3.8% 1.3% 3.2% 0.9% 1.3% 0.9% 0.9% 0.9% 0.9% 2.8% 0.9% 1.6% 2.8% 13.3% 1.6% 5.4% 13.3% 1.6% 5.4% 8.2% 1.6% 8.2% 8.2% 8.2% 4.7% 4.7% 3.8% 3.8% 2.2% 2.2% 0.6% 0.6% 3.2% 3.2%. シンボルイメージに加え、南部地域のイメージとした考えられる一般的な. シンボルイメージに加え、南部地域のイメージとした考えられる一般的な シンボルイメージに加え、南部地域のイメージとして考えられる一般的な. イメージについて、 「 非 常 に 当 て は ま る 」、 「 や や 当 て は ま る 」、 「どちらでもな. イメージについて、 「 非 常 に 当 て は ま る 」、 「 や や 当 て は ま る 」、 「、 ど「どちらでも ちらでもな イメージについて、 「非常に当てはまる」 、 「やや当てはまる」. い 」、「 あ ま り 当 て は ま ら な い 」、「 全 く 当 て は ま ら な い 」 の 5 段 階 で 答 え て も. い 」、 「 あ ま り 当 て は ま ら な い 」、「、 全 く 当 て は ま ら な い 」 の 5 段5階段階で答えて で答えても ない」 、 「あまり当てはまらない」 「全く当てはまらない」の. ら っ た 結 果 が 表 6 で あ る 。シ ン ボ ル イ メ ー ジ で も 見 ら れ た よ う に 、「自 然 が 豊. ら っ た 結 果 が 表 6 6でである。シンボルイメージでも見られたように、「自然 あ る 。シ ン ボ ル イ メ ー ジ で も 見 ら れ た よ う に 、「自 然 が 豊 もらった結果が表. か 」 と い う イ メ ー ジ は 、 ほ と ん ど の 回 答 者 が 「 非 常 に 当 て は ま る 」、「 当 て は. か 」 と い う イ メ ー ジ は 、 ほ と ん ど の 回 答 者 が 「 非 常 に 当 て は ま る 」、「 当 て は が豊か」というイメージは、ほとんどの回答者が「非常に当てはまる」 、「当. まま るる 」」 とと 答答 ええたた。。 てはまる」と答えた。. 表 南 ージ ジ 表 南部 部地 地域 域の の一 般 イ メ ー 表666 南部地域の一般イメージ 自然が 人が 自然が 人が 豊か 温かい 豊か 温かい 56 56 1 81 38 3 非常に当てはまる 非常に当てはまる 89.3% 27.3% 89.3% 27.3% 18 57 18 57 やや当てはまる やや当てはまる 8.8% 27.8% 8.8% 27.8% 33 8899 どちらでもない どちらでもない 1.5% 43.4% 1.5% 43.4% 1 1 22 あまり当てはまらない あまり当てはまらない 0.5% 1.0% 0.5% 1.0% 0 1 全く当てはまらない 0 1 全く当てはまらない 0.0% 0.5% 0.0% 0.5%. 静か 静か. 113322 64.4% 64.4% 56 56 27.3% 27.3% 16 16 7.8% 7.8% 11 0.5% 0.5% 0 0 0.0% 0.0%. 遠い 遠い. 11228 62.4% 62.4% 49 49 23.9% 23.9% 19 19 9.3% 9.3% 55 2.4% 2.4% 4 4 2.0% 2.0%. 秘境 8844 41.0% 41.0% 61 61 29.8% 29.8% 47 47 22.9% 22.9% 9 9 4.4% 4.4% 4 4 2.0% 2.0%. 修験道の 観光地が 修験道の 観光地が 山しか 山しか 隠れ里 隠れ里 聖地 ない ない 聖地 ない ない 55 48 3131 6 16 1 55 48 26.8% 23.4% 15.1% 29.8% 26.8% 23.4% 15.1% 29.8% 36 53 35 4949 36 53 35 17.6% 25.9% 17.1% 23.9% 17.6% 25.9% 17.1% 23.9% 9999 8888 5 85 8 4747 48.3% 42.9% 28.3% 22.9% 48.3% 42.9% 28.3% 22.9% 12 16 38 25 12 16 38 25 5.9% 7.8% 18.5% 12.2% 5.9% 7.8% 18.5% 12.2% 3 0 43 23 3 0 43 23 1.5% 0.0% 21.0% 11.2% 1.5% 0.0% 21.0% 11.2%. 地域創造学研究. 63.
(8) 研究ノート 回答者の属性による大きな違いは見られなかったが、 「 修 験 道 の 聖 地 」に つ い て は 、年 齢 と の 間 に や や 相 関 が 認 め ら れ( r= 0.25)、年「修験道の聖地」に 齢 が 高 い 人 ほ ど「 非 回答者の属性による大きな違いは見られなかったが、 常 に 当 て は ま る 」、 「 当 て は ま る 」と 回 答 す る 傾 向= が0.25) 見られ た 。特 に 60 代 、70 ついては、年齢との間にやや相関が認められ(r 、年齢が高い人ほど 代では、それぞれ、 4「当てはまる」 0.5% 、 40 .0% が 「非常に当てはまる」と回答してお 、 「非常に当てはまる」 と回答する傾向が見られた。特に 60り代、 年 代 に よ っ て 日 本 独40.5%、40.0%が「非常に当てはまる」と回答しており、 自の混淆宗教である修験道に関する知識の深さが異なる 70 代では、それぞれ こ と が 、 イ メ ー ジ の 差 と な っ て い る 可 能 性 も 考 え ら れ る ( 図 1)。 年代によって日本独自の混淆宗教である修験道に関する知識の深さが異なる. ことが、イメージの差となっている可能性がある(図 1)。. 図 「修験道の聖地」 のイメージに関する年齢による違い 図11 「修験道の聖地」 のイメージに関する年齢による違い. 6観光客を増加するために必要なこと )観光客を増加するために必要なこと 6) 最 後 に 南 部 地 域 の 観 光 客 を 増 加 す る た め に 必 要 と 思 わ れ る 項 目 を 11つ 選ん 最後に南部地域の観光客を増加するために必要と思われる項目を つ選ん でもらった 。 「 公 共 交 通 機 関 を 増 や す 」が37.6%で最も多く、 37.6% で 最 も 多 く 、 「観光情報の発 でもらった。 「公共交通機関を増やす」が 「観光情報の発 信 」 15.1% 、「 魅 力 的 な 観 光 ス ポ ッ ト 」 13.7% と 続 い た ( 表 7)。 ま た 「 そ の 信」15.1%、 「魅力的な観光スポット」13.7%と続いた(表 7)。また「その他」 他 」と して、 「 美 味 し い も の を 食 べ ら れ る、 場ホテルが足らない」 所 」、 「 ホ テ ル が 足 ら、 な 1日で帰っ い 」、 「1日 として、 「美味しいものを食べられる場所」 「 「 で 帰 っ ち ゃ う 」、「 バ ス を 郊 外 に 出 す 」、「 わ か り や す く 見 や す い 観 光 情 報 の 発 ちゃう」 、 「バスを郊外に出す」 、 「わかりやすく見やすい観光情報の発信」、 「宿 信 」、「 宿 泊 施 設 の 整 備 を 発 信 」、「 宣 伝 ・ PR」、「 タ ー ゲ ッ ト を 絞 る 」 と い う 回 泊施設の整備を発信」 、 「宣伝・PR」 、 「ターゲットを絞る」という回答があり、 答があり、中には「秘境のイメージなので人が増えるのはどうか」というよ 中には「秘境のイメージなので人が増えるのはどうか」というような観光地 うな観光地化することに疑問を持つ意見もあった。 化することに疑問を持つ意見もあった。. 64.
(9) イメージ調査に基づく奈良県南部地域の観光振興に関する考察 7 観光客増加に必要なこ と 表表 7 観光客増加に必要なこと (SA). 公共交通機関を増やす 観光情報の発信 魅力的な観光スポット 宿泊施設の整備 イベントの開催 道路の整備 お洒落なレストランやカフェ 公共交通や宿泊に関するお得なプラン その他. 回答者数(人) 77 31 28 17 16 14 13 1 8. 割合 37.6% 15.1% 13.7% 8.3% 7.8% 6.8% 6.3% 0.5% 3.9%. ( 3イメージの規定因 )イメージの規定因 (3) 大(2010) 津 ( 2010) は、和歌山県を事例としたイメージの規定因に関する研究に 大津 は、和歌山県を事例としたイメージの規定因に関する研究にお おいて、訪問回数がイメージに影響を与えること、訪問することで地域に対 いて、訪問回数がイメージに影響を与えること、訪問することで地域に対す する良いイメージが高まることを指摘している。そこで訪問経験や観光地に る良いイメージが高まることを指摘している。そこで訪問経験や観光地に関 関する知識とイメージとの関連の有無について調べるため、相関分析を行っ する知識とイメージとの関連の有無について調べるため、相関分析を行った。 た 。 分析に当たっては、まず各回答者のシンボルイメージ (Q 3 )をポジティブ 分 析 に 当 た っ て は 、ま ず 各 回 答 者 の シ ン ボ ル イ メ ー ジ( Q 3)を ポ ジ テ ィ ブ なイメージ、ネガティブなイメージ、どちらでもないイメージの3つに分類 なイメージ、ネガティブなイメージ、どちらでもないイメージの3つに分類 してそれぞれの数を数えるとともに合計の数を計算した。次に訪問したこと してそれぞれ の数 をと知っている観光地 数 え る と と も に 合 計(Q の 数2を 算した。次に訪問したこと がある観光地 (Q 1) )計 についてもその数を数え、シ が あ る 観 光 地 ( Q 1) と 知 っ て い る 観 光 地 ( Q 2) に つ い て も そ の 数 を 数 え 、 ンボルイメージ、ポジティブなイメージ、ネガティブなイメージそれぞれの シンボルイメージ、ポジティブなイメージ、ネガティブなイメージそれぞれ 数との相関を調べた。 の 数との相関を調べた。 その結果、訪問経験の有無(r=−0.27)及び観光で訪れたことがある場所 そ の 結 果 、 訪 問 経 験 の 有 無 ( r= -0.27) 及 び 観 光 で 訪 れ た こ と が あ る 場 所 の数(r=0.28)とイメージの数の間でやや相関が認められた。またポジティ の 数( r= 0.28)と イ メ ー ジ の 数 の 間 で、知っている観光地の数(r=0.27)お や や 相 関 が 認 め ら れ た 。ま た ポ ジ テ ィ ブなイメージと訪問経験(r=−0.20) ブ な イ メ ー ジ と 訪 問 経 験 ( r = -0.20 )、 知 っ て い る 観 光 地 の 数 ( r= 0.27) お よび観光で訪れたことがある場所の数(r=0.40)との間でも相関が認められ よ び 観 光 で 訪 れ た こ と が あ る 場 所 の 数( r= 0.40)と の 間 で も 相 関 が 認 め ら れ た。特に訪問経験がある観光地の数とポジティブなイメージの数の間ではか た。特に訪問経験があ る 観2) 光。 地の数とポジティブなイメージの数の間ではか なりの相関がみられた (図 な り の 相 関 が み ら れ た ( 図 2 )。 すなわち、①訪問経験がある人ほどイメージが豊富で、ポジティブなイ つまり、訪問経験がある人ほどイメージが豊富で、ポジティブなイメージ メージを持っている、②観光地を多く知っているほどポジティブなイメージ を持っていた。また観光地を多く知っているほどポジティブなイメージを持 を持ち、③多くの観光地を訪れている人ほど豊富なイメージとポジティブな ち、多くの観光地を訪れている人ほど豊富なイメージとポジティブなイメー イメージを持っている、ことがわかった。. 地域創造学研究. 65.
(10) ジを持っていた。. 研究ノート. 訪問経験 1 有 2 無. 知っている 観光地の数. 訪問した 観光地の数. -0.20 -0.27 0.27. 0.40. 0.28 イメージの数. ポジティブな イメージの数. 図図22 シンボルイメージと他の変数との関係 シンボルイメージと他の変数との関係. 以上のように、本調査においても先行研究が示したように訪問することで 以上のように、本調査においても先行研究が示したように訪問することで 地域に対する良いイメージが高まることがわかった。また訪問経験は良いイ 地域に対する良いイメージが高まることがわかった。また訪問経験は良いイ メージを高めるだけでなくイメージを豊富にすること、観光地に関する知識 メージを高めるだけでなくイメージを豊富にすること、観光地に関する知識 にも良いイメージを高める傾向があることが示された。 にも良いイメージを高める傾向があることが示された。. 4.イメージの視点から見た南部地域の課題 4.イメージの視点から見た南部地域の課題 南部地域のイメージについては、 「 山 」、 、 「 森 林・ ・木」 木」 、 「 桜・ ・花見」や「川 花 見 」や「 川 南部地域のイメージについては、 「山」 「森林 、 「桜 ・・ 水」 水」を含め自然環境についての回答が最も多く、必ずしもイメージが悪いわ を含め自然環境についての回答が最も多く、必ずしもイメージが悪いわけで けではない。 はない。 し か し 一 方 で 「交通・利便性」 、「 交 通 ・ 利 便 性 」、 、 「 水 害 ・ そ の 他 災 害 」、「 過 疎 ・ 高 齢 化 」な しかし一方で、 「水害・その他災害」 、 「過疎・高齢化」な どについてネガティブな回答も多かった。観光振興にとっては、交通の便が どについてネガティブな回答も多かった。観光振興にとっては、交通の便が よくないことや過疎や高齢化という現実それ自体よりも、イメージを尋ねた よくないことや過疎や高齢化という現実それ自体よりも、イメージを尋ねた 時に真っ先にネガティブなイメージが回答者の頭に浮かぶことが問題である。 時に真っ先にネガティブなイメージが回答者の頭に浮かぶことが問題であ ま た ネ ガ テ ィ ブ な イ メ ー ジ 以 上 に 問 題 な の は 、 9.3% の 回 答 者 が 、「 わ か「わか らな る。またネガティブなイメージ以上に問題なのは、9.3%の回答者が、 い 」、「 イ メ ー ジ な し 」、「 無 回 答 」 と 回 答 し た こ と で あ る 。 イ メ ー ジ が な い 地 らない」 、 「イメージなし」 、 「無回答」と回答したことである。イメージがな 域が、観光地の選択の際に訪問先の候補となることはない。旅行代理店に対 い地域が、観光地の選択の際に訪問先の候補となることはない。旅行代理店 するインタビュー調査においても、南部地域のイメージの希薄さが伺われ、 に対するインタビュー調査においても、南部地域のイメージの希薄さが伺わ 特に東京では具体的なイメージはないという意見も聞かれた。 れ、特に東京では具体的なイメージはないという意見も聞かれた。. 観光の価値は、大きくは自然環境など動物と共有する「身体的価値」と人 間だけが価値を認めることができる「精神的価値」の 2 つからなり、精神的 66.
(11) イメージ調査に基づく奈良県南部地域の観光振興に関する考察. 価値は時間とともに失われやすく、身体的価値は時間が経過しても失われに くい。しかし、 他の地域と区別し特別な意味を持つのは精神的な価値である。 歴史を経て残っているものは、その多くが固有のものであり、長い時間の中 で古典化・社会化が進んでいるために時間の経過による大きな価値の減少は ない(安島 2004) 。 アンケート調査の一般イメージ(Q 4 )とシンボルイメージの関係におい ても、シンボルイメージのポジティブなイメージの数と一般イメージのポジ ティブなイメージである「自然が豊か」 (r=0.14)については相関は認めら れず、 「人が温かい」 (r=0.25)についてはやや相関が見られた。 「自然が豊か」 というような身体的価値に基づくイメージよりも「人が温かい」というよう な精神的価値から生まれるイメージの方が、ポジティブなイメージを豊富に する可能性がある。 また、南部地域のシンボルイメージとしては、身体的価値に基づくイメージ が強く、他の地域と差別化するような精神的価値に基づくイメージが見られな い。平家の落人伝説や南朝が置かれた場所として歴史にも登場する特別な地域 であり、日本独自の修験道を生み出した地域にも関わらず、イメージ調査の結 果からは、南部地域が有する精神的価値が十分に伝わっていないと思われる。. 5.南部地域の観光振興に向けて アンケート調査の結果からは、訪問経験が豊富で知識がある人ほどイメー ジが豊かでポジティブなイメージを持っていることが示されたが、訪問して もらうためには情報発信を工夫することや興味を引く話題を作り出すことが 重要である。 情報発信については、多くの課題がある。観光に行かない理由として、 「時 間がかる」 、 「交通費が高い」というような回答があったが、南部地域でも道 路が整備されたことによって車を使えば大阪から 2 時間足らずで行くことが できる所も数多くある。 「交通費が高い」という意見についても、バス運賃 のキャッシュバックキャンペーンなどを行っている 6)。南部地域の情報が的 確に伝わっていないことがこのような回答が寄せられる原因として考えられ 地域創造学研究. 67.
(12) 研究ノート. る。南部地域には自然だけでなく、長い歴史の中で育まれた生活や文化があ る。様々な情報や南部の持つ魅力を的確に伝え、 「何があるかわからよくわ からない」というような状況を変えていくことが課題であろう。また「水害・ 災害」というネガティブなイメージを払しょくするには、復興やインフラの 整備・強化について一層の情報発信を行うことが望まれる。 話題作りとしては、イベントや産品・ご当地グルメのようなそこに行かな いと手に入らない物や食べられない物があると話題になり、それを目当てに 遠方であっても来てくれる可能性が高まる。 また地元の人にとって当たり前のものでも都会に住む外部の者から見れば 魅力的なものはたくさんある。例えば兵庫県にある竹田城は、観光資源とは 考えられていなかったが、 雲海という都会の人が魅力を感じるものに注目し、 雲海のイメージを城に付加することによって一大観光地になった。雲海は常 時見られるわけではなく、だからこそ希少価値があり見られるまで何度も足 を運ぼうとしてリピーターになる。竹田城のような話題性のある観光資源の 発掘のためには、外部の視点を取り入れるとともに季節や時刻といった時間 軸を織り込んで地域の資源を見直すことが必要となる。 公共交通機関を増やしたり、道路を整備するなどのインフラ整備にはお金 も時間もかかる。観光は立地産業といわれるように交通が不便であることは 観光振興にとって好条件とは言い難い。しかし「不便を楽しむ」というよう な捉え方もあり、豊かな自然や「秘境」というイメージを活かし、癒しや日 常生活から離れた安らぎを求める人にその魅力を訴求することもできる。 また現状では奈良県や周辺に住む人でも南部地域についての知識が乏し く、具体的で明確なイメージをもっていない人が多いが、南部地域の良好な イメージを構築するためには、歴史の中に埋もれた物語を発掘してそれを伝 えることで精神的価値を高めることも有効であろう。. 68.
(13) イメージ調査に基づく奈良県南部地域の観光振興に関する考察. 謝辞 インタビューのために時間を割いていただいた旅行代理店各社と奈良県観 光関連部署の皆様、アンケート調査にご回答いただいた皆様にお礼申し上げ ます。またアンケート調査は西日本旅客鉄道株式会社奈良駅のご協力を得て 実施することができました。有難うございました。. 注. 1) 奈良県観光局観光産業課「奈良県観光客動態調査報告書 平成 26 年(1 月~ 12 月)」奈良県 HP(http://www.pref.nara.jp/10071.htm)より 2016 年 4 月 17 日取得。 2) 奈良県観光関連部署として、奈良県地域振興部観光局観光産業課、奈良県地 域振興部観光局観光プロモーション課、奈良県地域振興部南部東部振興課に インタビューを行った。また旅行代理店は、大阪 1 社と東京 2 社の商品造成 部署及び営業担当部署を対象とした。 3) 美味しいものを食べる、スポーツをするといった経験から生じるイメージ。 4) 美しい風景を見る、有名な社寺を巡るといった経験から生じるイメージ。 5) 本研究は、地域志向教育研究経費助成を受けて行った。研究費の趣旨に基づ き学生の教育への貢献を目指した。 6) 奈良県は、平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日の期間にキャンペーン に参加している施設の宿泊者に路線バス運賃をキャッシュバックする「奈良 県南部・東部地域宿泊者限定路線バス運賃キャッシュバックキャンペーン」 を実施した。. 参考文献. 1) 大津正和(2010)「地域イメージの規定因 ─ 和歌山県の地域イメージとその 規定因に関する消費者調査結果をもとに ─ 」『観光学』第 5 号、和歌山大学 2) 中谷哲弥(2007)「フィルム・ツーリズムに関する一考察 ─「観光イメージ」 の構築と観光経験をめぐって ─ 」『研究季報』第 18 巻第 1・2 号併号、奈良県 立大学 3) 安島博幸(2004) 「観光対象に「飽きること」と観光地の盛衰に関する考察」 『日 本観光研究学会全国大会研究発表論文集』No.19、日本観光研究学会 4) 大和里美(2011)「地域イメージの転換と地域再生の可能性 ─ 熱海市・熱海 温泉玉手箱を事例として ─ 」『日本都市学会年報』第 44 号、日本都市学会 5) Alhemoud, A. M., & Armstrong, E. G.(1996) ‘ Image of Tourism Attractions in Kuwait’ ,Journal of Travel Research, 34(4). 地域創造学研究. 69.
(14) 研究ノート 6) Court, B., & Lupton, R. A.(1997) ‘ Customer Portfolio Development: Modeling Destination Adopters, Inactives and Rejecters’ ,Journal of Travel Research, 36(1) 7) Echtner, C. M., & Ritchie, J. R. B.(1991) ‘ The Meaning and Measurement of Destination Image’ ,The Journal of Tourism Studies, 2(2) 8) Johnson, P., & Thomas, B.(1992) ‘ The Analysis of Choice and Demand in Tourism’ , “Choice and Demand in Tourism”ed. P. Johnson, & B. Thomas, Mansell 9) Telisman-Kosuta, N.( 1 9 9 4) ‘ Tourist Destination Image’ , “Tourism Marketing and Management Handbook”ed. S. Witt & L. Moutinho, Prentice-Hall. 70.
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