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Academic year: 2021

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C22

2004 年インド洋大津波によってタイの海岸低地に形成された津波堆積物の特徴

Characteristics of tsunami deposits due to the 2004 Indian Ocean Tsunami

on coastal lowland in Thailand

〇 松本 弾・成瀬 元・藤野滋弘・A. Suphawajruksakul・T. Jarupongsakul・坂倉範彦・村山雅史

〇 D. Matsumoto, H. Naruse, S. Fujino, A. Suphawajruksakul, T. Jarupongsakul, N. Sakakura and M. Murayama

This study reports characteristics of the terrestrial tsunami deposit in Thailand due to the 2004 Indian Ocean Tsunami, and reveals the three-dimensional morphology and syn-sedimentary formation processes of a deformation structure that was found within it. It is composed of couple of graded units, reflecting the number of the runup flow. Syn-sedimentary processes of the deformation suggest that it is indicative of unidirectional flow with sufficiently high velocity to deform and truncate the unconsolidated substrate. Numerical simulation with 1-D flow model estimates the flow velocity to be 2.5 m/s.

2004 年インド洋大津波が陸上に形成した津波 堆積物中に,ユニークな形態をもつ火炎状様変形 構造がみられた.この津波堆積物の特徴と変形構 造の三次元的形態を報告し,その形成過程と変形 過程を復元した.さらに,堆積シミュレーション を行うことによって,このような変形を及ぼした と考えられる流れの流速を推算した. 調査地はタイ南西部,Bang Sak 村の海岸低地であ る.この地域では,西にアンダマン海が広がり, 南北に伸びる砂浜海岸の背後に標高5 m 程度の海 岸低地が存在する.海岸から150 m 以内の海岸低 地は網目状の小川によって切られている.この地 域では2004年インド洋大津波によって2回の大き な遡上流が観察されている.その流向は,倒木な どからおよそN240°→N60°であったことが推定 された. 調査対象である津波堆積物は海岸線から130 m 内陸の流路の脇でみられた.この津波堆積物は, 層厚30∼50 cm からなる砂質堆積物で,4 枚の層 が累重する(下位からLayer 1-4).Layer 1 と3 は 層厚15 cm 前後で,貝殻片を多く含む粗粒砂から なり,平行葉理を示す.一方,Layer 2 と4 は比 較的泥を多く含む極細粒砂からなり,層厚は前者 が5∼15 cm,後者が1 cm以下である.Layer 1 と 2 の境界は漸移的であり,1つの級化ユニットとみな すことができる.同様に Layer 3 と 4 も同様で ある.したがって,この津波堆積物は 2 つの級化 ユニットが累重したものである.2 つのユニット 境界は明瞭で,後述するように変形しており,一 部は浸食的である.この地域には2 回の大きな遡 上イベントが目撃されていることから,これら2 つの級化ユニットはそれぞれ2 回の遡上流とその 後の停滞水期に関連して形成されたことが示唆さ れる. ユニット間の境界面は著しく変形した構造を示 す.遡上流に平行な方向と,それに直交する方向 のトレンチ断面で変形構造の形態観察を行った. その結果,平行断面ではいわゆるFlame Structure に似た形態,直交断面ではBall-and-Pillow Structure に似た形態を示した.また,どちらの断面でも, 変形境界面の頂部が上位のLayer 3 によって水平 に削剥されていた.これらの観察から,この構造 は2回目の遡上流がLayer 3 を堆積させながら,ユ ニット境界面を鞘状褶曲様に変形し,同時にその 上部を削剥してできた,堆積同時的な変形構造で あることが明らかになった.このような形成過程 の堆積同時性は,地層中から陸上の津波堆積物を 高潮堆積物と区別するときに有効であると考えら れる. このような変形構造を形成した流れの流速を見 積もるために,1 次元流れモデルと混合粒径条件 の堆積モデルを用いて数値シミュレーションを行 った.その結果,流速は 2.5 m/s と見積もられた.

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