モバイル環境向けエージェント移動制御方式の実装
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(2) 能力の本質的な差異は存在し続けるであろう.. 当て,以下の内容では「実行に適した = レス. しかし,このような端末の処理能力差から利用. ポンスがよい」と定義するが,ライブラリの種. できるデータやアプリケーションが限定されて. 類によって実行に適した環境も多様である.単. しまうと,携帯端末の利便性は大きく損なわれ. にライブラリのプログラムコードだけを移動す. ることになる.. るのではなく,実行に適した環境を評価する基. 2.2. 課 題 解 決 の方 針. 準 を MA の 内 部 に 定 義 し , MA の 移 動 と 共 に 持 ち運ぶことにより,ライブラリの多様性にも柔. 携帯端末における計算資源の制約を克服す. 軟に対応できる.. る方法として,携帯端末内の限られた計算資源 を効率的に利用する手法と,他のコンピュータ. さ ら に , MA の 状 態 を 保 持 し た ま ま 移 動 で き. の計算資源を利用する手法が考えられる.本稿. るという特徴を利用すれば,ライブラリを複数. では,後者の手法により携帯端末の限られた処. 回実行した後に移動した場合でも,他の端末で. 理能力を補う手法について述べる.. その続きから実行を再開できる.. 2.4. MA-based Middleware. ネットワーク上のコンピュータの計算資源 を利用する代表例として,クライアント/サー. 上 記 の MA を 利 用 し た ア プ ロ ー チ を 実 現 す る. バ型コンピューティングが挙げられる.しかし. シ ス テ ム と し て ,筆 者 ら は MA-based Middleware. ながら,固定的なクライアント/サーバ型モデ. を 提 案 し た [1][2].提 案 シ ス テ ム は ラ イ ブ ラ リ で. ルでは,携帯端末がネットワークに接続できな. あ る MA と MA が 動 作 す る た め の Middleware. い状況では,クライアント側で処理を継続する. Platform(以 下 , MWP と 略 す )の 2 つ に 大 き く 分. ことができない.モバイル環境では,携帯端末. け ら れ る (図 1).MA は ラ イ ブ ラ リ と し て ア プ リ. がネットワークに接続できない状況においても,. ケ ー シ ョ ン に 対 し て 特 定 の サ ー ビ ス (機 能 )を 提. 携帯端末上でオフラインに処理を実行できる機. 供 す る . MWP は MA を 制 御 す る た め の 基 盤 で. 構が必要となる.. あ り ,ア プ リ ケ ー シ ョ ン が MA を 透 過 的 に 利 用. また,ネットワーク上のコンピュータを利用. す る た め の 機 能 を 提 供 す る . 具 体 的 に は , MA. する場合,負荷集中やデータ転送量が多い場合. 移動判断のための環境情報収集や移動の手続き. には,必ずしもネットワーク側で処理すること. を MA の 代 理 で 行 っ た り ,ア プ リ ケ ー シ ョ ン か. が 処 理 の 高 速 化 に は つ な が ら な い .し た が っ て ,. ら の MA 実 行 要 求 を 移 動 先 の MA に 転 送 し た り. 状況に応じて他の端末の豊富な計算資源を柔軟. といった機能を提供する.. に利用する機構が必要となる.. 実行要求. 2.3. Mobile Agent の利 用. Application. 筆者らは,他の端末の計算資源を柔軟に利用. 実行要求転送. Middleware MA platform JavaVM OS/HW. するための方法として,モバイルエージェント (以 下 ,MA と 略 す )を 用 い た ア プ ロ ー チ を 採 用 し た.ここでは,アプリケーションが必要とする ラ イ ブ ラ リ を MA と し て 構 成 し ,こ の ラ イ ブ ラ. Middleware platform JavaVM OS/HW. 自端末 ネットワーク上の他端末 (a) 自端末で実行する方が適している場合. リ が 実 行 に 適 し た 環 境 (端 末 )に 移 動 し て , そ の 計算資源を利用する.. ※ ApplicationはMA(Library)の 位置を意識しない (MAに透過的にアクセス可能). MA を 用 い た ア プ ロ ー チ の 利 点 と し て は , ア プリケーションはライブラリが提供するサービ. Application. ス (機 能 )だ け を 知 っ て い れ ば よ く , ラ イ ブ ラ リ. Middleware platform JavaVM OS/HW. に適した実行環境を知る必要がない.ライブラ リ自身が,実行時点での環境の中で自分に適し た実行環境を選択して移動するので,アプリケ. 実行要求 実行要求転送 Middleware MA platform JavaVM OS/HW. 自端末 ネットワーク上の他端末 (b) 他端末で実行する方が適している場合. ーションはライブラリに対して実行要求を投げ るだけでよい.これは,エージェントの自律性 によって実現される.. 図 1 MA-based Middleware. また,本稿では「計算資源の制限」に焦点を. 2 −222−.
(3) MA を , 単 に 計 算 資 源 が 豊 富 な 他 端 末 に 移 動. 3. 移 動 制 御 方 式 3.1. 移 動 制 御 方 式 の構 成. さ せ て も , MA を 利 用 す る ア プ リ ケ ー シ ョ ン 自. 提 案 シ ス テ ム の 中 で は , MA の 移 動 先 を 決. 体の処理効率が必ずしも向上するとは限らない.. 定するための環境情報収集のために,エージェ. 例 え ば , MA と ア プ リ ケ ー シ ョ ン 間 の 通 信 処 理. ント間のタスク割当てによく用いられる契約ネ. や MA の 移 動 処 理 な ど の オ ー バ ヘ ッ ド が 発 生 す. ッ ト プ ロ ト コ ル [3]を 用 い て い る .契 約 ネ ッ ト プ. るような場合には,他端末の計算資源を利用し. ロ ト コ ル は "タ ス ク 告 示 ", "入 札 ", "落 札 "の 3. ても処理効率の向上が望めないことがある.そ. 段階のステップで構成される.. のため,これらのオーバヘッドを考慮して評価. 図 2の 例 を 用 い て , MA の 移 動 先 を 決 定 す る. 基準を定義する必要がある.アプリケーション. 流 れ を 説 明 す る . ま ず , MA は コ ー デ ィ ネ ー タ. の処理性能の向上を目的とする場合,例えば以. に 自 身 の 情 報 (評 価 基 準 を 含 む )を 登 録 し , 他 端. 下 の よ う な 評 価 式 fn (n は 端 末 を 表 す 添 え 字 )を. 末 の 情 報 収 集 を 要 求 す る (① ). こ の 要 求 を 受 け. 用いる. fn = MA の 実 行 時 間 の 推 定 値. て,コーディネータは情報収集の要求を他端末 に マ ル チ キ ャ ス ト す る (② ). こ こ で , マ ル チ キ. + MA の デ ー タ 通 信 時 間 の 推 定 値. ャストされる範囲は予め定められたエリアに限. + MA の 移 動 時 間 の 推 定 値. (1). 定される.各端末のコーディネータは自端末の. 評 価 式 は (1)に 示 す よ う に 大 き く 3 つ の 項 目 で. 状 況 を 調 査 し (③ ), そ の 結 果 を 要 求 元 の コ ー デ. 構成されている.各項目に影響を与える主なパ. ィ ネ ー タ に 返 却 す る (④ ). 要 求 元 の コ ー デ ィ ネ. ラ メ ー タ を 表 1に 示 す .端 末 の 最 大 性 能 は CPU. ー タ は 登 録 さ れ た "評 価 基 準 " (例 え ば ,予 測 さ れ. やメモリといった物理的な計算資源によって決. る 処 理 性 能 や 通 信 コ ス ト な ど )に 基 づ い て 最 も. まる固定的なパラメータである.端末の負荷状. 適 切 な 移 動 先 端 末 を 選 択 し (⑤ ), そ の 結 果 を 選. 態は,情報収集を行った時点での各端末内の負. 択 し た 端 末 を 含 む 全 て の 端 末 に 報 告 す る (⑥ ).. 荷 の 大 き さ を 表 す . MA の タ ス ク サ イ ズ は 基 本. こ れ に よ り ,適 切 な 端 末 に MA が 移 動 す る (⑦ ).. となる端末で無負荷の状態で実行した場合の実 行時間で表現される.端末間の通信状態は端末 が接続されているネットワークの状態である.. ② ④. コーディネータ. 通 信 デ ー タ サ イ ズ は , MA の 実 行 に 必 要 と な る コーディネータ. デ ー タ の 通 信 量 で あ る . MA の デ ー タ お よ び コ. ⑥. ー ド サ イ ズ は , MA が 移 動 す る 際 に 必 要 と な る. ① ⑤. MA (ライブラリ). 総データ転送量である.. ③. 4. MA-based Middleware の 実 装 4.1. 実 装 例. ⑦ 自端末. (1つ以上の) 他端末. 今 回 , 筆 者 ら は JavaVM 上 で 動 作 す る マ ル チ エ ー ジ ェ ン ト フ レ ー ム ワ ー ク : Beegent[4] を. 図 2 移動先決定のための交渉の流れ. 用 い て ,提 案 シ ス テ ム を 実 装 し た .具 体 的 に は ,. 表 1 評価式の項目と関連するパラメータ 評価式の項目 実行時間. 通信時間. 移動時間. 主なパラメータ ・端末の最大性能 ・端末の負荷状態 ・ MA の タ ス ク サ イ ズ ・端末間の通信状態 ・端末の負荷状態 ・通信データサイズ ・端末間の通信状態 ・ MA の デ ー タ お よ び コードサイズ. PC 上 の JVM に は JDK 1.1.8, PDA 上 の JVM に は Jeode (Personal Java 1.2 準 拠 ),Beegent は Ver. 1.0 を 利 用 し た . Beegent は , 分 散 シ ス テ ム を , ア プ リ ケ ー シ ョンとそれをエージェント化するエージェント ラッパー,エージェントラッパーを利用する仲 介エージェントの 3 種類の構成要素で構築でき る .エ ー ジ ェ ン ト 間 の 通 信 は ,XML フ ォ ー マ ッ ト の エ ー ジ ェ ン ト 間 通 信 言 語 ACL に よ っ て 行 う.仲介エージェントは移動可能なエージェン ト で あ る . Beegent フ レ ー ム ワ ー ク で は , 複 数 の 主 体 (エ ー ジ ェ ン ト ラ ッ パ ー と 仲 介 エ ー ジ ェ. 3 −223−.
(4) ント)が 対話(メッ セ ージ 交換)に よる 相 互作 用. 図 4に Beegent を 利 用 し て 実 装 し た 提 案 シ ス. を行うことで,目的とする処理を実行する.こ. テムの構成を示す.まず,アプリケーションに. の各主体の動作を定義するものがインタラクシ. 機 能 を 提 供 す る ラ イ ブ ラ リ を 移 動 可 能 な MA と. ョ ン プ ロ ト コ ル で あ る . Beegent の 基 本 と な る. して構成するために,仲介エージェントのクラ. 構 成 要 素 を 図 3に 示 す .. ス を 利 用 し た . 次 に , MA の 動 作 環 境 を 提 供 す る ミ ド ル ウ ェ ア プ ラ ッ ト フ ォ ー ム (MWP)を 構 築. エージェントラッパー. 仲介エージェント. IP(Interaction Protocol). IP. 用 い た . ア プ リ ケ ー シ ョ ン は , MWP が 提 供 す. 状態管理マネージャ. 状態管理マネージャ. アクション層. アクション層. ラッパー用 クラスライブラリ. するために,エージェントラッパーのクラスを. 言語層 言語層 通信層 通信層 JavaVM OS/HW. 移動機能等. る メ ソ ッ ド を 利 用 す る こ と で , MA を 透 過 的 に. 仲介エージェント用 クラスライブラリ. 実 行 す る こ と が 可 能 と な る . MA の 移 動 制 御 を 行 う た め に MWP に 必 要 な 機 能 は , 自 端 末 の 状. XML/ACLメッセージ の生成・解析. 態を監視するモニタ機能,他の端末の情報を収 集して移動先を決定するコーディネータ機能,. HTTPメッセージ 送受信. MA の 移 動 や 位 置 管 理 を 行 う マ ネ ー ジ ャ 機 能 で. 図 3 ラッパーと仲介エージェントのレイヤ構成. あ る .今 回 の 実 装 で は ,自 端 末 の 状 態 (ノ ー ド の 最 大 性 能 お よ び 負 荷 状 態 )を フ ァ イ ル に 保 存 し , モニタ機能が状態を取得するように実装した.. アプリケーション. コ ー デ ィ ネ ー タ 機 能 の 通 信 処 理 は , Beegent が. MWPメソッド群. MWPメソッド群. コーディネータ MWP. モニタ. MA. マネージャ ラッパー用 クラスライブラリ. 提 供 す る XML/ACL の ク ラ ス ラ イ ブ ラ リ を 利 用. コーディネータ. ライブラリ. 仲介エージェント用 クラスライブラリ. モニタ. し て 実 装 し た . マ ネ ー ジ ャ 機 能 は , MA の 移 動. マネージャ. や 位 置 管 理 を 行 う が , こ れ は Beegent の 機 能 を. ラッパー用 クラスライブラリ. JavaVM OS/HW. そのまま利用した.. JavaVM OS/HW. また,アプリケーションがライブラリの実行 要 求 を MWP に 送 っ て か ら , 結 果 を 受 け 取 る ま. 環境情報収集. で の 流 れ を 図 5に 示 す .. 図 4 MA-based Middleware の構成. 4.2. 実 験 環 境 ホームネットワーク等のローカルなネット ワーク内に性能の異なる複数の端末が接続され. Application. MWP. MA. MWP. て い る 状 態 を 想 定 す る .具 体 的 に は ,PDA,Note PC,デ ス ク ト ッ プ PC が 各 1 台 ず つ ,無 線 LAN. MA実行. に 接 続 し て い る 環 境 を 用 意 し た . 図 6に 今 回 の. MA生成. 実 験 シ ス テ ム の ネ ッ ト ワ ー ク 構 成 を , 表 2に 今. 情報収集 Coordination. 回使用する各端末のスペックを示す.. 評価 移動. 種類 機種. Migration 実行許可 結果. 自端末. Calculation 結果. CPU. 他端末. 図 5 MA 実 行 の シ ー ケ ン ス. メモリ OS JVM. 端末 1 PDA 東芝 GENIO e550GX PXA250 400MHz. 端末 2 PC 富士通 FMV 717G TX7 Pentium4 1.7GHz. 128 MB Pocket PC 2002 Jeode 1.9.1. 1 GB Windows 2000 JDK 1.1.8. 端末 3 Note PC IBM ThinkPad i Series 1620 Mobile PentiumⅢ 600MHz 192 MB Windows Me. 表 2 各端末のスペック. 4 −224−. JDK 1.1.8.
(5) PDA. Low Pass Filter (5x5). Application. Note PC. MA. 処理時間 [s]. MW1. MW3. Wireless LAN (802.11b) PC MW2. 60 50 40 30 20 10 0. その他 移動時間 通信時間 実行時間 PDA. 図 6 実験システムのネットワーク構成. PC 端末の種類. NotePC. 図 8 基 本 性 能 測 定 (5× × 5 マ ス ク LPF). 今 回 は ,ミ ド ル ウ ェ ア 利 用 の 一 例 と し て ,MA が 画 像 フ ィ ル タ リ ン グ (Low Pass Filter : 以 下. Low Pass Filter (7x7) 処理時間 [s]. LPF と 略 す ) の ラ イ ブ ラ リ と し て 動 作 し , PDA 上のアプリケーションがそのライブラリを利用 して画像を変換するというシナリオを想定して い る .こ の よ う な シ ナ リ オ に お い て ,PC,NotePC の負荷状態が異なる場合の提案方式の動作につ. 60 50 40 30 20 10 0. その他 移動時間 通信時間 実行時間 PDA. いて調べる.. PC 端末の種類. NotePC. 4.3. 実 験 結 果 と考 察 図 9 基 本 性 能 測 定 (7× × 7 マ ス ク LPF). 4.3.1. 基 本 性 能 ま ず , MA を 用 い た ア プ ロ ー チ の 有 効 性 を 分 析 す る た め に ,3×3,5×5,7×7 マ ス ク を 用 い た 各 LPF を 用 い て PDA 上 で 処 理 を 実 行 す る 場 合 と PC(ま た は Note PC)上 に LPF ラ イ ブ ラ リ を移動して実行する場合との処理時間を比較す る . 図 7, 図 8, 図 9は , LPF の マ ス ク の 種 類 ごとに各端末上で実行した場合の処理時間とそ の 内 訳 を 示 し た も の で あ る .す べ て の LPF に お い て ,PDA 上 で 実 行 し た 場 合 は ラ イ ブ ラ リ の 実 行 時 間 が 大 半 を 占 め る の に 対 し て , PC お よ び Note PC 上 で 実 行 し た 場 合 は デ ー タ 通 信 時 間 が 大きな割合を占め,実行時間は極めて短いこと がわかる.また,計算アルゴリズムが複雑にな る に 従 い 実 行 時 間 は 長 く な る (入 力 画 像 は 同 じ な の で デ ー タ 通 信 時 間 は 一 定 )た め ,MA を 用 い て処理時間を改善するという手法がより効果的. 4.3.2. 移 動 制 御 移動制御の実験に用いた各種パラメータを 表 3に 示 す . こ れ ら の 値 は す べ て , 実 測 値 を も とにして設定した概算値である.例えば,端末 の 最 大 性 能 は ,実 際 に MA を 実 行 し た と き の 実 行時間を測定し,その逆数の比として設定し, 端末ごとにファイルで持たせた.なお今回は, 各 端 末 の 負 荷 状 態 と MA の 実 行 時 間 と の 関 係 を わ か り や す く す る た め に ,負 荷 (対 象 と な る MA を 含 む )が 逐 次 的 に 実 行 さ れ る モ デ ル を 想 定 し , MWP に て 負 荷 の 逐 次 実 行 を 制 御 し た .. 表 3 実 験 に 用 い た MA の パ ラ メ ー タ の 値 パラメータ 端末の最大性能. に働く.. 処理時間 [s]. Low Pass Filter (3x3) 60 50 40 30 20 10 0. その他 移動時間 通信時間 実行時間 PDA. PC 端末の種類. MA の タ ス ク サ イ ズ MA の 通 信 時 間 負荷のタスクサイズ 負荷の通信時間 MA の 移 動 時 間 データ通信量. NotePC. 図 7 基 本 性 能 測 定 (3× × 3 マ ス ク LPF). 5 −225−. 値 PDA: 1 (基 準 ) NotePC: 37 PC: 110 34 (PDA 上 で 34 秒 ) 19 秒 34 (PDA 上 で 34 秒 ) 1秒 3秒 256×256 個 の integer 値.
(6) 本稿では,評価式として以下の式を用いた. PC内の負荷状態に対する処理時間の変化 (PC内の負荷は4で固定). fn = MA のタスクサイズ/端末の最大性能 60. +MA のデータ通信時間. 移動制御 PC指定で移動 PDA(負荷なし) NotePC (負荷:4). +負荷のタスクサイズ/端末の最大性能 +負荷のデータ通信時間. 50. +MA の移動時間. 処理時間 [s]. (2). PC内の負荷状態に対する処理時間の変化 (NotePC内の負荷は20で固定) 60. 30. 20. 50 処理時間 [s]. 40. 10. 40. 0. 5 10 15 PC内の負荷の個数. 20. 30. 図 12 移 動 制 御 方 式 の 動 作 (3). 移動制御 PC指定で移動 PDA(負荷なし) NotePC (負荷:20). 20. 各 パ ラ メ ー タ に は 表 3の 値 を 用 い る .5×5 マ ス ク の LPF を 用 い た 場 合 の 動 作 を 図 10,図 11,. 10 0. 5. 10. 15. 20. PC内の負荷の個数. 図 12に 示 す . 図 の 横 軸 は PC 内 の 負 荷 を 表 し , 縦軸はアプリケーションの処理時間を表す. MA を 移 動 さ せ ず に PDA 内 で 実 行 す る 場 合 に は ,. 図 10 移 動 制 御 方 式 の 動 作 (1). PC(ま た は NotePC) 内 の 負 荷 に 無 関 係 に 処 理 時 間 は 一 定 で あ る . 図 10は , NotePC の 負 荷 を 高 い 状 態 で 一 定 と し ,PC の 負 荷 を 変 え て 実 行 し た. 60. NotePC内の負荷状態に対する処理時間の 変化 (PC内の負荷は20で固定). 結 果 で あ る .PC に 移 動 す る こ と を あ ら か じ め 指 定 し て 実 行 す る 場 合 ,PC 内 の 負 荷 が 高 く な る ほ ど,アプリケーションの処理時間は遅くなり, あ る 状 態 以 上 で は PDA 内 で MA を 実 行 す る 場 合. 50. よりも処理時間が遅くなる.これに対して提案. 処理時間 [s]. 方 式 を 用 い た 場 合 に は ,PC 内 の 負 荷 が 低 い 状 態. 40. で は MA は PC に 移 動 し て 実 行 さ れ る が ,PC 内 の 負 荷 が 高 い 状 態 で は 移 動 せ ず に PDA 内 で 実. 30. 行 さ れ る .図 11は ,逆 に PC の 負 荷 を 高 い 状 態 移動制御 NotePC指定で移動 PDA(負荷なし) PC (負荷:20). 20. で 一 定 と し ,NotePC の 負 荷 を 変 え て 実 行 し た 結 果 で あ る . こ の 場 合 も , 移 動 制 御 方 式 は 図 10 の 場 合 と ほ ぼ 同 様 の 動 作 と な る . 図 12 は ,. 10. NotePC の 負 荷 を 低 い 状 態 で 一 定 と し , PC の 負 0. 5 10 15 NotePC内の負荷の個数. 20. 荷を変えて実行した結果である.この場合は, PC 内 の 負 荷 が 低 け れ ば MA は PC 内 に 移 動 し て. 図 11 移 動 制 御 方 式 の 動 作 (2). 実 行 さ れ る が , 負 荷 が 高 く な る と MA は PDA よりも処理を速く実行できると推定される NotePC の 方 に 移 動 し て 実 行 さ れ る .こ れ ら の 結 果より,提案する移動制御方式は,ネットワー ク 内 の 端 末 の 状 態 か ら MA を 処 理 す る の に 適 し た端末を決定するという動作を適切に行えてい. 6 −226−.
(7) ることが分かる. 最後に,評価式とパラメータ設定について考 察する.本稿では,評価式およびパラメータは 実測値に基づいて設定した.現状では,本研究 のアプローチを利用するためには,ライブラリ の設計者がライブラリの性能を測定し,ライブ ラリの内部にその情報を定義することを前提と している.将来的には,ライブラリのコードか ら評価式を自動生成したり,ライブラリが繰り 返し実行される間に統計情報を蓄積していく等 の方法を取ることにより,ライブラリ設計者の 負担を軽減し,移動制御の精度を向上すること が可能であると考える.. 5. ま と め 本稿では,筆者らが提案したモバイルエージ ェ ン ト を 基 盤 と す る ミ ド ル ウ ェ ア (MA-based Middleware)の 実 装 例 に つ い て 説 明 し た .そ し て , 画像フィルタリングを実行するライブラリを用 い て ,PDA 上 の ア プ リ ケ ー シ ョ ン か ら ロ ー カ ル に 実 行 す る 場 合 と , ラ イ ブ ラ リ を PC 上 に 移 動 してリモートで実行する場合について,処理時 間 を 比 較 し ,MA を 用 い て 処 理 を PC 上 に 移 動 さ せるアプローチの有効性について示した.さら に,提案した移動制御方式が,移動先の候補で あ る PC の 負 荷 状 態 が 低 い 場 合 は MA を 移 動 し て 処 理 を 実 行 し ,高 い 場 合 は 移 動 せ ず PDA 上 で 実行するという動作を示すことを確認した.こ れによって,提案システムがモバイル環境の課 題に対する解決法を提供することを,実際のア プリケーション利用の観点から示すことができ た.. 謝. 辞. 日頃ご指導頂く当社情報通信研究所ワイヤレス システム部 藤井輝也 部長に感謝いたします.. 文. 献. [1] 川 上 憲 治 , 広 重 一 仁 , 佐 々 木 宏 , 岡 宅 泰 邦 , 本 位 田 真 一 , "モ バ イ ル 環 境 向 け エ ー ジ ェ ン ト 移 動 制 御 ," 情 報 処 理 学 会 MBL 研 究 報 告 , 2002 年 3 月 . [2] 川 上 憲 治 , 広 重 一 仁 , 吉 岡 信 和 , 本 位 田 真 一 , "モ バ イ ル 環 境 向 け エ ー ジ ェ ン ト 移 動 制 御 (そ の 2)," 情 報 処 理 学 会 MBL 研 究 報 告 , 2002 年 10 月 . [3] R. G. Smith, "The Contract Net Protocol: High-Level Communication and Control in a Distributed Problem Solver," IEEE Transactions on computers, vol.c-29, no.12, 1980. [4] Bee-gent: コミュニケーションをエージェント化する. 7 −227−. マルチエージェントフレームワーク, http://www2.toshiba.co.jp/beegent/.
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