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モバイル環境向けエージェント移動制御方式の実装

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Academic year: 2021

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(1)モバイルコンピューティングと 24−31 ワ イ ヤ レ ス 通 信 (2003. 3. 7). モバイル環境向けエージェント移動制御方式の実装 川上 憲治†. 広重 一仁†. 吉岡 信和‡. 本位田 真一‡*. あらまし 近年,携帯電話や PDA などの携帯端末が広く普及し,利用場所を選ばずに,様々なアプ リケーションを利用することが可能となった.しかしながら,携帯端末はバッテリの持続時間や小型 化のため,アプリケーションで利用できる計算資源が限られるという制約がある.この制約を解決す るために,筆者らはモバイルエージェントを基盤とするミドルウェアについて提案してきた.本稿で は,筆者らが提案したモバイルエージェントを基盤とするミドルウェアの実装例について説明し,実 装したシステムの動作結果をもとに,筆者らのアプローチの有効性について考察する. キーワード 携帯端末,モバイルエージェント,移動制御. Implementation of Agent Migration Control Methods for Mobile Environments Kenji KAWAKAMI†. Kazuhito HIROSHIGE† Nobukazu YOSHIOKA‡ Shinichi HONIDEN‡*. and. Abstract In recent years, mobile terminals such as cellular phones and PDAs have come into widespread use and various applications have been used anytime and anywhere. However, applications executed on the mobile terminals lack sufficient computational resources because of limited battery lifetime and terminal miniaturization. In order to overcome such a limitation, we have proposed the mobile agent-based middleware. In this paper, we describe our implementation of the proposed middleware system. And we discuss the effects of our approach from the results of implemented system behavior. Keyword Mobile Terminal, Mobile Agent, Migration Control はミドルウェアが提供するライブラリとして動. 1. は じ め に 近 年 ,携 帯 電 話 や PDA な ど の 携 帯 端 末 が 広 く 普及し,利用場所を選ばずに,様々なアプリケ. 作し,他の端末に移動してその資源を利用し処 理を実行する. 本稿では,まずモバイル環境における課題を. ー シ ョ ン を 利 用 す る こ と が 可 能 と な っ た .ま た , 個人利用に限らず,企業の情報システムにおい. 明らかにし,その課題に対する解決法である. ても携帯端末を利用する事例が増えており,携. MA-based Middleware お よ び 提 案 シ ス テ ム に 導. 帯端末の重要性は年々高まりつつある.. 入したエージェント移動制御方式について説明. しかしながら,携帯端末はバッテリの持続時. する.そして,マルチエージェントフレームワ. 間や小型化のため,アプリケーションで利用で. ー ク : Beegent[4] を 利 用 し た 提 案 シ ス テ ム の 実. き る 計 算 資 源 (CPU, メ モ リ , 通 信 帯 域 幅 な ど ). 装例を示す.最後に,実装した提案システムの. が限られるという制約がある.これに対して,. 動作結果をもとに,筆者らのアプローチの有効. アプリケーションが他のコンピュータの豊富な. 性について考察する.. 計算資源を利用でき,また,計算資源や通信環 境の変化にも適応できる機構があれば,ユーザ は携帯端末の制約を意識することなくアプリケ. 2. モ バ イ ル 環 境 に お け る 課 題 と 解 決 法 2.1. 携 帯 端 末 の制 約 携帯端末では,バッテリの持続時間や携帯性. ーションを利用できる. 筆者らはこのような機構を実現する手法と して,モバイルエージェントを基盤とするミド ル ウ ェ ア (MA-based Middleware) に つ い て 検 討 し て き た [1][2].こ こ で ,モ バ イ ル エ ー ジ ェ ン ト. の た め ,CPU や メ モ リ と い っ た ア プ リ ケ ー シ ョ ンから利用できる資源が制限される.今後,携 帯 端 末 に 搭 載 さ れ る CPU の 性 能 向 上 や デ バ イ スの高機能化が進むことが予想されるが,固定 の環境で利用されるコンピュータと比べて処理. † 日 本 テ レ コ ム 株 式 会 社 , Japan Telecom ‡ 国 立 情 報 学 研 究 所 , National Institute of Informatics * 東 京 大 学 , The University of Tokyo. 1 −221−.

(2) 能力の本質的な差異は存在し続けるであろう.. 当て,以下の内容では「実行に適した = レス. しかし,このような端末の処理能力差から利用. ポンスがよい」と定義するが,ライブラリの種. できるデータやアプリケーションが限定されて. 類によって実行に適した環境も多様である.単. しまうと,携帯端末の利便性は大きく損なわれ. にライブラリのプログラムコードだけを移動す. ることになる.. るのではなく,実行に適した環境を評価する基. 2.2. 課 題 解 決 の方 針. 準 を MA の 内 部 に 定 義 し , MA の 移 動 と 共 に 持 ち運ぶことにより,ライブラリの多様性にも柔. 携帯端末における計算資源の制約を克服す. 軟に対応できる.. る方法として,携帯端末内の限られた計算資源 を効率的に利用する手法と,他のコンピュータ. さ ら に , MA の 状 態 を 保 持 し た ま ま 移 動 で き. の計算資源を利用する手法が考えられる.本稿. るという特徴を利用すれば,ライブラリを複数. では,後者の手法により携帯端末の限られた処. 回実行した後に移動した場合でも,他の端末で. 理能力を補う手法について述べる.. その続きから実行を再開できる.. 2.4. MA-based Middleware. ネットワーク上のコンピュータの計算資源 を利用する代表例として,クライアント/サー. 上 記 の MA を 利 用 し た ア プ ロ ー チ を 実 現 す る. バ型コンピューティングが挙げられる.しかし. シ ス テ ム と し て ,筆 者 ら は MA-based Middleware. ながら,固定的なクライアント/サーバ型モデ. を 提 案 し た [1][2].提 案 シ ス テ ム は ラ イ ブ ラ リ で. ルでは,携帯端末がネットワークに接続できな. あ る MA と MA が 動 作 す る た め の Middleware. い状況では,クライアント側で処理を継続する. Platform(以 下 , MWP と 略 す )の 2 つ に 大 き く 分. ことができない.モバイル環境では,携帯端末. け ら れ る (図 1).MA は ラ イ ブ ラ リ と し て ア プ リ. がネットワークに接続できない状況においても,. ケ ー シ ョ ン に 対 し て 特 定 の サ ー ビ ス (機 能 )を 提. 携帯端末上でオフラインに処理を実行できる機. 供 す る . MWP は MA を 制 御 す る た め の 基 盤 で. 構が必要となる.. あ り ,ア プ リ ケ ー シ ョ ン が MA を 透 過 的 に 利 用. また,ネットワーク上のコンピュータを利用. す る た め の 機 能 を 提 供 す る . 具 体 的 に は , MA. する場合,負荷集中やデータ転送量が多い場合. 移動判断のための環境情報収集や移動の手続き. には,必ずしもネットワーク側で処理すること. を MA の 代 理 で 行 っ た り ,ア プ リ ケ ー シ ョ ン か. が 処 理 の 高 速 化 に は つ な が ら な い .し た が っ て ,. ら の MA 実 行 要 求 を 移 動 先 の MA に 転 送 し た り. 状況に応じて他の端末の豊富な計算資源を柔軟. といった機能を提供する.. に利用する機構が必要となる.. 実行要求. 2.3. Mobile Agent の利 用. Application. 筆者らは,他の端末の計算資源を柔軟に利用. 実行要求転送. Middleware MA platform JavaVM OS/HW. するための方法として,モバイルエージェント (以 下 ,MA と 略 す )を 用 い た ア プ ロ ー チ を 採 用 し た.ここでは,アプリケーションが必要とする ラ イ ブ ラ リ を MA と し て 構 成 し ,こ の ラ イ ブ ラ. Middleware platform JavaVM OS/HW. 自端末 ネットワーク上の他端末 (a) 自端末で実行する方が適している場合. リ が 実 行 に 適 し た 環 境 (端 末 )に 移 動 し て , そ の 計算資源を利用する.. ※ ApplicationはMA(Library)の 位置を意識しない (MAに透過的にアクセス可能). MA を 用 い た ア プ ロ ー チ の 利 点 と し て は , ア プリケーションはライブラリが提供するサービ. Application. ス (機 能 )だ け を 知 っ て い れ ば よ く , ラ イ ブ ラ リ. Middleware platform JavaVM OS/HW. に適した実行環境を知る必要がない.ライブラ リ自身が,実行時点での環境の中で自分に適し た実行環境を選択して移動するので,アプリケ. 実行要求 実行要求転送 Middleware MA platform JavaVM OS/HW. 自端末 ネットワーク上の他端末 (b) 他端末で実行する方が適している場合. ーションはライブラリに対して実行要求を投げ るだけでよい.これは,エージェントの自律性 によって実現される.. 図 1 MA-based Middleware. また,本稿では「計算資源の制限」に焦点を. 2 −222−.

(3) MA を , 単 に 計 算 資 源 が 豊 富 な 他 端 末 に 移 動. 3. 移 動 制 御 方 式 3.1. 移 動 制 御 方 式 の構 成. さ せ て も , MA を 利 用 す る ア プ リ ケ ー シ ョ ン 自. 提 案 シ ス テ ム の 中 で は , MA の 移 動 先 を 決. 体の処理効率が必ずしも向上するとは限らない.. 定するための環境情報収集のために,エージェ. 例 え ば , MA と ア プ リ ケ ー シ ョ ン 間 の 通 信 処 理. ント間のタスク割当てによく用いられる契約ネ. や MA の 移 動 処 理 な ど の オ ー バ ヘ ッ ド が 発 生 す. ッ ト プ ロ ト コ ル [3]を 用 い て い る .契 約 ネ ッ ト プ. るような場合には,他端末の計算資源を利用し. ロ ト コ ル は "タ ス ク 告 示 ", "入 札 ", "落 札 "の 3. ても処理効率の向上が望めないことがある.そ. 段階のステップで構成される.. のため,これらのオーバヘッドを考慮して評価. 図 2の 例 を 用 い て , MA の 移 動 先 を 決 定 す る. 基準を定義する必要がある.アプリケーション. 流 れ を 説 明 す る . ま ず , MA は コ ー デ ィ ネ ー タ. の処理性能の向上を目的とする場合,例えば以. に 自 身 の 情 報 (評 価 基 準 を 含 む )を 登 録 し , 他 端. 下 の よ う な 評 価 式 fn (n は 端 末 を 表 す 添 え 字 )を. 末 の 情 報 収 集 を 要 求 す る (① ). こ の 要 求 を 受 け. 用いる. fn = MA の 実 行 時 間 の 推 定 値. て,コーディネータは情報収集の要求を他端末 に マ ル チ キ ャ ス ト す る (② ). こ こ で , マ ル チ キ. + MA の デ ー タ 通 信 時 間 の 推 定 値. ャストされる範囲は予め定められたエリアに限. + MA の 移 動 時 間 の 推 定 値. (1). 定される.各端末のコーディネータは自端末の. 評 価 式 は (1)に 示 す よ う に 大 き く 3 つ の 項 目 で. 状 況 を 調 査 し (③ ), そ の 結 果 を 要 求 元 の コ ー デ. 構成されている.各項目に影響を与える主なパ. ィ ネ ー タ に 返 却 す る (④ ). 要 求 元 の コ ー デ ィ ネ. ラ メ ー タ を 表 1に 示 す .端 末 の 最 大 性 能 は CPU. ー タ は 登 録 さ れ た "評 価 基 準 " (例 え ば ,予 測 さ れ. やメモリといった物理的な計算資源によって決. る 処 理 性 能 や 通 信 コ ス ト な ど )に 基 づ い て 最 も. まる固定的なパラメータである.端末の負荷状. 適 切 な 移 動 先 端 末 を 選 択 し (⑤ ), そ の 結 果 を 選. 態は,情報収集を行った時点での各端末内の負. 択 し た 端 末 を 含 む 全 て の 端 末 に 報 告 す る (⑥ ).. 荷 の 大 き さ を 表 す . MA の タ ス ク サ イ ズ は 基 本. こ れ に よ り ,適 切 な 端 末 に MA が 移 動 す る (⑦ ).. となる端末で無負荷の状態で実行した場合の実 行時間で表現される.端末間の通信状態は端末 が接続されているネットワークの状態である.. ② ④. コーディネータ. 通 信 デ ー タ サ イ ズ は , MA の 実 行 に 必 要 と な る コーディネータ. デ ー タ の 通 信 量 で あ る . MA の デ ー タ お よ び コ. ⑥. ー ド サ イ ズ は , MA が 移 動 す る 際 に 必 要 と な る. ① ⑤. MA (ライブラリ). 総データ転送量である.. ③. 4. MA-based Middleware の 実 装 4.1. 実 装 例. ⑦ 自端末. (1つ以上の) 他端末. 今 回 , 筆 者 ら は JavaVM 上 で 動 作 す る マ ル チ エ ー ジ ェ ン ト フ レ ー ム ワ ー ク : Beegent[4] を. 図 2 移動先決定のための交渉の流れ. 用 い て ,提 案 シ ス テ ム を 実 装 し た .具 体 的 に は ,. 表 1 評価式の項目と関連するパラメータ 評価式の項目 実行時間. 通信時間. 移動時間. 主なパラメータ ・端末の最大性能 ・端末の負荷状態 ・ MA の タ ス ク サ イ ズ ・端末間の通信状態 ・端末の負荷状態 ・通信データサイズ ・端末間の通信状態 ・ MA の デ ー タ お よ び コードサイズ. PC 上 の JVM に は JDK 1.1.8, PDA 上 の JVM に は Jeode (Personal Java 1.2 準 拠 ),Beegent は Ver. 1.0 を 利 用 し た . Beegent は , 分 散 シ ス テ ム を , ア プ リ ケ ー シ ョンとそれをエージェント化するエージェント ラッパー,エージェントラッパーを利用する仲 介エージェントの 3 種類の構成要素で構築でき る .エ ー ジ ェ ン ト 間 の 通 信 は ,XML フ ォ ー マ ッ ト の エ ー ジ ェ ン ト 間 通 信 言 語 ACL に よ っ て 行 う.仲介エージェントは移動可能なエージェン ト で あ る . Beegent フ レ ー ム ワ ー ク で は , 複 数 の 主 体 (エ ー ジ ェ ン ト ラ ッ パ ー と 仲 介 エ ー ジ ェ. 3 −223−.

(4) ント)が 対話(メッ セ ージ 交換)に よる 相 互作 用. 図 4に Beegent を 利 用 し て 実 装 し た 提 案 シ ス. を行うことで,目的とする処理を実行する.こ. テムの構成を示す.まず,アプリケーションに. の各主体の動作を定義するものがインタラクシ. 機 能 を 提 供 す る ラ イ ブ ラ リ を 移 動 可 能 な MA と. ョ ン プ ロ ト コ ル で あ る . Beegent の 基 本 と な る. して構成するために,仲介エージェントのクラ. 構 成 要 素 を 図 3に 示 す .. ス を 利 用 し た . 次 に , MA の 動 作 環 境 を 提 供 す る ミ ド ル ウ ェ ア プ ラ ッ ト フ ォ ー ム (MWP)を 構 築. エージェントラッパー. 仲介エージェント. IP(Interaction Protocol). IP. 用 い た . ア プ リ ケ ー シ ョ ン は , MWP が 提 供 す. 状態管理マネージャ. 状態管理マネージャ. アクション層. アクション層. ラッパー用 クラスライブラリ. するために,エージェントラッパーのクラスを. 言語層 言語層 通信層 通信層 JavaVM OS/HW. 移動機能等. る メ ソ ッ ド を 利 用 す る こ と で , MA を 透 過 的 に. 仲介エージェント用 クラスライブラリ. 実 行 す る こ と が 可 能 と な る . MA の 移 動 制 御 を 行 う た め に MWP に 必 要 な 機 能 は , 自 端 末 の 状. XML/ACLメッセージ の生成・解析. 態を監視するモニタ機能,他の端末の情報を収 集して移動先を決定するコーディネータ機能,. HTTPメッセージ 送受信. MA の 移 動 や 位 置 管 理 を 行 う マ ネ ー ジ ャ 機 能 で. 図 3 ラッパーと仲介エージェントのレイヤ構成. あ る .今 回 の 実 装 で は ,自 端 末 の 状 態 (ノ ー ド の 最 大 性 能 お よ び 負 荷 状 態 )を フ ァ イ ル に 保 存 し , モニタ機能が状態を取得するように実装した.. アプリケーション. コ ー デ ィ ネ ー タ 機 能 の 通 信 処 理 は , Beegent が. MWPメソッド群. MWPメソッド群. コーディネータ MWP. モニタ. MA. マネージャ ラッパー用 クラスライブラリ. 提 供 す る XML/ACL の ク ラ ス ラ イ ブ ラ リ を 利 用. コーディネータ. ライブラリ. 仲介エージェント用 クラスライブラリ. モニタ. し て 実 装 し た . マ ネ ー ジ ャ 機 能 は , MA の 移 動. マネージャ. や 位 置 管 理 を 行 う が , こ れ は Beegent の 機 能 を. ラッパー用 クラスライブラリ. JavaVM OS/HW. そのまま利用した.. JavaVM OS/HW. また,アプリケーションがライブラリの実行 要 求 を MWP に 送 っ て か ら , 結 果 を 受 け 取 る ま. 環境情報収集. で の 流 れ を 図 5に 示 す .. 図 4 MA-based Middleware の構成. 4.2. 実 験 環 境 ホームネットワーク等のローカルなネット ワーク内に性能の異なる複数の端末が接続され. Application. MWP. MA. MWP. て い る 状 態 を 想 定 す る .具 体 的 に は ,PDA,Note PC,デ ス ク ト ッ プ PC が 各 1 台 ず つ ,無 線 LAN. MA実行. に 接 続 し て い る 環 境 を 用 意 し た . 図 6に 今 回 の. MA生成. 実 験 シ ス テ ム の ネ ッ ト ワ ー ク 構 成 を , 表 2に 今. 情報収集 Coordination. 回使用する各端末のスペックを示す.. 評価 移動. 種類 機種. Migration 実行許可 結果. 自端末. Calculation 結果. CPU. 他端末. 図 5 MA 実 行 の シ ー ケ ン ス. メモリ OS JVM. 端末 1 PDA 東芝 GENIO e550GX PXA250 400MHz. 端末 2 PC 富士通 FMV 717G TX7 Pentium4 1.7GHz. 128 MB Pocket PC 2002 Jeode 1.9.1. 1 GB Windows 2000 JDK 1.1.8. 端末 3 Note PC IBM ThinkPad i Series 1620 Mobile PentiumⅢ 600MHz 192 MB Windows Me. 表 2 各端末のスペック. 4 −224−. JDK 1.1.8.

(5) PDA. Low Pass Filter (5x5). Application. Note PC. MA. 処理時間 [s]. MW1. MW3. Wireless LAN (802.11b) PC MW2. 60 50 40 30 20 10 0. その他 移動時間 通信時間 実行時間 PDA. 図 6 実験システムのネットワーク構成. PC 端末の種類. NotePC. 図 8 基 本 性 能 測 定 (5× × 5 マ ス ク LPF). 今 回 は ,ミ ド ル ウ ェ ア 利 用 の 一 例 と し て ,MA が 画 像 フ ィ ル タ リ ン グ (Low Pass Filter : 以 下. Low Pass Filter (7x7) 処理時間 [s]. LPF と 略 す ) の ラ イ ブ ラ リ と し て 動 作 し , PDA 上のアプリケーションがそのライブラリを利用 して画像を変換するというシナリオを想定して い る .こ の よ う な シ ナ リ オ に お い て ,PC,NotePC の負荷状態が異なる場合の提案方式の動作につ. 60 50 40 30 20 10 0. その他 移動時間 通信時間 実行時間 PDA. いて調べる.. PC 端末の種類. NotePC. 4.3. 実 験 結 果 と考 察 図 9 基 本 性 能 測 定 (7× × 7 マ ス ク LPF). 4.3.1. 基 本 性 能 ま ず , MA を 用 い た ア プ ロ ー チ の 有 効 性 を 分 析 す る た め に ,3×3,5×5,7×7 マ ス ク を 用 い た 各 LPF を 用 い て PDA 上 で 処 理 を 実 行 す る 場 合 と PC(ま た は Note PC)上 に LPF ラ イ ブ ラ リ を移動して実行する場合との処理時間を比較す る . 図 7, 図 8, 図 9は , LPF の マ ス ク の 種 類 ごとに各端末上で実行した場合の処理時間とそ の 内 訳 を 示 し た も の で あ る .す べ て の LPF に お い て ,PDA 上 で 実 行 し た 場 合 は ラ イ ブ ラ リ の 実 行 時 間 が 大 半 を 占 め る の に 対 し て , PC お よ び Note PC 上 で 実 行 し た 場 合 は デ ー タ 通 信 時 間 が 大きな割合を占め,実行時間は極めて短いこと がわかる.また,計算アルゴリズムが複雑にな る に 従 い 実 行 時 間 は 長 く な る (入 力 画 像 は 同 じ な の で デ ー タ 通 信 時 間 は 一 定 )た め ,MA を 用 い て処理時間を改善するという手法がより効果的. 4.3.2. 移 動 制 御 移動制御の実験に用いた各種パラメータを 表 3に 示 す . こ れ ら の 値 は す べ て , 実 測 値 を も とにして設定した概算値である.例えば,端末 の 最 大 性 能 は ,実 際 に MA を 実 行 し た と き の 実 行時間を測定し,その逆数の比として設定し, 端末ごとにファイルで持たせた.なお今回は, 各 端 末 の 負 荷 状 態 と MA の 実 行 時 間 と の 関 係 を わ か り や す く す る た め に ,負 荷 (対 象 と な る MA を 含 む )が 逐 次 的 に 実 行 さ れ る モ デ ル を 想 定 し , MWP に て 負 荷 の 逐 次 実 行 を 制 御 し た .. 表 3 実 験 に 用 い た MA の パ ラ メ ー タ の 値 パラメータ 端末の最大性能. に働く.. 処理時間 [s]. Low Pass Filter (3x3) 60 50 40 30 20 10 0. その他 移動時間 通信時間 実行時間 PDA. PC 端末の種類. MA の タ ス ク サ イ ズ MA の 通 信 時 間 負荷のタスクサイズ 負荷の通信時間 MA の 移 動 時 間 データ通信量. NotePC. 図 7 基 本 性 能 測 定 (3× × 3 マ ス ク LPF). 5 −225−. 値 PDA: 1 (基 準 ) NotePC: 37 PC: 110 34 (PDA 上 で 34 秒 ) 19 秒 34 (PDA 上 で 34 秒 ) 1秒 3秒 256×256 個 の integer 値.

(6) 本稿では,評価式として以下の式を用いた. PC内の負荷状態に対する処理時間の変化 (PC内の負荷は4で固定). fn = MA のタスクサイズ/端末の最大性能 60. +MA のデータ通信時間. 移動制御 PC指定で移動 PDA(負荷なし) NotePC (負荷:4). +負荷のタスクサイズ/端末の最大性能 +負荷のデータ通信時間. 50. +MA の移動時間. 処理時間 [s]. (2). PC内の負荷状態に対する処理時間の変化 (NotePC内の負荷は20で固定) 60. 30. 20. 50 処理時間 [s]. 40. 10. 40. 0. 5 10 15 PC内の負荷の個数. 20. 30. 図 12 移 動 制 御 方 式 の 動 作 (3). 移動制御 PC指定で移動 PDA(負荷なし) NotePC (負荷:20). 20. 各 パ ラ メ ー タ に は 表 3の 値 を 用 い る .5×5 マ ス ク の LPF を 用 い た 場 合 の 動 作 を 図 10,図 11,. 10 0. 5. 10. 15. 20. PC内の負荷の個数. 図 12に 示 す . 図 の 横 軸 は PC 内 の 負 荷 を 表 し , 縦軸はアプリケーションの処理時間を表す. MA を 移 動 さ せ ず に PDA 内 で 実 行 す る 場 合 に は ,. 図 10 移 動 制 御 方 式 の 動 作 (1). PC(ま た は NotePC) 内 の 負 荷 に 無 関 係 に 処 理 時 間 は 一 定 で あ る . 図 10は , NotePC の 負 荷 を 高 い 状 態 で 一 定 と し ,PC の 負 荷 を 変 え て 実 行 し た. 60. NotePC内の負荷状態に対する処理時間の 変化 (PC内の負荷は20で固定). 結 果 で あ る .PC に 移 動 す る こ と を あ ら か じ め 指 定 し て 実 行 す る 場 合 ,PC 内 の 負 荷 が 高 く な る ほ ど,アプリケーションの処理時間は遅くなり, あ る 状 態 以 上 で は PDA 内 で MA を 実 行 す る 場 合. 50. よりも処理時間が遅くなる.これに対して提案. 処理時間 [s]. 方 式 を 用 い た 場 合 に は ,PC 内 の 負 荷 が 低 い 状 態. 40. で は MA は PC に 移 動 し て 実 行 さ れ る が ,PC 内 の 負 荷 が 高 い 状 態 で は 移 動 せ ず に PDA 内 で 実. 30. 行 さ れ る .図 11は ,逆 に PC の 負 荷 を 高 い 状 態 移動制御 NotePC指定で移動 PDA(負荷なし) PC (負荷:20). 20. で 一 定 と し ,NotePC の 負 荷 を 変 え て 実 行 し た 結 果 で あ る . こ の 場 合 も , 移 動 制 御 方 式 は 図 10 の 場 合 と ほ ぼ 同 様 の 動 作 と な る . 図 12 は ,. 10. NotePC の 負 荷 を 低 い 状 態 で 一 定 と し , PC の 負 0. 5 10 15 NotePC内の負荷の個数. 20. 荷を変えて実行した結果である.この場合は, PC 内 の 負 荷 が 低 け れ ば MA は PC 内 に 移 動 し て. 図 11 移 動 制 御 方 式 の 動 作 (2). 実 行 さ れ る が , 負 荷 が 高 く な る と MA は PDA よりも処理を速く実行できると推定される NotePC の 方 に 移 動 し て 実 行 さ れ る .こ れ ら の 結 果より,提案する移動制御方式は,ネットワー ク 内 の 端 末 の 状 態 か ら MA を 処 理 す る の に 適 し た端末を決定するという動作を適切に行えてい. 6 −226−.

(7) ることが分かる. 最後に,評価式とパラメータ設定について考 察する.本稿では,評価式およびパラメータは 実測値に基づいて設定した.現状では,本研究 のアプローチを利用するためには,ライブラリ の設計者がライブラリの性能を測定し,ライブ ラリの内部にその情報を定義することを前提と している.将来的には,ライブラリのコードか ら評価式を自動生成したり,ライブラリが繰り 返し実行される間に統計情報を蓄積していく等 の方法を取ることにより,ライブラリ設計者の 負担を軽減し,移動制御の精度を向上すること が可能であると考える.. 5. ま と め 本稿では,筆者らが提案したモバイルエージ ェ ン ト を 基 盤 と す る ミ ド ル ウ ェ ア (MA-based Middleware)の 実 装 例 に つ い て 説 明 し た .そ し て , 画像フィルタリングを実行するライブラリを用 い て ,PDA 上 の ア プ リ ケ ー シ ョ ン か ら ロ ー カ ル に 実 行 す る 場 合 と , ラ イ ブ ラ リ を PC 上 に 移 動 してリモートで実行する場合について,処理時 間 を 比 較 し ,MA を 用 い て 処 理 を PC 上 に 移 動 さ せるアプローチの有効性について示した.さら に,提案した移動制御方式が,移動先の候補で あ る PC の 負 荷 状 態 が 低 い 場 合 は MA を 移 動 し て 処 理 を 実 行 し ,高 い 場 合 は 移 動 せ ず PDA 上 で 実行するという動作を示すことを確認した.こ れによって,提案システムがモバイル環境の課 題に対する解決法を提供することを,実際のア プリケーション利用の観点から示すことができ た.. 謝. 辞. 日頃ご指導頂く当社情報通信研究所ワイヤレス システム部 藤井輝也 部長に感謝いたします.. 文. 献. [1] 川 上 憲 治 , 広 重 一 仁 , 佐 々 木 宏 , 岡 宅 泰 邦 , 本 位 田 真 一 , "モ バ イ ル 環 境 向 け エ ー ジ ェ ン ト 移 動 制 御 ," 情 報 処 理 学 会 MBL 研 究 報 告 , 2002 年 3 月 . [2] 川 上 憲 治 , 広 重 一 仁 , 吉 岡 信 和 , 本 位 田 真 一 , "モ バ イ ル 環 境 向 け エ ー ジ ェ ン ト 移 動 制 御 (そ の 2)," 情 報 処 理 学 会 MBL 研 究 報 告 , 2002 年 10 月 . [3] R. G. Smith, "The Contract Net Protocol: High-Level Communication and Control in a Distributed Problem Solver," IEEE Transactions on computers, vol.c-29, no.12, 1980. [4] Bee-gent: コミュニケーションをエージェント化する. 7 −227−. マルチエージェントフレームワーク, http://www2.toshiba.co.jp/beegent/.

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