1 第12期 第6回町田市学校給食問題協議会 会議録要旨 日 時 2019年11月11日(月) 14時30分~16時00分 場 所 市庁舎2階 第4会議室 出 席 者 <委員>敬称略 中村雄一、恵方谷雄二、杉畠万紀子、中川悟、東麻理、 夏梅琴絵、大石正子、長尾望生、髙田公彦、小口悦子 <事務局> 保健給食課長、保健給食課職員5名 傍聴人数 3名 ■会議内容 1.議題 中学校給食について 小学校給食の衛生管理について (1) 資料説明 (2) 協議 2.次回の日程 3.その他 ■配布資料 ○資料① 「中学校給食について(まとめ)」 ○資料② 第5回給食問題協議会の内容(概要) ○資料③ エンボス加工(シボ加工)採用比較 ○資料④ 洗浄方法および浸漬剤別 比較表 ○資料⑤ 界面活性剤には毒性がありますか? ○資料⑥ 界面活性剤のヒト健康影響および環境影響に関するリスク評価 ○(参考) 第 12 期 第5回町田市学校給食問題協議会 会議録要旨
2 【会長】 それでは、ただいまから第12期町田市学校給食問題協議会の第6回目を開 催する。 当協議会に諮問されている議題について、協議に入る。本日は、主に諮問事項 (2)「小学校給食の衛生管理について」を議題としたい。 まずは、事務局より、資料の説明、報告等をお願いしたい。 【事務局】 会議の開催に先立ち、報告をする。本日は5名の委員が所用で欠席である。5 名欠席ではあるが今回協議会の過半数の委員の出席を確認しているので、本会 は正式に開催が認められるものである。 それでは、本日の資料を説明する。 資料①「中学校給食について(まとめ)」について、説明する。 第4回までに話し合った「中学校給食について」の皆様のご意見を反映し、ま とめたものである。 第4回資料「中学校給食に関する協議会内の意見(まとめ)」でご提示をした 内容から、文言を整理し、再度お示しした。これは答申の案になるものなので、 確認とご意見をいただきたい。次回以降、「小学校の衛生管理について」と合わ せて文言整理をし、答申の案として再度ご提示する。第4回資料「中学校給食に 関する協議会内の意見(まとめ)」で示したものと変わっているのは、(3)提供 内容の充実の①に量の調節についての追記をした。 資料②「第5回給食問題協議会の内容(概要)」について、説明する。 前回、第5回給食問題協議会では「小学校給食の衛生管理について」ご議論い ただいた。本日も引き続き同じ内容をご議論いただくにあたり、前回の内容を振 り返るための資料として用意した。 ・第 11 回学校給食問題協議会の答申を受け、小学校給食において陶磁器食器 からPEN樹脂製食器へ切り替えを行っている。 ・PEN樹脂製食器は、シボ加工されているため、でんぷん汚れが残りやすい。 ・従来の食器の洗浄方法では、でんぷん汚れを落とすことができない。特に粉 物のメニュー(片栗粉や小麦粉を使用したもの)の後に残留が残りやすい。 油脂製残留物は落とすことができている。 ・食器に残る残留でんぷんが原因で食中毒が発生したことは、今まではない。 ・保護者としては、汚れがないことに越したことはない。
3 ・児童の安全を守ること以上の教育課程はない。子どもの健康を考える中で、 喫緊の課題である。 ・第6回(今回)で事務局から対策について一覧の比較表を提示する。これは 後ほど資料④で説明する。 でんぷん汚れを落とす方法として、あがった意見は ・高性能な食器洗浄機を購入する ・調理員を増員する(こすり洗いをする) ・食器洗浄機で熱湯を用いてすすいでから、石けん液に漬け置きし、すすぐ ・90℃の石けん液に漬け置きし、すすぐ ・石けんではない洗浄液(合成洗剤)に漬け置きし、すすぐ ・シボ加工なしのPEN樹脂製食器を購入する 特に、協議会で意見の出た内容の中で(資料で二重線をひいている)「保護者 として、汚れがないことに越したことはない」、「児童の安全を守ること以上の教 育課程はない。子どもの健康を考える中で、喫緊の課題である。」の部分は協議 の方向性として重要視するべき部分であると思われる。 また、でんぷん汚れを落とす方法としてあがった意見と、それぞれの方法につ いての課題等をまとめた。これを事務局から一覧の比較表にして提示すること を、前回の会議の中で求められていた。一覧表は資料④としてお示しする。 資料③「エンボス加工(シボ加工)採用比較」について、説明する。 資料中の「エンボス加工」というのは「シボ加工」のことである。 前回の会議の中で、もう一つ求められていたこととして、「シボ加工無しのP EN樹脂製食器は存在するか」との質問があり、事務局で調べてお答えすること になっていた。 資料の表の三段目「開発経緯」にあるように、シボ加工が無い場合、積み重ね 時のリング傷の付着が約4~5ヶ月で発生してしまう。これをシボ加工有りに することによって、資料の図①にあるように、食器表面にキズがつきにくくなり、 さらに残菜が残りにくく洗浄作業がはかどるというメリットが得られる。食器 に残菜が残りにくいということは、児童の喫食しやすさにもつながるものと考 える。 資料の表の最下段「洗浄性」にもあるように、シボ加工無しの食器も、キズに 入り込んだ汚れを除去することが困難になるため、シボ加工有りの食器同様、従 来の食器洗浄方法では汚れが残ってしまうことに変わりはないと考察できる。 補足として、シボ加工無しの食器を 10 年使用したサンプルを用意した。肉眼 でもわかるほど細かい傷がたくさんついてしまっていることを確認してほしい。
4 資料④「洗浄方法および浸漬剤別 比較表」について、説明する。 資料②でお示しした、でんぷん汚れを落とす方法としてあがった意見の効果 等を一覧にしたものである。 今回の諮問では「従来の洗浄方法では取り除くことが困難な汚れがあるため、 改善策についてご議論いただきたい」とお願いしている。 それぞれの改善案について、汚れ落ちの効果はもちろんだが、調理員の労働面 を含めた安全性や作業負荷、費用面など様々な角度から議論していただくため の資料として用意した。 資料⑤「界面活性剤には毒性がありますか?」について、説明する。 界面活性剤の安全性について、横浜市がホームページで公開している情報が ある。資料の中では、洗剤の人体に対する安全性について、国から問題がないと 報告されていることが記載されている。 また、環境に対する安全性について、平成 12 年度に横浜市内河川の界面活性 剤濃度を調査したところ、ほとんど不検出であり、これは下水道の整備が進んで きた結果であると記載されている。 資料⑥「界面活性剤のヒト健康影響および環境影響に関するリスク評価」につ いて、説明する。 界面活性剤については、前回の会議の中でもご質問があったので、理解を深め るため、学校薬剤師である高田委員から資料をご提供いただいた。後ほどご説明 をいただく。 参考に「第 12 期第5回町田市学校給食問題協議会 会議録要旨」を用意した。 必要に応じてご利用いただきたい。 本日の資料については以上である。 本日は、「中学校給食について」のまとめのご確認と、「小学校給食の衛生管理 について」の「従来の洗浄方法では取り除くことが困難な汚れがあるため、改善 策についてご議論いただきたい」という諮問内容に対する具体的な解決策をご 協議いただきたい。 【会長】 始めに、諮問事項(1)「中学校給食について」の資料①について協議する。 内容を確認してほしい。何か意見、質問はあるか。
5 夏梅委員、何かあるか。 【夏梅委員】 話し合われた内容がそのまま書いてあるので、これでよいと思う。 【長尾委員】 知る機会を提供するという事について、私たちの意見を取り入れていただき、 消費者センター運営協議会の委員全員で、よかったねという意見が出た。先だっ てタウンニュースにゼルビアキッチンとのコラボ給食の記事が載っていた。一 つでも多く私たちが学校給食を知る機会を示していただいていることを嬉しく 思っている。知らない世代、年齢が高い世代にとっては、嬉しいことである。 【会長】 他にはいかがか。 よいようなら、長尾委員の意見を反映しながら 1 月の協議会の案として事務 局でまとめていただきたい。 【事務局】 承知した。 【会長】 次に、諮問事項(2)「小学校給食の衛生管理について」の議題に入る。 事務局から資料②「第5回給食問題協議会の内容(概要)」について説明があ った。二重線の部分は協議の方向性として重要視するべき部分であると説明が あった。前回の会議の中では、食器に残った汚れから食中毒が起きたことはない というように高田委員から説明があった。食器の汚れは落とすべきであるか、と いうことが本協議会の方向性になると思うが、いかがか。 (挙手なし) 汚れが無いほうが良いということは、保護者から意見が合ったと思う。被害は 出ていない、でも落としたほうが良いと言うことであるが、保護者として大石委 員いかがか。 【大石委員】 汚れが無いに越したことは無いとは思うが、前回ゼロにはできないというこ とが出ているので、極力少なくしていく方向性がうまく見出せいるといいと思 う。
6 【会長】 この後、説明や議論をいただくことになるが、学校関係の先生方はいかがか。 【恵方谷委員】 前回シボ加工無しだったらどうだろうと意見を出したが、シボ加工が無しの ものは傷がつきやすいというデメリットがあることが理解できた。 【会長】 従来の洗浄方法ではでんぷん汚れが落ちにくいという現状を確認したが、こ の件に関して本日探っていかなければならない。資料③「エンボス加工(シボ加 工)採用比較」を見ていただきたい。先程も説明があったが、シボ加工によって、 残菜が残りにくく洗浄作業がはかどり、傷がつきにくくなるということを、私た ちも理解したところであるが、これについて質問があるか。 (質問なし) シボ加工をしていない食器のサンプルを見て使用により傷がつくことが確認 できた。 【高田委員】 シボ加工していない食器は、でんぷん汚れについては傷がついたときに問題 になるのかもしれないが、ごはん粒の食べやすさの違いがあると思う。 【大石委員】 4~5ヶ月ぐらいで、サンプルのように傷がついてしまうのか。 【事務局】 4~5ヶ月ぐらいで、重ねた部分がリング状に傷がつくということである。 【夏梅委員】 シボ加工の傷がついたもの、ついていないものを見たが、シボ加工がしてあっ てデコボコの部分も通常通り使うと傷はつくものなのではないかと思うが。そ れともつかないのか。 【事務局】 それはついていると思う。傷が面でつくか、シボ加工の突起物の部分につくか の違いで、比べれば傷が残りにくいということで、つかないということではない。
7 【夏梅委員】 傷の量が少なくて済むということか。どの道、両方とも傷がついていればそこ に汚れが残るのではないか。 【事務局】 接する部分に傷がついてしまうことについては、そうである。 【中村委員】 写真を見るとわかるが、両方とも傷はつくのだが、見た目がリング状について しまうと、子どもが食べるときに嫌がる。汚いわけではないのだが、見た目の問 題があって、シボ加工の方が見た目がいい。ただ、検査をするとでんぷん汚れが 残るので、どっちも同じではあるが。 【夏梅委員】 汚れに関していうと、そこまで差はないということか。 【中村委員】 差は無いと思う。ただ、運ぶので、洗うときより運ぶときに傷がつくと思う。 【会長】 子どもが見たときに、すぐ見える。傷なのだが汚れているととらえられてしま う。でんぷん汚れは検査しないと外見上はわからないが、同じでんぷん汚れが残 るとしても、シボ加工していないと見た目ですぐ汚れのように見えて、子ども達 が直視してしまうということになる。 【夏梅委員】 食器の重なる部分だけでもシリコンがついていたりすると良いと思うが、洗 っているうちに取れてしまったりするか。 【事務局】 陶磁器に比べて軽くつくってあるが、中村委員の発言にあったように、運んで いるうちにこすれるし、洗浄し乾燥することを考えるとシリコン加工はあまり 長持ちしないのではないだろうか。 前回、シボ加工のないものが存在するかというご質問をいただき、そういうも のは存在することがすぐにわかったが、協議会でこのタイプの食器を選んで切 り替えていくと決められていたものなので、それなりにいろいろな検討をされ
8 たうえでのものである。残念ながら傷がついたらすぐに買い換えるということ はできない現状がある。 【会長】 シボ加工したことで傷がつきにくい。中村委員が発言したように子ども達が 直視で汚れなのかということを確認しなくていいということが、シボ加工があ るメリットであると理解することができた。 シボ加工の必要性は、委員の皆さんは理解したということでよいか。シボ加工 がある方がいくらか良いのではないか、というところには着地できたというこ とでよいか。 (挙手なし) この件でまた何かあったら、質問をいただきたい。 では、資料④にうつる。高田委員のデータをもとに作られた表である。確認を しながらすすめていく。子ども達が汚れの少ない状態で食器を使用するという 観点からいろいろな案が出ている。先般確認したが、今のような状態で洗浄して いくと、作業負担であるとか費用面の負担、洗浄をきちんとしていくにはそうい ったものがあるということで、この辺の角度からも議論していきたい。 前回のでんぷんの性質から熱処理をすることが蓄積したでんぷんを取り除く には非常に効果的だと高田委員から説明があった。この表を見ると、安全面、労 働面、費用、時間の面で課題があるようだ。中川(悟)委員から、×や△がつい ている部分を説明してほしい。 【中川(悟委員)】 全ての設備に煮沸専用の施設はないので、釜で行うしかない。90℃以上の湯を 沸かして、学校によっては 1000 個程度の食器を沈める。それを火傷などの安全 を考慮しながらやるというのは時間的にもかなり難しい。それを通常の洗浄が 終了した後にやることになるので、労力的・時間的に難しい。山口県では給食が 無いときにそういう作業をして何とかこなしているという。実態としては毎日 の作業に取り入れることは、難しいというより、無理に近いというのが正直なと ころである。 【会長】 効果的な方法はわかっていて、熱処理をするということだが、現在の労働状況 や安全面、費用面、時間の面を考えると、熱湯に漬けおくことは難しいと。 【中川(悟)委員】
9 資料に示されていないが、PEN樹脂製食器のメーカーの説明書には、煮沸し ないでと書いてある。耐久性が落ちてしまう心配がある。 【事務局】 本日の資料に記載はしていないが、PEN樹脂製食器に熱処理が好ましくな いと示されている。 【会長】 どの位の温度の熱処理がだめなのか。 【中川(悟)委員】 熱処理は、90℃で行うことを指している。煮沸というのは、沸騰した状態のこ とをいうので、温度は 98℃99℃である。説明書には、煮沸はやめてと書いてあ る。 【会長】 90℃程度はよいのか。 【中川(悟)委員】 ちょっとわからない。煮沸の定義も、何秒かなどもわからない。 【高田委員】 PEN樹脂自体は 120℃まで耐熱性はある。通常の煮沸、100℃というところ では耐熱性はあるととらえていた。樹脂以外の、絵柄を入れるとかというところ で少し低めの温度をメーカーが設定しているのかもしれない。 【会長】 一応PEN樹脂は 120℃まで耐熱性があることがわかった。煮沸でなくても高 温で繰り返し行うことで劣化というのは当然起こるかもしれない。 日常的に熱処理で落としていくという作業は、安全面でも費用面でも難しい ということが明らかになった。 「可能な範囲で実施していく」ということは可能かどうか。先だって年度末と か学期末といったところで集中的にするとか、そのようなことは可能かどうか。 【中川(悟)委員】 自分たちで実験したり、山口県で実施している例があることからすれば、可能
10 であると考える。 【会長】 実情をきいて、いかがか。熱処理は効果的であることと、安全面に課題がある ことが話されていたと思うが。 【夏梅委員】 前回の話の中で、90℃のお湯に漬けて洗浄するとかなり効果があったという データがあった。でも 90℃は、作業が難しく、できないのではないか。 現状、鍋で湯を沸かしてという状態で危険だからなかなかできないというお話 があったと思うが。 【中川(悟)委員】 一つは安全上の問題だが、あとは時間である。90℃に 10~15 分程度浸してあ げるというのは、あげるときが一番けがをしやすい。安全を考えれば 40~50℃ の湯につけてそこから火をかけてゆっくりと 90℃に上げて、今度はそのまま放 っておく。それが手を入れられる温度になるには、1 時間とかでは全然無理で、 時間的な余裕があればその方法ができるが、時間を間に合わせるとなるとリス クを承知で取り出すことをやらないと時間内には終わらない。 【夏梅委員】 なかなか時間的に難しいという話だった。前回の一番最後のときに、食器洗浄 機にメーカーが推奨している洗剤があるがそれは使っていないという話があっ た。使ったら汚れは落ちるのではないかと思うが。熱処理が厳しいのであれば、 洗剤を食器洗浄機に入れて使用することはできないのか。熱処理はかなり不可 能であると頭に入っていたので、混乱した。 【会長】 後ほど界面活性剤の資料もあり、どうするということではなく、説明を受けて 頭に入れておくこともよいかと思う。中川(悟)委員から毎回熱書るをすること は無理だと、ただ学期末だとか時間が取れるときに集中して作業することはで きるということである。蓄積した汚れを落とせることは皆無ではないというこ とは確認できたと思う。それをいつどのタイミングでということは、今なかなか いえないと思うが、でんぷんの汚れ残りが多いということで、栄養士に月にどの 位で片栗粉や小麦粉でとろみがついた料理があるのか、と思ったのだが。
11 【事務局】 平均すると月に5回程度である。冬になると汁物にとろみをつけることが増 える。夏場は逆に汁物にとろみはつけないが、カレーやスパゲティーなどのメニ ューが出てそれにはとろみがつく。多い月と少ない月があるが、平均すると5回 程度である。 【会長】 月5回、熱処理で対応することは、中川委員、難しいか。 【中川委員(悟)】 通常の洗浄の中で熱処理を行うのは、難しい。 【会長】 熱処理はタイミングを見てということであれば可能ということが確認できた。 前回、食器洗浄機に対応した洗剤があるということからのご意見だったと思う。 食器洗浄機に対応した洗剤は合成洗剤になろうかと思うが、高田委員から、界面 活性剤の安全性などを、資料を用いてご説明をお願いしたい。 【高田委員】 資料の説明に入る前に、界面活性剤について日本国内でどういう法規制に沿 っているかということだが、大きく3つの法に縛られている。一つは「化審法」 で、化学物質一つ一つに対するリスク評価をやって危ないものと一般の化学物 質を分けている。次は「化管法」で、経済産業省の管轄だが、化学物質を管理す る法律である。企業はこの法律にのっとって、どれだけ生産してどれだけ排出し たかと言う報告が義務付けられている。化学物質一つ一つに対する安全性評価 シートを製品に添付することが義務付けられている。もう一つは、我々の身近に ある「食品衛生法」で、すすぎや浸漬の時間が規定されたりしている。もう一つ プラスで、日本工業規格という、製品の品質を保証するという規格がある。それ によって製品が一定の品質の保証、環境中での生分解(環境の中でどれだけの時 間をかけて分解されていくかということ)についての担保がされている。なので、 あまり危険な物質は世の中には、はびこっていないということが現状である。こ ういう法律ができてきた背景としては、昭和 30 年代~40 年代に様々な化学物質 が引き起こした公害問題があり、それに伴って法整備が整ったということがあ るかと思う。 資料の⑤を見ていただきたい。これは横浜市が作った市民の方向けに作った Q&Aである。「界面活性剤には毒性がありますか?」ということで 2019 年1
12 月に一番新しい情報として確認されているということである。「家庭用の洗剤に 含まれる界面活性剤には毒性や催奇形性があることを聞いた。このようなもの が川に流れてしまっているのですか?」という質問に対しての回答は下に書か れている。結果を申し上げるといずれも環境基準、水生生物の生育に問題がある 濃度を超えて環境中に放出されているということは無いということで、毒性は 無いだろうとしている。これは、先程申し上げた化学物質に対する規制が整って きたということと、下水道の整備が進んできているので下水処理場において多 くの界面活性剤が分解された後、環境に放出されていることを示しているのだ と思う。 資料⑥を見ていただきたい。これは日本石鹸洗剤工業会という、石けんを含め て界面活性剤等を統括している団体からの報告書になる。先程「化管法」という 法律の名前を出したが、これがその本文の 2 行目に書かれている。「化学物質排 出把握管理促進法」、PRTR法ともいわれる。このPRTR法で、数ある界面 活性剤の中から4つのものが第1種指定化学物質として指定されているという ことで、ヒトと環境に及ぼす影響が少し上がるのではないかという懸念がある ということで取り上げられている。それぞれ取り上げられた4種類のうち、3 種 類については洗浄剤で使われる成分である。一つ目は「直鎖アルキルベンゼンス ルホン酸塩」略してLASと呼ばれているものだが、これは昭和 40 年代に非常 に大きな問題となった直鎖で進んだということで、その後開発されたLASは ABSと比べると生分解性も高まっていて、皮膚刺激性、皮膚感作性、経口毒性、 反復投与毒性を調べると、資料の四角の中にあるように問題ないであろうとい う判断がされたということである。次に「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」 通称AEという略で使われる化学物質であるが、これについても同じような評 価がされ、これに対するリスクは小さいと判断されている。3つ目(ビスジメチ ルアンモニウムクロリド)は柔軟仕上げ剤成分ということで食器洗浄剤には使 われない成分なので、説明を省く。最後に「NNジメチルドデシルアミンNオキ シド」略してAOといわれる成分についてだが、このリスク評価を行い、こちら もヒト健康および生態系に影響を及ぼすリスクは低いだろう、安全に使用でき る界面活性剤として判断されている。この詳細は、報告書全文として1枚目の真 ん中辺りに「報告書全文PDFはこちらからダウンロードできます」ということ で、どなたでも入手することが可能である。非常に詳細な試験結果が掲載されて いる。内容としては、皮膚刺激性、皮膚感作性、経口毒性、反復投与毒性、催奇 形性、水生生物に対する影響ならびに環境中での生物への害、その他もろもろ膨 大な量の報告である。
13 【会長】 食器洗剤に入っている界面活性剤、LAS、AE、AOが主なものであるとい うことで、その毒性と実験結果に関する報告について、内容を高田委員からご説 明いただいた。町田市は現在、石けんを使っているというということ、石けんを 使いながらも熱処理によりでんぷんの付着が処理できるということ、しかし毎 回は難しいこと、でんぷんが付着しやすいメニューが月に平均5回くらいであ ること、学期外でもタイミングを得れば熱処理をしてでんぷんの除去ができる であろうということが、今の現状ではあるということである。今、洗剤を変える ということは別議論になるし、人体に害のないものを今後どうするかというこ とについては別な次元の話になるが、今現在ある状況下の中でできる対策とい うのは、タイミングを見て熱処理をするということ、そういう機会を本協議会と して提案していくということでいかがか。 高田委員から説明していただいた資料も含めて、意見はあるか。 学校から中村委員、いかがか。 【中村委員】 難しいと思う。漬けおき洗いなど試してもらっているが、実際には落ちないと いうのが現状で、今の石けんに漬けては落ちないことがよくわかっている。かな りこすってもらってもやはり傷の中に残ってしまうので、熱処理が効果的であ るとは思うのだが、釜の中に入れるという作業はすごく大変で、熱いものを引き 上げるとなると普段はできないだろうな思うので、給食のない長期休業中にや ってもらうしか方法はないのではないか。たまったものはちょっと取って、洗剤 を使うかどうかというところにいかざるを得ないという気はする。それが理解 が得られるかということもある。調理員さんには様々やっていただいて努力し ていただいて、薬剤師の検査の時には汚れが出ないようにということで熱湯に つけたりして試しているが、やっぱり出てしまう。かなり長い間漬けるというこ とをしない限りは、現状の石けんでは無理だろうと思っている。出ないように努 力はしているのだが、やりようがない。 【事務局】 資料④や資料②にあるように、こういった状況にある中で協議会にどのよう な方向性の答申をいただくかであるが、今回の諮問としては、薬剤師の衛生検査 ででんぷん汚れが検出されてしまうという問題が解消ができないものかという ことでご議論いただいた。事務局がまとめることはできないが、例えばこれまで の話をまとめると、時間的な余裕があったりする場合には熱処理で落とせるも のは落としましょう、という方向性があるかと思う。問題は、時間的な問題、安
14 全的な問題があって頻繁にはなかなかできないというのが1点目である。もう ひとつは、食器に残る落としきれないでんぷん性の残留物というのは傷に蓄積 していくものなのだという話があるので、それならば日々の中でなるべく蓄積 をしていかないような方向性を探る必要があるのではないかと感じている。石 けんで落としきれない状況があるなら、洗浄剤を用いてもいいのではないか、毎 日そういうものを用いる必要があるかどうか、献立によってでんぷんが残りや すい献立の時には石けんで落ちなければ別のものを使ってみるというのが一つ あるかと思う。食器を頻繁に買い換えることができれば必要が無い議論である が、今申し上げた2点を併用しながら進めさせていただくという方向性で引き 続きご協議いただき、おおよその方向性を示していただきたい。 【会長】 食器洗浄機の指定の洗剤を使用したことはあるか。 【中川委員(悟)】 町田市では、ない。食器洗浄機にタンクを設置して自動的に一定の洗剤が投入 されるシステムがあるが、洗剤の自動投入装置自体が町田市では除外されてい る。浸漬剤として、漬けおきの段階で実験として石けんではなく他の浸漬剤を使 ってみたことはある。 【会長】 熱処理と浸漬剤を比較すると、効果はどうか。 【中川委員(悟)】 浸漬剤は、1 回やっただけで完全に落ちることは無いので、毎日少しずつ蓄積 されていくでんぷんを少しずつ落としていくというような作業である。でんぷ んがのったら減らすことを繰り返すことであまり大きな蓄積はされにくくなる。 陶器食器だとそれは明らかであったので、PEN樹脂製食器でも効果はあると 考える。洗剤に当たらない安価なものであれば、過炭酸ナトリウムなどはある程 度の効果は出る。食器洗浄機専用の洗剤はお金がかかるので試していないので、 効果は答えられない。 【会長】 協議会の意見をどのようにするか、「でんぷん汚れを落とす」というところに 主眼を持ちながら、現状の中で最大何ができるか、さらに新たな方法を提案する のかで、この先の議論がちょっと変わってくるのかなと見えてきた。なので、現
15 状でそれ程お金をかけずに安全性もある程度担保しながらできる限りとなると、 限られたある時期に熱処理をしていくことででんぷん汚れを落としていくとい 方法を協議会の意見として出すことができる。新たな方法として、洗剤に漬けて 汚れが貯まらないうちに落としていくという方法もあろうという示唆も得たが、 それにはある程度お金がかかるし、その作業がプラスで現場にはかかるかもし れない。そのため、この協議会では、どこに協議会の意見を持っていくかという ところを決めない限りは、「熱処理で終わります」ということであれば期間を限 定で熱処理をしていただくということをお願いしましょう、ということになっ ていくかと思う。そうではなくて、違った角度も検討しては、という議論になれ ば、そこに関しての資料を集めながら、場合によっては実験もしながら、どの方 法が一番効率良く安全で費用もかからず担当者の負担もかけないであろうかと うところも別の視点で見ていく必要があるのではないかと考える。今いろいろ と意見をきき、夏梅委員から「熱処理はできないとわかっていることで何を議論 するのでしょう」と示していただいたことから、ちょっと視点を変えなくてはい けないこともあるのかなと思う。 そういう形で今日の会議を閉める方向でよいか。とりあえず今できることと して、今までしていない熱処理については、ぜひできる時にしていただきましょ う、というところでお願いをしていくという方向で取りまとめることで、よいか。 新たな提案は出していきたいという方向か。それとも、現在いろいろ資料・デ ータをいただいた中では、期間を決めて落ちうるでんぷんを落としていただく という方向か。 【事務局】 頻繁にはできないけれど熱処理をするのであれば、安全性を確保した上でや ることをお願いしたい。時間がかかるため、三期の休業のタイミングで行ってい ただくことはできるかと思う。そのペースで今回のでんぷんの除去効果という、 例えば薬剤師の検査を受けたときに改善していくのかというと不安が残るので、 洗浄剤を変えるにしても丸っきり変えるというよりは、でんぷん汚れがつきや すいメニューの辺りで違うものを使う、あるいはもっと頻繁に、例えば週1回は そういうものを使うということがでんぷん汚れの蓄積を少しでも減らすことが できるのであれば、そういうところの方向性を協議会の中で合意をとっていた だけると大変ありがたい。 【高田委員】 今日は熱処理ででんぷん汚れを1回リセットするという話が中心になってい たが、資料④の表、右から3つ目の洗剤は、40℃~60℃という温度でほとんど残
16 留でんぷんを残さずに除去できる洗浄剤である。なので、1 回リセットすること はどうしてもやらなくてはいけないが、そのリセットを、熱処理で行うか、そう いう能力のある洗浄剤で行うかという、選択肢がもう一つあるのではないかと 思う。リセットした後は、日々のでんぷんの吸着をさせないような、中川委員の 発言にあったように、別の考え方として選択していく必要があるかと思う。 【会長】 新たな方策があった。東委員、いかがか。 【東委員】 高田委員の発言にあったリセットということは、なるほどと思ったが、人体の 安全性に三角がついているので、これは作業してくれる人たちの健康被害の恐 れもあるから、どうなのだろうか。ここは避けたいなと感じた。第一に作業して くれる方を考えたいと思うし、いくら洗浄しても万が一シボ加工の中に入り込 んで化学物質が残留しないのか。子ども達に影響は無いのかとふと疑問に思っ た。リセットするという分にはなるほどと思った反面、リスクを考えた。洗剤が、 作業する方と口に入ることによる児童の健康被害が心配になった。 【高田委員】 塩素系の洗剤については、食器のみならず、食材を殺菌するときにも使われて いる。塩素の残留に関しては、食品衛生法でも特に規定が無く、洗わなくてもい いよという形になっている。もし何か問題があるとすれば塩素臭いということ ぐらい、という記載があったので、そんなもんなのだなと思った。 【会長】 きざんで販売されている生野菜は、次亜塩素酸に漬けてあると思う。外食系は、 食品を漬け込んでいる薬剤である。濃度と浸漬時間は規定があるが、そういう薬 剤である。 【東委員】 保護者としては、そこは心配である。 【長尾委員】 消費者センターの定例会で意見を委員からもらった。やはり、まちまちである。 石けんを使ってきた委員からは、これまで通り、負担はわかるけれども、石けん で洗浄を行ってほしい。もう一方で、現場の負担と洗浄剤も開発されて環境への
17 負荷もこれだけ少なくなっていることだし、浄化槽の設備もよくなっているこ とだし、変えざるを得ない時期にきているかもしれないと。両極端の意見がある。 これを消費者センターの意見としてまとめる段階にはなく、明日皆で検討する 予定である。今、自分が言える意見は、二つの意見があった、ということである。 【高田委員】 安全と安心の違いをはっきり出す必要がある。「安全」は化学的な検査などで データを示すもので、「安心」は心の問題であり、リスクコミュニケーションと 言われるが、皆さんに化学データを提供する立場だが、一般の方々にどういう風 に納得していただけるかが一番難しい部分だと思うし、それがこの会の目的の 一つなのだろうと思う。 【長尾委員】 個人的には、そう思う。幸いなことに消費者センターの委員に化学の専門家が いるので、その方から話をしてもらって、高田委員が言ったことを皆で話し合い をして、次回意見を出させていただきたい。 【事務局】 資料④の「人体」の評価欄の三角として評価した内容について説明をする。白 い三角は現状の石けんを使った場合を示してあり、黒い三角は洗剤を使用して いるということで、色が違うだけで評価は同じである。 長尾委員から2つの意見があったということであるが、当然のことだと思う。 事務局としては、これまで通りの洗浄でとなってしまうとこの協議会の「改善を 求めたい」ということに対して「改善ができない」という答えになってしまうの で、何らかの改善意見はいただきたい。 【会長】 他に意見はあるか。 【恵方谷委員】 中学校では給食の食器を洗浄しているということはない。次亜塩素酸に野菜 を漬け込むのであれば、火傷の危険などを考えるとどうかと感じた。いろいろな 選択肢があって難しい。 【会長】 でんぷん汚れを落とすというところだけ見ると、現状でできることは熱処理
18 であるが、それでは落ちきれないし毎回やるわけにはいかない。ある洗浄剤に漬 けることで、火傷の危険や労働の負担は減らせるけど、それに対してはまだここ でも議論していないし、安全性に関しては、もちろん化学的根拠はここでしなく てもデータはあるかと思うが、それの確認もしていない。この洗浄剤に関しては 事務局で検討していただきたい。今日この会議においては、少なくとも、熱処理 について機会を見て繁忙期ではないときに試みていただくことを一つの解決策 として、今現状のままするとすればそれしかないのかなというところは、今日の 確認事項であろうかと思う。ただ、完全に落としていくだとか、危険性等を考え たときに、また別な道も今後検討していかなくてはいけないのかな、というとこ ろも少し示していただいて、どんな洗浄剤がというところを根拠を持って出し ていただいているので、これは次回以降審議していく必要であるかと感じてい る。 【事務局】 次回は、物理的にできる作業面を含めた安全にできる方法について、資料④で いう右側3列の洗剤の性質で分けさせてもらったところになるが、お子さんの 口に入るものなので心配されるところでもある。一方で食品の衛生上の管理・保 存のために薬品が使われているという部分も含めて、こちらとしてもお示しす る資料は精査したいと思う。一定の方向性は次回の会議の中で示していただけ るように議論を重ねていただけるとありがたい。 【会長】 中村委員、保護者から今までの洗浄方法と変えていくことに心配だという声 が出そうということはあるか。 【中村委員】 説明されれば大丈夫だと思う。知らない方が多いので、不安が多いのだと思う。 高田委員はたくさん実験もされていて、実際落ちるものがわかっているので、そ れをやっていくのがいいかなと思う。今、次亜塩素酸はノロウイルスとかインフ ルエンザとかに耐性があるため学校で使っているので、そういうことを説明し て理解を求めていくのがいいのかなと思う。今のままではどんな努力をしても できないことがわかっているので、ここは変えていかざるを得ないのかなとい う気がする。熱処理の効果は確かにあると思うが、現実的にはすごく作業が大変 で、本当にやっていただけるかということが、学校としても休みのときは調理員 の人数も少ないし、一人二人で大量の食器の熱処理を行うことは現実としてで きないと思う。危険もかなり伴うので、ならば毎日少しずつでも安全性を求めた
19 もので汚れを取っていくのがいいのかなという気がする。 【会長】 杉畠委員、現場の栄養士として何か意見はあるか。 【杉畠委員】 糖質は献立上 40~50%は摂らなくてはならない。でんぷんを含む食品は毎回 出るので、毎回蓄積していくことが不安である。洗剤を石けんと供用して使って いくということもあるかと思った。初めて使うものは不安なところもあるし、保 護者も知らないことで不安な部分があると思うので、その辺りを説明できると よいと思う。 【会長】 時間がきたので、今日の意見で今できることは確認をしたが、新たな方向性も 探っていかないといけないというところが見えてきた。その結果そうなるかど うかは別として、検討の必要があろうかと皆さん感じられたかと思う。 今日はこの辺りで会議を終了したい。事務局から何かあるか。 【事務局】 次回の協議会の開催は、2020 年1月下旬を予定している。 今日は高田委員から詳しい説明があった。できれば今日の資料にもう一度ご 覧いただき、次回のご意見をまとめていただく参考にしていただきたい。 【会長】 第6回給食問題協議会を閉会する。長時間ご苦労様でした。