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「英語学概論」の100年 : 何を教え、何を学んだか

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(1)

何 を教 え、何 を学 んだか

田辺

春美

1.は じ め に

戦 後 わが 国 の 文学 部英 文 科 に お い て は 、

英 語 学 概 論 」 や そ れ に類 す る 「

語 学 概 説 」 「英 語 学 入 門 」 な どの 名 称 で 、 英 語 学 の 諸 分 野 を概 観 し専 門的 な

英 語 学 研 究 の導 入 とな る科 目が お か れ て きた 。2001年の 田 島松 二 氏 に よ る 「

が 国 の英 語 学100年 一 回 顧 と展 望一 」 で は、 過 去100年 を 回顧 す る理 由 を、 夏

目漱 石 が イ ギ リス留 学 に 出発 した年 が1900年 で あ り、 こ の こ ろす で に幕 末 以

来行 わ れ て 来 た 実学 中心 の英 語 研 究 か らは一 線 を画 す る英 語 学 研 究 が お こ な

わ れ 、英 語 史 や英 語 音 声 学 が 出版 され て い た と した1(田 島2001:i)。

こ の

著 書 で 、 田 島氏 は1900年 か ら執 筆 時 まで の100年 間 にお い て、 英 語 学 の 諸 分

野 で どの よ うな研 究 が お こ な わ れ て きた の か 、先 人 の著 書 ・論 文 を紐 解 き英

語 学 研 究 の学 問 的 な発 達 と成 熟 を た どっ て い る 。 わが 国 の大 学 教 育 に お い て

英 語 学 概 論 」 で は どん な 事 が らが お しえ られ て きた の か は 、 そ の も とに な

る英 語 学 が 何 を扱 う学 問 と考 え る の か に お お い に よるが 、 当然 担 当教 員 の研

究上 の 立場 に よっ て そ の 内容 は微 妙 に異 な っ て い る。 田 島氏 の著 書 は あ くま

で英 語 学 研 究 が 対 象 とな っ て い る た め 、

大 学 の 授 業 科 目で あ る 「

英 語 学 概 論 」

に お い て どの よ うな事 が らが 教 え られ て きた の か に つ い て は こ の本 か ら知 る

こ とは で きな い 。

本 論 で は 、 わが 国 の英 文 科 に あ る 「

英 語 学 概 論 」 とい う科 目につ い て過 去

約100年 を駆 け足 で た ど り、 どの よ う な 内容 が と りあ げ られ て きた の か、 そ

の 内容 は どの よ うに変 化 した の か を調 査 し、英 語 学 研 究 とそ の基 礎 教 育 の あ

り方 に つ い て考 察 す る 。調 査 の方 法 は 、代 表 的 な大 学 と して東 京 大 学 文 学 部

1長 井 氏 最 「英 語 獲 達 史 』(1900) 、 岡 倉 由 三 郎 「発 音 学 講 話 』(1901)、 片 山 寛 他 「英 語 発 音 学 』(1902)、 岡 倉 由 三 郎 「英 語 発 音 学 大 綱 』(1906)参 照 。 田 島(2001: 12)に 詳 し い 。

(2)

の題 目一 覧 と 「

英 語 学 概 論 」 とそ れ に類 す る タ イ トル で 出版 さ れ て きた 図書

に 含 まれ る 内容 の 時系 列 的 な異 同 を文 献 学 的 に お こ な う もの で あ る。 東 京 大

学 文学 部 の講 義 題 目は 、『

東 京 大 學 文 學 部 学 生 便 覧 』 と 「

東 京 大 学 文 学 部 便 覧」

に掲 載 され て い るが 、

現 在 東 京 大 学 の 図 書 館 で 閲 覧 で き るの は昭 和10年(1935

年)か

らで あ る。2平 成20年 以 降29年 はす べ て の授 業 科 目一 覧 は便 覧 に は掲

載 され て い な いが 、教 員 免 許 状 取 得 必 修 科 目の リス トか ら 「

英 語 学 概 論 」 が

教 授 され て い た こ とは確 認 で きて い る 。現 在 、平 成30年 度 分 の み大 学 の ホ ー

ム ペ ー ジ で シ ラバ スが 公 開 され て い る 。

も う一 つ の調 査 方 法 は 、英 語 学 の基 本 を教 え る教 科 書 及 び参 考 書 が 取 り上

げ て い る 内容 を比 較 検 討 す る こ とで あ る。 最 も初 期 の 出版 物 で 「

英 語 学 概 論 」

に類 す る 名称 の書 籍 は 、1918年 に 出版 され た金 子 健 二 著 の 「

英 語 基 礎 學 」 で

あ る。 ま た、 市 河 三喜 著 の 「

英 語 學:研

究 と文 献 」(1936)や

大 塚 高 信 著 の

英 語 学 論 考 』(1949)に

も英 語 学 の基 礎 的 な記 述 が み られ る。 こ の時 代 か ら

現 代 まで 、 どの よ うな 出版 物 が 著 され た の だ ろ うか?ま た、 英 米 で は どの よ

うな 入 門書 が 出版 され た の か 、特 に わが 国 の英 語 学 界 に影 響 の あ っ た とお も

わ れ る 文献 を検 討 す る 。 こ の調 査 方 法 に つ い て 、大 学 の教 員 の 中 に は、 必 ず

し も教 科 書 を指 定 せ ず に独 自の講 義 を行 っ た り、英 語 学 の様 々 な分 野 の洋 書

を 講 読 しなが ら講 義 した りす る ケ ー ス も多 々 あ る の で 、 「

英 語 学 概 論 」 の 出

版 物 だ け を見 た の で は不 十分 で あ る と言 う意 見 もあ る だ ろ うが 、 客 観 的 な 資

料 と して英 語 学 の基 礎 を教 え る文 献 を考 察 す る こ とは意 味 が あ る と思 わ れ る。

本 調 査 を今 か ら過 去100年 と した の は、 昭 和 初 期 の 英 語 研 究 を 回顧 し た大 塚

高 信 氏 の 「わが 国 に於 け る英 語 学 研 究 」(1938年)が

、 市 河 三 喜 氏 が1912年

に 出版 した 「

英 文 法 研 究 」 を真 に科 学 的英 語 学 研 究 と し、 わが 国 の英 語 学 研

究 の礎 を こ の書 物 に お い て い る こ とに よる(田 島2001:9)。

2.

東 京 大学 文学 部 の講 義 題 目か ら見 る 「

英 語 学 概 論 」

東 京 大 学 文 学 部 の 講 義 題 目調 査 で は、 最 近 まで シ ラバ スが 公 開 され て い

昭和19-20年 、26-27年 、29-30年 度 の 「東 京 大 學 文 學 部 学 生 便 覧 』 44年 度 の 「東 京 大 学 文 学 部学 生 便 覧 』 は、 欠 本 の た め未 見 で あ る。 と34-37年 、

(3)

た わ け で は な い た め 講 義 の 内 容 ま で わ か ら な い 上 に 、 そ も そ も 東 京 大 学 文 学 部 一 校 だ け の 調 査 が 適 切 か ど う か は 疑 問 が あ る が 、 戦 前 か ら の 歴 史 が わ か る 大 学 の 例 と し て 考 慮 に 値 す る だ ろ う 。1877年 に 創 立 さ れ た わ が 国 最 古 の 大 学 で あ る 東 京 大 学 文 学 部 の 英 文 科 で は 、 外 国 人 教 師 が 英 米 文 学 英 語 学 研 究 の 基 礎 を 作 っ た 。 英 語 学 で は 、 比 較 言 語 学 や 文 献 学 的 英 語 学 に 詳 し いJohn Lawrence教 授(1850-1916、 在 任1906-1916)の 薫 陶 を う け た 教 え 子 達 が そ の 後 の 日本 の 英 語 学 の 研 究 ・教 育 を 発 展 させ た こ と こ と を 鑑 み て 、 講 義 題 目調 査 の 対 象 と す る 代 表 的 な 大 学 と して 東 京 大 学 を 選 ん だ 。Lawrenceの 特 訓 を 受 け て 、 頭 角 を あ ら わ し た 市 河 三 喜 氏 はLawrence急 死 の 後 を 継 い で1916年 に 助 教 授 と し て 就 任 し 、 そ の 後1937年 に 退 官 す る ま で30年 に 亘 っ て 教 育 研 究 に 大 き な 功 績 を 残 し た 。 昭 和10年(1935)か ら18年(1943)ま で の 講…義 題 目 調 査 か ら は 、 短 い 期 間 で あ る が 戦 前 の 教 育 を か い ま 見 る こ と が で き る 。 戦 前 は 英 語 学 、 イ ギ リ ス 文 学 、 ア メ リ カ 文 学 の 区 分 が 明 確 で は な く 、 イ ギ リ ス 文 学 を 中 心 と す る 文 学 と語 学 と 実 学 的 なCompositionの 授 業 と渾 然 一 体 と な っ て い た 。 昭 和10年(1935年)に 市 河 教 授 が 担 当 し た 科 目 は 、 「近 代 英 語 学 概 説 」 「英 語 学 演 習 」 「英 文 法 演 習 」 の3科 目 で あ っ た 。 そ の う ち 、 「英 語 学 演 習 」 は 、 括 弧 内 に 副 題 と し て 「Jespersen:EssentialsofEnglish Grammar」 と 付 記 さ れ て い た こ と か ら 、Jespersenの テ キ ス ト を 読 ん で い た こ とが わ か る 。 翌 年 の 昭 和11年(1936年)か ら順 に 講 義 科 目 の 題 目 を あ げ る と 、 「英 語 学 概 論(英 独 語 比 較 研 究)」、 「英 語 発 達 史 」、 「英 語 学 の 諸 問 題 」、 「英 語 史 概 説 」、 「近 代 英 語 学 概 説 」、 「英 語 の 背 景 」、 「口 語 英 文 法(Palmer: GrammarofSpokenEnglish)」 と続 く 。 昭 和11年(1936年)に 「英 語 学 概 論 」 が 講 義 さ れ て い た が 、 括 弧 内 に 副 題 と して 、 「英 独 語 比 較 研 究 」 と 書 か れ て い た よ う に 、 専 門 科 目へ の 入 門 と い う よ り は 英 語 文 献 学 的 な 内 容 や 英 文 法 に 関 し て 毎 年 テ ー マ を 変 え て 自 由 に 講 義 し て い た よ う に 思 わ れ る 。 第 二 次 世 界 大 戦 の 戦 況 が 厳 し くな る 中 、 昭 和19、20年(1944、45年)の 便 覧 は 欠 本 、 終 戦 直 後 の21年(1946年)は 専 修 科 目一 覧 の み で 題 目 は か か れ て い な か っ た が 、 英 語 学 英 米 文 学 専 修 の 専 門 科 目 と し て 、 「英 語 学 概 論 」 が あ げ ら れ て い た 。 昭 和22年(1947年)に 市 河 教 授 が 退 官 し た 後 任 と し て 中 島 文 雄 氏 が 着 任 し 、 「英 語 学 概 論 」 「近 代 英 語 の 成 立 」 「英 語 学 演 習 」 を講 義 し た 。 昭 和25年(1950 年)ご ろ ま で 、 中 島 氏 と戦 前 か ら市 河 教 授 と と も に 「英 詩 の 英 語 」 を 講義 し て い た 佐 々 木 達 講 師 と 、2名 体 制 で 英 語 学 の 教 授 に あ た っ た 。 佐 々 木 講 師 の

(4)

担 当 科 目 は 昭 和22年(1947年)「 英 語 の 諸 問 題 」 と 「英 語 学 演 習 」 で 、そ の 後 、 昭 和23年(1948年)よ り 中 島 氏 が 退 官 す る 昭 和39年(1964年)ま で 順 番 に 講 義 題 目 を 挙 げ る と 、 「近 代 英 語 の 音 韻 と 文 法 」 「英 語 学 演 習(中 英 語)」(中 島)、 「英 語 学 の 発 達 」 「英 語 学 演 習 」(佐 々 木)、「英 語 学 概 論 」 「英 語 の 発 達 」(中 島)、 「現 代 の 英 語 学 」 「英 語 学 演 習 」(佐 々 木)、「英 語 学 研 究 」 「初 期 近 代 英 語 講 読 」 (中 島)、 「英 語 学 講 読(E.M,フ ォ ス タ ー)」(佐 々 木)、 「英 語 学 概 論 」 「英 語 学 演 習Potter:OurLanguage」(中 島)、 「英 語 の 研 究 」(中 島)、 「英 語 学 演 習(Jespersen:GrowthandStructureoftheEnglishLanguage)」(宮 部 、 教 養 部)、 「英 語 学 概 論 」(中 島)、 「英 語 学 演 習Onions:AdvancedEnglish Syntax」(木 原)、 「英 語 学 概 論 」(中 島)、 「英 語 学 概 論 」(中 島)、 「英 語 学 演 習Wrenn:TheEnglishLanguage」(上 野)、「言 語 意 味 論 」 「英 語 学 概 論 」 「現 代 英 語 演 習 」(中 島)、「英 語 学 概 論 」 「現 代 英 語 演 習 」(中 島)で あ っ た 。 ま た 、 便 覧 の 講 義 題 目 に は 時 折 使 用 す る 洋 書 の タ イ トル が 添 え ら れ る こ と が あ り、 そ こ か らJespersen,Potter,Onions,Wrennな ど 当 時 わ が 国 に よ く紹 介 さ れ 、 研 究 さ れ た 文 献 を 講 読 し た こ とが わ か り興 味 深 い 。 中 島 文 雄 氏 は 、 昭 和 26年(1951年)出 版 の 英 語 ・英 米 文 學 講 座 「英 語 学 概 論 上 』 に 「英 語 学 概 論 」 を 執 筆 し て い る 。 の ち に 、 中 島 氏 はWrennのTheEngetshLαngzeαgelこ 注 釈 を つ け て 研 究 社 か ら 出 版 し た 。 東 京 大 学 文 学 部 の 講 義 題 目 と照 ら し合 わ せ る と 、 中 島 氏 は 戦 後 間 も な く 「英 語 学 概 論 」 と い う授 業 科 目 を 確 立 し た と言 え る だ ろ う 。 昭 和40年(1965年)に 退 官 し た 中 島 教 授 の 後 任 と し て 就 任 し た 長 谷 川 欣 佑 氏 は 、 変 形 生 成 文 法 理 論 の 黎 明 期 に い ち 早 く 日本 に こ の 理 論 を 紹 介 し た パ イ オ ニ ア で あ り、 そ の 後 も 指 導 的 な 立 場 で 統 語 論 研 究 を 牽 引 し た 。 東 京 大 学 文 学 部 の 授 業 で は 、 平 成7年(1995)の 退 官 ま で 一 貫 し て 「英 語 学 概 論 」 の 授 業 を 担 当 し続 け た 。 例 外 的 に 、 昭 和43、51年(1968,1976年)の よ う に 木 原 講 師 と下 村 助 教 授 が 担 当 し た 年 も あ っ た が 、 毎 年 「英 語 学 概 論 」 は 長 谷 川 氏 が 担 当 し、 昭 和47年(1972年)か ら は 副 題 と し て 「英 語 学 概 論 一 音 韻 史 ・英 語 史 一」 「英 語 学 概 論:音 韻 論 と英 語 史 」 と あ る よ う に 音 韻 論 と 英 語 史 を 取 り上 げ る 年 と 、 「英 語 学 概 論:英 語 生 成 文 法 概 説 」 を取 り上 げ る 年 と 交 互 に 繰 り 返 す と い う ス タ イ ル を と っ た 。 そ の 一 方 で 、 「英 語 学 演 習 」 で は 、Langacker,Chomsky,Klima,Grinder&Elgin,Ross,Akmajian, Culicover,Baker,Reinhart,Radford,Lasnik,McCawley,Horrockな ど の

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著 作 が教 材 と して あ げ られ た 。英 語 史 関係 の授 業 に つ い て は 、教 養 部 の寺 澤

芳 雄教 授 、 久保 内端 郎 教 授 、 山縣 宏 光 教 授 の ほ か 、都 立 大 学 教 授 の小 野 茂 教

授 と忍足 欣 四郎 教 授 が 長 く兼 任 講 師 ま た は非 常 勤 講 師 を務 め 、常 に 「

英 語 史

概 説 」

、 「

英 語 史研 究 」、 「

英 語 史 の諸 問題 」、 「中世 語 ・中世 文 学 序 説 」、 「中世

英 語 英 文学 概 説 」、 「中世 英 語 概 説 」 な どの題 目で授 業 が 行 わ れ た。 中 島教 授

時代 に は専 任 教 員 も兼 担 教 員 ・非 常 勤 教 員 も現 代 英 文 法 を講 じた り、英 語 史

を講 じた り して い たが 、長 谷 川 教 授 時代 に専 任 教 員 が 英 文 法 と して生 成 文 法

を 、外 部講 師が 英 語 史 を担 当す る とい う分 担 形 式 が 定 着 した。

長 谷 川 教 授 退官 後 、平 成8年(1996年)に

今 西 典 子 氏 が 着 任 し、2年 後 の平

成10年(1998年)に

渡邉 明氏 も就 任 し、英 語 英 米 文 学 専 修 課 程 は英 語 学 の教

員 が 二 名 の体 制 とな っ た 。今 西 氏 着 任 の こ ろ 、 セ メ ス タ ー制 の導 入 に よ り夏

学 期 また は冬 学 期 の み の授 業 が 多 くな り、講 義 の種 類 が 増 大 し複 雑 に な っ た。

今 西 教 授 が 平 成28年 度 末 に退 官 し、現 在 は 渡邉 教 授 の一 名 の みが 英 語 学 を担

当 して い る 。平 成21年 度 よ り学 生 便 覧 にす べ て の講 義 題 目 と担 当者 が 記 載 さ

れ な くな っ た た め 、教 員 免 許 状 取 得 必 修 科 目の リス トに掲 載 され て い る一 部

の 講 義 題 目 しか調 査 で き な くな っ た が 、 この 体 制 の 元 で 、 「

英 語 学 概 論 」 と

英 語 学 入 門 」 の2種 類 の 入 門 授 業 が 置 か れ 、 今 西 氏 と渡 邉 氏 の ど ち らかが

毎 年 担 当 して きた こ とは確 認 で きた 。平 成8年(1996年)に

今 西 氏 が 担 当 し

た 「

英 語 学 概 論 」 は 、副 題 と して 「

言 語 構 造 と生 成 文 法 入 門」 と付 記 され て

い る。 平 成30年 度 分 に限 り、 東 京 大 学 のHP上

に掲 載 され て い る シ ラバ ス で

詳 細 な 内容 を しる こ とが で き る。3それ に よる と、 渡 邉 教 授 担 当 の 「英 語 学

概 論1」 は生 成 文 法 入 門 、 「

英 語 学 概 論II」 は 音 声 学 ・音 韻 論 、 形 態 論 、 英 語

史 とつ づ り字 、 語構1造、 音 節 、 強 勢 、 韻 律 な どで あ る。 平 成8年(1996年)

以 降 、 他 の 英 語 学 の専 門科 目は 、 「

英 文 法 論 」 「

英 文 法 研 究 」 「

生 成 文 法 理 論

研 究:論 証 の 方 法 」 「

生 成 文 法 理 論 研 究:統 語 論 研 究 」 な ど を専 任 教 員 が 担

当 し、 さ ら に外 部 の 講 師 に よ っ て 「形 態 論 ・レ キ シ コ ン」 「

意 味論 研 究 」 な

2018年 度 「英 語 学 概 論1」 の シ ラ バ ス は 、http://catalog。he.u-tokyo.ac.jp/ug-de tail?code=04183001&year=2018&x=31&y=15を 、 「英 語 学 概 論II」 の シ ラ バ ス は http://catalo9.he.u-tokyo.ac.jp/ug-detail?code=04183002&year=2018&x=30 &y=15を 参 照 。

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ど統 語 論 以外 の分 野 の授 業 も毎 年 で は な いが で きる だ け積 極 的 に 開講 さ れ て

い る 。英 語 史 の授 業 に つ い て も、 「

英 語 史 概 説 」 「

英 語 史研 究 」 な どの題 目で

教 養学 部 の寺 澤 盾 教 授 、小 川 浩 教 授 、非 常 勤 講 師 と して児 馬 修 立 正 大 学 教 授 、

宮 下 治 政鶴 見 大 学 准 教 授 らが 担 当 して きた。 年 を追 うご とに、 文 献 学 的 な英

語 史 とい う よ りは 、理 論 言 語 学 的 な 立 場 の 教 員 が 担 当 す る傾 向が み られ る。

た だ し、講 義 題 目か らは英 語 史 の授 業 が な い年 も散 見 さ れ た。 今 西 氏 の時 代

は 、理 論 言 語 学 が さ らに充 実 した とい え よ う。

東 京 大 学 文学 部 の場 合 、長 谷 川 欣 佑 氏 が 就 任 して以 来 、 英 語 学 研 究 のパ ラ

ダ イ ム は伝 統 文法 ・構造 主 義 的記 述 文 法 か ら生 成 文 法 理 論 に基 づ く統 語 論 の

追 究 に完 全 に シ フ ト し、 当然 の こ とな が ら学 部 の英 語 学 の講i義題 目 リ ス ト

に も、 「

英 語 学 概 論 」 の 内 容 に もそ の こ とが 色 濃 く反 映 して 来 た とい え よ う。

た だ し、

東 京 大 学 の 特 殊 性 に も注 意 を向 け る必 要 が あ る。 カ リキ ュ ラム 上 、3、

4年 次 か ら専 門科 目が 始 ま る た め専 門教 育 へ の導 入 に時 間 を か け る こ とが で

きな い不 利 な 点 と、言 語 学 専 修 課 程 もあ る の で理 論 的 な英 文 法 研 究 以 外 の多

様 な言 語 学 関係 の科 目を履 修 す る こ とが で きる とい う有 利 な点 が あ る。

3教

科 書 ・参 考 書 か ら見 る 「

英 語 学 概 論 」

3.11960年

代 以 前 に 国 内 で 出版 され た 「

英 語 学 概 論 」

次 に、 「

英 語 学 概 論 」 の あ り方 につ い て 、教 科 書 や 参 考 書 な どの 出 版 物 か

ら考 察 した い 。最 も早 い文 献 で英 語 学 概 論 を示 唆 す る タ イ トルが 付 け られ て

い る の は 、1918年 に 出版 され た金 子 健 二 著 の 「

英 語 基 礎 學 」 で あ る。 しか し、

この本 は 「

古 代 及 び 中世 英 語 研 究 」 とい う副 題 が つ い て い る よ うに、 実 質 的

に は英 語 史 の書 物 で あ っ た 。20世 紀 前 半 ま で 、英 語 学 と英 語 史 は 区 別 しが た

い と ころが あ っ た の で 、無 理 か らぬ こ とで あ っ た。 金 子 氏 は こ の後 こ の本 に

さ らに加 筆 して 、1932年 に700頁 を こ え る大 著 「

英 語 獲 達 史 』 を著 した 。

昭 和10年 、20年 代 の 概 論 書 と言 え る著 作 を2点 紹 介 し た い 。1冊

は 市 河

三喜 氏 の 「

英 語 學:研 究 と文 献 」(1936)で

あ る。 この 本 は、 辞 書 類 、 方 言 、

音 声 学 、 音 韻 論 及 び 英 語 発 達 史、 文 法 な どの 章 に 分 か れ て お り、 そ れ ぞ れ

海 外 の 文 献 を解 説 して い るの で、 現 代 の 概 論 よ りは 難 易 度 が 高 い よ う に思

わ れ るが 、 市 河 氏 は本 書 を 「「

英 語 學 」 へ の序 説 とか 入 門 とか い う よ う な も

の 」(p.iii)と 述 べ て い る。2冊

目の大 塚 高 信 氏 の 「

英 語 学 論 考」(1949)所

(7)

収 の 「III英語 學 の 獲 達 」(pp.182-277)も 、 も と は 昭 和10年(1935年)に 『英 語 青 年 」 に 連 載 し た 英 語 学 研 究 の 歴 史 を 海 外 の 研 究 を 紹 介 す る 論 考 で あ り、 取 り上 げ ら れ て い る 項 目が 、 英 語 史 、 現 代 英 語 、 文 語 の 歴 史 、 単 語 の 研 究 、 外 来 語 の 影 響 、 英 本 国 以 外 の 英 語 、 英 語 音 声 学 、 形 態 論 、 語 形 成 、Syntax、 Stilistiki、 言 語 と 文 化 な ど 、 現 代 の 目か ら見 て も英 語 学 分 野 を 適 切 に 傭 鰍 し て い る 。 戦 後 し ば ら く し て や っ と タ イ トル に 「英 語 学 概 論 」 と 名 付 け ら れ た 書 物 が 現 れ る 。 そ れ が 前 述 し た 河 出 書 房 か ら 出 版 さ れ た 「英 語 ・英 米 文 學 講 座 」 シ リ ー ズ の1巻 「英 語 學 概 論 上 」(1951)で あ る 。 中 島 氏 は 巻 頭 の 「英 語 學 概 論 」(pp.5-67)と い う 章 。を 担 当 し た 。 そ の 内 容 は 、 英 語 学 の 仕 事 、 英 語 と 印 欧 語 族 、 英 語 と 文 化 史 、 語 彙 、 発 音 と綴 字 、 音 法 則 、 類 推 作 用 、 文 法 で あ っ た 。 ち ょ う ど こ の こ ろ 、 オ ッ ク ス フ ォ ー ド大 学 のG.L.Wrennに よ るTheEnglishLαnguαge(1949)が 出 版 さ れ 、中 島 氏 は こ れ に 注 釈 を つ け て 、 1954年 に 研 究 社 よ り 出 版 し た 。 内 容 は 、 中 島 氏 自 身 の 「英 語 学 概 論 」 と良 く 似 て い る が 、 相 違 点 は 「文 法 」 の セ ク シ ョ ンが 「語 形 、 語 形 成 及 び 配 列 」 と い う 名 称 で あ る こ と と 、 「近 代 英 語 の 作 家 」 や 「今 日 の 英 語 」 と い う 章 も あ っ た こ と だ 。 こ の 注 釈 本 は 教 科 書 と し て 長 く活 用 さ れ 、1980年 に 翻 訳 も で た 。 中 島 氏 の 「英 語 學 概 論 上 」 に 続 い て 、 小 林 智 賀 平 著 の 「英 語 学 概 論 』(1957) も 出 版 さ れ た 。 英 語 音 声 学 と英 語 音 韻 論 、 英 語 意 味 論 、 英 語 音 変 化 、 英 語 意 味 変 化 、 語 原 と外 来 語 、 文 法 論 、 文 体 論 、 英 語 発 達 史 通 観 、 現 代 英 語 学 展 望 と 詳 細 に 章 を 分 け 、 全 部 で400頁 を 超 え る 分 量 と な っ て い る 。 本 文 中 、 英 語 史 外 観 と 文 体 論 だ け で200頁 近 く と か な り多 くの 頁 数 が さ か れ て い る 。 1960年 か ら80年 代 ご ろ ま で の 時 期 の 特 徴 は 、 教 科 書 ・参 考 書 と し て の 「英 語 学 概 論 」 よ り は 、 む し ろ 注 付 き のWrennのTheEnglishLαnguαgeの よ う な 、 注 釈 付 き の 洋 書 や 翻 訳 本 が つ ぎ つ ぎ に 出 版 さ れ た こ と に あ る 。 例 え ば 、1966年 にSimeonPotterのOze7・Lαngzeαgeの 翻 訳 が 、1970年 にAlbert H.Marcwardtのlnt7・odzectiontotheEnglishLαngzeαgeの 翻 訳 、1972年J.H, 4 ドイ ツ 語 で 文 体 論(Stylistics)の こ と 。 当 時 の 学 問 は ドイ ツ か ら 学 ぶ こ と が 多 く、 英 語 学 も 例 外 で は な か っ た 。 本書 に先 立 ち 、 中 島氏 に よ る同 名 の 著 書 が1948年 に東 大 協 同 組 合 教 材 部 よ り印刷 され たが 内容 は異 な る 。

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Friendの1?zt7・od2LctiontoIlnglishLing2ListZosの 翻 訳 、1981年 にMadelonE. HeatherintonのHozo'EnglishVVo?・ksの 注 釈 書(原 著1980年 出 版)、1984年A. E.DarbyshireのADesc7・iptionofE「nglishの 翻 訳 が 出 版 さ れ た が 、 お も し ろ い こ と に こ れ ら の 本 の 日本 語 の タ イ トル は す べ て 「英 語 学 概 論 」 や 「英 語 学 入 門 」 で あ っ た 。 明 治 こ の か た 、 欧 米 の 書 物 を 読 み 解 き 、 紹 介 す る と言 う ス タ ン ス が メ イ ン ス ト リ ー ム で つ づ い て お り 、 教 員 は 読 み や す く語 学 的 な 勉 強 に も な る こ れ ら の 洋 書 そ の も の を 教 科 書 に 使 っ て 講 義 し た り、 学 生 も翻 訳 本 を参 考 書 と し て 利 用 し た り し な が ら 、 英 語 学 の 入 門 的 な 知 識 を 蓄 積 し た 時 代 だ っ た と い え よ う 。 こ の 頃 も 、 そ の 内 容 は し ば し ば 英 語 の 発 達 に 関 す る 知 識 と か な り重 複 し て い た 。 80年 以 降 に な っ て も、 洋 書 の 翻 訳 は 引 き 続 き 行 わ れ た が(グ ラ ム リ ー 1984;フ ロ ム キ ン ・ロ ッ ドマ ン1980、1983、1997;オ ハ イ オ 州 立 大 学 言 語 学 科1999参 照)、 言 語 学 の 発 達 が 目 覚 ま し く な り、 そ れ を 反 映 し た 日 本 人 に よ る 書 き下 ろ し の 英 語 学 概 論 の 出 版 が 増 え て く る 。1981年 荒 木 一 雄 編 著 『コ ンパ ク ト英 語 学 概 論 」、1987年 安 井 稔 著 『英 語 学 概 論 」、1987年 石 黒 昭 博 他 著 「現 代 英 語 学 要 説 』、1991年 安 藤 貞 雄 、 小 野 捷 共 著 「英 語 学 概 論 』、1995年 稲 木 昭 子 他 著 「え い ご ・エ イ ゴ ・英 語 学 』、1997年 八 木 克 正,吉 田 和 男,梅 咲 敦 子 共 著 「英 語 学 概 論 」、1997年 西 光 義 弘 他 編 「日 英 語 対 照 に よ る 英 語 学 概 論 」 と枚 挙 に 暇 が な い 。 こ の 時 期 の 概 論 書 は 、 概 ね 英 語 の 史 的 発 達 、 音 声 、 形 態 、 統 語 、 意 味 、 語 用 論 な ど英 語 学 の 各 分 野 を 万 遍 な く取 り上 げ て い る 。 石 黒 他 (1987)は 広 範 な テ ー マ を 偏 り な く概 観 す る 概 論 書 を 編 集 し た 。 西 光 他(1997) は 日本 人 母 語 話 者 を 対 象 と し 日英 対 照 と い う観 点 を 初 め て 取 り入 れ て 、 諸 分 野 を 詳 し く解 説 し て い る 。 ア メ リ カ で 出 版 さ れ たFromkin&Rodmanの 言 語 学 入 門 書 や オ ハ イ オ 州 立 大 学 言 語 学 科 編 のLαnguαgeNlesな どが モ デ ル に な っ て い る と思 わ れ る(両 書 に つ い て は セ ク シ ョ ン3.2を 参 照)。 安 井(1987) で は 情 報 構 造 の 章 を 、 石 黒 他(1987)で は 英 米 文 学 や 文 体 論 、 日英 対 照 研 究 の 章 も取 り上 げ て い る 。 安 藤 ・小 野(199!)は 半 分 の 分 量 が 英 語 史 で し め ら れ て い る が 、 意 味 論 は あ つ か っ て い な い 。 八 木 他(1997)も 意 味 論 の 章 を 設 け て い な い が 文 法 に 詳 し く辞 書 や 語 法 の 章 が あ る な ど、 そ れ ぞ れ 特 徴 が あ る 。 統 語 論 の 扱 い 方 に つ い て は 、 言 語 学 史 の 流 れ に そ っ て 、 伝 統 文 法 ・構 造 主 義 言 語 学 の 考 え 方 に 続 き 、 変 形 生 成 文 法 の 枠 組 み を 紹 介 し て い く タ イ プ(安 井 (1987)、 石 黒 他(1987)(1993)、 八 木 他(1997))と 伝 統 文 法 ・構i造 主 義 に

(9)

は 全 く触 れ な い タイ プが あ り、1995年 中 島 平 三 「

フ ァ ン ダ メ ン タ ル英 語 学 』

は 後 者 の 例 で 、 統 語 論(生 成 文 法)、 形 態 論 、音 韻 論 、 意 味 論 の み で 構戒 さ

れ て い る 。

2000年 以 降 は 、英 語 学 の守 備 範 囲 も広 が ります ます 学 問分 野 の細 分 化 が す

す み 、 か つ 隣接 す る周 辺 分 野 へ と研 究 の裾 野 が 広 が っ た。 英 語 学 だ け で な く、

英 米 文学 分 野 で も文学 の単 な る背 景 知 識 と して で は な く、英 米 や世 界 の英 語

圏 に お け る歴 史 や文 化 もい ま まで以 上 に重 要 な研 究 対 象 とな っ た。 ま た、 若

年 人 口 の減 少 とい う問題 とあ い ま っ て 、 わが 国 の大 学 の英 文 科 を め ぐる状 況

も激 変 し改 組 や再 編 を余 儀 な く され た 。 そ の結 果 、英 文 科 の デ ィシ プ リ ン の

中 に コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンや 文化 研 究 が 広 く取 り入 れ られ た こ とに よ り、 英 語

学 の基 礎 知 識 とは何 か とい う基 本 的 な共 通 理 解 も以 前 の よ うな一 枚 岩 で は な

くな り多様 化 して きた と言 わ ざ る を得 な い 。2000年 以 降 に 出版 され た概 論 書

の顕 著 な特 徴 は 、過 去 の改 訂 版 が 多 い こ とで あ る 。例 え ば 、2002年 の 「

新 え

い ご ・エ イ ゴ ・英 語 学 」 は稲 木 他(1995)の 改 訂 版 で あ り、2007年 の八 木 克 正

他 「

新 英 語学 概 論 」 は1991年 の大 幅 な改 訂 版 、2015年 龍 城 正 明編 著 「

英 語 学

の パ ー ス ペ クテ ィヴ」 は石 黒 他(1987)の

改 訂 版 、2013年 三 原 健 一 他 「日英

対 照 英 語学 の基 礎 」 は西 光 編 『日英 対 照 言 語 学 概 論 』 か ら言 語 学 の コ ア の テ

ー マ の み を抜 粋 編 集 した もの で あ る 。改訂 の方針 としては、1)語 用論、2)

英 語 の 多様 な 変種 、3)認

知 意 味 論 の導 入 、3)英

語 史 の簡 素 化 な どの傾 向

が み られ る 。1)の

語 用論 は早 くは 「

情 報 構 造 」 と して安 井(1987)で も取 り

上 げ られ て い た が 、 安藤(1991)、 西 光他(1997)、 安 藤(2001)、 稲 木他(2002)、

長 谷 川 他(2006)な どほ とん どの本 で語 用 論 の章 と して扱 うよ うに な っ た。 と

くに 、最 も直 近 に 出版 され た井 上 逸兵 「

グ ロ ーバ ル コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の た

め の 英 語 学 概 論 」(2015)で

は 、 ダ イ ク シ ス、 会 話 の 原 則 、 ポ ラ イ トネ ス な

どの 語 用論 の トピ ッ ク、 談話 分 析 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン論 、社 会 言 語 学 な ど

の 内容 に 力 を い れ て い る 。 同年 に 出版 され た平 賀 正 子 「

ベ ー シ ック新 しい英

語 学 概 論 」(2015)は

コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の分 野 か らみ た 英 語 学 入 門 と い う

か わ っ た視 点 を もっ て お り、語 用 論 とコ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン論 に詳 し く従 来英

語学 の 基本 と され た発 音 、形 態 、 文法 研 究 に つ い て の言 及 は圧 縮 され て い る。

3.21970年

代 以 降英 米 で 出版 され た言 語 学 ・英 語 学 概 論 書 か らの影 響

前 セ ク シ ョ ン か らわ が 国 にお け る 概 説 書 の 出版 状 況 が わ か っ た が 、 英 米

(10)

で は ど の よ う な 概 説 書 が 出 版 さ れ た の か に つ い て 以 下 に 検 討 す る 。70年 代 以 降 、 ア メ リ カ で 出 版 さ れ た 言 語 学 の 入 門 書 と し て 版 を 重 ね て い る 教 科 書 と し て 、 カ リ フ ォ ル ニ ア 大 学 ロ サ ン ゼ ル ス 校 のFromkin&RodmanのAn Int7nod?tctiontoLαngzeαge(F&Rと 省 略)と オ ハ イ オ 州 立 大 学 言 語 学 科 編 の LαnguαgeFiles(LFと 省 略)が あ る 。 ど ち ら も ロ ン グ セ ラ ー で 、F&Rは 1974年 の 初 版 以 来11版 が2017年 に 、LFは 初 版 が1979年(未 見)で12版 が 2016年 に 出 版 さ れ た 。 こ れ ら2つ の シ リ ー ズ と も大 部 で あ る に も 関 わ らず 日 本 語 訳6が 何 度 も 出 版 さ れ て い る こ と を 見 て も、20世 紀 後 半 に お い て ア メ リ カ の 言 語 学 が 日本 の 英 語 学 研 究 に 強 い 影 響 を 与 え た こ とが わ か る 。 両 シ リ ー ズ を 比 較 し て み よ う 。F&Rが 多 く の 協 力 者 を 得 な が ら版 を 重 ね つ つ も 主 た る 執 筆 者 は 、VictoriaFromkin(6版 ま で)、RobertRodman とNinaHyams(7版 か ら)に 限 ら れ て い る の に 対 し、LFの 方 は 毎 回 こ と な る 編 集 者 が 担 当 して き た 。 ま た 、 章 の 構 成 に 関 し て 、F&Rは 全 体 の 分 量 が 極 端 に 増 え な い よ う に しつ つ 章 の 増 減 や 順 番 の 入 れ 替 え を 行 っ て き た が 、 LFは 基 本 的 な 章 立 て は 前 版 を 踏 襲 し な が ら 、 初 期 の こ ろ の 練 習 問 題 集 と い う 性 格 を5版 か ら練 習 問 題 付 き概 説 書 に 変 更 し 、12版 で は 総 頁 数 が750頁 も あ る 電 話 帳 の よ う な 書 物 に な っ て い る 。 こ れ ら の 入 門 書 は 、80年 代 か ら現 在 に い た る ま で の 言 語 学 の 変 遷 を 教 育 場 面 に お い て 反 映 し て い る 点 で 、 な か な か 興 味 深 い 。 一 言 で い う と 、F&RとLFの 過 去35年 の 変 化 は 、 言 語 習 得 と脳 科 学 の 記 述 が 増 大 し た こ と と 英 語 史 が 姿 を 消 し た こ とで あ る 。F&Rは 初 版 か ら続 け た 編 集 方 針 が6版 か ら大 き く変 わ り 、 脳 科 学 を 最 重 要 視 す る よ う に な っ た 。 初 版 で は12章 のTheGrayMatterofLanguage:LanguageandtheBrain(言 語 習 得 、 脳 科 学)は1つ の 章 で あ っ た が 、 じ き に 分 割 さ れ て 内 容 が 拡 充 さ れ 6F&Rの 訳 書 は3種 類 あ る。梅 田 巌 他 訳 「言 語 と は何 か:現 代 英 語 学 へ の 招 待 』(原 著2版 の 訳 、 あ ぼ ろ ん社 、1980;1983)、 「言 語 学 の 視 界 』(原 著3版 の 訳 、 あ ぼ ろ ん社 、1997)と 緒 方 孝 文 、円 谷公 美 恵訳 「フ ロ ム キ ンの言 語 学 』(原 著7版 の訳 、 トム ソ ンラ ー ニ ン グ、2006)。 LFの 訳 書 は、覧 壽 雄 、西 光 義 弘 、嶋 村 誠 編 訳 『ラ ンゲ ー ジ ・フ ァ イル:英 語 学 概 論 』 (オハ イ オ州 立 大学 言 語 学 科 編 、 原書1979、1987年 の抄 訳 、 研 究 社 出版 、1999)。

(11)

た 。 逆 に 、8章TheSyllablesofTime:LanguageChange(英 語 史)と9 章TheTowerofBabel:LanguageoftheWorld(比 較 言 語 学)は 別 々 の 章 で あ っ た が 、 一 つ の 章 に 統 合 さ れ た 。 初 版 で は こ れ ら と は 別 に2章 に 言 語 の 起 源 を 扱 う 章 ま で あ り 、 史 的 研 究 が 重 要 視 さ れ て い た 。 同 様 に 、LFで も5 版(1991年)ま で は 歴 史 言 語 学 と 英 語 史 は 別 の 章 で あ っ た が 、6版(1996 年)以 降 歴 史 言 語 学 の 章 に 英 語 史 年 表 や 英 語 の 音 韻 変 化 な ど の フ ァ イ ル7が 組 み 込 ま れ 、10版(2007年)以 降 英 語 史 に 関 す る フ ァ イ ル を 退 け 、 一 般 的 な LanguageChangeを 扱 う 章 の み と し た 。 新 言 語 学 は 普 遍 文 法 も と め る こ と を最 重 要 の 目標 と し 、1970年 代 、80年 代 は 、 ま ず 個 別 言 語 と し て は 英 語 か ら 分 析 を す す め て い く と い う方 針 が 共 通 認 識 と し て あ り 、 言 語 学 と英 語 学 の 区 別 な く研 究 が お こ な わ れ て い た 。 そ の よ う な 言 語 学 と英 語 学 の 区 別 を あ え て 明 確 に し な い 状 況 が 、F&R初 版(1974)やLFの2版(1982)の よ う な 初 期 の 版 に お い て 英 語 史 と い う 章 が 設 け ら れ て い た こ と に 反 映 さ れ て い た と い え る 。 そ の 他 のF&Rの 特 徴 と し て は 、5版(1993)か ら 音 声 学 ・音 韻 論 の 章 が 序 論 の 次 の2、3章 の 位 置 か ら形 態 論 、 統 語 論 の 次 に 下 が っ た こ とが 挙 げ ら れ る 。 語 用 論 は 初 版 で は 触 れ ら れ て い な か っ た が 、 そ の 後3版(1983)で SpeechActsが と り あ げ ら れ 、 少 しず つ 内 容 を 増 や し て い る も の の 独 立 し た 章 に は い ま だ な っ て い な い 。 そ れ に 対 し て 、LFは 音 声 学 ・音 韻 論 、 形 態 論 、 統 語 論 と い う小 さ い 単 位 か ら大 き な 単 位 へ とす す む 従 来 型 の 章 立 て を 堅 持 し 、 語 用 論 に つ い て も3版(1985)か ら独 立 し た 章 と し て 取 り上 げ て い る 。 た だ し 、Variationな ど の 言 語 使 用 の 領 域 は 充 実 し て い る と は 言 い が た い 。 ま た 、 著 者 の 一 人 で あ るRodman氏 の 専 門 が コ ン ピ ュ ー タ 言 語 学 で あ る こ と か ら か 、F&Rは 初 版 か ら コ ン ピ ュ ー タ に よ る 自 然 言 語 処 理 が 独 立 し た 章 の 一 つ に な っ て い る 。 次 に イ ギ リ ス の 出 版 物 に つ い て も 簡 単 に 触 れ て お き た い 。 近 年 言 語 学 の 各 分 野 に 関 し て 、 ハ ン ド ブ ッ ク の 出 版 が 活 発 で あ る 。 そ の な か で 、2006年 にBasAartsとAprilMcMahon編 の800頁 に の ぼ る 大 著 、TheHαndbook(∼ ア LFで は、 各 章 は短 い単 元 か ら成 り立 っ て お り、 一 つ 一 つ の 単 元 は フ ァ イル と呼 ば れ て い る 。

(12)

IlngLishLi7zgzeZsticsが 出 版 さ れ た 。 各 項 目 ご と に 分 か れ 総 勢41人 の 執 筆 者 が 各 自得 意 とす る 項 目 を 執 筆 し て い る 。 ま ず 「方 法 論 」 の パ ー トに お い て コ ー パ ス 言 語 学 や 英 文 法 の 記 述 、デ ー タ収 集 法 に つ い て の べ 、「統 語 論 」、「音 声 学 ・ 音 韻 論 」、 「語 彙 ・形 態 論 」、 「変 異 ・談 話 ・文 体 ・語 法 」 の パ ー トに 大 き く分 け て 詳 述 し て い る 。F&RやLFと 異 な っ て い る の は 、 あ く ま で 現 代 英 文 法 の 記 述 が 中 心 と な っ て い る こ と で あ る 。 言 語 心 理 学 や 言 語 習 得 、 認 知 意 味 論 へ の 言 及 が な い 点 も異 な っ て い る 。 ま た 、 通 史 と し て の 英 語 史 も な く、 統 語 構 造 の 変 化 と い う 章 が あ る の み で あ る 。2冊 目 と し て 、 ラ ン カ ス タ ー 大 学 の JonathanCulpeper他 編E?zg屍sんLingzeistios,1)esoriptZon,Variαt20?zα?zd Context(2009)も 参 考 に な る だ ろ う 。 構 造(語 用 論 、 テ ク ス ト言 語 学 も入 る)、 英 語 史 、 地 域 ・社 会 変 異 、 書 き 言 葉(新 聞 、 広 告 、 文 学 作 品 、 テ ク ノ ロ ジ ー な どの 分 野)、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と の 相 互 関 連 、 教 育 の パ ー トに 大 き く分 か れ 、700頁 を 超 え る 大 著 で あ る 。 教 育 の パ ー トに 言 語 習 得 関 係 の 章 が あ る が 、 脳 科 学 に は 触 れ ず 、 ご く簡 単 な 総 論 に し か 過 ぎ な い 。 特 に 、 書 き 言 葉 の パ ー ト(EnglishWriting:Style,GenreandPractice)に 見 ら れ る よ う に 、 実 際 の 言 語 使 用 の 分 析 と い う伝 統 的 な 英 語 学 の 立 場 を 大 事 に し て い る こ と が わ か る 。 こ れ ら の 点 が ア メ リ カ の 言 語 学 概 論 書 と は 異 な っ て い る の で あ る 。 ま た 。 本 書 は2018年 に2版 が 出 版 さ れ て 、 い くつ か の 章 の 入 れ 替 え が あ っ た 。 そ の 中 で 注 意 を 引 く の は 最 後 にEnglishInvestigatingと い う パ ー ト を新 た に 設 け 、 コ ー パ ス 英 語 学 と英 語 学 研 究 方 法 に つ い て 述 べ て い る こ と で あ ろ う 。

4ま

と め

東 京 大 学 文学 部 の便 覧 に よる調 査 か らは 、 中 島文 雄 氏 が 実 質 的 に戦 後 は じ

め た 「

英 語 学 概 論 」の 授 業 が 原 型 と な り、

現 在 ま で続 い て い る こ とが わ か っ た。

しか し、 そ の 内容 は 、 中 島氏 の概 論 が 歴 史主 義 的 な立 場 と科 学 的文 法 論 に立

脚 して い た の に対 して 、後 任 の長 谷 川 欣 佑 氏 の概 論 は1965年 代 以 降革 新 的 な

変 形 生 成 文法 を 中心 とす る英 文 法 論 や音 韻 論 に か わ っ た。 さ らに そ の後 任 の

今 西 典 子 氏 、 渡邉 明氏 に お い て もそ の方 向性 は強 ま り、研 究 と概 論 が 直 結 し

て い る 。東 京 大 学 で は20世 紀 の言 語 学 の変 化 を簡 単 に乗 り越 え た とい え る。

英 語 学 の 入 門 を教 え る教 科 書 や参 考 書 の変 遷 を み る と、 こ とは そ ん な に簡

(13)

単 な 道 の りで は な い 。50年 代 か ら80年 代 ま で 、伝 統 的 な ア プ ロ ー チ で英 語 学

の基 本 的 な イ ンベ ン トリーが 教 え られ た 。1951年 に 中 島氏 の 「

英 語 学 概 論 上 』

に掲 載 され た 「

英 語 学 概 論 」 以 降 、現 代 英 語 を概 観 す る洋 書 に 日本 人 の英 語

学 研 究者 が 注 を つ け た教 科 書 や翻 訳 書 が 出版 され 、80年 代 頃 ま で長 く利 用 さ

れ た 。 そ の 後 、 日本 人研 究 者 自身 に よる概 論 書 が 頻 繁 に 出版 され る よ うに な

っ た が 、変 形 生 成 文法 の導 入 に は紆 余 曲折 が あ っ た よ うだ。 例 え ば 、1984年

の ダ ー ビー シ ャー は 、伝 統 的 な章 立 て の後 、最 後 に章 とい うス テ ー タ ス もな

し に、 「

変 形 生 成 文 法 」 の 記 述 を設 け て い る 。 ま るで 、 ど う扱 え ば 良 い の か

困 っ た か の よ うだ 。1980年 代 、90年 代 で も、 石黒 他(1987)や 安 藤(1991)の よ

う に、 伝 統 文 法 、 構 造 主 義 言 語 学 の 流 れ を まず 説 明 し、 そ こか ら変 形 生 成

文 法 の 基 本 的 な 考 え方 を 解 説 す る 、 と い う方 法 も見 ら れ た 。構 造 主 義 言 語

学 のIC分 析 か ら ス タ ー ト した 方 が 、 句 構 造 規 則 の 概 念 に繋 げや す い 。 そ の

後 、 文 法 の 記 述 に 関 して は生 成 文 法 の立 場 で記 述 す る こ とが 一 般 的 に な っ て

い った 。F&RやLFだ

けで な く、最 近 イギ リ ス で 出 版 され た総 括 的 な概 説 書

と して 、Culpeperetal.(2009)とAartsandMcMahon(2006)(2018)を

げ た が 、 どち ら も英 文 法 の文 構 造 の解 説 に は生 成 文 法 理 論 は もは や前 提 と し

て 含 まれ て い る 。20世 紀 の言 語 学 の成 果 と して 、生 成 文 法 に よ る英 文 の分 析

は今 後 も重 要 とな る だ ろ う。 そ の一 方 で 、太 田朗 氏 は変 形 生 成 文 法 が ま さに

活 発 化 して きた1969年 に、 「

変 形 文 法 は、 伝 統 文 法 が と りあ げ て い た よ う な

課 題 を と りあ げ構造 言 語 学 が もつ よ うな厳 密 な方 法 で こ れ を解 決 す る可 能 性

を 開拓 した と感 ぜ られ た 点 に 、

そ の 発 展 の 要 因が あ る と思 う。(中 略)印 象 的、

主観 的 な 内省 に終 始 して 、 人 を納 得 させ る よ うな検 証 を怠 っ た時 、厳 密 な定

式 化 、記 号 化 の み に注 意 を奪 わ れ て 、定 式 化 され る事 が らは従 来 か ら分 か り

切 っ た こ とで な ん らの新 鮮 味 もな い 時 は 、変 形 文 法 に対 す る興 味 が 薄 れ る時

で あ る。」(太 田1969:240-41)と

述 べ て い た こ と を振 り返 る と、60年 後

の今 どの よ うに評 価 で きる だ ろ うか?必 ず し も 「印象 的 、主 観 的 な 内省 に終

始 」 した わ け で もな く、 「定 式 化 され る事 が ら」 に新 鮮 味 を 欠 い て い る わ け

で もな い で だ ろ うが 、評 価 は分 か れ る の か も しれ な い。 少 な く と も、 多 くの

人 は 、極 小 理 論 、OT理 論 と進 む に す れ て 「

厳 密 な 定 式 化 、 記 号 化 」 した 理

論 を難 解 と感 じて い る の で は な い か と思 わ れ る 。

ア メ リ カの 言 語 学 入 門書 で あ るF&RとFLの

時系 列 的 な変 化 の 調 査 か らは 、

1990年 代 以 降 言 語 習得 と脳 科 学 の記 述 が拡 張 した こ と と英 語 史 の記 述 が 簡 素

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化 、消 失 した こ とが わ か っ た 。 こ れ は 、80年 代 以 降 の言 語 学 の流 れ と して は

予 測 で き る こ とで あ るが 、 「英 語 学 概 論 」 と して は ど うだ ろ うか?戦 後 、 ア

メ リカ に留 学 した 日本 人 の英 語 研 究 者 が 言 語 学 科 に所 属 す る と、母 語 で あ る

日本 語 の研 究 を新 しい理 論 的枠 組 み で行 うよ うに指 導 され る こ とが あ り、 帰

国 後 日本 の英 文科 で理 論 言 語 学 を講 義 す る こ とが よ くあ る。60年 代 か ら80年

代 ごろ まで は言 語 学 イ コ ー ル英 語 学 の 時代 で あ り、 そ れ で も問題 な か っ たが 、

徐 々 に乖 離 が 生 じて い る よ うだ 。 そ の カ ウ ンタ ー反 応 と して、 最 近 の 日本 で

出版 され た概 論 書 や イ ギ リス の概 説 書 に見 られ る よ うに、 地 域 や社 会 や場 面

に よる様 々 な変 種 、語 用 論 や談 話 分 析 な ど実 際 の言 語 使 用 に根 ざ した分 野 へ

の 目配 りが も とめ られ て い る 。 ま た 、言 語 学 と英 語 学 が 接 近 して い た時 代 の

感覚 で現 代 の一 般 言 語 学 の み を モ デ ル と して英 語 学 を と らえ て しま う と、 英

語 の 史 的発 達 の重 要 性 を 見誤 っ て しま う可 能性 が あ る。 日本 の大 学 の 「

英 語

学 概 論 」 に お い て も特 定 分 野 に偏 る こ とな く、多 様 化 した英 語 学 の紹 介 とな

る よ うに 多様 な研 究 の可 能性 を しめす こ とが 重 要 で あ ろ う。

引用 文 献

荒 木一 雄編 著 「

コ ンパ ク ト英 語 学 概 論 」 荒 竹 出版 、1981年

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