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適用時期 法人の平成 26 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます 改正措法附則案 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例 ( 法人が支出した使途秘匿金の額に 40% の割合を乗じて計算した金額をその納付すべき法人

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平成 25 年 12 月 24 日に平成 26 年度税制改正大綱が閣議決定され、これに基づき平成 26 年 2 月 4 日に税制改正法案が国会に提出されました。 平成 26 年度税制改正法案においては、現下の経済情勢等を踏まえ、デフレ脱却・経済再生に向け 投資減税措置や所得拡大促進税制の拡充に加え、復興特別法人税の廃止、民間投資と消費の拡大、 地域経済の活性化等のための税制上の措置が講じられるとともに、国税課税原則の大幅な見直し 等が行われています。 以下、平成 26 年度の税制改正項目(案)のうち、SPC の管理実務において特に影響すると思われ るものについてお伝え致します。

I.

法人課税に関する改正項目

法人課税(国際課税に関する項目を除く。)に関しては以下のような改正が行われます。 1. 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 中小企業者等が取得した 30 万円未満の少額減価償却資産に係る取得価額の損金算入の特例につ いてその適用期限(現行:平成 26 年 3 月 31 日)が 2 年延長されます。 【改正措法案 67 の 5】 2. 欠損金の繰戻還付制度の不適用の延長 中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻還付制度の不適用に係る適用期限(現行:平成 26 年 3 月 31 日)が 2 年延長されます。 【改正措法案 66 の 13】 3. 交際費等の損金不算入制度の見直し 交際費等の損金不算入制度について、次の通り見直しが行われます。 ①. 平成 26 年 4 月1日から平成 28 年 3 月 31 日までの間に開始する各事業年度におい て支出する交際費等の額のうち、接待飲食費の額(飲食その他これらに類する行為のため に要する費用で、もっぱらその法人の役員、従業員等に対する接待等のために支出する費 用を除く。)の 50%相当額を超える部分の金額については、当該各事業年度の所得の金額 の計算上損金不算入とすることとされます。 ②. 中小法人に係る損金算入の特例(いわゆる定額控除制度)について、中小法人の平成 26 年 4 月1日から平成 28 年 3 月 31 日までの間に開始する各事業年度においては上記①によ る損金不算入額の計算との選択適用とされます。 【改正措法案 61 の 4】

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≪適用時期≫ 法人の平成 26 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。 【改正措法附則案 1、77】 4. 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例(法人が支出した使途秘匿金の額に 40%の割合を乗じ て計算した金額をその納付すべき法人税額に加算する特例)について、その適用期限が撤廃され ることとなります。 【改正措法案 62】 5. 土地重課課税の適用停止期限の延長 法人の一般の土地譲渡益に対する追加課税制度及び短期の土地譲渡益に対する追加課税制度(い わゆる土地重課制度)について、適用除外措置の範囲等の見直しを行うとともに、その適用停止 期限(現行:平成 25 年 12 月 31 日まで)が平成 29 年 3 月 31 日まで延長されます。 【改正措法案 62 の 3、63】 6. 特定資産の買換えの場合の課税の特例(買換えによる圧縮記帳制度)の延長 特定の資産の買換えの場合の課税の特例(買換えによる圧縮記帳制度)について、その範囲につ き一定の見直しを行ったうえ、長期保有の土地・建物等から国内にある土地・建物・機械装置等 への買換え(いわゆる 9 号買換え)〈注〉以外の措置の適用期限(現行:平成 26 年 3 月 31 日まで) が平成 29 年 3 月 31 日まで延長されることとなります。 〈注〉9 号買換えについては、現行法上その適用期限が平成 26 年 12 月 31 日までとされています。 【改正措法案 65 の 7】 7. 投資法人に係る課税の特例の見直し 投資法人に係る課税の特例(投資法人の支払配当の損金算入制度等)について、以下の通り見直 しが行われます。 ①. 対象となる事業年度の要件について、その事業年度終了の時において有する有価証券、不 動産等一定の特定資産(再生エネルギー発電設備及び公共施設等運営権以外の特定資産に 限る。)の帳簿価額が総資産の 2 分の 1 相当額を超えることとする要件が加えられます。 ②. 投資法人法制の見直しを前提に、正ののれんがある場合には、支払配当等の額が配当可能 利益の額の 90%を超えていることとする導管性要件の判定において正ののれんの償却額 の 70%を配当可能利益の額から控除することとされます。 ③. 投資法人に係る法人税に関する法令の規定の適用について、新投資口予約権は新株予約権 とみなすこととされます。

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【平成 26 税制改正大綱P.83,改正措法案 67 の 15】 ≪適用時期≫ 上記①.については、投資法人の平成 26 年 4 月 1 日以後に終了する事業年度分の法人税について 適用されます。 【改正措法附則案 1、99】 上記③.については、金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成 25 年法律第 45 号)附則第 1 条第 3 号に掲げる規定の施行日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。 【改正措法附則案 1 十ハ、77】 なお、上記②.の改正の適用時期については今後の法令の公布により明らかとなります。 8. 法人税の額から控除される特別控除の特例について控除可能額の見直し 法人が1つの事業年度において 2 以上の特別控除額の特例の規定を受けようとする場合における 当期の法人税の額から控除できる税額控除可能額の合計額について、当期の法人税の額の 90%(現 行は当期の法人税の額の 100%)相当額に引き下げることとされます。 【改正措法案 42 の 13】 ≪適用時期≫ 法人の平成 26 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。 【改正措法附則案 1、77】

II. 地方法人税の創設

地方交付税の財源を確保するため、地方法人税が創設されることとなります。 1.地方法人税の課税概要 ①. 納税義務者 法人税を納める義務がある法人は、地方法人税を納める義務があることとされます。 【地方法人税法案 4】 ②. 課税の対象 地方法人税の課税の対象は、法人の各事業年度の基準法人税額とされます。

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基準法人税額とは、各事業年度の所得の金額につき、税額控除の規定(所得税額控除、外国 税額控除及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除に関する規定) を適用しないで計算した法人税の額(付帯税の額を除く。)をいいます。 【地方法人税法案 6】 ③. 課税事業年度 法人の各事業年度を地方法人税の課税事業年度とすることとされます。 【地方法人税法案 7】 ④. 課税標準・税額の計算 地方法人税の課税標準は、各課税事業年度の課税標準法人税額とされます。 各課税事業年度の課税標準法人税額とは、各事業年度の基準法人税額とされます。 地方法人税の額は、各事業年度の課税標準法人税額に 4.4%の税率を乗じて計算した金額と されます。 但し、特定同族会社等の特別税率(いわゆる留保金課税制度)の規定の適用がある場合には、 一定の調整を行うこととされます。 【地方法人税法案 9、10、11】 ⑤. 税額控除 以下の税額控除の制度が設けられます。  法人税の外国税額控除の適用を受ける場合において、法人が納付する各課税事業年度 の控除対象外国法人税の額が法人税の控除限度額を超えるときは、当該課税事業年度 の国外所得に対応する地方法人税の額を限度として、その超える金額を、当該課税事 業年度の地方法人税の額から控除することとされます。 【地法法人税案 12】  法人税と同様に、仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う地方法人税額の控除 の規定が設けられています。 【地方法人税法案 13】 ⑥. 申告・納付  中間申告 法人税の中間申告書を提出すべき法人は、これらの申告書に係る課税事業年度開始の 日以後 6 月を経過した日から 2 月以内に、税務署長に対し、地方法人税の中間申告書 を提出しなければならないこととされます。なお、法人税の中間申告について仮決算 をした場合の中間申告書を提出する場合には地方法人税の中間申告についてもこれに

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準ずることとなります。 【地方法人税法案 16、17、18】  確定申告 法人は、原則として各課税事業年度終了の日の翌日から 2 月以内に、税務署長に対し、 地方法人税の確定申告書を提出しなければならないこととされます。 なお、法人税の確定申告書について提出期限の延長特例の適用を受けている場合には 地方法人税の確定申告書の提出期限も延長されます。 また、清算中の内国法人につき残余財産が確定した場合における清算確定事業年度に 係る課税事業年度の地方法人税の確定申告書の提出期限については、法人税の確定申 告と同様に残余財産確定の日の翌日から 1 月以内と残余財産の最後の分配等の日の前 日のいずれか早い日とされます。 【地方法人税法案 19】  納付 地方法人税の中間申告書又は確定申告書を提出した法人は、これらの申告書の提出期 限(確定申告書の提出期限の延長特例の適用を受ける場合には当該延長がされる前の 申告書の提出期限)までにこれらの申告書に係る地方法人税を国に納付することとさ れます。 【地方法人税法案 20、21】 ⑦. 欠損金の繰戻還付の適用 法人税法の欠損金の繰戻し還付の制度に係る還付請求書を提出した法人に対して同制度によ り法人税額(以下「還付法人税額」という。)の還付が行われる場合において、当該還付法人 税額を申告した事業年度に該当する課税事業年度において確定した地方法人税の額があると きは、当該法人に対しては当該確定した地方法人税の額のうち、当該還付法人税額の 4.4% の金額に相当する金額が併せて還付されます。 【地方法人税法案 23】 2.適用時期 平成 26 年 10 月 1 日以後に開始する課税事業年度から適用されます。 なお、地方法人税の中間申告については平成 27 年 10 月 1 日以後に開始する課税事業年度の地方 法人税の中間申告について適用されます。 【地方法人税法案附則】

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III. 復興特別法人税の廃止

復興特別法人税の課税期間が 1 年間前倒しして終了することとされました。これに伴い、以下の ような整備・改正が行われます。 (当該改正は平成 26 年 4 月 1 日が施行予定日とされています。) ①. 復興特別法人税の課税事業年度等の判定の基礎となる指定期間が、平成 24 年 4 月 1 日から 平成 26 年 3 月 31 日まで(現行:平成 24 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日まで)に改正さ れます。また、復興特別法人税の課税事業年度について当該指定期間内に最初に開始する事 業年度開始の日から同日以後 2 年(現行 3 年)を経過する日までの期間内の日の属する事業 年度とする改正が行われます。 これにより、原則として 3 月決算の法人であれば平成 26 年 3 月 31 日まで、9 月決算の法人 であれば平成 26 年 9 月 30 日までで復興特別法人税の課税期間が終了することとなります。 【改正復財法 40、45】 ②. 事業年度の変更その他の事由により、課税事業年度の月数の合計が 24 月(現行:36 月)を 超える法人については、当該法人の最後の課税事業年度に係る復興特別法人税の課税標準と なる法人税額(課税標準法人税額)について月数按分による調整を行うこととします。 また、指定期間内に設立された内国法人又は日本国内に支店を開設した外国法人等について は、課税事業年度の月数の合計に指定期間の末日(平成 26 年 3 月 31 日)後の期間の月数が 含まれないように現行法と同様の調整が行われることとされます。 【改正措法案 47】 ③. 法人が各事業年度(復興特別法人税の課税事業年度となる事業年度を除く。)において利子 及び配当等につき課される復興特別所得税の額は、その各事業年度において利子及び配当等 に課される所得税の額とみなして法人税の額から控除すること等とされます。 【改正復興財源確保法 33(2)】 ④. 現行法では、復興特別法人税の課税事業年度終了後の各事業年度において課された復興特別 所得税の還付を受けるために当該各事業年度を復興特別法人税の課税事業年度とみなして復 興特別所得税の還付を受けることができる取扱いが設けられています。上記③.の措置が導入 されることに伴い、当該復興特別法人税のみなし事業年度の取扱いについては廃止されるこ ととなります。 【改正措法案 45】

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IV. 国際課税の改正

1. 改正内容 外国法人に対する課税原則について、いわゆる「総合主義」に基づく従来の国内法から 2010 年改 訂後の OECD モデル租税条約に沿った「帰属主義」への見直しが行われます。 具体的には以下のような改正が行われます。 (1.) 「国内源泉所得」の定義の見直し 外国法人の課税の対象となる法人税法上の「国内源泉所得」の範囲について、従来の「国内にお いて行う事業から生ずる所得」に代えて「恒久的施設帰属所得」(以下、「PE 帰属所得」という。) を国内源泉所得の1つとして定義することとされました。 「PE 帰属所得」とは、外国法人が恒久的施設(以下、「PE」という。)を通じて事業を行う場合に おいて、当該 PE が当該外国法人から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該 PE が 果たす機能、当該 PE において使用する資産、当該 PE と当該外国法人の本店等との間の内部取引 その他の状況を勘案して、当該 PE に帰せられるべき所得(当該 PE の譲渡により生ずる所得を含 む。)をいいます。 また、国内源泉所得とされる国内資産譲渡所得の範囲については、国内不動産、国内不動産関連 株式及び事業譲渡類似株式の譲渡所得その他の譲渡所得で、現行法上日本国内に PE を有しない外 国法人において課税対象となる資産の譲渡所得と同様のものに限ることとされます。  「総合主義」とは ・・・恒久的施設を有する外国法人について国内源泉所得がある場合には、当該国内源泉所得がそ の外国法人の恒久的施設に帰属するか否かに拘らず当該外国法人に対して当該恒久的施設の所在 地国・地域で課税を行う考え方をいいます。  「帰属主義」とは ・・・外国法人の所得の発生地に拘らず、当該外国法人の恒久的施設の所在地国・地域において当 該恒久的施設に帰属する所得に対して課税を行う考え方をいいます。

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【改正法法案案 138(1)一、税制改正大綱・別紙 2 一 2】 (2.) 外国法人の課税所得の範囲・課税方法の整理 外国法人に対する課税所得の範囲については、次に掲げる外国法人の区分に応じ、それぞれ次に 掲げる国内源泉所得に係る所得とされます。 ①. PE を有する外国法人 各事業年度の次に掲げる国内源泉所得 イ) PE 帰属所得 ロ) PE 非帰属国内源泉所得(国内源泉所得のうち PE 帰属所得以外のものをいう。以下 同じ。) ②. PE を有しない外国法人 各事業年度の PE 非帰属国内源泉所得 上記の通り、日本国内に PE を有する外国法人の PE 非帰属国内源泉所得については、PE 帰属所得 とは分離して課税することとし、双方の所得について損益通算は行われません。PE を有する外国 法人の PE 非帰属国内源泉所得については、PE を有しない外国法人が得る国内源泉所得と同様の 課税が行われることとなります。 また、外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、上記の国内源泉所得の 区分ごとその所得金額を課税標準とし、これにそれぞれ法人税の税率(中小法人については軽減 された税率)を乗じて計算されることとなります。 【改正法法案 9、141、143】 (3.) PE 帰属所得金額の計算方法について PE 帰属所得とは前述の通り PE が本店等から分離・独立した企業であると擬制した場合に当該 PE に帰せられる所得であり、PE 帰属所得に係る所得金額(以下、「PE 帰属所得金額」という。)の計 算については、以下の通り取り扱われます。 ①. 外国法人の各事業年度の PE 帰属所得金額は、外国法人の当該事業年度の PE を通じて行 う事業に係る益金の額から当該事業年度の当該事業に係る損金の額を控除した金額とさ れます。PE 帰属所得金額の計算上益金の額又は損金の額に算入すべき金額は、別段の定め がある場合を除き、外国法人の PE を通じて行う事業につき、内国法人の各事業年度の所 得の金額の計算に関する規定に準じて計算することとなります。 【改正法法案 142①②】

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②. 外国法人の各事業年度の PE 帰属所得金額の計算においては、外国法人の日本国内におけ る PE と本店等(外国法人の本店・支店・向上等で当該 PE 以外のものをいう。以下同じ。) との間の内部取引について損益認識を行うこととされます。当該内部取引に係る損益認 識については次のように取り扱うこととされます。  PE 帰属所得金額の計算上損金の額に算入すべき販売費、一般管理費その他の費用(以 下、「販売管理費等」という。)のうち内部取引に係るものについては、債務の確定し ないものを含むものとします。  外国法人の PE を通じて行う事業及びそれ以外の事業に共通する販売管理費等がある 場合には、当該販売管理費等のうち当該 PE を通じて行う事業に係るものとして一定の 方法により配分した金額(以下、「本店配賦経費」という。)は PE 帰属所得金額の計算 上の費用として認められることとなります。 なお、外国法人の本店配賦経費につき、その配分の基礎となる書類の保存がない場合 には、原則としてその書類の保存がなかった本店配賦経費については、PE 帰属所得金 額の計算上、損金の額に算入されないこととされます。  PE を開設するための外国法人の本店等から PE への資金の供与又は PE から本店等への 剰余金の送金その他これらに類する事実については外国法人の PE 帰属所得金額の計算 上、資本等取引として取り扱われることとなります。 【改正法法案 142③、改正法法案 142 の 7】 (4.) PE への資本配賦と PE に係る支払利子の損金不算入の取扱い 外国法人の PE に係る自己資本の額(当該 PE に係る純資産の額として一定の方法により計算した 金額をいう。)が、当該外国法人の当該 PE に帰せられるべき資本の額に満たない場合には、当該 PE を通じて行う事業に係る負債の利子のうち、その満たない金額に対応する部分の金額は、PE 帰 属所得金額の計算上、損金の額に算入しないこととされます。 【改正法法案 142 の 4】 (5.) PE を閉鎖する場合の資産の時価評価等の取扱い PE を有する外国法人が PE を有しないこととなった場合(PE の他の者への譲渡その他一定の事由 により PE を有しないこととなった場合を除く。)には、その有しないこととなった日の属する事 業年度終了の時に PE に帰せられる資産(売買目的有価証券その他一定のものを除く。)の時価評 価損益を PE 帰属所得金額の計算上認識することとされます。 【改正法法案 142 の 8】

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なお、PE 帰属所得に係る繰越欠損金額は PE の閉鎖に伴い消滅することとされ、再度日本国内に PE を有することとなった場合には当該繰越欠損金について繰越控除の制度を利用することはで きないこととされています。 【改正法法案 10 の 3④】 (6.) 外国法人の内部取引に係る課税の特例(内部取引についての移転価格税制)の創設 PE を有する外国法人の各事業年度において、当該外国法人の本店等と PE との間の内部取引の対 価の額とした額が独立企業間価格〈注〉と異なることにより、当該外国法人の PE 帰属所得金額の 計算上、益金の額に算入すべき金額が過少となるとき、又は損金の額に算入すべき金額が過大と なるときは、当該外国法人の PE 帰属所得金額の計算上当該内部取引は独立企業間価格によるもの とされます。 〈注〉独立企業間価格とは、内部取引の内容及び当該内部取引の当事者が果たす機能その他の事 情を勘案して、当該内部取引が独立の事業者の間で通常の取引の条件に従って行われると した場合に当該内部取引の対価の額とされるべき額で一定の方法により算定した金額をい います。以下同じ。 また、外国法人の各事業年度における内部寄附金の額(当該外国法人の内部取引において当該外 国法人の PE が当該外国法人の本店等に対して支出した額のうち寄附金の額に相当するものをい う。)は、当該外国法人の各事業年度の PE 帰属所得金額の計算上損金の額に算入しないこととさ れます。 【改正措法案 66 の 4 の 3】 (7.) 過少資本税制の適用対象の見直し 上記(4.)の措置の導入に伴い、国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例(過少資本税 制)について、その適用対象から外国法人が支払う負債の利子等を除外することとされます。 【改正措法案 66 の 5(10)】 (8.) 過大支払利子税制に関する整備 関連者等に係る純支払利子の課税の特例(過大支払利子税制)について、本特例の対象となる関 連者支払利子等の額は外国法人の PE を通じて行う事業に係るものに限るものとし、外国法人の PE から本店等へ支払う内部支払利子を含めることされます。 また、外国法人について上記(4.)の規定と過大支払利子税制の規定のいずれについても適用の 対象とされる場合には、このうち損金不算入額が大きい方の規定を適用することとされます。

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【改正措法案 66 の 5 の 2】 (9.) PE 非帰属国内源泉所得に係る所得の金額の計算 外国法人の PE 非帰属国内源泉所得に係る所得の金額は、PE 帰属所得金額の計算(上記(3.)①. ②.)等に準じて計算した金額とされます。 【改正法法案 142 の 9】 (10.) 外国法人の PE に係る取引に係る文書化 PE 帰属所得を有する外国法人については、当該外国法人が他の者との間で行った取引で当該取引 から生ずる所得が当該外国法人の PE に帰せられるものに係る明細を記載した書類及び外国法人 の本店等と PE との間の内部取引に係る明細を記載した書類を作成しなければないこととされま す。 【改正法法案 146 の 2】 (11.) 外国法人に対する行為計算の否認規定の創設 外国法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果とな ると認められるものがあるときは、その行為又は計算に係らず、税務署長の認めるところにより、 PE 帰属所得に係る法人税の課税標準、税額等を計算できることとされました。 【改正法法案 147 の 2】 (12.) 外国法人の PE のための外国税額控除の創設 外国法人の PE が本店等所在地国以外の第三国で得た所得が PE 帰属所得として日本国内で課税の 対象とされることに伴い、PE のための外国税額控除が創設されました。 PE を有する外国法人が納付する控除対象外国法人税の額(PE 帰属所得金額につき課される外国 法人税の額で一定のものをいう。)については、以下の控除限度額の範囲内で PE 帰属所得金額に 対する法人税の額から控除することとされます。 控除限度額・・・ PE 帰属所得金額に対する法人税の額のうち、国外所得金額(PE 帰属所得 金額のうち、国外源泉所得に係るものとして一定のものをいう。)に対応 するものとして計算される金額をいいます。 【改正法法案 144 の 2】 (13.) 外国組合員に対する課税の特例に関する規定の整備 投資組合契約を締結する組合員である外国法人で、当該投資組合契約に基づいて PE を通じて事

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業を行うもののうち、従前どおり有限責任組合員であること、当該投資組合契約に係る組合財産 に対する持分割合が 25%未満であること等一定の要件を満たすものについては、当該投資組合 契約に基づいて行う事業につき PE を有しないものとみなすものと整理されます。 【改正措法案 41 の 21、67 の 16】 (14.) 内国法人の外国税額控除制度についての整備 ①. 内国法人の外国税額控除の控除限度額の計算の基礎となる「国外源泉所得」の範囲に ついて「国外事業所等帰属所得」〈注〉、国外資産の運用保有所得、国外資産の譲渡所 得、外国法人の発行する債券の利子及び外国法人から受ける配当等として積極的な定 義が行われることとなりました。 〈注〉「国外事業所等帰属所得」とは、内国法人が国外事業所等を通じて事業を行う場合におい て、当該国外事業所等が当該内国法人から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、 当該国外事業所等が果たす機能、当該 PE において使用する資産、当該国外事業者等と当 該内国法人の本店等との間の内部取引その他の状況を勘案して、当該国外事業所等に帰せ られるべき所得をいいます。 ②. 外国税額控除の適用を受ける内国法人は、当該内国法人が他の者との間で行った取引 のうち、当該取引から生じる所得が当該内国法人の国外事業所等に帰せられるものに 係る明細を記載した書類及び当該内国法人の本店等と国外事業所等との間の内部取引 に係る明細を記載した書類等を作成しなければならないこととされました。 ③. 外国税額控除の基礎となる国外源泉所得である国外事業所等帰属所得の計算上、内国 法人の本店等と国外事業所等の間の内部取引の対価とした額が独立企業間価格と異な ることにより、その内部取引に係る収益の額が過大となるとき、又は損失の額が過少 となるときは、当該内部取引は独立企業間価格により行われたものとみなされること となりました。 【改正法法案 69、改正措法案 67 の 18】 (15.) 個人課税に関する国際課税原則の改正 非居住者については以下の項目につき改正が行われる等、原則として帰属主義に変更する外国法 人の取扱いに準じた所要の措置が講じられます。

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≪非居住者に関する国税課税の改正項目≫  「国内源泉所得」の定義の見直し【改正所法案 161】  非居住者の課税所得の範囲・課税方法の整理【改正所法案 164、169,、170】  PE 帰属所得金額の計算方法【改正所法案 165】  配賦経費に関する書類の保存がない場合における配賦経費の必要経費不算入の取扱 い【改正所法案 165 の 5】  PE への資本配賦と PE に係る支払利子の損金不算入の取扱い【改正所法案 165 の 3】  非居住者の内部取引に係る課税の特例の創設【改正措法案 40 の 3 の 3】  PE に係る取引に係る文書化【改正所法案 166 の 2】  非居住者に対する行為計算の否認規定の創設【改正所法案 168 の 2】  非居住者に係る外国税額控除の創設【改正所法案 165 の 6】  外国組合員に対する課税の特例に関する規定の整備【改正措法案 41 の 21】 また、居住者についても以下の通り外国税額控除は内国法人に準じた取扱いとされるとともに帰 属主義への変更に伴う所要の措置が講じられます。 ≪居住者課税に関する国際課税の改正項目≫  居住者の外国税額控除制度についての整備【改正所法案 95】  居住者の外国税額控除適用上の「国外所得金額」の計算の特例【改正措法案 41 の 19 の 5】 2. 適用時期 ①. 外国法人又は内国法人に関する規定の改正適用時期  上記 1.(5.)については、PE を有する外国法人が平成 28 年 4 月 1 日以後に開始する事 業年度において PE を有しないこととなる場合について適用されます。 【改正法法附則案 1 六ロ、30】  上記 1.(7.)については、外国法人が平成 28 年 4 月 1 日前に開始した事業年度におい て支払った負債の利子については従前どおり過少資本税制の対象に含まれます。 【改正措法附則案 93】  上記 1.(11.)については、外国法人の平成 28 年 4 月1日以後に開始する事業年度の PE 帰属所得金額に対する法人税に係る行為又は計算で同日以後に行うものについて適 用されます。 【改正法法附則案 35】

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 上記 1.(13.)については、外国法人が平成 28 年 4 月 1 日以後に支払いを受けるべき 又は有することとなる国内源泉所得について適用されます。 【改正措法附則案 74、100】  上記 1.(14.)③については、内国法人の平成 28 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度 の国外所得金額の計算について適用されます。 【改正措法附則案 102】  上記以外の外国法人又は内国法人に関する改正(上記 1.(1.)(2.)(3.)(4.)(6.) (8.)(9.)(10.)(12.)(14.)①②の改正) については外国法人又は内国法人の平 成 28 年 4 月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用されます。 【改正法法附則案 1 六ロ、25、28、改正措法附則案 92、94】 ②. 非居住者又は居住者に関する規定の改正適用時期 非居住者又は居住者に対する改正は原則として平成 29 年分以後の所得税について(注)適用さ れます。 (注)非居住者に対する行為計算の否認規定については平成 29 年 1 月 1 日以後に行う行為又は 計算について、居住者の外国税額控除適用上の「国外所得金額」の計算の特例について は平成 29 年以後の国外所得金額の計算について、外国組合員に対する課税の特例につい ては非居住者が平成 29 年以後の各年において有する国内源泉所得について、それぞれ適 用されます。 【改正所法案附則 1 六イ・ト、7、10、11、12、14、15、改正措法附則案 66、73、74】

V. 所得税(源泉所得税)に関する項目

1. 割引債の差益金額に係る源泉徴収等の特例 平成 25 年度税制改正において発行時における 18%の源泉徴収課税から償還時における源泉徴収 課税への見直しが行われた「割引債の差益金額に係る源泉徴収等の特例」(平成 28 年 1 月 1 日以

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後に支払われる割引債の償還金について適用)について、その対象となる割引債の範囲に、「利子 が支払われる公社債でその利率が著しく低いもの」に代えて、「利子が支払われる公社債でその発 行価額の額面金額に対する割合が一定の割合以下であるもの」を加えることとされます。 【改正措法案 41 の 12 の 2、改正措法案附則 1 五ロ】

VI. 地方税の改正

1. 税率の改正 地方税の税率について次の通り見直しが行われます。 ●法人住民税の標準税率と制限税率の改正 現行 改正案 標準税率 制限税率 標準税率 制限税率 道府県民税 法人税割 5.0% 6.0% 3.2% 4.2% 市町村民税 法人税割 12.3% 14.7% 9.7% 12.1% 【改正地法案 51、314 の 4】

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●事業税の標準税率の改正 法人の区分 現行 改正案 外形標準課税法人 の所得割 [年 400 万円以下所得] 1.5% [年400 万円超年 800 万円以下所得] 2.2% [年800 万円超所得] 2.9% [年 400 万円以下所得] 2.2% [年400 万円超年 800 万円以下所得] 3.2% [年800 万円超所得] 4.3% 収入割課税法人 の収入割 0.7% 0.9% 特別法人(農業協同 組合、医療法人等が 該当する。)の所得割 [年 400 万円以下所得] 2.7% [年400 万円超] 3.6% [特定の協同組合等の所得のうち年 10 億円を超える金額] 4.3% [年 400 万円以下所得] 3.4% [年400 万円超] 4.6% [特定の協同組合等の所得のうち年 10 億円を超える金額] 5.5% 上記以外の法人(資 本金1 億円以下の普 通法人等)の所得割 [年 400 万円以下所得] 2.7% [年400 万円超年 800 万円以下所得] 4% [年800 万円超所得] 5.3% [年 400 万円以下所得] 3.4% [年400 万円超年 800 万円以下所得] 5.1% [年800 万円超所得] 6.7% 【改正地法暫定措置法案 2 条】 ※事業税の制限税率は引き続き、標準税率の 1.2 倍の税率とされます。【地法 72 の 24 の 7⑦】 ●地方法人特別税の税率の改正 標準税率 制限税率 外形標準課税法人 148% 67.4%

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収入割課税法人 81% 43.2% 上記以外の法人 81% 43.2% 【改正地法暫定措置法案 9 条】 ≪適用時期≫ 平成 26 年 10 月 1 日以後に開始する各事業年度に係る法人住民税、事業税、地方法人特別税につ いて適用されます。 【改正地法案附則 1 二、3(10)、19】 2. 固定資産税に係る特例の延長 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に規定する一定の認定発電 設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、その対象資産の取得期限が平成 28 年 3 月 31 日まで(現行:平成 26 年 3 月 31 日まで)延長されます。 【改正地法案附則 15(31)】 3. 不動産取得税に係る特例の延長 新築住宅を宅地建物取引業者等が取得したものとみなす日を住宅新築の日から 1 年(本則 6 月) を経過した日に緩和する特例措置の適用期限が平成 28 年 3 月 31 日まで(現行:平成 26 年 3 月 31 日まで)延長されます。 【改正地法案附則 10 の 2】 4. 非居住者及び外国法人に対する課税原則の見直し 非居住者及び外国法人に対する国税の課税原則についていわゆる総合主義から帰属主義へ見直さ れることに伴い、個人住民税、法人住民税及び事業税について、原則として国税の取扱いに準じ た所要の措置が講じられます。 【改正地法案 23、37 の 3、53、292、314 の 8、321 の 8】

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VII. 消費税の改正

1. 簡易課税制度のみなし仕入率の見直し 簡易課税制度に関して、金融業及び保険業を第 5 種事業とし、そのみなし仕入率を現行の 60%か ら 50%へ変更することとされます。 また、不動産業を第 6 種事業とし、そのみなし仕入率を現行の 50%から 40%へ変更することとさ れます。 ≪適用時期≫ 平成 27 年 4 月 1 日以後に開始する課税期間について適用されます。 【税制改正大綱 P.95】 2. 課税売上割合の計算に関する改正 消費税課税売上割合の計算上、金銭債権の譲渡(取引の対価として取得した金銭債権以外の金銭 債権の譲渡に限る。)については、その譲渡に係る対価の額の 5%相当額(現行 100%相当額)を 資産の譲渡等の対価の額に算入することとされます。 ≪適用時期≫ 平成 26 年 4 月 1 日以後に行われる金銭債権の譲渡について適用されます。 【税制改正大綱 P.96】

参照

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