薬局プレアボイド
の
調査報告と事例紹介
愛媛大学医学部附属病院薬剤部 安永大輝
プレアボイド事例共有システムの概要
各施設での取り組みを解析し、医薬経済効果を算出
(医療費に対する薬剤師の介入効果を用いて取り組みの効果を評価)
✔ 調査期間
薬局プレアボイド
452件
保険薬局24施設(2015年10月〜12月)
健康相談
499件
結果
1 医療経済効果の推算(薬局)
分類 1件あたりの 医療経済効果(円) 件数 医療経済効果(円) 重大な副作用の回避または重篤化の回避 2,140,000 3 6,420,000 がん化学療法に対する介入 112,000 2 224,000 薬物相互作用回避 high-risk 84,000 3 252,000 normal 56,000 4 224,000 腎機能に応じた投与量推奨 high-risk 84,000 0 0 normal 56,000 7 392,000 注射薬配合変化防止 high-risk 84,000 0 0 normal 56,000 0 0 薬歴の聴取 high-risk 84,000 0 0 normal 56,000 17 952,000 その他の薬物療法提案 high-risk 84,000 27 2,268,000 normal 56,000 224 12,544,000 残薬解消介入 - 139 1,034,909 不足日数調節 0 26 0 合計 - 452 24,310,909結果2 処方箋1枚あたりの医療経済効果(薬局)
医療経済効果(処方日数調節と残薬解消介入を除いた値) 23,276,000円 プレアボイド件数(処方日数調節と残薬解消介入を除いた値) 287件 プレアボイド件数1件あたりの医療経済効果 81,101円 総応需処方箋枚数 80,644枚 疑義照会件数 3,350件 プレアボイド件数 287件 4.15% 8.57% 81,101円/件 6,948円/件 289円/枚 残薬解消件数 139件0.17%
薬剤削減費:1,034,909円から換算 13円/枚 0.36%ラシックス錠40mgを内服中の患者で、血圧が100mmHg以下か つ脱水を起こしているような症状があったため検査を依頼した結果、 脱水と診断されてラシックスは中止となった。 1.症状を聴取し、重要な基本的注意に基づいて重大な副作用を回避した事例 在宅患者面談時 バルトレックス錠(500mg)3錠/日で服用中の患者から「慢性腎炎 だが大丈夫か?」と電話相談があった。検査値を確認すると血清 Cr:6.5(mL/min)、Ccr:7.4(mg/dl)であり、ファムビル錠へ変更と なった。 2.検査値を確認し、重要な基本的注意に基づいて重大な副作用を回避した事例 患者からの相談 以前、オゼックス細粒で痙攣(重大な副作用)を起こし入院した経 験あり。オゼックス細粒が処方されていたため、パセトシン細粒へ 変更となった。 3.副作用歴を確認し、重大な副作用を回避した事例 副作用歴を確認
結果3 重大な副作用の回避または重篤化回避(薬局)
前回(8施設) 今回(24施設) 54.7 41.1 16.6 12.9 7.5 8.0 3.8 4.9 3.4 3.1 3.4 7.3 3.1 5.2 2.8 3.1 0.6 2.1 0.6 2.1 0.3 0.7 0.0 1.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.1 7.3 100.0 100.0 原因 その他 中毒 配合注意 配合禁忌 慎重投与 重大な副作用 合計(%) 併用注意 特殊病態(腎機能低下等) 併用禁忌 その他の副作用 禁忌 過量投与 同種同効薬重複 ノンコンプライアンス 重複投与 処方もれ 誤転記・誤処方
結果4 検査値(薬局)
合計に対する各項目の割合(%) 1 1 1 1 3 7 合計 酸化マグネシウム ロキソプロフェン ファモチジン セフジニル 対象薬剤 レボフロキサシン 薬学的介入 (件) # 腎機能に応じた投与量推奨 (作用増強回避) 前回(8施設) 今回(24施設) 54.7 41.1 16.6 12.9 7.5 8.0 3.8 4.9 3.4 3.1 3.4 7.3 3.1 5.2 2.8 3.1 0.6 2.1 0.6 2.1 0.3 0.7 0.0 1.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.1 7.3 100.0 100.0 原因 その他 中毒 配合注意 配合禁忌 慎重投与 重大な副作用 合計(%) 併用注意 特殊病態(腎機能低下等) 併用禁忌 その他の副作用 禁忌 過量投与 同種同効薬重複 ノンコンプライアンス 重複投与 処方もれ 誤転記・誤処方腎機能に応じた投与量
の提案にこれらを使用し
ています。
・腎機能別薬剤使用マニュア
ル
・日本腎臓病薬物療法学会の
投与量一覧
結果5
−1 その他の薬物療法提案(薬局)
誤転記・誤処方に対する
介入
処方もれの確認
不要薬の中止
副作用対策
禁忌症例の処方回避
他の諸症状に対する提案
その他
n = 251 n = 138 (55.0%) n = 38 (15.1%) n = 37 (14.7%) n = 10 (4.0%) n = 16 (6.4%) n = 3 (1.2%) n = 9 (3.6%)結果5
−2 不要薬の中止(薬局)
n = 18
(
51.4%)
n = 6
(
17.1%)
n = 7
(
20.0%)
n = 4 (11.4%)
院内重複
(他科重複など)
他院重複
漫然投与
その他
※ 処方元が不明の2件を除く ネキシウムが処方されたが、他院でラベプラゾールを内服中であり、 ネキシウムが中止となった。 トラムセット配合錠を今までに合計84日分服用したが、全く効果を 感じていない旨聴取したため、疑義照会を行い、患者には整形受 診を勧めた。処方医より漸減後に処方中止との回答。3錠/日 → 2錠/日 → 1錠/日 → 服用終了と患者に説明。 チャンピックスの投与期間が満了となっていたため中止となった。原因
結果6 残薬解消介入(薬局)
対象薬剤
件数
眼科用剤(目薬)
42
20
胃薬
睡眠薬
10
9
9
9
8
降圧薬
下剤
鎮痛薬・抗炎症薬
・止痒薬(外用薬)
脂質異常症治療薬
抗凝固薬/抗血小板薬
6
6
6
利尿剤
主として一般細菌に作用するもの残薬解消介入
件数:
139件
(のべ
164薬剤)
上位の大半が自己調節 して使用する薬剤 残薬解消介入 高齢者への服薬指導 の充実 アドヒアランス向上 医療経済的側面だけではなく、 患者の健康にも寄与している 可能性が考えられた0 5 10 15 20 25 30 35 40 薬 剤 中 止 用 法 変 更 薬 剤 減 量 薬 剤 追 加 薬 剤 増 量 薬 剤 変 更 調 剤 法 変 更 剤 形 変 更 服 薬 指 導 投 与 法 変 更 日 数 変 更 そ の 他
結果7 薬学的ケアの解析結
果
件数 (件) 患者・家族の訴えあり 患者・家族の訴えなし結果8 健康相談
2015年度499
件 2015年度重点項目 肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン接種推奨 493件 ・歯科受診推奨 60件(ワクチン接種と同時) ・64歳女性に対して白内障の初期症状を説明し、眼科受診を推奨した。 ・本日朝の血圧が低かったため服用中の2種類の降圧薬の影響かと不安に なった。担当医が糖尿病専門で循環器内科ではないため対応を相談された。 ⇒低値が継続するようであれば担当医に連絡するよう指導した。 ・ニポラジンと市販の感冒薬との併用について相談あり。成分が重複するた めどちらかを内服するよう説明した。 ・低血糖による救急搬送の経験あり、自宅での血糖測定の相談あり。血糖 測定器を購入された。 このように様々な事例を繰り返し報告し、共有することで、保険 薬局薬剤師のかかりつけ機能強化につながる・要指導医薬品等を適切に選択できるような 供給機能や助言の体制 ・健康相談受付、受診勧奨・関係機関紹介 等 ・専門機関と連携し抗がん剤の副作用対 応や抗HIV薬の選択などを支援 等 ☆ 国民の病気の予防や健康サポートに貢献 ☆ 高度な薬学的管理ニーズへの対応 健康サポート機能 健康サポート薬局 高度薬学管理機能 「患者のための薬局ビジョン」 ~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~ 24時間対応・在宅対応 服薬情報の一元的・継続的把握 ☆ 副作用や効果の継続的な確認 ☆ 多剤・重複投薬や相互作用の防止 ・24時間の対応 ・在宅患者への薬学的管理・服薬指導 ☆ 夜間・休日、在宅医療への対応 ☆疑義照会・ 処方提案 ☆副作用・服薬状況 のフィードバック ※ 地域の薬局・地区薬剤師会との連携のほか、 へき地等では、相談受付等に当たり地域包括支 援センター等との連携も可能 ○ ICT(電子版お薬手帳等)を活用し、 ・患者がかかる全ての医療機関の処方情報 を把握 ・一般用医薬品等を含めた服薬情報を一元 的・継続的に把握し、薬学的管理・指導 医療機関等との連携 ☆医薬品等に関する相談 や健康相談への対応 ☆医療機関への受診勧奨 かかりつけ薬剤師・薬局 3 ・医療情報連携ネット ワークでの情報共有 厚生労働省ホームページより引用
実際の入力画面で事例を見て
みましょう。
✔ 薬局事例1
【腎機能に応じた投与量推奨】
疾患:感冒 70歳女性 体重:45kg 血清Cr:1.0mg/dl
処方:クラビット錠500mg 1錠分1朝食後 7日分
処方せんにて腎機能を確認したところ、Ccr31.0
(mL/min)にも関わらず、クラビット錠が500mg/日
で処方されていた。20≦Ccr<50では、初日
500mgを1回、2日目以降250mgを1日1回の投
与量が推奨されているため、担当医に減量を提案
したところ、提案通り減量となった。
✔ 薬局事例2
【不要薬の中止と残薬解消介入】
疾患:両側性形成不全性股関節症 65歳女性
処方:トラムセット配合錠
3錠分3毎食後 30日分
プリンペラン錠5mg 3錠分3毎食後 30日分
ルネスタ錠2mg
1錠分1眠前
30日分
患者よりトラムセットによる吐き気は消失しており、
吐き気止めは不要である旨聴取した。また、ルネ
スタは家に残薬があるので今回は10日分で良い
とのこと。担当医に確認し、プリンペランは中止、
ルネスタは処方日数が変更となった。
✔ 薬局事例3
【健康相談】
疾患:白内障 56歳男性
処方:カリーユニ点眼液 1日3回 右眼 点眼 3本
血圧計で測定した血圧が180/110mmHgと高かっ
たので患者より相談あり。降圧薬の服用はなく、
頭痛も時々ある旨患者より聴取。患者に食事指導
を行うとともに、医療機関(内科)を受診するよう説
明した。
愛媛県病院薬剤師会
今年度のテーマ「検査値とくすり」
3回シリーズで講演会を企画
第1回 検査値の読み方(演者:検査技師の先生方)
第2回 処方箋に印字されている検査値について
具体的な症例を交えた講演会
第3回 同上
今後
● 様式3(薬物治療効果の向上)への対応
・ 副作用回避に主眼を置いていた
● システム活用例を紹介
●
検査値を活用
する
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