• 検索結果がありません。

農作業事故の発生状況等について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "農作業事故の発生状況等について"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

農作業事故の発生状況等について

兵庫県農政環境部 農林水産局農産園芸課 1.農作業事故の実態 (1)全国の状況 ○ 平成 28 年の農作業死亡事故は 312 件で、前年より 26 件減少した。 ○ 死亡事故の約 70%が農業機械の作業に係わる事故である。 ○ 65 歳以上の高齢者による事故は全体の8割以上に上る。 ○ 男女別では、男性 82%、女性 18%である。 図1 農作業事故死亡者数の推移 図2 平成28年度要因別農作業死亡事故発生状況 65 歳以上 農業機械作業に 係る事故 217 人 機械・施設以外の 作業に係る事故 81 人 農業用施設作業に 係る事故 14 人 死亡事故要因 1 位 は 乗 用 型 ト ラクター

(2)

図3 乗用型トラクターによる死亡事故の発生原因 図4 歩行用トラクターによる死亡事故の発生原因 図5 農用運搬車による死亡事故の発生原因 図6 自脱型コンバインによる死亡事故の発生原因

農業機械作業に係る事故の原因

<歩行用トラクター>

<乗用型トラクター>

<農用運搬車>

<自脱型コンバイン>

<転落・転倒事故対策のポイント> ① 安全キャブ・フレームのあるトラクターを 使用し、シートベルトの着用を徹底 ② 作業環境(ほ場への進入路等)を確認し、 危険性に配慮(路肩の整備、草刈り等) ③ 作業終了後圃場を出る前にブレーキペダ ルの連結を確認 <歩行用トラクター事故の特徴> ① 後退時の事故(木や壁との間の挟まれ、躓 き)⇒障害物等の事前確認・後方確認 ② 土壌が固いことによる事故(ダッシング・ キックバック)⇒一気の深起こしや高速回 転の禁止 ③ 作業中の事故(回転部への異物の詰まり除 去)⇒確実にエンジンを切ってから

(3)

図7 動力防除機による死亡事故の発生原因 図8 動力刈払機による死亡事故の発生原因 図9 農業用施設に係る死亡事故の内容 図 10 農機・施設以外の作業に係る死亡事故の内容

<動力防除機>

<動力刈払い機>

(件) (件)

(4)

(2)兵庫県の状況

○平成 28 年の兵庫県の農作業死亡事故発生件数は9件。

(5)

(3)兵庫県内の農業機械等による死亡事故事例 〔平成 23 年以降〕 農作業事故の概要 考えられる原因と対策 【淡路市】 ハウス内で耕うん作業中に、耕うん機の操作 を誤り、耕耘機とビニールハウスの鉄骨との間 に挟まれ、内蔵破裂による死亡。 ○平成23年1月14日(15:00頃) ○年齢32歳 (原因) 耕耘機の操作ミスと、周囲の状況確認をしなか ったことが原因と考えられる。 (対策) 的確な操作と、周囲の状況を確認しながら作業 にあたるように習慣づける。 【朝来市】 トラクターで水田から農道にあがる際に、運 転操作を誤り、1.9m下の用水路に転落し、ト ラクターの下敷きになり死亡。 ○平成23年4月10日(14:50頃) ○年齢60歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【市川町】 獣害防止のための電灯線を張る作業中に電 灯線に流した電流に感電して死亡。 ○平成23年9月14日午前 ○年齢86歳 (原因) 家庭用 100 ボルト電源に直接電灯線をつない だことが原因となった。 (対策) 漏電遮断機と電気柵用の電源装置を経由し、正 しい方法で利用すること。 【加西市】 トラクターで農道を走行中にハンドル操作 を誤り、1.7m下のあぜ道に転落し、トラクタ ーの下敷きになり死亡。 ○平成23年10月5日(10:45頃) ○年齢73歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【豊岡市】 トラクターを運転中に、左前タイヤが脱輪 し、体が前方に出て、下敷きになり死亡。 ○平成24年2月16日(17:40頃) ○年齢79歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【宍粟市】 田んぼでトラクターの下敷きになり、胸を打 ち死亡。 ○平成24年5月28日(14:15頃) ○年齢67歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【宍粟市】 田んぼでトラクターの下敷きになり、胸など を打ち死亡。 ○平成24年6月13日(15:45頃) ○年齢72歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。

(6)

【たつの市】 田から市道へあがる坂道でトラクターの下 敷きになり死亡。後部のローラーと地面の間に 挟まれた状態で発見。 ○平成24年6月15日(16:00頃) ○年齢88歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【南あわじ市】 田植えを終えて、田植え機で高さ 2.5m の急 斜面を上っていたところ田植え機ごと転落し、 下敷きになって死亡。 ○平成24年6月15日(9:50頃) ○年齢72歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【三木市】 畑作業の手伝いでトラクターを運転してい たところ、操作を誤り高さ 1.5mの段の上から トラクターごと転落し下敷きとなり死亡。 ○平成25年5月18日(16:00前) ○年齢48歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【淡路市】 農道を農作業車で走行中、誤って斜面に転落 し、腰の骨を折るなどして死亡。 ○平成25年6月4日(10:30頃) ○年齢71歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れ、スピードの出し過ぎ などによる操作ミスが原因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認、安全速度の励行等を常 日頃から習慣づける。 また草刈り等、農道の整 備を心がける。 【たつの市】 足場板を用いトラックの荷台にトラクター を積み込み中、バランスを崩し深さ 1.6mの道 路脇の側溝に転落。落下してきたトラクターの 下敷きになり死亡。 ○平成25年6月5日(8:00頃) ○年齢51歳 (原因) 不安定な状況下での不慣れな農機の操作ミス が原因と考えられる。 (対策) 積み下ろしは平坦な場所で、足場板はしっかり と安定して掛け、常に足回りの状況を確認しなが ら、慎重に行う。またできれば、付添人に見ても らう。 【神戸市】 農道で横転したトラクターの下敷きになり 死亡。車体前部と地面の間に頭を挟まれた状態 で発見。 ○平成27年4月29日(11:00頃) ○年齢34歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。 【豊岡市】 トラクターのロータリーに巻き込まれた状 態で発見。頭部や腕を挟まれて死亡。 ○平成29年4月 19 日(14:25頃) ○年齢80歳 (原因) 油断もしくは操作の慣れによる操作ミスが原 因と考えられる。 (対策) 的確な操作、安全確認の励行等を常日頃から習 慣づける。

(7)

2. 農作業安全に関する意識 (1)平成 29 年度アンケート調査の分析結果 (回答数:188) ○事故経験者は8%、身近な事故は 30%が経験。 ○機種ではトラクターによる農作業事故が最も多く、その原因の多くは不注意による。 ○安全フレーム・キャブが装備されているトラクターの使用が 87%を占めるが、それに対 しシートベルトの着用は 19%に留まる。 図1 本人の農作業事故経験 図2 周囲での農作業事故見聞 図3 農作業事故の原因 図4 トラクターの安全キャブ・ フレーム装備状況 (件)

(8)

図5 シートベルトの着用状況 図6 シートベルトを着用しない理由 図7 農作業安全チラシの認知度 図8 農作業安全講習会参加経験 図9 農作業安全対策の取組状況 (件)

(9)

(2)安全な農作業を実施するための取組(アイデア・意見)抜粋 ○安全講習会の開催 ・安全講習会等の回数増加、参加人数増加、定期的開催など ・市町ごとや集落ごとによる安全講習会の開催 ・事故事例研究、職場での検討会の実施、安全教育の推進 ・事故事例とその対策の周知 ・安全作業意識の向上(体調管理、作業機の安全使用等) ・安全作業に関するDVDなどの活用 ・地区での安全ミーティング(正しい取扱方法等の話し合い強化) ・農業機械販売会社、JA 等による安全指導の徹底。 ・一人一人への意識付け。 ・手本となるべきリーダーの育成。 ○運転技術の向上 ・運転技術向上に係る研修会 ・運転技術研修会の定期的開催 ・運転技術研修会への参加義務化 ・特に兼業農家を対象とした研修会の開催 ・メーカーによる個別指導 ・農作業機械全般の機能や仕組みに関する講習の開催 ・運転免許講習会の開催を年に複数回開催 ○機械の安全性向上 ・より安全な農業機械の開発(安全装置の更なる充実、操作性の向上) ・機械操作の標準化。(機械により操作が異なり迷う) ・女性も乗りやすいトラクターの開発(座席の移動を大きく出来る、ヘルメットを付けなく ても安全なトラクター) ・トラクター転倒通報アプリの普及 ・アプリで農作業事故の情報等を流す。 ・不適切な使用をしたときに、ストップする機能の付加 ・安全対策(シートベルトなど)をしていないと、アラームが鳴って注意喚起をしてくれる 装置 ・無人で機械が動くのを防止。 ・古い機械は安全面で問題があるが、安全キャブも高価。もう少し安価にするか、代替の安 全パーツが必要。 ・トラクターが一番危ないので、安全フレーム装備やシートベルト着用の徹底 ・トラクターについても3点式のベルトであれば効果があると思う ・小型トラクターにも安全バー設置を義務付けてはどうか ・コンバイン及び田植機の後方確認用ミラーを設置しては。(後ろは見えにくく、壁のため

(10)

よくぶつける) ・左右以外にもっとミラーが欲しい。 ・大型トラクターのブレーキ装置(意図してのアンロック)の小型車への普及 ○高齢者対策 ・年齢相応の行動を取る ・高齢者の農作業が多いため、更なる安全対策が必要。 ・高齢者を対象とした安全講習会の実施(高齢というのもあるが、長年の経験で自信過剰に なり、事故率が高いのでは) ・高齢者が集まる場所での呼びかけ ・シートベルト着用の啓発。していない高齢者が多い。 ・高齢者の安全講習受講の義務化 ・高齢者の運転の制限 ・70 歳以上の人は、(技術向上研修会など)講習を受けないと罰金制にしてみれば。 ○法令関係 ・法令遵守 ・安全ルールをいかにして守る、守らせるかが重要 ・シートベルト着用の義務化 ・シートベルトだけでなく、ヘルメットを被ってトラクターに乗ることを義務化 ○啓発資材等 ・啓発パンフレット、ステッカー等の配布 ・安全ポスターの掲示、標語の掲示(営農倉庫)。 ・安全講習 DVD 等の配布 ○確認、点検、ミーティング等 ・機械の点検、安全確認 ・農作業前に作業手順や始業点検を必ず行う、KYK 活動(危険予知訓練) ・農作業前後の安全ミーティング、安全確認 ・点検・整備時は、必ず機械を止めて実施する。使用前に点検する。 ・定期的な点検、整備。(消耗品のメーカー確認なども) ・作業者全員による作業内容の確認。 ・農作業責任者の(安全対策)指示に従うことの大切さ。 ・合図確認、計画的な作業 ・会社では、朝礼、定例ミーティング等で資料を作り報告。また、会議等で議題として協議 している。 ・会社で事故者講習会(運転免許更新時のような)を実施。→無事故者は非参加(早く帰宅 可)

(11)

○意識、心がけなど ・研修で学んだことを地域でいかしていく ・作業員がお互い注意し、事故が起きないよう注意している。 ・適度な休憩を常に意識し、疲労をためない ・安全運転を心がける、常に安全確認を心がける習慣を身につける ・作業時、周囲・足下に注意 ・心の準備。危険な物、機械を取り扱っていることを頭に置いて操作することを自覚する。 ・農作業を「なめたらいかん」との心構えがまだまだ不足。気の緩みが事故につながると考 える。 ・いつでも止められる心持ち。 ・危ないところは入らない ・計画性、ゆとりを持った農作業を ・急がない、無理をしない ・代表者が休憩をしっかり取るよう指導。 ・ほ場の出入りはゆっくりと行う(悪路) ・危険予知。体調管理 ・保護具の着用。 ・シートベルト、ヘルメット等着用。 ・無理な体勢での作業、体調不良での作業は避ける。 ・分かっていること、知っていることを実践していく。 ・近所の人などとコミュニケーションを取る。 ○その他 ・最低2人以上での作業を徹底。 ・農作業安全見守り隊を作り、定期的に農家を見回る。 ・若い世代の育成 ・事故の報告、注意点等を一般に知らせて欲しい。(JA 報告書等) ・農道の整備 ・草刈り、出入口の整備 ・機械倉庫の整理整頓の実施。5S の出来ている職場は怪我が少ない。 ・危険予知訓練の徹底(各グループで)。 ・ビニールハウス内の場合など、農作業する場所の予想気温を発表する等。

(12)

3.農作業安全対策 (1)農業機械の安全性の向上 ○機械の安全装備 ・乗用型トラクターの安全キャブ・フレーム、片ブレーキ防止装置 ・自脱コンバインの手こぎ部の緊急即時停止装置 ・刈り払い機のトリガー式スロットルレバー、飛散物防護カバー (2)農業者の意識、知識、技能の向上 ○危険箇所の把握 ○服装・保護具の着用等 ○機械の点検・整備・管理 ○労災保険の特別加入制度の活用 ○農作業安全に関する情報 農林水産省HP…農作業安全リスクカルテ、農作業事故防止活動マニュアル等 農作業安全情報センターHP…農作業安全 e-ラーニング、安全啓発情報等 4.兵庫県の取り組み (1)地域における農作業安全対策(県民局段階) ○農業協同組合、農業機械士等の参画を得て、農作業安全の推進体制を整備 ○農作業安全月間を設定し、農作業事故が多発する時期に防止運動を重点的に実施 ○農業機械安全操作技術講習会等を実施(春の田植え作業や秋の収穫作業前) (2)県域における農作業安全対策 ○指導農業機械士・農業機械士の養成、認定 ○農作業事故調査(死亡小票調査、農作業安全意識調査アンケートなど) ○農作業安全啓発資料の作成、配布 ○農作業安全指導技能向上研修会を開催し、農作業安全指導者を養成 地 域 別 期別 農作業安全月間 区 分 該当農林(水産)振興事務所等 県北部 豊岡、朝来、丹波 春期 4月 25 日~5月 24 日 秋期 8月 21 日~9月 20 日 県南部 神戸、阪神、加古川、加東、姫路、光 都、洲本 春期 5月 25 日~6月 24 日 秋期 9月 11 日~10 月 10 日 農作業安全管理者の主な役割 ・地域における農作業安全の啓発、指導 ・オペレーター等、農業機械使用者への農作業安全指導 ・農業機械の点検、操作にかかる指導

参照

関連したドキュメント

内部に水が入るとショートや絶縁 不良で発熱し,発火・感電・故障 の原因になります。洗車や雨の

注意事項 ■基板実装されていない状態での挿抜は、 破損、

   がんを体験した人が、京都で共に息し、意 気を持ち、粋(庶民の生活から生まれた美

【その他の意見】 ・安心して使用できる。

本事業を進める中で、

○杉田委員長 ありがとうございました。.

2) ‘disorder’が「ordinary ではない / 不調 」を意味するのに対して、‘disability’には「able ではない」すなわち

きも活発になってきております。そういう意味では、このカーボン・プライシングとい