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電気駆動系主要設備両性主な用途制御用車表 1 西日本鉄道 9000 形通勤形直流電車 車両諸元 会社 車両形式 西日本鉄道 9000 形 使用線区 天神大牟田線 軌間 ( mm ) 基本編成両数 2 両 3 両 使用線区の最急勾配 35 用途 通勤用 電気方式 直流 1500 V 車体製

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Academic year: 2021

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西日本鉄道 9000 形通勤形直流電車

※杉

すぎ

やま

 明

あき

ひさ

  ※石

いし

ばし

 正

まさ

  ※※石

いし

まる

 智

とも

ひこ

  ※横

よこ

 正

まさ

 

写真 1 外観 要旨 西日本鉄道株式会社(西日本鉄道)は、福岡市中央区天神から大牟田市までを結ぶ天神大牟田線(総路線長 95.1 ㎞)と福岡市東区貝塚から新宮町までを結ぶ貝塚線(路線長 11.0 ㎞)との 2 路線を保有している。このたび、西日 本鉄道では、天神大牟田線に 3000 形以来約 11 年ぶりとなる新形車両 9000 形を導入した。 この車両は、主回路システムに 3000 形で実績のあるトリプルモードを搭載して、故障に対する冗長性を向上 させたほか、次世代半導体素子 SiC を採用したインバータを用いることで , より一層の省エネルギー化を図って いる。客室内は、今まで以上に快適にご乗車いただけるよう座席幅を拡大し、側窓に UV カットガラスを採用し ている。また、車内案内表示器を一新して、お客さまへ多様な情報を提供するなどサービス向上も図っている。 以下に、その概要を紹介する。 (編集部注:3000 形は本誌 232 号 2006 年 9 月参照) 1 はじめに 西日本鉄道天神大牟田線は、福岡市中心部の天神を起点 に久留米市及び柳川市を経由して大牟田市までを結ぶ天神 大牟田線本線(74.8 ㎞)のほか、太宰府天満宮及び九州国立 博物館へのアクセスに便利な太宰府線(2.4 ㎞)、朝倉市に 通じる甘あ ま木ぎ線(17.9 ㎞)で構成されている。 天神大牟田線の 5000 形は、1975 年から 1991 年までに 136 両を導入した車両で、同一形式としては当社でもっと も多い主力車両である。導入後は、座席拡幅工事、座席バ ケット化、車椅子スペース設置及び外ほろ(転落防止ほ ろ)設置など旅客サービス向上のために様々な改造工事を 実施してきた。また、近年では、主抵抗器の更新工事を実 施している。 しかしながら、5000 形は、運用開始から 40 年の歳月が 経っており、老朽化してきたことから、新形車両 9000 形 ※  西日本鉄道㈱ 鉄道事業本部 運転車両部 車両課 ※※ 西日本鉄道㈱ 鉄道事業本部 運転車両部 車両課(現:鉄道事業本部 運転車両部 車両整備課) 写真 2 室内

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会社・車両形式 西日本鉄道㈱・9000 形 使用線区 天神大牟田線 軌間(㎜) 1 435 基本編成両数 2 両、3 両 使用線区の最急勾配 35‰ 用途 通勤用 電気方式 直流 1500 V 車体製作会社 川崎重工業㈱ 製造初年 2017 年 台車製作会社 川崎重工業㈱ 製作両数 18 両 主回路装置製作会社 ㈱東芝 車両技術の掲載号 254 基本編成及び 主な機器配置 凡例 ●;駆動軸 ○;付随軸 VVVF;主制御装置 SIV;補助電源装置 CP;空気圧縮機    BT;蓄電池 < >;パンタグラフ ◎;車椅子スペース(優先スペース)    連結器 ▽;密着 -;永久 ※;電気連結器 編成質量(t) 87.8(3 両編成)、63.5(2 両編成) 編成定員(人) 386(3 両編成)、248(2 両編成) 個別の車種形式 ク 9000 モ 9300 ク 9500 モ 9100 ク 9500 車種記号(略号) Tc1 M Tc2 Mc Tc 空車質量(t) 26.0 34.6 27.2 36.3 27.2 定員(人) 124 138 124 124 124 うち座席定員(人) 40 48 40 40 40 特記事項 電気駆動系主要設備 集電 装置 形式 / 質量(㎏) PT7157-B / 125 方式 シングルアーム式パンタグラフ 主制御装置 形式 / 質量(㎏) SVF108-A0 / 1 230 方式 2 レベル三相電圧形 PWM イ ンバータ方式 制御容量(kW) 700 主電動機 形式 / 質量(㎏) SEA - 443 / 650 方式 三相かご形誘導電動機 1 時間定格(kW) 175 回転数(min-1 2 080 特記事項 全閉外扇 絶縁種別 H 種 最大 限流値 力行(A) 944 ブレーキ(A) 880 電気ブレーキの方式 回生ブレーキ 補助電源設備 補助電 源装置 形式 / 質量(㎏) SVF108-A0 / 1 230 方式 2 レベルインバータ方式 出力 交流 200 V 112 kVA 直流 100 V 8 kw 蓄電池 種類 / 質量(㎏) 電車用制御弁式鉛蓄電池 / 170 容量(Ah) 43(5 時間率) 主な用途 制御用 車両性能 最高運転速度(㎞/h) 110 加速度(m/s2 0.69(2.5 ㎞/h/s) 減速度 (m/s2 常用 0.97(3.5 ㎞/h/s) 非常 1.11(4.0 ㎞/h/s) 編成当りの 定格 編成構成 1M2T、1M1T 出力(kW) 700 引張力(kN) 101.6(3両編成)、71.2(2両編成) ブレーキ制御方式 電気指令式空気ブレーキ (回生ブレーキ併用・応荷 重・直通予備ブレーキ付き) 制御回路電圧(V) 直流 100 V 抑速制御 - 非常時運転条件 同一荷重条件の起動不能列 車を連結して、起動・推進 が可能。 その他の運転条件 SIV 故障時に、VVVF 装置 が CVCF 制御可能。VVVF 故障時に SIV 装置が VVVF 制御可能。 保安設備 運転保安装置 点制御連続速度照査方式 列車無線 空間波無線装置(単信通話式) 表 1 西日本鉄道 9000 形通勤形直流電車 車両諸元

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その他の主要設備 主幹制御器 形式/質量(㎏) KC176-A0 / 27 方式 T 形ワンハンドル 速度計装置 直動式指示計 車両情報制 御システム モニタ装置 双方向ループ形デジタル伝送方式 モニタ表示器 液晶カラーモニタ 標識灯 前部標識灯 白色 LED 後部標識灯 赤色 LED その他 オレンジ色 LED(標識灯) その他 - 空気ブレーキ設備 電動 空気圧縮機 形式/質量(㎏) MBU321B / 406 圧縮機容量 1 155 ㍑/min 圧縮機方式 スクロール式 空気タンク 元空気タンク 140 ㍑× 3(2 両編成は 2) 供給空気タンク 95 ㍑、予備タンク 39 ㍑ ブレーキ 制御装置 形式/質量(㎏) MBSA 台     車 形式 動台車 KW-161C 付随台車 KW-162C 車体支持装置 ボルスタレス式 けん引装置 1 本リンクけん引方式 枕ばね方式 空気ばね 上下枕ばね定数 / 台車片側(N/㎜) 動台車 380 付随台車 380 軸箱支持方式 軸はり式 軸ばね方式 コイルばね 上下軸ばね 定数 / 軸箱 (空車時) (N/㎜) コイルばね 動台車 769 付随台車 710 ゴムばね 動台車 19 613 付随台車 19 613 総合 動台車 740 付随台車 685 軸距(㎜) 2 100 台車最大長さ(㎜) 先頭台車:3 480、中間台車:3 014 車輪径(㎜) 新製時:860 計算用:820 基礎 ブレーキ 動台車 ユニットブレーキ 付随台車 ユニットブレーキ ブレーキ倍率 3.5 制輪子 動台車 合成制輪子 付随台車 合成制輪子 ブレーキシ リンダの数 動台車 4 付随台車 4 駆動方式 平行カルダン 歯数比(減速比) 6.21 継手 TD 継手 軸受 密封複式円筒ころ軸受 質量(㎏) 動台車 先頭台車:6 377、中間台車:6 279 付随台車 先頭台車:4 043、中間台車:3 947 車両間連結装置 先頭部 密着連結器 中間部 永久連結器 記事 車体の構造・主要寸法・特性 構体 材料 ステンレス鋼 構造 溶接構造 車両の 前面 材料 鋼製 形状 常時貫通形 運転室の構造 全室 客室の 内装材 天井 アルミニウム樹脂積層複合板など 側・妻 アルミニウム樹脂積層複合板など 床 塩化ビニル系床敷物 長さ (㎜) 先頭車 19 000 中間車 19 000 連結面 間距離 (㎜) 先頭車 19 500 中間車 19 500 心皿間距離(㎜) 13 000 車体幅(㎜) 2 714 高さ (㎜) 屋根高さ 3 715(先頭車)、3 690(中間車) 屋根取付品上面 4 165(パンタ折り畳み高さ) 床面高さ(㎜) 1 180 相当曲げ剛性(MN・m2 相当ねじり剛性(MN・m2/rad) 固有振動数(Hz) 曲げ:  ねじり:  主な旅客設備 側窓 下降式、固定式 側扉 構造 両引戸 幅 1 300 ㎜ 片側数 3 戸閉め 装置 形式 Y4N-A 方式 単気筒複動式 妻引戸 片引戸 幅 800 ㎜ 腰掛 ロングシート 空調換気システム 空調装置 形式 / 質量(㎏) RPU-11022 / 610×1 台 方式 屋根上集中式 容量(kW/ 両) 46.5 暖房装置 方式 シーズ線ヒータ 容量(kW/ 両) 先頭車:10.8 中間車:12.4 換気方式 自然換気 風方式 天井ダクト:ラインフローフ ァン吹き出し+横流ファン 室内灯 照明方式 直接照明 灯具方式 LED 非常通報装置 対話式 客室 3 か所、運転室 1 か所 車内案内表示 17インチLCD(12画面 / 両) 放送 設備 車内向け スピーカ 6 台(自動放送付き) 車外向け スピーカー 4 台 行先 表示器 前面 フルカラー LED 側面 フルカラー LED 主な移動等 円滑化対応設備 車椅子スペース、扉開閉動 作ランプ、ドアチャイム、 転落防止ほろ、転落防止案 内放送(先頭車) 便所 主な設備 - 汚物処理 - その他 -

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め)

図 2-1 形式図 ク 9000(Tc1)

め)

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め)

図 2-3 形式図 ク 9500(Tc、Tc2)

め)

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を導入し、置き換えを図ることとした。 2 編成及び車両性能と主な特徴 車両構成は 3 両及び 2 両の固定編成とし、3 両編成は大 牟田寄りから Tc1 車のク 9000、M 車のモ 9300、Tc2 車の ク 9500、2 両編成は Mc 車のモ 9100、Tc 車のク 9500 で 構成している。最高運転速度は 110 ㎞/h、加速度は 0.69 m/s(2.5 ㎞/h/s)、減速度は常用ブレーキが 0.97 m/s2 (3.5 2 ㎞/h/s)、非常ブレーキが 1.1 m/s(4.0 ㎞/h/s)である。2 3 デザイン 3.1 エクステリアデザイン エクステリアデザインは、7000 形以降のイメージを踏 襲し、左右対称のパノラミック窓を採用している。側面 は、安定感のある横のラインで構成し、歴代車両の赤帯を モチーフにしてワインレッドの帯を配置している。先頭部 は、貫通扉をカラーリングの基軸として、躍動感のある縦 のラインで構成し、前に進む力強さと、次世代車両として の新しさとを表現している。 3.2 インテリアデザイン 客室内は、白を基調とした明るく清潔感のある色調と し、ガラスを多用することで、見通しを良くするだけでな く、開放感のあるインテリアとしている。 床敷物は、“水の流れ”をイメージしたデザインを採用し ている。これは、天神大牟田線の沿線には多数の川や無数 の水路が存在し、それらの上を縦断する姿を模している。 また、床敷物の“水の流れ”の両側に 2 本のラインがある が、これは着席時の足の投げ出し防止の心理的効果(つま 先がこのラインを越えて出ないように)を狙ったものであ る(写真 2 を参照)。 4 車体構造 4.1 主要寸法 車体の割付は、3000 形と同様で、側出入口を片側に 3 図 3 車体断面

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か所設けている。全長(連結面間距離)は、従来車と同様の 19 500 ㎜である。全幅(車側灯間)は、2 760 ㎜、車体幅は 3000 形と比較して 10 ㎜小さい 2 714 ㎜、屋根高さは 4 091 ㎜、パンタグラフ折り畳み高さは 4 165 ㎜、床面高さは従 来車と同様の 1 180 ㎜である。 4.2 構体 構体は、ステンレス鋼を採用し、塗装を省略することで メンテナンスコスト及び環境負荷の低減を図っている。妻 構体の外板は、スポット溶接で取り付けているが、側構体 の外板(厚さ 2 ㎜ SUS304)は、3000 形と同様にレーザ溶 接で組み立て、歪ひずみの少ないきれいな仕上げを実現してい る。 また、先頭部構体は、事故などでの補修を考慮し、ステ ンレス鋼と比べて保守が容易な普通鋼を採用している。 5 客室 5.1 客室構造 天井構造は、車体中央部の長手方向(レール方向)に軸流 ファン及び車内放送用スピーカを設置し、その両側に空調 ダクト(下部に整風板)を設置した。また、整風板の両側に 直管形の LED 照明を配置し、側天井には B4 サイズ及び B3 サイズの広告が入るポスターレールを設置した。 側天井及び内張板には、平滑性、軽量性、剛性、耐久性 及び加工性に優れたアルミニウム合金樹脂積層複合板を採 用した。 床構造は、厚さ 0.6 ㎜のキーストンプレート(SUS304) の上にエポキシ樹脂製の床詰め物を施工し、その上に厚さ 3 ㎜の塩化ビニル樹脂製床仕上げ材を接着している。 5.2 室内設備 腰掛は、通勤輸送を考慮してロングシートを採用し、出 入口間には、9 人掛の一般席を配置している。3 席ごとに 握り棒(スタンションポール)を設置することで、お客さま が立ち上がる際の補助とするだけでなく定員着席を促し て、より多くのお客さまが座ることができるように配慮し た。また、車端部には、4 人掛の一般席及び優先席を配置 している。腰掛の特徴は、一般席及び優先席とも片持ち式 構造で、腰掛の形状はバケットシートタイプを採用し、幅 を一人当たり 470 ㎜に拡大している。 座布団は、臀で ん部ぶよりも膝部を高くすることで、足の投げ 出し防止を図っている。なお、座面の角度は、幾つかの傾 斜を付けたサンプルの腰掛を作成し、実際に着座したうえ で検討した。角度が浅すぎると足の投げ出し防止効果が不 十分であり、逆に深すぎると足の投げ出し防止に効果はあ るが、立ち上がる際に力が必要となる。最終的に、当社と して適切な角度を決定することができたと考えている。 腰掛の両端には、アルミニウム形材及び強化ガラスで構 成した大形袖仕切りを採用し、万一の事故時における、立 っているお客さまと座っているお客さまとの安全性に配慮 している。袖仕切りの一部にガラスを採用することで、見 通しの良い車内を実現している。 荷物棚は、アルミニウム合金鋳物製の荷棚受、ステンレ ス・クラッド鋼管の荷棚棒で構成しており、一番手前の荷 棚棒は、直径 30 ㎜、高さ 1 740 ㎜の位置にあり、握り棒 の役割も兼ねている。 5.3 窓及び扉 側窓は、出入口間に固定窓及び開口寸法 400 ㎜の下降窓 を 1 枚ずつ、車端寄りに固定窓を 1 枚配置した。寸法は、 出入口間が高さ 900 ㎜、幅 1 460 ㎜、車端寄りが高さ 900 ㎜、幅 1 145 ㎜としている。 側窓には、強化 UV カットガラスを採用し、紫外線透過 率を低減させることで、車内サービスの向上を図ってい る。また、ポリエステル製の巻き上げカーテンを設置して おり、日差しが強い時にはこれを使用することができる。 側引戸は、両開き機構で開口幅は 1 300 ㎜としている。 側引戸の表板は、車外・車内ともステンレス製で、側窓と 同様の強化 UV カットガラスを採用し、ダイレクトグレー ジング方式(ボンディング方式)で取り付けている。 9000 形では、従来の車両に設置していた妻窓を廃止し たが、閉塞感が出ないように貫通路部を左右に拡大し、強 化ガラス製の妻引戸を採用した。また、妻引戸の両側にも ガラスを採用して、車内の見通しを良くするだけでなく、 開放的な車内を実現している。妻引戸の開閉装置は水平レ ール式で、ぜんまい巻取式のドアクローザ機構を有し、開 閉時の減速(衝撃吸収)装置は、エアクッションを採用して いる。 この妻引戸は、貫通路を移動するお客さまの衝突防止を 目的として、床面と同様に水の流れをイメージしたシール を貼っている。なお、このシールは飛散防止を目的として 全面に施工している。 5.4 バリアフリー・ユニバーサルデザイン対応設備 車椅子スペースについては、従来車が 1 編成当たり 2 か 所であったのに対し、9000 形は 1 両当たり 1 か所設置し た。また、“優先スペース”は、座席とつり手の色を変更す るだけでなく、床仕上げ材の色を一般部と区別すること で、優先席及び車椅子スペースであることが明確にわかる ようにしている。手すりは車椅子をご利用になるお客さま だけでなく、ベビーカーをご利用になるお客さまやお子さ まも容易につかめるように、2 段化した手すり(上段高さ 950 ㎜、下段高さ 715 ㎜)を採用している。 側かもい点検ふたには、ドアチャイム及び扉開閉動作表 示灯を設置し、安全性の向上を図っている。このランプ は、ドアチャイムと同様に、側引戸が開閉する際に作動 (点滅)する。 側引戸の戸袋側に黄色のテープを貼ることで、扉が開く 写真 3 ガラス製妻引戸と優先スペース

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付き) め め ボ タン 前部標識灯 後部標識灯 予備 ボ タン タン 直通 4 運転室機器配置 写真 4 運転台

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5 床下機器配置 直流変圧器 め き) 直通 b)  床下機器配置 モ 9300 (M) め 直通 き) き) a)  床下機器配置 ク 9000 (Tc1)

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5 床下機器配置 (続き) め 付 き) 付 き) ( Tc3のみ ) c)  床下機器配置 ク 9500 (Tc、Tc2) 付 き) 直流変圧器 め 付 き) 直通 d)  床下機器配置 モ 9100 (Mc)

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際の手荷物などの巻き込み防止の注意喚起を図っている。 また、出入口の足元にも黄色のテープを貼り、床仕上げ材 とのコントラストを高めることで乗降時の視認性を高めて いる。 6 運転室設備 主幹制御器は、ワンハンドルタイプで、ハンドル部分に はデッドマンスイッチを内蔵しており、従来はハンドル全 体を手で押す方式であったのに対し、9000 形ではハンド ルを握る方式を採用している。また、ロータリエンコーダ を 2 台搭載しており、それぞれに自己診断機能を持たせ、 待機二重系とすることで、故障に対する冗長性を高めてい る。さらに、ハンドル解除の方法を従来のレバーサによる ものから、マスコンキーへと変更している。 主幹制御器の左側には、列車無線操作器、右側には非常 通報受報器を配置して、非常通報受報器の下側に集電装置 の昇降ボタンを設置している。また、警笛は 2 段式足踏み 笛弁を採用し、軽く踏み込むと電子警笛、強く踏み込むと 空気笛が鳴動する仕組みとしている。前部標識灯の上下切 換スイッチは、従来の足踏みスイッチ式から主幹制御器へ 空調装置 図 6-1 屋根上機器配置 ク 9000(Tc1) 空調装置 WiMAX 図 6-3 屋根上機器配置 ク 9500(Tc2) 空調装置 主ヒューズ SIVヒューズ 図 6-2 屋根上機器配置 モ 9300(M) 空調装置 主ヒューズ SIVヒューズ 図 6-4 屋根上機器配置 モ 9100(Mc)

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移設したこと、2 段式足踏み笛弁を採用したことで、運転 台の足元をシンプルな構造とした。 車掌台については、車内放送の音量レベル計を設置する ことで、車掌の案内する音量がインジケータによって視覚 的に判断できるようにしている。 運転台及び車掌台の前面窓は、厚さ 9.1 ㎜の合わせガラ スを採用し、板厚 4.0 ㎜の曲面ガラスと中間膜で構成して いる。内側のガラスは、2 ㎜ピッチで電熱線を配置した防 曇ガラスとしている。また、貫通路の前面窓は、厚さ 6.8 ㎜の合わせガラスを採用し、板厚 3.0 ㎜、3 ㎜ピッチで電 熱線を配置している。 前面窓の下部には、先頭デザインに合せて前部標識灯及 び後部標識灯を縦に配置している。前部標識灯は、片側 16 個の LED で構成し、ハイビーム時は全灯、ロービーム 時は上側 8 個だけが点灯する。また、窓ふき器(ワイパ装 置)は運転台と車掌台に配置し、雨天時などにおける視認 性確保を図っている。 7 機器配置 7.1 床下機器配置 床下機器配置は、主制御装置及び補助電源装置を電動車 に集約するなど 3000 形を基本としているが、床下ぎ装ス ペースを確保するため、ブレーキ指令器を床下から乗務員 室に変更したほか、保安ブレーキ(直予備ブレーキ)装置及 び複式逆止弁をブレーキ制御装置(ブレーキ作用装置)箱と 一体化する構造を採用している。また、滑走防止装置を設 置することで、車輪の滑走とフラットの防止とを図ってい る。 7.2 屋根上機器配置 集電装置などの屋根上機器配置は、3000 形を基本とし ているが、列車無線アンテナの位置を変更している。ま た、防護無線アンテナを運転室から屋根上へ変更してい る。福岡寄り先頭車の Tc 車及び Tc2 車には、WiMAX 用 アンテナの準備工事を実施している。 7.3 車両間設備 車両間には貝塚線車両に使用しているタイプと同様の外 ほろ(転落防止ほろ)を設置している。先頭部間の連結時の 転落防止対策には、音声案内を用いている。この音声案内 はドア開条件で鳴動し、電子警笛と同じスピーカから出力 している。また、警報スピーカは、周囲の騒音を測定し て、音量を切り替える仕様としている。 8 主要機器 8.1 主制御装置及び補助電源装置 主制御装置は、補助電源装置と一体箱とし、主回路の構 成は、3000 形で実績のあるトリプルモード(通常走行時の 1C2M-VVVF 制 御 の ほ か に、1C4M-VVVF 制 御、CVCF 制御の三つの制御モード)を 2 両編成及び 3 両編成の電動 車に搭載して、故障に対する冗長性を向上させた。 制御方式は、2 レベル・ベクトル制御 VVVF インバー タ方式で、主電動機電流の瞬時値制御を行うことによっ て、電流制御の高速応答性と制御安定性とを向上させてい る。また、IGBT モジュール内部のダイオード部に次世代 半導体素子である SiC を採用している。 SiC の採用によって、インバータのスイッチング動作周 波数を高速化し、かつキャリア分散方式を採用して起動時 の低騒音化を実現している。また、高速域での多パルス化 によって主電動機効率向上を図っている。SiC 素子は、定 格 3 300 V 1 500 A の大容量素子を適用し、インバータ 容量に対して部品点数の大幅な削減、損失の低減及び小形 軽量化を図った。 補助電源装置は、2 両編成及び 3 両編成ともに出力電圧 は交流 200 V、出力周波数は 60 Hz、120 kVA の容量を備 え、空調装置、電動空気圧縮機、照明装置などへ電源を供 給している。 8.2 主電動機 主電動機は、1 時間定格 175 kW の三相かご形誘導電動 機で、冷却方式を全閉外扇方式とすることで、低騒音化並 びに内部への塵埃の侵入防止を図っている。また、センサ レス制御を採用することで、速度センサの点検を不要とし ている。主電動機をすべて分解することなく、軸受部ユニ ットだけを交換することができる非分解軸受交換構造を採 用し、保守の省力化を図っている。また、SiC を採用した VVVF インバータと最適な設計とすることで、消費電力 の削減を図っている。 8.3 集電装置 集電装置は、3000 形と同じくシングルアーム式を採用 しており、主構造に変更はないが、かぎ外し装置を“電磁 かぎ外し方式”に変更した。電磁かぎ外し方式にすること で、かぎ外し部の引き棒及び引きひもを省略している。 8.4 ブレーキ装置 ブレーキ装置は、回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレ ーキを採用している。ブレーキ系統は常用、非常及び保安 ブレーキの 3 系統で構成している。 写真 6 主電動機(SEA-443) 写真 5 主制御装置(SVF108-A0)

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(1) 常用ブレーキ 常用ブレーキは、回生ブレーキ力を最大限活用するた め、回生ブレーキを優先して T 車のブレーキ力も付加す る T 車優先遅れ込め制御を採用している。以下に、常用 ブレーキの動作経路を説明する。 ①  主幹制御器から出力されたブレーキ指令を、ブレー キ受信装置に入力する。ブレーキ受信装置は、ブレ ーキ指令に空気ばね圧力からの荷重信号を加えて、 VVVF 制御装置へ回生ブレーキ量の指令を送る。 ②  この指令に対して VVVF 制御装置は、実回生量を ブレーキ受信装置へフィードバックする。 ③  ブレーキ受信装置は、フィードバック情報を演算 し、回生ブレーキ力が不足している場合は、まず T 車に空気ブレーキを付加し、T 車が指令ステップに 応じた最大圧力になれば M 車に空気ブレーキを付 加する。 ④  回生ブレーキで不足するブレーキ力は、空気ブレー キへの指令電流としてブレーキ作用装置内の電空変 換弁で指令圧力に変換し、中継弁、滑走防止弁を経 由してユニットブレーキへ出力する。 (2) 非常ブレーキ 非常ブレーキは、常時励磁方式電磁弁が消磁することで 作用するフェイルセーフのシステムとしており、応荷重機 能をもつ一段ブレーキとしている。この電磁弁が消磁する 条件は、主幹制御器の非常ブレーキ操作以外に、非常スイ ッチの操作、ATS による非常ブレーキ指令、デッドマン 装置の動作、ブレーキ力不足検知、元空気タンク管圧力低 下などがある。 (3) 保安ブレーキ(直通予備ブレーキ) 保安ブレーキは、運転室のスイッチ操作によって作用 し、空気源からブレーキ作用装置までは、常用及び非常ブ レーキとは独立した機器で構成している。常時消磁方式電 磁弁を励磁することによって作用する一段定圧空気ブレー キを採用し、応荷重制御は有していない。 (4) 滑走制御 滑走防止の制御は、ブレーキ受信装置(T 車の場合は、 滑走制御装置)に各軸速度信号を取り込んで滑走を検知 し、滑走防止弁の供給電磁弁及び排気電磁弁を ON-OFF 制御して、BC 圧力の供給、重なり及び排気を行う。 滑走のない状態では、供給電磁弁及び排気電磁弁とも OFF となっているため、BC 圧力をユニットブレーキに供 給する。滑走を検知すると供給電磁弁及び排気電磁弁とも ON となり、滑走防止弁が排気位置となって、BC 圧を排 気し車輪の再粘着を促進させる。滑走検知後、BC 圧力排 気又は再供給過程において、BC 圧力を一時的に滑走前よ りも低く保つ場合は、供給電磁弁だけ ON となって、BC 圧力は任意の圧力となって保たれる。なお、滑走制御は、 常用ブレーキ及び非常ブレーキを対象としており、保安ブ レーキは対象外である。 8.5 電動空気圧縮機 電動空気圧縮機は、低騒音・低振動のスクロール方式を 採用している(理論吐出量 1 155 ㍑/min)。また、アフタク ーラ、除湿装置、起動装置などの周辺機器と圧縮機本体と を一体箱として、省スペース化及び軽量化を図っている。 1 台の装置内に 2 台の圧縮機を搭載して、冗長性の向上を 図るとともに、圧縮機を順次起動させることで起動電流を 低減させている。 保護機能として、油温異常、吐出空気温度異常、圧力異 常、過電流を検知し、装置の停止及び安全弁を作動する機 構を採用している。 8.6 蓄電池 蓄電池は、定格容量直流 100 V 43 Ah(5 時間率)の制 御弁式鉛蓄電池(陰極吸収式シール形)を採用し、Tc 車及 び Tc1 車に搭載している。 8.7 空調装置及び暖房装置 空調装置は、3000 形と同様な屋根上集中式を採用し、 冷房能力は 1 台当たり 46.5 kW(40 000 kcal)とした。環境 を考慮して、冷媒にオゾン破壊係数 0 の代替冷媒 R-407C を採用したほか、室外送風機ファンを空力特性に優れた形 状とすることで、騒音の抑制を図っている。 制御方法は、設定温度と各車両に設置している温湿度セ ンサの情報とに基づいて、各車ごとにマイコン制御してい る。また、運転モードは“冷房”、“除湿”、“暖房”、“送風”、 “強扇”及び“弱扇”があり、運転室に設置されたモニタ装 置から指令を出す仕組みとしている。 暖房装置は、800 W のシーズ線ヒータを 9 人掛座席に 3 台、4 人掛座席に 1 台設置しているほか、優先スペースに は 375 W のパネルヒータ 1 台を設置している。 8.8 戸閉め装置 戸閉め装置は、シリンダ方式に単気筒複動式、両開き機 構に特殊歯付ベルト方式、操作方式に電磁空気式を採用し ている。この戸閉め装置は、電磁弁及び戸閉めスイッチに 小形サイズのものを採用するとともに、シリンダ及び左右 の弁体をアルミ製にすることで、小形軽量化を図ってい る。また、9000 形で採用した戸閉め装置の特徴として、 シール用パッキン類、摺動部品、潤滑用グリスなどの長寿 命化を図っている。 8.9 車両情報制御システム モニタ装置は、双方向ループ形デジタル伝送方式を採用 し、モニタ中央装置を両先頭車の運転室に、モニタ端末機 を中間車妻面機器箱にそれぞれ搭載している。編成内の伝 送を二重化することで、故障に対する冗長性を向上させて いる。システムの主要機能は次のとおりである。 ・室内灯制御、放送制御などの“制御機能” ・ 故障及び車載機器のモニタリングなどの“乗務員支援 機能” ・機器動作の記録、模擬走行などの“検修支援機能” ・車載機器の試験と試験結果とを表示する“試験機能” 8.10 運転保安装置 列車無線装置は、Tc 車及び Tc2 車の妻面機器箱内部に 搭載しており、アンテナはそれぞれの車両の屋根上に設置 している。また、Mc 車及び Tc1 車の妻面及び屋根上に も、列車無線装置を設置できる準備工事を実施している。 列車無線の通信周波数は、3 種類使用しており、送信が 1 種類、受信が 2 種類となっている。また、二つの基地局 から、電界強度が強い方を自動選択する仕組みとしてい る。 将来の拡張機能として、“通告券システム”構築時に車両 側への通告券端末を実装できる仕様としている。

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7 動台車

(KW-161C)

写真

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8 付随台車

(KW-162C)

写真

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10-1 力行性能曲線 (2 両編成 定員) 10-2 力行性能曲線 (3 両編成 定員)

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11-1 ブレーキ性能曲線 (2 両編成) 11-2 ブレーキ性能曲線 (3 両編成)

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8.11 車内案内表示装置 すべての側引戸上部に 17 インチワイド 2 画面(解像度: WXGA 1280×720 画素)の車内案内表示器を設置してお り、左側が静止画及び動画コンテンツを表示する広告用、 右側が行先案内を表示する画面となっている。 広告は、表示器内部に大容量記録メディア(16 GB)を搭 載し、高画質映像データを蓄積することで、動画及び静止 画をシームレスかつ鮮明に表示することを可能としてい る。 行先案内については、次駅、駅設備案内、乗り換え案内 だけでなく、女性専用車両案内、非常ブレーキ動作時の急 停車案内、乗車マナー案内なども表示することが可能で、 お客さまへ“見やすく、わかりやすい”情報の提供を可能と している。 また、将来対応として、運行情報などを表示するための FOMA アンテナ、広告コンテンツを無線伝送するための WiMAX 用アンテナの準備工事を実施している。 8.12 行先表示器 行先表示は、前面及び側面に高輝度、広視野角のフルカ ラー LED 行先種別表示器を設置し、表示器内部の上段に 日本語、下段は 3 ヵ国語(英語、中国語、韓国語)を循環表 示させる仕様としている。モニタ装置からのカレンダ情報 を受信することで、昼間と夜間との(時刻指定による)表示 輝度の切換えが可能である。また、側面の表示器について は、省エネルギーのため、車両が一定速度以上になると消 灯する設定が可能である(常時表示及び任意の速度指定の 設定が可能)。 表示内容のデータは、前面が 400 画面、側面が 200 画面 まで登録可能で、データの更新は運転室に設置しているモ ニタ中央装置からのローディング機能によって、すべての 行先種別表示器のデータ書き換えが可能である。 8.13 放送装置及び非常通報装置 放送装置は、Tc1 車及び Mc 車に放送増幅器及び自動放 送装置を、Tc2 車及び Tc 車に制御増幅器を搭載してい る。自動放送装置は、モニタ装置からの情報によって、案 内放送、発車予告放送、広告放送及び非常ブレーキ放送を 行う。車内及び車外放送は、ドア開閉状態による自動切換 えのほか、手動操作による切換えも可能である。 異常時にお客さまと乗務員との間で連絡がとれる対話式 非常通報装置を 1 両当たり 3 台設置した。また、従来は一 体形であった非常通報装置は、通話器と制御器とを分離す ることで通話器を小形化して、客室内の壁面に格納した。 9 台車 台車は、3000 形と同様な一本リンク式のボルスタレス 台車であるが、ユニットブレーキの採用、滑走防止装置の 設置、増粘着材噴射装置の廃止などを見直し、形式を 3000 形 の KW161B 及 び KW162B か ら KW161C 及 び KW162C に変更している。3000 形と同様に、3 両編成の Tc1 車については将来の電動車化が可能なように、主電動 機受けがある動台車を採用している。 基礎ブレーキ装置は、ユニットブレーキを採用し、従来 の基礎ブレーキ装置と比べて小形化と保守の省力化を図っ ている。M 車及び T 車のてこ機構の共通化を図るため、 ブレーキシリンダの直径を M 車と T 車とで変更(M 車: 165 ㎜、T車:152 ㎜)し、ブレーキ倍率を同一(3.5)とした。 動力伝達装置は、CFRP 製の平板形たわみ軸継手(TD 継手)を採用し、駆動装置の材質には減衰性能に優れた球 状黒鉛鋳鉄(FCD)を選定することで低騒音化を図った。 そのほか、駆動装置の外形を真円形状に変更することで潤 滑性能の向上を図るとともに、駆動装置と台車の接合部分 (つりボルト)にハードロックナットを採用することで、 締め付け力の安定化と作業性の向上を図っている。 10 おわりに 9000 形は 2016 年 10 月中旬に 4 編成 10 両を筑紫工場に 搬入し、各種試験を実施したのち、2017 年 3 月 20 日から 営業運転を開始した。 これまで長らく親しまれてきた 5000 形をはじめとする 既存車同様、9000 形がお客さまをはじめとする沿線の皆 様から末永く愛され続ける車両となることを期待してい る。 最後に、9000 形の設計、製造に関して多大なご助言と ご協力をいただいた関係各位に、誌面をお借りして厚く御 礼申し上げる。 写真 9 2 画面の車内案内表示装置

参照

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