本改訂版では 米国会計基準及び国際財務報告基準 (IFRSs) の変更による改訂や記載の追加 のほか 説例の追加や表現の変更を行いました 2013 年度版からの主な変更点は以下のと おりです なお IFRSs と断りがない場合は 米国会計基準に関する改訂や追加です 1-4 Generally Acc

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本改訂版では、米国会計基準及び国際財務報告基準(IFRSs)の変更による改訂や記載の追加 のほか、説例の追加や表現の変更を行いました。2013 年度版からの主な変更点は以下のと おりです。なお、IFRSs と断りがない場合は、米国会計基準に関する改訂や追加です。 1-4 Generally Accepted Accounting Principles(一般に公正妥当と認められた会計原則) 《IFRSs に関する記載を追加しました。》 ある取引や事象に対して具体的に適用すべき IFRSs が存在しない場合、経営者は、それ らに適用される会計方針を定める判断を行うにあたって、まず類似の事項や関連する事項 を扱っている他のIFRSs の定めを参照する。しかし、それでも会計方針を決定できない場 合には、概念フレームワークにおける資産、負債、収益および費用に関する定義、認識要 件及び測定概念を参照する。 2-4 Irregular Items(非経常的項目) 《IFRSs に関する記載を修正しました。》 IFRS 5 は廃止事業と売却目的資産の会計処理について規定している。米国基準とのコン バージェンスの成果として公表された基準であるため、大きな相違はないが、細部におい ては相違がある。 IFRS 5 は廃止事業や売却目的資産に分類する際には必ず、関連する減損テストを行わな ければならない旨を規定している。 また、同基準には、米国基準で廃止事業の条件として挙げられている 2 つの項目がない ので、廃止事業に分類されるコンポーネントは米国基準よりも多くなる可能性が高い。 キャッシュ・フロー計算書においては、廃止事業によるキャッシュ・フローを開示しな ければならないが、米国基準にはこのような規定はない。

2-5 Other Comprehensive Income(その他の包括利益) 《IFRSs に関する記載を追加しました。》

再評価モデルによる固定資産の評価差益、および年金制度(退職給付)における数理計算 上の差異は、組替調整を行わない。

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6-2 Special Criteria for Recognition of Revenue(特殊な収益認識基準) 《IFRSs に関する記載を追加しました。》 工事契約の成果が信頼性をもって見積もることができる場合は、工事進行基準を用いる。 工事契約の成果が信頼性をもって見積もることができない場合、発生した工事契約原価の うち回収される可能性が高い部分についてのみ収益を認識し、工事契約の原価については 発生した期間に費用として認識する。 10-5 Equity Method(持分法) 《公正価値オプションに関する記載を追加しました。》 持分法株式についても公正価値オプションが選択できる。オプションを選択した場合、 投資勘定と公正価値の差額を当期の損益に認識する。また、受け取った配当については配 当収益として認識する。 11-2 Types of Bonds(社債の種類) 《転換社債に関する記載を追加しました。》 転換社債は、原則として、一括して負債に認識する。ただし、Beneficial conversion features(有益な転換特性) を持つ転換社債を発行する場合は、転換社債の発行による手 取金について、負債部分と資本部分(Beneficial conversion features に等しい部分)に分 配して認識する。

11-5 Contingent Liabilities(偶発債務) 《IFRSs に関する記載を追加しました。》

米国基準では、偶発債務発生の可能性の程度を表す場合の Probable の意味を likely to occur(発生する可能性が高い)としているが、IFRSs では、more likely than not(発生し ない可能性より発生する可能性が高い(可能性が50%以上))としている。また、見積金額 に幅があり、その中で最善の見積額を決定することができない場合、IFRSs では見積金額 の幅における中間の値で計上する。

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17-2 Financial Accounting and Reporting for Pension Obligations(年金債務の会計処理) 《IFRSs に関する記載を追加しました。》 数理計算上の差異は、OCI に即時認識した上で利益剰余金に計上する。コリドーアプロ ーチによる遅延認識は行われない。また、過去勤務費用については、損益に即時認識する。 確定給付制度が積立超過の場合は、積立超過額、または Asset ceiling(資産上限:制度 からの変換または制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値)のい ずれか低い方で測定しなければならない。 19-1 Derivatives(デリバティブ) 《表現を変更し、記載を追加しました。》 全てのデリバティブは当初Fair value (公正価値)で測定され、その後も公正価値で測 定される。 デリバティブの公正価値の変動分は、ヘッジ関係の一部として指定され適格となるかど うか、及び保有目的によって、会計処理が異なる。ヘッジ手段と指定されないデリバティ ブの損益は当期の損益に計上される。 また、社債、保険契約、リースなどの主契約(Host contract)にデリバティブが組み込 まれた Hybrid instrument(ハイブリッド商品)がある。ハイブリッド商品に含まれるデ リバティブをEmbedded derivative(組込デリバティブ)と呼ぶ。 組込デリバティブは、一定の条件を満たした場合には、主契約から切り離してデリバテ ィブとして会計処理を行わなければならない。

しかし、ハイブリッド商品については、公正価値選択(fair value election)を採用し、 当初ならびに継続的に公正価値で測定し、損益を計上することができる。この採用は後で 変更はできない。また、このような公正価値選択の候補とする前に、区分処理(bifurcation) が必要な組込デリバティブが含まれているかどうか、判断しなければならない。 代表的なデリバティブには以下のものがある。 Option(オプション) 将来の特定の日・期間において、特定のレート又は価格で取引する権利(オプション) を売買する取引。Call option(コールオプション)とは、買う権利を与えるオプションで あり、Put option(プットオプション)とは売る権利を与えるオプションである。

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- 4 - コール、プットそれぞれを購入、売却することができ、購入することをPurchased option (買建オプション)、売却することをWritten option(売建オプション)という。買建オプ ションについては、支払いはオプション料のみで利益が無限であるのに対し、売建オプシ ョンは利益がオプション料で損失は無限である。 Forward contract(先渡契約) 将来の特定の日に特定の価格で特定の資産を購入・売却する二者間の契約。 Futures contract(先物契約) 将来の特定の日に特定の価格で特定の資産を購入・売却するのはForward contract と同 じであるが、Futures contract は取引所で売買される契約を指す。 Swap(スワップ)

二つのキャッシュ・フローを交換する取引。Interest rate swap(金利スワップ)は二つ の異なる金利を交換し、Currency swap (通貨スワップ)は二つの異なる通貨の利息等を 交換する。 ※ 日本では伝統的に、相対取引である為替の先渡しを「先物為替予約(または単に為替予 約)」と呼ぶ。当初、取引所で行われる先物がなかったためで、現在は取引所での先物 を「通貨先物」と呼んで区別している。 19-2 Hedge Accounting(ヘッジ会計) 《表現を変更し、記載を追加しました。》

(1) Overview of Hedge Accounting(ヘッジ会計の概要)

ヘッジ会計は、企業がリスクをヘッジ(回避)するために活用するデリバティブの効果 を会計上反映させるものである。ヘッジ活動は、ヘッジ対象の抱えるリスクとの関係から、 以下の3つの異なるヘッジ会計に分けられる。

 Fair value hedge(公正価値ヘッジ)

 Cash flow hedge(キャッシュ・フロー・ヘッジ)  Foreign currency hedge(外貨ヘッジ)

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1. Formal designation and documentation at hedge inception(ヘッジ開始時の公式な 指定と文書化)

2. Eligibility of hedged items and transactions(ヘッジ対象項目・取引が適格であるこ と)

3. Eligibility of hedging instruments(ヘッジ手段が適格であること) 4. Hedge effectiveness(ヘッジが有効であること)

(2) Formal designation and documentation(公式な指定と文書化)

ヘッジ会計で適格となるためには、次のような正式な文書化が必要である。 1. 全てのヘッジに共通するもの a. ヘッジ関係 b. ヘッジを行う企業のリスク管理の目的と戦略で以下を特定する。 i. ヘッジ手段 ii. ヘッジ対象 iii. ヘッジされるリスクの性質 iv. 遡及的・将来的に、ヘッジ対象の公正価値やキャッシュ・フローの変動を相 殺するヘッジ手段の有効性を測定する方法 v. ヘッジの非有効性を測定する方法 vi. 税引後の外貨リスクをヘッジする場合、税引前ではなく税引後でヘッジの有 効性・非有効性が計算されていること 2. 公正価値ヘッジにのみ必要なもの Firm commitment(確定契約)の公正価値ヘッジについては、ヘッジされる確定契約 の損益を示す資産・負債の損益を認識する合理的な方法 3. キャッシュ・フロー・ヘッジにのみ必要なもの Forecasted transaction(予定取引)のキャッシュ・フロー・ヘッジについては、下 記の詳細が必要である。 i. 予定取引が発生されると予測されている日付または期間 ii. 関連する資産または負債の特徴(存在する場合) iii. 外国為替リスクのヘッジの場合は予定の通貨の金額、その他のリスクのヘッジの 場合は予定取引の量 iv. 予定売却または購入が価格リスクのヘッジである場合、予想される通貨の金額の

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- 6 - みまたはある期間の売却または購入の割合として記述してはならない。 v. 予定取引の現在の価格はキャッシュ・フローを相殺するための基準書の条件に合 致している。 vi. ヘッジされる予定取引は、取引が発生したときに当該取引がヘッジされているか 否かが明確になるような十分な情報がなくてはならない。 (3) Hedge effectiveness(ヘッジの有効性) ヘッジ会計として適格であるためには、ヘッジ開始時及び継続的に高い有効性が見込ま れなくてはならず、公正価値ヘッジについては、ヘッジが指定された期間、ヘッジされた リスクによる公正価値の変動を相殺し、キャッシュ・フロー・ヘッジについては、ヘッジ の期間、ヘッジされたリスクによるキャッシュ・フローの変動を相殺しなければならない。 ヘッジ手段がヘッジされるリスクの一方のみしか相殺しない場合、公正価値ヘッジの場 合は、ヘッジ手段の公正価値の増加(減少)は、ヘッジ対象の公正価値の減少(増加)を相殺 するのに、極めて有効である(highly effective)と予測されなければならない。キャッシ ュ・フロー・ヘッジの場合は、ヘッジ手段からの現金流入(流出)はヘッジ対象の現金流 出(流入)を相殺するのに、極めて有効であると予測されなければならない。 企業はヘッジの有効性を二つの側面から考慮しなければならない。 Prospective consideration(将来の考慮)・・・過去の公正価値やキャッシュ・フローの 変化を回帰分析その他の統計的な方法により分析し、将来的な予測を立てる。 Retrospective evaluation(過去の評価)・・・有効性の評価は財務諸表の報告時ごと行わ なければならず、最低3 カ月に 1 回は行わなければならない。 有効性の評価はすべて、最初に文書化したリスク管理戦略と整合しなくてはならない。 企業はヘッジ開始時に定義した有効性評価の方法を、ヘッジ継続の期間、同様に使用しな くてはならず、以下の双方を行わなくてはならない。 1. ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ関係が相殺に高い有効性が期待されるかどうかを 測定する。 2. ヘッジの非有効の部分を測定する。

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- 7 - ヘッジ手段とヘッジ対象(資産・負債又は予定取引)の主要な契約条件が同じ場合、公 正価値やキャッシュ・フローの変動は当初及び継続的に完全に相殺されるとみなすことが できる。例えば、商品の先渡契約の予定購入のヘッジは、以下の条件を満たせば、高い有 効性があり非有効部分はないと仮定できる。 a. 先渡契約はヘッジされる予定購入と同じ商品で、同一時に同一場所で同一数量購入さ れる。 b. 先渡契約の公正価値は、当初ゼロである。 c. 先渡契約のディスカウントまたはプレミアムの変動は有効性の評価から除かれ、直接 損益に計上されるか、予定取引の予測されるキャッシュ・フローの変動は商品の先渡 価格に基づくものである。 なお、この方法は先渡契約のような非スワップ商品のみが適用可能と解釈されている。 上記の条件に合致していたとしても、文書化ならびにヘッジ開始時及び継続的にヘッジ 有効性の評価は行わなければならない。 (4) Shortcut method (ショートカット法) ショートカット法は、以下の手順を踏む。

(a) 金利スワップ(interest rate swap)で受け取る固定レートと、債券で支払う固定レ ートの差額を測定する。 (b) 金利スワップで支払う変動レートの差額を合算する。 (c) 合算したレートと固定レートの債券の元本を使用し支払利息を計算し認識する。 (d) 金利スワップの公正価値を測定する。 (e) 金利スワップの帳簿価額を公正価値に修正し、相殺する金額分、債券の帳簿価額を修 正する。 《ASC Topic815 の改訂に伴い、記載を修正しました。》 なお、FASB では、米国ドルにおけるベンチマーク金利として、米国財務省証券金利、 LIBOR 金利、フェドファンド実効スワップ金利(Fed Funds Effective Swap Rate)が認 められている。

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- 8 - 19-3 Fair Value Hedge(公正価値ヘッジ) 《表現を変更し、記載を追加しました。》 公正価値ヘッジは以下のように会計処理を行う。 1. ヘッジ手段は常に公正価値で貸借対照表に計上する。 2. ヘッジ手段の損益は、当期に損益として認識する。 3. ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の損益(すなわち公正価値の変動)は、ヘ ッジ対象の帳簿価額を修正し、当期の損益として認識する。 公正価値ヘッジが完全に有効な場合、リスク管理戦略の有効性評価から除かれた損益分 を修正すると、ヘッジ手段の損益はヘッジ対象の損益を完全に相殺する。差異が発生した 場合は、非有効部分であり、当期に損益として認識される。

19-4 Cash Flow Hedge(キャッシュ・フロー・ヘッジ) 《表現を変更し、記載を追加しました。》

キャッシュ・フロー・ヘッジは以下のように会計処理を行う。 1. ヘッジ手段は常に公正価値で貸借対照表に計上する。

2. ヘッジ手段の公正価値の変動のうち、有効部分は Other comprehensive income(そ の他の包括利益)に計上され、翌期以降、ヘッジ対象となったキャッシュ・フローの 損益が確定した時点で、その他の包括利益から損益に振り替えられる(組替調整、2-5 を参照)。 ヘッジ手段の非有効部分については、ヘッジ手段の公正価値の変動が、ヘッジ対象の公 正価値の変動より大きい場合(オーバーヘッジ)、差額は損益に振り替える。ヘッジ手段の 公正価値の変動が、ヘッジ対象の公正価値の変動より小さい場合(アンダーヘッジ)、差額 は認識されない。いずれも、ヘッジ有効性評価から除かれている部分と、過去に累積その 他の包括利益から損益に振り替えられた部分は除く。 公正価値ヘッジと異なり、ヘッジ対象の公正価値評価は行われない。

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