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2018 年 10 月 1 日 スイス氷河実習レポート

ローヌ氷河の前縁湖における水位・水温変動

北海道大学環境科学院地球圏科学専攻 修士

1 年 近藤 研

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1. 序論 氷河とは、陸上に存在し自重により流動する、降雪由来の氷塊のことを指す。氷河は世 界各地に存在するが、中でもスイス国内では多数の氷河の存在が認められ、古くから氷河 学が発展してきた。その中で、深刻な問題としてしばしば取り上げられるのが世界的な氷 河の後退である。図 1 にスイスアルプスにおける氷河の累積質量収支を示す (Huss et al., 2008)。図 1 より、スイス実習で毎年観測を行っている Rhone 氷河でも後退が著しく進んで いるのがわかる。 Rhone 氷河とは、スイス国内に存在する代表的な氷河のひとつである。Rhone 氷河の前縁 には氷河湖が存在し、氷河融解水がローヌ川となり流れ出ており、グレッチ村に注いでい る。氷河の後退に伴い、氷河湖は年々拡大し続けている。氷河融解水は氷河湖に直接流れ 込むため、融解水が増加すればローヌ川に流れ込む水量が増えて氾濫し、下流に存在する グレッチ村に甚大な被害を与える可能性がある。このように、氷河の存在は地元に密着し ており、その後退は生活に直結する問題となりうる。したがって何が原因で、どの程度の 速度で氷河が後退し、またローヌ川の流量に影響を与えるのかを定量的に示し、今後の予 測をする必要がある。 氷河の融解に関わる直接的な原因として、様々な気象因子が挙げられる。既報では気温 と氷河の質量収支に負の相関があることがわかっている (図 2)。また風速や風向は熱交換作 用の変動を通じて氷河の融解に影響を与える可能性がある。 氷河湖の水位は、氷河から直接流れ込む融解水の増減を直接的に反映し、氷河の末端変 動に影響を与える。また湖の水収支は、氷河湖からの水が直接流出するローヌ川の流量を 考える上で重要な因子となる。そこで今回は 3 日間にわたりローヌ氷河前縁湖の周辺で観 測を行い、得られた各気象因子のデータと当日の気象情報から観測時の気象条件について 検討し、氷河湖の水位や水温、ローヌ川の流量などと比較することで両者の関係性を検証 する。また氷河湖の水収支を解析して、水位と氷河の融解量との関係を示す。これにより 氷河湖の水循環や水温分布の挙動を明らかにするとともに、融解による氷河の消耗量を推 定することが今回の目的である。

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2. 観測手法

2.1 研究対象地

本研究はスイスアルプス中央部に位置するRhone 氷河(北緯 46 度 34 分、東経 8 度 22 分) を対象とする。ローヌ氷河はスイスアルプスに位置する温暖氷河である(図3)。全長は約 8km で面積は 2007 年に 15.12km2であった (Bauder et al., 2007)。観光地としての側面からス イスの氷河の中でも早い時期から注目されており、19 世紀から科学的な観測活動が行われ てきた。氷河の末端位置は1878 年から 2000 年にかけて 1700m 急激に後退し、2005 年に前 縁湖が形成された。前縁湖の形成は氷河の末端変動に大きく影響していることが報告され ている。(Tsutaki et al., 2013)。 氷河湖周辺において、以下に述べる観測を、2018 年 8 月 30 日から 9 月 2 日に実施した。

図3 (a) Rhone 氷河全域を示す人工衛星画像(Sentinel-2, 2018/08/28)。(b) (a)の黒い枠内を 拡大した画像に測器配置を示す。

2.2 観測手法

2.2.1 水位・水温

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した(図 3)。金属棒の先端に水圧センサをビニールテープで固定し、これを湖に沈めて岩 で固定した(図4)。水圧センサは Onset Computer Corporation の HOBO U20L Water Level Logger を使用した。測器の詳細を表 1 に示す。大気圧補正用に氷河湖近傍の岩棚に もう一つ同じセンサを設置し、同時刻の大気圧を測定した。 水圧と水位の関係は以下の式から求められる。 𝑝 𝜌𝑔ℎ ここで、𝑝 は水圧、𝜌は湖水の密度、𝑔は重力加速度、ℎは水位を表す。𝑝を湖に沈めて測 定した圧力、𝑝 を大気圧とすると、 𝑝 𝑝 𝑝 であるので、 ℎ 𝑝 𝑝 𝜌𝑔 となり、水位が求まる。 観測期間は2018 年 8 月 30 日の 18 時 30 分から 9 月 2 日の 9 時 30 分までとし、5 分間 隔で測定を行った。

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図4 水圧センサ設置風景

表1 HOBO U20L Water Level Logger (U20-001-04)仕様

測定項目 水圧 水温 測定範囲 0~145kPa、標高 3000m 地点で水深 7m -20℃~50℃ 破損水圧 310kPa、水深 18m – 測定精度 標準誤差:±0.075% FS、0.3cm 最大誤差:±0.15% FS、0.6cm 0℃から 50℃で±0.44℃ 分解能 <0.014kPa、水位 0.14cm 25℃で 0.10℃ 応答時間 <1 秒 約10 分 2.2.2 気象 Rhone 氷河における気象データを得るために、Rhone 氷河近傍の岩棚に自動気象測器を 設置した (E672710, N159033, 標高 2304 m (図 3、5))。気象測器は Visala 社の WXT520 を利用した。測器の詳細を表 2 に示す。観測項目は風速、風向、降水量、温度、湿度、気 水圧センサ

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圧である。観測期間は2018 年 8 月 30 日 10 時 15 分から 9 月 2 日 10 時 35 分までとし、5 分 間 隔 で 測 定 を 行 っ た 。 自 動 気 象 測 器 を 設 置 す る 前 の 気 象 条 件 を 知 る た め に 、 meteoblue(www.meteoblue.com)より Grimsel 峠における気象データを得た(図 6、7)。

図5 岩棚上に設置した自動気象測器。背後は氷河前縁湖。手前に伸びるオレンジ色のケー ブルはデータロガーに接続されている。 表2 WXT520 の仕様 測定項目 測定範囲 応答時間 測定精度 分解能 風速 0~60m/s 0.25 秒 0~35m/s: ±0.3m/s、±3% 35m/s~60m/s: ±5% 0.1m/s 風向 0~360° 0.25 秒 ±3° 1° 降雨量 – – 5% 0.01mm

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図7 Grimsel 峠における 2018 年 8 月 23 日から 9 月 22 日の気象データ ((上段) 気温: 赤、相対湿度: 青、(中段) 降水量: 青、(下段) 青緑: 風速、青: 風向) 2.2.2 タイムラプス撮影 氷河末端と氷河湖の様子を撮影するために、氷河湖近傍の岩棚にインターバルカメラを 設置した(図3、8)。機器はバイコム社の TLC200Pro を用いた。観測期間は 2018 年 8 月 30 日 18 時 23 分から 9 月 2 日 10 時 25 分までとし、5 分間隔で撮影を行った。

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図8 岩盤上に設置したインターバルカメラ。カメラは透明プラスティック製の防水ケース に収められている。

3. 観測結果

3.1 水位・水温

水圧センサによって得た水深と水温のデータを図9 に示す。8 月 30 日 18 時 30 分に水圧 センサを設置した際の水位は48 cm であった。ここから水位は 2 回の上昇を示しながらも 下がり続け、9 月 1 日 7 時 13 分に 0 cm を示した。9 月 1 日 12 時 40 分に水圧センサの様 子を確認したところ、水圧センサが水面より上に出ていたことが確認された。よって9 月 1 日7 時 13 分から 12 時 40 分までは水圧センサが水面の上にあり、干上がっていたことがわ かるので、データからは除外した。9 月 1 日 12 時 40 分に、干上がっていた水圧センサを もう一度氷河湖に沈めて再設置を行った。干上がっていた水圧センサは水面からかなり近 い場所に位置していたため、9 月 1 日 7 時 13 分以前の水位を、再設置した水圧センサから の相対的な水位として図10 に示した。 水位は8 月 31 日 8 時 23 分に 71 cm、同日 18 時 28 分に 72 cm、9 月 1 日 17 時 23 分に 53cm と 3 つの極大値をとった。 水温は2 つの急激な上昇を見せた。8 月 31 日 6 時 23 分に 1.1℃であったが、6 時 48 分 に4.3℃まで上昇した。また同日 13 時 28 分に 2.7℃であったが、14 時 13 分に 8.0℃まで 上昇した。観測期間中の最大値は8 月 31 日 14 時 13 分の 8.0℃、最低値は 9 月 1 日 1 時

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58 分の 1.0℃であった。 図9 ローヌ氷河前縁湖で 2018 年 8 月 30 日から 9 月 2 日まで測定された水位(青)と水 温(赤)。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 10 20 30 40 50 60 8/30 12:00 8/31 0:00 8/31 12:00 9/1 0:00 9/1 12:00 9/2 0:00 9/2 12:00 気温 (℃ )  /  水温 (℃ )  /  風速 (m/s)  水位 (cm)  時間 水位 (cm) 水温 (℃) 2 3 4 5 6 7 8 9 20 30 40 50 60 70 80 90 100 水温 (℃ )  水位 (cm)  水位 (cm) 水温 (℃)

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3.2 気象

自動気象測器によって得られた風速、気温、降水量の値を図11 に示す。気温は日変動を 示した。8 月 31 日 15 時に最大値 6.3℃をとり、9 月 2 日 3 時 15 分に最小値 1.5℃をとった。 観測期間中の平均気温は3.9℃であった。8 月 31 日の日中に降水があり、降水量の最大値は 8 月 31 日 13 時 35 分に観測された 5 分間値 0.36 mm であり、13 時から 14 時にかけての降 水量は1.65 mm/h であった。風速は大きく変動し、8 月 31 日 23 時 40 分に最大値 9.0 m/s を 示した。 図11 ローヌ氷河近傍の岩棚で 8 月 31 日から 9 月 2 日まで観測された気象データ。気温(赤)、 風速(緑)、降水量の5 分間値(青)。

4. 考察

4.1 水位・水温

湖の水位と水温、および気象測器から得た気温を図12 に示す。水位は気温の日変動と同 調して日変動を示した。またその位相には 3 時間程度のずれが見られた。気温が上昇する と氷河の融解が促進されるため、氷河湖に流入する融解水が増加することで水位の上昇が 見られたと考えられる。また位相のずれは、融解水が氷河を通って氷河湖に到達するまで の輸送時間によるものであると考えられる。 気象測器を設置する前の気象データ(図7)を見ると、8 月 27 日から 30 日までに特に気 温が高く、最高気温が 15℃を超える日が続いていたことがわかる。この比較的高い気温に 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 8/31 09:15 8/31 21:15 9/1 09:15 9/1 21:15 9/2 09:15 降水量 (mm/ 5min) 気温 (℃ )  /  風向 (m/s) 時間 風速 (m/s) 気温 (degree C) 降水量 (mm/5min)

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よって氷河の融解が促進され、水圧センサ設置時は水位が高い状態にあったと考えられる。 その後気温が下がったことで融解が減少し、観測終了まで水位が下がり続けたものと思わ れる。 8 月 31 日 18 時 28 分と 9 月 1 日 17 時 23 分に記録された水位の極大値は、気温の変動と 同調する日変動によるものである。これとは別に8 月 31 日 8 時 23 分にも水位は上昇を見 せており、気温の日変動とは別の要因による上昇であると考えられる。気温の変動と水位 の変動の位相に約 3 時間のずれが存在することから、氷河湖に水が供給されるイベントか ら約3 時間の遅れをもって水位が上昇すると仮定すると、8 月 31 日 5 時頃に氷河湖への流 入量が増加するイベントが発生したと考えられる。図7 を見ると、Grimsel 峠では 8 月 31 日に11 mm 程度の降水があったことが記録されている。インターバルカメラで 8 月 31 日 明け方の様子を確認すると、レンズ付近に水滴が付着していた。よって、8 月 31 日の未明 に降水があったことが示唆された(図13)。以上より、8 月 31 日未明に降水があり、これ によって氷河湖への流入量が増加したことで水位が上昇したと推測できる。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 8/30 12:00 8/31 0:00 8/31 12:00 9/1 0:00 9/1 12:00 9/2 0:00 9/2 12:00 気温 (℃ )  /  水温 (℃ )  /  風速 (m/s)  水位 (cm)  時間 水位 (cm) 水温 (℃) 風速 (m/s)

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図13 8 月 31 日 6 時 38 分にインターバルカメラによって撮影された氷河湖の様子 観測期間中、水温は激しく変動した。2 回の急激な上昇の原因として、水位低下によって 水圧センサが水面から出た可能性を考えたが、その時の水位はどちらも約20cm であったこ とがわかっており、水圧センサは水中にあったことが示された。 水位と水温の関係を見ると、水温が上昇した8 月 31 日 6 時 48 分と同日 14 時 13 分には、 いずれも水位が19cm まで下がっている。このことから、氷河湖の水面付近の層に暖かい水 塊が存在し、水位が下がったことによって水圧センサが水温躍層を通過したと推測できる。 水圧センサを設置する前に高い気温が続き水位が上昇していることから、氷河湖には氷河 の融解水である冷たい水が多量存在しており、水圧センサ設置時から8 月 31 日 6 時 23 分 まで水温は1℃から 2℃程度と記録されている。ここに 8 月 31 日未明の降水、また 8 月 31 日13 時頃の降水によって、氷河湖上層に比較的暖かい水が供給された可能性がある。強い 温度差によって水面付近に短時間の躍層が形成されたところで水位が減少し、水圧センサ が躍層を通過したことが、水温が急上昇した原因であると考えた。また 2 回目の水温上昇 を迎えた後に水位はさらに下がり続け19cm まで減少するものの、ここでは水温は上昇して いない。この理由としては、水温の違いから発生する密度差が駆動する循環と、8 月 31 日 21 時頃から強くなる風によって、湖内の水循環が促進されて水温躍層が解消されたことが 考えられる。水位が下がり続けて水圧センサが水面に出るまでの期間では、水温は緩やか に上昇していくことが記録されている。水面近くでは気温や太陽放射によって熱の供給を 受けるため、水面に近いほど高い気温が記録されたと考えられる。この後から観測終了ま でこのような水温変化は見られず1℃から 2℃程度と記録されていることから、水温躍層は 極めて一時的に短時間で形成された可能性が高い。

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4.2 氷河湖の水収支

氷河湖の水位は、氷河の融解や降水による流入量と、前縁河川への流出量とのバランス によって決まる。氷河湖の水収支を、地下水による流入・流出や湖面からの蒸発の影響を 無視して簡略化すると、以下のように表せる。 A 𝑑ℎ 𝑑𝑡 𝑅 𝑅 ここで、Aは氷河湖の面積、ℎは氷河湖の水位、𝑅 は氷河湖への流入量、𝑅 は氷河湖か らの流出量である。これより、観測期間中における氷河からの流入量を推定することがで きる。

Google map(www.google.co.jp/maps/)を用いて Rhone 氷河前縁の氷河湖の面積を算出すると、 約820,000m2であった。2018 年のローヌ川流量観測レポートによると、9 月 1 日 12 時 30 分 に測定された河川流量はムト川で0.24 m3/s であり、同時刻に Gletsch にて観測されたローヌ 川の流量は3.30 m3/s であった(川上ら, 2018)。したがって、ローヌ川の支流にあたるロー ヌ氷河流出河川とムト川の流量比は 92.7%:7.3%である。この流量比が時間に対して不変 と仮定すると、Gletsch で観測したローヌ川の流量(川上ら, 2018)より、氷河湖からの流出 量を推定することができる。 このようにして求めた氷河湖からの流出量、氷河湖の面積と水位変動より、上式を用い て流入量を求めたものが図14 である。概ね気温の変動と同調して変動していることが確認 できる。位相には 2 時間程度のずれが見られ、氷河の融解水が氷河湖に到達する輸送時間 などの影響であると考えられる。また計算に用いた流出量の値はGletsch で観測したものを 用いているため、氷河湖から流出してからGletsch へ到達するまでの時間の誤差が考慮され ていないことも、位相のずれに誤差を与える原因であることを留意すべきである。

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図14 氷河湖の流入量(青)、流出量(緑)、気温(赤)

5. まとめ

ローヌ氷河前縁湖において、水位と水温の観測を行った。また同時期に自動気象測器に よる観測を行うことで、氷河湖の水位・水温変動と気象データとの関係性を検証した。 水位は気温の日変動とともに変動した。気温の変動と水位の変動には 3 時間程度の位相 のずれが見られ、融解水が氷河湖に到達するまでの輸送時間によるものであると考えられ る。また日変動とは別に水位の上昇が見られ、降水の流入によって水位が上昇したと推定 された。 水温は 2 回の急上昇を示し、降水によって短時間に形成された水温躍層の存在が示唆さ れた。今回は観測期間が短く、得られた気象データや水温・水位のデータが限られていた ため、水温の急上昇に対する十分な論拠が得られなかった。今後氷河湖の観測を行う際は、 湖内の水循環や温度構造に着目して水温の鉛直分布やその時間変化を記録し、気象データ と比較することで新たな知見が得られる可能性がある。 水位と前縁河川の流量と比較して氷河湖の水収支を検討することで、氷河湖への融解水 の流入量を推定した。氷河湖への流入量は気温と同調して変動することが示された。氷河 湖の水収支は、氷河の融解量やローヌ川の流量を定量的に検討する上で重要な研究対象で ある。今後の観測内容として、現在進行しているローヌ氷河の後退やそれに伴う氷河湖の 拡大の影響で、これらの水収支の構造がどのように変化するのか議論するのも面白いと思 われる。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 2018/8/31 9:00 2018/8/31 21:00 2018/9/1 9:00 2018/9/1 21:00 2018/9/2 9:00 気温 (℃ )  /  流入量・流出量 (m3/s) 時間 気温 (℃) 流出量 流入量 (m3/s)

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6. 参考文献

Bauder, A., M. Funk and M. Huss. 2007. Ice-volume changes of selected glaciers in the Swiss Alps since the end of the 19th century. Ann. Glaciol., 46, 145-149

Huss, M., A. Bauder and M. Funk, 2008: Determination of seasonal mass balance of four Alpine glaicers since 1865., J. Geophy. Res, 113, F01015

Tsutaki, S., S. Sugiyama, D. Nishimura, M. Funk, 2013. Acceleration and flotation of a glacier terminus during flomation of a proglacial lake in Rhonegletscher, Switzerland. J. Glaciol., 59(215), 559–570

参照

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