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ブドウ 1. 黒とう病 Elsinoe ampelina < 生態と防除のねらい > 病原菌は結果母枝や巻ひげ等の病斑部で越冬し 4 ~ 5 月から降雨のたびに胞子を作り 新梢や新葉 巻ひげ等に感染し発病する この新病斑が二次伝染源となり 次々に伝染を繰り返す 発病は 4 月下旬頃から認められるが

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Academic year: 2021

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1 . 黒 と う 病

E l s i n o e a m p e l i n a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 結 果 母 枝 や 巻 ひ げ 等 の 病 斑 部 で 越 冬 し 、4 ~ 5 月 か ら 降 雨 の た び に 胞 子 を 作 り 、新 梢 や 新 葉 、巻 ひ げ 等 に 感 染 し 発 病 す る 。 こ の 新 病 斑 が 二 次 伝 染 源 と な り 、次 々 に 伝 染 を 繰 り 返 す 。発 病 は 4 月 下 旬 頃 か ら 認 め ら れ る が 、梅 雨 明 け 以 降 の 高 温 乾 燥 期 に は 一 時 停 止 す る 。 病 原 菌 の 発 育 適 温 は 2 5 ~ 3 0 ℃ で あ る が 、 胞 子 形 成 や 発 芽 は 2 0 ~ 2 5 ℃ が 好 適 で 、 4 ~ 7 月 に 降 雨 が 多 い と 多 発 す る 。 防 除 と し て は 、罹 病 枝 や 巻 ひ げ を せ ん 定 時 に で き る だ け 除 去 し 、頂 芽 の 展 葉 2 ~ 3 枚 期 の 薬 剤 防 除 を 必 行 し て 初 期 発 病 を 極 力 抑 え る こ と が 重 要 で あ る 。被 覆 栽 培 に 切 り 替 え れ ば 、被 覆 期 間 中 に お け る 本 病 対 象 の 薬 剤 防 除 の 必 要 は な い 。 近 年 、本 病 に 対 す る ベ ン ズ イ ミ ダ ゾ ー ル 系 薬 剤 の 効 力 低 下 が 認 め ら れ る た め 、 本 系 剤 の 効 果 が 劣 る 場 合 は 別 の 薬 剤 に 切 り 替 え る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 被 覆 栽 培 を 行 う 。 ( 2 ) 巻 ひ げ を 除 去 し 、 処 分 す る 。 ( 3 ) 罹 病 葉 や 罹 病 枝 は 直 ち に 除 去 し 、 処 分 し て 二 次 伝 染 を 防 ぐ 。 ( 4 ) 罹 病 苗 を 持 込 ま な い よ う に す る 。 ( 5 ) 肥 培 管 理 を 適 正 に し 、 枝 が 徒 長 し な い よ う に す る 。 越 冬 病 斑 越 冬 病 斑 新 梢 の 病 斑

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葉 の 病 斑 葉 の 病 斑

果 実 の 病 斑 果 実 の 病 斑

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2 . 枝 膨 病

D i a p o r t h e k y u s h u e n s i s < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 結 果 母 枝 や 巻 ひ げ な ど で 越 冬 す る 。 典 型 的 な 雨 媒 伝 染 性 の 病 害 で 、 主 要 な 感 染 時 期 は 5 月 上 旬 ~ 7 月 下 旬 で あ り 、柄 胞 子 は 雨 水 と と も に 少 な く と も 7 m は 飛 散 し 、無 傷 の 緑 色 の 新 梢 部 か ら 容 易 に 感 染 す る 。本 病 の 典 型 的 な 病 徴 で あ る 新 梢 の 黒 色 病 斑 は 、柄 胞 子 の 濃 厚 感 染 時 に 認 め ら れ 、樹 勢 の 弱 い 新 梢 は 当 年 で 枯 死 す る 。ま た 、低 濃 度 の 柄 胞 子 で も 感 染 は 成 立 し 、菌 は 新 梢 の 登 熱 直 後 よ り 皮 層 下 を 進 展 し て 節 部 の 射 出 髄 に 到 達 後 、2 ~ 3 年 後 に 節 部 肥 大 症 状 を 引 き 起 こ す 。 病 原 菌 の 生 育 適 温 は 2 5 ~ 2 7 . 5 ℃ で 、 5 ~ 8 月 に 降 雨 が 多 い と 多 発 す る 。欧 州 系 の 品 種 及 び 巨 峰 群 品 種 は 罹 病 性 で あ る こ と か ら 、こ れ ら の 品 種 を 本 病 の 発 生 地 域 で 栽 培 す る に は 被 覆 栽 培 が 望 ま し い 。 防 除 対 策 と し て は 、被 覆 栽 培 に 切 り 替 え る こ と が 最 も 望 ま し い が 、地 形 の 関 係 な ど で 被 覆 栽 培 が 不 可 能 な 地 域 で は 、罹 病 枝 や 巻 ひ げ を せ ん 定 時 に で き る だ け 除 去 し 、 4 月 下 旬 か ら 定 期 的 に 薬 剤 防 除 を 行 う 必 要 が あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 被 覆 栽 培 を 行 う 。 ( 2 ) 罹 病 苗 を 持 ち 込 ま な い よ う に し 、 で き れ ば 雨 よ け で 苗 木 を 栽 培 す る 。 ( 3 ) 罹 病 枝 、 枯 死 枝 、 巻 ひ げ は 焼 却 又 は 埋 没 す る 。 ( 4 ) 通 風 採 光 を は か り 、 園 内 が 多 湿 に な ら な い よ う に す る 。 旧 枝 の 節 膨 症 状 新 梢 の 病 斑 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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3 . 灰 色 か び 病

B o t r y t i s c i n e r e a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 多 種 類 の 作 物 、 野 菜 、 特 に 果 菜 類 を 侵 し 、 広 範 囲 に 寄 生 す る 。 ブ ド ウ で は 花 穂 、 葉 、 熟 果 を 侵 し 、 特 に 開 花 期 前 後 の 花 穂 に 発 病 が 多 い 。 病 斑 上 に 多 数 の 分 生 胞 子 を 作 り 次 々 と 若 い 組 織 を 侵 し 二 次 伝 染 を く り 返 す 。施 設 野 菜 な ど の 栽 培 が 多 い 地 域 で は 病 原 菌 の 密 度 が 高 い こ と も あ っ て 一 般 に 発 病 が 多 い 。 防 除 に 当 っ て は 、園 内 の 通 風 を よ く し 、多 湿 に な ら な い よ う に す る 。施 設 ブ ド ウ で は 、 開 花 期 前 後 は 特 に ハ ウ ス 内 の 湿 度 低 下 に 努 め る 。 薬 剤 散 布 は 予 防 散 布 を 重 点 に 行 う 。 ト ッ プ ジ ン M 水 和 剤 、ベ ン レ ー ト 水 和 剤 は 耐 性 菌 が 認 め ら れ て い る の で 、効 果 が な い 場 合 は 他 の 薬 剤 を 使 用 す る 。 ま た 、 こ れ ら の 薬 剤 は 連 用 散 布 し な い 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 園 内 の 通 風 を は か り 、 多 湿 に な ら な い よ う に 努 め る 。 ( 2 ) ハ ウ ス 栽 培 で は 、 特 に 発 病 し や す い の で 、 開 花 期 前 後 室 内 の 乾 燥 に 努 め る 。こ の 場 合 、プ ラ ス チ ッ ク フ ィ ル ム を マ ル チ す る と 発 病 を 抑 え る こ と が で き る 。 幼 果 の 病 徴 熟 果 の 病 徴 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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4 . う ど ん こ 病

U n c i n u l a n e c a t o r < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 伝 染 源 は 明 ら か で な い が 、枝 の 病 斑 部 や 芽 の り ん 片 の 間 に 菌 糸 で 潜 在 越 冬 す る と 思 わ れ る 。 罹 病 し や す い 品 種 は マ ス カ ッ ト ・ オ ブ ・ ア レ キ サ ン ド リ ア 、 巨 峰 、 ネ オ ・ マ ス カ ッ ト で あ る 。 第 一 次 伝 染 は 開 花 期 前 後 に 形 成 し た 分 生 胞 子 に よ っ て 行 な わ れ る 。5 月 上 ・ 中 旬 頃 か ら 若 い 葉 、枝 、果 実 に 発 病 し 、6 月 中 旬 ~ 7 月 上 旬 に 病 勢 が 盛 ん に な る が 、 そ の 後 二 次 伝 染 に よ っ て 1 0 月 末 ま で 発 病 が 続 き 、 地 域 に よ っ て は 9 月 上 ~ 下 旬 に 多 発 す る こ と が あ る 。 発 病 は 高 温 多 湿 の 条 件 で 増 加 し や す い 。従 っ て 、6 ~ 7 月 頃 夜 間 に 高 温 多 湿 で 蒸 し 暑 い 天 気 が 続 く よ う な 場 合 や 霧 の 出 や す い 場 所 、日 陰 で 風 通 し の 悪 い 園 等 に 発 生 が 多 い 。園 内 の 排 水 を 良 く し 、通 風 を 図 る ほ か 、初 期 防 除 に 重 点 を お く 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 排 水 を は か り 、 樹 の 保 健 に 努 め る 。 ( 2 ) 通 風 採 光 を は か り 、 園 内 が 多 湿 に な ら な い よ う に す る 。 ( 3 ) 株 間 を 適 正 に と る 。 病 葉 病 果 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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5 . べ と 病

P l a s m o p a r a v i t i c o l a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 被 害 葉 組 織 内 に 卵 胞 子 で 越 冬 す る 。翌 春 に 被 害 葉 が 腐 る と 卵 胞 子 が 地 面 に 現 わ れ て 発 芽 し 、分 生 胞 子 を 作 り 、さ ら に 遊 走 子 を 生 じ て 新 梢 な ど の 組 織 に 侵 入 し 発 病 す る 。 病 原 菌 の 活 動 に は 2 0 ~ 2 4 ℃ が 最 適 温 度 条 件 で あ る 。 展 葉 初 期 ~ 梅 雨 期 、ま た 秋 季 に 低 温 で 雨 が 多 い 場 合 に 多 発 し や す い 。な お 、夏 期 高 温 時 に も 展 葉 中 の 若 い 葉 が あ れ ば 感 染 発 病 す る 。 露 地 栽 培 で も 発 病 す る が 多 湿 な ハ ウ ス 栽 培 で は 、 特 に 発 病 が 多 い 。 病 原 菌 は 気 孔 や 若 い 組 織 か ら 感 染 し 、発 病 後 は 防 除 が 困 難 で あ る た め 、予 防 散 布 を 徹 底 す る こ と が 重 要 で あ る 。 巨 峰 、 ネ オ ・ マ ス カ ッ ト 、 マ ス カ ッ ト ・ ベ ー リ ー A な ど に 発 病 し や す い 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 落 葉 を 処 分 す る 。 ( 2 ) 雨 後 の 乾 燥 を は か る た め 、 通 風 採 光 を よ く す る 。 ( 3 ) 雨 滴 に よ る 土 砂 の は ね 上 り を 防 ぐ た め 敷 き わ ら を す る 。 ( 4 ) 枝 が 遅 伸 び や 軟 弱 徒 長 し な い よ う に 肥 培 管 理 す る 。 ( 5 ) 排 水 不 良 園 は 排 水 を は か る 。 ( 6 ) ハ ウ ス 栽 培 で は 、 地 面 に プ ラ ス チ ッ ク フ ィ ル ム を 敷 く と 、 ハ ウ ス 内 の 過 湿 を 抑 え 、 発 病 を 抑 え る こ と が で き る 。 葉 裏 の 病 斑 葉 裏 の 病 斑 幼 果 の 病 斑 熟 果 の 病 斑 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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6 . 輪 紋 病

M a r s s o n i n a v i t i c o l a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 、 病 葉 中 の 菌 糸 で 越 冬 す る と 思 わ れ る 。 病 斑 は 、 ほ と ん ど 円 形 で 、 大 き さ は 3 ~ 1 0 m m で あ る 。病 斑 部 の 色 は 、褐 色 ~ 淡 褐 色 で 健 全 部 と の 境 の 部 分 に 淡 黄 色 の 暈 ( ハ ロ ー ) を 生 じ 、 胞 子 堆 ( 小 黒 粒 点 ) は 同 心 輪 紋 状 に 生 ず る の が 特 徴 で あ る 。翌 年 5 ~ 6 月 に 分 生 胞 子 を 飛 散 し て 感 染 す る 。葉 の 発 病 は 、6 月 中 旬 頃 か ら 認 め ら れ 、 そ の 後 秋 期 ま で 漸 増 す る 。 発 病 は 、 品 種 間 に よ っ て か な り の 差 異 が あ り 、 キ ャ ン ベ ル ・ ア ー リ ー 、 巨 峰 等 に 多 く 、 ネ オ ・ マ ス カ ッ ト 、 マ ス カ ッ ト ・ ベ ー リ ー A 等 は 少 な い 。 防 除 は 病 原 菌 密 度 の 低 下 を は か る た め 、落 葉 を 処 分 す る 。又 、罹 病 性 品 種 で は 、 6 月 以 降 の 防 除 を 十 分 に 行 う 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 落 葉 を 処 分 す る 。 ( 2 ) 排 水 を は か る 。 ( 3 ) 樹 の 保 健 に 努 め 、 か つ 通 風 採 光 を よ く す る 。 ( 4 ) 株 間 を 適 正 に す る 。 葉 の 病 斑 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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7 . 褐 斑 病

P s e u d o c e r c o s p o r a v i t i s < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 、罹 病 落 葉 組 織 中 の 菌 糸 や 結 果 母 枝 や 主 枝 、主 幹 等 の 粗 皮 部 に 付 着 し た 分 生 胞 子 で 越 冬 す る 。 5 月 中 下 旬 頃 か ら 風 雨 に よ っ て 感 染 し 、 1 5 ~ 2 0 日 の 潜 伏 期 間 を 経 て 発 病 す る 。一 度 発 病 す る と 次 々 に 二 次 伝 染 を く り 返 す 。発 病 は 盛 夏 ( 8 月 ) の 頃 に 一 時 少 な く な る が 9 月 以 降 再 び 多 く な る 。 本 病 は 、 樹 勢 の 弱 く な る 砂 質 地 、 有 機 物 不 足 、 過 乾 、 過 湿 、 肥 料 不 足 な ど の 条 件 で 発 病 が 多 い の で 、 樹 勢 の 維 持 増 進 を 図 る 。 防 除 は 、落 葉 の 処 分 と 分 生 胞 子 が 越 冬 す る 主 枝 、主 幹 等 へ の 休 眠 期 防 除 を 徹 底 す る 。 ま た 、 感 染 初 期 の 薬 剤 散 布 に 努 め る 。 発 芽 期 以 降 は 、 落 花 期 か ら 防 除 を 始 め る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 落 葉 、 巻 ひ げ は 処 分 す る 。 ( 2 ) 粗 皮 は ぎ を 行 う 。 ( 3 ) 排 水 を は か る 。 ( 4 ) 樹 の 保 健 に 努 め 、 か つ 通 風 採 光 を よ く す る 。 ( 5 ) 株 間 を 適 正 に と る 。 発 病 状 況 病 斑 早 期 落 葉 状 況 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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8 . 苦 腐 病

G r e e n e r i a u v i c o l a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 結 果 母 枝 や 罹 病 果 で 越 冬 し 、翌 春 以 降 、降 雨 等 に よ っ て 果 房 や 新 梢 及 び 葉 に 伝 染 す る 。罹 病 果 で は 初 め 小 黒 点 が 形 成 さ れ 、そ の 後 黒 色 で つ や の あ る 胞 子 塊 が 形 成 さ れ る 。罹 病 果 粒 の 多 く は 果 軸 に と ど ま っ て ミ イ ラ 化 し 、房 内 感 染 の 原 因 と な る 。ま た 新 梢 で は 、初 め 基 部 付 近 の 葉 に 萎 凋 、枯 死 症 状 を 発 現 す る の が 特 徴 で 、そ の 後 病 斑 部 は 褐 変 ~ 白 変 す る 。病 徴 が 進 行 す る と 、こ れ ら の 病 斑 部 に 黒 色 の 胞 子 堆 が 形 成 さ れ 、 最 終 的 に は 新 梢 全 体 が 萎 凋 、 枯 死 す る 。 新 梢 に 形 成 さ れ た こ れ ら の 胞 子 堆 は 、 翌 年 以 降 の 重 要 な 伝 染 源 と な る 。 病 原 菌 の 生 育 適 温 は 2 5 ~ 3 0 ℃ で 、 胞 子 堆 の 形 成 は 1 5 ~ 3 5 ℃ の 広 い 温 度 域 で 行 わ れ る 。ま た 、病 原 菌 に は 新 梢 に 強 い 病 原 性 を 示 す 菌 と 弱 い 病 原 性 し か 示 さ な い 菌 の 2 種 類 が 存 在 し 、 両 者 は 培 養 性 状 や 遺 伝 子 診 断 で 容 易 に 区 別 で き る 。 こ の こ と か ら 、本 菌 に は 分 化 型 も し く は 種 の 異 な る 菌 が 存 在 し て い る 可 能 性 が あ る 。 本 菌 に よ る 新 梢 枯 死 の 発 生 を 防 止 す る に は 、登 熟 枝 ば か り で な く 緑 枝 状 態 の 罹 病 枝 も 見 つ け 次 第 せ ん 徐 し 、伝 染 源 を 極 力 少 な く す る こ と が 重 要 で あ る 。ま た 、果 実 で の 発 病 を 防 止 す る に は 、落 花 直 後 と 小 豆 粒 大 期 に 薬 剤 防 除 を 実 施 後 、 袋 か け を 早 め に 行 う こ と が 有 効 で あ る 。な お 、罹 病 果 は 房 内 で の 二 次 感 染 防 止 の た め 、見 つ け 次 第 除 去 す る 。ま た 、本 病 は 分 生 胞 子 の 付 着 し た 摘 果 鋏 の 使 用 に よ り 、 健 全 な 緑 枝 や 果 梗 に 伝 染 す る 可 能 性 が あ る の で 注 意 す る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 法 ( 1 ) 罹 病 枝 や 罹 病 果 は 極 力 園 外 に 持 ち 出 し 、 処 分 す る 。 ( 2 ) 袋 か け を 早 め に 行 う 。 ( 3 ) 病 原 菌 の 付 着 し た 鋏 は 使 用 し な い 。 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) 新 梢 基 部 の 発 病 果 実 で の 発 病

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9 . 房 枯 病

B o t r y o s p h a e r i a s p .

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 結 果 母 枝 や せ ん 定 枝 な ど で 柄 子 殼 、子 の う 殼 、菌 糸 の 状 態 で 越 冬 す る 。翌 年 の 6 月 頃 よ り 、こ れ ら に 形 成 さ れ た 柄 胞 子 や 子 の う 胞 子 が 風 雨 に よ っ て 飛 散 し 、新 梢 、果 軸 及 び 幼 果 に 潜 伏 感 染 す る 。果 実 で は 柱 頭 痕 が 侵 入 門 戸 に な り や す く 、 初 め 黒 色 の 小 粒 点 が 形 成 さ れ た 後 、 最 終 的 に は ミ イ ラ 果 と な る 。 果 軸 で は 初 め 暗 褐 色 楕 円 形 の 斑 点 を 生 じ 、そ の 後 付 近 の 支 梗 に 広 が っ て 最 後 に は 果 軸 全 体 が 針 金 の よ う に な っ て 枯 れ て し ま う 。 防 除 対 策 と し て は 、袋 か け を 早 め に 実 施 し 、罹 病 果 を で き る だ け 取 り 除 く こ と が 重 要 で あ る 。ま た 、巻 ひ げ や せ ん 定 枝 に 形 成 さ れ た 柄 子 殼 や 子 の う 殼 は 重 要 な 伝 染 源 と な る の で 、こ れ ら は 園 外 に 持 ち 出 し 、焼 却 ま た は 埋 没 す る 。な お 、 本 病 は 薬 剤 防 除 の 効 果 が 上 が り に く い 病 害 で あ る の で 、耕 種 的 防 除 に よ り 発 病 を 抑 制 す る こ と が 重 要 で あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 袋 か け は 早 め に 行 う 。 ( 2 ) せ ん 定 枝 や 巻 ひ げ は 焼 却 ま た は 埋 没 す る 。 ( 3 ) 罹 病 果 は 見 つ け 次 第 取 り 除 く 。 ( 4 ) 排 水 や 通 風 採 光 を は か り 、 園 内 が 多 湿 に な ら な い よ う に す る 。 ( 5 ) 結 果 量 や 上 壌 湿 度 を 適 正 に 保 ち 、 健 全 な 樹 勢 に 保 つ よ う に す る 。 果 梗 の 褐 変 と ミ イ ラ 果 の 発 生 果 実 表 面 に 形 成 さ れ た 白 色 の 分 生 子

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10 . 晩 腐 病

G l o m e r e l l a c i n g u l a t a , C o l l e t o r i c h u m a c u t a t u m < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は 結 果 母 枝 や 巻 ひ げ な ど で 菌 糸 の 状 態 で 越 冬 す る 。分 生 胞 子 は 降 雨 に よ っ て 枝 が 十 分 に 濡 れ 、 平 均 気 温 が 1 5 ℃ ぐ ら い ( 4 月 中 旬 頃 ) に な る と 形 成 さ れ 始 め 、2 0 ℃ ぐ ら い に な る と 多 量 に 形 成 さ れ 、そ の 後 終 息 す る 。胞 子 は 降 雨 に よ っ て 飛 散 し 、新 梢 や 果 房 に 感 染 す る 。新 梢 で は 病 徴 は 現 れ ず に 潜 伏 感 染 す る 。 果 実 で は 幼 果 期 に 小 黒 点 病 斑 を 生 じ る 場 合 と 無 病 徴 感 染 す る 場 合 が あ り 、 小 黒 点 病 斑 に つ い て は 着 色 期 ま で 病 斑 の 拡 大 は 見 ら れ な い 。無 病 徴 感 染 の 果 実 は 収 穫 期 近 く に な っ て 発 病 し 、二 次 感 染 源 と な る 。熟 果 で は 感 染 3 ~ 4 日 後 に は 腐 敗 型 病 斑 を 形 成 し 、鮭 肉 色 で 粘 質 の 分 生 胞 子 塊 を 生 じ る 。そ の た め 、収 穫 が 遅 れ る ほ ど 発 病 が 多 く な り や す い 。 ま た 、 開 花 前 の 花 蕾 に 発 病 し た 本 病 も 感 染 源 と し て 重 要 と さ れ て い る 。 防 除 対 策 と し て は 、被 覆 栽 培 に 切 り 替 え る こ と が 最 も 有 効 で あ る 。薬 剤 防 除 は 、 落 花 直 後 と 小 豆 粒 大 期 に べ と 病 今 枝 膨 病 と の 同 時 防 除 を 兼 ね て 実 施 す る 。 な お 、露 地 栽 培 で は 薬 剤 防 除 の 効 果 が 上 が り に く い の で 、袋 か け を 早 め に 行 う な ど の 耕 種 的 防 除 を 併 用 し 、発 病 を 抑 制 す る こ と が 重 要 で あ る 。な お 、袋 の 止 め 口 か ら 雨 水 が 浸 入 す る と 、発 病 が 助 長 さ れ る の で 、丁 寧 な 袋 掛 け を し な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 本 病 の 多 発 園 で は 収 穫 が 遅 れ な い よ う に 注 意 す る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 被 覆 栽 培 を 行 う 。 ( 2 ) 極 力 6 月 中 旬 ま で に 袋 か け を 完 了 す る 。 ま た 、 降 雨 中 や 果 房 が 濡 れ て い る 状 態 の 時 は 絶 対 に 袋 か け を し な い 。 ( 3 ) 罹 病 果 は 見 つ け 次 第 取 り 除 く 。 ( 4 ) 排 水 や 通 風 採 光 を は か り 、 園 内 が 多 湿 に な ら な い よ う に す る 。 ( 5 ) 巻 ひ げ は 処 分 す る ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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11 . 根 頭 が ん し ゅ 病

R h i z o b i u m v i t i s ( A g r o b a c t e r i u m v i t i s ) , R . r a d i o b a c t e r < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 元 来 、凍 害 が 引 き 金 と な っ て 発 生 す る 病 害 で あ る が 、近 年 、福 岡 県 で 確 認 さ れ た 本 病 は 、発 芽 誘 発 が 目 的 の 芽 傷 に が ん し ゅ を 形 成 す る タ イ プ で あ る 。病 原 細 菌 は 汚 染 土 壌 か ら 根 の 傷 を 通 し て 感 染 し 、維 管 束 を 適 っ て か な り 上 部 ま で 移 行 す る 。保 菌 穂 木 か ら 育 成 し た 苗 木 に よ っ て 発 生 地 域 が 拡 大 し 、罹 病 樹 が 持 ち 込 ま れ た 圃 場 で は 土 壌 伝 染 に よ り 、 土 壌 が 汚 染 さ れ る 。 本 細 菌 を 保 繭 し て い て も 芽 傷 作 業 を 中 止 す れ ば 発 病 し な い の で 、保 菌 樹 は 直 ち に 芽 傷 作 業 を 中 止 す る 必 要 が あ る 。な お 、本 病 に 対 す る 有 効 な 薬 剤 防 除 法 は な く 、ま た 芽 傷 部 に 発 生 す る が ん し ゅ の 新 梢 伸 長 及 び 肥 大 へ の 影 響 は 、現 在 ま で の と こ ろ 不 明 で あ る 。 ナ シ 、 モ モ 、 バ ラ な ど に 発 生 す る 根 頭 が ん し ゅ 病 ( 病 原 菌 :A g r o b a c t e r i u m t u m e f a c i e n s )に 効 果 が 認 め ら れ て い る A . r a d i o b a c t e r K 8 4 に よ る 生 物 防 除 は 効 果 が な い 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 法 ( 1 ) 採 穂 用 の 母 樹 は 病 原 細 菌 に 汚 染 さ れ て い な い 樹 を 選 定 す る 。 ( 2 ) 罹 病 苗 木 を 持 ち 込 ま な い よ う に す る 。 ( 3 ) 保 菌 樹 に 対 し て は 芽 傷 作 業 を 行 わ な い 。 ( 4 ) 発 病 園 か ら 園 外 へ 穂 木 や 土 壌 の 移 動 を 行 わ な い よ う に す る 。 芽 傷 跡 に 発 生 し た 状 況 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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12 . ウ イ ル ス 病

西 南 暖 地 の 巨 峰 等 で は 、夏 季 の 高 温 等 気 象 要 因 に よ り 果 実 の 着 色 不 良 や 遅 延 が 起 こ る 。し か し 、着 色 不 良 や 遅 延 さ ら に は 糖 度 低 下 に は ウ イ ル ス 病 が 関 与 し て い る 場 合 が あ る 。病 気 を 保 毒 し て い る 樹 で は 、農 薬 で の 防 除 は 不 可 能 で あ る た め ウ イ ル ス フ リ ー 苗 木 へ の 更 新 を 行 う 。

1 . リ ー フ ロ ー ル 病

G r a p e v i n e I r a f r o l l v i r u s

( 1 ) 生 態 世 界 中 の ブ ド ウ 産 地 に 広 く 分 布 し て お り 、ブ ド ウ の 病 害 の 中 で 最 も 被 害 が 大 き い も の の 一 つ で あ る 。欧 州 系 ブ ド ウ で は 、葉 巻 症 状 や 早 期 紅 葉 が 発 生 す る が 、 県 内 で 栽 培 さ れ て い る 品 種 で は 葉 に 症 状 が 発 生 し な い 。し か し 、果 実 の 糖 度 低 下 、熟 期 の 遅 延 、着 色 不 良 、果 房 の 発 育 不 良 と い っ た 症 状 が ど の 品 種 で も 程 度 の 差 は あ る が あ ら わ れ る 。 従 来 、 国 内 に お け る 伝 染 は 、 接 ぎ 木 に よ っ て の み 行 わ れ る と さ れ て い た が 、 ク ワ コ ナ カ イ ガ ラ ム シ に よ る 伝 染 が 低 率 な が ら 確 認 さ れ て い る 。 ( 2 ) 防 除 法 ○ 耕 種 的 防 除 定 植 す る 際 は ウ イ ル ス フ リ ー 苗 木 を 植 栽 す る 。ま た 、苗 木 を 育 成 す る 場 合 は 検 定 済 み の ウ イ ル ス フ リ ー 樹 か ら 採 穂 す る 。

2 . え そ 果 病

G r a p e v i n e b e r r y i n n e r n e c r o s i s v i r u s ( 1 ) 生 態 1 9 8 4 年 、 茨 城 県 の 巨 峰 に 初 め て 発 生 し 、 そ の 後 、 青 森 、 秋 田 、 栃 木 、 山 梨 の 各 県 で 発 生 が 確 認 さ れ て い る 。幸 い に こ れ ま で 本 県 で は 未 発 生 で あ る が 、 今 後 、 注 意 を 要 す る 病 害 で あ る 。 病 徴 は 、 巨 峰 で は 葉 が 小 さ く な り 、 退 緑 黄 色 ~ 白 色 の モ ザ イ ク 斑 を 葉 の 一 部 ま た は 全 体 に 生 じ る 。果 実 は 幼 果 の 果 面 に 果 肉 内 部 ま で 達 す る 濃 緑 色 の え 死 斑 が 入 る 。果 実 糖 度 は 低 く 、品 質 が 悪 く な り 、 収 量 も 低 下 す る 。 伝 染 は 、 接 ぎ 木 に よ る ほ か 樹 液 に よ っ て 行 わ れ る 。 ( 2 ) 防 除 法 ○ 耕 種 的 防 除 定 植 す る 際 は ウ イ ル ス フ リ ー 苗 木 を 植 栽 す る 。 ま た 、 苗 木 を 育 成 す る 場 合 は 検 定 済 み の ウ イ ル ス フ リ ー 樹 か ら 採 穂 す る 。 ( 写 真 左 : ウ イ ル ス 保 毒 樹 の 着 色 不 良 果 実 ) ( 写 真 右 : ウ イ ル ス フ リ ー 樹 の 健 全 果 実 )

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1 . チ ャ ノ キ イ ロ ア ザ ミ ウ マ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 年 1 0 回 以 上 発 生 す る 。 主 と し て 粗 皮 間 隙 や 地 表 面 及 び 枯 葉 内 で 成 虫 態 又 は 蛹 態 で 越 冬 す る 。 チ ャ 、 サ ザ ン カ 、 ツ バ キ 、 マ サ キ 等 多 く の 植 物 に 寄 生 し 繁 殖 す る 。 各 種 寄 生 植 物 で 増 殖 し た 第 2 世 代 成 虫 が 5 月 中 旬 の 開 花 期 ご ろ か ら ブ ド ウ に 移 動 し て 加 害 す る 。主 な 加 害 時 期 は 落 花 直 後 ~ 袋 か け 期 で あ り 、こ の 時 期 に 5 ~ 7 日 お き 2 ~ 3 回 防 除 す る 。 ま た 、果 粒 の 後 期 被 害 防 止 と 穂 軸 の 被 害 防 止 の た め に 袋 か け 後( 6 月 下 旬 ~ 7 月 上 旬 ) の 防 除 も 大 切 で あ る 。 な お 、 本 種 の 発 生 は 年 及 び 場 所 に よ る 差 が 大 き い の で 、 チ ャ や ブ ド ウ で の 発 生 状 況 を 調 査 し 、 適 切 な 防 除 回 数 を 決 定 す る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 放 任 の 茶 樹 を 整 理 す る 。 ( 2 ) 袋 か け を 早 期 に 行 う 。 成 虫 被 害 穂 軸 ( 右 端 は 健 全 果 )

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2 . ブ ド ウ ト ラ カ ミ キ リ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 成 虫 は 8 月 下 旬 ~ 9 月 上 旬 を ピ ー ク に 、 7 月 下 旬 ~ 1 0 月 上 旬 の 長 期 間 に わ た っ て 発 生 す る 。卵 は 主 に 芽 の 鱗 苞 の 間 隙 に 産 下 さ れ 、平 均 6 日 の 卵 期 を 経 て ふ 化 す る 。ふ 化 幼 虫 は 、初 め は 芽 の 周 辺 を わ ず か に 食 害 す る 程 度 で あ る が 、し だ い に 樹 皮 下 を 食 害 進 展 し 1 1 月 頃 か ら は 木 質 部 ま で せ ん 孔 す る よ う に な る 。 防 除 は 、 成 虫 の 発 生 が 終 了 し た 1 0 月 上 中 旬 の 散 布 に 重 点 を お き 、 薬 剤 散 布 は 、 剪 定 時 に 残 す 部 位 を 対 象 に 十 分 行 う 。 更 に 、本 種 の 防 除 を 的 確 な も の に す る に は 、被 害 剪 定 枝 を 地 域 ぐ る み で 処 分 す る こ と も 大 切 で あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 被 害 枝 は 処 分 す る 。 ( 2 ) 食 入 幼 虫 の 刺 殺 主 幹 、 主 枝 並 び に 芽 部 の 周 辺 皮 下 の 食 入 幼 虫 を 冬 期 間 に 刺 殺 す る 。 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) 幼 虫 脱 出 口 成 虫 越 冬 枝 被 害 新 梢

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3 . コ ウ モ リ ガ 類

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 成 虫 は 8 月 中 旬 ~ 1 1 月 上 旬 に 羽 化 し 、 夜 間 に 飛 翔 し な が ら 空 中 か ら 多 数 の 卵 を 産 み 落 と す 。地 上 の 卵 は 、そ の ま ま の 状 態 で 越 年 す る が 、翌 年 の 5 月 頃 に ふ 化 し 、幼 虫 が 付 近 の 草 木 に 食 入 し て 発 育 す る 。そ の 後 、ブ ド ウ に 移 動 し 食 入 加 害 す る 。 な お 、 キ マ ダ ラ コ ウ モ リ ガ は 6 月 に 羽 化 し 産 卵 す る 。 卵 か ら 成 虫 に な る ま で に 、通 常 2 年 を 要 す る が 、食 餌 植 物 の 状 態 に よ っ て は 1 年 の こ と も あ る 。 被 害 防 止 の た め に は 発 生 源 と な る 園 周 辺 の 雑 草 の 過 繁 茂 を 防 ぎ 、草 生 栽 培 園 で は 株 元 付 近 の 除 草 を 行 う 。園 内 外 の 雑 草 に 薬 剤 散 布 し て も 効 果 が あ る 。園 内 の 巡 視 を 行 い 、早 期 発 見 に 努 め る 。樹 で の 発 生 を 認 め た 場 合 は 、直 ち に 食 入 虫 を 刺 殺 す る 。 な お 、本 種 と よ く 似 た 被 害 を 出 す も の と し て 、他 に ク ビ ア カ ス カ シ バ が 一 部 で 発 生 し て い る が 、詳 し い 生 態 と 防 除 法 に つ い て は 不 明 で あ る 。但 し 、防 除 対 策 は コ ウ モ リ ガ に 準 ず る < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 園 周 辺 の 草 木 の 繁 茂 を 防 ぎ 、 特 に 根 元 周 辺 は 清 潔 に す る 。 ( 2 ) 食 入 虫 の 刺 殺 コ ウ モ リ ガ 類 の 被 害 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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4 . コ ガ ネ ム シ 類

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > ブ ド ウ を 加 害 す る コ ガ ネ ム シ 類 と し て 数 種 の も の が 知 ら れ て い る 。成 虫 の 飛 来 食 害 時 期 は 種 類 に よ り 多 少 異 な っ て お り 、マ メ コ ガ ネ は 5 ~ 7 月 、ド ウ ガ ネ ブ イ ブ イ は 6 ~ 8 月 、ヒ メ コ ガ ネ は 6 ~ 9 月 、ア オ ド ウ ガ ネ は 7 ~ 9 月 に 主 と し て 見 ら れ る 。通 常 年 1 回 の 発 生 で 、土 中 で 幼 虫 越 冬 す る 。成 虫 は 園 外 か ら 飛 来 す る た め 、園 の 周 辺 部 に 発 生 が 多 い 傾 向 に あ る の で 、そ の 部 分 で の 早 期 発 見 に 努 め 、被 害 が 進 ま な い う ち に 適 宜 防 除 す る 。な お 発 生 の 多 い 山 間 地 帯 で は 数 回 の 防 除 が 必 要 で あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 成 虫 の 捕 殺 少 発 生 時 は 園 内 を 巡 視 し て 捕 殺 す る の も 効 果 的 で あ る 。特 に 行 動 の 鈍 感 な 早 朝 に 行 う と よ い 。 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) マ メ コ ガ ネ 成 虫 と 被 害 葉 ド ウ ガ ネ ブ イ ブ イ 成 虫

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5 . ブ ド ウ ネ ア ブ ラ ム シ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 本 種 は 、北 ア メ リ カ 原 産 で 日 本 へ は 明 治 1 8 年 に 侵 入 し て 猛 威 を 振 る っ た が 、 昭 和 に 入 っ て 抵 抗 性 台 木 の 導 入 に よ り 姿 を 消 し て い た 。し か し 、近 年 マ ン ソ ン 栽 培 等 の 自 根 栽 培 が 行 わ れ る よ う に な っ て 再 発 生 し た 。 本 種 に 寄 生 さ れ る と 根 に ゴ ー ル が で き 、枯 死 す る た め 養 分 吸 収 が 困 難 に な り 、 地 上 部 は 生 育 不 良 と な り 無 核 果 、エ ビ 果 が 出 来 る 。ま れ に 葉 に ゴ ー ル が 出 来 る こ と も あ る 。 防 除 対 策 と し て は 、抵 抗 性 台 木 の 導 入 が 最 も 効 果 的 で 、薬 剤 防 除 の 効 果 は 低 い 。 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

6 . カ ン ザ ワ ハ ダ ニ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > ブ ド ウ を 加 害 す る ハ ダ ニ 類 と し て 数 種 い る が 、最 近 本 虫 の 発 生 が 施 設 や ト ン ネ ル 栽 培 園 な ど 雨 が か か ら な い ブ ド ウ 園 で 多 く な っ て い る 。本 虫 は 、ブ ド ウ に 対 す る 寄 生 性 が 低 い の で 、被 覆 し な い 露 地 の ブ ド ウ で は 問 題 と な ら な い 。発 生 時 期 は 、作 型 や 加 温 時 期 に よ り 異 な る の で 、発 生 に 注 意 し て 加 害 初 期 に 防 除 す る 。 な お 、 園 内 に マ メ 類 等 の 間 作 を し て い る と 発 生 が 多 く な る 傾 向 に あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 園 内 の 間 作 を 避 け る 。 ( 2 ) 園 内 の 除 草 に 努 め る 。 被 害 葉 被 害 根

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7 . ミ カ ン キ イ ロ ア ザ ミ ウ マ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 果 樹 で は ブ ド ウ の 他 に カ ン キ ツ 、 カ キ 、 イ チ ジ ク 、 モ モ 、 リ ン ゴ な ど が 加 害 さ れ る 。ブ ド ウ で の 被 害 は 、落 花 期 前 後 の 子 房 へ の 産 卵 が 原 因 と な っ て 起 こ る 果 粒 の 白 ぶ く れ 症 状 で 、 成 ・ 幼 虫 の 食 害 に よ る 果 粒 、 新 梢 、 穂 軸 の 被 害 は ほ と ん ど 発 生 し な い 。主 に 加 温 ハ ウ ス 栽 培 の ブ ド ウ が 加 害 さ れ る が 、露 地 で も ま れ に 被 害 が 出 る こ と が あ る 。「 巨 峰 」、「 ピ オ ー ネ 」 等 の 黒 色 系 品 種 で は 、 果 粒 の 着 色 進 展 に 伴 っ て 白 ぶ く れ 症 状 が 目 立 た な く な る た め 実 害 は 少 な い が 、「 ロ ザ リ オ ・ ビ ア ン コ 」、「 甲 斐 路 」 等 の 緑 色 ・ 赤 色 系 の 品 種 で は 、 産 卵 痕 に よ る 外 観 品 質 の 低 下 、産 卵 部 位 の コ ル ク 化 、裂 果 を 生 ず る た め に 商 品 性 が 大 き く 低 下 す る 。 雌 成 虫 に よ る 子 房 へ の 産 卵 は 開 花 直 前 頃 か ら 始 ま り 、落 花 期 か ら 落 花 7 日 目 頃 に 最 盛 期 と な る 。幼 果 が 肥 大 す る と ほ と ん ど 産 卵 し な く な る の で 、落 花 期 か ら 落 花 7 日 目 頃 に チ ャ ノ キ イ ロ ア ザ ミ ウ マ と の 同 時 防 除 を 行 う と 効 果 が 高 い 。 ま た 、本 種 は 寄 主 植 物 が 多 く 、雑 草 等 で 繁 殖 す る の で 、ハ ウ ス 内 の 下 草 や 周 辺 の 雑 草 管 理 は 飛 来 源 や 増 殖 源 対 策 と し て 有 効 で あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ハ ウ ス 内 外 の 下 草 、 雑 草 管 理 。

8 . ク ビ ア カ ス カ シ バ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 近 年 、環 状 剥 皮 を 実 施 し た ピ オ ー ネ で 被 害 が 増 加 し て い る 。成 虫 は 前 翅 を 広 げ る と 約 4 . 5 c m ほ ど あ る 。ガ の 仲 間 で あ る が 透 明 な 翅 を 持 ち 、一 見 ス ズ メ バ チ に 似 て い る 。生 態 は 未 解 明 な 部 分 が 多 い が 、年 1 世 代 で 成 虫 は 6 月 下 旬 頃 か ら 羽 化 し 始 め 、8 月 中 旬 頃 ま で 産 卵 す る よ う で あ る 。ふ 化 し た 幼 虫 は 主 幹 部 の 樹 皮 下 を 食 害 し 、樹 勢 の 低 下 や 枯 死 を 招 く 。加 害 部 は オ ガ ク ズ 状 の 虫 フ ン に 覆 わ れ 、時 に 樹 液 が 溶 出 す る の で 見 つ け や す い 。若 齢 期 の 幼 虫 は 乳 白 色 で あ る が 老 齢 期 に は 桃 紫 色 と な り 体 長 は 3 ~ 4 c m に 達 す る 。 終 齢 幼 虫 は 被 害 樹 か ら 土 中 に 移 動 し 、 地 表 か ら 数 c m の と こ ろ で 土 繭 を 作 り そ の 中 で 越 冬 す る 。 土 繭 は 被 害 樹 の 周 囲 3 0 ~ 4 0 c m の 範 囲 に あ る の で 、 注 意 す れ ば 見 つ か る 。 フ タ テ ン ヒ メ ヨ コ バ イ の 第 1 世 代 幼 虫 防 除 の 際( 6 ~ 7 月 )に 枝 幹 部 に も 薬 剤 を 散 布 す れ ば 本 種 の 食 入 防 止 が 期 待 で き る 。 < 防 除 法 > ○ 物 理 的 防 除 法 ( 1 ) ハ リ ガ ネ 等 を 使 い 食 入 幼 虫 を 刺 殺 す る 。 ( 2 ) 冬 期 に 被 害 樹 の 周 囲 を 浅 く 耕 起 し 、土 繭 を 破 壊 す る 。

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9 . ブ ド ウ ト リ バ 類 ( ブ ド ウ ト リ バ 、 ブ ド ウ オ オ ト リ バ )

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 山 間 部 の 雑 木 林 に 近 い 園 で 被 害 が 発 生 す る こ と が 多 い 。両 種 は 形 態 的 に 似 て い る が 、 成 虫 の 体 長 は ブ ド ウ ト リ バ が 8 m m 程 度 で あ る の に 対 し て ブ ド ウ オ オ ト リ バ は 1 0 ~ 1 5 m m と や や 大 型 で あ る 。 両 種 共 に 年 2 ~ 3 回 の 発 生 で あ る が 、 被 害 は 主 に 6 ~ 7 月 に 発 生 す る 。 成 虫 は 果 梗 、 果 托 、 巻 ツ ル な ど に 産 卵 し 、 ふ 化 幼 虫 は 果 実 を 渡 り 歩 い て 加 害 す る 。加 害 さ れ た 果 実 か ら は 虫 フ ン が 出 て い る の で 容 易 に 見 つ け ら れ る 。 防 除 は 成 虫 飛 来 期 に 重 点 を 置 き 実 施 す る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 法 ( 1 )発 生 源 と な る 園 地 周 辺 の 野 生 の ブ ド ウ 類( ヤ マ ブ ド ウ 、 エ ビ ズ ル 、 ノ ブ ド ウ ) を 処 分 す る 。

10 . ブ ド ウ サ ビ ダ ニ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 体 長 は 0 . 1 m m 程 度 で 肉 眼 で は 見 え に く い 。 芽 の 毛 じ 内 や 粗 皮 下 で 成 虫 越 冬 し 、成 葉 上 で 世 代 を 繰 り 返 す 他 、生 態 に つ い て は 不 明 な 点 が 多 い 。7 月 頃 か ら 発 生 が 多 く な り 乾 燥 が 続 く と 多 発 す る 。主 に 成 葉 を 加 害 す る が 、穂 軸 や 果 梗 に チ ャ ノ キ イ ロ ア ザ ミ ウ マ の 被 害 に よ く 似 た 症 状 を 出 す こ と も あ る 。加 害 初 期 の 葉 は 葉 脈 部 分 が 薄 墨 色 に わ ず か に 変 色 し 、加 害 が 進 む に つ れ 全 面 が ス ス 葉 症 状 と な る 。 7 月 頃 に ハ ダ ニ 類 の 防 除 を 徹 底 す る と 発 生 が 少 な く な る 。 果 実 を 加 害 す る 幼 虫 成 虫

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11 . ハ ス モ ン ヨ ト ウ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 成 虫 は 開 長 約 4 c m 、 体 と 翅 は 褐 色 で 翅 に は 斜 め の 白 筋 が あ る 。 卵 は 表 面 が 鱗 粉 で 覆 わ れ 、塊 状 に 産 下 さ れ る 。ふ 化 幼 虫 の 体 長 は 約 1 m m 、成 長 す る と 背 線 の 両 側 に 黒 斑 が 見 ら れ 、終 齢 幼 虫 で は 体 長 約 4 c m に 達 す る 。野 外 で は 年 5 ~ 6 回 発 生 し 、 様 々 な 植 物 を 加 害 す る 。 ブ ド ウ で は 主 に 新 芽 や 葉 が 加 害 さ れ る 。ふ 化 幼 虫 は 葉 裏 を 加 害 す る た め 被 害 葉 は か す り 状 に な る 。 散 布 薬 剤 に よ る 防 除 効 果 は ふ 化 幼 虫 時 期 が 最 も 高 い の で 、 ほ 場 を 見 回 り 発 生 に 注 意 す る 。 ま た 、 性 フ ェ ロ モ ン 剤 を 用 い た 発 生 予 察 も 可 能 で あ る 。 < 防 除 法 > ( 1 ) 交 信 攬 乱 剤 は 成 虫 発 生 前 に 設 置 す る 。 ( 2 ) 薬 剤 散 布 は 幼 虫 ふ 化 時 期 に 実 施 す る 。

12 . ス ジ ブ ト ホ コ リ ダ ニ

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 成 虫 の 体 長 は 0 . 2 m m 程 度 、淡 黄 褐 色 で 、幼 虫 は 白 色 、卵 は 半 透 明 楕 円 形 で あ る 。 高 温 多 湿 を 好 み 、施 設 栽 培 で の 発 生 が 多 い 。主 に 生 育 初 期 の 芯 部( 生 長 点 )、 特 に 展 葉 前 の 副 梢 基 部 に 多 く 寄 生 す る 。 幼 果 、 穂 軸 、 果 梗 も 吸 汁 加 害 し 、 加 害 部 位 は 褐 変 す る 。数 頭 で 劇 症 化 す る が 、展 開 し た 葉 で は 寄 生 は 少 な く な る 。発 育 速 度 が 速 く 、 2 5 ℃ で は 5 ~ 7 日 で 1 世 代 経 過 す る 。 本 種 は 食 菌 性 で あ り 、 健 全 な 植 物 上 で 繁 殖 ・ 加 害 す る こ と は ほ と ん ど な い 。 し か し 、果 粒 上 に 花 冠 が 長 く 残 っ て 灰 色 か び 病 な ど の 病 害 が 発 生 す る と そ こ で 繁 殖 し 植 物 を 加 害 す る の で 、 花 冠 の 除 去 や ほ 場 の 湿 度 管 理 等 の 予 防 に 努 め る 。 薬 剤 防 除 は 発 生 初 期 に 行 う 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 資 材 に 付 着 し て 移 動 す る 可 能 性 が あ る の で 、 発 生 ほ 場 で 使 用 し た 資 材 を 流 用 す る 際 に は 注 意 す る 。 被 害 葉

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1 .

黒 星 病

V e n t u r i a n a s h i c o l a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 伝 染 源 は 、芽 基 部 上 に 形 成 さ れ る 分 生 胞 子 と 、罹 病 落 葉 に 形 成 さ れ る 子 の う 胞 子 で あ る 。芽 基 部 り ん 片 に 発 病 の み ら れ る ほ 場 は 多 発 す る 。初 発 病 は 開 花 前 の 芽 基 部 に 認 め ら れ る こ と が 多 く 、 こ れ ら の 病 斑 部 に 多 量 の 分 生 胞 子 を 作 り 次 々 に 二 次 伝 染 す る 。4 ~ 6 月 と 9 月 が 低 温 多 雨 の 年 に 発 病 が 多 い 。潜 伏 期 間 は 4 月 で は 1 5 ~ 1 7 日 で あ る 。 初 期 防 除 に 重 点 を お き 、開 花 前 か ら の 初 期 発 病 を 抑 え 、5 月 か ら 梅 雨 期 に 重 点 的 に 行 う 。ま た 越 冬 菌 密 度 を 少 な く す る た め 秋 季 防 除 を 徹 底 す る 。薬 剤 防 除 に 当 っ て は 、 耐 性 菌 の 出 現 を さ け る た め 、 同 一 系 統 薬 剤 の 連 用 散 布 を さ け る 。 な お 、 効 果 が 劣 る 場 合 は 他 の 系 統 の 薬 剤 を 使 用 す る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 罹 病 苗 を 持 込 ま な い よ う に す る 。 ( 2 ) 落 葉 の 処 分 を 行 う 。 ( 3 ) 春 季 の 初 期 発 病 芽 は 出 来 る か ぎ り 剪 除 し 、 処 分 す る 。 ( 4 ) 枝 梢 が 遅 伸 び や 二 次 伸 長 を し な い 栽 培 管 理 を す る 。 ( 5 ) 密 植 園 は 間 伐 を 行 い 、 園 の 排 水 、 通 風 及 び 採 光 を は か る 。 葉 柄 の 病 斑 花 の 病 斑 幼 果 の 病 斑 熟 果 の 病 斑 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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2 . 黒 斑 病

A l t e r n a r i a a l e r n a t a J a p a n e s e p e a r p a t h o t y p e < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 発 病 は 品 種 間 差 が 大 き く 、二 十 世 紀 が も っ と も 弱 く 、新 水 も 発 病 が 多 い 。な お ゴ ー ル ド ニ 十 世 紀 は 発 病 し に く い 。 越 冬 伝 染 源 は 、発 育 枝 や 短 果 枝 上 の 病 斑 、ぼ け 芽 な ど が 主 体 を な し 、病 斑 上 に は 4 月 か ら 胞 子 が で き 、風 雨 に よ り 飛 散 す る 。枝 葉 の 感 染 発 病 は 、若 い 組 織 だ け で あ る が 、 果 実 は 幼 果 か ら 熟 果 ま で 感 染 発 病 す る 。 病 原 菌 の 発 育 適 温 は 2 5 ~ 2 8 ℃ で 、高 温 多 湿 の 梅 雨 期 に 伝 染 が 著 し い が 、袋 か け 前 が 小 雨 高 温 多 照 の 気 象 条 件 の 場 合 で も 防 除 を 怠 る と 、 多 発 病 す る こ と が あ る 。 新 梢 葉 上 に で き た 病 斑 は 、 二 次 伝 染 源 と し て 多 量 の 胞 子 を 形 成 す る 。 葉 の 発 病 と 果 実 の 発 病 と は 、必 ず し も 相 関 が な く 、葉 の 発 病 が 少 な く て も 果 実 に 多 発 す る こ と が あ る 。 果 実 を 対 象 と し た 薬 剤 防 除 は 、開 花 期 ~ 梅 雨 期 に 重 点 を お き 、特 に 小 袋 か け 前 と 梅 雨 期 の 防 除 を 徹 底 す る 。な お 、同 一 薬 剤 の 連 用 散 布 は 耐 性 菌 の 出 現 を 防 ぐ た め 避 け 、 効 果 の 劣 る 場 合 は 他 の 薬 剤 を 使 用 す る 。 ま た 、 最 近 は S S に よ る 防 除 が 一 般 的 で あ る が 、 散 布 量 お よ び 付 着 量 が 不 足 気 味 な の で 、 S S 防 除 を 前 提 に 樹 形 改 造 や 栽 培 管 理 を 行 う 。 不 時 落 葉 や 窒 素 質 肥 料 の 遅 効 き 、整 枝 、剪 定 に 十 分 注 意 し 、二 次 伸 長 の 誘 発 を 防 ぐ 。 枝 梢 の 伸 長 は 、 7 月 上 旬 で 止 め る よ う 管 理 す る 。 ま た 、 多 発 園 で は 、 発 芽 前 の 散 布 を 行 い 、 開 花 前 の 防 除 を 徹 底 し て 病 原 菌 の 密 度 低 下 を 図 る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 罹 病 苗 を 持 込 ま な い よ う に す る 。 ( 2 ) 密 植 園 は 間 伐 を 行 い 園 の 排 水 、 通 風 及 び 採 光 を 図 る 。 ( 3 ) 枝 梢 の 遅 伸 び や 二 次 伸 長 を し な い 栽 培 管 理 を す る 。 ( 4 ) 冬 季 罹 病 枝 梢 及 び 罹 病 芽 を 剪 除 す る 。 ( 5 ) 袋 か け を 早 期 に 行 う 。 ( 6 ) 被 覆 栽 培 園 で は 換 気 を 十 分 に 行 い 、 湿 度 を 下 げ る 。 葉 の 病 斑 果 実 の 病 斑 発 病 に よ る 裂 果 状 況 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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3 . 赤 星 病

G y m n o s p o r a n g i u m a s i a t i c u m < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 病 原 菌 は ナ シ と ビ ャ ク シ ン 類 と の 間 に 寄 生 輪 廻 を 行 う 。ビ ャ ク シ ン 類 の 枝 葉 の 組 織 内 に 菌 糸 態 で 越 冬 し 2 月 中 下 旬 頃 か ら ビ ャ ク シ ン の 枝 葉 上 に 冬 胞 子 堆 を 形 成 す る 。こ の 冬 胞 子 堆 は 3 月 下 旬 頃 か ら 降 雨 の 際 に 寒 天 状 に 膨 潤 す る 。発 芽 し た 冬 胞 子 は 小 生 子 を 生 じ ナ シ に 飛 来 し て 感 染 す る 。 感 染 後 1 0 日 ~ 2 週 間 位 で 発 病 す る が 二 次 伝 染 は し な い 、発 病 後 約 1 か 月 を 過 ぎ る と 銹 胞 子 は 雨 で ビ ャ ク シ ン 類 に 感 染 し 夏 ~ 冬 を 過 ご す 。 防 除 に あ た っ て は 、 感 染 期 の 予 察 を 行 い 、 適 期 防 除 を 推 進 す る 。 中 間 宿 主 対 策 と し て 、ナ シ 園 周 辺 の ビ ャ ク シ ン 類 は 可 能 な 限 り 広 域 に 植 栽 を さ け る 。 予 察 は 、ビ ャ ク シ ン 類 上 の 冬 胞 子 堆 の 膨 潤 状 況 を 3 月 下 旬 頃 か ら 降 雨 の 都 度 観 察 を す る か 、あ る い は 、ビ ャ ク シ ン 類 の 冬 胞 子 堆 病 斑 を 数 日 お き に 水 に 浸 漬 し そ の 膨 潤 状 況 を 観 察 す る こ と で 行 う こ と が で き る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 中 間 寄 主 の 除 去 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) 葉 の 銹 子 腔 果 実 の 発 病

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4 . 輪 紋 病

B o t r y o s p h a e r i a b e r e n g e r i a n a d e N o t a r i s f . s p .p i r i c o l a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 新 水 、 幸 水 、 豊 水 、 菊 水 、 新 興 、 新 高 、 長 十 郎 な ど に 多 く 発 病 し 、 特 に 無 袋 の 幸 水 、豊 水 に 被 害 が 大 き い 。ほ 場 に お け る 発 病 初 期 は 8 月 中 旬 以 後 で 発 病 盛 期 は 9 月 中 旬 頃 で あ る 。病 原 菌 は 柄 胞 子 と 子 の う 胞 子 で 伝 染 し 、主 に 枝 の い ぼ 内 に 形 成 さ れ た 柄 子 穀 内 で 越 年 す る 。 柄 胞 子 の 溢 出 期 間 は 2 月 下 旬 か ら 1 0 月 下 旬 の 間 で あ る が 、溢 出 量 の 多 い の は 5 月 下 旬 ~ 8 月 上 旬 で あ る 。病 原 菌 の 発 育 適 温 は 2 0 ~ 3 0 ℃ で 2 7 ℃ が 最 適 温 度 で あ る 。 ま た 湿 度 9 5 % 以 上 で 胞 子 溢 出 が 多 く 、発 病 が 多 く な る 。果 実 の 感 染 は 5 ~ 7 月 に 多 く 、枝 の 感 染 は 4 月 中 旬 か ら 8 月 下 旬 に 皮 目 感 染 す る 。 ま た 時 期 に 関 係 な く 傷 感 染 も 起 こ る 。 本 病 は 、薬 剤 の み で は 防 除 効 果 が 不 十 分 で あ る の で 、冬 季 の イ ボ の 削 り 取 り 、 罹 病 枝 の 剪 除 、処 分 等 の 耕 種 的 防 除 を 徹 底 す る こ と が 大 切 で あ る 。耕 種 的 防 除 の 実 施 に 当 た っ て は 、狭 い 一 ほ 場 だ け で は 効 果 が 上 が り に く い の で 、広 範 に 行 う 必 要 が あ る 。 薬 剤 防 除 は 6 ~ 7 月 の 梅 雨 期 を 中 心 に 行 う が 、イ ボ か ら の 胞 子 の 飛 散 を 防 ぐ た め 枝 に も よ く か か る よ う 散 布 す る 。 発 病 の 多 い 園 で は 有 袋 栽 培 を 行 う 。 < 防 除 法 > O 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 罹 病 苗 を 持 込 ま な い よ う に す る 。 ( 2 ) 冬 季 罹 病 枝 を 剪 除 又 は 病 患 部 を 削 り 取 り 、 処 分 す る 。 ( 3 ) 袋 か け は 早 目 に 行 う 。 ( 4 ) 樹 の 保 健 に 努 め る 。 ( 5 ) 排 水 不 良 園 は 排 水 を よ く す る 。 ( 6 ) 防 風 垣 を 整 備 す る 。 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) 枝 の 病 斑 果 実 の 病 斑

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5 . 白 紋 羽 病

R o s e l l i n i a n e c a t r i x < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 白 色 の 根 状 菌 糸 束 が 根 部 に ま ん 延 し て 根 を 腐 敗 さ せ る 。伝 染 は 主 に 土 壌 中 の 病 菌 糸 の ま ん 延 に よ っ て 起 こ る 。病 原 菌 の 発 育 は 、土 壌 に 空 気 の 流 通 が よ い 場 合 、温 度 2 0 ~ 2 5 ℃ 、土 壌 酸 度 は 弱 酸 か ら 中 性 位 、土 壌 湿 度 は 容 水 量 の 7 0 ~ 8 0 % 位 が 好 適 で あ る 。発 病 し や す い 条 件 は 樹 勢 が 衰 弱 し た 場 合 で あ る 。病 原 菌 は 植 物 体 の セ ル ロ ー ス を 炭 素 源 と し て 利 用 す る の で 土 壌 中 の 粗 大 有 機 物 は 繁 殖 を 助 長 す る 。ま た 通 気 の よ い 所 に 繁 殖 し や す い の で 深 耕 園 に 発 病 が 多 い 。防 除 に あ た っ て は 、新 植 園 は 無 病 地 を 選 び 無 病 苗 木 を 植 え つ け る 。樹 勢 を 健 全 に 維 持 し 、発 病 し に く い 環 境 を 作 る よ う 管 理 す る 。発 病 樹 は 着 果 を 減 じ 、特 に ひ ど い 樹 は 果 実 を な ら せ な い よ う に す る 。 粗 大 有 機 物 は 深 く 埋 没 し た 方 が よ い 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 新 植 の 場 合 に は 無 病 地 を 選 ぶ 。 ( 2 ) 罹 病 苗 を 持 込 ま な い よ う に す る 。 ( 3 ) 結 果 過 多 、 強 剪 定 を つ つ し み 、 樹 の 保 健 に 努 め る 。 ( 4 ) 発 病 樹 は 着 果 を 減 じ 、 特 に ひ ど い 樹 は 果 実 を な ら せ な い よ う に す る 。 ( 5 ) 前 作 の 被 害 根 の 処 分 を 完 全 に 行 う 。 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) 被 害 根

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6 . 胴 枯 病

P h o m o p s i s f u k u s h i i < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 生 態 及 び 防 除 法 に つ い て は 不 明 な 点 が 多 い が 、枝 幹 の 組 織 内 に 病 原 菌 が 侵 入 し 、皮 層 部 や 木 部 に ま で 達 し て 徐 々 に 病 斑 を 拡 大 し 、樹 を 衰 弱 さ せ て 、最 後 に は 枯 死 さ せ る 。 病 原 菌 は 、 一 般 的 に は 病 原 力 の 弱 い 傷 ( 痍 ) 寄 生 菌 で あ り 、 傷 口 が な い と 侵 入 で き な い 。剪 定 の 切 口 や 枯 死 は 菌 の 侵 入 口 と な る 。生 育 健 全 な 樹 に は 発 病 が 少 な い 。 病 勢 の 進 展 時 期 は 春 と 秋 の 2 回 で あ る 。 二 十 世 紀 、 新 水 、 幸 水 、 長 十 郎 、 豊 水 等 に 発 病 が 多 く 、 特 に 幸 水 に 多 発 す る 。 防 除 に あ た っ て は 、薬 剤 散 布 だ け で は 樹 体 内 の 病 原 菌 の 発 育 を 抑 え る こ と が で き な い の で 耕 種 的 防 除 と 併 せ て 、総 合 的 な 防 除 法 を と る 必 要 が あ る 。肥 培 管 理 の 面 か ら は 、 樹 勢 の 維 持 増 強 が 必 要 で あ り 、 樹 を 衰 弱 さ せ な い よ う に 剪 定 、 施 肥 、結 果 量 等 の 適 正 化 に 努 め る 。病 患 部 を 削 り 取 っ た 傷 口 や 剪 定 切 口 に は 塗 布 剤 を 塗 布 す る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 肥 培 管 理 を 適 正 に し 、 樹 勢 の 健 全 化 に 努 め る 。 ( 2 ) 排 水 お よ び 通 風 を よ く す る 。 ( 3 ) 虫 害 ・ 凍 害 ・ 日 焼 け な ど に よ っ て 枝 幹 を 傷 つ け な い よ う に す る 。 ( 4 ) 罹 病 し や す い 幸 水 、 豊 水 の 剪 定 は 、 2 月 下 旬 以 降 に 行 う 。 ( 5 ) 被 害 枝 は 剪 除 ま た は 病 患 部 を 完 全 に 削 り 取 り 処 分 す る 。 枝 幹 の 病 状 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

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7 . 枝 枯 病

Bo try osp hae ri a d ot hid ea

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 枝 、幹 、葉 お よ び 果 実 を 侵 す 。2 ~ 3 年 生 の 側 枝 が 突 然 萎 凋 す る の が 特 徴 で 、 剪 定 切 り 口 、芽 枯 れ 部 ま た は 枝 表 皮 の 亀 裂 部 な ど か ら 発 病 す る 。病 斑 部 は 最 初 黒 褐 色 で 、そ の 後 赤 褐 色 と な る 。菌 は 木 質 部 深 く ま で 達 し 形 成 層 を 破 壊 す る の で 、病 斑 部 よ り 先 は 萎 凋 枯 死 す る 。果 実 に お い て は 、輪 紋 病 と 異 な り 病 斑 上 に 輪 紋 を 形 成 し な い の が 特 徴 で あ る 。病 原 菌 は 枝 、幹 の 病 斑 上 ま た は 剪 定 枯 枝 上 で 腐 生 的 に 生 活 し て お り 、病 斑 上 に 作 ら れ た 柄 胞 子 は 雨 で 飛 散 し 、枝 幹 の 付 傷 部 よ り 侵 入 す る 。幼 木 時 に 多 肥 栽 培 な ど で 軟 弱 徒 長 気 味 に 育 て る と 発 病 し や す い 。病 原 菌 は 傷 口 か ら 侵 入 す る の で 剪 定 切 り 口 に は 殺 菌 塗 布 剤 を 塗 布 す る 。結 果 過 多 を 避 け 、 排 水 の 悪 い 園 地 で は 土 壌 改 良 を 行 う こ と も 大 切 で あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 罹 病 枝 や 罹 病 果 は 直 ち に 摘 除 し 、 処 分 す る 。 ( 2 ) 幼 木 時 に 肥 培 管 理 を 適 正 に し 、 軟 弱 徒 長 気 味 に 育 て な い 。 ( 3 ) 結 果 過 多 を 避 け 、 排 水 の 悪 い 園 地 で は 土 壌 改 良 を 行 う 。

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8 . 疫 病

P h y t o p h t o r a c a c t o r u m < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 新 梢 、 葉 、 幼 果 に 発 生 し 、 黒 褐 色 不 整 形 病 斑 を 生 じ る 。 葉 や 幼 果 で は 萎 凋 枯 死 し 、落 果 せ ず に ミ イ ラ 化 す る 。主 枝 や 主 幹 に 侵 入 し た 病 原 菌 は 形 成 層 の 部 分 を 進 展 し 、表 皮 は 黒 変 す る 。病 原 菌 は 藻 菌 類 の 一 種 で 土 壌 中 に 卵 胞 子 の 形 態 で 生 存 し 、過 湿 条 件 下 で 遊 走 子 の う を 形 成 す る 。こ れ か ら 生 じ た 遊 走 子 は 雨 滴 な ど に よ り 枝 、葉 お よ び 主 幹 部 ま で は ね 上 が り 感 染 す る 。土 壌 水 分 が 過 湿 に な る 場 所 や 風 通 し が 悪 い と こ ろ に 発 生 し や す い 。主 に 地 表 面 付 近 の 卵 胞 子 が 第 一 次 伝 染 源 と な る こ と か ら 、敷 き わ ら を 行 っ た り 、草 生 栽 培 に 切 り 替 え る こ と で 発 病 を 抑 制 で き る 。 罹 病 枝 や 罹 病 果 は 直 ち に 除 去 焼 却 し 、 二 次 伝 染 を 防 止 す る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 被 害 果 は 直 ち に 摘 除 し 、 処 分 す る 。 ( 2 ) 敷 き わ ら を 行 っ た り 、 草 生 栽 培 に 切 り 替 え る ( 3 ) 園 内 の 通 風 を ぽ か り 、 多 湿 に な ら な い よ う に 努 め る 。

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9 . う ど ん こ 病

P h y l l a c t i n i a p y r i < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 第 一 次 伝 染 源 は 発 育 枝 、 主 枝 、 亜 主 枝 等 に 付 着 し た 子 の う 殼 が 主 体 で あ る 。 枝 に 付 着 し た 子 の う 殼 は 4 月 末 頃 か ら 休 眠 が さ め て 裂 開 し 、子 の う 胞 子 を 飛 散 し て 第 一 次 発 病 に 至 る 。第 一 次 発 病 の 時 期 は 5 月 下 旬 頃 の よ う で あ る 。第 一 次 発 病 を し た 病 斑 上 に は 、多 数 の 分 生 胞 子 が 作 ら れ 、次 々 と 二 次 伝 染 を く り 返 し て 、 ま ん 延 が 著 し い 。 又 、 秋 季 に 病 斑 内 に 黄 色 の 小 粒 点 ( 子 の う 殼 ) が で き 始 め 、次 第 に 褐 色 ~ 黒 色 に 変 わ る 。防 除 に あ た っ て は 、他 病 害 と の 同 時 防 除 を 図 る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 法 ( 1 ) 落 葉 の 処 分 を 行 う 。 被 害 葉 子 の う 殼 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り )

10 . 灰 色 か び 病

B o t r y t i s c i n e r e a < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 葉 、 果 実 及 び 果 そ う に 発 生 す る 。 通 常 、 露 地 栽 培 で は あ ま り 発 生 し な い が 、 ハ ウ ス 栽 培 な ど の 多 湿 条 件 下 で 多 発 し 問 題 と な る こ と が あ る 。葉 で は は じ め 褐 色 の 斑 点 を 生 じ 、し だ い に 拡 大 し て 輪 紋 状 の 病 斑 と な る 。果 実 で も 同 様 に 褐 色 斑 点 が 形 成 さ れ て 、の ち に 全 体 に 拡 大 し 腐 敗 さ せ る 。病 原 菌 は 極 め て 多 犯 性 で あ る た め 、周 辺 の 各 種 作 物 や 枯 葉 に 形 成 さ れ た 分 生 子 も 伝 染 源 と な る 可 能 性 が あ る 。 罹 病 葉 お よ び 罹 病 果 の 病 斑 上 に 形 成 し た 分 生 胞 子 は 二 次 伝 染 源 と な り 、 新 し い 葉 お よ び 果 実 に 次 々 と 伝 染 す る 。園 内 の 通 風 を よ く し 、多 湿 に な ら な い よ う に す る こ と が 大 切 で 薬 剤 散 布 は 予 防 を 中 心 に 行 う 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 園 内 の 通 風 を は か り 、 多 湿 に な ら な い よ う に 努 め る 。

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11 . 炭 疽 病

C o l l e t o t r i c h u m g l o e o s p o r i o i d e s < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 罹 病 落 葉 が 第 一 次 伝 染 源 で 、春 先 に 形 成 さ れ る 分 生 子 が 飛 散 し て 葉 に 侵 入 す る 。葉 の み に 発 生 す る 病 害 で 、初 め 褐 色 ~ 暗 褐 色 の 小 斑 点 を 生 じ 、拡 大 す る と 不 整 形 の 病 斑 と な り 、 表 面 に 黒 点 小 粒 点 ( 分 生 子 層 ) を 多 数 生 じ る 。 本 病 は 梅 雨 明 け 直 後 か ら 発 病 し 始 め 、8 ~ 9 月 に か け て 著 し い 早 期 落 葉 を 伴 う 。品 種 間 差 が は っ き り し て お り 、 豊 水 、 二 十 世 紀 、 長 十 郎 は 発 生 し や す い が 、 幸 水 、 新 水 で は ほ と ん ど 問 題 と な ら な い 。 葉 柄 の 小 黒 点 葉 の 黒 変 及 び 黄 変 症 状

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12 . 心 腐 れ 症

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 本 症 害 が 発 生 す る と 果 実 の 中 心 部 分 か 腐 敗 し て 柔 ら か く な る 。症 害 部 か ら は 複 数 の 病 原 菌 が 分 離 さ れ る が 、そ の 中 で も 胴 枯 病 菌 に よ る 被 害 が 大 き く 頻 度 も 高 い 。 幸 水 に よ る 接 種 試 験 結 果 に よ る と 、本 症 害 に お け る 胴 枯 病 菌 の 感 染 時 期 は 満 開 日 か ら 満 開 4 5 日 後 ま で と 考 え ら れ る 。 幼 果 期 に 感 染 し た 果 実 は 成 熟 す る と 発 病 す る 。幼 果 の 感 染 は 萼 筒 部 の 穴 か ら と 考 え ら れ 、そ れ が 大 き い 果 実 や 上 向 き の 果 実 は 感 染 し や す い 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 萼 筒 部 の 穴 が 大 き く , 上 向 き の 果 実 が 感 染 し や す い の で , こ の よ う な 果 実 は 摘 果 す る 。

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13 . ヒ ポ キ シ ロ ン 幹 腐 病

H y p o x y l o n s e r p e n s ( N e m a n i a s e r p e n s ) < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 春 先 に 正 常 な 展 葉 が み ら れ ず に 、葉 が 萎 縮 、波 打 ち あ る い は 小 型 化 す る 症 状 の ほ か に 、発 病 し た 徒 長 枝 の 葉 が し だ い に 硬 化 し 、退 緑 斑 点 を 生 じ る 場 合 が 多 い 。病 状 が 進 ん だ 場 合 は 、当 年 枝 の 上 位 葉 は 初 夏 に 飴 色 か ら 紅 色 へ と 変 わ っ て 、 早 期 に 落 葉 す る 。当 年 枝 の 皮 目 は 肥 大 す る 場 合 や 果 実 が 密 入 り と な る 場 合 が あ る 。当 年 枝 の 表 皮 を 削 る と 内 樹 皮 や 木 部 に 褐 変 が 認 め ら れ 、こ の 症 状 は 診 断 の ポ イ ン ト に な る 。こ れ ら の 症 状 は 根 お よ び 主 幹 部 に 生 じ る 材 部 腐 朽 を 必 ず 伴 う 。 病 原 菌 の 子 の う 殼 は 被 害 樹 地 下 部 の 枯 死 部 分 に 形 成 さ れ る が 、伝 染 様 式 は 明 ら か で な い 。感 染 は 草 刈 り や 、ひ こ ば え を せ ん 除 し た 痕 な ど に よ る 地 際 部 の 傷 か ら 起 き る こ と が 多 い よ う で あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 法 ( 1 ) 枯 死 樹 や 間 伐 樹 は 早 期 に 抜 根 処 理 す る 。 ( 2 )草 刈 り な ど で 主 幹 を 傷 つ け な い よ う 、注 意 す る 。地 際 部 の 付 傷 部 に は 塗 布 剤 で 保 護 す る 。 ( 3 )腐 朽 部 を 全 て 削 り 取 る こ と に よ っ て 治 療 効 果 が 得 ら れ る も の と 考 え ら れ る の で 、 枝 の み に あ る 場 合 は 切 除 し 、 保 護 剤 を 塗 布 す る 。 葉 の 赤 変 木 質 部 の 褐 変

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14 . 根 頭 が ん し ゅ 病

A g r o b a c t e r i u m t u m e f a c i e n s < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 地 際 部 か ら 根 部 、時 に は 接 ぎ 木 部 分 か ら 侵 入 し た 病 原 細 菌 に よ り コ ブ が 形 成 さ れ 、こ れ が 大 型 の コ ブ ヘ と 伸 長 す る 。幼 木 期 に 発 生 す る と 生 育 が 不 良 と な り 、 時 に は 枯 死 す る 。 病 原 細 菌 は 土 壌 伝 染 性 で 、 接 ぎ 木 時 、 苗 木 の 掘 り 取 り 時 、 さ ら に は 定 植 時 な ど に 傷 口 か ら 侵 入 し て 発 病 に 至 る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 ( 1 ) 罹 病 苗 木 を 持 ち 込 ま な い よ う に す る 。 ( 2 ) 発 病 園 か ら 園 外 へ 土 壌 の 移 動 を 行 わ な い よ う に す る 。

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15 . 萎 縮 病

F o m i t i p o r i a s p . < 生 態 と 防 除 の ね ら い > 春 先 に 正 常 な 展 葉 が み ら れ ず に 、葉 が 萎 縮 、波 打 ち あ る い は 小 型 化 す る 症 状 の ほ か に 、 葉 縁 、 特 に 先 端 部 が 黒 変 し た 枯 死 部 を 生 じ る と こ ろ が 特 徴 で あ る 。 症 状 が 軽 い う ち は 展 葉 が 進 む に 従 い 上 位 葉 で の 発 症 は 認 め ら れ な く な る が 、基 部 葉 に は 発 病 す る の で 、診 断 の ポ イ ン ト と な る 。こ の よ う な 樹 の 枝 幹 部 の 切 断 面 に は 淡 褐 色 の 腐 朽 部 と 健 全 部 の 間 に ハ ロ ー の よ う に 赤 褐 色 に 変 色 し た 部 分 が 確 認 さ れ る 。本 病 が 発 病 す る 品 種 と し て は 幸 水 が 多 い が 、そ の 他 に 豊 水 、新 水 や 長 十 郎 な ど 多 く の 品 種 で 発 生 が 見 ら れ る 。 通 常 、 1 5 年 生 以 上 の 高 齢 樹 に 多 い 。 本 病 の 伝 染 源 は 子 実 体 ( き の こ : 和 名 、 チ ャ ア ナ タ ケ モ ド キ ) か ら 飛 散 す る 胞 子 と 考 え ら れ る 。本 菌 の 子 実 体 は 一 般 的 な き の こ の 形 を し て お ら ず 、黄 褐 色 で 枝 幹 部 の 表 面 に へ ば り つ く よ う に 形 成 さ れ る 。発 病 樹 で の 形 成 頻 度 は 低 い が 、 ま れ に 、栽 培 園 で も 確 認 さ れ る 。通 常 は 園 地 外 か ら の 飛 び 込 み に 由 来 す る も の が 多 い も の と 考 え ら れ る 。ま た 、枯 死 樹 や 間 伐 樹 な ど を 園 内 に 放 置 し て お く と 子 実 体 を 形 成 し て 伝 染 源 に な り う る 。感 染 は 、せ ん 定 跡 、草 刈 り に よ る 地 際 部 の 傷 、 主 枝 や 亜 主 枝 の 分 岐 部 、 枯 れ 枝 か ら 起 き る こ と が 多 い よ う で あ る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 法 ( 1 ) 枯 死 樹 や 間 伐 樹 は 早 期 に 抜 根 処 理 す る 。 ( 2 )せ ん 跡 は 必 ず 保 護 し 、枯 れ 枝 の 処 理 や 主 枝 ・ 亜 主 枝 の 分 岐 部 の 粗 皮 剥 ぎ を 行 う 。 草 刈 り な ど で 主 幹 を 傷 つ け な い よ う 、 注 意 す る 。 ( 3 )腐 朽 部 を 全 て 削 り 取 る こ と に よ っ て 治 療 効 果 が 得 ら れ る も の と 考 え ら れ る の で 、 病 斑 が 枝 の み に あ る 場 合 は 切 除 し 、 保 護 剤 を 塗 布 す る 。 ( 4 )萎 縮 病 菌 は 多 犯 性 で さ ま ざ ま な 樹 で き の こ を 形 成 す る の で 、発 病 樹 の 枯 死 枝 や 切 り 株 の 除 去 だ け で な く 、 防 風 林 な ど の 周 囲 の 雑 木 の き の こ も 発 見 し だ い 除 去 す る 。 幹 に 発 生 し た 子 実 体 葉 の 病 徴 腐 朽 部 の 断 面 (( 独 ) 農 業 ・ 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 果 樹 研 究 所 提 供 )

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16 . 花 腐 細 菌 病

P s e u d o m o n a s s y r i n a g e p v .s y r i n g a e

< 生 態 と 防 除 の ね ら い >

開 花 期 の 低 温 が 発 生 を 助 長 す る 。 開 花 直 前 の 感 染 で は 、 花 房 全 体 が 黒 変 し 、 開 花 後 の 感 染 で は ガ ク や 花 弁 の 一 部 が 黒 変 す る 。雌 ず い が 水 浸 状 に 褐 変 す る こ と も あ る 。発 病 花 は 乾 腐 状 態 に な る か 、着 果 し て も 奇 形 果 に な る の で 除 去 す る 。

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1 . ハ ダ ニ 類

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > 県 内 で は ナ シ を 加 害 す る ハ ダ ニ 類 と し て 、ミ カ ン ハ ダ ニ ・ カ ン ザ ワ ハ ダ ニ ・ ク ワ オ オ ハ ダ ニ ・ ナ ミ ハ ダ ニ ・ オ ウ ト ウ ハ ダ ニ ・ ス ミ ス ハ ダ ニ の 6 種 が 確 認 さ れ て い る 。こ の う ち オ オ ト ウ ハ ダ ニ は 過 去 に 多 発 し た こ と が あ る が 、近 年 は ほ と ん ど 発 生 を 認 め て い な い 。ま た 、ナ ミ ハ ダ ニ も 年 に よ り 局 地 的 な 発 生 を み る 程 度 で 、一 般 に 発 生 の 多 い 種 は カ ン ザ ワ ハ ダ ニ 、ミ カ ン ハ ダ ニ 、ク ワ オ オ ハ ダ ニ で あ る 。 カ ン ザ ワ ハ ダ ニ は 、ナ シ の 粗 皮 下 や ナ シ ホ ソ ガ の 被 害 皮 下 な ど で 成 虫 態 で 越 冬 す る 。ミ カ ン ハ ダ ニ は 、ナ シ の 樹 上 で は 越 冬 せ ず 、生 育 期 に 近 く の 常 緑 樹 か ら 移 動 し て 繁 殖 す る 。ク フ オ オ ハ ダ ニ は 卵 態 で 短 果 枝 の 基 部 や シ ワ 部 で 越 冬 す る 。 な お 、カ ン ザ ワ ハ ダ ニ は 発 芽 期 か ら 発 生 し 、7 月 中 下 旬 ~ 8 月 に 密 度 が 高 く な る 。ミ カ ン ハ ダ ニ は 6 ~ 7 月 に 初 発 生 し 、8 ~ 9 月 に 多 発 す る 。ク ワ オ オ ハ ダ ニ は 4 月 中 旬 頃 か ら 発 生 し 加 害 す る 。 カ ン ザ ワ ハ ダ ニ 成 虫 と 卵 カ ン ザ ワ ハ ダ ニ に よ る 被 害 葉

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3 . コ ナ カ イ ガ ラ ム シ 類

< 生 態 と 防 除 の ね ら い > ナ シ を 加 害 す る コ ナ カ イ ガ ラ ム シ は 、主 に マ ツ モ ト コ ナ カ イ ガ ラ ム シ と ク ワ コ ナ カ イ ガ ラ ム シ の 2 種 で あ っ た が 、近 年 フ ジ コ ナ カ イ ガ ラ ム シ も 増 加 し て い る 。こ の う ち ク ワ コ ナ カ イ ガ ラ ム シ は 、有 力 な 天 敵 で あ る ク ワ コ ナ カ イ ガ ラ ヤ ド リ バ チ が 県 下 全 般 に 分 布 し て い る た め 、 現 在 は 極 め て 低 密 度 と な っ て い る 。 マ ツ モ ト コ ナ カ イ ガ ラ ム シ お よ び フ ジ コ ナ カ イ ガ ラ ム シ は 主 と し て 粗 皮 下 な ど で 幼 虫 態 で 越 冬 し 、5 月 中 下 旬 に 卵 の う を 形 成 、6 月 上 旬 に 第 1 世 代 幼 虫 が 出 現 す る 。 さ ら に 幼 虫 は 7 月 下 旬 と 1 0 月 上 旬 の 年 3 回 発 生 す る 。 袋 内 に 侵 入 寄 生 す る の は 、主 と し て 第 1 世 代 幼 虫( 6 月 )と 第 2 世 代 幼 虫( 7 月 ~ 8 月 ) で あ る 。一 旦 袋 内 に 侵 入 す る と 防 除 が 困 難 に な る の で 、そ の 前 に 防 除 す る 必 要 が あ る 。 薬 剤 防 除 と し て は 、越 冬 期 の 防 除 と 越 冬 幼 虫 が ク ラ ス タ ー 基 部 の リ ン 片 部 に 寄 生 す る 開 花 期 前 後 の 防 除 が あ る 。ま た 、薬 剤 処 理 袋 の 使 用 は 極 め て 有 効 で あ り 、被 害 を ほ ぼ 確 実 に 防 止 で き る 。し か し 処 理 袋 が 直 接 果 実 に 触 れ る と 薬 害 を 生 じ て 外 観 を 損 う 薬 害 が 現 れ る の で 、必 ず 無 処 理 の 小 袋 か け が 必 要 で あ る 。な お 無 袋 栽 培 に す る と コ ナ カ イ ガ ラ 類 に よ る 果 実 の 被 害 は ほ と ん ど な く な る 。 < 防 除 法 > ○ 耕 種 的 防 除 粗 皮 削 り ( 削 り く ず は 必 ず 集 め て 処 分 す る 。) ○ 薬 剤 処 理 袋 の 利 用 ( 写 真 : 福 岡 県 園 芸 ・ 茶 病 害 虫 図 鑑 よ り ) マ ツ モ ト コ ナ カ イ ガ ラ ム シ 成 虫 マ ツ モ ト コ ナ カ イ ガ ラ ム シ ( 枝 で の 寄 生 ) 被 害 果 ( 中 央 は 健 全 果 )

参照

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