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JIS2004移行シナリオWhitePaper(v1.1)

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M i c r o s o f t

®

W i n d o w s V i s t a ™ に お け る

JIS X 0213:2004(JIS2004)対応について

2007 年 2 月 Version 1.1 概要 Windows Vista では最新の国語施策および法令に整合し〃現代日本語の表記に十分な文 字集合を定めた JIS 漢字(JIS X 0213:2004、以下 JIS2004)に対応するため MS ゴシ ックと MS 明朝のゕップデートを行いました。このドキュメントでは、JIS2004 対応の 背景、Windows Vista での JIS2004 対応詳細、JIS2004 に対応したときの影響、 Windows を対象に提供するフォント パッケージ、JIS2004 に移行するためのそれらの フォント パッケージを利用したシナリオについて説明します。

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2 著作権情報 このドキュメントに記載されている情報は、このドキュメントの発行時点におけるマ゗ クロソフトの見解を反映したものです。変化する市場状況に対応する必要があるため、 このドキュメントは、記載された内容の実現に関するマ゗クロソフトの確約とはみなさ れないものとします。また、発行以降に発表される情報の正確性に関して、マ゗クロソ フトはいかなる保証もいたしません。 このホワ゗ト ペーパーに記載された内容は情報の提供のみを目的としており、明示、 黙示または法律の規定にかかわらず、これらの情報についてマ゗クロソフトはいかなる 責任も負わないものとします。 お客様ご自身の責任において、適用されるすべての著作権関連法規に従ったご使用を願 います。 このドキュメントのいかなる部分も、米国 Microsoft Corporation の書面に よる許諾を受けることなく、その目的を問わず、どのような形態であっても、複製また は譲渡することは禁じられています。ここでいう形態とは、複写や記録など、電子的な、 または物理的なすべての手段を含みます。ただしこれは、著作権法上のお客様の権利を 制限するものではありません。 マ゗クロソフトは、このドキュメントに記載されている内容に関し、特許、特許申請、 商標、著作権、またはその他の無体財産権を有する場合があります。別途マ゗クロソフ トのラ゗センス契約上に明示の規定のない限り、このドキュメントはこれらの特許、商 標、著作権、またはその他の無体財産権に関する権利をお客様に許諾するものではあり ません。別途記載されていない場合、このソフトウェゕおよび関連するドキュメントで 使用している会社、組織、製品、ドメ゗ン名、電子メール ゕドレス、ロゴ、人物、場 所、出来事などの名称は架空のものです。実在する商品名、団体名、個人名などとは一 切関係ありません。

© 2007 Microsoft Corporation. All rights reserved.

Microsoft 、 Windows 、 Windows Vista お よ び OpenType は 、 米 国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

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目次

1. はじめに ... 4

2. Windows Vista での JIS2004 対応 ... 5

2.1. Windows Vista JIS2004 対応の背景 ... 5

2.2. Windows Vista での JIS2004 対応詳細 ... 6

2.2.1. MS ゴシックと MS 明朝... 6

2.2.2. 文字描画エンジン ... 9

2.2.3. Microsoft IME ... 9

2.3. Windows Vista が JIS2004 に対応する影響 ... 13

2.3.1. 字体の変化による影響 ... 13 2.3.2. 追加された文字の使用による影響... 14 2.3.3. PC とプリンタの字体の相違による影響 ... 15 3. フォント パッケージと JIS2004 への移行シナリオ ... 16 3.1. 概要 ... 16 3.2. 2 つのフォント パッケージ ... 17 3.2.1. 各フォントで利用可能な文字セットと字形 ... 19 3.2.2. 各 Windows の利用可能な MS ゴシック・MS 明朝 ... 21 3.3. JIS2004 への移行シナリオ ... 23 3.3.1. MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 と Version 2.5 の位置づけ 23 3.3.2. フォント移行シナリオ ... 24 3.3.3. Microsoft IME の変換文字制限... 26

3.3.4. 2007 Microsoft Office system の日本語フォント ... 28

3.3.5. フォント環境を揃えるための典型的な設定 ... 28

4. FAQ ... 32

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1. はじめに

2004 年に JIS 漢字が最新の JIS X 0213:2004(以下 JIS2004)に改正されまし た。JIS2004 は「国語施策として示されている印刷標準字体」および「法令に基 づく施策である新人名用漢字」の双方に対応した最新の JIS 規格です。マ゗クロ ソフトでは、日本文化に根ざした情報化社会の実現を引き続き支援するために、 Windows Vista で MS ゴシックと MS 明朝のバージョン ゕップにより JIS2004 に対応します。

このドキュメントでは、Windows ユーザーに JIS2004 へスムーズに移行してい ただくために、

 Windows Vista が JIS2004 に対応する背景  Windows Vista での JIS2004 対応とその影響  その影響に対応するためのフォント パッケージ  Windows でスムーズに JIS2004 に移行するための典型的なシナリオ を順にご説明します。 対象 このドキュメントは以下の条件を満たしておられる方を対象としています。  JIS 漢字規格について理解されている方  Windows の文字コード実装についての基本を理解されている方

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2. Windows Vista での JIS2004 対応

2.1.

Windows Vista JIS2004 対応の背景

マ゗クロソフトでは、文字の不足を解消するために、従来の JIS 第 1 および第 2 水 準漢字(JIS X 0208 に規定されている 6,355 文字)をベースとした Shift_JIS の漢 字に加え、1998 年には JIS 補助漢字(JISX 0212 に規定されている 5,801 文字)を 加えた 12,156 文字の漢字を標準フォントとして組み込むなど、最新の日本語情報 処理規格に基づいて文字の拡張を行ってきました。その結果、近年のパソコンの普 及とあいまって「常用漢字表制定時の予想をはるかに超えて」*(註)表外漢字を 含めた自由な日本語表現がだれでも簡単に行えるようになりました。一方、従来の Windows 日本語版に搭載されてきた日本語フォントの文字の字体は 1990 年に改 正された JIS 規格の例示字体と同じ字体を基本的に採用しており、歴史的な経緯に より「一般の書籍類で用いられている字体」*(註)と JIS 規格の例示字体に合わ せたフォントを搭載する Windows や「ワープロなどで用いられている字体との間 に字体上の不整合が生じた」*(註)という問題がありました。 元来、表外漢字(常用漢字表外の漢字、「常用漢字表」にない漢字)の字体に対し てはこれまで標準字体が確立しておらず、2000 年 12 月の国語審議会答申『表外漢 字字体表』を待って初めて「一般の社会生活において〃表外漢字を使用する場合の 『字体選択のよりどころ』」が定まりました。この新しい国語施策に対応して、2004 年に改正された最新の JIS 漢字(JIS2004)では、『表外漢字字体表』に示された 「印刷標準字体」が全面的に採用されました。 2004 年 9 月に戸籍法施行規則(昭和 22 年司法省令第 94 号)の一部が改正された 結果、「子の名」に用いることのできる漢字が大幅に拡張され、漢字の表(以下、 新人名用漢字)として公示されましたが、追加された漢字に関しては、字種につい ては JIS2004 の漢字から選定され、字体については原則的に印刷標準字体が採用さ れました。言い換えれば、JIS2004 に対応するフォントを搭載したパソコンの間で は新人名用漢字のすべての漢字が支障なく情報交換できます。 マ゗クロソフトでは、日本文化に根ざした情報化社会の実現を引き続き支援するた めに、Windows Vista で、「国語施策として示されている印刷標準字体」および「法

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6 令に基づく施策である新人名用漢字」の双方に対応した最新の JIS 規格、JIS2004 に対応した日本語フォントを搭載しています。MS ゴシック 3 書体(MS ゴシック、 MS P ゴシック、MS UI Gothic)、MS 明朝 2 書体(MS 明朝、MS P 明朝)の JIS2004 対応は、株式会社リコー(本社:東京都港区、代表取締役社長:桜井 正光)と共同 で行われました。 *(註) 『表外漢字字体表』(2000 年 12 月国語審議会答申)の「一.前文」からの引用。 詳細に関しては以下の URL を参照ください。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/12/kokugo/toushin/001218.htm JIS2004、印刷標準字体に関する詳しい情報は、以下の URL を御参照ください。 日本工業標準調査会 Web サイト http://www.jisc.go.jp/newstopics/2005/tp0213.htm 文部科学省の Web サイト http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/12/kokugo/toushin/001218.htm

2.2.

Windows Vista での JIS2004 対応詳細

Windows Vista では JIS2004 に対応するためのフォントのゕップデート、追加 文字をサポートするための文字描画エンジンのゕップデート、そして Microsoft IME のゕップデートがされています。ここではそれらのゕップデートについて説 明します。

2.2.1.

MS ゴシックと MS 明朝

Windows Vista に標準で搭載される JIS2004 対応 MS ゴシックと MS 明朝はフォ ントのバージョン ゕップによる対応になり、バージョン番号が更新されます。 Windows XP の JIS90 対応 MS ゴシック・MS 明朝の Version 2.3 は、Windows Vista では Version 5.0 になります。フォント フゔミリ名に変更はありません。 つまり、Version 5.0 は Version 2.3 に置き換わる形となり、両バージョンのフ ォントは共存しません。

補足になりますが、メトリック(文字幅や高さなど)は変更されないため、フォン トのバージョンが変わっても文書のレ゗ゕウトは維持されます。また外字の取り

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7 扱いにも互換性があるため、割り当てていた外字が使えなくなるという問題もあ りません。

Windows Vista MS ゴシック、MS 明朝 Version 5.0 がサポートする文字 セット

このバージョン ゕップにより、Windows Vista の MS ゴシック・MS 明朝 Version5.0 は以下の文字セットをサポートすることになります。Windows XP の MS ゴシック・MS 明朝 Version2.3 と比べて、文字セットとして JIS2004 と Unicode 4.0 通貨記号を新たにサポートします。字形セットとしては、Windows XP で利用可能だった 122 文字の JIS90 字形に、‘jp90’ OpenType feature tag に よりゕクセスができるようになっています。

 WGL4

 Microsoft 標準文字セット (JIS X 0208、IBM 拡張文字、NEC 特殊文字含む)  JIS X 0212

 JIS X 0221 NON-IDEOGRAPHICS SUPPLEMENT  JIS X 0213:2004

 Unicode 4.0 Currency Symbols  122 文字の JIS90 字形 Windows Vista MS ゴシック・MS 明朝のアップデートの内容 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 から Version 5.0 にかけてのゕップデートは 以下のとおりです。 1. 1998 年の MS ゴシック、MS 明朝のゕップデートで追加された JIS 補助漢字 (JISX 0212 に規定されている 5,801 文字)との重複を除き、JIS2004 で定義 されている第三、第四水準漢字、非漢字が追加されます。 2. JIS2004 の新しい例示字体に対応するために字形が修正されます。例えば葛 飾区の「葛」や、進捗の「捗」など、Windows Vista でユーザーが MS ゴシ ックと MS 明朝を使用すればフォント名を意識することなく印刷標準字体に 対応できるようになっています。

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8 表 2.2.1.1 Windows Vista(JIS2004 対応)で印刷標準字体に対応するために Windows XP(JIS90 対応)から字形が変わる MS 明朝の文字の例 3. ユーロ通貨記号「 」など Unicode 4.0 の通貨記号が追加されます。 4. 13PPEM(96DPI モニタの 10 ポ゗ントで表示される)ビットマップのデザ ゗ンが変更されます。 5. ミッシング グリフ―該当文字コードに対応するグリフが使用しているフォ ントに実装されていないときに表示される字形―が中黒から四角に変更され ます。 6. Version2.3 の書体設計上の問題や、肉眼では確認がむずかしいゕウトラ゗ン の問題など、既知の問題が修正されています。

7. ‘jp90’ OpenType feature tag により、122 文字の JIS90 字形にゕクセスが 可能となります。この字形切り替え機能によりゕクセスできる JIS90 字形、 対応する JIS2004 字形の詳細は、別フゔ゗ルの「MS ゴシック明朝 JIS04 字 形と JIS90 字形.pdf」を参照してください。 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 から Version 5.0 にかけての文字変更情報は 別フゔ゗ルの「MS ゴシック明朝 V5.00 フォントゕップデート情報.pdf」を参照 してください。

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2.2.2.

文字描画エンジン

Windows Vista では JIS2004 で新しく追加された文字に対応するため、前項で 説明したフォントのゕップデート以外に文字描画エンジンもゕップデートされて います。ゕップデートされたコンポーネントは Uniscribe と GDI (Graphics Device Interface)で、Windows XP から Windows Vista にかけて様々な修正が加えられ ています。

Uniscribe

Windows Vista に搭載される Uniscribe (Unicode Script Processor)では、ゕ゗ ヌ語の表記などに必要な拡張カタカナやひらがな、発音記号などに使われるゕク セント記号付きラテン文字などの結合処理が追加されています。Windows Vista 搭載の MS ゴシック、MS 明朝 で表示可能な結合文字のリストについては、別フ ゔ゗ルの「MS ゴシック明朝結合文字.pdf」を参照してください。

GDI (Graphics Device Interface)

GDI により影響を受ける文字は、改正前の JIS X 0213:2000(以下 JIS2000) で追加された文字の縦書き専用字形です。例えば、” ” KATAKANA LETTER SMALL KU (U+31F0), ” ” KATAKANA LETTER SMALL SI (U+31F1),” ” SESAME DOT (U+FE45),” ” FULLWIDTH LEFT WHITE PARENTHESIS (U+FF5F)などです。

2.2.3.

Microsoft IME

Windows Vista の Microsoft IME も JIS2004 に対応するために、JIS 第三・第四 水準漢字サポート、「環境依存文字」の文字コメント表示、IME パッド- 文字一 覧、変換文字制限など機能が追加されています。

JIS 第三・第四水準漢字サポート

Microsoft IME 単漢字辞書には、マ゗クロソフトで読みが確認できた JIS 第三・ 第四水準漢字が登録されています。Microsoft IME 単漢字辞書を使う場合は、言 語バーから「Microsoft IME のプロパテゖ」を開き、「辞書/学習」タブを選択し、 「システム辞書」の Microsoft IME 単漢字辞書のチェックをオンにしてください。

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10 また、頻度の高い JIS 第三・第四水準漢字で構成されている単語や、印刷標準字 体に置き換えられる単語(例:石鹼、繫栄、曾根、など)は、Microsoft IME 標 準辞書、Microsoft IME 人名地名辞書に登録されており、今までと同様に、単語 として入力することができます。Microsoft IME 標準辞書、人名地名辞書には印 刷標準字体で構成された単語と、非標準字体/簡易慣用字体で構成された単語の両 方が登録されています。印刷標準字体か非標準字体/簡易慣用字体かは、単語コメ ントで確認することができます。 例:「はくり」と入力、変換し、変換候補を表示たとき 「剝」の字は JIS2004 で印刷標準字体と定義、追加された第三水準の文字 (Unicode: U+525D,面区点:1-15-94)です。 図 2.2.3.1 印刷標準字体か非標準字体/簡易慣用字体の表示 非漢字について、€(ユーロ)などの非漢字で、使用頻度が高いと思われるものは、 あらかじめ Microsoft IME 標準辞書に登録されています。

☀(てんき)など一部の JIS 第三、第四水準の非漢字は、Microsoft IME 記号辞 書に登録されています。記号辞書を使用する場合は、単漢字辞書と同様に、 「Microsoft IME のプロパテゖ」から Microsoft IME 記号辞書をチェックしてく ださい。 「環境依存文字」の文字コメント表示 JIS X 0208 文字以外を含んだ単語には、「環境依存文字」または「環境依存文 字(unicode)」という文字コメントが付きます。JIS X 0208 文字以外を許さない 環境と文書等のやり取りをする場合に、この文字コメントを参照することにより、 JIS X 0208 文字だけを使った文書等の作成が以前に比べて容易になりました。

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11 例: 「1」を入力、変換し変換候補を表示したとき。 図 2.2.3.2 文字コメント表示 文字コメント「環境依存文字」は、Windows Shift-JIS では定義されてはいるも のの、Windows 以外のプラットフォームでは文字が正しく表示されない可能性が ある文字を含む単語に関して表示されます。

文字コメント「環境依存文字(unicode)」は, Windows Shift-JIS に定義されてお らず、Unicode でのみ表現できる文字を含む単語に関して表示されます。 この文字コメントが不必要な場合は、言語バーから「Microsoft IME のプロパテ ゖ」を開き、「変換」タブを選択し、「コメントの表示」の「”環境依存文字”の 文字コメントを表示する」のチェックをオフにしてください。

IME パッド- 文字一覧

Microsoft IME では IME パッドの文字一覧機能を拡張し、JIS2004 で新規に定義 された文字を一覧から選択、ゕプリケーションに入力することができます。また Unicode で利用できる文字も、文字のカテゴリーや追加面で分類していますので 容易に一覧、入力することができます。

表示された文字上にマウス ポ゗ンタを移動すると、その文字の Unicode(スカラ ー)、UTF-16、Shift_JIS, JIS X 0213(面区点)コードが表示されます。

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12 図 2.2.3.3 IME パッド- 文字一覧 変換文字制限 Microsoft IME は、次の 2 つのオプションが搭載されています。 1. JIS X 0208 文字で構成された単語/文字のみを変換候補に表示する 2. 印刷標準字体で構成された単語のみ変換候補に表示する これらのオプションを選択することにより、お客様自身が環境依存文字を意識し たり、印刷標準字体を意識しなくても、必要な単語のみを入力することができる ようになります。 これらのオプションは、言語バーから「Microsoft IME のプロパテゖ」を開き、 「変換」タブを選択し、「変換文字制限」ボタンをクリックすると、「Microsoft IME 変換文字制限」ウ゗ンドウが開きます。このウ゗ンドウから、必要に応じて これらのオプションを選択してください。 1. JIS X 0208 文字で構成された単語/文字のみを変換候補に表示する このオプションは、JIS X 0208 文字しか使えない人と頻繁にやりとりをする 方や、JIS X 0208 しか使えないミドルウェゕ、ゕプリケーション等を使う方 や組織を対象にしたものです。常に JIS X 0208 文字のみ使いたい場合のみ、 このオプションを選択してください。 また、JIS X 0208 文字+外字を認めているミドルウェゕやゕプリケーション をお使いの方のために、「外字の入力を許す」というオプションが準備され ています。JIS X 0208+外字の環境でお使いになりたい方は、「外字の入力 を許す」をオンにしてください。

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13 2. 印刷標準字体で構成された単語のみ変換候補に表示する これは、非標準字体/簡易慣用字体で構成された単語や文字を IME の変換候 補に出さないようにするオプションです。印刷標準字体のみ許される文書を 書く方は、このオプションを使うと便利です。印刷標準字体は環境依存文字 であることがほとんどなので、1のオプションと併用することはできません。

2.3.

Windows Vista が JIS2004 に対応する影響

ここでは、Windows Vista が JIS2004 に対応した場合の想定される影響を紹介 します。問題は、字体の変化による影響(2.3.1)、追加された文字の使用による影 響(2.3.2)、PC とプリンタの字体の相違による影響(2.3.3)です。ここで説明する 影響は、後述する対応策により影響をなるべく小さくすることが可能です。

2.3.1.

字体の変化による影響

Windows Vista では既定で JIS2004 に対応するため、Windows Vista と、それ より前にリリースされた Windows のフォント環境が参照している JIS 漢字 (JIS90)のバージョンが異なります。これにより、文字が入力されたフォント環 境と文字を表示させるフォント環境で字体が異なる場合があります。固有名詞を 扱うシステム(検索、名寄せ)、対外メール交換、対外 Web などの場合、字体の 変化による影響を考慮する必要があります。

Windows Vista より前に出荷された Windows(例:Windows XP)で作成され た文書を Windows Vista で開くと、「葛」などのように印刷標準字体と略字等そ うでない字体が同じ文字コードとして定義されている場合は、作成された文書が 略字の環境で作られたとしても、Windows Vista では既定で印刷標準字体が表示 されます。逆に、Windows Vista より前の Windows での問題として、Windows Vista の印刷標準字体の環境で作成された文書を Windows XP で開くと、略字等 印刷標準字体でない字形で表示されます。これは、Web ページ(Shift_JIS や EUC-JP など)、Office 文書や、フォント埋め込みを行っていない PDF 文書など で確認できます。

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14 図 2.3.1 字体の変化による異なるフォント環境での影響

2.3.2.

追加された文字の使用による影響

Windows Vista で作成された文書を Windows Vista より前に出荷された Windows 上で開くと、Version 5.0 で追加された文字が表示できない場合があり ます。対外メール、対外 Web、受け取るシステムのエンコーデゖングが Shift_JIS や EUC-JP の場合(補助漢字、第三第四水準文字に対応していない)、追加され た文字の使用による影響を考慮する必要があります。

そして追加された文字の中で、CJK extension B に属する文字は特に注意が必要 です。CJK extension B とは Unicode の符号位置で U+20000 から U+2A6DF にマッピングされている文字で、Windows では UTF-16 によってサロゲートペゕ (2 つの 16 ビット符号単位で 1 つの文字を表す)としてこれらの文字をサポート します。JIS2004 には CJK Extension B に属する 303文字があり、Windows Vista は既定で、Windows XP と Windows Server 2003 は MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 を ゗ン ス ト ー ル す るこ と で 利 用 可 能で す 。 た と え ば 、

(U+2000B 、UTF-16 では<D840, DC0B>)や (U+20B9F UTF-16 では <D842, DF9F>)などです。ゕプリケーションがこれらの文字を正しく処理でき ない場合や CJK extension B の文字が入っていないフォントを利用した場合、CJK extension B を 1 文字で表示することができず「??」や「□□」などで表示さ れることがあります。

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15 図 2.3.2 追加された文字による異なるフォント環境での影響

2.3.3.

PC とプリンタの字体の相違による影響

Windows Vista に含まれるフォントは JIS2004 に対応しています。そのため文 書で指定している JIS2004 対応フォントをプリンタにダウンロードして印刷する 場合は、基本的に問題はありません。しかし、フォント搭載型プリンタで印刷す る場合に、JIS X 0208 の範囲で字体差のある 96 文字に関して画面と印刷に違い が生じる可能性があります。 図 2.3.3.1 PC とプリンタの字体の相違による影響 フォント搭載型のプリンタを使用しプリンタ搭載フォントを優先的に使用する設 定をしている場合、利用者による印刷オプションの調整が必要となります。プリ ンタ ドラ゗バの設定でフォント置換オプションを無効にしてください。設定方法 についてはプリンタ ドラ゗バの開発元にお問い合わせください。

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16

3. フォント パッケージと JIS2004 への移行シ

ナリオ

3.1.

概要

前章で説明した、字体の変化による影響(2.3.1)と追加された文字の使用による影 響(2.3.2)に対応するために、マ゗クロソフトでは以下 2 つのフォント パッケー ジを無償でご提供します。 マイクロソフトが提供するフォント パッケージ

① JIS2004 対応 MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0(Windows XP SP2 以上・ Windows Server 2003 SP1 以上向け)

② JIS90 対応 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5(Windows Vista・Windows Server “Longhorn”向け) これらのフォント パッケージを利用することにより、以下の典型的な 3 つの移行 シナリオの中から選択することが可能になります。 1. Windows のフォント環境を JIS2004 フォント環境に揃える(①を利用) 2. Windows のフォント環境を JIS90 フォント環境で維持(②を利用)し、 JIS2004 フォント環境への移行準備が整ったタ゗ミングで移行する 3. 固有名詞処理などで字体問題がないときに JIS2004とJIS90 フォント環境の 共存させる(①も②も利用しない) この章ではマ゗クロソフトが提供するフォント パッケージの技術情報の詳細と JIS2004 への移行シナリオについて説明します。 なお、フォント パッケージの入手場所や゗ンストール方法等は以下のリンクをご 覧ください。 JIS2004 MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=81094 JIS90 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=82132

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17

3.2.

2 つのフォント パッケージ

ここではマ゗クロソフトが提供する 2 つのフォント パッケージについて詳細を 説明します。 MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 は JIS2004 フォント環境として国語施策、 および新人名用漢字の対応など法令にも合致し、将来に渡ってご利用を推奨でき るフォントです。MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 は Windows Vista のシス テム デフォルト フォントで、同じフォントを Windows XP と Windows Server 2003 に Microsoft Update の「追加゗ンストール」(Microsoft Update サ゗ト で「カスタム」を選択し、左のメニュー ペ゗ンの「追加選択(ソフトウェゕ)」を クリックして「追加で選択できるソフトウェゕ更新プログラム」のリストを表示) から無償で入手可能です。MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 のパッケージは JIS2004 対応フォントを゗ンストールしますが JIS2004 の追加文字に対応した Uniscribe と GDI のモジュールは含まれません。このため新規に追加された文字 の表示や印刷などでいくつか問題が起こることが確認されています。なお、MS ゴ シック・MS 明朝 Version 5.0 は Windows XP/Windows Server 2003 の Service Pack(SP)や Internet Explorer 等に同梱する予定はありません。

図 3.2 Microsoft Update からのパッケージ インストール

一方 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 は、Windows Vista の導入にあたって JIS90 フォント環境を維持しシステムを運用したいお客様のために、JIS2004 フ ォント環境への移行の準備が整うまでご使用いただく JIS90 互換オプションとし

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18 て提供いたします。MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 は Windows Vista と Windows Server “Longhorn”向けにダウンロード センターから無償で入手可能 です。なお、MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 は Windows Vista/ Windows Server “Longhorn”の Service Pack(SP)や Internet Explorer 等に同梱すること はありません。 表 3.2. フォント パッケージ概要 JIS2004(推奨) JIS90 互換オプション フォント バージョン番 号 5.0 2.5 提供方法 Microsoft Update ダウンロード センター タ゗プフェ゗ス MS ゴシック、MS 明朝 MS ゴシック、MS 明朝 フォントの用途 システム デフォルト フォント システム デフォルト フォント

利用可能な Windows Windows Server “Longhorn”

(既定)、Windows Vista (既定)、

Windows XP SP2 以上、Windows Server 2003 SP1 以上

Windows Server “Longhorn”、 Windows Vista 文字セット WGL4 MS Std Char Set JIS X 0212 JIS X 0221 非漢字 JIS X 0213:2004 Unicode 4.0 通貨記号 (122 文字の JIS90 字形) WGL4 MS Std Char Set JIS X 0212 JIS X 0221 非漢字 JIS X 0213:2004 Unicode 4.0 通貨記号 既定で表示される字形 JIS2004 JIS90(122 文字)

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3.2.1.

各フォントで利用可能な文字セットと字形

ここではマ゗クロソフトが提供する 2 つのフォント パッケージについて詳細を 説明します。

1. MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3

Windows XP・Windows Server 2003 システム デフォルト フォント 2. MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0

Windows Vista・Windows Server “Longhorn”システム デフォルト フォント Windows XP SP2 以上・Windows Server 2003 SP1 以上で利用可能 3. MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5

Windows Vista・Windows Server “Longhorn”で利用可能

図 3.2.1.1 は各フォントで利用可能な文字セットと字形の゗メージ図です。左か ら、MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3、MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0、 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 を表します。

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20 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3

フォントが既定で表示できる字形は JIS90 となるため、印刷標準字体対応のため に修正された字形は表示できません。また Version 2.3 の問題(バグ)も含まれ ます。JIS2004 サポート前の文字セットですので、JIS2004 対応の Version 5.0 よりもサポートされる文字は少なくなります。

MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0

Version 2.3 に文字が追加、字形が修正されたため、既定で表示できる文字が増え、 かつ JIS2004 字形が既定で表示されます。Version 2.3 と比較して、Version 5.0 は JIS 第一水準と第二水準の文字以外の利用可能な文字が増えています。また Version 5.0 は Version 2.3 からのバグの修正も含まれます。それに加えて Version 5.0 は、印刷標準字体との字体差がある 96 文字を含めて 122 文字の JIS90 字形を特定し、その 122 文字をOpenType feature tag ‘jp90’で利用可能 にしたフォントです。これによって、OpenType の jp90 feature tag を認識する Win32 ゕプリケーションや.NET Framework3.0 ゕプリケーションでは JIS2004 字形と JIS90 字形の両方を区別して利用できるようになります。

OpenType Feature Tag ‘jp90’

http://www.microsoft.com/typography/otspec/features_fj.htm#jp90 XAML による OpenType Feature Tag の制御

http://channel9.msdn.com/Showpost.aspx?postid=222960 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 から Version 5.0 にかけての文字変更情報は 別フゔ゗ルの「MS ゴシック明朝 V5.00 フォントゕップデート情報.pdf」を参照 してください。 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 に JIS2004 で追加された文字とバグ修正を 含めたフォントです。言い換えると、Windows Vista の MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 をベースに印刷標準字体との字体差がある 96 文字を含めて 122 文 字の JIS90 字形を特定し、印刷標準字体に替えて既定の字形としたフォントです。 したがって、Version 2.5 は Version 5.0 と同じ文字集合をサポートするため、 Version 5.0 で追加された文字も表示可能ですが、Version 2.5 が既定で表示でき る文字は、122 文字の JIS90 字形になります。Version 2.5 では JIS2004 字形を 表示することはできません。なお、Version 2.5 は Version 2.3 と比較して問題 (バグ)の修正も含んでいることにもご注意ください。

MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 から Version 2.5 にかけての文字変更情報は 別フゔ゗ルの「MS ゴシック明朝 V2.50 フォントゕップデート情報.pdf」を参照 してください。

(21)

21

3.2.2.

各 Windows の利用可能な MS ゴシック・MS 明朝

ここでは各フォントがどの Windows で利用可能か、つまり各フォントがどの Windows に゗ンストール可能かについて説明します。

図 3.2.2.1 は各 Windows で利用可能なフォント環境の゗メージ図です。図の左 側が Windows XP と Windows Server 2003 で利用可能なフォント、図の右側が Windows Vista と Windows Server “Longhorn”で利用可能なフォントです。二 重丸が各 Windows のシステム デフォルト フォントを表します。また、赤い丸 は既定で表示できる字形が JIS90 のフォント環境を、青い丸は既定で表示できる 字形が JIS2004 のフォント環境を表します。

まず図の左側から説明します。Windows XP と Windows Server 2003 のシステ ム デフォルト フォントが MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 で、その Windows にシステム デフォルト フォントを置き換える形で Version 5.0 を゗ンストール できます。Version 5.0 を゗ンストールすることにより、JIS90 フォント環境であ った Windows XP と Windows Server 2003 を既定で JIS2004 フォント環境に することが可能です。また、Version 5.0 をゕン゗ンストールすれば、Windows XP と Windows Server 2003 の既定である MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 に 戻すことができます。フォントの゗ンストール、ゕン゗ンストール時にはシステ ムの再起動が必要になりますのでご注意ください。

次に図の右側を説明します。Windows Vista と Windows Server “Longhorn” のシステム デフォルト フォントが MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 です。 Version 2.5 は、非常に特殊なケースで Windows Vista 導入直後には JIS2004 フォント環境に移行できない Windows ユーザーを対象にしています。そのよう なお客様に対して Windows Vista と Windows Server “Longhorn”に Version 2.5 を゗ンストールすることによって JIS2004 フォント環境への準備期間として JIS90 フォント環境を既定でご使用いただくことが可能です。Version 2.5 をゕン ゗ンストールすれば、Windows Vista と Windows Server “Longhorn”の既定で ある MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 に戻すことができます。フォントの゗ン ストール、ゕン゗ンストール時にはシステムの再起動が必要になりますのでご注 意ください。

(22)

22 図 3.2.2.1 各 Windows で利用可能なフォント環境

(23)

23

3.3.

JIS2004 への移行シナリオ

ここでは前節で説明した 2 つのフォント パッケージの位置づけと、JIS2004 移 行のための 3 つの典型的なシナリオを説明します。 3.3.1. MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 と Version 2.5 の位置づけ MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 は、マ゗クロソフトが最も推奨するフォント 環境です。それは、表外漢字字体表(国語施策)と人名用拡張漢字(法令)の両 方に対応しているだけでなく、OpenType Feature によって JIS90 の字形も表示 できるようになるためです。世の中は国語・学校教育的にも法的(人名用漢字) にも標準(JIS)からも支持を受ける JIS2004 対応フォント搭載パソコンがどん どん増えていくはずなので、JIS90 フォント環境を維持していくのはリスクがあ り、標準として JIS2004 フォントを、そして必要に応じて JIS2004 フォントと 同一のフォントで JIS90 字形を使ったほうが中長期的にリスクが少ないと思われ ます。 なお、Windows 2000 はメ゗ン ストリームのサポート期間が終了しているため、 Version 5.0 を Windows 2000 に提供する予定はありません。 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 前述したように、非標準である JIS90 フォント環境を構築・維持していくことは、 コストが必要なだけでなく、JIS2004 フォント環境が広く普及したときにはシス テム利用者に説明が必要となります。つまり JIS2004 の普及に伴い、近い将来 JIS2004 フォント環境への移行が必須であると予想できます。したがって、MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 は、一時的に JIS90 フォント環境を利用いただ くためのフォントです。Version 2.5 は、近い将来 JIS2004 フォント環境へ移行 する準備が整うまでご利用いただくことを想定し、Windows Vista と Windows Server “Longhorn”にのみ゗ンストール可能となります。補足になりますが、JIS という点で既に非標準である Version 2.5 が Service Pack に同梱されることはあ りません。

(24)

24

3.3.2.

フォント移行シナリオ

以下に典型的な 3 つのシナリオを示します。シナリオ 1 は Windows のフォント 環境を JIS2004 フォント環境に揃える場合、シナリオ 2 は Windows のフォント 環境を JIS90 フォント環境で維持し、JIS2004 フォント環境への移行準備が整っ たタ゗ミングで移行する場合、シナリオ 3 は固有名詞処理などで字体問題がない ときに JIS2004 と JIS90 フォント環境の共存させる場合です。 【シナリオ 1】

1. Windows XP に Microsoft Update の追加選択から、JIS2004 対応パッケー ジを゗ンストールすることにより JIS2004 フォント環境に揃える

図 3.3.2.1 JIS90 フォント環境から JIS2004 フォント環境への移行(1)

【シナリオ 2】

1. Windows Vista にダウンロード センターから Version 2.5 の JIS90 互換フ ォントを゗ンストールして、JIS90 フォント環境を維持(Microsoft IME に より変換する文字を JIS X 0208 などに制限することが可能です。詳細は次 項「Microsoft IME の変換文字制限」を参照してください)

(25)

25 図 3.3.2.2 JIS90 フォント環境から JIS2004 フォント環境への移行(2)

【シナリオ 3】

1. JIS2004 と JIS90 フォント環境を共存し、徐々に JIS2004 に移行(固有名 詞処理などで字体問題がない場合)

(26)

26

3.3.3.

Microsoft IME の変換文字制限

Windows Vista Microsoft IME は変換する文字を制限するために 3 つのオプショ ンが用意されています。以下 3 つのオプションのうちいずれかを選択することに より、変換できる文字を JIS X 0208 のみ、JIS X 0208 と外字、すべての文字に 制御することが可能です。この内「JIS X 0208」は、丸付き数字など JIS X 0208 ベースのエンコーデゖング(Shift_JIS や ISO-2022-JP)ではサポートされないい わゆる機種依存文字を抑制でき、また Unicode 非対応のゕプリケーションで Unicode 拡張文字(サロゲートペゕを含む)を抑制できるというメリットがあり ます。Windows Vista Microsoft IME の既定は「すべて(JIS X 0213:2004 含む)」 です。  すべて(JIS X 0213:2004 含む)  JIS X 0208 + 外字  JIS X 0208 なお、ゕプリケーションがサポートする文字の範囲はゕプリケーションの仕様に よって異なるので、基本的には文字範囲のフゖルタリングはゕプリケーションで 行ってください。 これらのオプションの設定はコマンド ラ゗ン、もしくは UI から可能です。 コマンド ライン JIS X 0208 文字で構成された単語/文字のみ: %systemroot%\System32\IME\IMEJP10\imjpuexc.exe CODEAREAFORCONVERT JIS208 JIS X 0208 文字で構成された単語/文字のみと外字: %systemroot%\System32\IME\IMEJP10\imjpuexc.exe CODEAREAFORCONVERT JIS208_AND_EUDC

(27)

27 変換制御をしない:

%systemroot%\System32\IME\IMEJP10\imjpuexc.exe CODEAREAFORCONVERT ALL

UI

図 3.3.3.1 Microsoft IME の変換文字制限(UI から設定)

補足になりますが、Microsoft Office IME 2007 でも同様の機能があります。設定 方法は以下のとおりです。

コマンド ライン(引数としてオプションを指定) %CommonProgramFiles%\microsoft

shared\IME12\IMEJP\IMJPUEXC.EXE UI

(28)

28

3.3.4.

2007 Microsoft Office system の日本語フォント

2007 Microsoft Office system の既定フォント

2007 Microsoft Office system の既定のフォントは OS 搭載の MS 書体になって います。したがって、2007 Microsoft Office system を JIS2004 の環境でお使 いになる場合は Windows XP, Windows Server 2003, Windows Vista のフォン トを JIS2004 対応の MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 に揃えます。JIS2004 文字セットのすべての漢字を扱うためには Office2003 以降のバージョンの Office が必要です。

2007 Microsoft Office system の付属フォント

2007 Microsoft Office system に付属のフォントは Office2003 と同じものが搭 載され、文字セットも第 1 水準、第 2 水準までが実装されています。また、これ らは表外漢字字体表の対象ではない手書きに準じる書体を含み〃活字書体に準じ るものであっても必ずしもよく使われるものばかりではありませんので、これら の JIS90 対応付属フォントは将来見直しを行い、よく使われる活字書体に準じた フォントに関して印刷標準字体対応・JIS2004 対応を行う予定です。

3.3.5.

フォント環境を揃えるための典型的な設定

ここでは、JIS2004 フォント環境や JIS90 フォント環境に揃えるために、これま でに述べたマ゗クロソフトの対応策をどのように組み合わせればよいか紹介しま す。JIS90 フォント環境に揃えるときに「追加文字の制限無し」と「追加文字の 制限有り」に分かれていますが、「追加文字の制限無し」は JIS2004 追加文字の 制限を特にしない(第三・第四水準漢字も入力可)場合、また「追加文字の制限 有り」は第三・第四水準漢字など JIS X 0208(第一・第二水準)以外の文字の入 力を制限する場合を表します。 JIS2004 フォント環境に揃える JIS2004 フォント環境に揃えるためには、既定で JIS90 フォントを搭載する Windows XP と Windows Server 2003 に MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 を゗ンストールします。

Windows Vista の Microsoft IME は JIS2004 に対応しているため既定でお使い ください。

Office の既定のフォントは OS 搭載の MS 書体になっていますので、Windows を JIS2004 フォント環境にすれば、既定で JIS2004 フォント環境になります。

(29)

29 JIS2004 に対応したデバ゗ス フォント搭載のプリンタであれば、デバ゗ス フォ ントに置換してもフォント置換オプションを無効にしても JIS2004 に対応できま す。デバ゗ス フォントが JIS90 に対応している場合はフォント置換オプションを 無効にしてください。 製品 Windows Vista Windows XP / Windows Server 2003 Windows 2000 画面表示 Windows(フォント) 既定 Version 5.0 対応無し 入力 Microsoft IME 既定 既定※ 既定 Office IME 2007 既定 既定 対応無し 2003 既定 既定 既定 印刷 プリンタ JIS2004 デバ ゗ス フォン ト デバ゗ス フ ォント・フォ ント置換オ プションを 無効 デバ゗ス フォ ント・フォント 置換オプション を無効 デバ゗ス フ ォント JIS90 デバ゗ ス フォント フォント置 換オプショ ンを無効 フォント置換オ プションを無効 対応無し  既定:製品の既定の設定を表します。  Version 5.0:MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 のパッケージを゗ン ストールします。  デバ゗ス フォント:プリンタのデバ゗ス フォントに置換して印刷しま す。  フォント置換オプションを無効:プリンタのデバ゗ス フォントに置換せ ず、画面で表示されているフォントで印刷します。

 ※:MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 を Windows XP や Windows Server 2003 に゗ンストールしても、Microsoft IME はゕップデートさ れないため、追加された文字をかな漢字変換で入力できるようにはなり ません。

(30)

30 JIS90 フォント環境に揃える

JIS90 フォント環境に揃えるためには、既定で JIS2004 フォントを搭載する Windows Vista に MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 を゗ンストールします。 Windows XP、Windows Server 2003、Windows 2000 の MS 書体は JIS90 に 対応しているため既定でお使いください。

もし IME の変換を JIS X 0208 に制限すれば(追加文字の制限をすれば)、JIS2004 で追加された文字に変換されることはありません。IME の変換を JIS X 0208 に 制限するためには Windows Vista の Microsoft IME や 2007 Microsoft Office system をご利用ください。 Office の既定のフォントは OS 搭載の MS 書体になっていますので、Windows を JIS90 フォント環境にすれば、既定で JIS90 フォント環境になります。 JIS90 に対応したデバ゗ス フォント搭載のプリンタであれば、デバ゗ス フォン トに置換してもフォント置換オプションを無効にしても JIS90 に対応できます。 もしプリンタが JIS2004 対応デバ゗ス フォントを搭載している場合は、 Windows での印刷オプションの設定の中でフォント置換オプションを無効にし てください。 追加文字の制限なし 製品 Windows Vista Windows XP / Windows Server 2003 Windows 2000 画面表示 Windows(フォント) Version 2.5 既定 既定 入力 Microsoft IME 既定 既定 既定 Office IME 2007 既定 既定 対応無し 2003 既定 既定 既定 印刷 プリンタ JIS2004 デバ ゗ス フォント フォント置 換オプショ ンを無効 フォント置換オ プションを無効 フォント置 換オプショ ンを無効 JIS90 デバ゗ ス フォント デバ゗ス フ ォント・フォ ント置換オ プションを 無効 デバ゗ス フォ ント・フォント 置換オプション を無効 デバ゗ス フ ォント・フォ ント置換オ プションを 無効

(31)

31 追加文字の制限あり 製品 Windows Vista Windows XP / Windows Server 2003 Windows 2000 画面表示 Windows(フォント) Version 2.5 既定 既定 入力 Microsoft IME 0208 オプシ ョン 対応無し 対応無し Office IME 2007 0208 オプシ ョン 0208 オプショ ン 対応無し 2003 対応無し 対応無し 対応無し 印刷 プリンタ JIS2004 デ バ゗ス フォ ント フォント置 換オプショ ンを無効 フォント置換オ プションを無効 フォント置 換オプショ ンを無効 JIS90 デバ ゗ス フォン ト デバ゗ス フ ォント・フォ ント置換オ プションを 無効 デバ゗ス フォ ント・フォント 置換オプション を無効 デバ゗ス フ ォント・フォ ント置換オ プションを 無効  既定:製品の既定の設定を表します。  Version 2.5:MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 のパッケージを゗ン ストールします。  0208 オプション:IME の変換文字を JIS X 0208 に制限するよう設定 します。  デバ゗ス フォント:プリンタのデバ゗ス フォントに置換して印刷しま す。  フォント置換オプションを無効:プリンタのデバ゗ス フォントに置換せ ず、画面で表示されているフォントで印刷します。

(32)

32

4. FAQ

ここでは、頻繁に寄せられる質問とその回答を FAQ として紹介します。

◆提供方法◆

Q. Windows Vista 用の JIS90 互換フォントは、どのような形態で提供される のか?

A. マ゗クロソフト ダウンロード センターにてご提供いたします。以後 Windows Vista 用 JIS90 互換フォントを MS 書体 Ver2.5 と呼びます。

Q. Windows XP 用の JIS2004 対応フォントは、どのような形態で提供される のか?

A. Microsoft Update の「追加゗ンストール」(Microsoft Update サ゗トで[カ スタム]を選択し、左のメニューペ゗ンの[追加選択(ソフトウェゕ)]をクリックし て「追加で選択できるソフトウェゕ更新プログラム」のリストを表示)にてご提 供いたします。以後、Windows XP / Windows Vista 用 JIS2004 対応フォント を MS 書体 Ver5.0 と呼びます。

◆Windows Vista での文字の扱いについて◆

Q. 旧 JIS90 字体を使うことは出来ないのか?

A. Windows Vista で旧 JIS90 字体を使うためには JIS90 互換の MS 書体 Ver2.5(MS ゴシック、MS 明朝など)をダウンロード センターから入手し Windows Vista 既定の JIS2004 対応 MS 書体 Ver5.0 に置き換えて使用します。 なお、OpenType 対応ゕプリケーション、.NET Framework 3.0 対応ゕプリケ ーションでは MS 書体 Ver5.0 に搭載された OpenType の字体切り替え機能によ り、既定の JIS2004 字体に換えて旧 JIS90 の字体もご利用いただくことが可能 です。

Q. 旧 JIS90 字体を外字として登録すれば、新旧どちらの字体も使えるのか? A. 使えます。

Q. Windows Vista 製品版での JIS2004 対応書体はどれだけ?

A. Windows Vista の JIS2004 対応書体は MS 書体 Ver5.0(MS ゴシック、 MS Pゴシック、MS UI Gothic、MS 明朝、MS P明朝)5 書体と、ClearType 対応日本語フォント「メ゗リオ」1 書体、計 6 書体です。

(33)

33 Q. Windows Vista で JIS2004 対応 MS ゴシック・MS 明朝(Ver5.0)と JIS90 対応 MS ゴシック・MS 明朝(Ver2.5)をアプリケーションで使い分けたいがどう すればよいか?

A. Windows Vista ではシステム全体で JIS2004 または JIS90 フォント環境を 選択できます。つまり両バージョンの MS ゴシック・MS 明朝をゕプリケーショ ンで使い分けることはできません。ゕプリケーションでの字形切り替えはひとつ のコード ポ゗ントで異なる字形が包摂されることを知らない一般的なユーザー を混乱させてしまうためです。

Q. クライアントである Windows Vista で JIS2004 対応 MS ゴシック・MS 明朝(Ver5.0)か JIS90 対応 MS ゴシック・MS 明朝(Ver2.5)のどちらが使われ ているか、サーバー側で知る方法はありますか? A. どちらの JIS のバージョンを選択しているのかユーザーに決めてもらうこと になるため、サーバー側で知る方法はありません。 ◆Windows XP へ「MS 書体 Ver5.0」を適用した場合について◆ Q. 旧 JIS90 字体と新 JIS04 字体をワープロ ソフトなどで切り替えて使える か? A. MS 書体 Ver5.0 が搭載する OpenType の字体切り替え機能を利用して旧 JIS90 字体と新 JIS04 字体を使い分けることもできますが、現時点ではその機能 を利用できるワープロなどのゕプリケーションは少ないと思われます。 Q. 「MS 書体 Ver5.0」は有償提供か? A. 無償で Microsoft Update の「追加゗ンストール」から゗ンストール可能に なります。 Q. 「MS 書体 Ver5.0」をインストールした場合、もとの旧フォントに戻す方法 はあるのか? A. パッケージをゕン゗ンストールすることで MS 書体のバージョンは従来のバ ージョンに戻ります。 Q. 旧 JIS90 字体(または新 JIS04 字体)を外字として登録すれば、新旧字体ど ちらも使えるのか? A. 外字の扱いに変更はありません。 Q. 対応 OS は?(Windows XP のみ?)

A. Windows XP SP2 以上と Windows Server 2003 SP1 以上が対象となりま す。このドキュメントの記述に対象の OS として Windows XP、Windows Server 2003 と書かれている場合も SP が適用されているものとします。

(34)

34 Q. 対応書体は?(MS ゴシック 3、MS 明朝 2 の計 5 書体?) MS 明朝/MS ゴ シック以外の OS 標準搭載日本語フォント対応について教えてください。 A. MS ゴシック フゔミリ 3 書体、MS 明朝フゔミリ 2 書体、計 5 書体になりま す。 Q. ライフサイクルについて教えてください。 A. OS のラ゗フ サ゗クルと同じです。 Q. 適用可能な OS は日本語版以外にありますか。 A. 対象 OS であれば言語は問いませんが、゗ンストール時には OS の既定の言 語を日本語に設定しておく必要があります。 Q. クライアントである Windows XP で JIS2004 対応 MS ゴシック・MS 明 朝(Ver5.0)か JIS90 対応 MS ゴシック・MS 明朝(Ver2.3)のどちらが使われて いるか、サーバー側で知る方法はありますか? A. どちらの JIS のバージョンを選択しているのかユーザーに決めてもらうこと になるため、サーバー側で知る方法はありません。 ◆フォントの文字変更情報◆ Q. フォントのアップデート情報の字形変更リストには、一見しただけでは字形が 変わったことが分からない文字もあるがなぜか?

A. Windows XP の MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.3 の OpenType glyf テ ーブルと Windows Vista の MS ゴシック・MS 明朝 Version 5.0 の glyf テーブ ルのデータを比較して差分を検出したため、見た目の字形に変更がなくてもゕウ トラ゗ン データとして変更された文字もリストされています。

◆互換性◆

Q. 外字に関する取り扱いについて変更がありますか。 A. ありません。

Q. Windows XP と Windows Vista で 外 字 領 域 の 互 換 性 は あ る か ? (Windows XP 上で使用していた外字コードが Windows Vista 上では第三/ 第四水準の文字にマップされるようなことはないか?)

(35)

35

5. おわりに

マ゗クロソフトでは日本文化に根ざした情報化社会の実現を引き続き支援するた めに、Windows Vista で「国語施策として示されている印刷標準字体」および「法 令に基づく施策である新人名用漢字」の双方に対応した JIS2004 を採用します。 JIS2004 を採用するにあたって、MS ゴシック・MS 明朝のゕップデートを行いま した。 そして JIS2004 対応に伴い、字体の変化による影響と、追加された文字の使用に よる影響に対応するため、2 つのフォント パッケージをリリースします。ひとつ は Windows XP・Windows Server 2003 向けに JIS2004 対応 MS ゴシック・ MS 明朝 Version 5.0 を、もうひとつは Windows Vista・Windows Server “Longhorn”向けに JIS90 対応 MS ゴシック・MS 明朝 Version 2.5 です。 これらのフォント パッケージを利用し JIS2004 フォント環境への移行するため に、考えられる典型的なシナリオは 3 つあります。Windows Vista より前にリリ ースされた Windows を JIS2004 フォント環境にそろえる方法、Windows Vista を一時的に JIS90 フォント環境にそろえる方法、もし固有名詞処理などで字体問 題がないときには Windows Vista の JIS2004 フォント環境と Windows Vista 以外の JIS90 フォント環境を混在させる方法があります。これらのシナリオのい ずれがもっとも適切かご検討ください。

最後になりますが、各システムを運用されているご担当者様が JIS2004 への移行 を計画するときにこの資料が一助となり、近い将来なるべくスムーズに標準のフ ォント環境である JIS2004 に移行していただけることを願っています。

図 3.2  Microsoft Update からのパッケージ  インストール
図 3.2.1.1 は各フォントで利用可能な文字セットと字形の゗メージ図です。左か ら、MS ゴシック・MS 明朝 Version  2.3、MS ゴシック・MS 明朝 Version  5.0、
図 3.3.2.1    JIS90 フォント環境から JIS2004 フォント環境への移行(1)
図 3.3.2.3    JIS90 フォント環境から JIS2004 フォント環境への移行(3)
+2

参照

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