リシャール・ポワソン-上級専門家
ANDRA国際事業部
地層処分プログラムへの住民参画アプローチ
-フランスの事例
プレゼンテーションの内容
本プレゼンテーションで取り扱う項目:
廃棄物、廃棄物管理、フランスの管理体制を巡る状況
ANDRAの歴史のフェーズ1(1991年まで)
フェーズ2(1991~1997年)
フェーズ3(1997~2005年)
フェーズ4(2006~2011年)
現在
解説
廃棄物
主に原子力発電によって生じる放射性廃棄物。この廃棄物は、非常に高い放
射能を有している
Coques et embouts
(MA-VL)
解説
この廃棄物の管理方法
この廃棄物の管理方法:
長期貯蔵
処分
核種分離変換
フランスの政治および行政機関の重要な要素
さまざまなレベル:
全国(1)
地域圏(22)
行政区レベル(100)
市町村レベル(36,000)
フェーズ1:1991年まで
アプローチ
純粋に科学的な条件(4種類の地質媒体の調査)に基づき、地
域の参加や事前情報なしで管理にあたっていた
エーヌ県の粘土質サイト
メーヌ=エ=ロアール県の頁岩質サイト
ドゥ セーブル県の花崗岩質(露出花崗岩)サイト
アン県の岩塩質サイト
「不可逆の地層処分が必須」と「地下研究施設(URL)での原
位置研究開発が必要」との間に矛盾があった
多くのデモ活動と猛烈な反対(暴動)を受けて、政府は一時的
な凍結を決定した
政府から調停官に指名されたバタイユ下院議員が公聴会を開
き、法的枠組み(1991年12月放射性廃棄物管理研究法)を提
案した
フェーズ2:1991~1997年:法律とサイト選定プロセス
法律
1991年12月31日に法律が施行され、以下が実施された
Andra(放射性廃棄物管理機関)が設立された
放射性廃棄物の研究が組織された
この研究の2005年までのマイルストーンが定義された
地域社会との対話が規定された
第6条:地下研究施設(URL)プロジェクトでは、地元住民および代表者との予備協
議が必要である
第12条:「公益事業協同体」(GIP)を設立し、URLプロジェクトに付随する活動を管
理する
第14条:URLのサイトについては、地域情報フォローアップ委員会(CLIS)を設立す
る
フェーズ2:1991~1997年:法律とサイト選定プロセス
サイト選定プロセス
1993年にクリスチャン・バタイユ下院議
員によって実施された選定プロセスで
は、以下の4行政区に候補地が見つ
かった
ヴィエンヌ県
ガール県
ムーズ県
オートマルヌ県
1997年に地方議会、行政区、地域議会の投票が行われた
(第6条)
フェーズ2:1991~1997年:法律とサイト選定プロセス
同期間中のその他の主な出来事
Andraは、1994年1月にロンゲ大臣より、4サイト(後に3サイト)の予備地
表調査を実施するよう要求された
当初の数年は賛成派と反対派が対立し、暴力的なデモ活動や妨害活動
が起こった
にもかかわらず、地表調査は実施された
3サイトに3つの研究所を設立する要求は1996年に提出された
AGENCE NATIONALE POUR LA GESTION DES DÉCHETS RADIOACTIFS
©
Andra
AGENCE NATIONALE POUR LA GESTION DES DÉCHETS RADIOACTIFS©
Andra
フェーズ2:1991~1997年:法律とサイト選定プロセス
地域参画
地域参画-第12条に基づくアウトリーチ手法(1994年以降)
根拠:行政区での地質調査における財政上の措置および経済的イニシアチブに関する
フランス政府通達
Andra、行政区、国家政府の代表者から構成される委員会による財政援助の管理
金額:期間中に3サイトの各々について約500万ユーロ
第14条に基づく予算付きの地域情報協議委員会(ILCI)の地域情報(1993年
以降)
プロジェクトの科学審査委員会との協力
会議、各地の施設訪問(ラ・アーグ岬、モル、モンテリ、グリムゼルなど)
サイトがない場合、これらはバタイユによって勧告された仮設構造物である
11フェーズ3:1997~2005年
現場での関与
フェーズ3:1997~2005年
1998年および1999年の政府決定
1998年12月以降、以下の決定:
ムーズ・オート=マルヌ・サイトの選定
ガールおよびビエンヌ・サイトの除外
新たな花崗岩質サイト(露出)の可逆性確保の調査研究
可逆性の義務調査の要求
1999年8月、許可命令
フェーズ3:1997~2005年
現場での関与、地域情報フォローアップ委員会(CLIS)(I)
CLISは1999年に設立された
使命:研究所の活動に関する情報を関係住民に提供し、研究と結果のフォローアップを実施し、
今後の公開討論で議論を交わす
手段:州および廃棄物生産者から提供される資金(年間約30万ユーロ)
活動:情報提供と議論、会議、セミナー、教育訓練、一般サイト訪問、ワークショップ
構成:以下の91名(24名は執行委員会に所属する)
議員:下院議員2名、上院議員2名
現地代表者:ムーズ県とオート=マルヌ県の知事、地方議会(ロレーヌおよびシャンパーニュ=
アルデンヌ)および総評議会(ムーズおよびオートマルヌ)の議員、市長
その他
フェーズ3:1997~2005年
フェーズ3:1997~2005年
現場での関与、公益団体(GIP)
GIPは2000年に行政区ごとに設立された
根拠:1991年法律の第12条
財政援助制度を確立
関与の独立した財政構造として公益団体を設立
研究所の近辺の区域を優先
約910万ユーロ/年/GIP、両方の行政区で同期間に合計約1億1,500万ユーロ
他の公的助成金を補完するものとしての財政援助
研究所の周辺区域で20%(両方の行政区で約2万人の住民)
行政区の他の部分で80%(両方の行政区で約36万人の住民)
フェーズ3:1997~2005年
同期間中のその他の主な出来事
Andraは、ムーズ・オート=マルヌ・サイトと一般的な花崗岩質サイトの両方で
の深地層処分に関して、あらゆる結果をまとめた重要な文書を作成した
この文書の重要な記述は、URLの地質情報が有効な互換区域に関するものである
これは、多くの国家および国際機関で審査された
公開討論会の情報データとして使用された
放射性廃棄物管理に関する2006年法律草案の技術基盤の一部をなす
フェーズ3:1997~2005年
2005年の文書に関連する公開討論会
このような討論会は法律で規定されている
2005年10月から2006年1月にかけて行われた
多くの公開会合が開かれた(3万人以上の参加者)
主な結果
さまざまな意見:
放射性廃棄物の生産を停止する、原子力産業と地層処分を支持する、焦らずに進める、評価する、必要に応じ
て中止できるようにする、など
あらゆる放射性廃棄物を一貫して管理する必要性
ガバナンスの改善
漸進的な意思決定プロセス
選定されたサイトを巡る地域開発計画に対する強力な後押し
討論会では、オープンな議論が可能であるという証拠が示された
フェーズ4:2006~2011年
近隣区域
URLから半径10 kmの区域(33自治体)から、互換区域(2005年調査書類)および
2006年計画法で設定された周辺区域まで
AGENCE NATIONALE POUR LA GESTION DES DÉCHETS RADIOACTIFS