DB制度改善に関するパブリックコメントについて
平成28年2月12日
日本生命保険相互会社
本資料は、作成時点における信頼できる情報にもとづいて作成されたものですが、その情報の確実性を保証するものではありません。
本資料に含まれる会計・税務・法律等の取扱いについては、公認会計士・税理士・弁護士等にご確認のうえ、貴団体自らご判断ください。
ホームページアドレス http://www.nenkin.nissay.co.jp/info/report.htm
◇H27.2.12 日本生命保険相互会社 団体年金コンサルティング課 発行(日本年基201602-170-1121D)
○現行では、財政検証で非継続基準に抵触したDBが、「積立比率方式」により特例掛金を算出した場合、
特例掛金を決算年度の翌々年度に拠出することとされているが、非継続基準に対する積立不足はでき
る限り早期に償却することが望ましいことから、翌年度に拠出することも可能とする。
Ⅰ.非継続基準の見直し(特例掛金の拠出時期)【DB】
2
現 行
改正後
・非継続基準に抵触した場合の特例掛金は、決算年度の翌々年度
に拠出
・非継続基準に抵触した場合の特例掛金は、決算年度の翌年度に
も拠出可能に
(現行どおり、決算年度の翌々年度に拠出することも可能)
■ 特例掛金の拠出時期
特例掛金を拠出
※
▲
当年度末
▲
翌年度末
▲
翌々年度末
非継続
基準抵触 特例掛金を拠出
※
▲
当年度末
▲
翌年度末
▲
翌々年度末
非継続
基準抵触
翌年度に拠出可能に
※特例掛金の拠出期間は、上記の期間のなかで規約で定める。
○非継続基準に抵触した場合に拠出する特例掛金の額の算定方法のうち、「積立比率方式」は、「翌年度
における債務の増加見込額」のうち、「翌年度における資産の増加額」でカバーし切れない部分を特例掛
金で拠出する。この「翌年度における資産の増加額」は、現行では、掛金収入による資産の増加のみを
見込むこととなっているが、給付による資産の減少や運用収益による資産の増加も見込むこととする。
Ⅱ.非継続基準の見直し(特例掛金の算定方法)【DB】
3
現 行
改正後
・特例掛金を算出する上で、「翌年度における資産の増加額(下
図参照)」として、「掛金収入」の増加のみを見込んでいる
・「掛金収入」による資産の増加に加え、「給付」による資産の
減少・「運用収益」による資産の増加も見込む
■ 特例掛金の算定方法
<参考:「積立比率方式」による特例掛金の算定方法>
・「積立比率方式」では、「翌年度における債務の増加見込額
※
」のうち、「翌年度における資産の増加額」ではカバーし切
れない部分を特例掛金で拠出することになる。
※「翌年度における債務の増加見込額」は、「当年度末に発生した最低積
立基準額に対する積立不足(最低積立基準額-純資産額)の償却額」に、
「翌年度における最低積立基準額の増加見込額」を合計して算出
特例掛金の額
翌年度における
資産の
増加見込額
当年度末における
最低積立基準額
に対する積立不足
の償却額
翌年度における
最低積立基準額
の増加見込額
(資 産) (債 務)
掛金収入 掛金収入
運用収益
給付
翌年度における資産の増加額
翌年度における資産の増加額
○DBを任意脱退した実施事業所から一括徴収する掛金額を「①継続基準による方法」と「②非継続基準
による方法」のいずれか大きい方の額とする算出方法では、現行は、①の方が大きいと①に「繰越不足
金等」を加算できるが、②の方が大きいと、①に「繰越不足金等」を加算した額が②よりも大きくても、②
の額しか徴収できない。②の方が大きくても、①に「繰越不足金等」を加算した額を徴収できるよう見直す。
Ⅲ.実施事業所減少時の掛金の一括拠出額の見直し【DB】
4
現 行
改正後
■ 任脱時の特別掛金の算出方法
【①と②を比較】
【徴収する額】
「繰越不足金などの加算
額」を加算せずに比較
特別掛金収
入現価
最低積立
基準額に
対する
不足額
最低積立
基準額に
対する
不足額
<
繰越
不足金
などの
加算額
特別掛金収
入現価
最低積立
基準額に
対する
不足額
>
繰越
不足金
などの
加算額
特別掛金収
入現価
繰越
不足金
などの
加算額
①継続基準ベース ②非継続基準ベース
非継続基準ベースの額
しか徴収できない
【①と②を比較】
【徴収する額】
「繰越不足金などの
加算額」を加えて比較
①継続基準ベース ②非継続基準ベース
5
<参考:任意脱退に伴う一括拠出金の計算方法(現行の仕組み)>
①継続基準による
方法
②非継続基準による
方法
③いずれか大きい方
の額とする方法
純資産
繰越不足額
資産評価調整額
数理債務
特別掛金収入現価 (1)
(2)
(3)
減少事業所分
DB全体
加算が可能
純資産
最低積立基準額
最低積立基準額
に対する不足額 (1)
減少事業所分
<必ず徴収する額>
(1) 特別掛金収入額
<徴収する額に加算できる額>
(2) 繰越不足金
(3) 資産評価調整額 など
<必ず徴収する額>
(1) 年金資産額が最低積立基準額を下回る額
*「非継続基準による方法」では、徴収額に
加算できる額はない
・次の2つを比較し、いずれか大きい方の額とする方法
①継続基準による方法
②非継続基準による方法
・比較した結果、「①継続基準による方法」の方が大き
い場合には、以下の額を徴収する額に加算できる。
(1)繰越不足金
(2)資産評価調整額 など
DB全体
下線部を前ページのように
見直し
○一時金の額は年金給付の現価相当額を基準として定められるが、現価相当額は下限予定利率で計算
した額が上限になる。しかし、この上限の考え方に制約があるため、加入者資格喪失時に受給する一時
金の額よりも、一時金を繰り下げて老齢給付金として一時金を受給する方が額が小さくなることがあるた
め、逆転が生じないように上限の考え方を見直す。
Ⅳ.給付の現価相当額の計算の基礎となる予定利率の見直し【DB】
6
■ 選択一時金の計算方法
現 行
改正後
・「一時金選択時点」の一時金は、「支給開始年齢時点」「一時
金選択時点」のいずれか低い下限予定利率で計算した現価が上
限となり(次ページ参照)、「資格喪失時」の下限予定利率は
考慮されない
・このため、「資格喪失時点」よりも下限予定利率が上昇した場
合、「資格喪失時点」の一時金よりも少なくなる可能性がある
・「資格喪失時点」「支給開始年齢時点」「一時金選択時点」の
最も低い下限予定利率で一時金の上限を計算できるように変更
・この結果、「資格喪失時点」よりも下限予定利率が上昇して
も、「資格喪失時点」の一時金を支給することが可能に
一時金選択時点の
下限予定利率(3%)
支給開始
年齢時点
年金 年金 年金
・・・
年金 年金
保証期間
一時金
選択時点
選択一時金
資格喪失時点の
下限予定利率(1%)
一時金選択時点の
下限予定利率(3%)
支給開始
年齢時点
年金 年金 年金
・・・
年金 年金
保証期間
一時金
選択時点
選択一時金
資格喪失時点の
下限予定利率(1%)
資格喪失
時点
資格喪失
時点
「資格喪失時点」よりも
一時金額が減少する
逆転現象が解消
7
<参考:平成24年改正の内容>
改正前
改正後(現 行)
・平成24年改正前は、「一時金選択時点」の下限予定利率で計
算した現価を一時金の上限とする必要があったため、「支給開
始年齢時点」よりも「一時金選択時点」の方が下限予定利率が
上昇した場合、「支給開始年齢時点」の一時金よりも少なくな
る可能性があった
・平成24年改正後は、「支給開始年齢時点」「一時金選択時点
」のいずれか低い方の下限予定利率で計算した現価を一時金の
上限とすることが認められた
・この結果、「支給開始年齢時点」よりも「一時金選択時点」の
方が下限予定利率が上昇しても、「支給開始年齢時点」の一時
金を支給できることになった
一時金選択時点の
下限予定利率(3%)
支給開始
年齢時点 保証期間
一時金
選択時点
選択一時金
支給開始年齢時点の
下限予定利率(2%)
一時金選択時点の
下限予定利率(3%)
支給開始
年齢時点 保証期間
一時金
選択時点
選択一時金
支給開始年齢時点の
下限予定利率(2%)
資格喪失
時点
資格喪失
時点
・平成24年にも同様の改正があったが、このときは、「一時金選択時点」の下限予定利率で計算した現価を一時金の上限とする
取扱いから、「支給開始年齢時点」「一時金選択時点」のいずれか低い方の下限予定利率で計算した現価を一時金の上限とする
ように見直しが行われ、「支給開始年齢時点」よりも「一時金選択時点」の方が一時金額が少なくなる逆転現象が解消された。
・しかし、「資格喪失時点」と比べたときの逆転現象は解消されないままであった。今回の見直しは、これを解消するものとなる。
平成24年改正では、「資格
喪失時点」との逆転現象は
解消されず
年金 年金 年金
・・・
年金 年金 年金 年金 年金
・・・
年金 年金
○障がい給付金の請求の際に、障がいの原因となった疾病等の初診日を明らかにすることができる書類
を添付することができないときは、当該初診日を証するのに参考となる書類(診察券、入院記録等)を添
付することを認める。
Ⅴ.障がい給付金の請求に係る添付書類の見直し【DB・厚年基金】
8
現 行
改正後
■ 障がい給付金請求時の必要書類
(注)公的年金においても同様の措置がなされている。
1 請求書
2 生年月日を証する書類
3 障がいの状態の程度に関する診断書など
4
初診日を明らかにすることができる書類
5 その他規約で定める書類
1 請求書
2 生年月日を証する書類
3 障がいの状態の程度に関する診断書など
4
初診日を明らかにすることができる書類
※当該書類を添付できないときは、初診日を証するのに
参考となる書類(診察券、入院記録等)
5 その他規約で定める書類
○既存のDBから受託保証型DBへ移行する場合、積立不足を有したままでは支障があることから、積立
不足の一括拠出を可能とする。
(注)生命保険の一般勘定などで運用することにより、積立不足が生じないことが確実に見込まれる仕組み。平成26年度から実施中。
Ⅵ.受託保証型DBを実施する場合の拠出方法の見直し【DB】
9
現 行
改正後
■ 受託保証型DBへの移行
拠出 ・・・ 積立額
運用実績
積立不足
予定利率
給付
減額
生保一般
勘定で運用
通常のDB 受託保証型DB
移行時点
拠出 ・・・ 積立額
運用実績
一括
拠出分
予定利率
給付
生保一般
勘定で運用
通常のDB 受託保証型DB
移行時点
積立不足に
一括拠出
受託保証DBへの移行時に
積立不足を解消しないと、
給付減額などの支障が発生
受託保証DBへの移行時に
積立不足の一括償却が
可能に
Ⅴ.承認・認可申請手続の整理【DB】
10
現 行
改正後
■ 規約型DBにおける通知改正
①終了承認申請の書類(主なもの)
1 終了承認申請書
2 労働組合などの同意書
3 労働組合の現況などに関する事業主の証明書
4 数理関係書類
5 残余財産の処分の方法
6 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
○現行の実務では、規約型DBの終了承認申請時に「終了理由書」、基金型DBの解散認可申請時に「解
散理由書」を、給付減額の承認・認可申請時に「給付減額理由書」を添付する取扱いが行われているが、
厚生労働省の通知
※
上、明記されていないため、実務に則した内容になるように通知を改正する。
※「確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準等について」
1 終了承認申請書
2 労働組合などの同意書
3 労働組合の現況などに関する事業主の証明書
4 数理関係書類
5 残余財産の処分の方法
6 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
7 終了理由書
②給付減額承認申請の書類(主なもの)
現 行
改正後
1 規約変更承認申請書類
2 規約変更に関する労働組合などの同意書
3 給付減額に関する同意書
4 労働組合の現況などに関する事業主の証明書
5 数理関係書類
6 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
1 規約変更承認申請書類
2 規約変更に関する労働組合などの同意書
3 給付減額に関する同意書
4 労働組合の現況などに関する事業主の証明書
5 数理関係書類
6 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
7 給付減額理由書
(注)上記のほか、規約の統合・分割時の申請書類、他のDBへの権利義務承継、厚年基金への権利義務移転時の申請書類も見直し
11
現 行
改正後
■ 基金型DBにおける通知改正
①解散認可申請の書類(主なもの)
1 解散承認申請書
2 代議員会の会議録
3 数理関係書類
4 残余財産の処分の方法
5 財産目録・貸借対照表
6 基金の事業の継続が不可能となったことを証する書類
7 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
1 解散承認申請書
2 代議員会の会議録
3 数理関係書類
4 残余財産の処分の方法
5 財産目録・貸借対照表
6 基金の事業の継続が不可能となったことを証する書類
7 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
8 解散理由書
②給付減額認可申請の書類(主なもの)
現 行
改正後
1 規約変更申請書類
2 代議員会の会議録
3 給付減額に関する同意書
4 数理関係書類
5 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
1 規約変更申請書類
2 代議員会の会議録
3 給付減額に関する同意書
4 数理関係書類
5 労使合意に至るまでの労使協議の経緯
6 給付減額理由書
(注)上記のほか、基金の合併・分割時の申請書類、他のDBへの権利義務承継、厚年基金への権利義務移転時の申請書類も見直し
○厚年基金の一部の設立事業所がDBに権利義務移転を行う場合の「代行部分の現価相当額の算定に
関する事務」「記録整理に関する事務」等について、存続連合会に事務委託できるようにする。
Ⅷ.存続連合会への事務委託【DB・厚年基金】
12
現 行
改正後
【代行返上】
・政府は、次の業務を存続連合会に委託可能
-最低責任準備金の算定に関する事務
-記録整理に関する事務
【一部事業所のDBへの権利義務移転】
(規定なし)
【代行返上】
・政府は、次の業務を存続連合会に委託可能
-最低責任準備金の算定に関する事務
-記録整理に関する事務
【一部事業所のDBへの権利義務移転】
・政府は、次の業務を存続連合会に委託可能
-代行部分の現価相当額の算定に関する事務
-記録整理に関する事務
■ 存続連合会への事務委託
(注)「一部事業所のDBへの権利義務移転」について、平成26年4月の法改正前は、代行部分の現価相当額は連合会が徴収していたが、法改正後は、
政府が徴収することに変更された。これに伴い、「代行部分の現価相当額の算定に関する事務」「記録整理に関する事務」についても、政府が行う
こととされていた。今回の見直しは、これらの事務を政府が存続連合会に事務委託できるようにするもの。
一部事業所のDBへの権利
義務移転についても、存続
連合会へ事務委託可能に