Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design巻 頭 言
日
本
に
お け る
自然 災 害
と
人
為
災
害
と
の
関
係
’
lhe
Relation
between
Natural
Caramity
and
Artificial
Disaster
in
Japan
平
不
二夫
筑波
大 学Taira
FuliQ
University
ofTsuk
しlba1
.
天 災 と 日本 列 島 地震・
火 山 活 動・
台
風・
津 波とい うよう な 自 然 現象
に起 因 す る災 害
を 「自然
災害 」
、
通称 「
天災」
とい う。
これに対 して火災
・
停 電
・
交
通事
故 等の人 間 ?±会の諸事
情に よ り引 き起こさ れ る災 害 を「
人為 災害 」 省 略 して「
人 災 」 といい、
防災 問 題の分 類で はこ の よ うに区分 さ れているu 地 質 学 上での 日本 列 島は、
最 近の地 殻 運 動に関するプレー
ト テ ク トニ クス理論 に よれ ば、
ユー
ラシ ア・
プレー
トの東 端に位置
し、
そこに向 かっ て移 動 して くるフ ィリッピン海 プレー
ト、
太
平洋
プレー
ト、
北ア メ リ カ・
プレー
トという岩
盤 が 集 中し衝 突す
る場所
に在
ると説明
さ れ ている。 という
ことは、
必然 的
に 地震
と火山
の噴火活 動
が多発
し、
海底 地震
に よ る津 波
の被 害
も複雑
な海 岸線
に よ る地形
的条件
で多発 す
るという
こ とに な る。また
気候 的
にも、
アジア の温 帯
地 域に位置
し、
初夏
の梅
雨前
線
、
夏
か ら秋
に かけ
ては、
熱帯
の太平 洋
上 に発
生した低気
圧 が 台 風とな り、
日本 列 島はそれ等
が通 過 するコー
ス上 に位 置 し て いる。
また冬 場は、
シベ リアか らの寒 気 団の 影響に より、
日本 測 則の地 域は世界でも有 数の豪 雪 地帯で もあ る。
地 球 上に は多 くの 地 域 が 在 るが、
自然 災 害 が 皆 無 とい う地 域 はま ずは見 当
た ら ないu 大 半の地域は自然 災害
の う ちどれ か1
〜
2
が 主 と なっ ている場 合 がほ と ん どで、
日本 列島
の ように地 震・
噴
火・
津波
・
台
風・
豪
雪・
冷害
とい う よう
な、
多彩
な 自然 災害
が 集 中し てい る地 域 とい う例 は珍 しい。
ちなみ に タイフー
及
びッナミは、
国際
的にも 通 じる 用語
と なっ てい る 。地震に よっ て建 造 物の崩 壊
、
地滑
り、
山崩
れ、
陥没、
隆起、
津
波、
液
状化 現象
という
もの が が引 き起こ さ れ る。
火山の噴火 で は
、
溶 岩流、
火砕流、
土石流、
降灰、
降石、
森
林
火災
、
有毒
ガ スの噴出等がある。
気象 的
な災 害
とし て、
台
風の風水筈
に よ る建 造物
の破 壊
、
倒
壊、
流失
、
浸水
、
冠水
、
洪 水
、
山崩
れ、
土 石 流、
樹 木
の倒壊
、
火災
、
高潮 等
があ
る。その
他
の気 象災害
といわ れ るもの で、
豪
雪、
多
雨、
干
ばつ、
冷害
、
山 火事
、
降雹
、
落
雷、
旋風
、
竜
巻 という
ものもあ
る。
日本 列 島の 歴 史は
、
縄 文 時代
より現代
まで、
こ の多様
な自然
災 害の う ち、
大 規 模な災 害が 引 き金 とな り、
仕 会 的、
産 業 的、
経 済 的な基 盤が不安
定と な り、
政治 的 な変動
が起こっ た という
説が、
最 近 強 くなっ てきてい る。
有 史 以 来
、
この 日本 列島
の住 人
は、
こ の多
様 な 自然 災 害 に 直 面 し、
気 を 配り生 活 を してき
た。 その た めに 独 自の防 災 対 策、
生 活の知 恵 を発 達 させてき
た。 そ の反 面、
あ ま りにも 自然災害
が多
過 ぎ、
被害
を受
けても、
どう しよう
もも ない とい う諦
観 と災害 慣
れ し た 生活 感
を有 す るこ と にも なっ た。
こ れ等の自
然
災害
は、
地 震・
噴 火・
識 皮の ように、
事
前の 予 知 が困難 な突発 的 な災 害 と、
台 風や豪
雪とい うような季節
的 に集
中 し、
例年 対応す
る’
」
構
えが出 来
て い る災 害
という
よう
に、
2
種 類の もの に分 類 され るv この ような 自然 災 害で共 通 する こ と は、
いく ら災 害 慣 れ を し て いる とい っ ても、
人 為 的な防 災の対 応 が 全 く通 じ ない、
想 像 外のエ ネル ギー
を持っ て 襲っ て くる場 合である。
こ の 時は何は さてお き逃 げ るこ としか 方 法は無い。
その典 型 的 な事 例 が19
90
年11
月ユ7
日の雲 仙・
普 賢岳
噴 火 による島 原の火 砕 流 及 び1994
年工0
月4
日の北 海 道 粛 西 沖 地震 による、
部 分 的に30rn
を越 え たとい う奥
尻 島の津 波であ る。
2
例 と も瞬 時に対 応 し な け れ ば生 命の保 証は無 く、
事 前に少々 の防 災 対 策 を 用 意 し てい ても、
これほどの スケー
ルになると全 く無力
である。
この よう な 場 合 は 致 し方 ないと しても、
人々 は、
居 住し、
生産活 動
をしてきた 場におい ては、
知 恵 を働
かせ、
その地 域 な り の様
々な自然災害
に対 応 した防 災対策
を講 じてきた、問題
は、
現実
にある程度
の スケー
ルの自然災害
に直面
して し まっ た時点
で、
その防災対 策
を事 前
に し てい れ ば、
被 害
が最小
限度
に防げ
た であ
ろう
という災 害
の場 合
であ
る。
この よう な 場 合、
本 来 講 じな くてはい け ない対 応 策 を して い なかっ た、
忘れて いた、
気がつ い て い なか っ た という場 合、
こ れも「
人為 災 害 」と考 え ざる を得 ない の で ある。
こ れ は2
次 的 な災 害、
いわゆる「
人 災 」とい わ れ るものである。
2
.
人 為 災 害に つ いて こ の 人 為 的 な災 害は、
多 角 的 な視 点より考 え られ る要 因 を持 っ ている。
その 中でも 本 来 人 間の住 む 場所 には不 適 な低 湿 地、
沼 沢 地、
急傾 斜 地、
その他の地 盤 が 不 安 定 な 場 所に、
無 理 を し て近代
の土 木 技 術、
建 築 技 術 を 投 入 し、
強 引に居 住 地 区に変 化 さ せ、
人口の集 積 度 を高め て しまっ た ところ に問 題 が ある。
日本の国土 面 積の うち61
%は起 伏に富 む山 地、
急 傾 斜 地で あ り、
海抜300m
を超 えない、
起 伏 量100m
以 下の丘 陵 地 がll
%、
平 野や山 間の盆 地 を合わ せた 平 地 が24
%となっ て い るu こ の わず かば か りの平 地に、
人口の65
%が集 中 して い る。 フラン スや ドイツ とい うようなヨー
ロ ッパ の 中心 部の国で は、
国
土の60
% 近 く が 丘 陵 地 と平 地で占 め られて い る。
問 題 は、
い かに 日本 は無 理 を して このよ う な特 異 な 居 住 環 境 を造 り 上げ
て来 た か とい うことであ る。
この人口が 集 積 さ れ た狭 小 な 地 域に行 政機 関、
基 幹 産 業、
経 済拠 点
、
情報
網、
交 通 拠 点、
文 化 施 設 等 が 集 中し、
そこが 何 等 か の自然災 害
に襲
わ れ る と、
致命
的な被 害
を被
る ことになる。 ま し て や「
予 想 もし て はい な かっ た」
という
場合
は、
想 像 外
の 大 被 害 を引 き起こ してし まう
。
その典 型的 な例となって しまっ たのが1995
年1
月17
日に 起こっ た 阪神・
淡 路 大 震 災 (兵 庫県
南 部 地 震 )であ る。
この地 震 災 害につ い て、
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な ジャー
ナ リズムか らの情 報 を 得て、
各
自 そ れ ぞ れのイデ サ イ ン学研究 祷集号 SPECIAL ISSUEOF JSSD Vol
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3 NQ.
4 19961Japanese Society for the Science of Design
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