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徳島聴覚支援学校幼稚部における聴覚学習の取り組み

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Academic year: 2021

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特集1:子供のきこえと言葉の発達

徳島聴覚支援学校幼稚部における聴覚学習の取り組み

徳島県立徳島聴覚支援学校指導教諭(言語聴覚士) 1.本校の教育 徳島県立徳島聴覚支援学校(旧徳島県立聾学校)は県 下唯一の聴覚障害児に対する教育機関であり,幼稚部, 小学部,中学部,高等部までの一貫した教育を行ってい る。最近では新生児聴覚スクリーニング検査などを契機 に早期に難聴が発見される児が増えている。生後数ヵ月 の児から乳幼児教育相談という形で難聴児の早期教育を 行っている。徳島大学病院耳鼻咽喉科小児難聴外来など の耳鼻咽喉科より難聴児の紹介をうけ,補聴器装用によ る聴覚学習を目的に保護者とともに難聴児が来校すると, ほぼ全例で一週間以内と早期に補聴器装用を開始してい る。本県での難聴診断から補聴開始までの迅速さは他県 に類を見ず,医療と教育などが「徳島県の難聴児を支え る連携」を密接に行っていることにより成り立っている。 2.補聴と言語習得 難聴児の健全な音声言語習得には聴力が不可欠であり, 早期の難聴の発見と早期の聴覚補償が重要である。乳児 教育相談では言語習得に向けて,補聴器をどのように装 用し,音への気づきを増やしていくかという親の教育の 場であり,難聴児を育てるという不安を抱えた親の相談 の場でもある。早期から適切な補聴を行い,わずかに聞 こえる聴覚情報に意味づけをしていくことで,児は言葉 の存在を知り,コミュニケーションができるようになり, 親子の愛着が育まれる。良好な親子関係の元で,家庭生 活の中で繰り返される日常のできごとについて,家族が 丁寧な言葉がけを繰り返し行っていくことが不可欠であ る。さらに言葉がけの際に,身振りやサイン等の視覚刺 激を併用することで,音声の意味づけが強化されていく ため,手話や絵カードなども積極的に取り入れて教育を 行っている。 3.幼稚部教育と聴覚学習 幼稚部の教育は,幼稚園教育要領(文部科学省)に基 づいており,加えて本校のような聴覚支援学校に特有の 教育活動として,「毎朝の補聴器や人工内耳での聴取状 態の把握」や「下校前に行われるその日の活動の言語化」, 専門の教員により個別に行われる「聴覚学習」と「発音 指導」などが挙げられる。 「聴覚学習」は,聞き取りを育てる時間であり,日常 にある素材を用いて,児が音と向き合って音を聴きとろ うとする態度を指導している。訓練的にならないように 遊びの要素を取り入れ「耳だけを使わせる」のではなく 「うまく耳が使えるようになる方策」を,児一人一人の 発達段階や聴覚活用状況に合わせて行っている。 四国医誌 70巻5,6号 113 DECEMBER25,2014(平26) 113

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