博学連携「ミヤマアカネリサーチプロジェクト」を通しての児童の学び:―総合的な学習の時間における探究活動の事例分析―
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(2) Standards (2000,Nat ional Res earch Counc i1,. Nati・nal Acad・my Pr・ss)には、学校での探究. に不可欠な五つの要点が示されており、その内一 r学習者が疑問に答える時に,証拠を最優先す る」 r学習者が証拠から説明を明確に述べる」 が特に大切とされている。.そこで、児童の学習 がこの要素を含んだものになっていたかどうか について、二次(表1)における調査のまとめ の作文をテキスト分析した(表3)。抽出した十 二名の児童の作文には全て仮説が記述されてお り、五つの証拠の内、少なくとも一つについて は全員が記述していた。また、五つ全てを記載 した児童もおり、平均すると3.6(72%)の証拠 が記載されていた。このことから、このプロジ ェクトにおける児童の学びが証拠を元に仮説を 導くという探究の過程を踏まえたものとなって いることがわかった。 4−3.研究員の参画の効・果. 博学連携の元、プロジェクトを進めてきたが、. 研究員との交流がどのような意味を持っていた のかを知るために、研究の動機・学習を振り返 っての作文等について書かれた児童の作文につ いてテキスト分析を行った。その結果研究の動 機については.80%の児童が研究員の呼びかけ について記述し、学習を振り返っての作文でも 42%の児童が研究員との交流について言及して いた。また、その他の作文でも研究員のアドバ イスについてや、研究者になりたいという憧れ を抱いた記述が見受けられ、博学連携の効果が 現れていたといえる。. 以上の結果から、児童にとって研究員から 「一緒に研究しよう」呼びかけられたことは大 きなモチベーショシとなって、調査研究に取り 組んだと考えられた。また、児童の考えた仮説 に対して、研究員が専門家の視点からアドバイ スをする機会を設けたこ・とで、児童は自分たち の調査の意義を自覚でき、結果の有用性を認め られることが大きな達成感につながったと思わ れた。. 5 考察 本研究では,総合的な学習の時間で探究的に 学習を進めるモデルの一つとなると考え、博学 連携の形で進められたミヤマアカネリサーチプ ロジェクトについて、事後の再検証を行った。 本プロジェクトは、総合的な学習の時間や環境 学習などのねらいをふまえたものであり、同時 に,全米科学教育スタンダー.ドにあるInquiry の観点を踏まえた探究の過程となっていた。ま た、調査活動によって得られたデータを比較・ 考察して証拠を元に仮説を導くプロセスでは、 表2.探求の過程に必要とされる基本能力 全米科学教育スタンダード(Grade5−8) a.科学的な調査・研究を通して答えることができるような疑問を. 見つけ出す b.科学的な調査を計画し、実行する C.データを集め、分析し、解釈するのに的確なツールや手法を使 用する 乱証拠と説明の間の関係について批判 的に考え、関係づける g.証拠を元に、描写・説 e.別の説明や予想に気がついたり、.分 明・予想・モデルをよ 析したりする り良いものとする. f.科学的な方法や説明について意見交 換をする. 一389一. ほとんどの児童が証拠から説明を明確に述べる ことができていることが確かめられた。 、探究的に学習を進めるためには対象とする素 材の選定と、デ』タを作成するプロセスがきわ めて重要となる。本プロジェクトでは,研究員 からミヤマアカネという素材の提供を受け、調 査方法も提示されたことで、探究の過程を踏ま・ えた授業を構成することが可能となった。 また,実際の学校での探究活動においては、 教師が意図的に学習過程を構成していく必要が あり、どの程度まで児童の主体的な活動に任茸 るかが授業構成のポイントの一つとなる。例え ば,証拠から説明を述べる際にどのデータを取 り上げどのような観点で比較をしていくのかに ついても教師の的確な指導が必要であった。4−2」. で参照した文献では、学校での探究に不可欠と された要点全てに対して4つのバリェーション ーが示されており、5つの要点全てを教師が与え る場合すら考えられる旨の記載がある。本プロ ジェクトの内容は学校教育の枠組みを超えた専 門的な知識を必要とするものであり、五つの要 点の内r学習者が科学的に意味ρある疑問をも つ」.r学習者が説明を科学的知識に結びつける」 という一項目については、教師にはできない研究 員の助言が大きな役割を果たした。. 博学連携の多くは、展示鑑賞を適レての指導 や、教員サポート事業の事例が多い。それに対 し,本プロジェクトでは,博物館研究員からミ ヤマアカネとい.う優れた研究素材とその生態の. 調査方法等の提示を受けるとともに,研究員自 らが児童をr小さな共同研究員」と呼んで共に 探究を進めるという連携のあり方を展開してき た。学校教育の枠組みを超えた「誰も知らない こと」を研究員と一緒に共同研究する。このこ とが探究のプロセスをふまえた授業構成を可能 とし,同時に,活動に対する児童のモチベーシ ョンと学びの質を高めた要因と考えられた。 以上の点を含め、本プロジェクトは、総合的 な学習の時間における探究活動の質と博学連携 の効果を考える上で貴重な実践事例を提供する ことができたと考える。’. 主任指導教員 岸田 恵津 指導教員 増澤 康男. 表3児童の学習分析. 分希調査をまとめた児童の作文の記述内容を分析し、記載 がある事項を黒塗りして表記. の. 記述率. A L. !00%. Bツ」. 80% 20%. C児 D/. 10C%. E几 F几. H几. 40% 80% 80% 20%. I児. 100%. J L. 60%. K」. !00%. G L. L L. 記述率. 80%. の記述 平均172%.
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