伊那谷自然史論集 22(2021)
57 ◆観察記録ノート
四方圭一郎 タケクマバチXylocopa (Biluna) tranquebarorumは、 中国や台湾原産の外来の大型ハナバチである。タイワ ンタケクマバチと呼ばれることも多いが、日本に侵入 した個体群は遺伝子解析により中国の個体群であるこ とがわかっており、タケクマバチという和名が提唱さ れている(松本・西元,2020). 長野県では,松本市で 2011 年に発見され営巣してい る様子も観察された(小松ら,2012).長野県南部では 2018 年に飯田市山本で採集された記録が報告されてい る(井原,2019)。2020 年は飯田市内の多くの場所でタ イワンタケクマバチを観察したので記録しておく。 1ex.,飯田市川路,26.V.2020. 6:45 頃、スイカズラの花を訪花している個体を観察 した.同時にキムネクマバチも訪花していた. 1ex.,飯田市川路,1. VI. 2020 路上に静止していた個体を採集した.生きていたが 飛べない状況であった. 多数,飯田市川路天竜川堤防,26. VI. 2020(図 1 ) 9:30 頃、天竜川総合学習館前にある堤防に生えたア カツメクサの花に、複数の個体が訪花していた。15 分 ほど観察している間にも次々と飛来した。また翌日 6 月 27 日も同じ場所で多数観察された。 このほかにも,飯田市内各地の花壇などで吸蜜して いるのを目撃しており,2020 年は当地域において本種 の個体数が急激に増加した年であったと思われる.