ソ連型社会主義計画経済についての一考察
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(2) 因を、集権的体制の特性から明らかにした。. ジーらの理論を概観した。. 第3節では、ゴルバチョフのもとで行われた. 第3節では、「ソ連型社会主義計画経済」がは. ペレストロイカと、その帰結であるソ連崩壊に. たして「社会主義経済」であったかを間い直し. ついて考察した。長引く経済停滞と、様々な混. た「国家資本主義論」をとりあげた。「国家資本. 乱が続くなかで始められたペレストロイカは、. 主義論」は、ソ連および東欧諸国で成立した体. 政治面において民主化を達成しながらも、経済. 制を「社会主義」とはみなさず、資本主義の独. 面ではむしろ状況の悪化を招くことになった。. 特の発展形態とする独自の立場からの議論であ. ペレストロイカからソ連崩壊の過程をゴルバチ. る。そのため、異端な学説とみなされることが. ョフの動向を中心に概観した。. 多い理論であるが、そこには鋭い分析がなされ. 次に、第2章では、第1章で検討した「ソ連. おり、「ソ連型社会主義計画経済」を理解するう. 型社会主義計画経済」の特徴と、それを生み出. えで重要であることを明らかにした。. してきた歴史的要因を踏まえてrソ連型社会主 義計画経済」とはどのようなものであったかに. 1V.研究の成果と今後の課題. ついて、社会主義理論に関する先行研究から考. 本研究の主要な成果は「ソ連型社会主義計画. 察をすすめた。. 経済」が、r社会主義」と呼ぶには不完全な面が. 第1節では、ソ連型集権的計画経済の不完全. あることを明らかにしたことである。第1に、. 性について、情報処理と利害調整機能の不備、. ソ連における、事前の計画化によって経済を統. 労働市場と消費市場の存在、第二経済とヤミ経. 制しようとする「社会主義計画経済」の試みは、. 済の存在を検討することで明らかにした。市場. 人為によって排除しようとしても排除しきれな. メカニズムを極力排除し、ヒエラルキー的な構. い市場的要素の強靱さを示すものであったとい. 造のもと、現物経済による計画化が意図され、. うことである。第2に、当時のソ連がおかれた. それは、あたかも実現されたかにみえた時代も. 状況や、資本主義的に遅れた発展段階を差し引. あった。だが、それは擬制でしかなかったと思. いたとしても、「社会主義」の実現がいかに困難. われる。市場的要素の強靱さについて言及しな. であるかということである。. がら、ソ連型集権的経済体制のもつ様々な構造. 本研究の成果をふまえ、以下の2点を今後の. 上の欠陥や問題点を明らかにした。. 課題としたい。本研究において充分にはたせな. 第2節では、社会主義経済計算論争からr社. かった、マルクスおよびレーニンの原典をさら. 会主義」および「ソ連型社会主義計画経済」に. に検討することで、「社会主義」および「ソ連型. ついて考察した。ソ連崩壊後の後付の理論では. 社会主義計画経済」について考察を深めたい。. なく、社会主義システムが現実において実現可. また、第2章2節でとりあっかった経済計算論. 能なシステムであるのかという間いは、すでに. 争は、未だ不十分であると思われるので、この. ロシア革命直後の1920年代から提起されてい. 問題についてもさらに検討したい。. た。この論争にかかわった多くの論者のうち、. 社会主義システムが存立不可能であると主張し. 主任指導教員 難波 安彦. たミーゼス、ハイエクらの理論と、反対に存立. 指導教員 難波安彦. が可能であるとしたランゲ、ドッブ、スウィー. 一305一.
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