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インド北東地域をめぐる日印関係 -- コネクティビティの過去・現在・未来 (特集1 開発途上国、地域の理解の深化に向かって -- 2017年度アジア経済研究所の研究プロジェクト)

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Academic year: 2021

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インド北東地域をめぐる日印関係 -- コネクティビ

ティの過去・現在・未来 (特集1 開発途上国、地域

の理解の深化に向かって -- 2017年度アジア経済研

究所の研究プロジェクト)

著者

村山 真弓

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

260

ページ

10-10

発行年

2017-05

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00048950

(2)

特集1

開発途上国、地域の理解の深化に向かって

―2017年度アジア経済研究所の研究プロジェクト― 現在、日本とインドの両国関係において、インド北 東地域への関心がにわかに高まっている。2014年に誕 生したナレンドラ・モディ政権は、同年9月の訪日時 に発表した安倍政権との共同宣言を皮切りに、北東地 域のコネクティビティ改善と開発に日印が積極的に関 与する方針を打ち出した。翌2015年12月の安倍首相訪 印時の共同声明「日印ヴィジョン2025:特別戦略的グ ローバル・パートナーシップ インド太平洋地域と世 界の平和と繁栄のための協働」では、「インド北東州 における道路網連結性改善」に対するODA借款供与 が表明された。 インドの北東地域(アッサム、メガラヤ、マニプル、 ナガランド、ミゾラム、アルナーチャル・プラデー シュ、トリプラ、シッキムの8州)は、社会、政治、 経済的に複雑な条件を抱えた地域である。その住民の 民族構成は、インド本土とは言語、文化的に大きく異 なる先住民族に加え、他の地域からの移民によって細 分化されている。また英領時代にインドの他の地域と は切り離された統治制度が導入された結果、独立後、 多数の武装集団による分離・独立の動きが生まれた。 対する中央政府の弾圧は、北東地域の人々の間そして 北東地域と他地域の人々の間の不信感を醸成させた。 さらにこの地域は、国境問題を抱える中国や、さらに バングラデシュ、ブータン、ネパール、ミャンマーと 国境を接し、安全保障上の重要性も有する。北東地域 の理解に当たっては、こうした地域内、対中央政府を 含むインドの他地域、対国外と三層において絡み合う 複雑な要素を考慮に入れる必要がある。 北東地域におけるインフラ開発、投資活動などは、 他地域と比べて大きく遅れをとってきた。そのため、 1990年代末以降、インドの北東地域、バングラデシュ、 ネパール、ブータン、ミャンマー、そして中国(雲南 省)など南アジアと東南アジアの接点で地域協力、経 済圏形成の動きが生まれた時、北東地域の政府および 経済界は大きな期待を寄せた。しかし掛け声とは裏腹 に、実質的な成果は微々たるものだった。また従来、 インドの中央政権は、北東地域における分離主義の動 きとその背後にある他国(中国、バングラデシュ、米 国等)の関与を懸念し、北東地域の開発において他国 の参加を拒否してきた。こうした背景に照らし合わせ ると、外国(日本)を入れて北東地域の開発を進めよ うというのは、大々的な方針転換である。その背景を 探るのが第1の設問である。北東地域への関与の変化 の理由を、インド内部での変化、近隣諸国との関係、 日本との関係という3つの側面から、歴史的視点も重 視して検討する。 研究課題の2番目は、北東地域の詳細な現状分析を ふまえた上で、コネクティビティの改善にどのような 課題が存在するのか、また現在進められているコネク ティビティの改善がどのような影響を、誰に、いかな る形でもたらすのか、同地域に関わる人々や機関が、 どのようなコネクティビティ改善を期待あるいは懸念 をもってみつめているのか等、可能性とともに課題と 今後の展望を検討することである。研究課題の遂行は、 (1)インドの研究機関との共同研究に基づく現地での フィールドワーク、(2)歴史的視点の重視、(3)可能 な限り未公刊の統計、地図等二次資料収集、の3つの 柱で行う。 (むらやま まゆみ/アジア経済研究所 地域研究セ ンター)

村 山 真 弓

インド北東地域をめぐる日印関係

―コネクティビティの過去・現在・未来―

インド・マニプル州モレとミャンマー ・ザガイン州タムーの間にかかる国境の橋 (撮影:石田正美)

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アジ研ワールド・トレンド No.260(2017. 6)

参照

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