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緑地が多い地域に暮らす高齢者はうつが10%少ない

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Academic year: 2021

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報道発表

Press Release No: 272-21-10

2021 年 4 月 16 日発行

国立大学法人 千葉大学

一般社団法人 日本老年学的評価研究機構

緑地が多い地域に暮らす高齢者はうつが10%少ない

千葉大学予防医学センターの西垣美穂特任研究員、花里真道准教授、古賀千絵特任研究員、近藤克則 教授からなる研究チームは、65歳以上の高齢者126,878名を対象に、うつ症状(以下うつ)の少なさと緑地の 多さの関係を分析しました。緑地は樹木、草地、田畑及び全てを合わせた総緑地がそれぞれ地域における面 積割合としました。 その結果 ●対象地全域において、総緑地が多い地域は、少ない地域に比べて高齢者のうつが約10%少ない ●都市において、樹木が多い地域は、少ない地域に比べて高齢者のうつが約6%少ない ●非都市において、草地が中程度の地域は、少ない地域に比べて高齢者のうつが約9%少ない ことが明らかになりました。 このことから、緑地が多い地域に暮らす高齢者は、うつが少ない可能性が示唆されました。また、都市と非 都市では、高齢者のうつの少なさに関わる緑地の種類に違いがあることも示されました。本成果を活用すること により、地域特性に応じた緑地を活かした健康まちづくりの推進が期待されます。

本成果はInternational Journal of Environmental Research and Public Health に2020年12月11日掲載されました。

お問合せ先: 千葉大学 予防医学センター 特任研究員 西垣美穂

[email protected]

*は統計学的に有意な関連があったことを示す

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報道発表

Press Release No: 272-21-10

2021 年 4 月 16 日発行

国立大学法人 千葉大学

一般社団法人 日本老年学的評価研究機構

■背景 高齢者のうつは要介護リスクのひとつであり、公衆衛生上の課題とされています。近年、心理的ストレスや うつに対して緑地が及ぼす良い影響が世界各国から報告されています。しかし、どのような種類の緑地の多さが高 齢者のうつの少なさと関連するのかは、ほとんど明らかにされていません。また、緑地研究の多くは都市で行われて おり、非都市での研究は限られています。都市と非都市の違いは、緑地に対する人々の印象や緑地での行動の違 いに作用し、緑地の種類と高齢者の健康の関連に異なる影響を与える可能性があります。そこで本研究では、「地 域の緑地の種類と高齢者のうつの関連」を明らかにすることを目的として、対象地全域だけでなく、都市と非都市で 分けた分析を行いました。 ■対象と方法 2016 年に実施した JAGES 調査に参加した全国 41 市町に在住する要介護認定を受けていない 65 歳以上の高齢者 126,878 人(男性 61,493 人、女性 65,385 人)を対象としました。うつは老年期うつ評価尺 度 5 点以上としました。緑地は 881 校区ごとの校区面積における緑地面積の割合としました。緑地データは宇宙 航空研究開発機構の観測衛星が取得した衛星写真から作成された、高解像度土地利用土地被覆図を用いまし た。緑地の種類は「樹木」「草地」「田畑」およびそれらすべてを足し合わせた「総緑地」としました。OECD の定義す る Functional Urban Area の人口 150 万人以上の地域を都市、それ以外を非都市としました。そして「都市」と 「非都市」およびそれらを総計した「対象地全域」の対象者を地域の各緑地面積割合の多さで<少>、<中>、<多> に分けました。地域の緑地が<少>の者がうつと判定される場合を 1 とした場合に<中>、<多>の者がうつと判定さ れる確率を評価しました(図 1)。個人の性別、年齢、教育歴、等価所得、家族構成、就業状況、外出頻度、車の 運転の有無、最長職、居住年数及び、地域の居住地人口密度、年間日照時間、最深積雪量、平均降水量の影 響を調整して統計学的な評価を行いました。 ■結果 うつは全体の 20.4%(25,846 人)でした。対象地全域では、総緑地が多い地域は少ない地域に比べて、 高齢者のうつが約 10%(※)少ないことが明らかになりました。都市では、樹木が多い地域は少ない地域に比べて、 高齢者のうつが約 6%(※)少ない結果でした。一方、草地や田畑とうつに統計的な関連は見られませんでした。非 都市では、草地が中量の地域は少ない地域に比べて、高齢者のうつが約 9%(※)少ない結果でした。一方、樹木 や田畑とうつに統計的な関連は見られませんでした。 (※)今回のような結果が、偶然観察される確率を計算したところ 5%未満でした。 ■結論・本研究の意義 緑地が多い地域に暮らす高齢者は、うつが少ないことが示唆されました。さらに、都市で は樹木が多い地域、非都市では中量の草地がある地域の高齢者はうつが少なかったことから、都市と非都市では 高齢者のこころの健康によい緑地の種類が異なる可能性が見えました。 本研究結果は世界保健機構(WHO)が提唱する、Age-Friendly City(高齢者に優しい都市)に資する知見が得ら れたと言えます。そして、本研究による知見を活用した地域特性に応じた緑地を活かしたまちづくりをすることで、高 齢者に対する健康まちづくりに繋がることが期待されます。

■発表論文 Nishigaki, M., Hanazato, M., Koga, C., & Kondo, K. (2020). What Types of Greenspaces Are Associated with Depression in Urban and Rural Older Adults?: A Multilevel Cross-Sectional Study from JAGES. International Journal of Environmental Research and Public Health, 17(24), 9276.

doi:https://doi.org/10.3390/ijerph17249276

■謝辞 本研究は厚生労働省、文部科学省、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、公益財団法人長寿科

図 1:地域別の緑地の多さと高齢者がうつと判定される確率

参照

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