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要求獲得過程の観測と評価に関するツールの開発

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 78 回全国大会. 5A-01. 要求獲得過程の観測と評価に関するツールの開発 岡野. 道太郎† 中谷. 筑波大学大学院ビジネス科学研究科†. 多哉子‡. 放送大学. 情報コース‡. 1 はじめに. 2 関連研究. 1.1 研究の目的 ソフトウェア開発の要求獲得過程において, 要求はプロジェクトの早期に完全に獲得される と言われている.しかし,実際の開発では,要 求はプロジェクトの後期まで獲得が継続される こともある.そして,アジャイル開発では,要 求の変更があることを前提に開発の管理を行っ ている. したがって,要求獲得における問題は,要求 が変更されたり削除されたりすることではなく, 要求が発生する時期を制御できないことである. 我々の研究は,要求抽出の実態を観察可能に し,プロジェクトで行われている要求抽出プロ セスを可視化できる手段を提供することにより, 要求抽出の計画と管理および制御を可能にする ことを目的としている. 本稿では,目的のうちの「プロジェクトで行 われている要求抽出プロセスを可視化できる手 段を提供すること」を実現するために開発した ツールについて述べる.. 要求抽出プロセスを計画,観測,制御するため, 中谷らは PRINCE モデルを提唱している[1]. PRINCE モデルでは,プロジェクトは,いつ頃要 求が抽出され終わるかによって、早期成熟型, 中期成熟型,後期成熟型,突発型の4種類の成 熟度の型に分けられる. また,要求は,戦略要求と支援要求という外界 の環境変化の影響を受けるか否かという軸と, 機能要件と非機能要件というシステムの構成要 素に着目した軸に分けられる.これらを要求種 別という. さらに機能要件は,利用者インターフェースに 関する要求(typeUI),外部との接続インターフェ ースに関する要求(typeXi),エンティティに関 する要求(typeEn),シナリオの制御に関する要 求(typeCtl),旧システムの再現要求(typeRp), 既定義の要求の多様性に関する定義(typeVr), 設計の再利用の要求(typeRu),その他の機能要 求 (typeFEtc) に , 非 機 能 要 求 は , 機 能 性 要 求 (typeF),セキュリティ要求(typeS),信頼性要 求 (typeR) , 使 用 性 要 求 (typeU) , 効 率 性 要 求 (typeE),移植性要求(typeP),制約(typeC),そ の他の非機能要求(typeNEtc)の各副機能要件に 分けられる.. 1.2 アプローチ 要求抽出プロセスを可視化するために,我々 は要求獲得過程における,要求獲得件数と要求 獲得時期をグラフ化する. しかしグラフ化しただけでは要求抽出の計画 や制御はできない.要求抽出の制御を可能にす るには,要求抽出件数の予測を行い,予測件数 に問題があれば対応が事前に取れるようにする ことである. 要求抽出の予測を行うため,我々は要求獲得 件数が成長曲線と類似するかどうかを判断可能 にした.もし成長曲線と類似すれば,成長曲線 をもとに要求抽出件数が予測できる. Development of tools for the observation and evaluation of requirements elicitation †University of Tsukuba ‡The Open University of Japan. 3 開発したツールについて ツールはオープンソースのプロジェクト管理 ソフトウェア Redmine[2]のプラグインとして実 装された.処理はサーバーで行い,表示や入出 力はブラウザで行う. Redmine は、あるバグの修正等,一つ一つの実 施すべき作業をプロジェクト中のチケットとし て登録・管理する.そこで本ツールでは要求1 件を1チケットとして登録している.またチケ ットは,カスタムフィールドとして利用者が入 力項目を追加できる.本ツールでは,副要求種 別をカスタムフィールドとして定義し,要求登 録時に副要求項目を入力できるようにしている. 成熟度の型を判別できるようにするため,プ. 1-239. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 78 回全国大会. ラグインでは,横軸にプロジェクトの経過日, 縦軸に要求累積件数として,入力された要求の 累積件数をグラフ化している.グラフは副要求 種別毎に表示することも可能である. また,要求抽出の予測が可能かどうかを判断 するため,入力された要求の累積件数が,成長 曲線に一致するかも表示している.具体的には, 入力された要求の件数を,ソフトウェア信頼度 成長曲線の指数型,遅延S字形,習熟S字型に 非線形最小二乗法を用いて当てはめ,その当て はまりの良さを比較するために AIC を求めてい る.非線形最小二乗法及び AIC を求めるのに統 計ソフト R[3]を用い,本ツールと R を連携する ために,Rserve を利用している. 本システムの全体像を図 1 に示す.. 4 開発ツールの適用と結果 4.1 開発ツールの適用 阪南大学の協力により提供を受けた学内教育 支援システム HInT (Hannan Internet Community Tool) および p-HInT (Portable HInT) の開発に 関する議事録から要求を抽出し,本ツールにチ ケットとして登録した.その登録内容をもとに 要求累積件数をグラフ表示しソフトウェア信頼 度曲線の当てはめを行った.一例を図 2 に示す.. で行われている要求抽出プロセスを可視化でき る手段を提供すること」という目的は達成した. そして非線形最小二乗法の当てはめと AIC によ り成長曲線との類似性を判断できるようになっ た.その結果,要求累積件数は成長曲線に,必 ずしも当てはまるものではないことが分かった. 今後は,「要求抽出の計画と管理および制御 を可能にする」ために,どのような予測を行え ばよいかについて研究する必要がある.. 参考文献 [1] 産学戦略的研究フォーラム統合型要求プロ セ ス 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト :PRINCE モ デ ル (The PRINCE Model)-統合型要求プロセスへのアプロ ーチ-」, http://www2.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/staff /nakatani/SSR09/2009ssr_RE.pdf [2] Jean-Philippe Lang:Redmine, http://www.redmine.org/ [3] R Project :The R Project for Statistical Computing,https://www.rproject.org/. 4.2 適用結果 図 2 に示す通り,グラフ表示が可能となって いる.成長曲線に関しては,収束するものとし ないものがあり,習熟S字型はすべての副要求 種別で収束しなかった.指数型・遅延S字型の 両方で収束するもの,遅延型のみで収束するも の,全く収束しないものがあった.. 6 評価と今後の課題 要求を登録し,累積件数をグラフによって可 視化できている.これにより,「プロジェクト. 図 1:本ツールの全体図. 図 2:本ツールの適用事例. 1-240. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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図 1:本ツールの全体図  図 2:本ツールの適用事例

参照

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