Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
教育と研究そして臨床 : その継承と発展
Author(s)
末石, 研二
Journal
歯科学報, 112(2): 151-151
URL
http://hdl.handle.net/10130/2719
Right
教育と研究を主とする講座と臨床を行う診療科が臨床講座の根幹である。本学創設期の高山歯科医学院講義 録(1890−1892)にはすでに,『歯牙の不正』の項がある。1914年には,榎本美彦先生が教授として赴任し, 補綴科の一部に矯正歯科を開設した。歯科医師教育機関付属医院内に矯正歯科が設けられた最初の出来事であ ると言う。その後,齋藤 久教授に至り独立した矯正部,矯正学教室となったのは1934年のことであった。山 本義茂教授により東京歯科大学に卒後研修過程が設置されたのは1975年であり,以後エッジワイズ法を基盤と した3年間の矯正専門教育を行い,現在に至るまで約300名の修了生を輩出している。 臨床では,三次元画像技術の診断治療への応用やインプラントアンカーの応用,骨延長術の顎顔面外科への 導入など,多くの進展がある。研究も同様に発展した。基礎的研究では,形態と機能の関連として,顎変形の 誘因として,側方外力が下顎骨形態に及ぼす影響をラットを用い調査した。さらに偏咀嚼モデルや片側挙上モ デルを用い,咬合の機能的負荷の変化が顎発育に及ぼす影響を調査中であり,今後,顎顔面形態と環境因子の 関連を研究するものである。顎整形力および矯正力荷重時の顎骨および歯の応力分布と変位様相に関しては三 次元有限要素法による一連の解析を行ってきた。TAD を用いた6前歯の移動および全歯列の一塊移動につい ての検討を行い,牽引方法と歯の移動動態との関連を明らかにした。これらは矯正力の臨床応用に対する理論 的基盤として有用な解析であると考えている。臨床研究では,唇顎口蓋裂患者への歯槽骨骨延長の有用性を示 している。また,正常咬合の口腔保健上の意義と顎口腔の加齢現象の解明を目指し,8020達成者の歯科矯正学 的調査を行っている。さらに口腔模型の三次元解析により,20歳代からの咬合の加齢変化を明らかにする縦断 的研究を行っている。今後,不正咬合,矯正治療について同様に展開できればと考えている。 以上,教室の歴史と専門教育の経緯および臨床と研究の一端について報告した。我々にとって,先人からの 成果を継承し,発展させ,未来を構築することが責務であるといえる。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 1979年 東京歯科大学卒業 1982年 東京歯科大学歯科矯正学講座助手 1998年 学位取得(歯学博士,東京歯科大学) 2002年 東京歯科大学歯科矯正学講座講師 2005年 東京歯科大学歯科矯正学講座助教授 2005年 東京歯科大学口腔健康臨床科学講座助教授 2007年 東京歯科大学歯科矯正学講座主任教授