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合理的な人々 : 未来の世代に残したい資産

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Academic year: 2021

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合理的な人々 : 未来の世代に残したい資産

著者

カオ ティ キャン グェット

雑誌名

エコノフォーラム

26

ページ

73-73

発行年

2020-03

URL

http://hdl.handle.net/10236/00028471

(2)

Econo Forum/ No.26 73 シリーズチャペル<人間を考える>   経済学では、人々の行動について 分 析 す る と き に、 重 要 な 仮 定 を す る。それは、合理的な人々という仮 定である。合理的な人々とは、目標 を達成するのに、与えられた条件の 下で、手立てを整えてベストを尽く すということである。 ここで、 まず、 合理的な人々に与えられる条件にあ る﹁希少性﹂と目標を達成するとき に直面する﹁機会費用﹂について、 一緒に考えたい。   ﹁ 希 少 性 ﹂ と は、 何 か が 足 り な い 状況を表す言葉である。希少性を緩 和 す る の に、 使 い た い 量 を 減 ら す か、使える量を増やすかという 2 つ の方法がある。使いたい量を減らす のは人間の意欲を制限することで、 使える量を増やすのが優先されるべ き で あ る。 ま た、 ﹁ 機 会 費 用 ﹂ と い うのは、一つのことを選択するのと 同時に、他の選択を辞めざるを得な いことを意味する。だから、ある選 択をする時に、すべての選択の費用 ︵ 何 を 犠 牲 し な け れ ば な ら な い の か︶と利益︵何が得られるか︶を検 討する必要がある。   次に、日本のことについて一緒に 考えたい。日本は戦後めざましい成 長によって経済的大国となったが、 90年代以降その成長率が減速してい る。直近の 5 年間の平均成長率をみ ても、 1 %前後の低い伸び率にとど まっている。さらに、生産に用いら れている労働という生産要素も不足 となり、日本の経済成長に懸念感が 高まっている。深刻な労働力不足を 解決するのに、日本政府はロボット の普及、外国人労働者の受け入れ、 女性と高齢者の労働供給の増加等、 様々な政策を実施している。これら の政策によって一定の成果を遂げれ ば、日本の経済は再びめざましく成 長できるであろう。   さて、経済成長の目標を達成した ときの日本の社会のイメージを考え てみよう。まず、ロボットの普及に より、日常生活には、ロボットとの 付き合いが増えていく。関学のチャ ペルの時間にも、ロボットがお話を してくれる可能性も十分にある。ま た、高齢者と女性の労働供給の増加 により、高齢者の休暇や、女性の子 供 と の 遊 ぶ 喜 び も 少 な く な る だ ろ う。加えて、外国人労働者の受け入 れ拡大により、整っていない受入環 境で働く外国から来た労働者も期待 通りの日本らしい生活水準を堪能で きるわけではない。そのような生活 を 日 本 に い る 人 々 が 実 現 し た い と 思っているのか、また、次の時代に このような資産を残したいのか考え る必要がある。   上記で紹介した﹁希少性﹂を日本 における人手不足にあてはめると、 ロボットの普及、外国人労働者の拡 大などを通じて使える量を増やすこ と が で き る の で、 妥 当 な 選 択 で あ る。 し か し、 ﹁ 機 会 費 用 ﹂ を あ て は めると、ロボット、外国人と共働す る こ と と な り、 ﹁ 純 日 本 人 社 会 ﹂ を やめなければならない。そして、経 済成長の目標を達成する道を選ぶの であれば、みんなが期待した生活を ある程度犠牲しなければならない。 つ ま り、 ﹁ 希 少 性 ﹂ を 解 決 す る と き に、みんなの﹁機会費用﹂も無視し てはならない。   いまこそ、人口減少が進んでいる 状況に置かれられている経済実態を 改めて覚悟する必要がある。その中 にいかに豊かな生活を送れるか、こ れから日本社会、そして世界を支え る関学の学生に答えを見つけていた だけることを期待してやまない。 ■

カオ

ティ

キャン

グェット

専任講師︵開発金融論・応用計量経済学︶

理的な人々

来の世代に残したい資産∼

2019年

11

月21日

木曜日

参照

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