The/aPanese /ournal
Of
Psy‘honomic Science 1982,
VoL 工,
No.
1,
22−
31ラ
ット
の
中脳 中
心
灰 白質
刺
激
に
よ る
回避 条 件
づ
け
入沢
直
樹
2)・
岩
崎
庸
男
’) 筑 波 大 学Avoidance
Conditioning
Motivated
by
Midbrain
Central
Gray
Stimulation
in
the
Rat
Naoki
IRIsAwA
andTsuneo
IwAsAKI
ひhaiveアs勿 〔ゾ Tswkuba
The
purpose of the present study was todetermine
whetller avoidance conditioningcould
be
established by the electrical stimulation of 皿idbrain
central gray (CGM
)as anunconditioned stimulus
,
Rats were subjected to thefollQwing
avoidance paradig皿 s:discri
・
1nillated active avoidance
in
aT
maze,
step−dowll
and step−
through passive avoidance , compartment avoidance,
and one−
way active avoidance in a shutt 量e box.
The animals werealso tested for intracranial self
・
sti皿 ulation.
Whereas all 6 rats for thediscriminated
av id・
ance easily acquired the position discriminatienlearning,
none of them attained a avoidance criterion even though thcy were trained as 皿 uch as 80 trials.
Since self・
stimulation rates were generally very low,
failure
in the avoidance learning was not explained l〕y the dualeffect (reward and avcrsion )theory proposed
by
RQberts.
The
passive avQidance and com・
partment avoidance Iearnings were observed in ll ollt of 13 and
40ut
of 5 animals,
respec−
tive正y
.
All
17
rats for the onc−
way avoidance succeeded in attaining a learning criterion.
Thus
,
the avoidancelearning
was established in some degrcc with the CGM sti皿 ulation,
1〕ut it was probablyfair
to cGnclude that rats could show poorer avoidance acquisition underthe
CGM
stimulation thanthc
conventiona !foot
shock,
evenif
they exhibited vigorous escape responsesby
theCGM
stimulation,
Key words : avoidance conditioning
,
electrical stimulation,
皿 idbrain central gray,
rats,
self・
stimulation
,
内 側視床下部や中 脳 中 心 灰 臼質を電 気 刺 激 する と, ネ コ で は ヒ ッ シ ング,
耳 伏せ,
散 瞳,
立 毛, 背を 丸 め る と い っ た情 動 性 防御反応があらわ れる こ とは よ く知 られて い る (Hunsperger,
1956;中 尾,
1977).
これ らの脳 部 位に与 え られた電気刺 激は,
動 物 が 自 ら道 具 的 反 応 (条 件 逃 避 反応)に よっ て こ の 刺 激を切る」とか ら,
単に運 動 反 応 を 誘 発 するので は なく, む し ろ嫌 悪 性 動 因 をひ き おこすと考 え られてい る (Nakao
,1958
;中 尾,
1977)、
脳 内 刺激 が 四肢に与え た電 気シ ョ・
7 クと同 様な嫌 悪 性1
) 本研 究の実 験 2−1
の遂 行にあた り唐 沢宏氏の協力を 得た,
ま た本 論 文の作 成にあた り防 衛 医 科 大 学 丸 栄一
氏か ら有益 な助 言を得た.
両 氏に厚 く感 謝し ます.
2
) 現在Department
ofAnato
皿y,
College
ofMedi−
cine
,
University ofIIIinois
.
動因 を ひきおこすとすれば, 脳内刺 激を無 条 件 刺 激とす る 回避 条 件づけ が 可 能であると考えられる
,
こ の点につ い て検討した研究はい くつか ある が, そのほとんどはネ コ を 被 験 体と してい る.
内側 視 床 下 部 刺 激 を 無 条 件 刺 激 とし た 初 期の 研 究で は, ネ コ は餌に対 する受 動 的 回 避反 応 や 脳 内 刺 激 を 受 け た部屋に対する能動的お よ び受動的回避反応 (いわゆる compartment avoidance )の学 習を示 すことが 認め られ て い る (Nakao ,1958
).
し か し能動 的圓避 学 習 課 題 とし て通 常よく用い られてい る一
方向能 動的回避 学 習やT
型 迷路での回避 学 習は, 視 床 下 部 刺 激 を 無 条 件 刺 激 とした場 合に は成 立しない (Roberts
,1958a,
b
).
ま た shuttlebox
で の 二方 向 能 動 的 回 避 学 習や ス イ ヅ チ 切り行 動にMatsuda
,
1970
;松 田,
1969).
Roberts (19.
58a,
b)は こ の理由と して, 視 床 下 部 刺 激 が 報 酬 性 と嫌 悪 性の2
つ の 効 果を併せもつ ため であるとする二重 効 果 説を提 唱して い る.
この仮説に よれば,
内側 視 床 下 部刺激の開始直後 は報酬1
生効 果が高 く,
刺 激 が 持 続 する と次 第に嫌 悪 性 効 果が現われて くる た め,
動 物は条 件 刺 激が提示 さ れて も 回避 反 応を起さず, 無条件 刺激 (内側 視 床 下 部 刺 激 ) を 受 け その嫌 悪 性 効 果が顕著に なっ た時に, すみ や かに逃 避 反 応を起 す もの と考え ら れる.
し か しその後の研 究に よ り,
こ の仮 説は 必ずし も充分な支持を 受 けて い るわけ で は な い (丸,1975
;Wada
& Matsuda ,1970
),
一
方,
中脳中心灰白質 刺 激 を 無 条 件 刺 激と し た場 合に は, 餌ae対 する受 動 的 回 避 反 応や comPartment avoid−
ance,
ある い は スイ ヅチ切 りに よ る同 避 反 応の学 習 が 認 め られる (松田,
1970,
1971).
さ らに shuttlebox
での 二 方 向能 動 的 回 避 反 応の学 習 が成 立 すること もネコ で報告されて い る (Wada
,
Matsuda,
Jung
& Hamn1,
1970).
上述の よ うに脳内刺 激を無 条件刺 激と して回 避 条 性づ け を 試み た研 究の多 くは
,
被 験 体と し て ネコ を 用い てお り,ラ ッ トを 被 験 体 とし た研 究はほ とんどみあた ら ない.
ラ ッ トを 用い た研 究と し て は,
視 床下 部 刺 激に よ るT 型 迷 路で の回 避 条 件づけを試み た研 究 (BQwer
&Miller,
1958
)と中脳刺激に よる shuttlebox
で の 二方向能動 的 回避 学習 を み た 研 究 (Stein,1965
)が あるが,
前 者で は 回避 反 応は ほ と ん ど認め られず, ま た後老でも数 百 試 行 の訓 練に もか かわ らず 回避 反 応 率は非常に低い とい う結 果が報 告さ れてい る.
後者の 報告は上述の ネコ の結 果と の差異を 示 し て お り, ラヅ ト と ネコ の種 差 を示唆して い る.
四肢へ の電 気シ ョ ッ ク に よ る通 常の回 避 条 件づけで は,
ネコ よ り はむし ろ ラ ヅ トが多く用い ら れて い る現 状 を 考 えると,
回 避 条 件づけの中 枢メカニ
ズムを 知る上で も,
ラヅ トを被 験 体と した研 究 がさらに必 要である と思 われる、
そこ で本研 究で は,
ラ ッ トを用い て中 脳 中 心 灰 白質 刺 激を無 条 件 刺 激 とし た回 避 条 件づけを複 数の課 題 で検 討 する.
全 般 的 方 法 被験体 実験経験のないナ イー
ヴ なWistar・
Inlamichi
系の雄ラッ ト で,
実 験 開 始 時の体 重 は 300〜
500g で あ っ た.
手 術 脳 内 刺 激 用の電 極 として直 径 O.
2mm の先 端 断 面 以外がカ シュー
塗 料で絶 縁されたス テ ン レ ス電 極を用い た.
剌 激 用 電 極は中脳 中 心 灰 白質 (CGM )に慢 性 的に植 え込ま れ た.
ま た直 径1.
4mm
の ス テソ レ ス 製 ネジを 鼻 骨に 固定し, 不関電極と し た.
手術はペ ン トノミル ビ ター
ル (sodium pentobarbital , 25mg !kg,
ip)麻酔下 で,Pellegrino
andCushrnan
(1967
)の脳 地図を参 考にして 行なっ た.
行 動 実 験は手 術 後 少な く と も 1週 間の回復 期 間 を 経た後に開始された,
脳 内刺激CGM
刺 激に用い られた電 流は,
50Hz の商 用 交 流を235V
に昇圧 し, そ れ を 20K Ω の可変抵抗器 で分圧の後2・
2M
Ωの直 列 抵 抗 を 通し た電 流である,
刺 激はすべ て単極法で行なっ た.
組 織 学 的 検 索 行 動実験終了後, 生理的 食塩水 と10
%ホ ル y リソ液で灌 流し,
脳を1
週 間 以 上ホル マ リン 液で固 定し た後,50
μm の氷 結 切 片を 作り, cresyl violet で 染 色して刺 激部位を同定し た.
実験1
左右弁別能 動的回避学 習Roberts
(1958a
)および Bower and Miller (1958)}t
そ れぞれネ コ お よ びラ ッ トを 用い て
,
視 床 下 部 刺 激に ょ るT 型 迷 路で の弁 別回避 学 習を試み たが, いずれ も逃避 学 習は成 立 するもの の, 回避 学習は認め られず, こ の理 由 とし て脳 内 刺 激 が報酬と罰の 二 重効果 を もつ た め であ る と してい る.CGM
刺 激に よ るT型 迷 路での弁別回避 学 習につ い て検討し た報 告はない.
そこ で この実 験で はCGM
刺激を無条件刺激 とし たT 型 迷 路で の 弁別回避 反 応が学 習 さ れるか否かを 検 討 する.
さ らに 回避学習が成 立しない場 合に Roberts (1958b)の二重 効 果 説で どの程 度 説明 し う るか につ い て検 討 す る た め に, 自己刺 激行動 につ い て も観 察し た.
なお CGM 刺 激は痛 覚を ひきおこ す 可 能 性 も考 え られる の で,
対 照と して三 叉神 経 根に電 極 を 入 れ た ラ ッ トにつ い て も 検討し た.
方 法 被験体7
匹の ラ ヅ トを 用い , う ち6
匹 (T)は CGM に, 残 りの1
匹(V
)は 三 叉神経根にそ れぞれ 電 極が植 え 込まれた.
装 置 行 動 観 察の た め の 前 面が透 明ア ク リル 製 観 察 箱 (60×60x60cm
>と弁別 回避 学習 用の T 型迷 路お よび自 己刺激 行 動 を 測定するため の オペ ラン ト箱 (20×20×28 cm )を 用い た、
T 型 迷 路は長さ 21c皿 の 出 発 箱を含 む 基 部 (長 さ 54cm )と長 さ 44cm の 目標 箱 を 含 む 左 右の 腕 部 (長さ68Cln
)と か ら なっ て お り, 幅17cm
, 高さ 60cm で壁と床はすべて灰 色に塗 られて い る.
手続 (1
)行動 観 察お よ び閾値測 定.
ラ ッ トを30〜
40分 間 観 察箱内に放 置し た後,
t # lll(resting )状態にある時に CGM に電 気 刺 激 を 流し,
ラ ヅ トが 2秒 以 内に 移 動 運 動 〔逃 走 反 応 )を 示 す 電 流 値を求め た.
電気刺 激は5
μA
か ら開 始し, 上昇系 列 と下 降系 列の平均値を求め, これ を24 基 礎 心 理 学 研 究 第 1巻 第 1号 移 動 運 動の閾値と し た
,
刺激 中の行 動は ビデオ レ コー
ダ に記録し, 観察を繰 り返し た.
弁 別 回 避 学 習.
ラ ッ F をT型 迷 路の 出発箱に入 れ,
5秒 後に出 発 箱の ドアを開 くと同時に条件刺激 (CS )として出 発 箱 上にある ブザー
音 (70dB
)と光 刺 激を呈 示し た.
光 刺 激は 選 択 点上20
cm lc位 置 する40W
の電 球の点 灯に よっ た.
CS
と し て音と光の二重刺激を用いたのは, CS を よ り明 瞭に し て条 件 反 応の習得を よ り容 易に し よ う と し た ため で あ る.CS
呈 示後10
秒以 内にあら か じめ ラ ヅ トごとに定め て お いた左 右ど ち ら かの 目標箱に 入 ら ない 場 合は,
(1)で 求めた閾値の半分の強さの脳内刺 激をラ ヅ トが 正しい 目 標 箱に入るまで与え た(矯正法).
閾値の半分の電 流 値を 用い た理 由は,
刺 激 時 間が長 くなる と閾値強度の脳内刺激で は
ju
皿 pin9 や turnin9 な どの stimulus・
bound
な行動が出 現 する ため である
,
ラ ッ トが 正しい 目標 箱に入 る とCS
と 脳内刺激 (US
)は切られ, ラヅ トは その ま ま 目標 箱内に 3 分間放 置さ れ た後,
次の試 行を行なっ た.
1
日40試 行で 2日間 訓練し,
3 日目に はまず10試 行 訓 練し た後で弁別逆転学習に移っ た.
逆 転 学 習の手 続は,
正 しい 目標 箱の位 置 が変わる以外すべて原学習の手続と 同じで ある.
逆 転学 習 も1日40試 行で 2 日間 行なっ た.
自己刺激行動 弁別回避 学 習 が 終 了し た 翌 日 か ら3
日 間,
1日60分 間ずつ行なっ た,
脳 内刺激 は弁別 圃 避学習 時の US と同じ強 度の刺 激で,
ラ ッ トが レ パー
を押し て か ら離 すまで の間 与 え 続 け た,
これは,
ラッ ト に最 適 な 刺 激量 を選 択させ るこ と に よっ て自己刺激 率を高め る た め である.
結 果 刺激電 極の位置CGM
を刺激したラ ッ ト の電 極の位置 は Fig,
1 の T1〜
T6 であっ た,
行 動 観 察 お よび閾値 閾値 以上のCGM
刺激を与え る と, T1〜
T6 のすべ て の ラッ トは刺 激と同 時に眼を強 く 閉 じ,
頭 部 を 傾 け, あごを引いた状態で後方に引かれる よ うな動作を 示 し た.
さ らに1 〜2
秒後には turning,
running ある い はlumping
が誘 発された.
こ の時,
鋭 い鳴 声 を発 す るラッ トも あっ た.
刺 激 強 度 を上 げる と,
jumping
を主体とした暴発的な行 動が出現し た.
し か し刺 激を切る と同 時に,
い ず れ も持 続 的なfreezing
を 示し た.
CGM に電 極が入っ てい た6
匹の ラ ッ トの 閾値 は平 均 19.
1μA
(12〜
27μA
)であっ た.
三 叉神 経 根に電 極が入っ て い た ラ ッ トで は, 刺 激を開 始し た 5μA の電 気 刺 激に よっ て キー
キー
とい っ た鳴 き 声を 上 げるの が 観 察 された.
こ の 時 全 身 的 な 動 きはな く,
freezing 状 態であっ た.
刺 激 強 度 を上げる と移 動一5.
8
Fig.
1.
Schematic
reconstruction of theIoca.
tion of stimulating electrode tips(solid cir
・
cles>on figures from the atlas of Pellegrino
and
Cushman
(1967).
Abbreviations
:T =
ani皿als fordiscriminated
active avoidallce in
T
maze (Experiment1
)and step
−down
passive avoidance (Experiment2
−
1).
SD=
thosefor
step−down
passive avoid・
ance (Experiment 2−
1).
ST=
thosefor
step−
through passive avoidance (Experiment 2
−
2).
C
= those for compartment avoidance (Experi−
ment3
).
S
and L=
those for one.
way active avoidance with short (10s)and long (30s)CS
−
USintervals
,
respectively (Experiment
4
).
運動 (逃走 反 応 ) が 現われたが
,
CGM 刺 激でみ ら れ た よ う な turning やjumping
とい っ た 行 動 は観 察さ れ な かっ た,
こ の三叉 神 経 刺 激ラ ッ ト の閾 値は12
μA
であ っ た.
弁別回避 学 習 CGM 刺激を US とし た本 実 験で は, ラ ヅ トは左 右弁別 逃 避 学 習は可能であっ たが,
その回避学 習は全 く成 立しなか っ た,
Table 1に示 さ れてい るよ うに,
T 型 迷 路における左 右弁別 逃 避学習は学 習基準を10
試行連続正選択と し た場 合に,
こ の基 準に達 する まで の試 行 数の中 央 値が 8.
5試 行であっ た.
ま た逆転学習の学 習基準に達する まで の試 行数の中央値は1
試 行であっ た.
CS
呈 示か らラ ッ トが 正しい 目標 箱に入る まで の時間Table 1
.
Performance data of rats with central gray (T and SD )or trigeminal nerve (V) electrodes for the right vs.
1eft discriminated avoidancetescape learning,
self・
stimulationand step
−down
passive avoidancelearning.
Rat
エ 皿 皿 孵 餌 窃 罵sD
鋤V
Tria
!s to criterlon m Thresholddlscrlmlnatlon
learnlng(μA 「ms )
」
。,、,、。。1
漏
畢
6
兪
l I271820201217161317
.
9
† 1212345
ρ
0 11ρ
9 3121113
iMean
response ti皿 e (s) 1n Crltenon trlalSOriginal19
.
116
.
118
.
212
.
418.
624.
G ReversaI12.
62
.
228
.
414
,
318.
549.
7Self−
st1皿 ulatlon rates per 60mm4012726
44
… 71
−
i
l
ヨ 16.
5††i
_
1
…Tr
ユals to criterion ln step−down
avoidance 8.
5
†† 01.
0†† 118.
1
† 4.
6 24.
O† 3.
1 1140 十24914
40
十214
.
0††一
indicates that the rat was not tested under that condition,
†and †† indicate皿 ean and 皿 edian
,
respectively.
T= ani皿als tested for
discriminated
active avoidance in T maze (Experiment1
)and step−down
pas−
sive avoidance (Experiment
2−・
1
)exceptfor
T6
which was not testedfor
the passive avoidance.
SD
二
those testedfor
step−
down passive avoidance (Experiment 2−
1).
V=
animal of which electrode was placed in the trigeminal nerve.
を反応時間と し て
,Table
1
に各 被 験 体の学 習 基 準 達 成 直 前の10試 行の平 均 反応時 間を ま と め た,
原学 習 時の 反 応 時 間は平 均18.
1
秒, 逆転学澀時で は平均 24.
0秒で後 者 の方が遅い傾向はある もの の, 統 計 的に は有意では な か っ た,
ま た 三 叉神経刺 激ラッ トの 反応 時間 は原 学 習で4,
6
秒,
逆 転 学 習で3.
1
秒で あっ た.
反 応 時 間の結 果か らもわか る ように,CGM
刺激ラヅ ト で は CS 呈示 中に 目標箱に入る回 避 反 応 は 全 く観察さ れなか っ た.
CS
呈 示中に出発箱か ら出た試行数は, ラ ッ ト T1 と T3 で全80
試行中そ れぞれ12
,11
試 行であ り, 他の ラ ッ ト で は 0試 行で あっ た.一
方, 三 叉 神 経刺 激ラ ッ トは10
試行連続回避反 応とい う基 準に 1試 行で達 し た.
自己刺 激 行動3
日間 自己刺 激 行 動の 観 察 を 行 なっ た が,2
日目と3
日目の反 応 率の平 均 を Table l lc示し た.
1 時間あた りの自己刺 激 率は4〜
127 (Mdn = 16.
5) で あ り,
最 高の 自己 刺 激率を 示し たラ ッ ト T5 で も1
分 あた りにする と2
回程 度にす ぎ なかっ た.
考 察 っ た.
こ の実 験で は自己 刺 激 時 間を ラッ トが 自ら調節で き る よ うに し たので, 刺激時間の違いに よっ て 自己刺激 行 動が新たに生 ずる とい う可能性は除かれてい る.
した がっ て,
ネコ の後部 視 床 下 部で は 2/3の刺 激 部位で 自 己 刺 激が認め られた とい うこと を根 拠に し て いる二 重 効 果 説 (Roberts,1958b
)は,
ラ ッ ト の OGMI
こはあて は ま ら ない と考 え られる.
し か し弁別 逃 避 学 習と そ の 逆 転 学 習は 容 易に習得さ れ た とい う結 果は,
脳 内 刺 激 に よ る逃 避 反 応 が 単な る stimulus−bound
な反 応で はな く,CGM
刺 激 が嫌悪 性 動 因をひ きお こして い る こ とを示し て い るとい え よう,
実験 2 受動 的回 避学習 実 験1
でOGM
刺 激 を US とする 能 動 的 回 避 学 習は ほ とん ど成 立しなか っ た もの の,
こ の部位の刺 激は嫌 悪 性 動 因 と な り うる こ と が示唆された.
そこ で実 験2で はCGM
刺 激をUS
とする 2種の受 動 的 回 避 学 習につ い て 検 討す る,
実験2−1
Step−down
受 動 的 回避 学 習T 型 迷 路に お け る弁別回避 課 題で ラ ヅ ト は弁 別 逃 避学 習は容 易に習得したもの の, 鳳避 反 応は 全 く認め ら れな かっ た
,
ま た これ らの ラッ ト の 自己刺激率は極め て低か 方 法 被 験 体 実 験1で用いたラ ッ ト5
匹 (T1 〜T5
)と新た に26
2
匹 (SD1〜
SD2)を 加 えた計7匹.
を統制 用とし て用い た.
装 置 基 礎 心 理 学 研 究 第 1 巻 第 1号 さ らに無 手 術の 3匹 実 験 1で用い た観察箱.
受 動 的回避 学 習時に は, この 観 察 箱 内の 中 央に直 径12c
皿,
高さ15cm
の円 筒 形 の台 を 設 け た,
手 続 こ の実 験で新ら た加え た2
匹につ い ては実 験1
と 同 様の手 続で閾 値の測定を行なっ た.
これらの ラ ッ 1・
は その 翌 日か ら,
また実 験 1で用い た ラ ッ トは実Wt
1の終 了2
日後か らそ れ ぞ れ 受 動 的 回 避 学 習 の 訓 練を開 始し た,
受動 的回避学習 訓 練におい て は,
ラ ッ トを 円 筒 形の台 の上に静か に置 き,
ラ ヅ ト の四肢 が 床 上に降 りる と同時 に閾値強度のCGM
刺激を 5秒 間与えた.
その 後ラ ッ ト は待 機 用ケー
ジ に移さ れ,
試 行 間 時 間3
分で 次の試行を 行 なっ た.
ラ ッ トを台にi
い てか ら 四肢が 床に着く まで の時間 を反 応 潜 時とし,
これ が3分 以 上に なっ た場 合に 学 習 基 準に達し た と み な し た,
訓練は1
日20試 行で最大2
日間 行なっ た.
な お統 制用ラ ッ ト で は CGM 刺 激を与 えない以外, 上と同じ手続が とられt .
結 果 新ら たに加 え た ラッ ト(SDI ,2)の刺 激 電 極は,
CGM の背 側 部に位 置し ていた (Fig、1
).
Step−down
回避 学 習 は7
匹の ラ ヅ トの う ち,
5匹 が40試行以 内に学 習基 準に 達し た.
その全 体の中央 値は14
試 行 (2〜
40+)であっ た (Table
1
).
ま た基 準に達し なか っ た 2匹 の ラ ッ ト の最 終10
試行の平均反応潜時は21.
O秒と51.
2秒であり,
統 制 用ラ ッ ト の 3匹の潜 時 (2.
4
秒,
26,
2
秒,
54.
6
秒 )と ほ と ん ど差が なか っ た,
実 験 2−
2Step・
through 受 動 的回 避学 習 方 法 被 験 体 ラ ッ ト6匹 (ST
)を用いた.
装置Step−
through 受 動的 回 避 装 置 は, 壁 面 と床が 白 色の 円形の部屋 (直 径50cm
)とそ れに幅15cm
の 出入 口で接続し てい る灰色の小さい部屋 (15
×15cm
)からな る二室箱 で あ る.
装 置の高さは 40cm で あっ た.
広い 部 屋は 明る く (1,
8001ux),
小 部 屋は暗い照 明下 (135lux
) にあっ た.
手 続閾 値測定 を実 験 1と同様に行 ない, その翌 日受動 的 回 避 学 習の訓 練 を 行 なっ た
、
訓 練では まずラッ トを小 部屋か ら最 も離れ た広い 部屋内の床に 置 ぎ, ラ ッ トの四 肢 が 小部屋に入 る ま での 時間を反 応潜時 と して 記 録し た.
ラヅ トが小部 屋に 入 る と透明 な仕 切D
ドアを閉じて ラ ッ トを小 部屋Vl 1 分間閉じ込め,
こ の間に CGM 刺 激 を 与 え た.
その後再 びラ ッ トを広い部 屋に戻し, 小部 屋 に対 する受 動 的 回 避 反 応の程 度を観 察し た.
反 応 潜 時 が 150秒 以上に なる こ とを学 習 基 準と して,
この 基準に 達 する ま で訓練を繰 り返 し た.
与え たCGM
刺 激は, 第1
試 行で は閾値の電 流を1
秒間,
第2
試行で は5
秒間,
以 下閾値 電 流の1.
0
倍で10
秒 間,1.
5倍で 5秒 間,1.
5倍で10
秒 間, 2.
0倍で 5秒 間……
とい う順 序で あっ た.
学 習 基 準に達し た場 合に は,
その時 点で訓 練を打 切っ た.
結 果 6匹の ラ ッ ト の電 極 先 端 はすべ てCGM
に位 置し てい た (Fig.
1,
ST).
これ らの ラ ッ ト の閾値は 10〜
40μA
の 範 囲に あっ た.
学 習 基 準に達 する ま での試 行 数は平 均5.
3
試 行で, 範 囲は3〜
8試行であっ た,
学習 基 準に達し た直 前の試 行 のCGM
刺 激 強 度は, 閾 値の1.
0〜2.
5
倍の範囲にあっ た.
考 察
SteP・
down
受動的回避は 7匹中 5匹 で,
また step−
througll 受動 的回避は 6匹すべ て で学 習が成 立し た.
前者で学習基準に達し な かっ たラ ヅ ト(T2,
SD1
>の電 極 部 位は, それ ぞ れCGM
の腹 側と背側に あり,
また学 習 が成立した T5 と成 立しなか っ た SD1 の電 極 部 位は ほ と ん ど同じであっ た.
し たがっ て,
受 動 的 回 避学 習 が 成 立 する か し ない か の根 拠を刺 激 部 位に求め ること は で き ない.
し か しな がら, 総じ てCGM
刺激に よ る受動 的回 避 学 習は成 立 する とい え, この結果は ネコ を被 験体とし た松田 (1970)の 報 告を支 持 する ものである.
とこ ろ で本 実 験で用い た 2種の受 動 的 回 避 課 題は,
四 肢へ の電 気シ ョ ッ クをUS と し た場 合には一
般に1
試行 で学 習が成 立 するとい われて い るの に対して,CGM
刺 激で は数 試 行 以 上を要し た.
この こと はCGM
刺激が嫌 悪 性 動 因をひ きおこすと して も,
電 気 シ ョ ッ クとは性質 を 異に し て い ること を 示唆して いる.
実 験 3Compartment avoidance 学 習Delgado
et al、
(1954
)は能 動 的 回 避 反 応 と受 動 的 回 避 反 応を同時に 観察で きる課 題 とし て“
compartment avoidance”
を 考 案し た.
ネコ の視 床 下 部や CGM 刺 激 に よ るこ の回 避 学 習の成 立 率は ほぼ50%程 度であるとい われる (Nakao ,
1958
;松田.
ユ971).
実 験3で は,
CGM 刺 激に よ る compartment avoidance カミラ ッ bの場 合 に は どの程 度 成 立 するか とい う点につ い て検 討し た,
方 法 被 験 体 ラ ヅ ト5匹 (
C
)を 用い た.
装置 装置は 60×20×45c皿 の直 方 体の箱で,
箱の中 央 に仕 切り板を入 れて 2つ の部 屋に分け ら れ るよ うに なっ て いる,一
方の 部 屋は黒 色に,
他 方は白色に塗ら れてい る.
手 続 各ラ ヅ ト につ い て実験1
と同様に閾 値を測定し, その翌日か ら回 避 学 習の訓練 とテ ス トを開 始し た.
訓 練 第 1目目に は,
まず 黒 色と自色の部 屋に対 する偏好テ ス トを 行 なっ た.
仕 切り板 を取 り除い てそ れ ぞ れの部 屋に 交’
η:に ラ ッ トを 入 れて,
ラ ヅ トがそこ か ら他 方の部屋に 移 動 する ま で の時 間を測 定し,
反 応 潜 時と し た.
そ れ ぞ れの部 屋に対 する反 応潜時を試 行 間 時 間1
分で5
回ずつ 測定した.
反応 潜時が180
秒 以上の場 合に は,
そ乙 でそ の試 行を打 切っ た.
実 「祭に は,
すべ て の ラッ ト で黒い部 屋に対 する偏 好 が 認め られた.
Compartment
avoidance の訓 練で は,
ラ ッ トをまず 偏 好のあっ た黒い部屋に閉じ 込め, 閾 値 強 度のCGM
刺 激を1
秒 間ずつ5
秒に1
回の割合で3
分間与え た.
つ い で 他 方の 白い 部 屋 に 閉 じ込め,CGM
刺 激な しで 3分間 放 置し た.
こ の 手続を5
回繰り返 し た後, 仕切 り板を取 り除い て テス トを行なっ た.
テス トで は まず 黒い部屋に ラ ッ トを 入れ,3
分間 放 置 し その 間に ラ ッ トが白い部屋 に移 動 する か ど うかを観察し た.
つ い で ラ ッ トを向い 部 屋に入 れて同 様に3
分 間 放 置し た.
この テス トにお け る 正反 応の 基準は, 黒い 部屋 か ら白い 部 屋へ 3分以内に 移 動し(能 動 的 回 避 ),
白い 部 屋か ら黒い部 屋へ は移 動し ない こ と (受 動 的回避 )と し た.
テ ス ト は 1 日に各 部 屋 につ い て交互に試 行 間 時 間1分で 2試 行 ずつ,
計 4試 行 行ない, 連続 8試行正反 応とい う学 習基 準に達 するまで 訓練とテ ス トを繰b
返し た,
2日目ま で に学 習 基 準に達 しない場 合は,
3日目は刺 激 強 度 を 閾値の L5 倍,
さら に4
日目は閾値の2.
0
倍に して訓 練 とテ ス トを 繰 り返し た.
結 果 と 考 察 5匹とも電 極 先 端の 位 置は CGM 内に あっ た (Fig.
1
,C
).
これ らの ラ ッ ト の閾値は10〜
40!」A
の範 囲にあっ た,
Compartment avoidance の成 績は Tab !e 2 に示 し
t
よ うに, 5匹の う ち4匹 が学習基準に達した.
ネコ で は 6匹の うち 3匹で学 習が成 立し た と報 告さ れて い る (松田,
1971).
し たがっ て,
本 実 験の結 果は ラ ッ 1・
の方 が ネコ よ りもやや成 績が良い 傾 向にある こ とを示して い る,
能 動 的 回 避の潜 時は試 行と ともに減少し てい ぎ, 学 習 基 準に達した時の潜 時は 9〜
18秒であっ た (Table
2
).
し たがっ て,
明らか に ラ ヅ ト は CGM 刺 激と結びっ い た 黒い部 屋を受 動 的に回避 する ば か りでな く, 能 動的に も 回 避できることを示し てい る.
これ は,
実 験1
のT
型 迷 路 課題 で は能 動 的回避 反 応が 全 く認 め ら れ な かっ た とい う結 果と矛 盾 する,
両課 題の違い は,T
型 迷 路で は ラ ッ トの走行反応 (逃避反応) 中にCGM
刺 激が与 え られる が,
compartment avoidance で }X CGM 刺 激時 (訓 練 時 )に は逃 避 反 応は許 され ず,
ま た 回 避 反 応 時 (テス トTable
2.
Response
latencies
in
secin
the compartment avoidancelearning.
Rat 旨
C1
C2
C3
C4
C5
BW † BW BW BW BW Preference test1−
5Test
1−2
Test 3−4
Test
5−6
Test 7−8
180
← 30 35 →180
15
→180
152
→ ←−
52 21 →180
85
→ ←−
31
10
→ 1809
→ 180180
← 17 180 ←8
180
t−
63
68 −
>180
18 −
→ 180122
→ ←21
180 180 180 ←99
64
→ 18012
→ 180180
180
180
180
180
←92
180
←110
←63
← 172Arrows (→ and ← )indicate the
direction
in which the rat movedfrom
Qne compartment to the28 基 礎 心 理 学 研 究 第 1巻 第 1号 時 )lce* CGM 刺 激は与 え られ ない とい う点にある
.
し た がっ て,
走 行 反 応 時に与えられたCGM
刺 激は走 行 反 応に対 する罰 効 果をもた らす とい う可 能 性 が 考え ら れ る,
これ は 四肢へ の電気シ ョ ヅ ク をUS
とする 同避課題 でも, 電 流 強 度をか な り強くすると,
か えっ て回 避反 応 の 習得が損 なわれる こ と があるこ と と関 連がある の か も しれ ない.
さらに実験 1 のT 型迷 路課題で は,
ラ ヅ ト は出発箱か ら 目標 箱 まで少 な く と も85cm の距 離 を 走 行しな け れ ば な らない.
逃 避 反 応 時に は こ の間CGM 刺 激 を受 けつ づ ける ことに な り,
与え られる刺激量 も大 ぎい とい え る,
こ の こ とが 回 避 反 応の解 発 を 妨 げてい るとするな らぽ,
与 え られる脳内刺 激 時 間 が 短 け れ ば 能 動 的 回 避 学 習は可 能である か も し れ ない.
こ の点につ い て次の実 験で検 討 する,
実 験 4一
方 向 能 動 的 回 避 学 習 走行 (逃 避 ) 反応 中に与え るCGM
刺激を できる だ け 短 くする た め に,
比 較 的 小さな部 屋か ら隣 りの部 屋に移 れ ばCGM 刺 激が切 れる よ うな装 置 を 用いて, 能 動 的 回 避 学 習が習得されるか否かを検 討 する.
方 法 被験 体17
匹の ラ ッ トを用い, うち8匹は後述のS
群に,
残りの 9匹は L群に それ ぞ れ割 りあて た.
装 置 実 験3で用い たもの と同 じ二室 箱 と実 験1
で用い た自己 刺 激 用の オペ ラ ン ト箱.
手 続 実 験 1と同 様に閾値を測 定し,
その翌日か ら一
方 向能 動 的 回避 学 習の訓 練に入っ た,
黒い部 屋 を 出発 箱,
白い部 屋 を 目標 箱 として,
ラ ッ トを 出発 箱に入 れて から 5 秒後にCS
と し てブザー
音 (70dB
)を昊示し, 同時に 出発箱と 目標 箱の間にある ドアを開け た.
こ の実験で はCS
とUS
(CGM
刺 激 )の間 隔 が10
秒の群 (S
群)と30秒 の群 (L
群 )とを 設 けた.
ラ ッ トがUS 呈示 後30秒 以 内 に 目標 箱に入 らない場 合は,
その 時 点で試 行を打 切 りラ ッ トを目標 箱に移し た.
目標 箱に 10秒 間 放置 し た後, ラ ッ トを 待 機ケー
ジに戻し た.
試 行 間 時 間はすべ て1
分 と し た,
訓 練は 1日20試 行 行 ない,
学 習 基 準を 9試 行 連 続Table 3
.
Performance
data
of rats with central gray electrodesfor
the one−
way activeavoidance learning and self
−
stimulation.
Rat
Threshold
(μArms
)Trlals
to criterion m avoidancelearning
S1†S2S3S4S5S6S7S8
62708310 32322113 70639057 112234ρ
0Mean
response tlmc (s) ln CrlteriOn trlalS4.
62.
83
.
82,
83.
73.
35
.
22
.
2
Self・
stlmtllatlon rates per 60 mln 02
1244
0 0 321Mean
24,
6
28.
4
3.
6
L1
†L2L3L4LsL6L7L8L9
714
65003
132215332
Mean
27.
3
051469371
112222336
3.
46
.
64
.
44
,
27.
28
.
77.
93
.
012
.
8011031000
1
△ U −28.
4
6.
5
Self−
stimulatien rates represent the summed rates onday
6 and 7,
回避 反 応と し て
,
こ の甚準に達 するまで訓練を行なっ た.
CGM 刺 激の強 さは,
訓 練 第1 〜2
日目は閾値の 1.
0倍,
第 3〜
4 日 目は1.
5倍とした.
た だ しL5
倍の 場合は刺 激 時 間が長 くな ると暴 発 的な行動 が 出 現 す るの で,
5秒 間に 1秒の割 合で断 続 的に刺 激を与え た.
回 避 学 習 が 基 準に達し た 翌 口 か ら7
目聞,1
日30分 間 ずつ 実 験1
と同 様の方 法で自己刺 激 行 動を観 察し た.
こ の時の刺 激 強 度は,
回 避 学 習におい て最 終的に与えた電 流 値とした.
結 果 と 考 察Fig.1
に示 すよ うに , 17匹の ラ ッ ト の刺 激 電 極はすぺ てCGM
内に 位置してい た (S1〜
S8,
L1〜
L9).
閾 値は Table 3 に 示すよ う にS
群で は 11〜
37μA (平 均 24・
6
μA
),
L 群で は16〜55
μA
(平 均 27.
3μA)であり,
L
群 の方が若 干 高い 傾 向に あっ たもの の両群 間に統 計 的な差 は認め られな か っ た.
能動 的回 避学習は S群,
L群 と もすべ て 4 日以 内に学 習 基 準に達し た,
学 習 基準に達 する まで の 試 行 数は S 群,L
群 とも平 均28.
4
試 行であり, 両群 間に差は なか っ た.
実 験1の結果お よびStein
(1965
)の 結 果か ら,
CS −
US 間 隔は長い方が よ り容 易に学 習が習得さ れ るであろ う と予 想 された が, 実 際に は間 隔が10秒で も30秒で も同 様に回 避 学 習が成立した,
した がっ て二室 箱で の一
方 向 能 動 的回避学習はCS −US
間隔が少な くと も10秒 以上あ れば容 易}こ習得さ れ う る とい え よう.
学 習 基 準に達し た時点で の同避 反 応 時 間と し て, 最 終9
試 行 (基 準 試 行 )の’F
均 反 応時間をラ ッ ト ご と に求め,
Table 3 に示し た.
S
群とL
群の平 均は そ れぞれ3.
6
秒 と6,
5秒で,
両 群 間の 差は 有意で あっ た (t=2・
47Tdf
= 15,Pく0,
05).
し たがっ て ラ ッ ト は 与え ら れたCS −US
間 隔IUC:じた反 応 時 間で回避 反 応を 示すとい え よ う.
自己刺 激 行 動は 7 日間測定し た が,
6日 目 と7
日 目の 自己刺激 率の合 計 値を Table 3 に 示し た.
ラ ッ トS4
は 1 時間あた り244回の反 応 率を示し たが、
17匹 中12
匹 は1
時間 あ た り10回以 下であり,
総じ て自 己 刺 激 行 動は ほ と ん ど認め ら れ ない とい え る.
つ ま りCGM 刺 激は視 床 下部刺 激とは異なっ て, 報 酬 効 果を ほ とん ど伴なわな い嫌 悪 性 動 因をひ きおこすと考 え ら れ る.
全 体 的 考 察 以 上の結 果,CGM
刺 激を無 条 件 刺 激 (US
) とし た場合, step
・
down
あ るい は step−
through 受 動 的 回 避 学習
,
compartment avoidance 学 習お よび shuttlebox
で の
一
方 向 能 動 的回避 学 習は成 立し たが,
T型 迷 路に お け る弁別 同避 課 題で は弁 別 逃 避学習は 容 易に習得さ れ た もの の , 回避学習は全 く認め られなか っ た.
T 型 迷路 課 題でのOGM
刺 激強度は, 行 動 観 察に よる移 動 運 動 誘 発 強度 (閾値 )の半分であ り, 他の 実 験で はすべ て閾 値 強度 あ るい は そ れ 以上の電 流値を用いたの で,
T型 迷 路で回 避 反 応が認め られ なかっ たのはCGM
束lj激の強 さが 足 り なか っ た た め で あろ う とい う反 論 も起 り え よ う.
しか しT
型 迷 路で ラ ッ トが受 けるCGM
刺 激の持続時間は相 対 的に長 く,
激し い逃走 反応が生じ う る程 度の刺 激 効 果は あっ た の で,
与え られた刺激 量 と し て は実験2
以 下で の 刺激 量 と あ まり異 な らない と判 断される,
む し ろ丁型迷 路 課 題 と実 験4の一
方 向回避 課 題にお け る逃 避反応時に ラ ッ トが受ける CGM 刺 激の持 続時間 を 比 較 し て み る と,
前 者で は ほ とん ど が5
秒 以上 で あっ たの に 対して (Table1
),
後者で は1
秒以下であっ た.
つ まり能 動 的 回 避学習に おい ては,
CGM
の 刺 激時間が短け れぽ回避学 習 が成立し5
る とい う 可能性 が 考え られ る.
し た がっ て,
T
型迷路に おい ても刺激の持 続 時 間を短 くして断 続 的に 与え た な ら ば, 回 避 学 習 は 成 立 し たの か も し れ ない.
し か し, 断 続 的な中脳刺 激をUS
と し た二方向 能 動 的 回 避 学 習 をみ た研 究 (Stein,1965
)のな か で,
CGM
内に電 極 が あっ た と判 断される ラ ッ ト の回避 率は数百試行の訓 練に もか かわ らず,
平 均1L5
% (0〜43
% )と低い もの で あっ た.
し たがっ て,
CGM 刺 激 を 用い た 回避学習で は その課 題 が 弁 別 回 避や二方 向回避 の よ うに 複 雑に な る と,
習得 が 困難に なるとい う可 能 性 も考 え られる.
もし そ うであればCGM 刺 激に よ る回 避 学 習は,
四肢へ の電 気シ ョ ッ ク を用い た通常の 回 避学習 とは性質を異にして い るとい えよ う,
もっ とも総 体 的にCGM
刺 激に よ る回 避学習の成 立速 度が遅い こ と は,
本 研 究の受 動 的回避学 習の結果か らもわ か る.
し たがっ て CGM 刺 激は,
この 刺 激に よっ て あ ら わ れ る激しい行 動 (移 動, 逃 走 行 動 )か ら 予 想 さ れ る ほ ど は,
嫌 悪 動 因の レベ ル を上 昇させ て い ない の か もしれない.
こ の こ と は, ¢GM 刺激 が報 酬 性 効果 を併せ もつ こと や 鎮 痛 作 用を 示 すこと な ど と関 連 し て い る 可能性 も あ る (Keene
& Figueroa,
1977;Mayer
,
Wolfle,
Akil,
Carder
&Liebeskind,
1971;Sch
皿itt,
Eclancher & Karli,1974
).
し か し本研究 で 自己 刺 激行 動が認め ら れ たの は23
匹中2
匹のみで あっ た の で,CGM
刺激の 報酬 効果は あっ て も 非常に 弱いもの である と考え られる
.
な おGraeff
andRawlins
(
1980
)は, ラ ッ トの餌を報酬と し たレバー
押し行動に対する電 気シ ョ ヅ クとCGM 刺 激の罰 効 果の性 質に つ い て
比 較し て い るが, 中 隔
一
海 馬 系の損 傷は前 者の罰 効 果の30
基 礎 心 理 学 研 究 第 1 巻 第 1号 とでは, その誘発 行 動に関 与 する脳 部 位 が 異 なっ てい る こ とを示唆してい る,
ところで CGM は
,
電 気シ ョ ッ ク に よ る嫌悪性 学 習行 勳に とっ て機能的に均一
な 部 位ではない こ とが,
損 傷 研 究に よっ て明 らか にさ れて い る (Halpern,1968
;Lieb・
man
,
Mayer & Liebeskind,1970
>.
す なわ ち, CGMのなか で も と くに腹 外 側 部 が 電気シ ョ ッ クに よる回避
・
逃 避 反 応やコ ンフ リ ク ト行動に とっ て重 要な部 位で ある こ とが 示唆されてい る.
し か し本 研 究で は,
回避 学 習の 成 立の有 無に よっ てCGM
内で の部位 差を認め る ことは で きなか っ た.Stein
(1965
)の 研 究で も, 回避 反 応 生 起 率 とCGM 内の刺 激 位置との対応 関 係は認め られて お ら ず,
上 述の ように電気シ ョ ッ ク に よ る情動 反 応とCGM
刺 激に よる情動 反 応 とで は,
それ らに関 与 する脳 部 位が 同一
で は ない もの と思われる,
丸 (1975
)は ラ ッ ト の内 側 視 床 下 部 刺 激をUS
と し た 場 合, 二方 向能 動 的回避 学 習は ほ とん ど認め ら れず, そ の理由と して Roberts (1958b>の 二重 効 果 説よりは内側 視 床 下 部刺激に よっ て生 ずる扁 桃 核の異 常 興 奮 (機 能 異 常)が,
より有 力であろ う として いる.
内 側 視 床 下 部とCGM は解剖学 的に も (
Chi,
1970;Sakuma
&Pfaff
,1981
;Saper,
Swanson & Cowan,
1976),
機 能 的にも (
Sandner,
Sch皿 itt & Karli,
1979; Sch皿 itt,
Paunovic
& Karli,
1979) 相 互 連 絡のあることが 報 告 されて い る の で,CGM
刺 激が扁 桃 核の機 能にな ん ら か の影 響 を 及ぼし て い る可能性 も考え られる.
とくに 本研 究のT 型 迷 路で の 回避 訓 練で は,OGM
へ の 刺 激時間が 比 較 的 長か っ た の で,
こ の 叮能 性が充 分に考え ら れよ う.
この 点につ い て は CGM 刺 激に よ る嫌 悪 性 動 因と回避・
逃 避 学 習の関 係を明らか にする上 で,
今 後さ ら に検討さ れなけれ ば な ら ない問題で あ る と 思 わ れ る.
要 約 本研究の 目的は,
中 脳 中心灰 白質 刺激を無 条 件 刺 激と して回 避 条 件づけ が 成 立し うる か否か を検 討 するこ と で あ る,
ラ ッ トを 用い て次の回避 条 作づけ 課 題につ い て調 べた.
す なわちT 型 迷 路で の弁 別回避 学習,
step−down
お よび step−
through 受動的回避学習 , co皿 partmentavoidance 学 習
,
お よび shuttlebox
で の一
方向能動 的園避 学 習で ある.
その結 果,
受 動的 回 避 で は13
匹中11
匹で,
compartment avoidance では5
匹中4
匹 で, ま た一
方 向 回 避で は17
匹 すべ てで学糟が成立し たが,
弁別 回 避で は 6匹の ラ ッ トの い ずれ も 回 避 反応は 認 め ら れ な か っ た.
これ らの ラ ッ ト の脳内自己刺激率は 低 かっ たの で, 弁 別 回避 が 認められ なかっ た根 拠をRoberts
の 二 重効果 説に求め る こ と は で きなか っ た.
さ らに中心 灰白 質 刺 激と 四肢へ の電 気シ ョ ッ ク に よる動因の差異につ い て考 察し た,
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