【論 文】 日本建築 学 会構造系論 文 報告集 第 445 号
・
1993年3月 Joumal of Struct.
Constr.
Engng.
,
AIJ,
No.
445,
Mar.
,
1993山形 鋼 部
材
の
極低
サ
イ
ク ル
疲労
破 壊
実
験
VERY
LOW
−
CYCLE
FATIGUE
TESTS
OF
STEEL
ANGLES
岩 井
哲
* ,朴
錬 洙
* * , 野中泰
二郎
** *, 亀 田 弘 行
* *幣
Satoshi
IVVAJ
,Yeon
−
Soo
PARK
, 距 ゴゴ∫ro
IVOIVAKA
andHiro
)・Ztki
KAMEZ
)A
An experimental Lnvestigation
has
been
performed on verylow.
cyclefatigue
failure
of steel angles under repeated 】Qading.
The
objective of this studyis
to extractdecisive
factors
causing cracks and rupturein
the course ofloading
repetitions of the order of a few to twenty cycles.
Visible
cracks were initiated on the concave side of thebending
deformation
whenit
was stretch−
ing.
Energy
dissipation
capacitydepends
heavily on the entire history of ioading, failtire mode ,slenderness ratio and width
−
to−
thickness ratio.
Residual
strains at the outbreak of a crack were Qfthe Qrder Qf
25〜40
%, irrespec口ve ef the test
pararneters
.
Keyω ・rcls :
st
・・l stru・t…,
rePeated1
・ading・
.
t
・雅 鯉・z
・勲 伽乱b
・ ・kiing
・
abs ・rb・d
・n・rg コ・・
resid・dl strain 鉄 骨 構造,
繰り返 し載 荷,
低 サ イ クル疲 労,
座 屈,
吸収エ ネル ギー、
残 留ひずみ 1.
研 究の 目的と位 置 付け 構 造 物が破壊的な 地震な ど に よ る厳しい繰り返し載荷 を受け る 場合,
その 構 造 物の要 素は部 分 的に大き な塑性 変形 を 繰 り返 し受ける。
この時,
繰り返し数は少な く て も塑性 化の度 合いが 非 常に大 きくなると,
構 造 物は極 低 サ イク ル の繰り返し塑 性 変 形によっ て破 壊す る可 能性が ある。
本 研 究の主た る目的は,
鋼 部材が大き な塑 性変形 を繰り返し受 けることに よっ て,
亀 裂 発 生を伴う損傷を 受 けて破 断に至る破 壊 過 程を調べ,
塑性疲労損傷・
破壊 に大き く影 響する要 因を抽 出し,
構造的破壊と各要因 と の定 量 的 関 係 を把 握 する ことにある。 本 研 究は山 形 鋼を扱う が,
研 究のね らいは 山 形 鋼 そ の も のの使 用状況 を対象にす る とい う よ り も,
よ り一
般 的 な鋼 薄 肉断 面 材の塑性疲労 破 壊現象を対 象に考え るもの で あ る。
こ こでは, 部 材の全 体 曲 げ座 屈や局 部 座 屈の変 形の繰り返 しに起 因す る亀 裂 発 生や最 終的な破断とい う,
部 材 特 性にか か わ る 塑性 疲労問題 を,
これ まで多 く の成 果のあ る材料特性に基づ く疲労 破 壊 規準と 関連づ け て評 価で き る か否かを調べること を 目指して い る。 試 験 体の 山形 鋼は,
既に実験 を行っ た鋼 板 要 素の座 屈 後 塑 性 疲 労の成 果と対応づ け られ る よ う な2枚の板 要 素が組み 合わ さっ た比較 的単純な断 面 形状を もつ材と して選 ん だ。
山形 断 面 材を 用い るこ とに よっ て,
幅厚 比が 明確に 定 義さ れ る こと,
全 体 曲げ座屈と局部 座屈が連 成する挙 動が調べ られ ること,
部 材 断 面が曲 げ圧 縮・
曲 げ引 張・
純 引 張とい っ た基 本 的な局 面 を経 験 する本 実 験の載 荷 で,
複雑な破壊 挙 動 解 明の た め の基 礎 資料を得ること が できると考え ら れ る。 構 造 物の破 壊・
損傷の形態は,一
般に応 力・
ひずみ な どの力学 的 因 子,
腐 食な どの化 学 的因子と,
使 用さ れ る 材 料の特 性 との組み合わ せ によっ て変 化 する。 構 造 物で 問 題と なる破 壊と して は,
材 料 中に何ら かの要因で潜 在 し た り,
ある いは成長 し たミクロま た はマ クロ な欠 陥や 亀 裂か ら瞬 間 的に破 壊を引き 起 こす脆 性 破壊, 荷重あ る い は変位の増 加に伴っ て安 定な亀 裂が発 生・
成 長し, 最 終 的に は急 速な塑 性 不 安 定 破 壊に至る延 性 破 壊,
繰り返’
し荷 重に対す る疲 労 破 壊,
そ の他に応 力 腐 食 割れ,
ク リー
プ破 壊など が挙げられ る。 材 料レ ベ ルに おいて は,
繰 り返し荷 重に対す る疲 労 強 度は,
よ く 知 ら れて い る よ うにS−N
曲線を 用い て表さ 本論文の一
部は,
文 献30},
31 )および平 成 3,
4 年 度の日本 建 築 学会 大 会と 土木 学 会大会,
な らびに第ID回世 界 地震 工 学 会 議 〔マ ド リッ ド,
1992} で 既 に発 表して いるn
* 京都大学防災研究所 助 手・
工 博 # 京都大 学大学院工学研究科 大 学 院 生・
工修 * # 京 都 大 学防 災研究 所 教 授・
Ph.
D.・
工博 樽 林 京 都 大 学 防 災 研 究 所 教授・
工博Research Assoc
.
,
Disaster Prevention Research Institute,
Kyo[o Univ、
,
Dr.
Eng.
Graduate Student
,
Graduate SchQol of Engineering,
Kyoしo Univ.
,
M
.
Eng.
Prof
,
,
DisasIer Prevention Research inFtitute,
Kyeto Univ.
,
Ph.
D,
,
Dr
.
Eng.
Prof
,
,
Disaster Preventめn Resea匸ch Inst{tute,
Kyoto Univ.
,
Dr.
Eng.
一
139
一
れ る, こ れ は材 料
,
熱処 理条件な どの 内的 条件の み で は な く,
負 荷 様 式,
切 欠き,
寸法,
表面仕上 げ状態,
環境 な どの外的 条件に よっ て も異 な る な ど,
それ に影 響 す る 因 子は極 めて 多く複雑な挙動を示す。 寿命がIO4回以下 であ る疲 労を,
いわ ゆ る低サ イ クル疲労 あ るい は塑 性 疲 労と呼ぶ。
こ の 場 合の 寿 命の評 価は,
ひずみ を規 準と し て行わ れ るの が普 通である】〕。
鋼 構 造 部 材 レベ ル の低 サ イク ル疲 労の問題は,
筋かい 材や トラ ス材の ような細 長い材が繰り返 し軸 方 向 力を受 ける場 合,
ある い はH 形 鋼のよ う な薄 肉 断 面 材のプレー
ト部が繰り返 し曲げ ない し は曲げ と軸力を受け る よ う な 場 合に しばしば 生じ る。
特に部 材の繰り返し載 荷 実 験で は,一
旦 座 屈 して局 所的に大きな塑 性 変形 を受け た後, さ らに引張・
圧縮の繰り返 し に よっ て極少ないサイクル 数で破 壊する よ うな現象が見ら れ る。 し た がっ て,
強震 時の よ う な,
たか だ か数 十 回 程 度の塑性 変形 域で の繰 り 返しに よっ て,
たと え破 断に至らずとも,
大き な損傷を 受け る可 能 性の ある ことに注 目す る こと が 必要である。
本 研 究で対 象と す る繰り 返 しによ る 破 壊 挙 動 は,
数 回か ら十ない し二十 圓で破 断に 至 る 「極 低サ イ クル」疲労 現 象であ る が,
これは疲 労 破 壊 的とい う よ りも,
変 位の増 加に伴っ て亀 裂が発 生・
成 長する延 性 破 壊 的な様 相を 呈 して い る。 構 造 部 材を扱っ たこれ まで の研 究の 成 果では,
文献 2 ),
3)において著 者ら が言及 し た よ うに,
主と して数 十〜
数 百あ るい はそ れ以上のサイクル 数の繰り返し載荷 に よ る破 壊が取 り上 げ ら れ, こ こで考え ている よ う な極 低サ イク ル での繰り返 しによ る破 壊 を対 象 とし たもの は ま だ ほ と ん ど ない。 構 造 部材の一
定 変位振幅下の繰り 返 し曲げ挙動は履 歴ルー
プが定常状態と な る か, 劣 化す る かの 2種に大き く分け ら れ る4 )−
11) 。 劣化を示す場合は,
局 部 変 形や不 安 定 現 象の発 生に かか わっ て おり,
定 常 状 態と な る 場合に 比べ て,
よ り 早 く疲労破 壊に至る場 合が ある。
軸 方 向 圧 縮 力が存 在する場 合は,
そ の劣 化 挙 動を さ ら に早め る ことに な る12)一
’
17) 。 こ れ ら の実 験 結 果は一.
般に,
載 荷変位振幅と破壊 時の繰 り返 し 数 との閧 係が両 対 数 グラ フ上で負 勾 配 を もつ 直 線で表され るこ とが多 い。
し か し破 壊 状 態の定 義は各研究 者に よっ て ま ち ま ち で,
ま だ統一
されて い な い。 実 際の構 造 物に作 用 する荷重は,一
定振幅であ ることL は ま れであり
,
通 常は平 均や振幅が複 雑に変化す る不規 則 的 変動荷重であ る。
変動荷重下の疲労強度は,
荷 重の 大き さの頻 度 分 布のみでな く,
載 荷 順 序に よ り変化す る。 し か し一
般に は頻 度分布の み を考え て,一
定 振 幅 試 験 結 果に基づい て推 定 する線 形 累 積 損 傷 則,
いわ ゆ るマ イ ナー
則1ε〕な ど が 広 く用い られて い る。 材 料 レベ ル で も,
こ の閧係は各応力レベ ル の繰り返し数が比較的少な く,
ま た 応 力変動 範 囲 も 小 さ く 周期 的に繰 り 返 し変動が 起こ一
140
一
る場 合は成 立する が, 変動 回数の少ない場 合に は,
高・
低 応 力の負荷 順序など荷重パ ター
ンの 違い により累 積 疲 労 損 傷の程 度は異 な る])。
構 造 物に 対し て,
地 震時に お ける非定常載荷下での,
疲労寿命あ るい は累 積 的な損 傷 を 評 価 する理 論・
解 析 方 法は 多く提 案さ れ てい る も の のT )・
8L12〕・
13 ].
19〕『
24ト,
ま だ確 立 され る に至 っ て い ない。
そ の理由と しては,
実 験 的に現 象を とら え よ う と し た研 究 が主 体で ま だ疲 労 破 壊の機 構その ものが十 分にわか っ て い る わけで ない こ と と,
破 壊自体がばらつ きの 多い現 象 で ある ため厳 密に考 察す るこ と が 困 難で あ ること が挙げ られ る。著者ら は既に局 部 座 屈 部 分の破 壊 挙 動 を調べ る た め
,
鋼 部 材 板要 素を対象とし て,
初 期に座屈を生じ た後の圧 縮・
引張 繰り返しに よる破 壊 性 状 を実 験 的に調べ , 板 要 索の極低 サ イクル疲 労で は, 非 常に大 きな塑 性 変 形 が 生 じ た 部 位に お ける ひずみ の大き さと,
亀 裂の発生や破断 と が密 接に関係す る可 能 性が認め ら れ た251・
ZG)。
本論文で は,
全 体 座屈 が 局部 座 屈 を伴っ て生じ る よ う な構 造 部 材 と して の挙 動を実 験 的に調べ る た め山 形 鋼 を試 験 体に選 び, 数回か らせ いぜい 二十 回 程 度の極 低 サ イク ル の繰り 返し載 荷に よ る疲 労 破 壊 現 象を観 察し た。 こ こ で は,
細 長 比,
幅 厚比,
載荷パ ター
ン,
な ら びに た わ み変形モー
ドの違いが破 壊 挙動, 繰 り返 し サ イク ル数, 履歴吸 収エ ネルギー
,局所 残 留ひずみなどに与える影 響に注目 し て,
実 験 結 果 を まと め,
比 較し考 察 を加えた。
特に極 低 サ イ ク ル の疲 労 破 壊 条 件に関 与する亀 裂や破 断に主 要な影 響 を及 ぼ す と考え られ る局 所ひずみ の分 布に焦 点 を当て て 実 験 を遂 行した。
2.
実 験 計 画2.1
試 験体 試験 体は合 計20体で ,SS
400材 相 当の 山形 鋼L −
40 ×40×3とL−
40×40×5を 用い て Fig.
1の ように製 作 し た。
試 験 部 長 さ1
は,
3ユ8mm (も し く は 300 mm ;と もに“
L”
シ リー
ズと 呼ぶ ) と 618mm (’
‘
H”
シ リー
ズ と呼ぶ 〉の 2種 を用 い た。
試 験 体に用い た脚幅b=
40 mm の山 形 鋼の板 厚 tは公 称 値で 3mm と5mm の 2種 で,
公称 寸 法に よ る幅 厚 比b/tは 13.
3と 8で あ る が,
実 寸 法に基づ く幅 厚比は それ ぞ れ 15.
8〜
16.
4・
と 8.
6と なっ て い る。 た だ し,
t=
・3mm
の山 形 鋼はロ ッ トの異 な る 2種が使わ れ,
t=
=
5mm の もの を含めて Table 1 な らびに Table 2にLll
,
咀で示 す3つ の材 料 特 性が あるが,
大き な差は ない。Table
2で,
試 験 体に は名 前と番 号 (No .
)を併 記 し た。
試 験体名は実 験 変 数を表すもの とし ており, そ の付け方 をTable
2の欄 外に示した。
な お,
試 験 体 名4文 字の後 に‘
’
a”
ある い は“
b
”
と付けた もの は,
全く同じ載 荷 条 件に よる実 験を行っ た場 合で,
2体ずつ 2組ある。
試・
STRPIN GROE一一一 ・
÷一
÷一
[r・
_・
一
〔ム) 卜 TESTE 口 PRRT 〔’i−
tl.
tぐ l u−一一
7 LO so 29 9 159 L3° ±e 58 〔:
)レ
1為
Table l Mechanical properties of materia 且s
9
C【oss
−
Upper Lowersectional yiekl yield Ul at
Type Angle arca stress sロ鴛ss strength Etongatien
A(mm2 ) (N〆mm2 ) 〔Nlmm2)(N加m2 ) (%)
一
e一
1]O29 go 40 159 I L−
40x40K3 216 396 n L−
40x40x3 2DO 3Sl 皿 レ40x40x5338 356371336339 59n ソ 菊 唱 菊 271197322 (b}Fig
.
1 Tesしspecimen (lengしh in mm )TabJe 2 Speci甲en sizes and test parameters
Widdl
−
【tr踊 c ess Slendernじss 【hic oss Loading Deflection
t (mm ) Tati。λ 面 oうノ’ patm rnOde
SpecimcnN 日me No
.
Ma障画al.
Leng由 Wid山 type.
’(mm )ゐ(mm ) L31P 13 1 L31N 4 皿 L3CPa 6 【I L3CPb 18 1 L3CN 5 H L3GP 16 1,
L3SP 17 1 L3GN 14 1 L3SN l5 1 L51P g IH LslN 7 HI L5CPa 8 111 L5CPb lO I旺 L5CN ll m H31P lg ll H31N 21 H H3CP 20 11 H3CN 22 11 H3GP、
23 n H3SP 24 n 31830130031S30131831831831831830031731731861861861861861861839.
6 2.
80 40.
4 2.
55 40.
3 255 39,
6 2.
83 40.
5 2.
47 395 2,
80 39.
5 2.
82 395 2.
78 39.
6 2.
79 39.
2 4.
56’
39.
2 458 39.
3 4.
55 39,
2 455 39,
2 4,
55 4α3 2,
49 4e.
2 2.
50 40,
3 250 40.
4 250 40.
2 251 40.
4 2.
49 40.
7 ヨ7.
637540,
737.
640,
740.
740,
740.
795 呂 80/
10ノ
ー − 1 4344477.
277.
277.
277.
277.
277.
2 188041022 455464444 11111111166rO!
010 8888816.
216.
ll6、
116.
216,
0162 IICCCGSGS I 【 CCC I − CCGS PNPPNPPNN PNPPN PNPNPP 隠口
偏⊥
otion ofio nFig
.
2 Leading systemSpecimen ldentification L 3 【 P
「
一
,
」
TLr
・
L加 帥 of Thiじ es5 L曲 g Dc卩eじ口on 肥 s 隠dp觚 (mm ) of ]egs(mm ) pa【 mOdei
[
k
1
:
19
(°’39°}[
1
[
灘
1
[
繼
験 体 番 号は実 験を遂 行し た順を示し て い る。 No.
8以 降 の番 号の試 験 体に は, 両 端 部に 9mm 厚 鋼 板 を 山 形 鋼に 埀 直に溶接 接 合し たが,
そ れ以 前の もの は端 部 鋼 板をも た な い。
こ れ は後 者で,
特に板 厚5mm の山 形 鋼試験 体 の場 合,
.
試 験 体 端 部で の高力ボル ト摩擦 接 合耐力に不足 が あ り,
載荷初 期に 滑 り を生 じ ることが あっ た た めであ る。No .
18まで の試 験 体は,
端 部 鋼 板の有る もの が ‘=
318mm , 無い もの が 1=
300 mm とな っ て い る。 な お最 小 断 面2次 半 径i
は,
L−
40×40×3が 7.
81 mm (TypeD
と8.
OI mm (TypeU ,
公称値で 7.
90 mm ),
L −
40 ×40×5が 7.
5g mm (Type 皿;公称 値で 7.
74 mm )で ある。“
L”
シ リー
ズと“
H ”
シ リー
ズに対 応す る細 長 比 λ=
1/iは それぞれ37.
5〜
42お よ び 77であ る。 2.
2 実 験 変 数 本研究で は、
実験変数と して試 験 体の 細 長 比λ=
l
/i
{1
:有 効 部 材 長,i
:最 小 断 面2
次 半 径 )と 幅 厚 比b
/t
(b :脚 幅,t
:板 厚 ), 繰り返し載 荷パ ター
ン,
た わ み変 形モー
ドをとっ た。
試 験 体の実 測 寸 法と, 各 試 験 体に与えた実 験 変 数の設 定 条 件 をTable 2に示 す 。Fig.
2
に示す装 置を用い て試験体の軸 方向相対変位 △ を制 御す る 静的な定速度 繰り返し載 荷を行っ た。 この装 置に よっ て試 験 体を高 力ボル トと普 通ボル トで固 定 し て,Fig.
1(d
)の断 面重心G
を通る主 軸 u,
v の 内,
u 軸 回りな らびに材 軸 回り の回 転を拘 束’
し,
v 軸 回り の回 転の み 自由に した両 端ピン の条 件で支持 し,
断 面 重 心 位 置に材 軸 方 向の繰り返し加 力を行っ た。
変 位A は すべ ての試 験体につ い て縮む変 形 域での み作 用さ せた。 これ は引張 破断によ ら ない破 壊性状の把 握を目指し,
圧縮変 位 側で の座 屈 後の繰り返し載 荷に焦 点を絞っ たこ と,
な らびに試 験 体の端 部に高 力ボル ト用の有 孔 断面を設け た ことによっ て母 材を引張降 伏させ ら れ るまで載 荷で き な かっ たことの 2つ の理由に よ る。 荷 重P
な ら びに △ の 符 号は引 張 を与え る もの を正と した。
載 荷パ ター
ン は Fig.
3の 4通り を 用 いた。
(a)の段階 型漸 増 変位振幅繰 り返し載 荷 (1
型)と (b
)の定 変位振 幅 繰り返し載荷 (C
型 )に加え て, (c>と (d
)の 2段 階 定 変 位 振 幅 繰 り返し載 荷 (GS
型 )は (b
)の一
定 変 位 振 幅 載 荷を基 本パ ター
ンとし て, 途 中の6
サイクル を半 分の小 変 位 振一
141
一
dit O
−
O.
01−
0.
02−
O.
oa つ.
oβ ℃.
t2 riti i=
24 rAlt一
〇,
04一
〇.
08 (a) Itype IDad 9 (c) Gtype Ioading一
〇.
oa ムit一
〇.
Od一
〇.
0日 T COMP・
:
NO.
OF 匚YC しES 畢 下:T[ME (b) Ctype loading (d)Stype load血9Fig
.
3 Loading patterns血 丁
馨
s・
[RRCK Φ 畢 倉 RR[K(a)Positive
・
defiecti・
皿
[P ]m・
de (b)Negative deflectl。n [N亅m 。血Fig
.
4 Denection modes and cracking paヒterns田
ド
}
1
ー
ト
旨
卩
「
.
I
I
−
i
E 」 … … 臼αU臼10RL O 匸ELL’
1.
1,
r
幽
「
.
.
L「
オ 亅麟酬
TEsIFR 餬 匸 匸0」N正 B∩L酬匚 IE5TSPEOIlllI
メ.
:凶
1D
【
SPし
R ⊂E鬥
ENI TRINO1 }1
門
ε1 匚R 悩”
り
隔
明
胴
15 :1 謁L
、,訟
__
ls。。__
」 Fig.
5 Testing system1 [
’
T−
rll一
seじ
凵on 幅で繰り返し たもの である。 計 画し た総 サ イクル数は,
漸 増 変 位 振 幅 [1 ]型 24サイク ル,
定 変 位 振 幅 [C ,
G ,S
]型 30サ イ クル で あ る。
1
型載 荷で は,
各振 幅で 4サ イクルずつ の繰り 返 し を行っ た。G
型 載 荷は第 7サ イクル目か ら,S
型 載 荷は第 1サイク ル 目か ら各6サイ ク ル の小 変 位 振 幅 載 荷を与え た もの で,
双 方 共 第 13サ イク ル目 以降で は同じ変位履 歴を受 けたことにな り,
そ の挙 動の差異を調べ ること を目的の 1つ と し た。
山形鋼が中心 圧 縮 載 荷に よっ て座 屈変形 する時,
た わ みの 発 生の 向きは Fig,
4に示す よ う にz
通 り現れ得る。
し た がっ て結 果 的に こ の た わ み の発生の向き が,
比較さ れ るべ き重要な実験変数 とな っ た 。 ここ で は Fig.
4(a) を 正た わ み モー
ド (P 型),Fig.
4 (b
)を負た わみ モー
ド (N型 ) と定 義する。
載 荷は可 能な 限 り中心 圧縮と し た が,
座屈 後のた わ みモー
ドを計 画 どお りに制 御す る必 要性 か ら,
載 荷 実 験の多く は,
予 備 載 荷で ほ ぼ中心圧 縮 状態とみ ら れ るひずみ分 布 を 確 認し た重 心 位 置か ら,
0.
3mm 〜O.
7mm
程 度の微 小な偏 心を与え た。
故 意に偏 心 を与え ない で,
座 屈 時のた わみが 正負ど ちら の向き に 生じ て も構わ ない もの と して実 際に中 心 圧 縮 状 態で載 荷 し た試験 体は,L31P
(No ,
13),L
31N
(No .
4 ),
L
3
CN (No.
5), L51N (No,
7 )の 4 体で ある。 今回の実 マ。
.
.
汁
。
.
.
1
1
・
。
…。
ユ
P323 : :卩
: … END \ …1
ム A STAR 丁 B 凸Fig
.
6 Definition of one loading cycle験の 目的は座 屈 変 形 以 後の繰り返しに よ る破 壊 挙 動の謂 査にあり
,
座屈 挙動そ の もの は特に重 要 視し てい な いが,
両端ピン支持の実験装置の機能 を検証 す る一
つ の手がか り と し て 座屈耐力 を み ること はで き る。 2.
3 載荷方法 京 都大学 防災 研究 所 設 置の 油 圧式サー
ボア クチュ エー
タを用いた載 荷実験シス テムによ り加 力 を行っ た。
載 荷 装 置をFig.
5に示す。 載 荷 装 置は基 本 的に文 献25),
26} で用い たものと同じ であるが,
若 干 変 更を加え た。
すな わ ち,
試験体の上下材端位置でね じれ回転止 め を設 けた こと,
試 験体上下に用いた 回転式 保持具 (Fig.
2参 照 ) 自体の重量 不均 衡を解 消する ための カウンター ・
バ ラン ス を取り付 けた こと,
そ し て実 験 時の モニ ター
用と計 測 用の デー
タの同 時 出 力のた めの酉己線を追 加した ことなど であ る。
こ こ で用い る 1サ イ クル の数え方 は次の よ うに決め た。Fig.
6
に示す よ う に, 軸 方 向変位 △ を与え ること に よっ て,
圧 縮 軸 力が生 じ,
その後与え ら れ た設定 変位 A で折り返 すと引張 軸 力が生じる。さ らに変位を戻し て,
別の設定変位B
で折り返 し新た に縮み を加え る時,
荷 重 P が 0にな る。 初めの圧縮過程に おける P=
・
Oか ら,
次 の圧 縮 過 程にお けるP
=
Oまでを1サ イクル と 定義す一 142一
る
。
こ れ は,Fig.
3の変 位制御に よる AtO から次の △ =O
の点まで の 1サ イ クル とは一
致 しないが,
3.
4節に お け る履歴吸 収エ ネルギー
の算出に は, 本定 義に よ る方 が明 確に対 応し得るか らであ る。
2.
4 計 測 方 法試 験体の軸 方 向相 対 変 位 △お よび横た わ みは, 伸 び 縮みが少な く計 測の再 現 性がある グ ラス ファイバ
ー
製の 糸を介し て摺 動 抵 抗 型 変 位 計で計 測 し 〔Fig.
5 ), △ を ア ク チュ エー
タの フ ィー
ドバ ッ ク制 御に用い た。
載 荷 前に対 する亀 裂 発 生 後の試 験 体 表 面の局 部 残 留ひ ずみ を測 定する ため, 桑 村・
前田が用い た局部ひずみ の 測 定 方 法2ηを参 考に し た。 桑 村らは標 点に Vickers 圧 痕 〔点 痕 ) を打ち,
荷 重を98N (10kgf>と して いるが,
本 実 験に用い た よ うな表 面 処理 を施し て い な い山形 鋼の 場 合に は それ と同 じ方 法で は標 点を認 識する の に難が あっ た た め変更し た。
本 実 験で は,Vickers
硬 度試験 装 置を用いて,
山 形 鋼 断 面 の脚 縁 部 な ら びに稜角 部におい て端か ら2mm 入 っ た位置 (Fig.
10 参照〉に, 試験体 材 軸 方 向に 2mm の ピッ チで中 央 試 験 区 間80 mm に わ たっ てKnoop
圧 痕 (線条痕 )を標 点とし て打っ た。
打 痕 用 荷 重は ユ96N (20 kgf> , 荷 重の保 持 時 間は 5秒 間と し た。 載 荷 実 験 終 了後,
スケー
ル付 きルー
ペ な どを利 用 し て 1/10mm 精 度で伸び量 を 読み と っ た。
これ に ょ り 5% 単 位の ひずみ計 測が可 能とな る。
また検 長2mm の ひずみ ゲー
ジ をFig.
1(a),
(b
)に示す位 置に貼 付 し,
降 伏 棚 域ま で の弾 塑 性 挙 動を計 測し た。
3,
実 験 結 果と考 察3.
1 座屈強度と変 形,
亀裂の発生 実験 初 期の圧 縮 載 荷 に よっ て試 験体は 全体座屈を 起こ し,
同 時に正た わ み モー
ドでは, 部材中 央 付近で局部座 屈を生じ た。 全 試 験 体にっ い て,
座屈強 度の実験 値 を プ ロ ッ ト し 座 屈曲線 と 比 較 し た もの がFig.
7で・
ある。
図 の縦 座 標は座 屈 荷 重Pcr
を降 伏 軸 力 σyA で無 次 元 化し た。 横 座 標は細 長 比 λ に比 例し,
オイラー
座 屈 強 度が 降 伏 軸 力に対 応する時の値が 1と な る よ うに定めた。
こ こ で,
ay は 鋼 材 の 下 位 降 伏 点 応 力,
A は 断 面 積で Table 1に示した各 値を とっ てい る 。 非 弾 性 座 屈 曲 線と し て,
Engesser・
Shanley
の接 線 係 数 理 論に よる座屈応 力 を示した。 こ こ で,
鋼 材の比 例 限 度σρを σ、=
o.
8 a、”・
…・
・
……・
…・
…………・
…………
(ユ) と仮 定し,
比 例 限 度 以上の応 カー
ひずみ曲線の座 屈応 力 σCT における接 線 弾 性 係tw
E
,を.
E、=
E。il
−
(σ,厂 σ。)2/(σy一
σ訓……・
…・
…・
・
(2) と おい て・
求め た。
E。は鋼 材の ヤ ング係数で Es=
206kN
/mm2 と し た。 実験結果の一
覧をTable
3
に示す 。 こ こに示 し たPe
, は座 屈 荷 重,
f
。
。
v は正た わ み モー
ドの局 部 座 屈 あるいは 負た わ み モー
ドの全 体 座 屈による曲 げ変 形の凹部 側に お いて肉 眼で初 亀 裂が確 認でき た時のサ イクル 数,
fvex
は1
司 じ く曲げ変形の凸部側で初亀 裂を確認 し た時のサ イ ク ル数、.
ら。
。
はそ れ らの両 亀裂発生 後に板 厚 方 向に 亀 裂が 貫通 した時のサイク ル数,f
。
up は破 断サイクル 数,E
は実 験 終了段 階に おける履 歴 吸 収エ ネル ギー
の累 積 量,
E。は試 験 部 全長 に わ たっ て蓄え得る最大 弾 性ひずみエ ネルギー
でE
。=
=
a蚤・
A ・
〃(2・
E
。}・
・
…『
………一 ・
…一……
(3} で与え られ る。
εt。
ns,
ε。
。
m。
は亀 裂 発 生 部に お け る引 張 側,
圧縮 側それぞれの局 所ひずみ で,
絶 対 値が最 大の もの で あ る。 荷 重は デー
タ・
ロガー
を 用い て ディジ タル の 数 値で記 録さ れ た が,
実 験で は座屈 現象は瞬 時に起こ り,
そ の最 大 圧 縮 荷 重 を デー
タ・
ロ ガー
で記 録できない こ と も あ るe 実 験 時に は モニ ター
と して X−
Y レコー
ダー
に よ るTable 3
『
Test resultsBuckling NumberofloaCl cycles Dimension
−
St[ain at cracked p面 onSpDcimen load daじk (hack (hack Ruptu陀 Icss enc τgy Tcns
.
Comp.
eP ・・f
・avf
・exfPtn
秘GfE・
E,
,
ns (%)・脚 t.
0菩
1
・ 。、 Oo o.
5 し ロ 〃厩 L5Fig
.
7 Column curve and observed strengthL31PL31NL3CPaL3CPbL3CNL3GPL3SPL3GNL3SNL5PL51NL5CPaL5 (?bLsCNH31PH31NH3CPH3CN
・
H3GPH3SP;
1
:参
111111
:
ll
:ll
響
k
°i3
12
:8
;
1
島
i
]
69.
7 8 12 12 27;
1
:1
畠
:負
:驪 尋
ll
ll
孟
109.
29121219 107.
59131321 68.
459.
949,
158.
348.
662.
7 1818556921皿
8駟
912 2122981112 7巳
22 1.
22 131235133115220・
11212217022123641021121437878117661 〔叫 7583 27.
5−
29 30−
32.
5−一
一
41 27.
5−
35 30−
32.
5 ::
ig
35.
35−一
一
30 32、
5−
35 30・
32.
5 35−
35至
32.
5宛
35 555555 333333一
「
一
一
一
一
一
143
一
P
−
A 関係の アナロ グ記 録も同 時に行っ た。 図お よ び表 中のP
。。 は X−
Y レコー
ダー
に示さ れ た最 大 荷 重 値で,
両 者の比 較では,
デー
タ・
ロ ガー
の最 大 荷 重 値 記 録の方 が 若干低 く なる傾 向が あり,
最 大で 4.
5%程 度の差を 生 じ たtl])。
本実 験に用い た細 長 比あ たり の座 屈 実 験 結 果は座 屈 荷 重の相当ばらつ く所であ り2S},
当結 果の ば ら つ きは特に大きい もの で は ない。
Fig.
4(a)の よ うな正 た わみ モー
ドでは,
まず 山 形 断 面の両 脚 縁の局 部 変 形の 凹部と 凸部の2
表面にそ れ ぞ れ 初 亀裂が 発生し た後,
載 荷と と もに亀 裂が進 展し て厚さ 方 向 内 部に進み, 断 面 中 央の稜 角 部まで入 り込ん だ。Fig.
4(b
)の よ う な負た わみ モー
ドで は 逆に,
両 脚 付け 根の稜 角 部に変 形が集 中し,
全 体 座屈変形の凹 側 変 形 部 が引 張力 を受け た時に初亀裂が発 生し た。
亀裂の進 展は 当然, 引張 力 を受け る部 位にみ ら れ る が,
いずれ の載 荷 の場 合も,
局 部 座屈 や全 体 座屈に よっ て曲げ 圧縮 変 形を 受け た凹側 変 形 部の板 要 素が,
荷 重の反 転に よっ て引 張 力 を受 けた時に初 亀 裂が観 察され た。
多くの試 験 体では,
続く荷 重 再 反 転 後の圧縮 載 荷で,
初 亀裂が発 生し たの と ほ ぼ同じ材 軸 方 向 位 置で反 対 面の曲 げ引 張 側で あ る 凸側 に新たに亀 裂が発 生 するとい う過 程 が認め ら れ た。 こ こ で の亀 裂の発 生はすべ て肉 眼で の観 察によっ て確認 し た もの である。
実 験 終 了 後の試 験 体の稜 角 側の亀 裂発 生部 の写 真 をPhoto.
1に示 す。
全く同じ載 荷 条 件で実 験 を 行っ た試 験 体L5CPa
とLsCPb
ば最 終的に 2体が同 じサ イク ル数で完全 破 断 を生じ た。
これ によっ て疲労 実 験と はい え、
実 験その も の の再 現 性が か な り あ ること が確か め ら れ た。 3.
2 繰り返しサ イク ル数と破 壊 挙 動 (1) 幅 厚 比の影 響 載 荷 予 定し た最 終 サ イク ル数に至る前に破 断し た の は9
体であっ た。 正 た わ みモー
ドの場 合は,
実 験 時の制 御 困 難の た め 途中で載荷 終 了し たL3CPa を除い て,C ,
G ,S
型の定振幅載荷の もの すべ てが破 断に至っ た。
こ の時の破 断サイクル数はf
,up‘
17〜
27 である。
負た わ みモー
ドでは L5CNl 体の みが破 断し, こ の時f
,uρ= 21で あ る。 両たわみ モー
ドとも, 亀 裂 発 生 時サ イ クル 数fcav
,
f
。
。
=
は幅 厚 比に よる差があま り ないか,
また は 幅厚比大の方が サイク ル数が少な い傾 向にある。
し か し 破 断サ イ クル 数はむ し ろ幅 厚 比の小さい方が少ないtl21。
負たわ み モー
ドでは,
亀 裂は すべ て材 軸に垂直な方 向 に現れ (PhQto.
1(b
),
〔d
))t 亀 裂発生位 置 も 全体座屈 で最も厳しい応 力 と変 形を受ける材 中 央に出た。
正た わ 注1)平成4年度の日本 建 築 学 会,
土 木 学 会,
な ら び に第10 回世 界地 震 工学 会 議 〔マ ド リッ ド)の著 者らによ る 研 究 概 要 報 告な どにおけ る座 屈荷重値の表記は デー
タ・
ロ ガー
に よ る も のであ り,
Tabie 3の値 と若 干の差が あ る。
注2> 負たわ み モー
ドのL3CN は30回繰り返し て も破 断し な かった と 見 な せ る。
一
144
一
みモー
ドで は, 両 縁部の局部座屈と全 体 座 屈と が ほぼ同 時に生 じるが,
局 部座 屈は必 ずし も材 中 央に生じて い な い。
亀 裂は局 部 座 屈 発 生 部で最も変形の大きい 位 置に生 じ,
幅 厚 比の大きい場 合,
材 軸 垂 直 方 向よ り斜め に現れ る (Photo,
1
(a))。 こ れ は局 部 座 屈が,
ね じれ変 形 を伴っ て両 脚で材 軸 方 向にずれ た位置で現れた ことに よ る。
幅 厚比の大きい場 合に材の ね じれ る傾 向が著しい。
(2
)細 長比 の影 響 正 た わみ モー
ドの場合で は,
細 長 比の影 響は破 断サ イ ノ クル数に顕 著に現れ,
細 長 比 大の もの は破 断サイクル 数f
, 。ρ が各載荷パ ター
ン で細 長 比 小の もの に比べ て 3〜
6 サ イ クル 減少し た。
し か し 亀裂 発 生 時の サ イク ル 数fc
。v,f
。ex に は細長 比 に よ る顕 著な差はあま りみ られ な い。
また細 長 比の大きい場合に材の ね じ れ る傾 向が著し い。
実 験に よる と,
こ こで用いた細 長 比程度の 同じ断 面 形 状を もつ 山 形 鋼で は局部 座屈に よる変形 領 域の広が り にあ まり差が ない。 負た わ み モー
ドの場 合は, 亀 裂 発生 時サ イ クル数に顕 著な影 響は みられ ない。
高橋ら2S)は,
山 形 鋼 筋 違の圧 縮・
引 張変 位漸増型繰り 返 し下で の破 壊 性 状 を,
本 実 験で いう負た わ み に当た る モー
ドで,
種々の幅厚比 (8.
3〜
12.
5)と細 長 比 (60,
150,
240
)を用い て実 験 的に調べ て い る。
その結果と して,
幅厚 比の大きい方が早いサ イク ル で破 断す ること, 細長 比の小さい方が早いサ イク ルで破 断す るこ と,
が示 さ れ た。
本 実 験の,
特に正た わ み モー
ドの場合の結 果は いずれ も,
これ らの 結 論と は逆の傾 向になっ てい る。
た だ し, 細 長 比は対 象と し た範囲 が異な り,
本 実 験の試 験 体の細 長 比は高 橋らの実 験の小 さい方の値に近い 。 また に つ い て は本 実 験で負た わ み モー
ドの破 断サ イ クル 数 の デー
タ が得ら れて い ない。 (3 ) 載 荷経路の影 響載 荷パ タ
ー
ン のC ,
G,
S 型 繰り返 し (Fig.
3参照) の3
者の場合を比較して,
載荷 径 路の影 響 を調べ た。
第 6サ イクルまでのC
型 とG
型とは同じ載 荷 条 件で あ り,
Table
3
で,
亀裂発 生のfcav
に お け る 1サイク ル の値の 差は実験のばらつ き と考え ら れ,
両 者は ほ ぼ同 じ経過を とっ てい る。
S
型でf
,a。がC ,
G
型に比べて 3〜
4サ イ クル 遅 れ るの は,
初めに小 振 幅の 6サ イクル を経験し た こ とに よ る影 響と み ら れ る。fvex
お よ びfp
。
n は第 8サ イクル以 降 となるが,C
型とG
型で ほと ん ど差が ない。
G
型の 7サイク ル 目以 降の小 振 幅繰り 返 しに よっ て損 傷 の進展 を緩 和す る効 果が特に現れ な か っ た と言え る。
S
型で はf
。 av が遅れ た の と 同 じ程 度に,
f
。er も 遅れて い る。 破 断 時のf
,
up につ いて はL3
シ リー
ズとH3 シ リー
ズの差 が どの程 度,
有 意で あ る か判断 する の は難 しい 。 し か し初め に大きい振 幅の載 荷 を行っ た方 が 亀裂発生サ イクル数お よ び破 断 サ イク ル数が少な く,
や や損 傷の大 きい傾 向 が あ る。 載 荷 経 路の影 響につ い て は,
3,
4 節で1
’
(c)LsCPb spec ent
t ’
(
d
)LsCN spccimen Photo.
1 Cracked and ruptured portions after testing A!t dlt PiNy ン 0,
75 0、
75 o.
so’
D50CR自CK〔FIRST ⊂YCLE RT CRq匚Kl5T随 じYOLEl 5下HR 鬥PUTU 口ELEVELI025 025 ’ 4〃 o
一
〇.
12一
〇.
OB 0匚RR⊂KlSECON 口 匚Y 〔LE R丁
一
〇.
25 RUPTUREl23R 口⊂ 了 ⊂LE}一
〇,
25 5丁H 鮒PL【TU口ELEVEL 】一
〇,
50 匚R∩CK[8TH 匚YCLE 】一
〇.
50一
〇,
75一
〇75 BUCKL [NG 〜 BU〔KL【N[}一
LOO一
1.
oo (a)L31P spechnenprNyo.
750.
50 CRRCK〔F[RST CYCLER 丁 6THR 門P」【T」∫D∈ LEV L〕 σ.
25 〃一
〇.
12 0一
〇.
25 ⊂RRCK 〔SECONDCYCLE RT 6丁HR 鬥P凵 TUOELEVEU一
〇、
50一
〇.
75 BUCKL 【ND一
一
LOO (b)L3 CPb specimen PINJ P!NJo.
750.
50 CR∩CK【7THCY⊂LE〕 0
.
25 ∠」 0一
〇.
08一
〇.
25 ⊂RR匚K【8THCY⊂LE,
一
〇.
50一
〇.
75 8U匚KLIN\
一
1.
00 (c)L31N specimen(d)L3CN specimen Rg
.
8 Load・
axia 且displacement relationsエ ネルギ
ー
吸収 量の観 点か ら再び考 察を加え るこ とに す る。
3.
3 荷 重一
軸 方 向変 位 曲 線 荷 重 P と軸 方 向 変 位 △ の関 係の 例をFig.8
に示す。
Ny=
ayA は断面の降伏 軸 力であ る。
変 位 振 幅 漸 増 (1) 型 載 荷で は,
試験部長 さ1
の8
% 変 位に あたる第5振 幅 域での繰り返 し まで は亀 裂は現れず,
多くの場 合 12 %変 位に あた る最 終の 第6振 幅 域での第1サイクル 目 に亀 裂が出 始め た。 定 変 位 振 幅 (C
)型載 荷は, こ の第 5振 幅と同じ8
%変位で の繰り返しを 行っ てお りt
, 第7−
9サ イ クルで最 初の亀 裂が確 認で きた。
定 変位振 幅型載 荷を行っ た試 験 体で は,
各サイク ル の 履 歴 曲 線 が 収 束し安 定す る傾 向 と,
逆に発 散し不安 定と な る傾 向の違いが認め られ る。
各 サ イクル ご と の履歴 ルー
プに劣化に よる顕 著な差が見ら れ る の は,
亀裂が 確 認さ れ た時 点か, もし くは そ の 2−
3サイク ル後であ る。 載 荷初 期の座 屈によっ て圧 縮 抵 抗 力は急 激な低 下を 起こ すが,
材 料 的な損 傷は ま だ受けて い ない た め, 引張力に は抵 抗で き,
亀裂が発 生す る ま で 履歴 曲 線は徐々 に安 定 す る傾向にあ る。
しか し,
亀 裂が発 生すると,
引 張 抵 抗 力・
圧縮 抵 抗 力 共に著し く劣 化し破 断に至る。 負た わみ モー
ドの場 合は,
正 た わ みモー
ドの場 合と 比 べ て,
膨ら み の大きい履歴ルー
プ形状が観 察さ れ る。
ま た,
幅 厚 比の小さい L5 シ リー
ズを除い て,
引 張 強さ は 負た わ み モー
ドの場 合が大き く なっ て い る。
負た わみ モー
ドで は, 全 体 座 屈が生じ た後,
更に縮め ら れ る時,
部 材 中 央で は山形 断 面の両 縁 部 聞距離が広げ ら れ る。 次 に設 定変位で折り返 し て △= 0まで戻る際に は,
まっ す ぐに近い 状 態に戻り,
この時,
元の断面形状に近く な る。 し か し,
特に幅厚 比 が大きいL3
シ リー
ズの断 面, あ る いは正たわ みモー
ドで局 部 座 屈を伴 う座 屈 変 形をし た場 合で は, A=
Oの元の変 位に戻っ て も,
まっ す ぐに伸び 切らな い状 態にあ る。 ま た別の顕著な現 象の例と し て,
試 験 体H3CN
で は,
変 位を戻す 途中で局 部 座 屈 が 発生す る と 同時に ね じれ,
履 歴ルー
プに明確な折れ曲が りが観察さ れ た。
しか し, こ の負た わ み モー
ドに お け るね じれ変 形は亀 裂の発 生・
進 展につ れて徐々 に解 消 し,
載 荷終 了時に は単に材 中 央 にっ い て上下 対 称な,
ね じれ のない弱軸 曲 げ変 形しか残 らな かっ た。
3.
4 髏歴吸 収エ ネル ギー
各 履 歴ルー
プで囲 まれ た面 積か ら算 定 し た履 歴吸収エ ネル ギー
の累 積 値E
と 繰り返しサ イク ル数f
との 関 係 を 全試 験 体につ い て Fig.
9に示す。 図の縦 軸は E を最 大 弾 性ひずみエ ネル ギー E 。
で無 次 元 化 し たエ ネル ギー
比で あ る。 (a)図 は1
型,
(b
>図 はC
型, (c)一
(e)図一
145
一
Aoo 諄 些 SUD 諺 窰
量
ぎ 鬘 Loo kγ
し5【
ヅ
!
!〜L3
棋
『
ノ/L 引P〃 鷺
」
= 謡 へ v:sl臼LE
・
ノ
H31P CRR[K oo oo Z冖
o 国 丶 U響
戸
躍 里 凵 O国
N■
ぎ‘
登寺
;農鬆1
,〒驕, VISl鼠E CRnCK り RLMTLA 匚 づロ
ズ
カ:_
L3SP ダ「
・
一
L3[P− ’
LSC % o D 10 20 ヨ0 贓 R OF 匸T[LEE 【卩(c) Comparison of S
,
Gand C type badir】9 (L3 series in Posidve mode )≡TE鬮 LE 5TRRIN
:i:i
.
il COMPRE5菖】VE STRAIN=
jl
≒ 2H ?H−一一
36−一
→ 十z DD lO 20 3 口 tSUIBER cr−
CYこしε5 1r, (a) Itype loading 4DO T E
.
〆…
一
一
PL5⊂
ヅ
軸
ヅ
三
/
2 器 MPTURE 臼 zoo L5cttt
.
t
RveTUR9 ノ・
て蚕CNl
1
曳
〆 薯拶
.
蒹
野
鑑
「
「
’
”
冒
o関 旺 P へ Vi5 [ME ⊆RROK o o Do 2Ro凵
丶
凵
一
ト
ロ【
凵
z凶
0108N コα
歪 OZr7「
r/,
/.
2X
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・
一
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二
ぐ :
:
rI
:
_ ∠:づ
L
蝋
蹤 黯が
=
躑
O O ■0 20 ヨO FUIBER 匪 CY匸LES 【「 ,(d)Comparison of S
,
G and C type loading¢ 3series in Negative皿Qde )
0
20
〔
o凵
丶
”
層
卜
窶
凵
00 匡 O凵
N コα
【 告 Z 登 畿監旨、
驚蕊,
vl5 [乱 匸 cR艇K 7 RLPTLRe・
’
冒
齟
’
’
”−
HヨSP’
°
°
°
°
−
Hur,
一・
Hヨ[P o LO 20 m〕 O LO 20 3D NJMBER OF CγCLES 匚り … B∈R OF 匚YCL ξS l冂
ω C呻 ・1・ぬ ・g(・)C。mp ・ ・i・・n ・f S
・
Gand C type l・ading(H3 series in Positive modo )
Fig
.
9 ComparisDn of energy absorption in the course of increasing number of cyclesCO鬥P
.
一 τENS.
一
ヨ
馴
0 δ口Z (a ) [P]mode (LsCPa ) 2H 2忰一
一一
35−一
→十2 RLP−
奪 ー 1 −Io
マ
⊥
CCHP 一 丁匸略.
_
SD O ヨaz 〔b)困]mode (L5CN)Fig
.
10 Distribution of residualstrain ln angle test
.
.誕
.
.
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G,
C 型の 3者をそ れ ぞ れ L3 正 た わみ モー
ド,
L3
負た わ みモー
ド,
H3
正た わ み モー
ドにつ い て比較 し た もの であ る。
(1) 載 荷パ ター
ン別の比 較 繰り返しに伴う履 歴 吸 収エ ネルギー
の累 積 過 程の各 段 階は,1
型 (Fig.
9(a))とC型 (Fig.
9(b
}〉の別,
す なわ ち載 荷パ ター
ン に よ っ て全く違う性 状を示す。
ま た 載荷パ ター
ンが 同じ場 合で もt 山形 鋼の よ う な 1軸 対 称 断 面では,
横た わ みの発 生 方 向の違いに よ る影 響 を大き く受け る。
負たわ み モー
ドの場 合の方が正た わ み モー
ド の場 合よ り,同 じ繰り 返 し数で もエ ネル ギー
比が大きい。
これ は亀 裂 発 生が認め ら れた段 階 (v )まで の載 荷 初 期 に おい て も,
最 終 的な破 断 時 (▽ )の総エ ネルギー
量に おい て も 同様で あ る。 正 た わ みモー
ドと負た わ みモー
ド の履歴ルー
プ面積の差はFig.8
で も 明 ら か に現れて い た。 これ は負た わ みモー
ドで は全体座 屈のみ生じたが,
正 た わみ モー
ドで は全体座 屈が局部座屈 を伴っ て生じ,
一
90・
:D・
10 0 to an 10 ズ い コFig
,
11 Longitudinal distribution of residual strain in ma しerial test抵 抗 力が下がっ たことによると 考え ら れる
。
幅 厚 比の違 い に関し て は,
幅 厚 比 小 (L5 シ リー
ズ)の場 合が幅 厚 比大 (L3 シ リー
ズ)の場 合よりエ ネルギー
比 が大とな っ て い るe 幅 厚 比 小の場 合にエ ネルギー
比が大と な ること は,
幅 厚 比が局 部 座 屈に関 連し て い る ことか ら理 解で き る。
ま た細 長比によ る影 響も,
座屈 後 挙 動の履 歴ルー
プ の膨らみ の違い か ら,
細 長 比 小の場 合にエ ネルギー
比が 大と な る こ と が わ か る。
これ ら の諸 関 係より,
累 積エ ネルギー
比が ある値 を超 え た時に亀裂が発 生す る という訳ではな く,
ま た最 終 的 な破 断に か か わ るエ ネルギー
比を特 定の値で表す こ とも 困難で ある。 し か し見 方を変え れ ば,
累 積 履 歴 吸 収エ ネ ルギー
特性は極 低サイクル疲労破 壊と単純な関係に は な い が,
載 荷 履 歴・
変 形モー
ド・
幅 厚 比・
細 長 比の違い を 顕 著に反 映する とい うこと もできる。
こ れ よ り極低サイ ク ル疲 労による部 材の損 傷 過 程 を,
部 材 中の局 部座 屈 発一
146一
生 部 分な どの局 所の塑性 仕事を算出する こ と で, エ ネル ギ