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リハビリテーション分野における自費診療を行っている病院・施設のWeb サイトの質の評価

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 456 44 巻第 6 号 456 ∼ 462 頁(2017 年) 理学療法学 第 44 巻第 6 号. 調査報告. リハビリテーション分野における自費診療を行っている 病院・施設の Web サイトの質の評価* 藤 本 修 平 1)2)# 小向佳奈子 3) 光 武 誠 吾 4) 杉 田   翔 5) 小 林 資 英 5). 要旨 【目的】リハビリテーション(以下,リハビリ)分野の自費診療を行っている病院・施設において,Web サイト上の質の評価を行うこととした。【方法】リハビリ分野において自費診療を行っている病院,施設 を抽出するために,自費診療とリハビリに関する検索語を選定し,Web サイトの検索を行った(Database: Google) 。対象の Web サイトに対し,e ヘルス倫理コード 2.0,医療広告ガイドライン,医療機関ホーム ページガイドラインを参考に Web サイトの質の評価を行った。【結果】Web サイト内の治療の効果やリ スクに関する情報について,引用を示して記載したものは 45 件中 1 件(2.2%)であり,その他の医療広 告ガイドラインの項目についても遵守割合が低いものが認められた。 【結論】リハビリ分野において自費 診療を行っている病院・施設の Web サイトは誇大に広告されている可能性があり,情報提供者は治療の 利害情報の正確な提供が必要である。 キーワード e ヘルスリテラシー,医療情報,e ヘルス倫理コード. 取捨選択して活用する能力である e ヘルスリテラ. はじめに. シー. 7)8).  インターネットは,病気や病院,健康に関連するサー. から. 9)10). ビスといった医療・健康情報を探索する重要な情報源で. 報を適切に提示する必要がある。過去にはインターネッ. ある. 1)2). 。本邦におけるインターネットユーザーの割合. は約 75% に及び. 3). ,特に病院・施設の Web サイトを検 4)5). は,高齢者の方がより低いとされていること. ,病院・施設の Web サイトは信頼性のある情. ト上の医療広告において治療効果の誇大広告が報告さ れ. 11)12). ,e ヘルスリテラシーの低い高齢者が誇大広告. 。高齢者におい. により不利益を被るリスクは高い。そのため,多くの高. ても,近年,スマートフォン等の普及に伴い,インター. 齢者が対象となるリハビリテーション分野において,高. ネットを利用する頻度が増えていることが知られてい. 齢者が不利益を被らないように Web サイトを整備する. 索してから利用を決める患者は多い. 6). る 。. ことは急務であろう。.  一方,インターネット上で健康情報を検索し,情報を.  病院・施設に掲載される情報の適切性については,医 療法などを加味した様々な基準が設けられている. *. The Quality of Website Information of Private-Practice Hospital or Clinics in Rehabilitation 1)京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野 (〒 606‒8501 京都府京都市左京区吉田本町) Shuhei Fujimoto, PT, MHSc: Kyoto University Graduate School of Public Health 2)株式会社リンクアンドコミュニケーション Shuhei Fujimoto, PT, MHSc: Link & Communication Inc. 3)株式会社エバーウォーク Kanako Komukai, PT: Everwalk Inc. 4)東京都健康長寿医療センター研究所福祉と生活ケア研究チーム Seigo Mitsutake, PT, PhD: Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology 5)株式会社ラクセム Sho Sugita, PT, Motohide Kobayashi, OT: Luxem Inc. # E-mail: [email protected] (受付日 2017 年 5 月 18 日/受理日 2017 年 7 月 4 日) [J-STAGE での早期公開日 2017 年 9 月 2 日]. 13‒15). 。. しかしながら,Web サイト上の広告は,マーケティン グのテクニックにより効果が誇大に広告されていること が多く る. 11)16). ,有益な情報が少ないという報告もあ. 17). 。近年では,自費診療を行っている病院の Web サ. イトにおいて過度な専門性の主張が問題視されてお り. 18). ,その是非が議論の的である。自費診療を行って. いる Web サイトで専門性が過度に主張されている理由 としては,情報提供側の利益のために治療をより効果的 に見せようとする意図や スリテラシー教育の欠如. 11). ,情報提供側に必要なヘル. 9). が考えられる。.  リハビリテーション分野においては,自費診療を行う.

(2) リハビリ分野の自費診療を行う病院・施設の Web サイトの質評価. 457. 病院・施設は増大しているものの,Web サイト上で情. 5)自費診療の費用の記載の有無. 報を適切に提供するための教育を受ける機会はほとんど. なお,3),4)の説明があった場合には,その説明の被. ない. 19)20). 。そのため,リハビリテーション分野で自費. 診療を行っている病院・施設の Web サイトでは,適切. 引用情報(科学雑誌,科学者・研究者・専門家の意見な ど)を抽出した。. な情報整備が行われていない可能性が考えられる。  本研究の目的は,リハビリテーション分野における自. 3.Web サイトの質評価. 費診療にかかわる病院・施設における Web サイト上の.  自費診療を行っている病院,施設における Web サイ. 情報の質の適切性について検討することとした。. トの質評価として,e ヘルス倫理コード 2.0. 13). ,医療広. 告ガイドライン(医業若しくは歯科医業又は病院若しく. 対象および方法. は診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のた. 1.検索. 14) めの指導等に関する指針) ,医療機関ホームページガ.  リハビリテーション分野において,自費診療を行って. イドライン(医療機関の Web サイトの内容の適切なあ. いる病院,施設を抽出するために,「自費診療」と「リ. 15) り方に関する指針) ,を参考に評価を行った。詳細に. ハビリテーション」に関する検索語を選定し,Web サ. ついては表 1 に示す。. イトの検索を行った。「自費診療」に関する検索語は,.  name-dropping とは,有名人の名を挙げて知人のよう. 自由診療,自費,保険外とした。「リハビリテーション」. にいいふらすこととされ. に関する検索語は,リハビリテーション,リハ,リハビ. 治療の効果や,病院・施設の有益性を広告しているもの. リ,理学療法,作業療法,言語聴覚療法とした。検索サ. を抽出した。評価は,遵守している,遵守していない,. イトは Google を用いた。Google 上の検索式は,(自由. 該当なしの 3 段階で評価を行い,その件数を集計した。. 診療 OR 自費 OR 保険外)AND(リハビリテーショ. 遵守の有無は上記評価項目に関する情報の開示をしてい. ン OR リハ OR リハビリ OR 理学療法 OR 作業療法. るか,または禁止事項を記載していないかで判断した。. OR 言語聴覚療法)-filetype:pdf -filetype:doc -filetype:xls. 該当なしは,評価項目自体がない場合とした。たとえば,. -filetype:ppt と し た( 検 索 期 間:2017 年 1 月 7 日 ∼ 11. 禁止されている部門名の広告について,病院・施設に部. 日)。検索語の妥当性の評価は,3 名の医療者(SF;理. 門自体がない場合は該当なしとした。. 学療法士,経験年数 8 年目,KK;理学療法士,経験年.  評価は妥当性を担保するために,2 名の評価者(KK;. 数 5 年目,MK;作業療法士,経験年数 6 年目)により. 理学療法士,経験年数 5 年目,MK;作業療法士,経験. ブレインストーミングを行い決定した。. 年数 6 年目)で独立して行い,結果のすり合わせを行っ.  次に,検索した Web サイトの中から,自費診療を行っ. た。評価に相違が生じた場合は,第三者(SS;理学療. ている病院,施設を抽出するために,評価対象となる. 法士,経験年数 5 年目)を交えて再度話し合いの場を設. Web サイトを選択した。対象となる Web サイトの包含. けた。. 基準は,1)Web サイト上で,リハビリテーションを行っ.  なお,本研究は,ヘルシンキ宣言および文部科学省・. ていることが読み取れるもの,2)病院・施設名にリハ. 厚生労働省における,「人を対象とする医学系研究に関. ビリテーションが含まれているものとした。1)のリハ. する倫理指針」の人を対象とする研究に該当しないこと. ビリテーションを行っていることが読み取れるものと. を著者が確認し,実施した。. は,リハビリテーションまたは,理学療法,作業療法, 言語聴覚療法,運動療法,物理療法を行っていると明記. 18)21). ,有名人の名前を掲げて. 結   果. されているものとした。除外基準は,1)病院・施設の.   検 索 に よ り, 約 846,000 件 が 抽 出 さ れ, そ の う ち. 公式の Web サイトでないもの,2)Web サイト上で自. Google 上に表示された件数は 299 件であった。299 件の. 費診療を行っていることが読み取れないものとした。. うち,対象の Web サイトは 45 件であった(図 1) 。. 2.記述調査. 1.記述調査の結果.  Web サイトの基本情報として,先行研究を参考に. 18). ,.  1)病院・施設の種類は,デイサービスがもっとも多. 以下の 5 点を抽出した。. く 45 件中 13 件(28.9%)で,次いで,訪問リハビリテー. 1)病院・施設の種類(病院,クリニック,デイサービス,. ション,自費診療専門施設が各 8 件(17.8%),クリニッ. 自費診療専門施設など). クが 5 件(11.1%),病院,スポーツジムが各 3 件(6.7%) ,. 2)理学療法士,作業療法士,言語聴覚士の配置の有無. 訪問看護ステーションが 2 件(4.4 件)であった。2)に. 3)利益と効果の説明の有無. ついて,理学療法士を配置している病院・施設は 29 件. 4)リスクと安全性に関する説明の有無. (64.4%),作業療法士は 13 件(28.9%),言語聴覚士は 4.

(3) 458. 理学療法学 第 44 巻第 6 号. 表 1 Web サイトの評価項目 項目. 例示. 1)Web サイト運営者に関する情報の開示. ウェブサイト運営者の身元(法人名,組織名,代表者名,住所,電話 番号,FAX 番号,E メールアドレスなど)がトップページまたはトッ プページから直接リンクされるページのわかりやすい場所に記載され ている.. 2)スポンサーシップに関する情報の開示. スポンサーに関する情報を公開する.. 3)さらなる問い合わせのためのコンタクトセンター の提供. なんらかの損害を被った場合に問い合わせができるよう,「問い合わ せはこちら」など情報を提示する.. 4)コンテンツの受信者の明確化. 患者,医療者,政府の職員などコンテンツの受信者を提示する.. 5)執筆,制作,編集上の監督に関する情報の開示. 専門性の高い医学的コンテンツについて,内容の信頼性を利用者が判 断できるよう,著作・制作・監修者の情報を明示する.. 6)関連法令の遵守の有無  6-1)禁止されている医療機関,施設名の広告. 医療法で禁止されているリハビリセンター,自費リハビリ病院などの 医療機関,施設名の広告を禁止する..  6-2)禁止されている部門名の広告. 医療法で禁止されている自費リハビリ部門などの部門名を禁止する. 宣伝が認められている資格のカテゴリーに該当しない専門資格である 「リハビリの専門家」などの表示の禁止..  6-3)専門性の主張の禁止  6-4)治療の説明における禁止用語の使用. 医療用広告に使用することを禁じられている「アンチエイジング」と いう用語などの使用を禁止する..  6-5)禁止されている写真の使用. 患者の治療前後の写真を表示して治療の有効性を表示する. 「絶対安全な治療です」という広告.絶対安全な治療はあり得ないので, 虚偽広告として扱う..  6-6)内容が虚偽にわたる広告.  6-7)他の病院や施設と比較して優良である旨の広告 [日本一」,「最高」等の表現.  6-8)誇大な広告. [知事の許可を取得した病院です!」など許可を強調表示する表現..  6-9)客観的な事実であることを証明することがで きない内容の広告. 患者の体験談の紹介や,「比較的安全な手術です」といったなにと比 較しているか不明である表現.. 7)name- dropping の有無. 有名人の名前を掲げて治療の効果や,病院・施設の有益性を広告して いる事例.. 図 1 Web サイトの抽出フローチャート. 件(8.9%)であった。3)利益と効果について,説明を. (8.9%)であり,そのうち引用があったものは 0 件(0.0%). しているものは 45 件中 20 件(44.4%)であり,そのう. であった。5)費用について記載しているものは,30 件. ち引用があったものは 1 件(2.2%)であった。4)リス クと安全性に関する説明をしているものは 45 件中 4 件. (66.6%)であった。.

(4) リハビリ分野の自費診療を行う病院・施設の Web サイトの質評価. 459. 表 2 Web サイトにおける医療広告ガイドラインの遵守割合 評価項目. 遵守している(件). %. 1)Web サイト運営者に関する情報の 開示. 19. 42.2. 2)スポンサーシップに関する情報の 開示. 3. 3)さらなる問い合わせのためのコン タクトセンターの提供. 遵守していない(件). %. 該当なし(件). %. 26. 57.8. 0. 0.0. 6.7. 42. 93.3. 0. 0.0. 26. 57.8. 19. 42.2. 0. 0.0. 4)コンテンツの受信者の明確化. 8. 17.8. 37. 82.2. 0. 0.0. 5)執筆,制作,編集上の監督に関す る情報の開示. 3. 6.7. 42. 93.3. 0. 0.0. 6-1)禁止されている医療機関,施設 名の広告. 41. 91.1. 4. 8.9. 0. 0.0. 6-2)禁止されている部門名の広告. 32. 71.1. 9. 20.0. 5. 11.1. 6-3)専門性の主張の禁止. 29. 64.4. 16. 35.6. 0. 0.0. 6-4)治療の説明における禁止用語の 使用. 38. 84.4. 7. 15.6. 0. 0.0. 6-5)禁止されている写真の使用. 40. 88.9. 5. 11.1. 0. 0.0. 6-6)内容が虚偽にわたる広告. 34. 75.6. 11. 24.4. 0. 0.0. 6-7)他の病院や施設と比較して優良 である旨の広告. 39. 86.7. 6. 13.3. 0. 0.0. 6-8)誇大な広告. 34. 75.6. 11. 24.4. 0. 0.0. 6-9)客観的事実であることが証明す ることができない内容の広告. 31. 68.9. 14. 31.1. 0. 0.0. 有り(件). %. 7)name-dropping の有無. 7. 15.6.  - 大学名や大学の教授の名前を記載. 3. 6.7.  - メディアでの紹介を記載. 3. 6.7.  - 企業名を広告. 1. 2.2. 6)関連法令の遵守の有無. 2.Web サイトの質の評価. すことができます」といった記載が挙げられた。.  対象の Web サイトの質の評価を行った結果を表 2 に.  7) の name-dropping の 記 載 は 45 件 中 7 件(15.6%). 示す。6)の関連法令の遵守の有無として,80% 以上遵. でみられ,大学名や大学の教授の名前を記載していたも. 守されていた項目は,6-1)禁止されている医療機関,. のが 3 件(6.7%),メディアでの紹介を取り上げていた. 施設名の広告 41 件(91.1%),6-4)治療の説明における. ものが 3 件(6.7%) ,企業名を広告していたものが 1 件. 禁止用語の使用 38 件(84.4%),6-5)禁止されている写 真の使用 40 件(88.9%),6-7)他の病院や施設と比較し て優良である旨の広告 39 件(86.7%)であった。. (2.2%)あった。 考   察.  6-3)の専門性の主張について過度に主張していた例.  リハビリテーションの自費診療を実施している病院・. として, 「弊社規定の基準を満たしたセラピスト」,「経. 施設の Web サイトでは,治療の効果やリスクの説明を. 験豊富な専門スタッフ」,「それぞれ病院にて,臨床をこ. しているものは半数にも満たず,情報の引用元を示して. なしてきたプロフェッショナル」,「○○法で有名な○○. いるものは全 45 件のうち 1 件のみであった。また,治療. 病院に○年間勤務し専門的な経験をもつ」,「○○分野に. の説明がある場合でも,効果の誇大広告や過度な専門性. も携わっていたので,○○についての専門的知識を習得. の主張を含む Web サイトがあることが明らかとなった。. している」などの記載が挙げられた。6-6)の内容が虚.  Web サイトの質の評価において,特に遵守割合が低. 偽にわたる広告の例では,「約○ % の方がこの安心感の. かったものは,2)スポンサーシップに関する情報の開. 効果を実証されています」や, 「質の高いリハビリ」, 「最. 示と,5)執筆,制作,編集上の監督に関する情報の開. 新のリハビリ」といった記載,「安全で確実に結果をだ. 示(各 6.7%)であった。スポンサーシップに関する情.

(5) 460. 理学療法学 第 44 巻第 6 号. 報や,執筆,制作,編集上の監督に関する情報は患者が. ことから,患者の情報吟味を支援することも適切な健康. Web サイトの内容の信頼性を判断するために重要な情. 行動の促進に向けた施策となりうると考える。. 13)14). 。先行研究では,スポンサーから資金提.  本研究の限界として,Web サイトがある病院・施設. 供がある場合,スポンサーにとって有利な治療方法や治. のみを評価の対象としたため,実際に自費診療をしてい. 報である. 22). ,情報の提供者. る病院・施設がすべて含まれているか不明である。イン. は自らが支持している治療法について好意的な情報を大. ターネットを通じた情報の入手がきわめて一般的な手法. 療効果の誇大広告を示しやすいこと. きく取り上げる傾向にあることが報告されている. 23). 。. となっている現代においても. 3). ,自費診療について. このことから,スポンサーシップに関する情報や執筆,. Web サイト上に表示していない病院・施設も少なくな. 制作,編集上の監督が開示されていないと,情報のバイ. いであろう。今後,本研究の対象となった Web サイト. アスを判断する手段が乏しくなるため,患者が治療の効. のみならず,増えていく自費診療の Web サイトを適宜. 果を過大解釈する可能性が考えられる。. 評価していく必要があると考える。.  本研究では治療の効果やリスクに関する引用を提示し.  また,本研究では,自費診療を行っている病院・施設. ていたものは 1 件しか抽出されず,情報元の明示が不十. に着目し Web サイトの情報の質の評価を行ったが,そ. 分であることが示された。治療の選択を行う場合,医療. れ以外の病院・施設については検討をしておらず,他と. 者は治療の効果とリスクを十分説明することが重要であ. 比べて自費診療を行っている病院・施設の Web サイト. ること. 24‒26). ,患者は効果とリスクのバランスを加味し. こと. 28). 25)27). の情報の質が低いかは言及できない。しかしながら,. ため,重要な指標である. Web サイト上の情報の質を評価するガイドラインの遵. を考えると,治療の効果やリスクに関する引用. 守が半数にも満たない項目があったことを考えると,自. ながら治療の選択を行う. 元の提示は欠かせないであろう。また,先行研究では,. 費診療の Web サイトの正確な情報の提供について,検. 治療の方法や効果について,引用論文とは異なる情報が. 討していく必要性は十分にあるだろう。. 含まれていた Web サイトが存在したことが報告されて.  本研究で用いた Web サイト上の情報の質を評価する. 29). 。リハビリテーション分野の治療は,個別性が. ガイドラインは,医療法上の罰則を除いて,法的な定め. 高いため,患者が治療の意思決定にかかわるうえで,治. が存在するわけではない。しかしながら,我々医療者が. 療に関する情報を吟味することが必要となる場面も多. 提供する情報に責任を持つうえで,これらのガイドライ. い。患者の誤解を招く要因を排除するためにも,情報提. ンを参考にし,Web サイトに掲載されている内容につ. 供者は,Web サイトで掲載した情報がどのような根拠. いて患者の適切な理解と治療選択に向けた客観的で正確. に基づいているかを正確に記載する必要がある。対応策. な情報提供およびその支援に努めるべきであろう。. のひとつとして,健康情報の提供者側に対して,信頼性.  今後の展開として,本研究により示された Web サイ. のある健康情報の引用方法や開示方法といった e ヘルス. ト上の情報の質の低さについて,Web サイトの利用者. リテラシーを高めるような教育や情報倫理に関する教育. がどのように捉えているか把握する必要があると考え. が必要になると考える。アメリカでは,保健省の下部組. る。利用者の目線に立った情報の提供といった観点も踏. 織である AHRQ(Agency for Healthcare Research and. まえ,リハビリテーション分野の自費診療にかかわる情. Quality’s)が健康情報の提供者用に,ヘルスリテラシー. 報の質の向上が望まれる。. が低い者でも情報を扱いやすいような情報提供技術に関.  本研究で用いたガイドラインは質的な側面の評価であ. するガイドラインを発表され,インターネット上の健康. り,Web サイトの情報のあり方について定量的な評価は. いる. 30). 。リハビリテーション. 行えていない。今後は,定量的な評価指標の検討も行っ. 分野の教育においても,e ヘルスリテラシーの教育がな. ていきたい。また,高齢者や障害者は,Web サイトの使. 情報の整備が進められている. ,学生の e ヘルスリテラシーが. いやすさといった,Web サイトのアクセシビリティも情. を考慮すると,健康情報教育の整備が必. 報を吟味するうえで問題となりやすい。今回は Web サ. されていないこと 低いこと. 31)32). 19)20). 要であると考える。. イト上の情報が十分に記載されているかといった観点か.  一方,情報を扱う者の e ヘルスリテラシーを向上させ. ら調査を行ったが,今後は,Web サイトのアクセシビリ. ることも重要な課題のひとつである。e ヘルスリテラ. ティも含めた質も調査する必要があるだろう。. シーが低い者は,自ら健康情報を検索し,その内容を吟 味して行動することが難しいため,がん検診の受診率が 低いこと. 33). ,運動やバランスのある食事,睡眠を適切. にとっていない可能性が報告されており. 34)35). ,患者の. 健康を脅かす危険性が示されている。健康教育により, e ヘルスリテラシー. 10). や治療の遵守. 36)37). が向上する. 結   論  本研究は,リハビリテーション分野において自費診療 を行っている病院・施設を対象に,Web サイトの質を 評価した。その結果,治療の益や害に関する情報は不十 分であり,説明がされていた場合でも,誇大に情報を提.

(6) リハビリ分野の自費診療を行う病院・施設の Web サイトの質評価. 示していることが示された。情報提供者は,治療の益と 害を含む治療の情報をより正確に説明することに努める 必要性が示された。 利益相反  本研究に関して,開示すべき利益相反関係にある企 業・組織・団体はない。 文  献 1)Korda H, Itani Z: Harnessing social media for health promotion and behavior change. Health Promot Pract. 2013; 14(1): 15‒23. doi: 10.1177/1524839911405850. Epub 2011 May 10. 2)Segal J, Sacopulos M, et al.: Online doctor reviews: do they track surgeon volume, a proxy for quality of care? J Med Internet Res. 2012; 14(2): e50. doi: 10.2196/jmir.2005. 3)厚生労働省 Web サイト「健康意識に関する調査」の結果 を 公 表.http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_ Shakaihoshoutantou/002.pdf(2017 年 5 月 12 日引用) 4)Lau D, Ogbogu U, et al.: Stem cell clinics online: the directto-consumer portrayal of stem cell medicine. Cell Stem Cell. 2008; 3(6): 591‒594. doi: 10.1016/j.stem.2008.11.001. 5)Ryan KA, Sanders AN, et al.: Tracking the rise of stem cell tourism. Regen Med. 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