a日 本 製 薬 工 業 協 会 医 薬 品 評 価 委 員 会 基 礎 研 究 部 会 (〒1030023 東京都中央区日本橋本町 2311 日本橋ラ イフサイエンスビルディング),bエーザイ株式会社バ イオファーマシューティカルアセスメント機能ユニッ ト筑波安全性研究部(〒3002635 茨城県つくば市東光 台 513) e-mail: y-fujikawa@hhc.eisai.co.jp 本総説は,日本薬学会第 138 年会シンポジウム S14 で 発表した内容を中心に記述したものである.
2019 The Pharmaceutical Society of Japan
―Symposium Review―
非臨床試験の信頼性確保に向けた企業の取り組み
~GLP 試験,GLP 適合性調査,信頼性の基準試験~
藤 川 康 浩a,b
Conducting Assured Nonclinical Studies in the Pharmaceutical Industry: Good Laboratory
Practice (GLP) Study, GLP Inspection, and Standards for Assurance
Yasuhiro Fujikawaa,b
aJapan Pharmaceutical Manufacturers Association; Nihonbashi Life Science Bldg., 2311 Nihonbashi-Honcho, Chuo-ku, Tokyo 1030023, Japan: andbTsukuba Drug Safety, Biopharmaceutical Assessments Core
Function Unit, Eisai Co., Ltd.; Tokodai 513, Tsukuba, Ibaraki 3002635, Japan.
(Received September 20, 2018)
Many nonclinical and clinical studies are conducted to submit new drug applications for chemical entities. Nonclini-cal studies cover pharmacology, pharmacokinetic, and toxicology aspects and provide pharmacologic evidence as well as kinetic and toxicologic proˆles of the compounds. The risks and beneˆts of compounds are evaluated based on these nonclinical studies, especially before initiation of the ˆrst human trials. Therefore, using adequate procedures, highly controlled, quality nonclinical data should be obtained. This section shares and discusses items required of good labora-tory practice (GLP)-compliant organizations and management systems in GLP facilities in the pharmaceutical industry as well as those required for GLP inspections by the Japanese Pharmaceuticals and Medical Devices Agency. In addi-tion, it explains standard operating procedures for conducting quality, non-GLP, pharmacology, and pharmacokinetic studies.
Key words―good laboratory practice; quality assurance; nonclinical study
1. はじめに 新規医薬品の製造販売承認申請の際には様々な試 験の結果から当該薬物の薬理学的作用,体内動態, 安全性に関する評価が行われる.臨床試験の結果だ けでなく非臨床試験の結果についても,適切な評価 を行うためには,得られたデータに関して,高い信 頼性が求められる.実験動物や in vitro の試験系を 使って化合物の毒性について調べる安全性試験の結 果については,臨床での副作用という観点で重要な 情報になることから,主要な試験は医薬品等の安全 性に関する非臨床試験の実施に関する省令[通称
good laboratory practice(GLP)省令]を遵守した 試験であることが求められる.一方で,薬効薬理試 験や薬物動態試験については,GLP 試験として実 施する必要はないが,一般に「信頼性の基準」と呼 ばれる一定の基準に従って実施する必要がある. 本稿では非臨床試験の信頼性を確保することの重 要性に関して,GLP 試験,GLP 適合性調査,信頼 性基準の観点から企業の取り組みを紹介する. 2. GLP 適用での試験実施について GLP とは,医薬品の安全性に関する非臨床試験 の実施の基準である.開発対象となる化合物によっ て必要となる試験は変わってくるが,新規医薬品の 承認申請を行うにあたって必要と考えられる主要な 非臨床安全性試験を Table 1 に示す. 新規医薬品の安全性評価としては,動物に単回あ るいは反復投与を実施して毒性を調べる一般毒性試 験,DNA などに対する影響を調べる変異原性試 験,発がん性について調べるがん原性試験,受胎能 や催奇形性について調べる生殖発生毒性試験,生命
Table 1. Pivotal Studies of Nonclinical Toxicology or Safety Pharmacology
Single/Repeated dose toxicity study(ies) 単回・反復投与毒性試験
Genotoxicity study(ies) 変異原性試験
Carcinogenicity study(ies) がん原性試験
Reproductive toxicity study(ies) 生殖発生毒性試験
Safety pharmacology study(ies) 安全性薬理試験
Others (Phototoxicity, drug dependency,etc.)
その他(光毒性,依存性など) Fig. 1. Example of Organizational Structure of GLP Facility
維持に重要な機能に対する薬理作用を調べる安全性 薬理試験,そのほか光照射による影響を調べる光毒 性試験や薬物依存性に関する試験などが実施される. GLP 試験を実施する上で省令により求められて いる事項として以下の点が特に重要と考えられる. 記録や資料から試験の再構成ができること 指示命令系統,役割の明確化 各試験が GLP を遵守して試験計画書と標準操 作手順書(standard operation procedure; SOP) に従って実施されること 施設・機器・試験系(動物・細胞など)・被験 物質が適切に管理されていること 教育訓練された従事者によって試験が実施され ること 資料が適切に保存されること これらの中でも,試験実施に伴い発生する様々な 記録類・資料から試験の再構成ができるということ が最も重要と考えられる.例えばデータ(数値)は 確認できるが取得方法が特定できない,データが複 数あり採用すべきデータが不明である場合などは, 試験の再構成ができず,信頼性が高いとは言えな い.また,指示命令系統,役割,各作業における責 任の所在を明確化することで,効率的な作業の実施 が確保される.GLP 試験は試験計画書と SOP に 従って行われることが求められる.施設・機器・試 験系・被験物質についてはその特性に応じて適切に 管理される必要があり,教育訓練を受けた従事者に よって実施されることが求められる.発生する様々 な資料についても紛失・散逸を防ぎ適切に資料保存 を行える環境を備えた保存施設で保存されることが 求められている. 3. GLP施設の組織体制 GLP では試験を実施する部門とは別に,信頼性 保証部門(quality assurance unit; QAU)というグ ループを設置することが求められる.このグループ は第三者の立場で GLP 省令が遵守されているかを 調査する任務を負う.試験計画書,最終報告書と いったドキュメント類の調査,現場作業の実地調 査,施設運用全般に関する調査が実施され,問題が あれば指摘してその対応を確認する業務を担当す る.一般的な GLP 施設の組織体制を Fig. 1 に示す. 試験実施に当たっては施設の責任者である運営管 理者が試験毎に試験責任者を指名し,試験責任者は 現場の従事者や各検査に特化した分担責任者と協力 して試験を実施する.試験によって得られたデータ をまとめて評価を行い,試験責任者は成果物である 最終報告書の作成を行って試験を終了させる.試験 終了後,資料・記録類は資料保存施設管理責任者に その管理責任を移し,資料保存施設で保存される. これらの作業の各場面において,QAU による調査 が実施され,信頼性の確保が図られる. 4. SOP SOP とは標準的な手順を記載した文書である. 種々の業務を SOP 化することにより,作業を再現 性高く,効率的に遂行することが可能になる.試験 は試験計画書と SOP に従って実施される必要があ るため,多くの GLP 施設では定型的なほぼすべて の作業に関して SOP が準備される.SOP の種類と しては,当該施設の運用に関するもの,例えば運営 管理者や試験責任者の任務に関する SOP,施設設 備管理に関する SOP,職員の教育訓練に関する SOP,試験の実施方法(手続き)に関する SOP な どがまず挙げられる.こうした一般的な運用に関す
る SOP のほか,試験の具体的な作業現場で必要と なる SOP として実験動物の取り扱い,飼育,投 与,一般状態観察,さらには臨床検査,眼科学的検 査,心電図測定,剖検,病理標本作製,病理組織学 的検査などの様々な検査の方法に関する SOP が準 備される.In vitro 試験においても同様で,細胞培 養や各種 in vitro 毒性試験の実施に関する SOP が 作成される.試験の実施に当たっては多種多様な機 器が使用されるが,GLP では使用される機器がそ の性能を確実に発揮できるような管理が求められる ため,使用される機器についても,その使用方法並 びに定期点検などによる管理方法を記載した SOP の作成が必要となる.例えば操作自体は電源の On/ OŠ程度の簡便な機器の場合も,SOP を準備して操 作の手順に加え点検に関する手順や頻度などを記載 することで適切な管理を行えるよう準備しておくこ とが,得られたデータの信頼性確保には重要であ る.また,点検を行った際の記録,なんらかの異常 が発生して対応した際の記録なども適切に保存する ことが重要である. 5. 生データ GLPで重要な点の 1 つに何を生データとして定 義するかということが挙げられる.GLP では得ら れたデータ・資料から試験を再構成できることが重 要であり,その根幹となる生データの発生手順及び 何を生データと定義するかということが明確になっ ていなければ信頼性に乏しく,試験の再構成に関し ても困難が伴う.データの分類としては電子データ の場合と手書きやチャート出力などの場合があり, いずれのケースについてもどのようにして取得した データを生データとして取り扱うのかをあらかじめ 決めておく必要がある.また,最初に得られたデー タを用いてなんらかの計算の結果として得られる データは,一種の加工データであることから生デー タとは区別される.データの取得に関しては,例え ば電子記録以外の場合は,容易に消すことができな いボールペンなどを用いて,直ちに,読み易く,記 入者のサインを付けて記録することが求められる. 電子記録の場合は ID とパスワードによりシステム にアクセスしてデータ入力を行い,入力者及び入力 日時の特定を行う.なお,データをなんらかの理由 で変更する場合は,経緯が分かるよう,元のデータ を残した形で,変更実施者並びに変更理由を付記し て変更を行う. 6. 試験計画書 試験計画書は試験の実施に先立ち試験責任者が作 成する文書で,試験の目的や被験物質,使用動物種 あるいは細胞,投与・処置方法や群構成などの試験 デザイン,各種検査と具体的な検査項目,検査方法 などを記載し,適切で円滑な試験の実施のために作 成される.先に述べたように,GLP では試験計画 書と SOP に従って試験を実施することが求められ ている.試験計画書及び SOP への記載をどの程度 詳細に行うことが妥当かという点については,現場 の従事者が試験計画書と SOP を参照すれば,迷う ことなく適切に再現性のとれる作業ができる記載に することが重要と考えられる.試験計画書に記載す べき主な項目としては以下の事項が GLP 省令に示 されており,試験責任者の署名又は記名なつ印によ り作成し,運営管理者が承認を行う(主な記載事 項:試験表題,目的,試験施設の名称・所在地,試 験責任者の氏名,被験物質及び対照物質に関する事 項,試験系,試験の実施方法,データの解析に使用 する統計学的手法,保存される記録・資料,その 他). 標準的な作業の手順は SOP に記載していること から,試験計画書の記載としてはその試験特有の情 報,実施する作業を示し,当該作業の SOP 番号な どを試験計画書中に引用して記載すれば,詳細な記 載は不要で参照する SOP も明確になるため,作業 の効率化・標準化に寄与することができる.一方で SOPに複数の方法が記載されている場合あるいは 作業実施のためにより詳細な記載が必要と考えられ る場合は,現場の混乱を避ける目的で試験計画書に おいて適切な記載を行うことが重要である. 7. 現場作業 実験現場は生データが発生する最も重要な場面で あり,そこでの作業に集中するために事前の準備を 丁寧に行うことがデータの質を向上させ,科学的妥 当性の高い評価に結び付くと考えられる.適切な記 載により,分かり易く準備された試験計画書及び SOP がそのために重要な役割を果たす.GLP 試験 を実施する上では,試験計画書と SOP が必要であ るが,それ以外の多種多様な非臨床試験においても 試験デザインと作業の手順を簡潔に記載した文書を 参照することが,得られたデータの信頼性向上に重
要であると考えられる.データの取得に関しては試 験データを電子データとして取得されるケースが増 えている.GLP を遵守して実施される非臨床安全 性試験では,一般状態所見,体重,摂餌量など動物 室で発生するデータから,血液学的検査,血液生化 学的検査などの臨床検査データ,病理組織学的所見 など,種々のパラメーターまで,電子的にオンライ ンで取得されるコンピュータシステムが汎用されて いる.コンピュータ化されたシステムを使用するこ とで,データの取得や報告書に添付する帳票の作成 が効率的にかつ信頼性高く行うことが可能になる. 一方で,手書きによる作業の記録も多くの場面で行 われ て おり ,実 施 され る作 業 に応 じて 記 録用 紙 (ワークシート)が準備される.手書きで記録を行 う場合,GLP では直ちに正確に,記録することが 求められるので,試験の再構成に十分な情報を速や かに正確に記録するため,各現場作業に適したワー クシートの準備が有用になる.例えば臨床検査用の 採血の際,採血の実施をワークシートに記録する場 合は,試験番号,採血部位,採血方法,採血量など 試験計画書で規定した情報をあらかじめ入力し,記 入欄,チェック欄をプリントアウトしたワークシー トを準備しておき,採血後,準備したワークシート に動物の個体識別番号,採血実施者,採血時刻など 必要な情報を記録する.記録すべき情報の記入欄を 設けていることで,作業も効率的に確実に実施で き,記録漏れなどのミスを防ぐことが期待できる. 実験の現場では,その現場の従事者が効率的に質の 高いデータを取得する方法を考えることが信頼性の 高いデータの取得に重要と思われる. 8. 最終報告書の作成 試験で得られたデータの評価終了後,最終報告書 が作成されるが,最終報告書についても試験計画書 同様,記載すべき項目が省令で示されている.記載 すべき内容としては試験計画書に記載された試験デ ザインに関する情報,各種検査の方法,試験中に起 きた試験の信頼性に影響を及ぼす疑いのある事態に 関する記載並びに試験計画書に従わなかったことの 記載,試験で得られたデータと考察並びに要約,統 計学的手法に関する記載,資料保存場所の記載など である.最終報告書作成にあたっては,試験で得ら れたデータを正確に反映させることに留意する必要 がある.GLP では作成が終了した最終報告書及び 試験資料は適切な資料保存施設で保存されることが 求められる. 承認申請資料は 5 つのモジュールから構成され る.モジュール 1 は各極の規制当局によって定めら れ,内容としては申請書等行政情報や添付文書案な どが含まれる.モジュール 2 からモジュール 5 は医 薬品規制調和国際会議(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Phar-maceuticals for Human Use; ICH)でのすべての地 域に共通する内容で作成され,モジュール 2 は品 質・非臨床・臨床の概要,モジュール 3 は品質に関 する資料,モジュール 4 は非臨床試験の報告書,モ ジュール 5 は臨床試験の報告書で構成される.この ように,非臨床試験の最終報告書は承認申請資料の 構成要素としてモジュール 4 に含まれ,それぞれの 試験結果をまとめた概要文や概要表がモジュール 2 に入る.承認申請資料全体の信頼性を確保するため には,概要文作成の情報源となった各試験の最終報 告書についての信頼性が確保されている必要がある. 9. GLP 適合性調査 試験実施施設が GLP を遵守して試験を実施でき る施設であることについては,医薬品医療機器総合 機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency; PMDA)が GLP 適合性調査を実施して評価が行わ れ,評価の結果 GLP 適合あるいは不適合の判断が 行われる.非臨床安全性試験の主要な試験は GLP 適用での実施が求められており,GLP 適合の施設 で実施される必要がある.GLP に適合する施設で あることの認証は 3 年間有効であるため,3 年毎に GLP適合性調査を受けて信頼性の高い試験施設で あることの継続が図られる.GLP 適合性調査は各 施設が PMDA に調査を依頼し,調査に先立って施 設の概要を記載した資料を作成して PMDA に送付 する.調査に要する期間は施設の規模により様々と なるが,事前に提出された施設概要に関する質疑応 答を行い,施設内の状況を確認するラボツアーを 行っ た 後, 当 該施 設で 過 去 3 年間 に 実施 され た GLP 適用試験の中からいくつかの試験を選定して 試験資料の内容確認を行う Study Audit が実施され る.Study Audit では試験計画書及び最終報告書な どの文書のほか,作業記録や保存されている標本な どの試験資料から,当該試験が GLP 省令を遵守し て,試験計画書と SOP に従って実施されたことが
確認される.調査の過程では必要に応じて試験責任 者など施設側の担当者との質疑応答や生データの確 認が行われる.調査の結果は後日 PMDA で議論さ れて施設側に連絡される. 10. 信頼性の基準 非臨床試験のうち,主な安全性試験及び安全性薬 理試験については GLP 適用試験の実施が必須であ るが,新規医薬品の製造販売承認申請に使用される 薬効薬理試験や薬物動態試験については GLP 適用 での試験は求められない.ただし,薬機法(医薬 品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等 に関する法律)第 14 条第 3 項に示されているよう に,厚生労働省令で定める基準(薬機法施行規則第 43条)に従って実施される必要がある.それが一 般に 「信 頼 性の 基準 」 と呼 ばれ る 基準 であ る . GLP で必要な組織体制,試験計画書・SOP の作成 など詳細は規定されていないが,基本原則は正確性 として試験結果に基づき正確に作成されているこ と,完全性・網羅性として有効性・安全性等を疑わ せる結果が得られた場合,結果について適切に対応 されていること,資料が適切に保存されていること が求められる.信頼性の基準に従って試験を実施す るには,GLP 試験を実施する際に準備した多くの ことを取り入れて薬効薬理試験や薬物動態試験を実 施することが有用になる.例えば記録に関して,実 験ノートを使用する際,第三者が理解できる記録, 実験の再構築が可能となるよう使用機器,設定条 件,試薬のメーカーやロット,動物情報などの丁寧 な記録を行い,発生する記録・資料類を適切に保存 することは研究の現場で実現可能な手段である.ま た,実験に直接携わらない者が適宜データチェック を実施して,科学的妥当性の評価とともにデータ取 得方法についても点検することが信頼性向上につな がる.承認申請資料の重要な情報の 1 つとして利用 されるために,最終的な試験結果を報告書の形でま とめ,資料を適切に保存する. 11. おわりに GLP 適用試験の実施方法を中心に非臨床試験 データの信頼性保証に関する企業の取り組みを紹介 した.GLP は試験によって得られたデータの信頼 性を確保するために作られたシステムであり,それ を遵守して作業を行うことで科学的妥当性が高く, 信頼性も高い試験結果を提供することができる. GLP 適用試験を実施するためには省令で求められ る施設設備,体制,人員,SOP などを準備する必 要があり,それらのすべてを薬効薬理試験や薬物動 態試験を実施する施設で準備する必要はないが,同 様な試験の繰り返しを行うことなく将来新規医薬品 の承認申請資料に使用できる試験を実施するために は GLP の基本的な考え方を理解し,GLP 施設で実 施されている種々の効率的な作業を取り入れること は重要なことだと考えられる.動物実験の繰り返し を 避 け る こ と は Reduction, Replacement, Reˆne-ment の 3Rs にも結び付き,目的とする医薬品開発 にかかる期間短縮にも貢献できる可能性がある. GLP は規制が厳しく手間と人員が必要で,GLP で の試験実施が求められない研究者には敬遠される部 分もあるが,そのエッセンスを利用することは様々 な研究現場で可能である.丁寧に準備をして正直に 実験を行う.これは,どの研究にも共通して持つこ とのできる研究者の良心であり,大切なことを守る 行為で自らの実験データの信頼性が守られるという ことが本稿で伝えられれば幸いである. 利益相反 藤川康浩(エーザイ株式会社の社員).