1.トラックドライバー不足の現状
○トラックドライバーの供給量は2015年から2025年までに2割減少し、50歳以上のトラックドライバーの割合については
今後増加していく。
○需要量と供給量を比較すると、2020年度までに需要量に対して1割のドライバーの供給量が不足と予測されている。
○東北7県のトラック運送事業者からも、今後トラックドライバー不足により長距離輸送において支障を来すなどの意見
があり、労働力の確保と輸送の効率化は喫緊の課題である。
2%
14%
15%
16%
18%
16%
10%
7%
2%
0%
0 20,000 40,000 60,000 80,000
65歳以上
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
(人)
合計人数:357,897人
【2015年】
2%
19%
25%
18%
11%
10%
9%
5%
1%
0%
0 20,000 40,000 60,000 80,000
65歳以上
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
(人)
合計人数:287,396人
【2025年】
50歳以上
47%
50歳以上
64%
2割減
図 トラックドライバー(大型自動車)供給量の将来予測(2015年→2025年)
資料:「平成25年度本部委員会報告書(公益社団法人鉄道貨物協会) 」
2010年度 2020年度 2030年度
需要量 993,765人 1,030,413人 958,443人
供給量 964,647人 924,202人 872,497人
過不足 -29,118人(2.9%) -106,211人(10.3%) -85,946人(9.0%)
表 トラックドライバー数の需給状況
○ベテラン世代が退職してしまうため、今後、日帰り困難
な300kmを超える長距離輸送において支障を来す。
○ハローワークや求人誌などに求人情報を載せても問い
合わせがほとんど無い状況。
【東北7県のトラック事業者からの意見(H28d聞き取り)】
1
2.輸送効率化を目指した輸送手段別の取り組み
○トラックドライバー不足への対応のためには輸送の効率化が必要とされており、陸上・海上・鉄道それぞれの分野
で輸送効率化に向けた取り組みが行われている。
○東北国際物流戦略チームでは、近年他地域でも取り組まれているコンテナラウンドユース(以後CRU)について、東
北地域への導入の可能性について検討することとした。
輸送手段 分類 取組内容
陸上輸送
隊列走行
❏トラックを隊列走行することにより、車両の省エネ化と渋滞の低減を実現。
❏「トラック隊列走行」の商業化に向けた、経済産業省と国土交通省、国内トラックメーカーによる高
速道路での実証実験が行われた。
ダブル連結トラック ❏1台で通常の大型トラック2台分の輸送が可能な全長25mの「ダブル連結トラック」の導入を目指し、
国土交通省と福山通運による実証実験が行われた。
中継輸送実験
❏一つの行程を複数人で分担して短時間で勤務することにより、若年層や女性をはじめとした新規
就労者を確保することを目的とした「中継輸送」の導入を目指し、国土交通省が実施の手引きを作
成するなど、検討が進められている。
宅配業 ❏再配達を削減するため、各所に再配達受け取り専用ロッカーが整備されている。
道路網整備 ❏全国で道路網の整備が進められている中で、特に東日本大震災からの早期復興に向けた三陸沿
岸道路など、東北地域においては高規格道路の整備促進が図られている。
海上輸送
新規航路開設
(東北管内)
❏釜石港の外貿定期コンテナ航路(中国・韓国航路)の開設 ⇒ 平成29年11月17日に第一便寄港
❏宮古-室蘭フェリー航路の開設 ⇒ 平成30年6月22日に開設予定
コンテナヤードの
整備・計画
(東北管内)
❏仙台塩釜港、八戸港、酒田港におけるコンテナヤードの拡張・整備が進められている。
モーダルシフト ❏国土交通省では海上輸送へのモーダルシフトでCO2を大幅削減した荷主20社と物流事業者17社、
合計37社を表彰する等、モーダルシフトの更なる推進を目指している。
コンテナラウンドユース
(CRU)
❏輸入に用いた後の空コンテナを港に戻さず輸出者へ空コンテナを直接輸送することで、空コンテナ
輸送及びCO2排出量の削減を目指す仕組みで、各地域で取組が進められている。
鉄道輸送 モーダルシフト ❏国土交通省では、CO2排出量の削減や中長距離における大量・定時輸送等を目指し、トラック輸送
から鉄道輸送に切り替えるモーダルシフト推進のために様々な取り組みを行っている。
2
3.コンテナラウンドユース(CRU)の取り組み
○CRUとは、輸入に用いた後の空コンテナを港に戻さずに輸出に転用し、空コンテナの輸送距離を削減する取組みで
ある。
○他地域におけるCRUの取組みは港の混雑を避けることを目的として実施されている事例があるが、トラックドライ
バー不足への対応やCO2排出削減にも効果的である。
○CRUの輸送方式としては主に、輸入者が荷を取り出し空になったコンテナを、①直接輸出者へ回送するオンシャー
シ方式と②内陸部に設置したコンテナ置場(ICD)を経由する2種類がある。
【CRUの導入例(オンシャーシ方式・ICD方式)】
資料:コンテナラウンドユース推進の手引き(日本ロジスティクスシステム協会)
(通常輸送)
港
輸
入
者
輸
出
者
空コンテナ
実入りコンテナ
実入りコンテナ
空コンテナ
【関係主体別のメリット・デメリット】
主体 メリット デメリット
荷主
○CO2等環境負荷の軽減
○輸送コストの削減
○空コンテナの確保(輸出荷
主)
○コンテナフリータイムの有効
活用
○管理コストの増加
○運営上の調整事項の増加
○コンテナグレードの差異によ
るリスク
フォワー
ダー
○CO2等環境負荷の軽減
○荷主に対する営業の材料と
して活用
○管理コストの増加
○顧客流出の可能性
輸送事業
者
○CO2等環境負荷の軽減
○トラックの実車率及び回転
率向上
○ドライバー不足への対応
○荷主に対する営業の材料と
して活用
○輸出入コンテナ1個当たりの
売り上げ減少
○顧客流失の可能性
ICD ○新しい事業機会の創出
○CO2等環境負荷の軽減
○管理コストの増加
○CRU実施のための初期投資
リスク
実入りコンテナ
実入りコンテナ
空コンテナ
ICD
(インランド
コンテナデポ)
空コンテナ
空コンテナの
輸送距離を
削減
港
輸
入
者
輸
出
者
実入りコンテナ
実入りコンテナ
空
コ
ン
テ
ナ
港
輸
入
者
輸
出
者
オンシャーシ方式
によるCRU
(オンシャーシ方式)
(ICD方式)
3
4-1.コンテナラウンドユースの先進事例
図 CRUに取組む主体の分布
(地図上の位置は各主体の拠点または利用しているICDを示す。赤枠の主体は調査を行った対象事例を示す。)
ケービーエスクボタ(H20~)
日本通運(コンテナマッチングセンター)(H26.秋~)
太田国際貨物ターミナル(H11.5~)
埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会(H26.11~)
濃飛倉庫運輸(H27.8~)
阪神インランドコンテナデポ(H24.10~H28.9 )
滋賀みなくち(ICD)(H28.10~)
宇都宮国際貨物ターミナル(H8~)
クボタ(ケービーエスクボタ)(H27.10~)
JUKI(H5~)
横浜ゴム
本田技研工業(H26~)
佐野インランドポート(H29.11~)
吉田運送(H25以前~)
大竹運送(H19.10~)
日本フレートライナー(H27.8~)
タツミトランスポート(H27.8~)
八潮運輸(H27.8~)
日本高速輸送(H27.8~)
○CRUの取組については、下図のとおり既に多くの取組が行われている。
○先進事例として、下図赤枠で囲んだ4者に対しヒアリング調査を行い、整理した。
①日本通運(コンテナマッチングセンター)・・・・運送事業者
②ケービーエスクボタ・・・・荷主の物流子会社(部門)
③太田国際貨物ターミナル・・・・第3セクター
④埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会・・・・行政
4
4-2.日本通運(コンテナマッチングセンター)の取り組み
○顧客へのサービスとしてH26年に本社内にコンテナマッチングセンターを立ち上げ、顧客要望に基づきマッチング
可能性のある他の顧客の紹介や、船社との交渉、その他段取りを実施。
○マッチングには日本通運の顧客情報に、他団体他事業者等のデータを加えて運用。
○サービスを開始したH26年からH29年までに、1,500件のCRUが成立。
○東北の輸出業者に対し、首都圏から鉄道を利用して内貨でコンテナ輸送により空コンテナを調達する事例あり。
図 コンテナマッチング
センターが目指す姿
概要・特徴
○顧客へのサービスとしてH26年に日本通運がマッチングセンターを立ち上げ。
○顧客要望に基づき、マッチング可能性のある他の顧客の紹介や船社との交渉、その他段取りを実施。
○京浜港等の大規模港湾の背後圏を中心にサービスを提供。
○東京・名古屋・大阪・神戸・福岡の他、富山でも成立事例あり。
規模・マッチング率 ○サービスを開始したH26年からH29年までに、1,500件(3,300TEU)が成立。
成功要因 ○日本通運の顧客情報に、他団体他事業者等のデータを加えて運用したマッチング。
行政等の支援 ○埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会等が取組を紹介。
利害関係者等との調整 ○コンテナマッチングセンターが利害関係者間の調整を実施。
○削減された輸送コストは、輸入者・輸出者・運送業者3者でシェアが基本。
不調事例 ○輸出入者をマッチングできた後であっても、海上運賃の変動で荷主が船会社を変える事により、マッチン
グが不成立となる例がある。
備考 ○コンテナマッチングセンターでは輸出入者のマッチングや段取りを行うが、実際にCRUを実施するのは輸
出入者自身であるため、CRUが軌道に乗るかどうかは輸出入者の努力によるところが大きい。
マッチング業務従事者 2名
【取組内容】
【従事者数】
5
4-3.ケービーエスクボタの取り組み
○自社の約1万本の輸出に利用する空コンテナを調達するため、H20年から内陸部にある自社工場内でのCRUを開
始し、H25年からは複数の輸入企業とICDを活用したCRUを実施。
○空コンを搬入したトラックに、必ず輸出用の実入りコンテナを運搬してもらうことで協力者を拡大。
○現在、年間の輸出コンテナ1万本のうち8割にあたる8,000本をCRUにより調達。
概要・特徴
○H20年から自社で扱う600本の輸入コンテナをすべて輸出コンテナとしてラウンドユースする取組を開始。
○H25年からケービーエスクボタの親会社の輸出をベースカーゴとして複数の輸入企業を活用したCRUを
実施。
○関東では3拠点(真岡ICD、坂東ICD、つくばICD)で、関西では1拠点(伏見ICD)でCRUを実施。
規模・マッチング率 ○関東では31者、関西では17者の輸入者等がCRU参加。
○関東におけるH28年のCRUの実績は、年間輸出コンテナ数1万本のうち8割にあたる8,000本。
成功要因
○ベースとなるケービーエスクボタの親会社の輸出コンテナが多数存在すること。
○空コン搬入トラックを必ず輸出に利用し、協力者を拡大したこと。
○当初はICDを利用しないオンシャーシによる1対1のCRUを実施しており、コンテナマッチング率が3割程
度にとどまったが、現在のICDを活用したCRUに切り替えた結果、マッチング率は80%程度に達した。
行政等の支援 ○CRU開始当初、茨城県がケービーエスクボタ㈱及び輸出荷主としての親会社にマッチング相手を紹介。
利害関係者等との調整 ○ケービーエスクボタが専任の担当者を置いて調整を実施。
不調事例 ○ICDに持ち込まれた空コンテナが、破損している等の理由により輸出に転用できないことがある。
備考 ○ICDを活用したCRUでは、コンテナの洗浄や簡単な補修が行える設備をICDに置いているが、コンテナの
状況によっては搬入された空コンテナを輸出に転用できない場合がある。
コンテナ蔵置場面積 3,180m2
管理事務所 みなと運送つくば支店内1棟(管理棟)
従事人員 ケービーエスクボタ社員4名、
みなと運送社員1名(オペレータ)
使用機械 45tリーチスタッカー1基
フォークリフト複数台
業務内容
倉庫荷役、コンテナ荷役(バン・デバン)、
バンプール業務(コンテナシフト、蔵置、
チェック、メンテナンス)
【取組内容】
【ICDのスペック】
6
4-4.太田国際貨物ターミナルの取り組み
○群馬県太田市周辺に立地する企業の国際物流を効率化するため、太田市等が中心となってH11年に㈱太田国際貨物ター
ミナル(OICT)を設立、H12年に本社ターミナルを開業。H25年にはバンプールとして海上コンテナターミナルを近傍に整備。
○OICTが船社指定のバンプールを提供し、フォワーダーがそれぞれコンテナマッチングを行っている。
概要・特徴
○太田市等が中心となって、H11年に㈱太田国際貨物ターミナル(OICT)を設立。H12年に保税倉庫とその
関連施設を建設。
○船社指定のバンプールとして提供し、返却された輸入空コンテナを輸出コンテナに利用。
○OICT自身はCRUサービスは行っておらずフォワーダーがOICTのバンプールを利用してCRUを行っている。
規模・マッチング率 ○H28年度の輸出コンテナ取扱量は約2.4万TEUで、うち約33%がOICTに返却された空コンを利用。
○特定荷主が積極的に行ったCRUは、うち100~200個程/年。
成功要因 ○利用船社の誘致・契約船社拡大と、船社バンプールのPRによる空コンテナの確保。
行政等の支援 ○太田市による本社ターミナル等の整備、国・県・市の補助による海上コンテナターミナルの整備。
利害関係者等との調整 ○基本的にフォワーダー等が関係者の調整等を行ってCRUを実施。
不調事例
○1対1のCRUが月間600~700TEU、2年半継続して行われていたが、一方の荷主が船社を変更したため、
打ち切られた。
○顧客である輸出者の輸送コスト削減の要望を受けてOICTがマッチングしたCRUが実施されたが、ドレー
ジ費用は安くなったもののデポにおける費用負担(保管、コンテナチェック、積卸等)が増加したため、長続
きしなかった。
備考
○荷主は定期的に輸送コストの比較等を行い、船社を変更する場合がある。特に、1対1のCRUの場合、片
方のマッチングの条件が合わなくなれば、CRUが継続できなくなる。
○輸出入者がCRUに取り組む目的の一つに、輸送コストの削減があるため、CRUを実現するには一定の輸
送コストの削減が求められる。
整備面積 37,627m2(海上コンテナターミナル)
事務所 管理事務所1棟、
守衛所及び現場事務所1棟
従事人員
※会社全体
社員18名、パート10名程度、関連事業者を入れ
ると200名
使用機械 コンテナ荷役機械3基
業務内容
倉庫荷役、コンテナ荷役(バン・デバン)、バン
プール業務(コンテナシフト、蔵置、チェック、メ
ンテナンス)、海上コンテナ輸送(陸上輸送)、
保税・通関機能
【取組内容】
【海上コンテナターミナルのスペック】
7
4-5.埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会の取り組み
○京浜港の混雑により、埼玉県内の立地企業や運送事業者の物流効率が悪化したことによる輸送時間ロスなどへ
の対応策としてCRUを推進するべく、埼玉県が中心となって多社異業種からなる埼玉県コンテナラウンドユース推
進協議会をH26年に発足。
○埼玉県は、県内で行われているCRUの実態把握のため、社会実験における実績報告の収集や、お試しデポの公
募等を実施し、構成員が行うCRUの取組を後押し。
図 ラウンドのパターン
(資料:「埼玉県コンテナラウンドユース推進の取組」
第6回SCRU埼玉県報告資料)
概要・特徴
○京浜港の混雑により物流効率が悪化したことによる輸送時間ロスなどへの対応策としてCRUを推進す
るべく、H26年に埼玉県が協議会を発足。
○協議会は荷主、陸運事業者、船会社、保険会社、金融機関等の多社異業種により構成。
○県内で行われているCRUの実態把握のため、社会実験における実績報告の収集や、お試しデポの公
募等を実施。
規模・マッチング率
○協議会構成員はH29年12月時点で81団体。
○H26年度~28年度の3か年にかけ行われた社会実験で把握されたCRU件数は約3.2千件。報告件数は
年々増加。
成功要因 ○様々な立場の企業が情報を共有、交換する場を提供。
利害関係者等との調整 ○利害関係者の調整は、それぞれの取組を行う当事者間で実施。
【取組内容】
8
4-6.CRUの先進事例の整理
○CRUの先進事例における取組の目的としては、運送事業者による顧客へのサービス、荷主企業による空コンテナ
調達、立地企業の物流の効率化等が挙げられる。
○CRUの取組については、荷主自ら実施、運送事業者が営業品目として実施、運送事業者への場所の提供、行政に
よるお見合いの機会の提供など様々な立場による取り組み方がある。
日本通運
(コンテナマッチングセンター) ケービーエスクボタ
太田国際貨物ターミナル(OICT)
埼玉県コンテナラウンドユース推
進協議会
取組の
目的
顧客(荷主)へのサービス提供
のため
自社の輸出に利用するコンテナ
を経済的に調達するため
群馬県太田市周辺に立地する企
業の国際物流の効率化のため
京浜港の混雑による、埼玉県内
立地企業や運送事業者の輸送
時間のロスなどへの対応のため
特徴
顧客要望に基づき、マッチング
可能性のある他の顧客の紹
介及び船社との交渉、その他
段取りを実施。
削減された輸送コストは、基本
的に輸入者・輸出者・運送業
者の3者でシェアしている。
CRUにおいてドライバーが空
荷とならない運用を行っている。
H25年から親会社の輸出をベー
スカーゴとしてラウンドユースす
る取組を開始。
関東では3拠点、関西では1拠点
でCRUを実施。
ケービーエスクボタが専任の担
当者を置いて調整を実施。
OICTがサービスの一つとして船
社デポのバンプールを提供し、
フォワーダーがそれぞれマッチン
グを行っている。
協議会は、荷主、陸運事業者、
船会社、保険会社、金融機関等
の異業種他社により構成される。
CRU成功
のポイント
日本通運の顧客情報に、他団
体他事業者等のデータを加え
てマッチングを実施。
コンテナマッチングセンターが
関係者間の調整を実施。
ベースとなる会社の輸出コンテナ
が多数存在。
空コン搬入トラックを必ず輸出に
利用し、協力者を拡大。
首都圏にあり、周辺に輸入企業
(空コンテナ)が多数存在。
契約船社を拡大。
船社バンプールのPRによる空コ
ンテナを確保。
様々な立場の企業が情報を共有、
交換する場を提供。
利害関係者の調整は、それぞれ
の取組を行う当事者間で実施。
CRUの社会実験の実績報告の
収集や、お試しデポの公募等を
実施。
不調事例
輸出入者をマッチングできた
後にも、海上運賃の変動で荷
主が船会社を変えることにより
マッチングが不成立となる例
がある。
ICDに持ち込まれた空コンテナが
破損している等の理由により、輸
出に転用できないことがある。
1:1のCRUが行われていたが、
一方の荷主が船社を変更したた
め打ち切られた事例がある。
ドレージ費用が安くなったものの、
デポにおける荷主の費用負担が
増加し、長続きしなかった例があ
る。
-
9
5.東北地域におけるCRU導入効果の見込まれる地域
○H25年コンテナ流動調査より、東北地域におけるコンテナ貨物の輸出入量が多い地域として3地区(北上、福島・米
沢、郡山)が挙げられる。
○更に、3地区の中で東北港湾利用が最も多く、輸出入バランスが取れ、釜石港および大船渡港まで約2時間で行く
ことができる岩手県内陸部の北上地区が、CRU導入効果の見込まれる地域として考えられる。
※今回は、モデルケースとして岩手県北上地区についてCRU導入の検討を行った。
【市町村別生産・消費輸出入コンテナ(FCL)の本数】
資料:平成25年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査よりFCLの本数をもとに作成
【貿易企業の立地状況】
資料:平成25年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査より、コンテナ(FCL)
の生産量・消費量の本数をもとに作成
【地区別の東北港湾利用コンテナ本数(FCL本数/月)】
地区
地区内の生産・消費コンテナ貨物(本)
内東北域内港湾を利用した貨物
輸出 輸入 輸出 輸入 総計
北上地区 331 829
131
490
621
福島・米沢地区 498 2,655
13
539
552
郡山地区 247 2,324
11
383
394
【地区別の集計範囲】
北上地区 福島・米沢地区 郡山地区
※ICDの位置:港から約2時間
輸出者:ICDから約30分
輸入者:ICDから約2時間
10
6.岩手県内陸部に立地する荷主等によるCRUに対するニーズ
○岩手県内陸部の貨物流動及びCRUに対するニーズを把握するために、岩手県内陸部の輸出入コンテナ貨物を扱
う荷主企業の中から調査に協力頂けた企業へヒアリングした。
○関係者へCRUに対するニーズについて聞き取りしたところ、CRUの導入に前向きな担当者がいた一方で、CRUを知
らない担当者も存在した。
○岩手県内港湾を利用している船社はCRUを推進しており、CRUの取組に協力できるとの意見が得られた。
○マッチング相手がいればCRUに取組みたいとの前向きな荷主企業が存在したことから、意見交換会等の荷主同士
が出会う機会の提供が効果的であると考えられる。
企業 CRUの取組状況、ニーズ
A社
(主に製品の輸入)
・すでに自社内のCRUを導入した。また、他社とのCRUについても導入を検討している。
・荷主意見交換会のような場は、まず出会う・知る機会として有意義である。
B社
(製品の輸出)
・年度末・年末・年始はトラックドライバー不足が顕著になる。
・ラウンドユースを行うことで、陸送会社の負担を減らしたい。
・コンテナをいかに集めることができるかが重要である。また、船社の協力も必要となる。
C社
(製品の輸入)
・他地域では主に輸送コストの削減を目的に、他社とのCRUを実施している。
・東北地域においても、マッチングする輸出企業があればぜひ取組みたい。
D社
(製品の輸出、輸入)
・トラックドライバー不足により、将来的に物が運べなくなることを危惧しており、CRUはトラックドライバー不足への対応策と
して有効である。
E社
(主に製品の輸出)
・主に輸送コストの削減を目的に、自社内のCRUを本年度から開始した。
・CRUの実施により、トラックドライバーの効率的な配置にも貢献していると自負している。
F社
(主に製品の輸出)
・物流は基本的にフォワーダーに任せている状態である。
・CRU自体、今回のヒアリングで初めて知った。
・貨物量が少ないため、CRUの導入はマッチングの面で難しいだろう
G社
(主に製品の輸出)
・トラックドライバー不足の影響は出始めているため、対応策としてCRUの導入は有効である。
・実現には至らなかったが、他社とのCRUを過去に検討した。
船社
(岩手県港湾を利用)
・CRUを推進しており、顧客からCRUについて問い合わせがあると「是非行って下さい」と伝えている。
・東北地域に指定デポを5箇所所有しており、荷物があればデポ指定可能である。
・荷主の立場からすると選択肢が増えるため、是非ほかの船社もCRUに取り組むと良い。
※船社指定デポ:港頭地区のバンプールと同様に、コンテナの返却・ピックアップ場所として運用できる施設。 11
7.岩手県内陸部の輸出入コンテナの貨物流動
○ヒアリングを行った企業の貨物流動から、大船渡港を利用した場合、輸出入コンテナの種類及び利用船社が一致
する組合せが1パターン見られたが、より多くの組合せを探すことが必要である。
○現状、岩手県内港湾以外の秋田港や仙台塩釜港、新潟港、京浜港などの他県港湾から陸送されているコンテナ
貨物が存在しており、CRUの取組にあたっては、より多くの荷主や船社にCRUへ参加して頂くことにより取組効果が
発揮されるものと考えられる。
【ヒアリング調査で把握した北上地区の荷主企業における利用港湾と貨物の取扱量(本/年)】
12
8.岩手県コンテナ物流関係者による意見交換会
○これまでの調査結果を踏まえ、平成30年2月5日に岩手県奥州市において、CRUの取組の推進を目的としたコンテ
ナ物流関係者による意見交換会を開催。
○CRU取組の必要性を認識すると共に、導入には受益者負担も含めた幅広い制度設計が必要であることを確認。
○関係者で課題を認識・共有し、今後も検討を進めることとした。
<出席者からの主な意見>
【CRU取組の必要性について】
・トラックドライバーは近い将来さらに少なくなると予想されている。一方、東北港湾
におけるコンテナ取扱量は増加している。このままではコンテナが扱えなくなる危
機感を持っている。その対策の一つとしてCRUに着目し検討している。
・場所やお金の問題はあるが、ICDに参画するつもりでこれまで取り組んできた。周
りの変化が早いので、対応にスピード感が必要。
・CRUに取り組むことでトラックの拘束時間の中で倉庫から釜石港のコンテナヤー
ドまで1日2往復が可能となる。日帰りできると取っつきやすく、女性ドライバーも
活用し易くなる。
・空コンの回送という余分な費用が掛かると価格競争面で負けてしまう。県内で
CRUを実施できれば競争力が増す。
【検討課題等について】
・現在、仙台港にコンテナが流れているのは釜石港、大船渡港に空コンテナがない
からである。国道4号線をどの程度コンテナが通っているのかと思い見ていると、
岩手県で宇都宮や東京ナンバーの空のトレーラーが通っている。
・マッチングできるかどうかは船社の協力等も必要である。
・制度設計では、港湾の利用促進や荷主支援などの目的の整理、対象港湾をどう
するかなど、検討が必要である。
・CRU実施によるメリットが大きいのは荷主だと思う。県内事業者、関係自治体が課
題を認識、共有し、議論する場が必要。
【出席者】
・岩手県県土整備部港湾課
・釜石市、大船渡市、奥州市
・陸運事業者
・港運事業者
・東北地方整備局 港湾空港部
・東北地方整備局 釜石港湾事務所
13
9.コンテナラウンドユースの成立条件と北上地区の現状及び課題
○既往調査
※
や先進事例調査から想定される成立条件と、北上地区に立地する荷主企業への調査をもとに、CRUに取
り組むにあたっての現状及び課題を整理した。
成立条件 内 容
北上地区におけるCRU取組上の現状及び課題
①船社の
一致
○輸出入者が利用する船社
が一致している必要がある。
○北上地区に立地する荷主企業11社へ調査を行った結果、利用船社は9社(MOL、
NYK、K-Line、ハパクロイド、KMTC、SITC、OOCL、CKライン、興亜)であった。そのうち、輸入
企業と輸出企業が一致しているのは1例であった。
②コンテナ
種類
の一致
○輸出入者が利用するコンテ
ナの長さや高さが一致して
いる必要がある。
○北上地区に立地する荷主企業へ利用コンテナに関する調査を行った結果、輸出入と
も9割以上が40ftコンテナ利用であり、コンテナ長さについては一致する例が多かった。
高さについては確認できていない。
③コンテナ
状態
の合致
○輸入コンテナ利用後のコン
テナの状態が輸出する貨物
の特性に合致する必要があ
る。
○現状では、輸出入荷主の貨物の特性や求めるコンテナの状態が確認できていない
ことから、荷主に情報を求めることが必要である。
○なお、状態の良いコンテナを求める荷主には洗浄や補修を行うことで、荷主の求め
る状態に合致出来る場合がある。
④スケジュー
ルの合致
○空コンテナの欠品や長期滞
留をさせないために、輸出
入のスケジュールを合わせ
る必要がある。
○現状では、荷主の輸出入スケジュールが確認できていないことから、荷主に情報を
求めることが必要である。
○輸出入スケジュールがピンポイントで合致する場合はオンシャーシでのCRUが可能
であるが、ある程度のスケジュール調整が必要である場合は、ICDの活用等により
バッファ期間を確保する必要がある。
※コンテナラウンドユース推進の手引き(日本ロジスティックス協会)
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